JP2016037417A - Ga2O3系単結晶基板 - Google Patents

Ga2O3系単結晶基板 Download PDF

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Abstract

【課題】高い加工歩留まりを実現可能としたGa2O3系単結晶基板を提供する。【解決手段】[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜150?回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa2O3系単結晶基板が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、Ga系単結晶基板に関する。
(100)面から50°以上90°以下回転させた面を主面とするβ−Ga系基板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1では、この(100)面から50°以上90°以下回転させた面として、(010)、(001)、(−201)、(101)、及び(310)面が挙げられている。
国際公開第2013/035464号
本発明の目的は、高い加工歩留まりを実現可能としたGa系単結晶基板を提供することにある。
本発明者等は、Ga系単結晶基板について鋭意検討を重ねたところ、ある特定の面方位を結晶成長用の主面とすれば、上記目的が達成できることを見いだし、本発明に至った。
即ち、上記目的は、下記の[1]〜[4]に記載された各発明により達成される。
[1][010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜150°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
[2][010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜70°、100〜150°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。
[3][001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
[4][001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。
本発明によれば、高加工歩留まりのGa系単結晶基板が得られる。
Ga単結晶基板の主面の、[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、主面上のクラック密度との関係を示す図である(実施例1)。 Ga単結晶基板の主面の、[001]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、主面上のクラック密度との関係を示す図である(実施例1)。 [010]軸を回転軸として(100)面から160°回転させた面を主面とするGa単結晶基板の、主面のCMP処理後の表面光学顕微鏡写真である(実施例1)。 Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と潜傷(研磨ダメージ)との関係を示す図である(実施例1)。 Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、エピタキシャル膜の成長レートとの関係を示す図である(実施例2)。 Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、エピタキシャル膜の成長レートとの関係を示す図である(実施例2)。 Ga単結晶基板の(−201)面の[010]方向への傾斜角と、エピタキシャル膜の成長レートとの関係を示す図である(実施例2)。 Ga単結晶基板にエピタキシャル成長した後のX線回折測定結果を示す図(a)であり、図(a)の(002)面付近を拡大して示す図(b)である(実施例3)。 Ga単結晶基板の[010]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面におけるRHEED像を示す写真である(実施例3)。 Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面におけるRHEED像を示す写真である(実施例3)。 Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、それぞれの基板の主面上に成長したエピタキシャル膜の表面粗さ(RMS)との関係を示す図である(実施例4)。 Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面の、5μm角のAFM像を示す写真である(実施例4)。 Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面の5μm角のAFM像から推定される表面粗さ(RMS)を示す図である(実施例4)。 Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面の1μm角のAFM像から推定される表面粗さ(RMS)を示す図である(実施例4)。 Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面の1μm角のAFM像を示す写真である(実施例4)。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら具体的に説明する。
[実施例1]
Ga系単結晶基板は、以下の(1)及び(2)に挙げる問題を有している。
(1)Ga系単結晶基板は、(100)面に強い劈開性を有しており、Ga系単結晶基板を加工しようとすると、劈開に起因する剥がれやクラックが発生しやすい。基板加工時において剥がれやクラックが発生しやすいため、大型のGa系単結晶基板を得ることが困難である。
(2)(100)面は強い劈開性を有しているため、(100)面が基板表面(主面)に対して垂直に近づくほど、特に(100)面が主面となす角度が45°以上になると、デバイス製造時においてGa系単結晶基板が割れやすいという問題がある。
そこで、本実施例においては、クラックや割れの生じにくいGa系単結晶基板を得るため、主面の面方位の異なる複数のGa単結晶基板を製造し、主面の面方位とクラックの発生量との関係を評価した。
Ga系単結晶基板は、β−Ga単結晶等のβ−(GaInAl単結晶(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1、x+y+z=1)からなる基板である。
(Ga単結晶基板の作製)
[010]軸を回転軸として(100)面から0〜170°回転させた面を主面とするGa単結晶基板、及び[001]軸を回転軸として(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa単結晶基板のそれぞれをGa単結晶から切り出した後、10mm角で厚さ1mmの板状に加工した。これらのGa単結晶基板は、回転角度毎に20枚ずつ作製した。この[010]軸を回転軸とする10mm角のGa単結晶基板の一辺は、[010]方向に平行である。なお、[010]軸を回転軸とする回転の角度は、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る方向をプラスとしている。また、[001]軸を回転軸とする10mm角のGa単結晶基板の一辺は、[001]方向に平行である。
次に、砥石の粗さが1000番の研削装置を用い、Ga単結晶基板の厚さを0.8mm程度まで削った。研削速度は約6μm/min程度である。この研削後、ダイヤモンドからなる砥粒を吹き付けながら削り量20μm程度の表面研磨を行った。
最後に、CMP(Chemical mechanical planarization:化学機械研磨)にて10μm程度の表面研磨を行った。CMP処理後、有機溶剤(アセトン、メタノール、IPA、エタノール)を用いた有機洗浄を行い、HF浸漬洗浄、HSOとHとHOとを4:1:1で混合した酸への浸漬洗浄、超純水によるリンス、窒素ブローによる乾燥を施した。
(Ga単結晶基板のクラック密度の評価)
図1及び図2を参照すると、図1には、Ga単結晶基板の主面の、[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、CMP処理後の主面上のクラック密度との関係が示されており、図2には、Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、CMP処理後の主面上のクラック密度との関係が示されている。図1、2に示される各回転角度のGa単結晶基板のクラック密度は、それぞれ、20枚のGa単結晶基板のクラック密度の平均値である。
ここで、[010]軸を回転軸とするGa単結晶基板の主面におけるクラック密度は、Ga単結晶基板の主面上の[010]方向と垂直な方向の直線のうち、最も長い直線を基準直線としたとき、この基準直線と交わる[010]方向に沿ったクラックの本数を、この基準直線の長さで除した値と定義する。この基準直線は、例えば、Ga単結晶基板が円形である場合は、その中心を通る[010]方向と垂直な方向の直線であり、基準直線の長さは円形のGa単結晶基板の直径に該当する。
また、[001]軸を回転軸とするGa単結晶基板の主面におけるクラック密度は、Ga単結晶基板の主面上の[001]方向と垂直な方向の直線のうち、最も長い直線を基準直線としたとき、この基準直線と交わる[001]方向に沿ったクラックの本数を、この基準直線の長さで除した値と定義する。この基準直線は、例えば、Ga単結晶基板が円形である場合は、その中心を通る[001]方向と垂直な方向の直線であり、基準直線の長さは円形のGa単結晶基板の直径に該当する。
図1及び図2に示されるように、[010]軸を回転軸として(100)面から10〜150°回転させた面を主面とする[010]軸回転10〜150°基板と、[001]軸を回転軸として(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする[001]軸回転10〜90°基板とには、クラックが発生しなかった。
20枚の一辺が[010]方向に平行な10mm角基板にクラックが発生しないということから、短手方向が[010]方向に平行な10mm×200mmの長方形基板にクラックが発生しないということがいえる。短手方向が[010]方向に平行な10mm×200mmの長方形基板に発生するクラックが1本未満であるため、クラック密度が0.05本/cm未満であるといえる。
同様に、20枚の一辺が[001]方向に平行な10mm角基板にクラックが発生しないということから、短手方向が[001]方向に平行な10mm×200mmの長方形基板にクラックが発生しないということがいえる。短手方向が[001]方向に平行な10mm×200mmの長方形基板に発生するクラックが1本未満であるため、クラック密度が0.05本/cm未満であるといえる。
すなわち、[010]軸回転10〜150°基板と、[001]軸回転10〜90°基板のクラック密度は0.05本/cm未満であるといえる。
一方、[010]軸を回転軸として、(100)面から160〜180°回転させた面を主面とする[010]軸回転160〜180°基板においては、[010]方向に深い筋状不良(クラック)が大量に発生した。これらのクラックはダイヤモンド砥粒を用いた研磨処理で発生し、その後のCMP処理では消えなかった。
図3は、[010]軸を回転軸として(100)面から160°回転させた面(図1の矢印IIIの測定点に係る面)を主面とするGa単結晶基板の、主面のCMP処理後の表面光学顕微鏡写真である。写真中の黒い部分がクラックによって生じた深い溝であり、写真中の白い部分が研磨された表面である。図3の矢印は、[010]方向に垂直な方向を示す。
クラック密度は、[010]軸回転160°基板で53本/cmであり、[010]軸回転170°基板で79本/cmであった。クラック密度が53本/cmであった場合は、クラックのない領域の[010]方向に垂直な方向の幅は、189μm程度であった。
ところで、表面研磨後の光学顕微鏡、及びAFM(原子間力顕微鏡)の観察により、基板の平坦性が得られていたとしても、基板に研磨ダメージが残留している場合があった。それらの残留研磨ダメージ(潜傷)は、その潜傷上にホモエピタキシャル膜を成長させることで表面不良として浮き上がってくる。
潜傷の有無評価のため、MBEを用いてホモエピタキシャル成長を行った。成長温度は750℃とし、成長時間は30分とした。図4には、Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度と、潜傷(研磨ダメージ)の有無との関係が示されている。
図4から明らかなように、[010]軸回転90°基板上のホモエピタキシャル膜は、半面が鏡面であり、残りの反面が研磨ダメージ由来のスクラッチとヒロックとで覆われた。[010]軸回転80°基板上のホモエピタキシャル膜は、全面が同様のヒロックで覆われた。[010]軸回転76.3°基板上のホモエピタキシャル膜は、ごく一部のみが鏡面であり、ほぼ全面が同様のヒロックで覆われた。よって、[010]軸回転76.3〜90°の範囲は、研磨ダメージが残留しやすい面であるということが分かった。
なお、[001]軸を回転軸として(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする[001]軸回転10〜90°基板においては、基板全体にわたって潜傷による表面不良は確認されなかった。
従って、表面研磨時におけるクラックの発生、及び潜傷の発生を抑制するためには、[010]軸回転10〜70°面、[010]軸回転100〜150°面、及び[001]軸回転10〜90°面を用いればよいということが理解できる。
上記の本実施例の評価はGa単結晶基板について行ったものであるが、Ga単結晶基板以外のGa系単結晶基板について評価を行った場合も、上記の評価結果と同様の評価結果が得られる。
以上の説明から明らかなように、次のGa系単結晶基板が得られる。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜150°回転させた面を主面とし、クラック密度が0.05本/cm未満であるGa系単結晶基板。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜70°、100〜150°回転させた面を主面とし、クラック密度が0.05本/cm未満であり、潜傷を有しないGa系単結晶基板。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とし、クラック密度が0.05本/cm未満であるGa系単結晶基板。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とし、クラック密度が0.05本/cm未満であり、潜傷を有しないGa系単結晶基板。
(実施例1の効果)
この実施例1によれば、上記効果に加えて、次の効果が得られる。
基板加工時におけるクラック、潜傷や剥がれを著しく抑制することができるようになり、大面積のGa系単結晶基板の製造歩留まりを向上させることができる。具体的には、[010]軸を回転軸として(100)面から10〜150°回転させた面、又は[001]軸を回転軸として(100)面から10〜90°回転させた面を主面として用いることで、およそ0.2mm幅以上で20cm幅以下の大型のGa系単結晶基板を製造することが可能となる。
[実施例2]
Ga系単結晶基板の主面が(100)面である場合、主面上にGa結晶膜を成長させる際に供給する原料が再蒸発しやすいため、Ga結晶膜の成長速度が非常に遅く、量産性が低いという問題がある。
そこで、本実施例においては、主面上に成長するGa結晶膜の成長レートが高くなるGa系単結晶基板を得るため、主面の面方位の異なる複数のGa単結晶基板上にそれぞれGa結晶膜を成長させ、主面の面方位とGa結晶膜の成長レートとの関係を評価した。
(Ga単結晶基板及びGa結晶膜の作製)
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から0〜150°回転させた面を主面とするGa単結晶基板と、[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa単結晶基板とを用意した。なお、Ga単結晶基板にはSnが添加されており、Ga単結晶基板はn型導電性である。
Ga単結晶基板の表面は、研削研磨加工を施し、研削研磨工程後に、CMP処理を施した。CMP処理後、有機溶剤(アセトン、メタノール、IPA、エタノール)を用いた有機洗浄を行い、HF浸漬洗浄、HSOとHとHOとを4:1:1で混合した酸への浸漬洗浄、超純水によるリンス、窒素ブローによる乾燥を施し、エピタキシャル成長可能な基板状態にした。その基板上に、MBEを用いてGa結晶膜をエピタキシャル成長させた。成長温度は750℃とし、成長時間は30分とした。
(Ga単結晶膜の成長レートの評価)
図5及び図6には、Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面から回転させた面上におけるGa結晶膜の成長レートの評価結果と、Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸とする(100)面から回転させた面上におけるGa結晶膜の成長レートの評価結果とが示されている。
図5は、Ga単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度(°)と、Ga結晶膜の成長レート(nm/h)との関係を示している。図6は、Ga単結晶基板の主面の[001]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度(°)と、Ga結晶膜の成長レート(nm/h)との関係を示している。
図5において、[010]軸を回転軸として、(100)面から10°回転させた面である[010]軸回転10°面の成長レートが約500nm/hであるのに対し、(100)面の成長レートが10nm/h以下(測定下限以下)であることから、[010]軸を回転軸として、(100)面から10°回転することで、Ga結晶膜の成長レートを少なくとも50倍以上に向上できることが分かった。
また、図5は、[010]軸を回転軸として、10°以上150°以下の範囲で(100)面から回転させた面を主面とする場合に、(100)面を主面とする場合よりもGa結晶膜の成長レートを格段に大きくできることを示している。
図6は、[001]軸を回転軸として、10°以上90°以下の範囲で(100)面から回転させた面を主面とする場合に、(100)面を主面とする場合よりもGa結晶膜の成長レートを格段に大きくできることを示している。
一方、(100)面は強い劈開性を有しており、(100)面と主面のなす角度が45°以上になると、デバイス製造時の基板割れが発生しやすい。このため、(100)面から45°未満回転させた面を主面として用いることが好適である。
このため、Ga結晶膜の成長レートを高め、かつデバイス製造時の基板割れを抑制するためには、[010]軸を回転軸として、(100)面から10°以上45°未満回転させた面、又は[001]軸を回転軸として、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を主面とすればよいといえる。
また、[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10°以上45°未満回転させた面若しくは135°より大きく150°以下回転させた面、又は[001]軸を回転軸として、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を主面とすることで、Ga結晶膜の成長レートを高め、かつデバイス製造時の基板割れを抑制し、さらに主面上のクラック密度を0.05本/cm未満にできる。
なお、今回の検討は、[010]軸と[001]軸という直交する2軸を回転軸とした面を主面とする基板を用いて行い、直交する2軸間で同様の結果が得られている。よって、これらの回転軸の中間でも同様の結果が得られることは容易に推測できる。つまり、主面が(100)面から回転した面である場合、回転軸の方向によらず、回転角度が10°以上45°未満であれば、(100)面よりもGa結晶膜の成長レートを大きくできるため、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を主面とすることにより、Ga結晶膜の成長レートを高め、かつデバイス製造時の基板割れを抑制できるといえる。
図5及び図6を比較すると、[001]軸を回転軸として、(100)面から回転させた面である[001]軸回転面の方が、[010]軸を回転軸として、(100)面から回転させた面である[010]軸回転面よりも全体的に成長レートが高い。例えば、[010]軸回転10°面の成長レートが約500nm/hであるのに対し、[001]軸回転10°面の成長レートは、約730nm/hであり、約1.5倍となっている。これは、(010)面成分が主面に表れると成長レートが高くなることを示唆している。よって、[010]軸回転面を[010]方向へ傾斜させ、(010)面成分を主面に出すことで、成長レートが上がるのではないかと期待された。
図7は、[010]軸回転126.2°=(−201)面から[010]方向への傾斜角(オフ角)と、エピタキシャル膜の成長レートとの関係を示している。図7から明らかなように、Ga単結晶基板の(−201)面から[010]方向への傾斜角が大きくなるにつれて成長レートが上昇し、7°のオフ角で飽和することが分かった。
この結果から、[010]軸回転(−201)面における成長レート(原料使用効率)を向上させるためには、[010]方向へオフ角を持たせることが有効であるといえる。また、その成長レートの増加は7°で飽和することから、7°以上傾けることで成長レートのオフ角依存がなくなり、基板オフ角ばらつきによる成長レートの変動が抑制でき、製造安定性が向上するという効果が得られる。そのため、オフ角は7°以上であることがより好ましい。また、[010]軸回転(−201)面以外の[010]軸回転面を[010]方向へ傾斜させた場合にも、同様の結果が得られる。
上記の本実施例の評価はGa単結晶基板を用いて行ったものであるが、Ga単結晶基板以外のGa系単結晶基板を用いて評価を行った場合も、上記の評価結果と同様の評価結果が得られる。また、Ga結晶膜の代わりに、(GaInAl結晶膜(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1、x+y+z=1)を成長させる場合であっても、同様の評価結果が得られる。
以上の説明から明らかなように、次のGa系単結晶基板が得られる。
(100)面から10°以上45°未満回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[010]軸を回転軸として、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を成長面、又は(100)面から135°より大きく150°以下回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10°以上45°未満回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
(実施例2の効果)
この実施例2によれば、上記実施例1と同様の効果に加えて、次の効果が得られる。
供給された原料の再蒸発を抑制し、エピタキシャル成長時における原料供給効率を向上することができる。更にはデバイス製造歩留まりの低下を抑制することができる。デバイス製造時の基板割れ等をも抑制することができる。
[実施例3]
Ga系単結晶基板上にGa結晶膜を成膜する場合、以下の(1)及び(2)に挙げる問題がある。
(1)(010)面、(001)面、(−201)面を主面とするGa単結晶基板上にGa結晶膜を成長させる場合、成長速度には問題がないが、Ga結晶膜の面内の結晶性の分布の均一性が低く、一部に単結晶ではない箇所が生じる。[001]軸を回転軸として(100)面から回転させた面を主面とするGa単結晶基板上にGa結晶膜を成長させる場合の、Ga結晶膜の面内の結晶性については明らかになっていない。単結晶ではない箇所の上にデバイスを作製した場合、その結晶粒界がリーク電流のパスになり、デバイスのオフ性能を低下させる恐れがある。
(2)(001)面を主面とするGa単結晶基板上にGa結晶膜を成長させる場合は、成長速度に問題はなく、更に平坦なGa結晶膜を得やすいが、(001)面は(100)面と同様に強い劈開性を有する面であり、基板表面の研磨が難しく、デバイス製造時に劈開に起因する剥がれ等が発生するおそれがある。
そこで、本実施例においては、面内の結晶性の分布の均一性が高いGa結晶膜を成長させることのできるGa系単結晶基板を得るため、主面の面方位の異なる複数のGa単結晶基板を製造し、主面の面方位と主面上に成長するGa結晶膜の品質との関係を評価した。
以下に、Ga単結晶基板の主面の面方位と、その主面上に成長するGa結晶膜の品質との関係について、図8(a)〜図10を参照しながら詳細に説明する。
(Ga単結晶基板及びGa結晶膜の作製)
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から0〜150°回転させた面を主面とするGa単結晶基板と、[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa単結晶基板とを用意した。なお、Ga単結晶基板にはSnが添加されており、Ga単結晶基板はn型導電性である。
Ga単結晶基板の表面は、研削研磨加工を施し、研削研磨工程後に、CMP処理を施した。CMP処理後、有機溶剤(アセトン、メタノール、IPA、エタノール)を用いた有機洗浄を行い、HF浸漬洗浄、HSOとHとHOとを4:1:1で混合した酸への浸漬洗浄、超純水によるリンス、窒素ブローによる乾燥を施し、エピタキシャル成長可能な基板状態にした。その基板上に、MBEを用いてGa結晶膜をエピタキシャル成長させた。成長温度は750℃とし、成長時間は30分とした。Ga結晶の膜厚は、約300nm程度である。
(基板と方位の異なる結晶の混入抑制)
図8(a)は、XRD(X-Ray-Diffractometer:X線回折装置)のX線回折測定{(001)非対称2θ−ωスキャン}により得られたX線回折スペクトルを表している。図8(b)は、図8(a)のX線回折スペクトルの(002)回折付近を拡大して示す図である。
図中の横軸はX線の入射方位と反射方位とがなす角2θ(°)を表し、図中の左側の縦軸はX線の回折強度(任意単位)を表している。X線回折スペクトルの右側の数値はGa単結晶基板の主面の[010]軸を回転軸とする(100)面からの回転角度を示している。
図8(a)及び図8(b)を見ると、(002)回折の低角側に、基板結晶と方位の異なる結晶からの回折ピークが観測された。なお、2θ=26°、46.5°付近の回折ピークは、X線回折装置の試料ステージからの回折に起因するものである。
[010]軸回転50〜80°面上のGa結晶膜において、(001)面上に(−401)配向した結晶の混入が確認された。一方、[010]軸回転120〜140°面上のGa結晶膜からは、(001)面上に(400)配向した結晶の混入が確認された。
図9は、代表的な[010]軸回転40°、50°、70°、90°、100°、126.2°、140°、150°面上のGa結晶膜表面におけるRHEED(Reflective High-Energy Electron Diffraction:反射型高速電子線回折)像を示している。
図9から明らかなように、XRD評価において基板と方位の異なる結晶の混入が確認された[010]軸回転50°、70°、126.2°、140°面上のGa結晶膜のRHEED像は、スポッティ(spotty)なパターンを示した。基板と方位の異なる結晶がGa結晶膜に混入することにより、原子配列が乱され、スポッティなパターンとなったものと思われる。
一方、基板と方位の異なる結晶の混入がない[010]軸回転40°、90°、100°、150°面上のGa結晶膜のRHEED像は、ストリーク(streak)パターンを示した。ストリークパターンは、Ga単結晶膜が得られていることを示している。
図10は、[001]軸回転面上に成長したGa結晶膜の表面におけるRHEED像を示している。
図10から明らかなように、[001]軸回転10〜90°面上のGa結晶膜の表面においては、全てのRHEED像がストリークパターンを示した。よって、基板と方位の異なる結晶の混入がないGa単結晶膜が得られる。
なお、これらの基板と方位の異なる結晶の混入は、エピタキシャル成長中の積層欠陥に起因することがわかっている。
上記の本実施例の評価はGa単結晶基板を用いて行ったものであるが、Ga単結晶基板以外のGa系単結晶基板を用いて評価を行った場合も、上記の評価結果と同様の評価結果が得られる。また、Ga結晶膜の代わりに、(GaInAl結晶膜(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1、x+y+z=1)を成長させる場合であっても、同様の評価結果が得られる。
以上の説明から明らかなように、次のGa系単結晶基板、及びGa系単結晶膜の成長方法が得られる。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜40°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜40°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面を主面とするGa系単結晶基板の主面上にGa系結晶をエピタキシャル成長させ、Ga系結晶膜を形成する工程を含むGa系単結晶膜の成長方法。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa系単結晶基板の主面上にGa系結晶をエピタキシャル成長させ、Ga系結晶膜を形成する工程を含むGa系単結晶膜の成長方法。
(実施例3の効果)
上記実施例3によれば、Ga系単結晶基板の主面上に、基板と方位の異なる結晶を含まないGa系結晶膜を成長させることができ、デバイスのリーク電流を低減できる。
[実施例4]
Ga系単結晶基板上にGa結晶膜を成膜する場合、その結晶膜の表面平坦性と面方位の関係が明らかになっていなかった。例えば、表面の荒れた結晶膜上に電極を形成してトランジスタを作製した場合、電極とGa結晶膜界面の電界が不均一になり、デバイスの耐圧低下を引き起こす恐れがある。よって、結晶膜の表面平坦性は高いほど好ましい。
そこで、本実施例においては、主面上に成長するGa結晶膜の平坦性が高くなるGa系単結晶基板を得るため、主面の面方位の異なる複数のGa単結晶基板上にそれぞれGa結晶膜を成長させ、主面の面方位とGa結晶膜の平坦性との関係を評価した。
(Ga単結晶基板及びGa結晶膜の作製)
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したときに、(100)面から0〜150°回転させた面を主面とするGa単結晶基板と、[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa単結晶基板とを用意した。なお、Ga単結晶基板にはSnが添加されており、Ga単結晶基板はn型導電性である。
Ga単結晶基板の基板表面は、研削研磨加工を施し、研削研磨工程後に、CMP処理を施した。CMP処理後、有機溶剤(アセトン、メタノール、IPA、エタノール)を用いた有機洗浄を行い、HF浸漬洗浄、HSOとHとHOとを4:1:1で混合した酸への浸漬洗浄、超純水によるリンス、窒素ブローによる乾燥を施し、エピタキシャル成長可能な基板状態にした。その基板上に、MBEを用いてGa結晶膜を成長させた。成長温度は750℃とし、成長時間は30分とした。Ga結晶の膜厚は、約300nmである。
(Ga結晶膜の平坦性)
図11は、Ga単結晶基板の[010]軸を回転軸とした時の(100)面からの回転角度(°)と、それぞれの基板の主面上に成長したエピタキシャル膜の表面粗さ(RMS)(nm)との関係を示す図である。表面粗さ(RMS)は、Ga結晶膜表面の5μm角のAFM像から推定した。
図11から明らかなように、[010]軸を回転軸として(100)面から30°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面上に成長したGa結晶膜において、表面粗さが著しく小さくなる傾向が確認された。
図12は、Ga単結晶基板の[010]軸を回転軸として回転させた面に成長したエピタキシャル膜表面の、5μm角のAFM像を示している。
図12から明らかなように、[010]軸を回転軸として(100)面から30°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面上のGa結晶膜には、明瞭な原子ステップが観測されており、ステップフロー成長していると考えられる。
図13は、Ga単結晶基板の[001]軸を回転軸として回転させた面上に成長したエピタキシャル膜表面の、5μm角のAFM像から推定される表面粗さ(RMS)を示している。
図13から明らかなように、[001]軸を回転軸として10〜90°回転させた面上の全角度範囲にわたって平坦なGa結晶膜が得られた。
図14は、Ga単結晶基板の[001]軸を回転軸として回転させた面上に成長したエピタキシャル膜表面の、1μm角のAFM像から推定される表面粗さ(RMS)を示している。
図14から明らかなように、[001]軸を回転軸として10〜90°回転させた面の全角度範囲にわたって平坦なGa結晶膜が得られた。平坦なGa結晶膜が得られた中でも、特に60°付近で平坦性が高まることが分かる。
図15は、Ga単結晶基板の[001]軸を回転軸として回転させた面上に成長したエピタキシャル膜表面の、1μm角のAFM像を示している。
図15から明らかなように、60°付近で二次元成長した平坦な表面が観測された。60°付近から離れるにつれてステップバンチングが大きくなり、表面が荒れていく様子が確認された。
上記の本実施例の評価はGa単結晶基板を用いて行ったものであるが、Ga単結晶基板以外のGa系単結晶基板を用いて評価を行った場合も、上記の評価結果と同様の評価結果が得られる。また、Ga結晶膜の代わりに、(GaInAl結晶膜(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1、x+y+z=1)を成長させる場合であっても、同様の評価結果が得られる。
以上の説明から明らかなように、次のGa系単結晶基板、及びGa系結晶膜の成長方法が得られる。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から30°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を成長面として有するGa系単結晶基板。
[010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から30°、76.3°、90°〜110°、150°回転させた面を主面とするGa系単結晶基板の主面上にβ−Ga系結晶をエピタキシャル成長させ、β−Ga系結晶膜を形成する工程を含むGa単結晶膜の成長方法。
[001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とするGa系単結晶基板の主面上にβ−Ga系結晶をエピタキシャル成長させ、β−Ga系結晶膜を形成する工程を含むGa単結晶膜の成長方法。
(実施例4の効果)
この実施例4によれば、上記実施例3と同様の効果に加えて、平坦性の高いGa結晶膜が得られ、デバイスの耐圧低下を抑制できる。
[他の実施例]
本発明におけるGa系単結晶基板の代表的な構成例を上記各実施例、及び図示例を挙げて説明したが、次に示すような他の実施例も可能である。
図示例からも明らかなように、Ga系単結晶基板上にGa系結晶膜をエピタキシャル成長させるには、(401)面、(201)面、(−102)面、(−101)面、(−401)面、(210)面などを主面とするGa系単結晶基板であっても構わない。これらのGa系単結晶基板も、平坦性の高いGa系単結晶膜を高速成長するための研磨クラック密度の低いGa系単結晶基板として用いることが可能である。そして、これらの面を主面とするGa系単結晶基板上のGa系結晶膜を用いてデバイスを作製した場合、単結晶ではない箇所が生じていないためリーク電流の増加は起こらず、結晶膜表面の平坦性が高いため、電極とGa系結晶膜界面の電界が均一となり、耐圧の低下を抑制できる。
なお、上記の各実施例において、効果を得ることができるGa系単結晶基板の主面の(100)面からの[010]軸回転の角度範囲は、基板面内の[010]軸と直交する方向を回転軸とする角度ずれが存在する場合であっても、その角度ずれの大きさがおよそ±5度以内であれば、その影響をほとんど受けない。
また、上記の各実施例において、効果を得ることができるGa系単結晶基板の主面の(100)面からの[001]軸回転の角度範囲は、基板面内の[001]軸と直交する方向を回転軸とする角度ずれが存在する場合であっても、その角度ずれの大きさがおよそ±5度以内であれば、その影響をほとんど受けない。
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る代表的な各実施例、及び図示例を例示したが、上記各実施例、及び図示例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。従って、上記各実施例、及び図示例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
[1][010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜150°(ただし、50〜90°を除く)回転させた面(ただし、(201)面、(−101)面、及び(−201)面を除く)を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
[2][010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜70°、及び100〜150°(ただし、50〜90°を除く)回転させた面(ただし、(201)面、(−101)面、及び(−201)面を除く)を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。
[3][001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面(ただし、(310)面から(010)面に至る面を除く)を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
[4][001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面(ただし、(310)面から(010)面に至る面を除く)を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。

Claims (4)

  1. [010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜150°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
  2. [010]軸を回転軸として、(100)面から(101)面を経由して(001)面に至る回転方向をプラスと定義したとき、(100)面から10〜70°、100〜150°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。
  3. [001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満のGa系単結晶基板。
  4. [001]軸を回転軸として、(100)面から10〜90°回転させた面を主面とする、クラック密度が0.05本/cm未満で潜傷のないGa系単結晶基板。
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