JP2014028720A - 第13族窒化物基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】半極性面を主面として有し且つ特定のオリエンテーションフラットを有する第13族窒化物基板を提供する。
【解決手段】主面1と、1又は2以上のオリエンテーションフラット2とを有する第13族窒化物基板100であって、前記主面1は{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラット2のうち少なくとも1つは前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、且つ、前記主面1の[000−1]方向側にあって当該主面1上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットを有さないことを特徴とする、第13族窒化物基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、半極性面を主面として有し且つ特定のオリエンテーションフラットを有する第13族窒化物基板に関する。
GaN(窒化ガリウム)やAlN(窒化アルミニウム)等の第13族窒化物半導体は、大きなバンドギャップを有し、またバンド間遷移が直接遷移型であることから、紫外、青色又は緑色等の発光ダイオード、レーザーダイオード等の比較的短波長側の発光デバイスや、高電子移動度トランジスタ(HEMT)及びヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等の高周波及び高出力の電子デバイスの材料として有用である。これらの光学的又は電子的用途においては、結晶性に優れ表面が平坦な第13族窒化物半導体基板が求められている。
窒化物半導体基板の原料となる窒化物結晶のインゴットは、通常、所定の厚さにスライシングされ、所望の形状に研削され、適宜機械研磨された後、研磨屑や研磨により生じたダメージを除去するために、KOHエッチングや精密研磨(ポリシング)等に供される。しかし、窒化物結晶を両面ともポリシングすることには多大なコストを要するため、裏面、すなわち、ウエハとしてデバイスを形成しない面については、より低コスト且つ簡便な方法であるKOHエッチングによって研磨屑除去を済ませたいという要望がある。
ところで、従来の窒化物半導体基板は、極性面である+C面((0001)面)又は−C面((000−1)面)を主面に有するものが多かった。しかし近年、半極性面であるR面((1−102)面)や(20−21)面を主面とする窒化物半導体基板の開発が盛んである。
特許文献1には、主面及びオリエンテーションフラットを備え、当該主面は(20−21)面又は(−202−1)面であり、当該オリエンテーションフラットは(−1017)面又は(10−1−7)面を示す窒化物半導体基板が開示されている。
特許文献2には、(20−21)を主面とする矩形の窒化物結晶を、120℃の47%KOH水溶液に10分間浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特許文献3には、{20−21}面を主面(A2面)とする窒化物結晶に関する記載がある(特許文献3の明細書の段落[0018])。また、当該文献には、N面を主面とする窒化物結晶を、120℃の47%KOH水溶液に浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特許文献4には、(10−12)面を主面とする窒化物結晶に関する記載がある(特許文献4の明細書の段落[0020])。また、当該文献には、(11−2−2)面を主面とする窒化物結晶を、100℃以上に加熱した50%KOH溶液に浸漬させてエッチングする旨の記載がある。
特開2012−15545号公報 特開2012−49448号公報 特開2011−77508号公報 特開2009−44138号公報
通常、第13族窒化物結晶には、KOHエッチングを行う前にオリエンテーションフラット(以下、OFと称する場合がある。)が形成されているため、OFが形成された第13族窒化物結晶の端面(以下、オリエンテーションフラットの端面、又はOF端面と称する場合がある。)も共にKOHエッチングされる。第13族窒化物結晶の主面が+C面((0001)面;第13族金属面)の場合には、KOHエッチングにより処理すべき裏面は−C面((000−1)面;窒素面)となる。−C面は、OF端面(非極性面)よりもエッチングされやすい面である。したがって、+C面を主面とする従来の第13族窒化物結晶において、KOHエッチングによるOF端面の表面荒れが問題となることはなかった。
しかし、M面((1−100)面)を主面とする第13族窒化物結晶や、M面からc軸方向に30°以内の傾斜を有する面を主面とする第13族窒化物結晶においては、KOHエッチングにて処理すべき裏面が比較的エッチングされにくい。このような場合には、裏面よりもKOHエッチングされやすい面が第13族窒化物結晶の側面に存在することになり、特にOF端面にこのような結晶面が露出する場合には、KOHエッチングによりOF端面が荒れてしまうという課題があった。OF端面におけるエッチング速度が速い場合には、第13族窒化物結晶の形状が崩れる結果、所望の形状の第13族窒化物基板が得られなくなるおそれがある。また、半導体プロセス装置や検査装置において、第13族窒化物基板の位置決めを行う際に、OFと基板の外周の一部に位置決めピンを当てることが通常行われる。その際、OFの表面形態や粗度によっては、OFの一部が位置決めの衝撃や擦れで欠けたり、又は位置決めピンの磨耗により発塵したりして、第13族窒化物基板表面が汚染されるおそれがある。
上記特許文献1には、(20−21)面を主面とするGaN結晶について、研磨の加工ダメージを除去するためにウエットエッチング及び/又はドライエッチングを行った旨が記載されている。また、上記特許文献2〜特許文献4には、KOHエッチングの条件が記載されている。しかし、上記特許文献1〜特許文献4には、KOHエッチングによるOF端面の荒れの問題や、KOHエッチングによる影響を受けやすい(又は受けにくい)結晶面に関する記載や示唆は一切ない。
本発明者は、半極性面を主面とし、且つOFを備える13族窒化物結晶について検討した結果、OFを特定の結晶軸方向に沿って作製することにより、KOHエッチングの際のOF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑えられることを見出した。
本発明者は、鋭意努力の結果、特定の結晶軸方向に沿うOFを有する第13族窒化物基板により、上記課題を解決できることを見出し、以下に示す本発明を完成させた。
(1)主面と、1又は2以上のオリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、前記主面は{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットのうち少なくとも1つは前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、且つ、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットを有さないことを特徴とする、第13族窒化物基板。
(2)前記主面は、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面である、(1)に記載の第13族窒化物基板。
(3)前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットの端面は、{1−210}面に位置する、(1)又は(2)に記載の第13族窒化物基板。
(4)前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットの端面の表面粗度Raは、0.5μm以下である、(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の第13族窒化物基板。
本発明によれば、第13族窒化物基板が溶液処理により荒れにくいOF端面を有し、且つ、溶液処理により荒れやすいOF端面を有さないことにより、従来の第13族窒化物基板と比較して、溶液処理によるOF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑えることができ、実用性の高い第13族窒化物基板が得られる。
本発明に係る第13族窒化物基板の第1の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。 本発明に係る第13族窒化物基板の第2の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。 KOHエッチングを実施したGaN基板の+c軸方向側の側面(図3(a))、a軸方向側の側面(図3(b))、及び−c軸方向側の側面(図3(c))のSEM画像である。
本発明の第13族窒化物基板は、主面と、1又は2以上のオリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、前記主面は{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、前記オリエンテーションフラットのうち少なくとも1つは前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、且つ、前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットを有さないことを特徴とする。
本発明においては、半導体素子を形成するためにエピタキシャル層を形成する面を有する結晶を基板と称する。また、本発明において、第13族窒化物基板とは、例えば以下の組成式(1)により表される基板を指す。
GaAlIn1−x−yN 組成式(1)
(上記組成式(1)中、0≦x≦1、且つ0≦y≦1である。)
本発明に係る第13族窒化物基板は、具体的には窒化ガリウム基板、窒化アルミニウム基板、窒化インジウム基板、又は、混晶基板である窒化アルミニウムガリウム基板、窒化インジウムガリウム基板等が挙げられる。好ましくは少なくともガリウムを含む窒化物基板であり、より好ましくは窒化ガリウム基板である。
本発明においては、加工途中のものは第13族窒化物基板と称さず、第13族窒化物結晶と称する。また、以下、第13族窒化物基板を単に基板と称し、第13族窒化物結晶を単に結晶と称する場合がある。
本発明においてオリエンテーションフラットとは、結晶の外周の一部を例えば弓形に切り取った後に現れる部分であり、基板の主面を上から見たときに外周の一部に形成された直線部分に相当する。オリエンテーションフラットは、主に基板の結晶方位を示す役割を果たす。オリエンテーションフラットは、基板の主面に概ね直行する方向に形成される。よって、オリエンテーションフラットが形成された第13族窒化物基板の端面(オリエンテーションフラットの端面、又はOF端面)は、目視で観察した場合基板の主面と略垂直な面である。
また、本明細書において第13族窒化物基板又は第13族窒化物結晶の主面とは、半導体素子構造の形成のためにエピタキシャル成長用の基板として使用する際に、実際にエピタキシャル成長を実施する面のことであり、これを「おもて面」とすると、その裏側に当たる面を基板又は結晶の「裏面」と称する。
結晶面の面指数における負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けるのが通常である。しかし、本発明においては、表記の都合上、数字の前に負の符号を付けて負の指数を示す。
また、本発明においては、特定の指数面を小カッコ()で括って表し、等価の面を含む指数面を中カッコ{}で括って示す。例えば、{1−100}面とは、(1−100)面、(−1100)面、(10−10)面、(−1010)面、(01−10)面、及び(0−110)面を含む指数面を示す。
また、本発明においては、特定の結晶軸を大カッコ[]で括って表し、互いに等価な結晶軸をまとめて<>で括って表す。例えば、[000−1]方向とは、主面において、c軸を投影した際に−c軸方向に相当する方向を指す。また、[0001]方向とは、主面において、c軸を投影した際に+c軸方向に相当する方向を指す。また、<0001>方向とは、[000−1]方向及び[0001]方向のいずれも含む。
従来、第13族窒化物半導体基板といえば、極性面である+C面を主面とする基板が一般的であった。上述したように、当該結晶においては裏面である−C面が最もエッチングされやすいため、裏面以外の表面がエッチングによって荒れるというデメリットがそもそも発生せず、また、裏面以外の結晶表面におけるエッチングによる荒れを防ぐ技術等も存在しなかった。
一方、上記特許文献1〜特許文献4に開示されたような、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物半導体基板については、実際に市場に出回っている製品は少ない。これら極性面以外の面を主面とする第13族窒化物半導体基板は、その特徴的な物性から、近年ようやく脚光が当たり始めた技術である。
ところで、第13族窒化物基板にOFを作製する場合には、ある程度大きい結晶でなければ、作製コストや歩留まりの観点からあまり意味がない。しかしながら、半極性面や非極性面を主面とする大口径の第13族窒化物結晶は、c軸方向に厚膜成長を行って得られる極性面を主面とする第13族窒化物のインゴットからは、従来は製造が難しかった。これは、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物結晶を得るためには、c軸に平行な方向、又はc軸に対し斜めの方向にインゴットをスライスしなければならないが、大口径の半極性面や非極性面を確保できるほどの厚膜成長は従来は容易ではなく、半極性面や非極性面を主面とする十分な大きさの結晶の作製が従来は難しかったためである。
以上より、半極性面や非極性面を主面とする第13族窒化物基板にOFをつけた状態でエッチングに供されること自体が、従来あまり行われなかったことであるため、「KOHエッチングの際にOF端面の荒れを極めて小さい範囲内に抑える」という新たな課題を、本発明者が見出すに至ったのである。
KOHエッチングを、半極性面を主面とする結晶に応用した場合の具体例を以下に示す。図3は、(20−2−1)面を主面とし、且つ、主面の[000−1]方向側(−c軸方向側)にあって当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線となるようにOFを作製したGaN結晶について、濃度48質量%、温度120℃のKOH水溶液に20分間浸漬して得られた基板の+c軸方向側の側面(図3(a))、a軸方向側の側面(図3(b))、及び−c軸方向側の側面(図3(c))のSEM画像である。なお、図3(c)は、−c軸方向側の側面(すなわちOF端面)を斜め上から撮影したSEM画像である。図3(a)及び(b)から明らかなように、GaN基板の+c軸方向側の側面及びa軸方向側の側面はいずれもKOHエッチングによる荒れはほぼなく、平坦な側面である。一方、図3(c)から分かるように、−c軸方向側の側面(OF端面)はKOHエッチングにより鋸波状に荒れてしまう。
このように、従来のKOHエッチング条件(温度120℃、処理時間20分間)を、そのまま半極性面を主面とし、−c軸方向側にOF端面を有する結晶に適用した場合、OF端面が著しく荒れてしまう。本発明者は、半極性面や非極性面を主面とし且つOFを有する第13族窒化物半導体基板について鋭意検討を重ねた結果、OF端面の結晶面の違いにより、溶液処理に対する耐久性が異なることを見出し、特に半極性面を主面とする第13族窒化物半導体基板について顕著な効果があることを見出した。
本発明者は、更なる鋭意努力の結果、主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFの端面が溶液処理に対する耐久性が高く、一方、主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFの端面が溶液処理に対し著しく弱いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明における主面は、{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面である。
本発明における主面は、本発明の効果が顕著であることから{1−100}面から<0001>方向に4°以上29°以下の範囲で傾斜していることが好ましく、5°以上28°以下の範囲で傾斜していることがより好ましい。よって、主面は具体的には、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面であることが好ましい。{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、及び{60−6−1}面は、それぞれ、{1−100}面から[000−1]方向に、28°、15°、10°、又は5°傾斜した面である。
本発明における裏面は、加工残渣が少なければ少ないほど好ましく、特に基板として取り扱う際に加工残渣が剥離しない程度に安定な状態にあることが好ましい。ここで、安定な状態とは、例えばKOHエッチングにおいて処理時間を長くしたり、処理温度を高くしたりする等して、より厳しいエッチング条件とした場合であっても加工残渣の量が変わらない(それ以上低減しない)ような状態をいう。また、ここでいう加工残渣とは、スライスや研削、研磨した後の結晶表面に付着した結晶片のことを指す。
加工残渣の確認方法としては、例えば、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope;以下、SEMと称する。)による観察が挙げられる。SEM観察条件としては、例えば、加速電圧1〜10kV、電流50〜200pAにおいて、500〜5,000倍の倍率で観察する条件が挙げられる。特に、金蒸着等を施さずに基板にSEM観察した場合、加工残渣部分がチャージアップして黒く観察されるため、主面のSEM画像において黒い領域が少なければ少ないほど好ましい。これは、金蒸着等を施さずに基板をSEM観察した場合、通常であれば基板本体がSEMのホルダーに接触することにより導電する結果、チャージアップすることなく基板の主面が観察できるのに対し、加工残渣(剥離しかかった結晶片)は基板との接触面が少ないためにチャージアップする結果、当該加工残渣部分が黒く見えることによる。
本発明におけるOFのうち少なくとも1つは、上述した主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成す。ここで、「主面上において直線を成す」とは、主面に垂直な方向からマクロに基板を観察した際に、OFが直線として見えることを意味する。本発明において「マクロに基板を観察する」とは、顕微鏡観察のような微視的観察以外の観察方法により基板を観察することを指し、例えば、目視で基板を観察することが挙げられる。主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFを備える第13族窒化物半導体基板は、後述する実施例1に示すように、溶液処理前後におけるOF端面の荒れにほとんど変化がない。したがって、当該第13族窒化物半導体基板を半導体の作製に用いた場合、半導体基板の位置決め等において、半導体の欠けや半導体表面の汚染が生じるおそれがほとんどなく、実用化に耐えうる。
マクロに観察した際の、OFの<0001>方向からのブレは、±3°であることが好ましく、±1°であることがより好ましく、±0.1°であることがさらに好ましい。
本発明においては、OFとして上述した<0001>±5°方向に平行なOFのみ備えていてもよく、当該OF以外にOFをさらに備えていてもよい。しかし、本発明の第13族窒化物半導体基板は、主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFは有しない。後述する比較例1に示すように、当該OFを備える第13族窒化物半導体基板は、溶液処理によるOF端面における荒れが酷いため、実用化に耐え得ないからである。好ましくは、当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFを有しないことである。
本発明におけるOFとしては、上述した通り主面の[000−1]方向側に<11−20>±5°方向に平行に伸びるOFを含まないことが特徴である。これは円形の主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線としては、[000−1]方向側及び[0001]方向側の、対向する2箇所が存在する。本発明者の検討においては、[000−1]方向側にOFを形成した場合には、KOHエッチングによるOF端面の荒れが顕著であるのに対して、[0001]方向側にOFを形成した場合には、KOHエッチングをおこなってもOF端面が荒れにくいことが見出されている。このことより、本発明の基板においては、少なくとも主面の[000−1]方向側にOFが形成されていなければ効果を発揮することができる。ここで、主面の[000−1]方向側とは、必ずしもc軸上に存在するのではなく、c軸を第13族窒化物基板の主面に投影した場合に、主面の中心を挟んで−c軸方向と一致する側をいい、主面の[0001]方向側とは主面の中心を挟んで+c軸方向と一致する側をいう。
本発明におけるいずれのOFにおいても、OF端面の表面粗度Raは、0.5μm以下であることが好ましい。上述したように、本発明においては溶液処理に強いOF端面を備え、且つ、溶液処理に弱いOF端面を有しないことから、任意の溶液処理条件に対し、上述した表面粗度Ra≦0.5μmの条件を満足できる。ここで、表面粗度(すなわち、算術平均粗さ)Raは、JIS0601(1994年版)に則り、触針式表面粗度計(例えば、触針式粗さ試験機(東京精密社製、型番:SURFCOM130A)及びピックアップ(東京精密社製、型番:E−DT−SE19A))により測定し、当該測定結果から算出することが好ましい。測定条件の詳細は、例えば、以下の通りである。
測定長さ:1〜5mm
測定速度:0.3〜0.6mm/秒
カットオフ値:0.25〜2.5mm
本発明におけるOFの表面粗度Raは、0.3μm以下であることがより好ましく、0μm以上0.2μm以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるOFの長さは、主面の面積が十分に確保できる程度の長さであれば特に限定されない。本発明におけるOFの長さは、例えば、OF作製前の第13族窒化物結晶の外周の1〜20%を切り取る長さであってもよい。OFを2以上備える場合において、当該2以上のOFのそれぞれの長さは、OF作製前の第13族窒化物結晶の外周を合計で1〜20%切り取る長さであってもよい。
主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFのOF端面は、基板をマクロに観察したときに、{1−210}面に位置する。
本発明に係る第13族窒化物基板の形状は、窒化物半導体基板に通常採用されている形状であれば、特に限定されない。本発明に係る基板の形状としては、例えば、円形から1又は2以上の弓形を切り取った形状、矩形、六角形などの多角形等が挙げられる。
これらの中でも、本発明に係る基板は、円形から1又は2以上の弓形を切り取った形状であることが好ましい。
図1は、本発明に係る第13族窒化物基板の第1の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。
図1に示すように、本第1の典型例は、主面1及びOF2を備える。主面1は、円形状から弓形を1つ切り取られた残りの形状を有する。主面1は、{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、好適には{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面である。
一方、OF2は当該弓形に切り取られた部分の弦に相当する。OF2は、主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線をなし、OF端面の面指数は、主面と直交する{1−210}面となる。
図2は、本発明に係る第13族窒化物基板の第2の典型例を示す図であって、主面側から観察した様子を模式的に示す図である。
図2に示すように、本第2の典型例は、主面1、OF2、及び他のOF3を備える。主面1は、円形状から弓形を2つ切り取られた残りの形状を有する。主面1の面指数は、上述した第1の典型例と同様である。また、OF2及び他のOF3は、主面1において交わり、互いに135°の角度を成す。
OF2及び他のOF3は、当該弓形に切り取られた部分のそれぞれの弦に相当する。OF2の面指数は、上述した第1の典型例と同様である。また、他のOF3については、[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFでなければ、特に限定はない。図2に示すように、OF2及び他のOF3が交わるものであってもよいし、OF2及び他のOF3が交わらなくてもよい。基板の表裏の区別を容易にするため、OF2とOF3は長さが10%以上異なることが好ましい。
なお、上述した第1の典型例及び第2の典型例は、本発明のあくまで例に過ぎず、本発明がこれらの典型例のみに限定されることはない。
一般的に第13族窒化物基板は、アズグロウン結晶を原料に、スライス、研削、研磨等の加工を経て得られる。スライスから粗研磨までの処理については公知の方法を採用すればよく、処理方法、順序は特に限定されない。
以下、第13族窒化物結晶の外径加工、オフ角の測定、スライス、OF作製、溶液処理、表面研削処理及び/又は表面研磨処理、並びに、精密研磨について詳しく説明する。
(外径加工)
第13族窒化物結晶は、公知の方法により準備できる。第13族窒化物結晶は、予め成長させた結晶を用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。一般には、第13族窒化物のアズグロウン結晶からスライス、研削等の形態加工を実施して基板を製造する。本発明においては、第13族窒化物結晶のインゴットについて、予め外径を整える加工を施した後、オフ角を測定し、所望の主面を有するようにスライスすることが好ましい。
外径加工は、第13族窒化物結晶のインゴットの外周の結晶異常成長部除去(いわゆる多結晶除去)をその目的とする。外径加工の方法は特に限定されず、人の手による研削によってもよいし、シングルワイヤーソーによるものであってもよい。
(オフ角の測定)
次に、外径加工された第13族窒化物結晶のインゴットをスライス機に取り付けるための台座に固定し、裏面をX線測定することにより、オフ角を測定する。
(スライス)
オフ角測定後、第13族窒化物結晶のインゴットをスライス機に固定し、所定の角度でスライスされるように角度調整を行ってからスライスし、所定の厚さを有する結晶を切り出す。このとき、得られる結晶の主面が、{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面となるようにインゴットをスライスする。また、当該結晶の厚さは、完成品である製品の厚さと、加工ダメージを除去するための余分の厚さとの和とすることが好ましい。スライスの具体的方法としては、例えば、結晶のインゴットを乗せた台座をスライス機に設置し、X線により測定したオフ角の測定値に応じて角度を調整した後、スライス機で切断する態様が挙げられる。
(OF作製)
スライス後の第13族窒化物結晶について、OF作製を行う。具体的には、まず、スライス後の第13族窒化物結晶について、シングルワイヤーソーやダイサー等により余計な部分を切断する。次に、ダイヤモンド砥石等を用いた研削によって、第13族窒化物結晶を円形に加工する。円形にした結晶について、X線によりOF方位を測定しながら、OFを作製する。このとき作製されるOFは、主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線となる。
なお、外径加工工程において、外周を製品径である円形とし、且つOFを作製してもよい。すなわち、OF作製工程を外径加工に含めてもよい。手順は以下の通りである。まず、第13族窒化物結晶のインゴットを、コアドリルによってくりぬき、製品径をほぼその直径とする結晶の円柱を製造する。次に、外周研削機により円柱の直径を製品径に仕上げ、且つ、OFを作製する。このとき、X線測定によりOFの方位を確認しつつ適宜調整しながらOFを作製することが好ましい。以下、結晶のスライスまでは上述した通りである。
OF作製後の第13族窒化物結晶に対しては、裏面を研削することにより、裏面のソーマーク等を除去してもよい。裏面研削の方法としては、例えば、平面研削機、LAP機が挙げられる。また、裏面研削に使用できる砥石としては、例えば、メタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ビトリファイド砥石、及びダイヤスラリー等が挙げられる。なお、本発明においては、ソーマーク除去の必要がない場合においては裏面研削を行わなくてもよい。
(溶液処理)
OF作製後の第13族窒化物結晶について、溶液処理を行うことにより、第13族窒化物結晶表面の加工残渣を除去する。なお、上述したように、主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すOFは溶液処理により侵されにくいため、裏面の加工残渣が十分除去できる条件であれば、特に溶液処理条件を限定する必要はない。
溶液処理に使用できるエッチング溶液としては、例えば、KOH水溶液、NaOH水溶液等が挙げられる。これらのエッチング溶液のうち、そのエッチング効果の高さから、KOH水溶液を用いることが好ましい。
以下、エッチング溶液としてKOH水溶液を用いる場合について説明する。
KOH水溶液の濃度は10質量%以上65質量%未満であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは45質量%以上である。当該濃度が10質量%未満である場合には、裏面の加工残渣が多く残るおそれがある。また、KOH水溶液の濃度は65質量%が上限である(国立天文台編、「理科年表 平成20年」、初版、丸善株式会社、平成19年11月30日、501ページ)。
KOH水溶液の温度は100℃以上であることが好ましい。KOH水溶液の温度が100℃未満である場合には、第13族窒化物結晶の裏面の加工残渣が多く残るおそれがある。
溶液処理の時間は20分以上であることが好ましい。溶液処理の時間が20分未満である場合には、第13族窒化物結晶の裏面の加工残渣が多く残るおそれがある。
第13族窒化物結晶をKOH水溶液へ浸漬する態様は特に限定されない。複数の結晶を一度にKOH水溶液へ浸漬できるという観点から、複数の結晶を格納可能なキャリア(ホルダー)に溶液処理予定の結晶を設置し、当該キャリアごとKOH水溶液に浸漬させる態様を採用してもよい。また、当該キャリアにOF端面を含む結晶の一部をKOH水溶液から保護する部材を予め搭載し、OF端面のエッチングを抑えるという態様を採用してもよい。
(表面研削処理及び/又は表面研磨処理)
上述した溶液処理工程後の第13族窒化物結晶について、さらに表面研削及び/又は表面研磨を行うことにより、結晶表面における研削/研磨ダメージを減らし、所定の厚さにすることが好ましい。
(精密研磨)
表面研削処理及び/又は表面研磨処理を施した第13族窒化物結晶について、さらに精密研磨(ポリシング)を行ってもよい。研磨工程の最終段階である精密研磨においては、化学機械的研磨(Chemical mechanical polishing;以下、CMPと称する場合がある。)が行われるのが一般的である。CMPには、通常、研磨剤及び研磨パッドが用いられ、化学研磨効果と機械研磨効果との相乗効果により、粗研磨により生じた結晶表面のナノオーダーの段差を除去し、結晶表面を平坦化することができる。
CMPは公知の方法を採用して実施することが可能であり、例えば、第13族窒化物結晶の研磨対象となる表面と、研磨定盤に貼られた研磨パッドとの間にコロイダルシリカ等を含むポリシングスラリーを添加した後、所定の圧力で当該結晶を保持しつつ、ポリッシュ機により当該表面を研磨する方法が挙げられる。研磨パッドの材質は公知のものでよく、ポリウレタン製等が例示できる。
上記精密研磨を経た第13族窒化物結晶は、研磨後に通常行われる洗浄工程により表面の付着物を除去することが好ましい。当該洗浄工程においては、スクラブ洗浄、及びHF洗浄等を実施してもよく、これら公知の洗浄方法を適宜組み合わせて実施してもよい。洗浄後の結晶を、スピン乾燥機等で適宜乾燥させることにより、第13族窒化物基板が製造される。
なお、上述したスライスから乾燥までの一連の工程はあくまで一例であり、本発明に係る第13族窒化物基板は、必ずしも上記一連の工程によって製造されるもののみに限定されない。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
1.GaN基板の製造
[実施例1]
GaN結晶を準備し、440μmの厚みにスライスして、(20−2−1)面を主面とするGaN結晶(以下、(20−2−1)結晶と称する場合がある。)を得た。次に、当該(20−2−1)結晶の外周をダイヤモンド砥石(#1000)により研削して形状を整え、さらに主面上において<0001>方向に平行に伸びる直線を成すように、オリエンテーションフラット(OF)を作製した(OF作製工程)。OF作製後の(20−2−1)結晶をキャリア(ホルダー)にセットし、濃度48質量%、温度120℃のKOH水溶液に30分間浸漬した(溶液処理工程)。溶液処理工程後の(20−2−1)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、実施例1のGaN基板を製造した。
実施例1のGaN基板のOF端面、及びOF作製工程後且つ溶液処理工程前の(20−2−1)結晶のOF端面を、JIS0601(1994年版)に則り、触針式表面粗度計により測定し、OF端面の表面粗度(算術平均粗さ)Raをそれぞれ算出した。測定条件の詳細は以下の通りである。
触針式表面粗度計:触針式粗さ試験機(東京精密社製、型番:SURFCOM130A)及びピックアップ(東京精密社製、型番:E−DT−SE19A)
測定長さ:3mm
測定速度:0.3mm/秒
カットオフ値:0.8mm
OF作製工程後且つ溶液処理工程前の(20−2−1)結晶のOF端面の表面粗度は、Ra=0.2μmであった。これに対し、実施例1のGaN基板のOF端面の表面粗度は、Ra=0.3μmであった。実施例1のGaN基板の裏面((20−21)面)についてSEM観察を行い、裏面上の加工残渣を確認したところ、加工残渣が十分に除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[比較例1]
実施例1のOF作製工程において、(20−2−1)結晶について、主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線を成すようにOFを作製したこと以外は、実施例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、比較例1のGaN基板を製造した。
比較例1のGaN基板のOF端面、及びOF作製工程後且つ溶液処理工程前の(20−2−1)結晶のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出した。OF作製工程後且つ溶液処理工程前の(20−2−1)結晶のOF端面の表面粗度は、Ra=0.3μmであった。これに対し、比較例1のGaN基板のOF端面の表面粗度は、Ra=7.2μmであった。
[参考例1]
GaN結晶を準備し、440μmの厚みにスライスして、(10−10)面を主面とするGaN結晶(以下、(10−10)結晶と称する場合がある。)を得た。次に、当該(10−10)結晶の外周をダイヤモンド砥石(#1000)により研削して形状を整え、さらに主面上において<0001>方向に平行に伸びる直線を成すように、OFを作製した(OF作製工程)。OF作製後の(10−10)結晶をキャリア(ホルダー)にセットし、濃度48質量%、温度120℃のKOH水溶液に30分間浸漬した(溶液処理工程)。溶液処理工程後の(10−10)結晶を、純水により洗浄し、スピン乾燥機で乾燥させることにより、参考例1のGaN基板を製造した。
参考例1のGaN基板のOF端面、及びOF作製工程後且つ溶液処理工程前の(10−10)結晶のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出した。OF作製工程後且つ溶液処理工程前の(10−10)結晶のOF端面の表面粗度は、Ra=0.4μmであった。これに対し、参考例1のGaN基板のOF端面の表面粗度は、Ra=0.6μmであった。参考例1のGaN基板の裏面((−1010)面)についてSEM観察を行い、裏面上の加工残渣を確認したところ、加工残渣がほぼ除去されており、安定な面となっていることが確認された。
[参考比較例1]
参考例1のOF作製工程において、(10−10)結晶について、主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>方向に平行に伸びる直線を成すように、OFを作製したこと以外は、参考例1と同様にOF作製工程、溶液処理工程、洗浄、及び乾燥を行うことにより、参考比較例1のGaN基板を製造した。
参考比較例1のGaN基板のOF端面、及びOF作製工程後且つ溶液処理工程前の(10−10)結晶のOF端面について、実施例1と同様に触針式表面粗度計により測定し、表面粗度Raを算出した。OF作製工程後且つ溶液処理工程前の(10−10)結晶のOF端面の表面粗度は、Ra=0.3μmであった。これに対し、参考比較例1のGaN基板のOF端面の表面粗度は、Ra=5.4μmであった。
下記表1は、実施例1、比較例1、参考例1、及び参考比較例1のGaN基板、並びに、これらGaN基板の原料となったOF作製工程後且つ溶液処理工程前のGaN結晶の表面粗度をまとめた表である。なお、下記表1中、「OFの方向」とは、主面においてOFがなす直線の方向を意味する。また、「OF作製工程後且つ溶液処理工程前」のデータは、GaN基板の原料となったGaN結晶のデータを意味し、「溶液処理工程後」のデータは、GaN基板のデータを意味する。
上記表1から分かるように、主面上において<11−20>に平行な直線をなすようにOFが作製されたGaN基板(比較例1及び参考比較例1)は、溶液処理工程前後で表面粗度が18〜24倍と極めて大きくなる。したがって、このようなGaN基板を半導体基板に用いた際には、OF端面の酷い荒れのために、半導体の作製や半導体検査における位置決めにおいて、半導体の欠けや半導体表面の汚染のおそれがある。
一方、上記表1から分かるように、主面上において<0001>に平行な直線をなすようにOFが作製されたGaN基板(実施例1及び参考例1)は、溶液処理工程前後で表面粗度がほとんど変わらない。したがって、このようなGaN基板を半導体基板に用いても、半導体の作製等における位置決めにおいて、半導体の欠けや半導体表面の汚染が生じるおそれがほとんどなく、高品質の半導体が作製できる。
1 主面
2 オリエンテーションフラット
3 他のオリエンテーションフラット
100 第13族窒化物基板

Claims (4)

  1. 主面と、1又は2以上のオリエンテーションフラットとを有する第13族窒化物基板であって、
    前記主面は{1−100}面から<0001>方向に3°以上30°以下の範囲で傾斜した面であり、
    前記オリエンテーションフラットのうち少なくとも1つは前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成し、且つ、
    前記主面の[000−1]方向側にあって当該主面上において<11−20>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットを有さないことを特徴とする、第13族窒化物基板。
  2. 前記主面は、{10−1−1}面、{20−2−1}面、{30−3−1}面、又は{60−6−1}面である、請求項1に記載の第13族窒化物基板。
  3. 前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットの端面は、{1−210}面に位置する、請求項1又は2に記載の第13族窒化物基板。
  4. 前記主面上において<0001>±5°方向に平行に伸びる直線を成すオリエンテーションフラットの端面の表面粗度Raは、0.5μm以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の第13族窒化物基板。
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