JP2018070726A - ポリアリレート樹脂 - Google Patents

ポリアリレート樹脂 Download PDF

Info

Publication number
JP2018070726A
JP2018070726A JP2016210686A JP2016210686A JP2018070726A JP 2018070726 A JP2018070726 A JP 2018070726A JP 2016210686 A JP2016210686 A JP 2016210686A JP 2016210686 A JP2016210686 A JP 2016210686A JP 2018070726 A JP2018070726 A JP 2018070726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyarylate resin
acid residue
carboxylic acid
general formula
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016210686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6815025B2 (ja
Inventor
成 村田
Shigeru Murata
成 村田
千穂 松本
Chiho Matsumoto
千穂 松本
隆昌 秋月
Takamasa Akizuki
隆昌 秋月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2016210686A priority Critical patent/JP6815025B2/ja
Publication of JP2018070726A publication Critical patent/JP2018070726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6815025B2 publication Critical patent/JP6815025B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【課題】ポリアリレート樹脂本来の耐熱性、透明性、機械物性を維持したまま、従来に比べて、比較的低温で成形可能なポリアリレート樹脂を提供する。【解決手段】二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基を主成分とし、末端に下記一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を有するポリアリレート樹脂、および、下記一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、全芳香族二価カルボン酸残基に対して10.0〜18.0モル%であるポリアリレート樹脂、および、一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、ステアリン酸残基またはイソステアリン酸残基であるポリアリレート樹脂。一般式(1)−CO−X(式(1)中、Xは、炭素数が15〜28の直鎖状または分岐上のアルキル基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリレート樹脂本来の耐熱性、透明性、機械物性を維持したまま、従来に比べて、比較的低温で成形可能なポリアリレート樹脂を提供する。
エンジニアリングプラスチックとして知られるポリアリレート樹脂は、耐熱性、透明性、機械物性に優れていることから、電気電子用途、自動車用途、機械用途等の幅広い分野に使用されている。また、近年では光ファイバーや光学レンズ、液晶パネル、プリズム、光ディスク等の光学用途向けにも展開されている。
しかしながら、ポリアリレート樹脂は、高い溶融粘度を有するため、溶融流動性を発現させるためには300℃以上の高温で加熱する必要があり、成形加工性が高いとは言い難かった。また、高温下では着色により透明性が損なわれたり、熱劣化により機械物性が低下したりするという問題が生じていた。
成形加工性を改善させるために、近年では流動性改質剤を配合させる試みがなされている。例えば、特許文献1では流動性改質剤としてN−フェニルマレイミド−スチレン共重合体を添加させる方法が記載されている。しかしながら、特許文献1のポリアリレート樹脂は、流動性の向上が見られるものの、高温下では添加剤の分解ガスが原因で、表面の外観不良が発生するという問題があった。
特開2001−279075号公報
本発明は、上記課題を解決するものであって、ポリアリレート樹脂本来の耐熱性、透明性、機械物性を維持したまま、従来に比べて、比較的低温で成形可能なポリアリレート樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、末端に、特定の一価カルボン酸残基を含有させることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基を主成分とし、末端に下記一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を有するポリアリレート樹脂。
(式(1)中、Xは、炭素数が15〜28の直鎖状または分岐上のアルキル基を表す。)
(2)一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、全芳香族二価カルボン酸残基に対して10.0〜18.0モル%である(1)に記載のポリアリレート樹脂。
(3)一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、ステアリン酸残基またはイソステアリン酸残基である(1)または(2)に記載のポリアリレート樹脂。
(4)二価フェノール残基が、下記一般式(2)で示される二価フェノール残基である(1)〜(3)いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
(式(2)中、RおよびRは、独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはアリール基を表す。pおよびqは、0または1〜8であり、pおよびqが0であるとき、Yは炭素数が4〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表し、pおよびqが1〜8であるとき、Yは炭素数が3〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表す。)
(5)ポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)が、標準ポリスチレン換算で20000〜90000である(1)〜(4)いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
(6)(1)〜(5)いずれかに記載のポリアリレート樹脂からなるフィルム。
本発明によれば、ポリアリレート樹脂本来の耐熱性、透明性、機械物性を維持したまま、従来に比べて、比較的低温で成形可能なポリアリレート樹脂を提供することができる。本発明のポリアリレート樹脂やそれからなるフィルムは、成形加工時に着色し難く、特に光ファイバーや光学レンズ、液晶パネル、プリズム、光ディスク等の光学用途向けに好適に用いることができる。
本発明のポリアリレート樹脂は、末端に特定の一価カルボン酸残基を含み、二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基を主成分とする。なお、本発明において、「主成分とする」とは、全モノマー残基に対して、二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基の合計が70モル%以上であることをいう。
本発明のポリアリレート樹脂は、末端に、炭素数が15〜28の直鎖状または分岐上の長鎖アルキル基を有する一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を含有させることが必要である。一般式(1)で示される残基を含有させることで、機械物性を維持したまま、ガラス転移温度を低下させ、比較的低温での成形加工が可能となる。
一般式(1)において、Xは、独立して、炭素数が15〜28の直鎖状または分岐上のアルキル基を表す。炭素数が15未満の場合、得られるポリアリレート樹脂のガラス転移温度が高くなり、十分な成形加工性が得られないので好ましくない。一方、炭素数が28を超える場合、耐熱性や機械物性が著しく低下するので好ましくない。
なお、一価カルボン酸残基は、例えば、界面重合法においては、末端封止剤として、一価カルボン酸クロライドを用いることにより導入される。
一般式(1)で表される一価カルボン酸残基を与える一価カルボン酸クロライドとしては、例えば、ペンタデカン酸クロライド(炭素数15)、パルミチン酸クロライド(炭素数16)、イソパルミチン酸クロライド(炭素数16)、マルガリン酸クロライド(炭素数17)、ステアリン酸クロライド(炭素数18)、イソステアリン酸クロライド(炭素数15)、アラキジン酸クロライド(炭素数20)、ベヘン酸クロライド(炭素数22)、リグノセリン酸クロライド(炭素数24)、セロチン酸クロライド(炭素数26)、モンタン酸クロライド(炭素数28)が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手し易いことや合成し易いことから、ステアリン酸クロライド、イソステアリン酸クロライドが好ましい。
一般式(1)で表される一価カルボン酸残基の含有量は、全二価カルボン酸成分に対して、10.0〜18.0モル%とすることが好ましく、13.0〜16.0モル%とすることがより好ましい。前記含有量が10.0モル%未満の場合、得られるポリアリレート樹脂のガラス転移温度が高くなり、十分な成形加工性が得られない場合がある。一方、前記含有量が18.0モル%を超える場合、機械物性が著しく低下するので好ましくない。
本発明のポリアリレート樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)で表される残基以外の他の一価カルボン酸残基を含有させてもよい。前記他の一価カルボン酸残基を与える一価カルボン酸クロライドとしては、例えば、ベンゾイルクロライド、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートが挙げられる。他の一価カルボン酸残基を含有させる場合、その含有量は加工性の観点から、一般式(1)で表される一価カルボン酸残基に対して、5モル%以下とすることが好ましく、3モル%以下とすることが好ましい。
二価フェノール残基を与える二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、9、9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノールが挙げられる。
これらの中でも、工業的に入手し易いことや合成し易いことから、下記一般式(2)で示される残基を与える二価フェノールであることが好ましい。
一般式(2)中、RおよびRは、独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはアリール基を表す。pおよびqは、0または1〜8であり、pおよびqが0であるとき、Yは炭素数が4〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表し、pおよびqが1〜8であるとき、Yは炭素数が3〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表す。
本発明のポリアリレート樹脂には、二価フェノール残基以外の他の二価アルコール残基を含有させてもよい。前記他の二価アルコール残基を与える二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオールが挙げられる。前記他の二価アルコール残基を含有させる場合、その含有量は、機械物性の観点から、全二価フェノール残基に対して、10モル%以下とすることが好ましく、5モル%以下とすることが好ましい。
芳香族二価カルボン酸残基を与える芳香族二価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸類や、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸類や、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸類や、ジフェニルエーテル−2,2’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸等のジフェニルエーテルジカルボン酸類が挙げられる。
本発明のポリアリレート樹脂には、芳香族二価カルボン酸残基以外の他の二価カルボン酸を含有させてもよい。前記他の二価カルボン酸残基を与える二価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸やセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。前記他の二価カルボン酸残基を含有させる場合、その含有量は、機械物性の観点から、全芳香族二価カルボン酸残基に対して、10モル%以下とすることが好ましく、5モル%以下とすることが好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂の重量平均分子量は、機械物性、成形加工性の観点から、重量平均分子量が20000〜90000であることが好ましい。重量平均分子量が20000未満の場合、機械物性が著しく低下する場合がある。一方、重量平均分子量が90000を超える場合、溶融粘度が高すぎて、成形加工性が低下する場合がある。
本発明のポリアリレート樹脂のガラス転移温度は、150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリアリレート樹脂の製造方法としては、例えば、界面重合法や溶液重合法等の有機溶媒中で反応させる方法、または、溶融重合等の溶融状態で反応させる方法が挙げられる。重合性や得られる樹脂の外観の観点から、有機溶媒中での反応、特に低温での反応が可能な界面重合法を用いることが好ましい。
界面重合法としては、例えば、二価カルボン酸ハライドを水と相溶しない有機溶媒に溶解させた溶液(有機相)を、二価フェノール、末端封止剤、酸化防止剤および重合触媒を含むアルカリ水溶液(水相)に混合し、50℃以下の温度で1〜8時間撹拌しながら重合反応をおこなう方法が挙げられる。
有機相に用いる溶媒としては、例えば、水と相溶せずポリアリレートを溶解する溶媒が好ましい。このような溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルムが挙げられ、製造上使用しやすいことから、塩化メチレンが好ましい。
水相に用いるアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液が挙げられる。
酸化防止剤は、二価フェノール成分の酸化を防止するために用いられる。酸化防止剤としては、例えば、ハイドロサルファイトナトリウム、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、トコフェノール、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。中でも、水溶性に優れていることから、ハイドロサルファイトナトリウムが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩や、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド等の第四級ホスホニウム塩が挙げられる。中でも、分子量が高く、酸価の低いポリマーを得ることができることから、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライドが好ましい。
ポリアリレート樹脂を溶解する有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフランが挙げられる。
ポリアリレート樹脂は、流延法や溶融押出法等の方法で加工することによりポリアリレート樹脂のフィルムを得ることができる。流延法とは、樹脂を有機溶剤に溶解した後、その樹脂溶液を基材に塗布し、乾燥した後、基材から剥離してフィルムを作製する方法である。一方、溶融押出法とは、乾燥した樹脂を押出機に投入し、溶融樹脂をTダイ等から冷却ロールに押出し、捲き取る方法である。
流延法に用いられる有機溶剤としては、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフランが挙げられる。
基材としては、例えば、PETフィルム、ポリイミドフィルム、ガラス板、ステンレス板が挙げられる。塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーター塗り、フィルムアプリケーター塗り、はけ塗り、スプレー塗りや、グラビアロールコーティング法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング法、リップコーティング、エアナイフコーティング法、カーテンフローコーティング法、浸漬コーティング法が挙げられる。
本発明のポリアリレート樹脂から得られるフィルムの引張破断強さは、機械物性の観点から、50MPa以上であることが好ましく、60MPa以上であることがより好ましい。また、靭性の観点から引張破断伸びは20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、引張弾性率は1.2GPa以上であることが好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ポリアリレート樹脂の物性測定は、以下の方法によりおこなった。
(1)樹脂組成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製LA−400 NMR)を用いて、H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク面積から樹脂組成を求めた(分解能:400MHz、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸と重水素化テトラクロロエタンとの容量比が1/11の混合溶媒、温度:50℃)。
(2)数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で標準ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を測定した。
送液装置:ウォーターズ社製、Isocratic HPLC Pump 1515
検出器:ウォーターズ社製、Refractive Index Detector 2414
カラム:Mixed−D(充填シリカゲル粒径5μm、チューブ長さ300mm、内径7.5mm)
溶媒:クロロホルム
流速:1mL/分
測定温度:35℃
(3)ガラス転移温度(Tg)
ポリアリレート樹脂10mgをサンプルとして用いて、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
なお、ガラス転移温度は、150℃以下であれば、比較的低温で成形加工することができることから、成形加工性が高いと判断できる。
(4)引張破断強さ、引張破断伸び、引張弾性率
ポリアリレート樹脂10〜15質量部にクロロホルム90〜85質量部を加えて樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を用いて、PETフィルム上に塗膜を形成した。室温で風乾後、PETフィルムから剥離し、減圧にて150℃で24時間乾燥して、厚さ100μmのフィルムを作製した。得られたフィルムを用いてJIS K7127に準拠し、以下の条件で測定した。
試験装置:株式会社インテスコ製、Model2020
引張速度:50mm/分
試験環境:23℃、60%RH
実施例1
攪拌装置を備えた反応容器中に、二価フェノール成分として2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BisC)100.00質量部、アルカリとして水酸化ナトリウム(NaOH)40.56質量部、重合触媒としてトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド(TBBAC)の50質量%水溶液を1.63質量部、酸化防止剤としてハイドロサルファイトナトリウム25.00質量部を仕込み、水2500質量部に溶解させた(水相)。また、これとは別に、塩化メチレン2000質量部に、モノカルボン酸成分としてステアリン酸クロライド(Ste)15.98質量部、二価カルボン酸成分としてイソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド=1/1(モル比)混合物(MPC)73.84質量部を溶解させた(有機相)(BisC:Ste:MPC:TBBAC:NaOH=100.0:13.0:93.5:0.7:260.0(モル比)。水相をあらかじめ攪拌しておき、有機相を水相中に強攪拌下で添加し、15℃で2時間、界面重合法で重合をおこなった。この後、攪拌を停止し、水相と有機相をデカンテーションして分離した。水相を除去した後、塩化メチレン500質量部、純水3000質量部と酢酸10質量部を添加して反応を停止し、15℃で30分間攪拌した。その後、有機相を純水で10回洗浄し、有機相をメタノール中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿させたポリマーを濾過した後、165℃で24時間真空乾燥を行い、ポリアリレート樹脂を得た。
得られたポリアリレート樹脂の樹脂組成を分析したところ、BisC:Ste:MPC=100.0:13.0:93.5(モル比)と、仕込みの組成と同一であった。
実施例2〜8、比較例1〜3
表1に示すように、樹脂組成を変更する以外は実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアリレート樹脂を得た。
実施例1〜8、比較例1〜3で得られたポリアリレート樹脂の評価結果を表1に示す。
実施例1〜8のポリアリレート樹脂は、末端に一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を含有していたため、ガラス転移温度が低く、十分な成形加工性を有していた。
比較例1のポリアリレート樹脂は、末端に一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を含有していなかったため、ガラス転移温度が高く、成形加工性が不十分であった。
比較例2のポリアリレート樹脂は、一価カルボン酸残基のアルキル基の炭素数が15未満であったため、ガラス転移温度が高く、成形加工性が不十分であった。
比較例3のポリアリレート樹脂は、一価カルボン酸残基のアルキル基の炭素数が28を超えていたため、機械特性が低かった。

Claims (6)

  1. 二価フェノール残基と芳香族二価カルボン酸残基を主成分とし、末端に下記一般式(1)で示される一価カルボン酸残基を有するポリアリレート樹脂。
    (式(1)中、Xは、炭素数が15〜28の直鎖状または分岐上のアルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、全芳香族二価カルボン酸残基に対して10.0〜18.0モル%である請求項1に記載のポリアリレート樹脂。
  3. 一般式(1)で示される一価カルボン酸残基が、ステアリン酸残基またはイソステアリン酸残基である請求項1または2に記載のポリアリレート樹脂。
  4. 二価フェノール残基が、下記一般式(2)で示される二価フェノール残基である請求項1〜3いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
    (式(2)中、RおよびRは、独立して、ハロゲン原子、炭素数が1〜6の炭化水素基、ハロゲン化アルキル基またはアリール基を表す。pおよびqは、0または1〜8であり、pおよびqが0であるとき、Yは炭素数が4〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表し、pおよびqが1〜8であるとき、Yは炭素数が3〜14の飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の炭化水素基を表す。)
  5. ポリアリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)が、標準ポリスチレン換算で20000〜90000である請求項1〜4いずれかに記載のポリアリレート樹脂。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のポリアリレート樹脂からなるフィルム。
JP2016210686A 2016-10-27 2016-10-27 ポリアリレート樹脂 Active JP6815025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016210686A JP6815025B2 (ja) 2016-10-27 2016-10-27 ポリアリレート樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016210686A JP6815025B2 (ja) 2016-10-27 2016-10-27 ポリアリレート樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018070726A true JP2018070726A (ja) 2018-05-10
JP6815025B2 JP6815025B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=62112514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016210686A Active JP6815025B2 (ja) 2016-10-27 2016-10-27 ポリアリレート樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6815025B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007320989A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Hokkaido Univ ポリエステル及びその製造法
WO2017175716A1 (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 ユニチカ株式会社 ポリアリレート樹脂およびその樹脂組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007320989A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Hokkaido Univ ポリエステル及びその製造法
WO2017175716A1 (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 ユニチカ株式会社 ポリアリレート樹脂およびその樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6815025B2 (ja) 2021-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6820661B2 (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム
JP6253582B2 (ja) ポリアリレート樹脂、ならびにそれを用いた樹脂溶液およびフィルム
KR100917944B1 (ko) 특정하게 분지된 말단기를 함유하는 폴리카르보네이트,폴리에스테르 카르보네이트 및 폴리에스테르
JP6899586B2 (ja) ポリアリレート樹脂、それからなるフィルムおよび積層体
JP5355330B2 (ja) 射出成形用ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物
JP2013173928A (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム
KR100322264B1 (ko) 코폴리카보네이트 수지의 연속 제조방법
JP5687120B2 (ja) ポリアリレート樹脂
JP5749621B2 (ja) ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物
JP6815025B2 (ja) ポリアリレート樹脂
JP6815026B2 (ja) ポリアリレート樹脂
JP6099433B2 (ja) オルガノシロキサン共重合ポリアリレート樹脂を含む樹脂組成物
JP6912802B2 (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム、積層体
JP2012077128A (ja) オルガノシロキサン共重合樹脂
JP6271824B2 (ja) ポリアリレート樹脂およびそれからなるフィルム
WO2022230471A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びそれに添加される配合剤
JP5344861B2 (ja) オルガノシロキサン共重合樹脂
JP2021038320A (ja) ポリエステルアミドおよびそれからなるフィルム
JP2011068735A (ja) ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物
JP2008184503A (ja) アダマンタン構造を有するポリエステル
JP6333176B2 (ja) オルガノシロキサン共重合樹脂、ならびにそれを用いた樹脂混合物、樹脂溶液、塗膜、およびフィルム
JP2016023264A (ja) 光学フィルム
JP2006257341A (ja) ポリアリレートの製造方法及びポリアリレート
JPH0841190A (ja) 連鎖終結剤として3級脂肪族モノカルボン酸を使用するポリカーボネートおよびポリエステルポリカーボネートの製造法
JPH06329769A (ja) ポリアリレート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6815025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250