JP5929599B2 - 第13族窒化物基板及びその製造方法 - Google Patents

第13族窒化物基板及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、非極性面又は半極性面を主面として有し且つ表面粗度の小さいオリエンテーションフラット端面を有する第13族窒化物基板及びその製造方法に関する。
GaN(窒化ガリウム)やAlN(窒化アルミニウム)等の第13族窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、またバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、レーザーダイオード等の比較的短波長側の発光デバイスや、高電子移動度トランジスタ(HEMT)及びヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等の高周波及び高出力の電子デバイスの材料として有用である。これらの光学的又は電子的用途においては、結晶性に優れ表面が平坦な第13族窒化物半導体基板が求められている。
窒化物半導体基板の原料となる窒化物結晶のインゴットは、通常、所定の厚さにスライシングされ、所望の形状に研削され、適宜機械研磨された後、研磨屑や研磨により生じたダメージを除去するために、KOHエッチングや精密研磨(ポリシング)等に供される。しかし、窒化物結晶を両面ともポリシングすることには多大なコストを要するため、裏面、すなわち、ウエハとしてデバイスを形成しない面については、より低コスト且つ簡便な方法であるKOHエッチングによって研磨屑除去を済ませたいという要望がある。
ところで、従来の窒化物半導体基板は、極性面である+C面((0001)面)又は−C面((000−1)面)を主面に有するものが多かった。しかし近年、半極性面であるR面((1−102)面)や(20−21)面、非極性面であるM面((1−100)面)やA面((11−20)面)をそれぞれ主面とする窒化物半導体基板の開発が盛んである。
特許文献1には、主面及びオリエンテーションフラットを備え、当該主面は(20−21)面又は(−202−1)面であり、当該オリエンテーションフラットは(−1017)面又は(10−1−7)面を示す窒化物半導体基板が開示されている。
特許文献2には、(20−21)を主面とする矩形の窒化物結晶を、120℃の47%KOH水溶液に10分間浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特許文献3には、{20−21}面を主面(A2面)とする窒化物結晶に関する記載がある。また、当該文献には、N面を主面とする窒化物結晶を、120℃の47%KOH水溶液に浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特許文献4には、(10−12)面を主面とする窒化物結晶に関する記載がある。また、当該文献には、(11−2−2)面を主面とする窒化物結晶を、100℃以上に加熱した50%KOH溶液に浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特開2012−15545号公報 特開2012−49448号公報 特開2011−77508号公報 特開2009−44138号公報
通常、第13族窒化物結晶には、KOHエッチングを行う前にオリエンテーションフラット(以下、OFと称する場合がある。)が形成されているため、OFが形成された第13族窒化物結晶の端面(以下、オリエンテーションフラットの端面、又はOF端面と称する場合がある。)も共にKOHエッチングされる。第13族窒化物結晶の主面が+C面((0001)面;第13族金属面)の場合には、KOHエッチングにより処理すべき裏面は−C面((000−1)面;窒素面)となる。−C面は、OF端面(非極性面)よりもエッチングされやすい面である。したがって、+C面を主面とする従来の第13族窒化物結晶において、KOHエッチングによるOF端面の表面荒れが問題となることはなかった。
しかし、M面((1−100)面)を主面とする第13族窒化物結晶や、M面からc軸方向に30°以内の傾斜を有する面を主面とする第13族窒化物結晶においては、KOHエッチングにて処理すべき裏面が比較的エッチングされにくい。このような場合には、裏面よりもKOHエッチングされやすい面が第13族窒化物結晶の側面に存在することになり、特にOF端面にこのような結晶面が露出する場合には、KOHエッチングによりOF端面が荒れてしまうという課題があった。OF端面におけるエッチング速度が速い場合には、第13族窒化物結晶の形状が崩れる結果、所望の形状の第13族窒化物基板が得られなくなるおそれがある。また、半導体プロセス装置や検査装置において、第13族窒化物基板の位置決めを行う際に、OFと基板の外周の一部に位置決めピンを当てることが通常行われる。その際、OFの表面形態や粗度によっては、OFの一部が位置決めの衝撃や擦れで欠けたり、又は位置決めピンの磨耗により発塵したりして、第13族窒化物基板表面が汚染されるおそれがある。
上記特許文献1には、(20−21)面を主面とするGaN結晶について、研磨の加工ダメージを除去するためにウエットエッチング及び/又はドライエッチングを行った旨が記載されている。しかし、当該文献には、エッチングについてこれ以上詳細な記載はなく、エッチングの具体的な条件等は何ら記載されていない。
また、上記特許文献2及び特許文献3には、KOHエッチングにおいて120℃のKOH水溶液を用いることしか記載されていない。また、上記特許文献4には、KOHエッチングに使用されるKOH水溶液の条件として、100℃以上という極めて幅広い温度条件が記載されている。後述する実施例において示すように、本発明者の検討で半極性面又は非極性面を主面とする第13族窒化物結晶のKOHエッチングにおいて120℃のKOH水溶液を用いた場合、処理時間が長いほどOF端面が荒れるという問題があることが明らかとなった。このことより、半極性又は非極性面を主面とし、KOHエッチングされやすい面をOF端面として有する第13族窒化物結晶において、KOHエッチングの好適な条件を見出す必要があるとの新たな課題に至った。
本発明者は、半極性面又は非極性面を主面とし、且つOFをさらに備える第13族窒化物結晶のKOHエッチングについて検討した結果、KOH水溶液の温度及び処理時間の条件がいずれも特定の範囲内である場合に、従来のKOHエッチングと比較して、裏面の加工残渣を効率よく除去できると共に、KOHエッチングされやすい面に形成されたOF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑えられることを見出した。
本発明者は、鋭意努力の結果、KOHエッチング条件を調節してOFの表面粗度を所定の範囲内とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、以下に示す本発明を完成させた。
(1)主面と、オリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、前記主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、前記オリエンテーションフラットの端面の表面粗度Raは0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする、第13族窒化物基板。
(2)1,000倍以上の倍率で観察したとき、前記オリエンテーションフラットの端面において2以上のファセット面が観察されることを特徴とする、(1)に記載の第13族窒化物基板。
(3)前記主面は、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の第13族窒化物基板。
(4)前記オリエンテーションフラットの端面は、{−202−7}面、{−101−7}面、{−101−10}面、又は{−101−21}面に位置することを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の第13族窒化物基板。
(5)第13族窒化物結晶にオリエンテーションフラットを作製するオリエンテーションフラット作製工程、及び当該オリエンテーションフラット作製工程後の溶液処理工程を含む第13族窒化物基板の製造方法であって、前記第13族窒化物結晶の主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、前記溶液処理工程は、温度が100℃以上110℃以下のKOH水溶液に、前記第13族窒化物結晶を20分以上浸漬することを特徴とする、第13族窒化物基板の製造方法。
(6)前記KOH水溶液の濃度は、45質量%以上65質量%未満であることを特徴とする、(5)に記載の第13族窒化物基板の製造方法。
本発明によれば、特定の温度のKOH水溶液を用いて特定の時間以上溶液処理を行うことにより、従来のKOHエッチングと比較して、裏面の加工残渣を効率よく除去できると共に、KOHエッチングされやすい面に形成されたOF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑えることができる。
本発明に係る第13族窒化物基板の第1の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。 本発明に係る第13族窒化物基板の第2の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。 実施例1のGaN基板の裏面のSEM画像、及び、実施例1に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面のSEM画像である。 実施例7のGaN基板の裏面のSEM画像、及び、実施例7に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面のSEM画像である。 (20−2−1)面を主面とするGaN基板(実施例1−実施例3及び比較例5−比較例6)について、処理時間の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (20−2−1)面を主面とするGaN基板(実施例1−実施例2、実施例4−実施例5、比較例3−比較例4、比較例9−比較例10、及び比較例13−比較例14)について、KOH水溶液の温度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (20−2−1)面を主面とするGaN基板(実施例1−実施例2、比較例1−比較例14)について、裏面((20−21)面)のSEM画像をまとめたものである。 (20−2−1)面を主面とするGaN基板(実施例2、実施例6、参考例2−参考例8)について、KOH水溶液の濃度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (10−10)面を主面とするGaN基板(実施例7−実施例8及び比較例19−比較例20)について、処理時間の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (10−10)面を主面とするGaN基板(実施例7−実施例10、比較例17−比較例18、比較例23、及び比較例27−比較例28)について、KOH水溶液の温度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (10−10)面を主面とするGaN基板(実施例7−実施例8、及び比較例15−比較例28)について、裏面((−1010)面)のSEM画像をまとめたものである。 (10−10)面を主面とするGaN基板(実施例8、実施例11、及び参考例10−参考例15)について、KOH水溶液の濃度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。 (20−2−1)面を主面とするGaN基板(比較例1−比較例4)について、処理時間の違いによる端面の粗度を比較したグラフである。 (10−10)面を主面とするGaN基板(比較例15−比較例18)について、処理時間の違いによる端面の粗度を比較したグラフである。 比較例3のGaN基板の+c軸方向側の側面(図15(a))、a軸方向側の側面(図15(b))、及び−c軸方向側の側面(図15(c))のSEM画像である。
1.第13族窒化物基板
本発明の第13族窒化物基板は、主面と、オリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、前記主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、前記オリエンテーションフラットの端面の表面粗度Raは0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする。
本発明においては、半導体素子を形成するためにエピタキシャル層を形成する面を有する結晶を基板と称する。また、本発明において、第13族窒化物基板とは、例えば以下の組成式(1)により表される基板を指す。
GaAlIn1−x−yN 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0≦x≦1、且つ0≦y≦1である。)
本発明に係る第13族窒化物基板は、具体的には窒化ガリウム基板、窒化アルミニウム基板、窒化インジウム基板、又は、混晶基板である窒化アルミニウムガリウム基板、窒化インジウムガリウム基板等が挙げられる。好ましくは少なくともガリウムを含む窒化物基板であり、より好ましくは窒化ガリウム基板である。
本発明においては、加工途中のものは第13族窒化物基板と称さず、第13族窒化物結晶と称する。また、以下、第13族窒化物基板を単に基板と称し、第13族窒化物結晶を単に結晶と称する場合がある。
本発明においてオリエンテーションフラットとは、結晶の外周の一部を例えば弓形に切り取った後に現れる部分であり、基板の主面を上から見たときに外周の一部に形成された直線部分に相当する。オリエンテーションフラットは、主に基板の結晶方位を示す役割を果たす。オリエンテーションフラットは、目視で観察した場合基板の主面に概ね直行する方向に形成される。よって、オリエンテーションフラットが形成された第13族窒化物基板の端面(オリエンテーションフラットの端面、又はOF端面)は、目視で観察した場合基板の主面と略垂直な面である。
また、本明細書において第13族窒化物基板又は第13族窒化物結晶の主面とは、半導体素子構造の形成のためにエピタキシャル成長用の基板として使用する際に、実際にエピタキシャル成長を実施する面のことであり、これを「おもて面」とすると、その裏側に当たる面を基板又は結晶の「裏面」と称する。
結晶面の面指数における負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けるのが通常である。しかし、本発明においては、表記の都合上、数字の前に負の符号を付けて負の指数を示す。
また、本発明においては、特定の指数面を小カッコ()で括って表し、等価の面を含む指数面を中カッコ{}で括って示す。例えば、{1−100}面とは、(1−100)面、(−1100)面、(10−10)面、(−1010)面、(01−10)面、及び(0−110)面を含む指数面を示す。
また、本発明においては、特定の結晶軸を大カッコ[]で括って表し、互いに等価な結晶軸をまとめて<>で括って表す。例えば、[000−1]方向とは、主面において、c軸を投影した際に−c軸方向に相当する方向を指す。また、[0001]方向とは、主面において、c軸を投影した際に+c軸方向に相当する方向を指す。また、<0001>方向とは、[000−1]方向及び[0001]方向のいずれも含む。
従来、第13族窒化物半導体基板といえば、極性面である+C面を主面とする基板が一般的であった。上述したように、当該結晶においては裏面である−C面が最もエッチングされやすいため、裏面以外の表面がエッチングによって荒れるというデメリットがそもそも発生せず、また、裏面以外の結晶表面におけるエッチングによる荒れを防ぐ技術等も存在しなかった。
一方、上記特許文献1〜特許文献4に開示されたような、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物半導体基板については、実際に市場に出回っている製品は少ない。これら極性面以外の面を主面とする第13族窒化物半導体基板は、その特徴的な物性から、近年ようやく脚光が当たり始めた技術である。
ところで、第13族窒化物基板にOFを作製する場合には、ある程度大きい結晶でなければ、作製コストや歩留まりの観点からあまり意味がない。しかしながら、半極性面や非極性面を主面とする大口径の第13族窒化物結晶は、c軸方向に厚膜成長を行って得られる極性面を主面とする第13族窒化物のインゴットからは、従来は製造が難しかった。これは、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物結晶を得るためには、c軸に平行な方向、又はc軸に対し斜めの方向にインゴットをスライスしなければならないが、大口径の半極性面や非極性面を確保できるほどの厚膜成長は従来は容易ではなく、半極性面や非極性面を主面とする十分な大きさの結晶の作製が従来は難しかったためである。
以上より、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物基板にOFをつけた状態でエッチングに供されること自体が、従来あまり行われなかったことであるため、「エッチングされやすい面に形成されたOF端面の荒れを抑えるためのKOHエッチング条件が必要とされる」という新たな課題を、本発明者が見出すに至ったのである。
従来のKOHエッチング条件を、半極性面を主面とする結晶に応用した場合の具体例を以下に示す。図15は、後述する比較例3のGaN基板の+c軸([0001])方向側の側面(図15(a))、a軸方向側の側面(図15(b))、及び−c軸([000−1])方向側の側面(図15(c))のSEM画像である。比較例3のGaN基板とは、(20−2−1)面を主面とし、且つ、主面の[000−1]方向側(−c軸方向側)にあって当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線となるようにOFを作製したGaN結晶について、濃度48質量%、温度120℃のKOH水溶液に20分間浸漬して得られた基板である。なお、図15(c)は、−c軸方向側の側面(すなわちOF端面)を斜め上から撮影したSEM画像である。図15(a)及び(b)から明らかなように、GaN基板の+c軸方向側の側面及びa軸方向側の側面はいずれもKOHエッチングによる荒れはほぼなく、平坦な側面である。一方、図15(c)から分かるように、−c軸方向側の側面(OF端面)はKOHエッチングにより鋸波状に荒れてしまう。
このように、従来のKOHエッチング条件(温度120℃、処理時間20分間)を、そのまま半極性面を主面とする結晶に適用した場合、主面上の加工残渣は減らせる一方、主面上において略a軸方向に伸びるOFを−c軸方向側に形成した場合には、OF端面が著しく荒れてしまう。本発明者は、半極性面や非極性面を主面とし且つエッチングされやすいOF端面を有する第13族窒化物半導体基板について鋭意検討を重ねた結果、主面上の加工残渣を除去すること及びOF端面の荒れを最小限に抑えることを課題として両立すべきであることを見出した。
本発明者は、更なる鋭意努力の結果、温度が100℃以上110℃以下KOH水溶液に、第13族窒化物結晶を20分以上浸漬させるという溶液処理条件を採用することにより、従来のKOHエッチングよりも、主面の加工残渣を効率よく除去できると共に、OF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑えることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明における主面は、{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面である。
本発明における主面は、本発明の効果が顕著であることから{1−100}面から<0001>方向に1°以上29°以下の範囲で傾斜していることが好ましく、5°以上28°以下の範囲で傾斜していることがより好ましい。よって、主面は半極性面であることが好ましく、具体的には、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面であることが好ましい。{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、及び{60−6−1}面は、それぞれ、{1−100}面から<0001>方向に、28°、15°、10°、又は5°傾斜した面である。
本発明における裏面は、加工残渣が少なければ少ないほど好ましく、特に基板として取り扱う際に加工残渣が剥離しない程度に安定な状態にあることが好ましい。ここで、安定な状態とは、例えばKOHエッチングにおいて処理時間を長くしたり、処理温度を高くしたりする等して、より厳しいエッチング条件とした場合であっても加工残渣の量が変わらない(それ以上低減しない)ような状態をいう。また、ここでいう加工残渣とは、スライスや研削、研磨した後の結晶表面に付着した結晶片のことを指す。
加工残渣の確認方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope;以下、SEMと称する。)による観察が挙げられる。SEM観察条件としては、例えば、加速電圧1〜10kV、電流50〜200pAにおいて、500〜5,000倍の倍率で観察する条件が挙げられる。特に、金蒸着等を施さずに基板をSEM観察した場合、加工残渣部分がチャージアップして黒く観察されるため、主面のSEM画像において黒い領域が少なければ少ないほど好ましい。これは、金蒸着等を施さずに基板をSEM観察した場合、通常であれば基板本体がSEMのホルダーに接触することにより導電する結果、チャージアップすることなく基板の主面が観察できるのに対し、加工残渣(剥離しかかった結晶片)は基板との接触面が少ないためにチャージアップする結果、当該加工残渣部分が黒く見えることによる。
本発明におけるOFは、上述した主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成す。ここで、「主面上において直線を成す」とは、主面に垂直な方向からマクロに基板を観察した際に、OFが直線として見えることを意味する。本発明において「マクロに基板を観察する」とは、顕微鏡観察のような微視的観察以外の観察方法により基板を観察することを指し、例えば、目視で基板を観察することが挙げられる。後述するように、OFは、所定の範囲内の表面粗度を有することから、マクロに観察した際にはOF端面は平坦であっても、ミクロに観察した際にはファセット面が観察される。
マクロに観察した際の、OFの<11−20>方向からのブレは、±3°であることが好ましく、±1°であることがより好ましく、±0.1°であることがさらに好ましい。
本発明におけるOFは、上述した主面の[000−1]方向側にある。これは円形の主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線としては、[000−1]方向側及び[0001]方向側の、対向する2箇所が存在する。本発明者の検討においては、[000−1]方向側にOFを形成した場合には、KOHエッチングによるOF端面の荒れが顕著であるのに対して、[0001]方向側にOFを形成した場合には、KOHエッチングをおこなってもOF端面が荒れないことが見出されている。このことより、本発明の効果が顕著に見られるのは、主面の[000−1]方向側にOFが形成されている場合である。ここで、主面の[000−1]方向側とは、必ずしもc軸上に存在するのではなく、c軸を第13族窒化物基板の主面に投影した場合に、主面の中心を挟んで−c軸方向と一致する側をいう。
本発明におけるOFの表面粗度Raは、0.5μm以上3.0μm以下である。ここで、表面粗度(すなわち、算術平均粗さ)Raは、JIS0601(1994年版)に則り、触針式表面粗度計(例えば、触針式粗さ試験機(東京精密社製、型番:SURFCOM130A)及びピックアップ(東京精密社製、型番:E−DT−SE19A))により測定し、当該測定結果から算出することが好ましい。測定条件の詳細は、例えば、以下の通りである。
測定長さ:1〜5mm
測定速度:0.3〜0.6mm/秒
カットオフ値:0.25〜2.5mm
本発明におけるOFの表面粗度Raは、0.5μm以上2.9μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上2.8μm以下であることがさらに好ましい。
1,000倍以上の倍率でミクロに観察したとき、OFにおいて2以上のファセット面が観察される場合がある。これは、OF端面がわずかにKOHでエッチングされたことにより生じる凹凸(荒れ)によるものである。しかしながら、本発明の基板では、OF端面に微小なファセット面が生じていても、表面粗度Raとしては十分に低減された範囲であるため、基板として用いる場合に特段問題となることはない。
第13族窒化物基板の製造方法の1つとして、KOH水溶液によるエッチング処理を施した後に、基板にOFを作製するという製造方法も考えられる。しかし、そのような製造方法においては、エッチング処理後に表裏のダメージ差により基板に反りが発生する。そのため、その後のOF加工装置のステージ上での全面吸着時に反りが矯正されることにより基板に割れが生じるおそれがある。したがって、OFを作製した後にKOH水溶液によってエッチング処理をした方がより効率よく基板が製造できる。KOH水溶液によるエッチング処理により、製造される基板のOF端面においてファセット面が発生する。すなわち、OF端面における2以上のファセット面は、当該エッチング処理による痕跡の存在を表す。
SEM観察条件としては、例えば、加速電圧1〜10kV、電流50〜200pAにおいて、1,000〜10,000倍の倍率で観察する条件が挙げられる。また、光学顕微鏡により1,000〜10,000倍の倍率で観察してもよい。
本発明におけるOFの長さは、主面の面積が十分に確保できる程度の長さであれば特に限定されない。本発明におけるOFの長さは、例えば、OF作製前の第13族窒化物結晶の外周の1〜20%を切り取る長さであってもよい。OFを2以上備える場合において、当該2以上のOFのそれぞれの長さは、OF作製前の第13族窒化物結晶の外周を合計で1〜20%切り取る長さであってもよい。
OF端面は、基板をマクロに観察したときに、{−202−7}面、{−101−7}面、{−101−10}面、又は{−101−21}面に位置することが好ましい。なお、{−202−7}面は上述した{10−1−1}面を主面とする基板に対応するOF端面である。{−101−7}面は上述した{20−2−1}面を主面とする基板に対応するOF端面である。{−101−10}面は上述した{30−3−1}面を主面とする基板に対応するOF端面である。{−101−21}面は上述した{60−6−1}面を主面とする基板に対応するOF端面である。
本発明に係る第13族窒化物基板の形状は、窒化物半導体基板に通常採用されている形状であれば、特に限定されない。本発明に係る基板の形状としては、例えば、円形から1又は2以上の弓形を切り取った形状、矩形、六角形などの多角形等が挙げられる。
これらの中でも、本発明に係る基板は、円形から1又は2以上の弓形を切り取った形状であることが好ましい。
図1は、本発明に係る第13族窒化物基板の第1の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。
図1に示すように、本第1の典型例は、主面1及びOF2を備える。主面1は、円形状から弓形を1つ切り取られた残りの形状を有する。主面1は、{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、好適には{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面である。
一方、OF2は当該弓形に切り取られた部分の弦に相当する。OF2は、主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線をなし、好適には、マクロに観察したときに{−202−7}面、{−101−7}面、{−101−10}面、又は{−101−21}面に位置する。
図2は、本発明に係る第13族窒化物基板の第2の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。
図2に示すように、本第2の典型例は、主面1、OF2、及び他のOF3を備える。主面1は、円形状から弓形を2つ切り取られた残りの形状を有する。主面1の面指数は、上述した第1の典型例と同様である。また、OF2及び他のOF3は、主面1において交わることがなく、OFを延長した場合に互いに90°の角度を成す。
OF2及び他のOF3は、当該弓形に切り取られた部分のそれぞれの弦に相当する。OF2の面指数は、上述した第1の典型例と同様である。また、他のOF3については、特に限定はない。基板の表裏の区別を容易にするため、OF2とOF3は長さが10%以上異なることが好ましい。
なお、上述した第1の典型例及び第2の典型例は、本発明のあくまで例に過ぎず、本発明がこれらの典型例のみに限定されることはない。
2.第13族窒化物基板の製造方法
本発明の第13族窒化物基板の製造方法は、第13族窒化物結晶にオリエンテーションフラットを作製するオリエンテーションフラット作製工程、及び当該オリエンテーションフラット作製工程後の溶液処理工程を含む第13族窒化物基板の製造方法であって、前記第13族窒化物結晶の主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、前記溶液処理工程は、温度が100℃以上110℃以下のKOH水溶液に、前記第13族窒化物結晶を20分以上浸漬することを特徴とする。
本発明は、(1)OF作製工程、及び、(2)溶液処理工程を有する。本発明は、必ずしも上記2工程のみに限定されることはなく、上記2工程以外にも、例えば、後述するようなスライス工程、機械研磨工程、化学機械研磨工程、洗浄工程等を有していてもよい。
第13族窒化物結晶は、公知の方法により準備できる。第13族窒化物結晶は、予め成長させた結晶を用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。一般には、第13族窒化物のアズグロウン結晶からスライス、研削等の形態加工を実施して基板を製造する。本発明においては、第13族窒化物結晶のインゴットについて、予め外径加工を施した後、オフ角を測定し、所望の主面を有するようにスライスすることが好ましい。
外径加工は、第13族窒化物結晶のインゴットの外周の結晶異常成長部除去(いわゆる多結晶除去)をその目的とする。外径加工の方法は特に限定されず、人の手による研削によってもよいし、シングルワイヤーソーによるものであってもよい。
次に、外径加工された第13族窒化物結晶のインゴットをスライスし、所定の厚さを有する結晶を切り出す。このとき、得られる結晶の主面が、{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面となるようにインゴットをスライスする。また、当該結晶の厚さは、完成品である製品の厚さと、加工ダメージを除去するための余分の厚さとの和とすることが好ましい。スライスの具体的方法としては、例えば、結晶のインゴットを乗せた台座をスライス機に設置し、X線により測定したオフ角の測定値に応じて角度を調整した後、スライス機で切断する態様が挙げられる。
本発明におけるOF作製工程は、通常、上述した外径加工、オフ角測定、及びスライスを経た第13族窒化物結晶に対し行う。具体的には、まず、スライス後の結晶について、シングルワイヤーソーやダイサー等により余計な部分を切断する。次に、ダイヤモンド砥石等を用いた研削によって、結晶を円形に加工する。円形にした結晶について、X線によりOF方位を測定しながら、OFを作製する。このとき作製されるOFは、上述した主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線となる。
なお、外径加工工程において、外周を製品径である円形とし、且つOFを作製してもよい。すなわち、OF作製工程を外径加工に含めてもよい。手順は以下の通りである。まず、第13族窒化物結晶のインゴットを、コアドリルによってくりぬき、製品径をほぼその直径とする結晶の円柱を製造する。次に、外周研削機により円柱の直径を製品径に仕上げ、且つ、OFを作製する。このとき、X線測定によりOFの方位を確認しつつ適宜調整しながらOFを作製することが好ましい。以下、結晶のスライスまでは上述した通りである。
OF作製工程後の第13族窒化物結晶に対しては、裏面を研削することにより、裏面のソーマーク等を除去してもよい。裏面研削の方法としては、例えば、平面研削機、LAP機が挙げられる。また、裏面研削に使用できる砥石としては、例えば、メタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ビトリファイド砥石、及びダイヤスラリー等が挙げられる。なお、本発明においては、ソーマーク除去の必要がない場合においては裏面研削を行わなくてもよい。
なお、上述したスライスから裏面研削までの工程は一例であり、必ずしもこれらの処理を全て行った結晶に対して、本発明の溶液処理工程を施さなければならないものではない。
本発明の製造方法においては、溶液処理工程において、温度が100℃以上110℃以下のKOH水溶液に、第13族窒化物結晶を20分以上浸漬することが、主な特徴の1つである。このように、特定の温度範囲内のKOH水溶液を用いて所定の時間以上KOHエッチングを行うことにより、当該KOHエッチングによるOF端面の荒れを最小限に抑えつつ、裏面の加工残渣を効率よく除去できる。
KOH水溶液の温度が100℃未満である場合や、溶液処理工程の時間が20分未満である場合には、後述する図7及び図11に示すように、第13族窒化物結晶の裏面の加工残渣が多く残るおそれがある。また、KOH水溶液の温度が110℃を超える場合には、後述する図6及び図10に示すように、OF端面の荒れが酷くなりすぎるおそれがある。
溶液処理工程の時間は、25分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましい。
本発明に使用されるKOH水溶液の濃度は、溶液処理工程の時間が30分以上といった長時間処理を行う場合に特に、OF端面の荒れを安定に低減可能であることから、45質量%以上65質量%未満であることが好ましい。当該濃度が45質量%以上である場合には、後述する図8及び図12に示すように、OF端面の荒れを低い範囲に抑えることができる。また、KOH水溶液の濃度は65質量%が上限である(国立天文台編、「理科年表 平成20年」、初版、丸善株式会社、平成19年11月30日、501ページ)。
第13族窒化物結晶をKOH水溶液へ浸漬する態様は特に限定されない。複数の結晶を一度にKOH水溶液へ浸漬できるという観点から、複数の結晶を格納可能なキャリア(ホルダー)に溶液処理予定の結晶を設置し、当該キャリアごとKOH水溶液に浸漬させる態様を採用してもよい。また、当該キャリアにOF端面を含む結晶の一部をKOH水溶液から保護する部材を予め搭載し、OF端面のエッチングを抑えるという態様を採用してもよい。
上述した溶液処理工程後の第13族窒化物結晶について、さらに表面研削及び/又は表面研磨を行うことにより、結晶表面における研削/研磨ダメージを減らし、所定の厚さにすることが好ましい。
表面研削処理及び/又は表面研磨処理を施した第13族窒化物結晶の主面について、さらに精密研磨(ポリシング)を行ってもよい。研磨工程の最終段階である精密研磨においては、化学機械的研磨(Chemical mechanical polishing;以下、CMPと称する場合がある。)が行われるのが一般的である。CMPには、通常、研磨剤及び研磨パッドが用いられ、化学研磨効果と機械研磨効果との相乗効果により、粗研磨により生じた結晶表面のナノオーダーの段差を除去し、結晶表面を平坦化することができる。
CMPは公知の方法を採用して実施することが可能であり、例えば、第13族窒化物結晶の研磨対象となる表面と、研磨定盤に貼られた研磨パッドとの間にコロイダルシリカ等を含むポリシングスラリーを添加した後、所定の圧力で当該結晶を保持しつつ、ポリッシュ機により当該表面を研磨する方法が挙げられる。研磨パッドの材質は公知のものでよく、ポリウレタン製等が例示できる。
上記精密研磨を経た第13族窒化物結晶は、研磨後に通常行われる洗浄工程により表面の付着物を除去することが好ましい。当該洗浄工程においては、スクラブ洗浄、及びHF洗浄等を実施してもよく、これら公知の洗浄方法を適宜組み合わせて実施してもよい。洗浄後の結晶を、スピン乾燥機等で適宜乾燥させることにより、第13族窒化物基板が製造される。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.GaN基板の製造
1−1.(20−2−1)面を主面とするGaN基板の製造
[実施例1]
GaN結晶を準備し、440μmの厚みにスライスして、(20−2−1)面を主面とするGaN結晶(以下、(20−2−1)結晶と称する場合がある。)を得た。次に、当該(20−2−1)結晶の外周をダイヤモンド砥石(#1000)により研削して形状を整え、さらに主面の[000−1]方向側(−c軸方向側)に、当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線を成すようにオリエンテーションフラット(OF)を作製した(OF作製工程)。次に、(20−2−1)結晶をキャリア(ホルダー)にセットし、濃度48質量%、温度100℃のKOH水溶液に20分間浸漬した(溶液処理工程)。溶液処理工程後の(20−2−1)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、実施例1のGaN基板を製造した。
実施例1のGaN基板のOF端面を、JIS0601(1994年版)に則り、触針式表面粗度計により測定し、OF端面の表面粗度(算術平均粗さ)Raを算出した。測定条件の詳細は以下の通りである。
触針式表面粗度計:触針式粗さ試験機(東京精密社製、型番:SURFCOM130A)及びピックアップ(東京精密社製、型番:E−DT−SE19A)
測定長さ:3mm
測定速度:0.3mm/秒
カットオフ値:0.8mm
実施例1のGaN基板のOF端面の表面粗度は、Ra=2.7μmであった。
実施例1のGaN基板の裏面((20−21)面)、及び、実施例1に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面((20−21)面)について、それぞれSEM観察を行い、裏面上の加工残渣を確認した。なお、ここでいう加工残渣とは、スライスや研削、研磨後の表面に付着した結晶片を意味し、特に本実施例においては、スライスによる残渣を主に指す。SEM観察条件の詳細は以下の通りである。
SEM:日本電子データム株式会社製、型番:JSM−7000F
加速電圧:3kV
電流:100pA
観察倍率:1,000倍
図3(a)は、実施例1のGaN基板の裏面のSEM画像であり、図3(b)は、実施例1に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面のSEM画像である。図3(b)においては、黒い部分が多く観察される。これに対し、図3(a)においては、黒い部分はほぼ観察されない。したがって、実施例1に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面と比較して、実施例1のGaN基板の裏面においては、加工残渣が低減していることが確認された。これらの結果について、以下の評価に基づき評価結果を表1にまとめた。なお、以降の実施例、比較例、及び参考例についても同様に表1又は表2にまとめた。
<裏面の加工残渣>
◎:加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっている。
○:加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっている。
×:加工残渣が残っており、不安定な面となっている。
[実施例2]
実施例1の溶液処理工程において、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例2のGaN基板を製造した。
実施例2のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.9μmであった。
実施例2のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[実施例3]
実施例1の溶液処理工程において、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を60分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例3のGaN基板を製造した。
実施例3のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.7μmであった。
実施例3のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[実施例4]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を110℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例4のGaN基板を製造した。
実施例4のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.1μmであった。
実施例4のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[実施例5]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を110℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例5のGaN基板を製造した。
実施例5のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.6μmであった。
実施例5のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[実施例6]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を45質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例6のGaN基板を製造した。
実施例6のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.5μmであった。
[比較例1]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例1のGaN基板を製造した。
比較例1のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.1μmであった。
比較例1のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例2]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例2のGaN基板を製造した。
比較例2のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.8μmであった。また、比較例2のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.5μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.4μmであった。
比較例2のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例3]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例3のGaN基板を製造した。
比較例3のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=4.2μmであった。また、比較例3のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.6μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.5μmであった。
比較例3のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[比較例4]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例4のGaN基板を製造した。
比較例4のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.2μmであった。また、比較例4のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.6μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.3μmであった。
比較例4のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[比較例5]
実施例1の溶液処理工程において、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例5のGaN基板を製造した。
比較例5のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.9μmであった。
比較例5のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例6]
実施例1の溶液処理工程において、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例6のGaN基板を製造した。
比較例6のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.3μmであった。
比較例6のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例7]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例7のGaN基板を製造した。
比較例7のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.7μmであった。
比較例7のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例8]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例8のGaN基板を製造した。
比較例8のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.8μmであった。
比較例8のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例9]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例9のGaN基板を製造した。
比較例9のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.3μmであった。
比較例9のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例10]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例10のGaN基板を製造した。
比較例10のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.6μmであった。
比較例10のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例11]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例11のGaN基板を製造した。
比較例11のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.6μmであった。
比較例11のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例12]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例12のGaN基板を製造した。
比較例12のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.0μmであった。
比較例12のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例13]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例13のGaN基板を製造した。
比較例13のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.8μmであった。
比較例13のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例14]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例14のGaN基板を製造した。
比較例14のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.4μmであった。
比較例14のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図7に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[参考例1]
実施例1と同様に、OF作製工程を行った。OF作製工程後の(20−2−1)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、参考例1のGaN基板を製造した。すなわち、参考例1においては、溶液処理工程を行わなかった。
参考例1のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.2μmであった。また、参考例1のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.4μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.2μmであった。
[参考例2]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を43質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例2のGaN基板を製造した。
参考例2のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=3.9μmであった。
[参考例3]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を40質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例3のGaN基板を製造した。
参考例3のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=3.6μmであった。
参考例3のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[参考例4]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を30質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例4のGaN基板を製造した。
参考例4のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=5.1μmであった。
参考例4のGaN基板の裏面((20−21)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[参考例5]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を27質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例5のGaN基板を製造した。
参考例5のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.9μmであった。
[参考例6]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を24質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例6のGaN基板を製造した。
参考例6のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=5.4μmであった。
[参考例7]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を20質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例7のGaN基板を製造した。
参考例7のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=5.4μmであった。
[参考例8]
実施例1の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を10質量%に変更し、且つ、(20−2−1)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例8のGaN基板を製造した。
参考例8のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=3.9μmであった。
下記表1は、実施例1−実施例6、比較例1−比較例14、及び参考例1−参考例8の溶液処理工程における処理条件、OF端面の表面粗度、及び裏面の加工残渣評価をまとめた表である。なお、表中の”−”は、処理又は評価の不実施を示す。
1−2.(10−10)面を主面とするGaN基板の製造
[実施例7]
GaN結晶を準備し、440μmの厚みにスライスして、(10−10)面を主面とするGaN結晶(以下、(10−10)結晶と称する場合がある。)を得た。次に、当該(10−10)結晶の外周をダイヤモンド砥石(#1000)により研削して形状を整え、さらに主面の[000−1]方向側(−c軸方向側)に、当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線を成すようにOFを作製した(OF作製工程)。次に、(10−10)結晶をキャリア(ホルダー)にセットし、濃度48質量%、温度100℃のKOH水溶液に20分間浸漬した(溶液処理工程)。溶液処理工程後の(10−10)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、実施例7のGaN基板を製造した。
実施例7のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.4μmであった。
実施例7のGaN基板の裏面((−1010)面)、及び、実施例7に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面について、実施例1と同様にSEM観察を行った。図4(a)は、実施例7のGaN基板の裏面のSEM画像であり、図4(b)は、実施例7に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面のSEM画像である。図4(b)においては、黒い部分が多く観察される。一方、図4(a)においては、図4(b)と比較して黒い部分が減っている。したがって、実施例7のGaN基板の裏面においては、実施例7に用いた溶液処理工程前のGaN結晶の裏面と比較して、加工残渣が低減していることが確認された。
[実施例8]
実施例7の溶液処理工程において、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例8のGaN基板を製造した。
実施例8のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.4μmであった。
実施例8のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。加工残渣は実施例7と同程度に低減しており、一部残っているものについてはより厳しい条件でエッチングしたとしても除去が困難である安定した状態であることが確認された。
[実施例9]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を110℃に変更したこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例9のGaN基板を製造した。
実施例9のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.3μmであった。
実施例9のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面の加工残渣は実施例7と同程度に低減しており、一部残っているものについてはより厳しい条件でエッチングしたとしても除去が困難である安定した状態であることが確認された。
[実施例10]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を110℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例10のGaN基板を製造した。
実施例10のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.4μmであった。
実施例10のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面の加工残渣は実施例7と同程度に低減しており、一部残っているものについてはより厳しい条件でエッチングしたとしても除去が困難である安定した状態であることが確認された。
[実施例11]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を45質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、実施例11のGaN基板を製造した。
実施例11のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=2.5μmであった。
[比較例15]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例15のGaN基板を製造した。
比較例15のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.0μmであった。
比較例15のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例16]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例16のGaN基板を製造した。
比較例16のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.6μmであった。また、比較例16のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.5μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.6μmであった。
比較例16のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例17]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更したこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例17のGaN基板を製造した。
比較例17のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=3.4μmであった。また、比較例17のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.6μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.4μmであった。
比較例17のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[比較例18]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を120℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例18のGaN基板を製造した。
比較例18のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=5.4μmであった。
比較例18のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[比較例19]
実施例7の溶液処理工程において、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例19のGaN基板を製造した。
比較例19のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.5μmであった。
比較例19のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例20]
実施例7の溶液処理工程において、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例20のGaN基板を製造した。
比較例20のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.9μmであった。
比較例20のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例21]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例21のGaN基板を製造した。
比較例21のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.6μmであった。
比較例21のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例22]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例22のGaN基板を製造した。
比較例22のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.3μmであった。
比較例22のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例23]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更したこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例23のGaN基板を製造した。
比較例23のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.8μmであった。
比較例23のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例24]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を90℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例24のGaN基板を製造した。
比較例24のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例25]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を5分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例25のGaN基板を製造した。
比較例25のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.7μmであった。
比較例25のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例26]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を10分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例26のGaN基板を製造した。
比較例26のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.8μmであった。
比較例26のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例27]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更したこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例27のGaN基板を製造した。
比較例27のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=1.0μmであった。
比較例27のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[比較例28]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の温度を80℃に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例28のGaN基板を製造した。
比較例28のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.9μmであった。
比較例28のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面のSEM画像を図11に示す。当該裏面においては、加工残渣が残っており、不安定な面となっていることが確認された。
[参考例9]
実施例7と同様に、OF作製工程を行った。OF作製工程後の(10−10)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、参考例9のGaN基板を製造した。すなわち、参考例9においては、溶液処理工程を行わなかった。
参考例9のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=0.3μmであった。また、参考例9のGaN基板のc軸に平行な端面、及び、a軸に平行であり且つ+C側の端面について、それぞれ実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、c軸に平行な端面の表面粗度はRa=0.4μmであり、a軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度はRa=0.2μmであった。
[参考例10]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を43質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例10のGaN基板を製造した。
参考例10のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=4.0μmであった。
[参考例11]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を40質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例11のGaN基板を製造した。
参考例11のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=3.5μmであった。
参考例11のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[参考例12]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を30質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例12のGaN基板を製造した。
参考例12のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.7μmであった。
参考例12のGaN基板の裏面((−1010)面)について、実施例1と同様にSEM観察を行った。当該裏面においては、加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[参考例13]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を27質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例13のGaN基板を製造した。
参考例13のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.3μmであった。
[参考例14]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を20質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例14のGaN基板を製造した。
参考例14のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.5μmであった。
[参考例15]
実施例7の溶液処理工程において、KOH水溶液の濃度を10質量%に変更し、且つ、(10−10)結晶のKOH水溶液への浸漬時間を30分間としたこと以外は、実施例7と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考例15のGaN基板を製造した。
参考例15のGaN基板のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出したところ、Ra=7.6μmであった。
下記表2は、実施例7−実施例11、比較例15−比較例28、及び参考例9−参考例15の溶液処理工程における処理条件及び表面粗度をまとめた表である。なお、表中の”−”は、処理又は評価の不実施を示す。
2.考察
2−1.(20−2−1)面を主面とするGaN基板に関する考察
図13は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を120℃とし且つ濃度を48質量%として作製したGaN基板(比較例1−比較例4)について、処理時間の違いによる端面の粗度を比較したグラフである。図13は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸に溶液処理工程の処理時間(分)をそれぞれとったグラフであり、白丸のプロットはc軸に平行な端面の表面粗度のデータを、X印のプロットはa軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度のデータを、及び、黒丸のプロットはa軸に平行であり且つ−C側の端面(すなわちOF端面)のデータを、それぞれ表す。処理時間5分間、10分間、20分間、及び30分間のプロットは、比較例1、比較例2、比較例3、及び比較例4の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、処理時間0分間のプロットは、溶液処理工程を行わなかった参考例1のデータを参考までに表したものである。
図13から分かるように、処理温度を120℃とした場合には、溶液処理工程の処理時間が長いほど、OF端面の粗度が高くなる。一方、a軸に平行であり且つ+C側の端面及びc軸に平行な端面においては、いずれも、溶液処理工程の処理時間による違いは見られない。また、従来の溶液処理条件である120℃の温度条件では、10分以上でOF端面において3μm以上の荒れが生じることが分かる。
図5は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を100℃とし且つ濃度を48質量%として作製したGaN基板(実施例1−実施例3及び比較例5−比較例6)について、処理時間の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図5は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸に溶液処理工程の処理時間(分)をそれぞれとったグラフである。処理時間5分間、10分間、20分間、30分間、及び60分間のプロットは、比較例5、比較例6、実施例1、実施例2、及び実施例3の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、処理時間0分間のプロットは、溶液処理工程を行わなかった参考例1のデータを参考までに表したものである。
図5から分かるように、処理温度を100℃とした場合には、溶液処理工程の処理時間が20分までは表面粗度は上昇し続けるものの、当該処理時間が20分以上となると、表面粗度の上昇はみられなくなる。よって、溶液処理工程の処理温度が100℃の条件においては、20分以上処理しても表面粗度が3.0μm未満で安定することが分かる。
図6は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の濃度を48質量%として作製したGaN基板(実施例1−実施例2、実施例4−実施例5、比較例3−比較例4、比較例9−比較例10、及び比較例13−比較例14)について、KOH水溶液の温度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図6は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸にKOH水溶液の温度(℃)をそれぞれとったグラフであり、黒丸のプロットは溶液処理工程の処理時間が20分間の場合の表面粗度のデータを、白丸のプロットは溶液処理工程の処理時間が30分間の場合の表面粗度のデータを、それぞれ表す。KOH水溶液の温度が80℃、90℃、100℃、110℃、及び120℃の黒丸のプロットは、比較例13、比較例9、実施例1、実施例4、及び比較例3の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、KOH水溶液の温度が80℃、90℃、100℃、110℃、及び120℃の白丸のプロットは、比較例14、比較例10、実施例2、実施例5、及び比較例4の表面粗度のデータをそれぞれ表す。
図6から分かるように、処理温度が110℃までは、表面粗度はRa=3.0μm以下に抑えられており、また、処理時間による表面粗度の差は見られない。しかし、処理温度が120℃においては、表面粗度は4μmを超えており、且つ、処理時間を30分間とした比較例4の表面粗度(Ra=7.2μm)は、処理時間を20分間とした比較例3の表面粗度(Ra=4.2μm)の1.7倍である。よって、溶液処理工程において、処理時間によらずに表面粗度をRa=3μm以下に安定に保持できるのは、KOH水溶液の温度が110℃以下の場合であることが分かる。
図7は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を80〜120℃、処理時間を5〜30分として作製したGaN基板(実施例1−実施例2、比較例1−比較例14)について、裏面((20−21)面)のSEM画像をまとめたものである。図7に示す表中、KOH水溶液の温度が120℃の行について、左から右に比較例1、比較例2、比較例3、及び比較例4の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が100℃の行について、左から右に比較例5、比較例6、実施例1、及び実施例2の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が90℃の行について、左から右に比較例7、比較例8、比較例9、及び比較例10の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が80℃の行について、左から右に比較例11、比較例12、比較例13、及び比較例14の各SEM画像を示す。
図7から分かるように、溶液処理工程の処理時間が10分以下と短い場合(比較例1−比較例2、比較例5−比較例8、及び比較例11−比較例12)や、KOH水溶液の温度が90℃以下と低い場合(比較例7−比較例14)のSEM画像には、加工残渣部分が黒く観察される。したがって、溶液処理工程の処理時間が10分以下と短い場合及び/又はKOH水溶液の温度が90℃以下と低い場合には、KOH処理による加工残渣除去が十分進行せず、不安定な状態の加工残渣が存在し、これらが剥離して汚染の原因となるおそれがあることが分かる。
一方、図7から分かるように、溶液処理工程の処理時間が20分以上且つKOH水溶液の温度が100℃以上の場合(実施例1−実施例2及び比較例3−比較例4)のSEM画像には、加工残渣部分はほとんど観察されない。しかし、これらのうちKOH水溶液の温度が120℃以上の場合(比較例3−比較例4)には、図6に示したように、KOH処理によるOF端面の荒れが酷く、且つ処理時間が長いほどOF端面の表面粗度が大きくなるという問題がある。
以上の考察より、溶液処理工程の処理時間が20分以上且つKOH水溶液の温度が100〜110℃の場合(実施例1−実施例6)には、裏面((20−21)面)における加工残渣を十分に減らして安定な状態にすることができ、且つ、OF端面の表面粗度を3.0μm以下に留めることができることが分かる。
図8は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を100℃とし且つ処理時間を30分間として作製したGaN基板(実施例2、実施例6、参考例2−参考例8)について、KOH水溶液の濃度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図8は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸にKOH水溶液の濃度(質量%)をそれぞれとったグラフである。KOH水溶液の濃度が48質量%、45質量%、43質量%、40質量%、30質量%、27質量%、24質量%、20質量%、及び10質量%のプロットは、実施例2、実施例6、参考例2、参考例3、参考例4、参考例5、参考例6、参考例7、及び参考例8の表面粗度のデータをそれぞれ表す。
図8から分かるように、KOH水溶液の濃度が27質量%の場合(参考例5)に表面粗度が最大となり、当該濃度が30質量%を超えると表面粗度が次第に小さくなり、KOH水溶液の濃度が45質量%以上の場合(実施例2及び実施例6)に表面粗度が3.0μm未満となる。よって、溶液処理工程において、30分を超える長時間処理で、十分なエッチング効果を享受しつつ表面粗度をRa=3.0μm以下に安定に保持できるのは、KOH水溶液の濃度が45質量%以上の場合が好ましいと分かる。
2−2.(10−10)面を主面とするGaN基板に関する考察
図14は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を120℃とし且つ濃度を48質量%として作製したGaN基板(比較例15−比較例18)について、処理時間の違いによる端面の粗度を比較したグラフである。図14は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸に溶液処理工程の処理時間(分)をそれぞれとったグラフであり、白丸のプロットはc軸に平行な端面の表面粗度のデータを、X印のプロットはa軸に平行であり且つ+C側の端面の表面粗度のデータを、及び、黒丸のプロットはa軸に平行であり且つ−C側の端面(すなわちOF端面)のデータを、それぞれ表す。処理時間5分間、10分間、20分間、及び30分間のプロットは、比較例15、比較例16、比較例17、及び比較例18の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、処理時間0分間のプロットは、溶液処理工程を行わなかった参考例9のデータを参考までに表したものである。
図14から分かるように、処理温度を120℃とした場合には、溶液処理工程の処理時間が長いほど、OF端面の粗度が高くなる。一方、a軸に平行であり且つ+C側の端面及びc軸に平行な端面においては、いずれも、溶液処理工程の処理時間による違いは見られない。また、従来の溶液処理条件である120℃の温度条件では、20分以上でOF端面において3.0μmを超える荒れが生じることが分かる。
図9は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を100℃とし且つ濃度を48質量%として作製したGaN基板(実施例7−実施例8及び比較例19−比較例20)について、処理時間の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図9は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸に溶液処理工程の処理時間(分)をそれぞれとったグラフである。処理時間5分間、10分間、20分間、及び30分間のプロットは、比較例19、比較例20、実施例7、及び実施例8の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、処理時間0分間のプロットは、溶液処理工程を行わなかった参考例9のデータを参考までに表したものである。
図9から分かるように、処理温度を100℃とした場合には、溶液処理工程の処理時間が20分までは表面粗度は上昇し続けるものの、当該処理時間が20分以上となると、表面粗度の上昇はみられなくなる。よって、溶液処理工程の処理温度が100℃の条件においては、20分以上処理しても表面粗度が3.0μm未満で安定することが分かる。
図10は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の濃度を48質量%として作製したGaN基板(実施例7−実施例10、比較例17−比較例18、比較例23、及び比較例27−比較例28)について、KOH水溶液の温度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図10は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸にKOH水溶液の温度(℃)をそれぞれとったグラフであり、黒丸のプロットは溶液処理工程の処理時間が20分間の場合の表面粗度のデータを、白丸のプロットは溶液処理工程の処理時間が30分間の場合の表面粗度のデータを、それぞれ表す。KOH水溶液の温度が80℃、90℃、100℃、110℃、及び120℃の黒丸のプロットは、比較例27、比較例23、実施例7、実施例9、及び比較例17の表面粗度のデータをそれぞれ表す。また、KOH水溶液の温度が80℃、100℃、110℃、及び120℃の白丸のプロットは、比較例28、実施例8、実施例10、及び比較例18の表面粗度のデータをそれぞれ表す。
図10から分かるように、処理温度が110℃までは、表面粗度はRa=3.0μm未満に抑えられており、また、処理時間による表面粗度の差は見られない。しかし、処理温度が120℃においては、表面粗度は3.0μmを超えており、且つ、処理時間を30分間とした比較例18の表面粗度(Ra=5.4μm)は、処理時間を20分間とした比較例17の表面粗度(Ra=3.4μm)の1.6倍である。よって、溶液処理工程において、処理時間によらずに表面粗度をRa=3.0μm以下に安定に保持できるのは、KOH水溶液の温度が110℃以下の場合であることが分かる。
図11は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を80〜120℃、処理時間を5〜30分として作製したGaN基板(実施例7−実施例8、及び比較例15−比較例28)について、裏面((−1010)面)のSEM画像をまとめたものである。図11の表中、KOH水溶液の温度が120℃の行について、左から右に比較例15、比較例16、比較例17、及び比較例18の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が100℃の行について、左から右に比較例19、比較例20、実施例7、及び実施例8の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が90℃の行について、左から右に比較例21、比較例22、比較例23、及び比較例24の各SEM画像を示し、KOH水溶液の温度が80℃の行について、左から右に比較例25、比較例26、比較例27、及び比較例28の各SEM画像を示す。
図11から分かるように、溶液処理工程の処理時間が10分以下と短い場合(比較例15−比較例16、比較例19−比較例22、及び比較例25−比較例26)や、KOH水溶液の温度が90℃以下と低い場合(比較例21−比較例28)のSEM画像には、加工残渣部分が黒く観察される。したがって、溶液処理工程の処理時間が10分以下と短い場合及び/又はKOH水溶液の温度が90℃以下と低い場合には、KOH処理による加工残渣除去が十分進行せず、不安定な状態の加工残渣が存在し、これらが剥離して汚染の原因となるおそれがあることが分かる。
一方、図11から分かるように、溶液処理工程の処理時間が20分以上且つKOH水溶液の温度が100℃以上の場合(実施例7−実施例8及び比較例17−比較例18)のSEM画像には、加工残渣部分が溶液処理前(例えば、図4(b)のSEM画像)と比較して少なく観察される。しかし、これらのうちKOH水溶液の温度が120℃以上の場合(比較例17−比較例18)には、図10に示したように、KOH処理によるOF端面の荒れが酷く、且つ処理時間が長いほどOF端面の表面粗度が大きくなるという問題がある。
以上の考察より、溶液処理工程の処理時間が20分以上且つKOH水溶液の温度が100〜110℃の場合(実施例7−実施例11)には、裏面((−1010)面)における加工残渣を減らして安定な状態にすることができ、且つ、OF端面の表面粗度を3.0μm以下に留めることができることが分かる。
図12は、溶液処理工程におけるKOH水溶液の温度を100℃とし且つ処理時間を30分間として作製したGaN基板(実施例8、実施例11、及び参考例10−参考例15)について、KOH水溶液の濃度の違いによるOF端面の粗度を比較したグラフである。図12は、縦軸に粗度Ra(μm)を、横軸にKOH水溶液の濃度(質量%)をそれぞれとったグラフである。KOH水溶液の濃度が48質量%、45質量%、43質量%、40質量%、30質量%、27質量%、20質量%、及び10質量%のプロットは、実施例8、実施例11、参考例10、参考例11、参考例12、参考例13、参考例14、及び参考例15の表面粗度のデータをそれぞれ表す。
図12から分かるように、KOH水溶液の濃度が10〜30質量%の場合(参考例12−参考例15)に表面粗度が7μmを超えるが、当該濃度が30質量%を超えると表面粗度が次第に小さくなり、KOH水溶液の濃度が45質量%以上の場合(実施例8及び実施例11)に表面粗度が3.0μm以下となる。よって、溶液処理工程において、30分を超える長時間処理で、十分なエッチング効果を享受しつつ表面粗度をRa=3.0μm以下に安定に保持できるのは、KOH水溶液の濃度が45質量%以上の場合が好ましいことが分かる。
1 主面
2 オリエンテーションフラット
3 他のオリエンテーションフラット
100 第13族窒化物基板

Claims (6)

  1. 主面と、オリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、
    前記主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、
    前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、
    前記オリエンテーションフラットの端面の表面粗度Raは0.5μm以上3.0μm以下であることを特徴とする、第13族窒化物基板。
  2. 1,000倍以上の倍率で観察したとき、前記オリエンテーションフラットの端面において2以上のファセット面が観察されることを特徴とする、請求項1に記載の第13族窒化物基板。
  3. 前記主面は、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の第13族窒化物基板。
  4. 前記オリエンテーションフラットの端面は、{−202−7}面、{−101−7}面、{−1 0 1 −10}面、又は{−1 0 1 −21}面に位置することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の第13族窒化物基板。
  5. 第13族窒化物結晶にオリエンテーションフラットを作製するオリエンテーションフラット作製工程、及び当該オリエンテーションフラット作製工程後の溶液処理工程を含む第13族窒化物基板の製造方法であって、
    前記第13族窒化物結晶の主面は{1−100}面から<0001>方向に0°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、
    前記オリエンテーションフラットは、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、
    前記溶液処理工程は、温度が100℃以上110℃以下のKOH水溶液に、前記第13族窒化物結晶を20分以上浸漬することを特徴とする、第13族窒化物基板の製造方法。
  6. 前記KOH水溶液の濃度は、45質量%以上65質量%未満であることを特徴とする、請求項5に記載の第13族窒化物基板の製造方法。
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