JP5749621B2 - ポリアリレート樹脂、およびポリアリレート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
上記のような部品のうち、耐熱変形性の要求が比較的低い部品には、通常、アクリル樹脂が使用され、耐熱変形性の要求が比較的高い部品にはポリカーボネート樹脂が使用されている。しかし、耐熱変形性の要求が高いヘッドライトレンズ、インナーレンズ、フォグライトレンズなどにおいては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂を使用した場合は、要求される耐熱性を満足できない場合があった。このような事情から、これらの部品には、ポリカーボネートに替えて、より耐熱性の高いポリアリレート樹脂の応用が期待されている。
一方、溶融重合法を用いて、ポリアリレート樹脂を重合することも試みられている(例えば、特許文献1〜3参照)。溶融重合法は溶媒への分散をともなわない重合法であるため、界面重合法に比べ優位にポリアリレート樹脂の重合を行うことができたが、分子量の上昇に伴う溶融粘度の増大、加熱溶融によるポリアリレート樹脂の劣化、またそれに伴う着色が重合時の操業性、得られるポリアリレート樹脂の品位を低下させ問題となった。
表されることを特徴とするポリアリレート樹脂(A)。
l:n=50:50〜70:30(モル比)かつ(l+n):m=75:25〜40:6
0(モル比)をみたす]
(2)インへレント粘度が0.50〜1.00であることを特徴とする(1)のポリア
リレート樹脂(A)。
(3)(1)または(2)のポリアリレート樹脂(A)の製造方法であって、水相とジ
クロロメタン相の2相からなる界面重合法で重合されることを特徴とするポリアリレート
樹脂(A)の製造方法。
(4)(1)または(2)のポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)
とを、質量比で(A)/(B)=90/10〜30/70で配合したものであることを特
徴とするポリアリレート樹脂組成物。
(5)(4)のポリアリレート樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明のポリアリレート樹脂(A)は、二価フェノール残基と芳香族ジカルボン酸残基とから構成され、下記式(I)で示される芳香族ポリエステルである。
l:n=50:50〜70:30(モル比)かつ(l+n):m=75:25〜40:6
0(モル比)をみたす]
まず、上記水相として二価フェノールのアルカリ水溶液を調製し、次いで、重合触媒、さらに必要に応じて分子量調整剤(末端封止剤)を添加する。さらに、後述の有機相を調整するための溶媒に、イソフタル酸残基を重合させるための原料であるイソフタル酸ハライドを混合して、有機相を調整する。その後、水相の溶液に有機相の溶液を混合し、25℃以下で1〜5時間攪拌しながら界面重合反応を行うことによって、高分子量のポリアリレート樹脂(A)を得ることができる。
・TPC:テレフタル酸クロライド(イハラニッケイ化学工業社製テレフタロイルクロライド)
・IPC:イソフタル酸クロライド(イハラニッケイ化学工業社製イソフタロイルクロライド)
・BPA:ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン](三井化学社製ビスフェノールA)
・BPTMC:ビスフェノールTMC[ビスフェノール3,3,5−トリメチルシクロヘキサン](本州化学工業社製BisP−TMC)
・BP:ビフェノール[4,4−ジヒドロキシ−ビフェニル](本州化学工業社製ビフェノール)
・BPAP:ビスフェノールAP[4,4’−(1−フェニルエチリデン)ジフェノール](本州化学工業社製BisP−AP)
・BPZ:ビスフェノールZ[4,4’−シクロへキサン−1,1−ジイルジフェノール](本州化学工業社製Bis−Z)
・Q−1:(住友ダウ社製カリバー200−3)、インヘレント粘度0.639
・Q−2:(住友ダウ社製カリバー200−13)、インヘレント粘度0.492
・Q−3:(住友ダウ社製カリバー200−30)、インヘレント粘度0.440
実施例中の各種の特性値については以下のようにして測定、評価を行った。
1,1,2,2−テトラクロロエタンを溶媒とし、該溶媒中に実施例および比較例で得られたポリアリレート樹脂(A)を濃度1g/dlで溶解させて溶液を得た。温度25℃の条件で、溶媒の粘度[η]および溶液の粘度[η0]を測定し、下記式によりインヘレント粘度を算出した。
(インヘレント粘度)=η/η0
界面重合後のポリマー液と、界面重合法により得られたポリアリレート樹脂(A)を目視で観察し、その重合性を以下の基準で評価した。
○:界面重合後のポリマー液が透明であり、かつポリマー液から分離乾燥させたポリアリレート樹脂(A)がトリクロロメタンに溶解する。
△:界面重合後のポリマー液が白濁しており、かつポリマー液から分離乾燥させたポリアリレート樹脂(A)がトリクロロメタンに溶解する。
×:界面重合後のポリマー液が白濁しており、かつポリマー液から分離乾燥させたポリアリレート樹脂(A)がトリクロロメタンに溶解しない。
実施例および比較例で得られたポリアリレート樹脂(A)またはポリアリレート樹脂組成物から作製されたペレット3.0gを、水分気化装置(三菱化学製CA−02型)中で180℃に加熱して水分を蒸発させ、微量水分測定装置(三菱化学製VA−02型)にて、カールフィッシャー試薬を用いた電量滴定法により蒸発水分量を測定して求めた。
ISO178に準拠して測定した。
上述の射出成形機を用いて、実施例および比較例で得られたポリアリレート樹脂(A)またはポリアリレート樹脂組成物から、ISO準拠の試験片を所定の成形条件で成形し、ISO 179−1に準拠して測定した。
上述の射出成形機を用いて、実施例および比較例で得られたポリアリレート樹脂(A)またはポリアリレート樹脂組成物から、ISO準拠の試験片を所定の成形条件で成形し、ISO 75−1に準拠して、荷重1.8MPaでの荷重たわみ温度を測定した。
攪拌容器を備えた反応容器中に、二価フェノール残基として、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン8.1kg(36モル)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン8.3kg(27モル)、4,4−ジヒドロキシ−ビフェニル5.0kg(27モル)、分子量調整剤としてp−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと略称する場合がある)(DIC社製PTBP)670g(4.4モル)、アルカリとして水酸化ナトリウム(東ソー社製)8.6kg(213モル)、重合触媒としてベンジル−トリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(以下、BTBACと略称する場合がある)(ライオンアクゾ社製BTBAC−50)373g、ハイドロサルアフィトナトリウム(以下、SHSと略称する場合がある)(BASF社製)107gを注入し、さらに反応容器中に水400Lを注入して溶解し、水相とした。
さらに、別の反応容器中で、ジクロロメチレン(トクヤマ社製メチレンクロライド)240Lに、ミックスフタル酸クロライド(イハラニッケイ化学工業社製MPC;テレフタル酸/イソフタル酸=50/50(質量%))18.6kg(91モル)を溶解し、有機相とした。この有機相を、既に攪拌している水相に強攪拌下で添加し、温度を15℃に保って2時間重合反応を行った。この後、攪拌を停止し、デカンテーションにより水相と有機相を分離した。水相を除去した有機相に、純水400Lと酢酸100mLを添加して反応を停止し、さらに15℃で30分間攪拌した。この有機相を純水で5回洗浄し、該有機相をヘキサン400L中に添加してポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを有機相から分離し、次いで乾燥させて、ポリアリレート樹脂(P−1)を得た。得られたポリアリレート樹脂(P−1)について1H−NMR(日本電子社製ECA500 NMR)を用いて組成分析を行ったところ、二価フェノール残基とフタル酸残基の重合比率は1:1であり、二価フェノール残基とフタル酸残基の混合比率と同一であることが確認された。その結果を表1に示す。
表1に示す配合に従い、製造例1と同様にして、ポリアリレート樹脂(P−2)〜(P−19)を得た。
製造例1で得られたポリアリレート樹脂(P−1)を、上述の射出成形機を用いて、シリンダー温度340〜360℃、金型温度120℃にて、厚み2mm、長さ70mm、幅40mmの成形体を作製し、評価に付した。その評価結果を表2に示す。
ポリアリレート樹脂の種類を変えた以外は、実施例1と同様にして成形体を作製し、評価に付した。その評価結果を表2に示す。
二軸押出機(東芝機械社製TEM−41SS型)を用いて、製造例で得られたポリアリレート樹脂(P−1)とポリカーボネート樹脂(Q−1)を、(P−1)/(Q−1)=90/10(質量比)の混合比率で、シリンダー温度300〜340℃、スクリュー回転300rpm、吐出量50kg/hの条件で溶融混練を行った。その後、ストランド状に押し出して、冷却した後、カッティングして、ポリアリレート樹脂組成物を得た。
得られたポリアリレート樹脂組成物を、上述の射出成形機を用いて、シリンダー温度300〜340℃、金型温度100℃にて、厚み2mm、長さ70mm、幅40mmの成形体を作製し、評価に付した。その評価結果を表3に示す。
ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の種類、およびポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂の混合比率を変えた以外は、実施例8と同様にして成形体を作製し、評価に付した。その評価結果を表3に示す。
ポリアリレート樹脂(P−12)〜(P−20)について、実施例1と同様にして成形体を作製し、評価に付した。その評価結果を表4に示す。
Claims (5)
- 二価フェノール残基と芳香族ジカルボン酸残基とから構成され、下記式(I)で表され
ることを特徴とするポリアリレート樹脂(A)。
l:n=50:50〜70:30(モル比)かつ(l+n):m=75:25〜40:6
0(モル比)をみたす] - インへレント粘度が0.50〜1.00であることを特徴とする請求項1記載のポリア
リレート樹脂(A)。 - 請求項1または2に記載のポリアリレート樹脂(A)の製造方法であって、水相とジク
ロロメタン相の2相からなる界面重合法で重合されることを特徴とするポリアリレート樹
脂(A)の製造方法。 - 請求項1または2記載のポリアリレート樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とを
、質量比で(A)/(B)=90/10〜30/70で配合したものであることを特徴と
するポリアリレート樹脂組成物。 - 請求項4に記載のポリアリレート樹脂組成物を成形してなる成形体。
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