JP2017149940A - ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐熱性、誘電特性を有し、かつ、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性や靭性にも優れ、従来よりも低比重、低屈折率であるポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルムの提供。【解決手段】式(1)および式(2)で示される二価フェノール残基と、芳香族二価カルボン酸残基を含むポリアリレート樹脂。【選択図】なし
Description
本発明は、優れた耐熱性、誘電特性を有し、かつ、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性や靭性にも優れ、従来よりも低比重、低屈折率であるポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルムに関するものである。
ポリアリレート樹脂は、特に電気絶縁性や誘電特性が優れていることから、プリント基板等の電子部品への応用が展開されている。近年、電子機器では、高速大容量通信に向けた高周波化が進んでおり、信号処理の高速化が求められている。しかしながら、一般的なビスフェノールAとテレフタル酸とイソフタル酸とからなるビスフェノールA型のポリアリレート樹脂は、電気信号の伝播遅延および伝送損失に影響する誘電率や誘電正接が高いという問題があった。また、一般的なビスフェノールA型のポリアリレート樹脂は、鉛フリーはんだの使用やリフローはんだ付けに耐えることができる程度の耐熱性がないという問題があった。
上記のような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールとテレフタル酸およびイソフタル酸とからなるポリアリレート樹脂をプリント基板等の電子部品に用いることが開示されている。
近年、環境への影響や作業者の安全性の観点から、従来使用されていたクロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン系溶剤に変えて、キシレン、シクロヘキサノン等の非ハロゲン系溶剤を用いることが多くなってきている。しかしながら、特許文献1のポリアリレート樹脂は非ハロゲン系溶剤への溶解性が不十分であった。
また、フレキシブルディスプレイ等の基板フィルムとした際には、加工性と柔軟性、かつ強度の観点から、靱性が高いことが求められているが、特許文献1のポリアリレート樹脂は靱性が低かった。
また、モバイル機器に搭載される光学ディスプレイ基板等に使用される光学フィルムでは、持ち運びしやすいように比重の低いことが求められているが、一般的なビスフェノールA型のポリアリレート樹脂や特許文献1のポリアリレート樹脂は比重が高かった。
また、モバイル機器に搭載される光学ディスプレイ基板等に使用される光学フィルムでは、PETやポリスチレンフィルムとの複層フィルムとした際に反射抑制等の視認性向上の観点から、PET(屈折率1.58)やポリスチレン(屈折率1.59)なみの屈折率の低い材料が求められているが、一般的なビスフェノールA型のポリアリレート樹脂や特許文献1のポリアリレート樹脂は屈折率が高かった。
本発明は上記課題を解決するものであって、優れた耐熱性、誘電特性を有し、かつ、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性や靭性にも優れ、従来よりも低比重、低屈折率であるポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、二価フェノール成分として、一般式(1)および一般式(2)の二価フェノール残基を与える二価フェノールを併用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)一般式(1)および一般式(2)で示される二価フェノール残基と、芳香族二価カルボン酸残基を含むポリアリレート樹脂。
(式(1)中、R1およびR2は、独立して、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子を表し、pおよびqは、独立して、0〜4の整数を表し、mは6〜14の整数を表す。)
(式(2)中、R3およびR4は、独立して、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子を表し、rおよびsは、独立して、0〜4の整数を表す。)
(2)一般式(1)で示される二価フェノール残基が、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン残基である(1)に記載のポリアリレート樹脂。
(3)一般式(2)で示される二価フェノール残基において、rおよびsが1〜4である(1)または(2)に記載のポリアリレート樹脂。
(4)芳香族二価カルボン酸残基が、テレフタル酸残基およびイソフタル酸残基である(1)〜(3)いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載のポリアリレート樹脂からなるフィルム。
(1)一般式(1)および一般式(2)で示される二価フェノール残基と、芳香族二価カルボン酸残基を含むポリアリレート樹脂。
(2)一般式(1)で示される二価フェノール残基が、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン残基である(1)に記載のポリアリレート樹脂。
(3)一般式(2)で示される二価フェノール残基において、rおよびsが1〜4である(1)または(2)に記載のポリアリレート樹脂。
(4)芳香族二価カルボン酸残基が、テレフタル酸残基およびイソフタル酸残基である(1)〜(3)いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
(5)(1)〜(4)いずれかに記載のポリアリレート樹脂からなるフィルム。
本発明によれば、優れた耐熱性、誘電特性を有し、かつ、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性や靭性にも優れ、従来よりも低比重、低屈折率であるポリアリレート樹脂を提供することができる。本発明のポリアリレート樹脂やそれからなるフィルムは、プリント基板やディスプレイ、照明、太陽電池等の基板フィルムとして好適に用いることができる。
本発明のポリアリレート樹脂は、二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基とから構成される。
二価フェノール残基としては、一般式(1)および一般式(2)で示される構造を含有することが必要である。一般式(1)および(2)で示される構造を含有させることで、非ハロゲン系溶剤への溶解性を向上させ、引張破断強さと引張弾性率を維持しつつ引張破断伸びを向上させ、比重および屈折率を低下させることができる。
一般式(1)において、R1およびR2は、ベンゼン環に結合する置換基を表し、独立して、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子で表す。これらの中でも、工業的に入手し易いことや合成し易いことから、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、シクロヘキシル基が好ましく、臭素原子、メチル基がより好ましい。
一般式(1)において、pおよびqは、ベンゼン環に結合する置換基R1およびR2の数を表し、独立して、0〜4の整数で表す。なお、pおよびqが0の場合、一般式(1)中におけるベンゼン環に結合するすべての水素原子がR1およびR2に置換されていないことを表す。pが2〜4の場合、複数のR1は、互いに同じ置換基でもよく、異なる置換基でもよい。qが2〜4の場合、複数のR2は、互いに同じ置換基でもよく、異なる置換基でもよい。pおよびqは、工業的に入手し易いことや合成し易いことから、0または1であることが好ましい。
一般式(1)において、mは環状アルキル基のメチレン基の数を表し、6〜14の整数を表す。mが6より小さい場合、ガラス転移温度や非ハロゲン系溶剤への溶解性が低下したり、比誘電率や誘電正接、比重、屈折率が大きくなる場合がある。一方、mが14より大きい場合、工業的に入手したり、合成することが難しい場合がある。
一般式(1)で表される二価フェノール残基を与える化合物として、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロウンデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロトリデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロテトラデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタデカンおよび上記化合物の芳香環上の水素が置換された誘導体が挙げられる。これらの中でも、特に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンが好ましい。
一般式(2)において、R3およびR4は、ベンゼン環に結合する置換基を表し、独立して、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子で表す。これらの中でも、工業的に入手し易いことや合成し易いことから、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、シクロヘキシル基が好ましく、臭素原子、メチル基がより好ましい。
一般式(2)において、rおよびsは、ベンゼン環に結合する置換基の数を表し、独立して、0〜4の整数を表す。なお、rおよびsが0の場合、式(2)中におけるベンゼン環に結合するすべての水素原子がR3およびR4に置換されていないことを表す。rが2〜4の場合、複数のR3は、互いに同じ置換基でもよく、異なる置換基でもよい。sが2〜4の場合、複数のR4は、互いに同じ置換基でもよく、異なる置換基でもよい。非ハロゲン系溶剤への溶解性に優れることから、rおよびsは1〜4であることが好ましい。
一般式(2)で表される二価フェノール残基を与える二価フェノールとしては、例えば、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−2,2’−ビフェノールが挙げられる。
一般式(1)および一般式(2)で示される二価フェノール残基を与える二価フェノールのモル比率は、ハロゲン系溶剤への溶解性、靭性、比重、屈折率の観点から、[一般式(1)を与える二価フェノール]/[(2)を与える二価フェノール]=10/90〜90/10とすることが好ましく、30/70〜70/30とすることがより好ましく、40/60〜60/40とすることがさらに好ましい。また、全二価フェノール成分に対して、一般式(1)および一般式(2)で示される二価フェノール残基を与える二価フェノールの合計の含有量は、90モル%以上とすることが好ましく、95%以上とすることがより好ましい。
二価フェノール残基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)および(2)で示される二価フェノール残基以外の他の二価フェノール残基を含有させてもよい。他の二価フェノール残基を与える二価フェノールとしては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフルオレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−[1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)]、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジ−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−(p−フルオロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エタン、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、ビス(2ーヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2ーヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシベンゼンが挙げられる。他の二価フェノールの含有量は、耐熱性、溶解性、誘電特性の観点から全二価フェノール成分において、10モル%未満とすることが好ましく、5モル%以下とすることがより好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。
芳香族二価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸類や、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸類や、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類や、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸等のジフェニルエーテルジカルボン酸類が挙げられる。前記芳香族二価カルボン酸は、芳香環に結合する水素原子が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等のアルキル基により置換されていてもよい。前記芳香族二価カルボン酸の中でも、機械的強度の点から、フタル酸類が好ましく、テレフタル酸およびイソフタル酸を併用することがより好ましい。芳香族二価カルボン酸成分においてテレフタル酸とイソフタル酸を併用する場合、テレフタル酸とイソフタル酸のモル比率は、溶液安定性および溶解性の観点から、テレフタル酸/イソフタル酸=7/3〜3/7(モル比)とすることが好ましく、6/4〜4/6(モル比)とすることがより好ましい。また、テレフタル酸とイソフタル酸の合計量は、全芳香族二価カルボン酸成分に対して、90モル%以上とすることが好ましく、95モル%以上とすることがより好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリアリレート樹脂には、二価フェノール成分および芳香族二価カルボン酸成分以外に、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸等の他の成分をモノマー成分として含有させてもよい。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。他の成分の含有量は、原料モノマーの総モル数に対して、10モル%未満とすることが好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、耐熱性、機械強度、加工性の観点から、重量平均分子量が60000〜150000であることが好ましい。重量平均分子量が60000未満の場合、ガラス転移温度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率等が低下する場合がある。一方、重量平均分子量が150000を超えた場合、有機溶剤に溶解させた時の溶液粘度や、溶融粘度が高すぎて、加工性が低下する場合がある。
本発明のポリアリレート樹脂のガラス転移温度は、プリント基板等の電子部品に用いる場合、鉛フリーのリフローはんだ付けに対する耐熱性が求められることから、260℃以上であることが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂は、有機溶剤への溶解性に優れている。本発明のポリアリレート樹脂が溶解可能な有機溶剤としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが挙げられる。中でも、ハロゲンフリーの観点から、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが好ましく、キシレン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンがより好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂の製造方法としては、界面重合法や溶液重合法等の有機溶媒中で反応させる方法、または溶融重合等の溶融状態で反応させる方法が挙げられる。重合性や得られる樹脂の外観の観点から、有機溶媒中での反応、特に低温での反応が可能な界面重合法を用いるのが好ましい。
界面重合法としては、二価カルボン酸ハライドを水と相溶しない有機溶媒に溶解させた溶液(有機相)を、二価フェノール、末端封止剤、酸化防止剤および重合触媒を含むアルカリ水溶液(水相)に混合し、50℃以下の温度で1〜8時間撹拌しながら重合反応をおこなう方法が挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、水と相溶せずポリアリレートを溶解する溶媒が好ましい。このような溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムが挙げられ、製造上使用しやすいことから、塩化メチレンが好ましい。
水相に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液が挙げられる。
末端封止剤は、ポリアリレート樹脂の分子量を調整するため、および熱安定性を向上させるために用いられる。末端封止剤としては、例えば、一価フェノール、一価酸クロライド、一価アルコール、一価カルボン酸が挙げられる。一価フェノールとしては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2−フェニル−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。一価酸クロライドとしては、例えば、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートが挙げられる。一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールが挙げられる。一価カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸が挙げられる。中でも、熱安定性が高いことから、p−tert−ブチルフェノールが好ましい。
酸化防止剤は、二価フェノール成分の酸化を防止するために用いられる。酸化防止剤としては、例えば、ハイドロサルファイトナトリウム、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、トコフェノール、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。中でも、水溶性に優れていることから、ハイドロサルファイトナトリウムが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩や、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。中でも、分子量が高く、酸価の低いポリマーを得ることができることから、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライドが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂は、流延法や溶融押出法等の方法で加工することによりポリアリレート樹脂のフィルムを得ることができる。流延法とは、樹脂を有機溶剤に溶解した後、その樹脂溶液を基材に塗布し、乾燥した後、基材から剥離してフィルムを作製する方法である。一方、溶融押出法とは、乾燥した樹脂を押出機に投入し、溶融樹脂をTダイ等から冷却ロールに押出し、捲き取る方法である。無色透明のフィルムを得るためには、熱分解による色調低下が生じないことから、流延法でフィルムを作製することが好ましい。
流延法に用いられる有機溶剤としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが挙げられる。
基材としては、例えば、PETフィルム、ポリイミドフィルム、ガラス板、ステンレス板が挙げられる。塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーター塗り、フィルムアプリケーター塗り、はけ塗り、スプレー塗りや、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法が挙げられる。
本発明のポリアリレート樹脂から得られるフィルムの引張破断強度は、機械的強度の観点から、90MPa以上であることが好ましく、100MPa以上であることがより好ましい。また、引張破断伸びは、靭性の観点から、20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。また、引張弾性率は1.9以上 であることが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂から得られるフィルムの誘電正接は、電気信号の伝送損失を小さくする観点から、1MHzにおいて0.012以下であることが好ましく、0.010以下であることがより好ましく、0.008以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂から得られるフィルムの比重は、軽量化の観点から、1.20以下であることが好ましく、1.16以下であることがより好ましく、1.14以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂から得られるフィルムの屈折率は、反射抑制等の視認性向上の観点から、1.60以下であることが好ましく、1.58以下であることがより好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂やそれから得られるフィルムは、優れた耐熱性、誘電特性を有し、かつ、非ハロゲン系有機溶媒への溶解性や靭性にも優れ、従来よりも低比重、低屈折率である。そのため、ディスプレイ、フィルムコンデンサー、照明、太陽電池、プリント回路等の基板フィルムとして電気・電子材料分野で好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ポリアリレート樹脂の物性測定は、以下の方法によりおこなった。
(1)数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を測定した。
送液装置:ウォーターズ社製、Isocratic HPLC Pump 1515
検出器:ウォーターズ社製、Refractive Index Detector 2414
カラム:Mixed−D(充填シリカゲル粒径5μm、チューブ長さ300mm、内径7.5mm)
溶媒:クロロホルム
流速:1mL/分
測定温度:35℃
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を測定した。
送液装置:ウォーターズ社製、Isocratic HPLC Pump 1515
検出器:ウォーターズ社製、Refractive Index Detector 2414
カラム:Mixed−D(充填シリカゲル粒径5μm、チューブ長さ300mm、内径7.5mm)
溶媒:クロロホルム
流速:1mL/分
測定温度:35℃
(2)ガラス転移温度
ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとして用いて、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとして用いて、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
(3)溶解性および溶液安定性
ポリアリレート樹脂15質量部にシクロヘキサノン85質量部を加えて、ウェーブローターを用いて室温で攪拌した。1日後および1週間後の樹脂溶液の状態を以下の基準で評価した。
◎:樹脂溶液は流動性を有しており、透明であった。
○:樹脂溶液は流動性を有してはいたが、白濁していた。
×:樹脂溶液が流動性を有していなかったか、樹脂が全く溶解していなかった。
本発明のおいては、「◎」および「○」の場合、合格とした。
ポリアリレート樹脂15質量部にシクロヘキサノン85質量部を加えて、ウェーブローターを用いて室温で攪拌した。1日後および1週間後の樹脂溶液の状態を以下の基準で評価した。
◎:樹脂溶液は流動性を有しており、透明であった。
○:樹脂溶液は流動性を有してはいたが、白濁していた。
×:樹脂溶液が流動性を有していなかったか、樹脂が全く溶解していなかった。
本発明のおいては、「◎」および「○」の場合、合格とした。
(4)引張破断強さ、引張破断伸び、引張弾性率
ポリアリレート樹脂10〜15質量部にクロロホルム90〜85質量部を加えて樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を用いて、PETフィルム上に塗膜を形成した。室温で風乾後、PETフィルムから剥離し、減圧にて150℃で24時間乾燥して、厚さ100μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムを用いてJIS K7127に準拠し、以下の条件で測定した。
試験装置:株式会社インテスコ製、Model2020
引張速度:50mm/分
試験環境:23℃、60%RH
ポリアリレート樹脂10〜15質量部にクロロホルム90〜85質量部を加えて樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を用いて、PETフィルム上に塗膜を形成した。室温で風乾後、PETフィルムから剥離し、減圧にて150℃で24時間乾燥して、厚さ100μmのフィルムを作製した。
得られたフィルムを用いてJIS K7127に準拠し、以下の条件で測定した。
試験装置:株式会社インテスコ製、Model2020
引張速度:50mm/分
試験環境:23℃、60%RH
(5)誘電正接
(4)で得られたフィルムを用いて、JIS C 2138に準拠し、自動平衡ブリッジ法にて以下の条件で測定した。
装置:アジレント・テクノロジー株式会社製、プレシジョンLCRメータE4980A
試料寸法:長さ60mm×幅60mm×厚み100μm
周波数:1MHz
測定温度:23℃
電極寸法:主電極系φ36mm、環状電極内径φ38mm
電極材質:スズ箔貼付
試験環境:23℃±1℃、50%RH±5%RH
(4)で得られたフィルムを用いて、JIS C 2138に準拠し、自動平衡ブリッジ法にて以下の条件で測定した。
装置:アジレント・テクノロジー株式会社製、プレシジョンLCRメータE4980A
試料寸法:長さ60mm×幅60mm×厚み100μm
周波数:1MHz
測定温度:23℃
電極寸法:主電極系φ36mm、環状電極内径φ38mm
電極材質:スズ箔貼付
試験環境:23℃±1℃、50%RH±5%RH
(6)比重
(4)で得られたフィルムから1辺が5cmである正方形のサンプルを切り出し、電子天秤によりサンプルの重量を測定した。次に、厚み測定装置(ハイデンハイン社製)を用いて、サンプルの厚みを測定した。得られたサンプルの重量と厚みから、比重を求めた。
(4)で得られたフィルムから1辺が5cmである正方形のサンプルを切り出し、電子天秤によりサンプルの重量を測定した。次に、厚み測定装置(ハイデンハイン社製)を用いて、サンプルの厚みを測定した。得られたサンプルの重量と厚みから、比重を求めた。
(7)屈折率(589nm)
(4)で得られたフィルムについて、多波長アッベ屈折計「DR−M2」(アタゴ社製)を用い、測定温度25℃、光源波長589nmで測定した。
(4)で得られたフィルムについて、多波長アッベ屈折計「DR−M2」(アタゴ社製)を用い、測定温度25℃、光源波長589nmで測定した。
実施例1
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン(PCDE)100.00質量部、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(TMBP)7.64質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)1.37質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)176.44質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)の50質量%水溶液を1.36質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム27.25質量部を仕込み、水2600質量部に溶解させた(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン2000質量部に、イソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド=1/1(モル比)混合物(MPC)64.91質量部を溶解させた(有機相)(PCDE:TMBP:PTBP:MPC:TBBAC:NaOH=88.71:9.86:2.86:100.00:0.68:1380(モル比))。水相をあらかじめ攪拌しておき、有機相を水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、塩化メチレン500質量部、純水3000質量部と酢酸10質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過した後、150℃真空下で24時間乾燥し、ポリアリレート樹脂を得た。
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン(PCDE)100.00質量部、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(TMBP)7.64質量部、末端封止剤としてp−tert−ブチルフェノール(PTBP)1.37質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)176.44質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)の50質量%水溶液を1.36質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム27.25質量部を仕込み、水2600質量部に溶解させた(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン2000質量部に、イソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド=1/1(モル比)混合物(MPC)64.91質量部を溶解させた(有機相)(PCDE:TMBP:PTBP:MPC:TBBAC:NaOH=88.71:9.86:2.86:100.00:0.68:1380(モル比))。水相をあらかじめ攪拌しておき、有機相を水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、塩化メチレン500質量部、純水3000質量部と酢酸10質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過した後、150℃真空下で24時間乾燥し、ポリアリレート樹脂を得た。
実施例2〜10、比較例1〜4
表1に示すように、樹脂組成を変更する以外は実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアリレート樹脂を得た。
表1に示すように、樹脂組成を変更する以外は実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアリレート樹脂を得た。
実施例1〜10、比較例1〜4で得られたポリアリレート樹脂およびそれから得られるフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1〜10のポリアリレート樹脂は、二価フェノール残基として本願で規定する二価フェノール残基を用いたため、ガラス転移温度が高く、シクロヘキサノンへの溶解性が良好であった。また、それらから得られるフィルムは、引張破断強さ、引張破断伸びが高く、誘電正接や比重や屈折率が低かった。
比較例1のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(1)および(2)を与えるモノマーを用いず、ビスフェノールAを用いたため、ガラス転移温度が低く、シクロヘキサノンへの溶解性が低かった。また、それから得られるフィルムは、誘電正接や比重や屈折率が高かった。
比較例2のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(1)を与えるモノマーのみを用いたため、それから得られるフィルムは、引張破断強さ、引張破断伸びが低く、誘電正接が高かった。
比較例3のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(2)を与えるモノマーを含んでいないため、ガラス転移温度が低かった。また、それから得られるフィルムは、引張破断強さが低く、誘電正接が高かった。
比較例4のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(1)を与えるモノマーのみを用いたため、シクロヘキサノンへの溶解性が低かった。また、それから得られるフィルムは、引張破断伸びが低く、比重や屈折率が高かった。
比較例2のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(1)を与えるモノマーのみを用いたため、それから得られるフィルムは、引張破断強さ、引張破断伸びが低く、誘電正接が高かった。
比較例3のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(2)を与えるモノマーを含んでいないため、ガラス転移温度が低かった。また、それから得られるフィルムは、引張破断強さが低く、誘電正接が高かった。
比較例4のポリアリレート樹脂は、二価フェノール成分に一般式(1)を与えるモノマーのみを用いたため、シクロヘキサノンへの溶解性が低かった。また、それから得られるフィルムは、引張破断伸びが低く、比重や屈折率が高かった。
Claims (5)
- 一般式(1)および一般式(2)で示される二価フェノール残基と、芳香族二価カルボン酸残基を含むポリアリレート樹脂。
- 一般式(1)で示される二価フェノール残基が、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン残基である請求項1に記載のポリアリレート樹脂。
- 一般式(2)で示される二価フェノール残基において、rおよびsが1〜4である請求項1または2に記載のポリアリレート樹脂。
- 芳香族二価カルボン酸残基が、テレフタル酸残基およびイソフタル酸残基である請求項1〜3いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
- 請求項1〜4いずれかに記載のポリアリレート樹脂からなるフィルム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016029997 | 2016-02-19 | ||
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018092418A1 (ja) * | 2016-11-18 | 2018-05-24 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | ポリアリレート樹脂及び電子写真感光体 |
WO2023286713A1 (ja) | 2021-07-14 | 2023-01-19 | 日本曹達株式会社 | 新規ポリマーおよびそれを含む樹脂組成物とその成形体 |
-
2017
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KR20240034183A (ko) | 2021-07-14 | 2024-03-13 | 닛뽕소다 가부시키가이샤 | 신규 폴리머 및 그것을 함유하는 수지 조성물과 그 성형체 |
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