JP2013120795A - 窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Masayuki Tashiro
雅之 田代
Hiroki Ota
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Abstract

【課題】窒化物半導体基板の製造工程における機械研磨工程で、窒化物半導体結晶のエッジ部分が欠けるチッピングにより生じる、窒化物半導体基板のスクラッチを抑制し、高品質の窒化物半導体基板を提供する。
【解決手段】加工変質層を取り除く第二機械研磨工程の前に、窒化物半導体結晶の外周部に、該外周部におけるカソードルミネッセンス観察で暗点が確認できるまで研磨を施すことで、高品質の窒化物半導体基板を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体基板の製造方法に関し、特に研磨工程に特徴を有する窒化物半導体基板の製造方法に関する。
窒化ガリウムに代表される窒化物半導体は、発光ダイオード及びレーザーダイオード等の発光デバイスや高電子移動度トランジスタ(HEMT)及びヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等の高周波及び高出力の電子デバイスに適用される物質として有用である。このため、結晶性が良くて表面が平坦な窒化物半導体基板を、なるべく個体差を小さくしながら再現性良く製造することが求められている。
窒化物半導体結晶は、有機金属気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシ法(MBE法)あるいはハイドライド気相成長法(HVPE法)などの気相法や、液相エピタキシ(LPE)法などの液相法といった結晶成長の手法により、基板上に成長させる。
このような方法で得られた窒化物半導体結晶は、スライシングや研削などの形態加工を施して形を整えるが、スライシングや研削などの形態加工後の結晶では結晶表面が粗く、そのままではデバイス構造を作成するための窒化物半導体基板として市場に流通させることはできない。そのため、通常結晶表面を研磨することが行われている。
結晶表面の研磨については、機械研磨や化学機械研磨などの方法が知られている。
例えば機械研磨については、粗い砥粒を使う粗研磨と、細かい砥粒を使う仕上げ研磨を行うことが知られており(例えば特許文献1参照)、粗研磨には粒径30μm〜3μmの砥粒を用いることができ、仕上げ研磨には3μm〜0.1μm砥粒を用いることができるとされている。また、その後、加工変質層の除去に化学機械研磨(CMP)を実施してもよいとされている。
また、特許文献1には、窒化物半導体ウエハーが割れ欠けしないように、外周部をゴム砥石によりチャンファーすることで、外周部の加工変質層の厚みを0.5μm〜10μmとすることが開示されている。
特許文献2には、結晶周辺のカケ、チッピングを防ぐために、砥石テープで周辺を加工することで、エッジ部の面粗度を10nm〜5μmとすることが開示されている。これによりクラック発生率は減少して歩留りが向上するとされている。
特開2010−10705号公報 特開2004−319951号公報
本発明者らは、窒化物半導体結晶の研磨において、エッジが欠けるチッピングの抑制について検討を重ねたところ、特に砥粒の粒径が小さい場合(例えば1μm未満)には、チッピングで生じた窒化物半導体結晶の片が砥粒の粒径よりも大きくなる可能性があり、チッピングで生じた窒化物半導体結晶の片が砥粒の粒径よりも大きくなった場合には、窒化物半導体結晶表面にダメージ部を伴うスクラッチが多数生じて、窒化物半導体基板の品質に問題が生じるとの課題に至った。
特許文献1では、チッピングを防ぐため、外周部をゴム砥石によりチャンファーすることで、外周部の加工変質層の厚みを0.5μm〜10μmとすることが開示されている。しかしながら本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載の方法では、結晶の外周部に加工変質層が0.5μm〜10μmの厚みで存在しているため、砥粒による研磨により、非常に脆い構造である加工変質層が欠けてチッピングが発生し、結晶表面にスクラッチが生じると想定される。
特許文献2では、結晶周辺のカケ、チッピングを防ぐために、砥石テープで周辺を加工することで、エッジ部の面粗度が10nm〜5μmとすることが開示されている。しかしながら本発明者らが検討したところ、特許文献2の記載の方法では外周部の表面粗さが10nm〜5μmであることから数μm程度の凹凸が存在し、この凹凸が研磨で欠けてチッピングが発生し、結晶表面にスクラッチが生じると想定される。
本発明は、研磨時に生じるチッピングを防ぐことにより結晶表面にスクラッチが発生することを抑制し、高品質の窒化物半導体結晶を提供することが可能な窒化物半導体結晶の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記チッピング発生の問題を解決すべく鋭意研究を進め、砥粒の粒径が小さい状態で機械研磨をする前に外周部に研磨を施し、存在する加工変質層を除去することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
即ち本発明は以下のとおりである。
(1)窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第一機械研磨工程、
前記第一機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶表面の外周部にカソードルミネッセンス観察で暗点が確認できるまで研磨を施す面取り研磨工程、および
前記面取り研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第二機械研磨工程、
を含む窒化物半導体基板の製造方法。
(2)前記面取り研磨工程は、カソードルミネッセンス観察で確認可能な暗線を30本/100μm□以下とする(1)に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(3)前記面取り研磨工程は、第一化学機械研磨工程である(1)または(2)に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(4)前記第二機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に、さらに化学機械研磨を施す第二化学機械工程、を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(5)前記第二機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R2が、第一機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R1よりも小さいことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(6)前記第一機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R1は、R1≧1μmを満たすことを特徴とする、(5)で記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(7)前記第二機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R2は、R2≦0.5μmを満たすことを特徴とする、(5)または(6)に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
(8)前記第一化学機械研磨工程は、2時間以上実施することを特徴とする、(3)に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
本発明の窒化物半導体基板の製造方法によると、基板の表面に発生するスクラッチを抑制することができるため、高品質の窒化物半導体基板を提供することができる。
実施例において、面取り研磨工程を施した後の、結晶表面外周部のカソードルミネッセンス観察による観察写真である(図面代用写真)。
本発明の窒化物半導体基板の製造方法について、以下詳細に説明する。構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づきされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本発明において、窒化物半導体基板は、III族窒化物結晶からなる半導体基板を意味し、III族窒化物結晶は例えばGaxAlyIn1-x-yN結晶(式中0≦x≦1、0≦y
≦1)で表され、具体的には窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウムまたはこれらの混晶があげられる。本発明の窒化物半導体基板は主面の面指数はとくに限定されず、極性面であるC面、非極性面であるA面、M面や、半極性面のいずれでもよい。
本発明では、半導体素子を形成するためにエピタキシャル層を形成する面を有する結晶を基板という。一般には、アズグロウン結晶からスライス、研削などの形態加工を実施して基板を得るが、本発明では加工途中のものは基板と呼ばず、結晶と呼ぶ。
また、研削とは、一般に主として形態加工を目的とした加工であり、固定砥粒を用いた加工をいう。研削を行うための方法は特に限定されないが、ダイヤモンド砥粒や炭化ケイ素砥粒などを結合剤で固定した固定砥粒であって、比較的粒径の大きな砥粒を用いて、荒く削るような方法を用いることができる。
一方で、研磨とは、一般に主として表面の加工によって生じた歪みの軽減を目的とした加工である。本発明においては機械研磨、化学機械研磨を総称して研磨という。研磨を行うための方法は特に限定されないが、比較的粒径の小さな遊離砥粒を用いて、微細な表面状態の調整を行うような方法を用いることができる。もちろん、比較的粒径の小さな固定砥粒を用いた場合であってもこのような表面研磨は可能であり、固定砥粒を用いた場合であっても研磨の範囲に含まれ得る。
また、本発明においてプレートとは、研削あるいは研磨時に結晶を装置に取り付けるために、結晶を張り付けるプレートのことを指す。結晶を張り付けるプレート面は、研削・研磨後に均一な厚みの基板を得るために、平坦なものが好ましい。
本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第一機械研磨工程、前記第一機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の外周部にカソードルミネッセンス観察で暗点が確認できるまで研磨を施す面取り研磨工程、および前記面取り研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第二機械研磨工程、を含む。
<第一機械研磨工程>
一般的に窒化物半導体基板は、アズグロウン結晶からスライス、研削、研磨などの加工を実施して基板を得る。通常、本発明の第一機械研磨工程は、アズグロウン結晶をスライス後、側面をチャンファー処理し、裏面や表面に必要に応じて研削やエッチングなどの処理を施した後の窒化物半導体結晶に実施するものである。これらの処理は公知の方法を採用すればよく、処理方法、順序は限定されるものではない。また、上記の処理は一例であり、必ずしもこのような処理をすべて行った結晶に対して、本発明の第一機械研磨工程を施さなければならないものではない。
本発明の第一研磨工程は、窒化物結晶の裏面側をプレートに対向するように張り付けて研磨する公知の方法を採用することができる。通常研磨工程では、砥粒径を段階的に小さくして機械研磨を行う。第一研磨工程は比較的砥粒径の大きな機械研磨の段階ではあるが、必ずしも砥粒の粒径が大きくなくともよい。砥粒の粒径が小さいもので第一研磨工程を
行う場合には、第一研磨工程に要する時間が長くなる。
そのため、第一研磨工程に用いる砥粒の粒径R1は大きいものであることが好ましく、通常R1は0.5μm以上、好ましくは1以上である。一方上限は通常30μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは3μm以下である。砥粒としては、通常ダイヤモンドが用いられるが、研磨が可能であれば必ずしもこれに限られるものではない。
また、第一研磨工程の研磨の速度についても特段限定されず、回転による研磨の場合には、通常回転速度が10rmp以上、好ましくは20rpm以上である。一方上限は通常50rpm以下、好ましくは40rpm以下である。また、結晶をプレートに対向させて配置する際の圧力についても特段限定されず、通常50g/cm2以上であり、500g
/cm2以下である。その他、第一研磨工程の実施時間は取り代の厚みにより適宜調整す
ればよく、研磨レートについては、研磨条件に合わせて適宜調整すればよい。
<第二機械研磨工程>
本発明の第二機械研磨工程は、第一機械研磨工程と同様の方法で行うことができる。また、第二機械研磨工程は仕上げの研磨工程であるため、通常砥粒の粒径が小さいものを用いる。大きさは仕上げの具合により当業者が適宜設定すればよいが、第二機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R2が、第一機械研磨工程で用いる砥粒の砥粒R1よりも小さいことが好ましく、通常R2は0.05μm以上、好ましくは0.125μm以上である。一方上限は0.5μm以下であることが好ましい。砥粒としては、通常ダイヤモンド、SiC粉末などが用いられる。
また、第二研磨工程の研磨の速度についても特段限定されず、回転による研磨の場合には、通常回転速度が10rmp以上、好ましくは20rpm以上である。一方上限は通常50rpm以下、好ましくは40rpm以下である。また、結晶をプレートに対向させて配置する際の圧力についても特段限定されず、通常50g/cm2以上であり、500g
/cm2以下である。その他、第二研磨工程の実施時間は取り代の厚みにより適宜調整す
ればよく、研磨レートについては、研磨条件に合わせて適宜調整すればよい。
本発明の課題は、このように砥粒の粒径が小さい第二研磨工程において、窒化物半導体結晶のエッジが欠けるチッピングに起因して発生するスクラッチを抑制することである。このような課題に対し、本発明者らは次に説明する面取り研磨工程を採用することで課題を解決した。
なお、第一機械研磨工程、第二機械研磨工程とも、窒化物結晶を所望の厚さにするための工程であり、各工程を実施する時間は所望の厚さがどの程度であるか、および砥粒の粒径がどの程度であるか、により当業者が適宜設定するものである。
<面取り研磨工程>
本発明では、砥粒の粒径が小さい第二研磨工程を実施する前に、面取り研磨工程を実施する。本発明では、面取り研磨工程により、窒化物半導体結晶の外周部におけるカソードルミネッセンス(CL)観察で結晶成長に由来する貫通転位などの結晶欠陥が暗点として確認できることを特徴としている。通常、多数のスクラッチに伴うダメージ部や加工変質層などが存在する場合には、表面がこれらに覆われているためにCL観察において結晶欠陥を暗点として観察できない。つまり、ダメージ部や加工変質層などを十分に除去して、CL観察において暗点が確認できるような状態になるように面取り研磨工程を行うことで、窒化物半導体結晶のエッジが欠けるチッピングに起因するスクラッチを抑制することができる。
加えて、前記窒化物半導体結晶の外周部はCL観察で確認可能な暗線が30本/100μm□以下であることが好ましく、20本/100μm□以下であることがより好ましい。ここで、加工変質層が除去された領域においては、スクラッチがCL観察で暗線として確認される。通常、第一機械研磨工程の終了直後の結晶表面は、砥粒での研磨によって多
数のスクラッチに伴うダメージ部や加工変質層が存在している。このような結晶表面に対して、面取り研磨を実施すると、特に外周部において加工変質層を除去できると同時に第一機械研磨工程で発生したスクラッチに伴うダメージ部もおおよそ除去することができる。よって、CL観察においては、暗点が確認できるまで面取り研磨が施されている前記外周部であれば、続く第二機械研磨工程において窒化物半導体結晶のエッジが欠けるチッピングに起因するスクラッチを抑制することができる。
本発明の面取り研磨工程を実施することで、窒化物半導体結晶の外周部に面だれを形成して結晶のエッジ部を丸くし、エッジにおけるチッピングが発生しにくい状態とする。外周部の面だれ部分は、結晶の最外縁から20μm以上中心に入り込んでいることが好まし
く、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上とすることができ、好ましくは5,000μm以下であり、より好ましくは3,000μm以下である。
加えて、窒化物半導体結晶の外周部において、加工変質層が存在しない状態とする。エッジ部の欠けを防ぐために、エッジ部を丸くするのみで加工変質層の除去をしない場合には、加工変質層は脆くて欠けやすいため、第二機械研磨工程におけるチッピングを誘発する。
本発明では、砥粒の粒径が小さい第二研磨工程を実施する前に、結晶のエッジ部を丸くし、かつ加工変質層を取り除くことを特徴とする。
窒化物半導体結晶の外周部とは、研磨において欠けが生じやすい結晶表面の外周部を意味しており、厳密に特定されるものではないが、通常、結晶の外縁側500μm程度を意味しており、300μm程度であることが好ましい。本発明では、外周部をカソードルミネッセンス(CL)で観察した際に、結晶成長に由来する転位などの結晶欠陥が確認できる。すなわち、これらの結晶欠陥が確認できるほど結晶表面が整っており外周部に加工変質層が存在しない状態であることを特徴とする。
なお、加工変質層とは、結晶構造が歪んだ層をいい、カソードルミネッセンスにより暗い箇所が面として広がって見えるため、当業者は他の部分と区別して観察することが可能である。また、本発明にいうスクラッチは結晶表面に局所的に存在する線状の傷であり、一方、加工変質層は結晶構造の歪みが連続的に生じているもので、面方向への広がりに加えて深さ方向への広がりを有する「層」である。そのため、当業者は、両者を明確に区別し得るものである。
また、本発明の面取り研磨工程は、特許文献1に記載のチャンファー(べべリング)とは異なり、研磨工程の途中で行われるものである。また、特許文献1では、外周部に加工変質層が存在しており、研磨においてチッピングが発生すると考えられる。
本発明の面取り研磨工程は、外周分に存在する加工変質層を取り除くことができる限りその方法は限定されないが、化学機械研磨(CMP)により実施することが好ましい。なお、この場合の化学機械研磨を、本明細書では第一化学機械研磨と呼ぶ。
面取り研磨工程としては、研磨パッドなどに沈みこむような条件にして第一化学機械研磨を実施すると、より効果的に結晶のエッジ部を研磨することができるため好ましい。
面取り研磨工程を化学機械研磨(CMP)により実施する場合には、おおよそ2時間以上実施することで、窒化物半導体結晶の外周部の加工変質層を十分に除去することが可能となる。なお、化学機械研磨の実施時間の上限は特段限定されるものではないが、研磨工程全体に要する時間を考慮し、10時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましい。
第一化学機械研磨は公知の方法を採用して実施することが可能であり、例えばコロイダルシリカスラリーとスウェードパッドを用いることが例示される。スウェードパッドの材
質も公知のものを採用すればよく、ポリウレタン製などが挙げられる。コロイダルシリカスラリーに含まれる砥粒(コロイダルシリカ)の粒径は、通常10nm以上であり、30nm以上であることが好ましい。また、上限としては通常100nm以下である。また、コロイダルシリカスラリーのpHは0.8以上、2.5以下であることが好ましい。
また、第一化学機械研磨の研磨速度についても特段限定されず、回転による研磨の場合には、通常回転速度が50rmp以上、200rpm以下である。また、結晶をプレートに対向させて配置する際の圧力についても特段限定されず、通常100g/cm2以上で
あり、1500g/cm2以下である。第一化学機械研磨の実施時間は通常1時間以上、
好ましくは2時間以上であり、通常10時間以下、好ましくは5時間以下である。研磨レートについては、研磨条件に合わせて適宜調整すればよい。
第一化学機械研磨終了後の窒化物半導体基板は、その表面粗さRmsは10nm以上であってもよく、50nm以上であってもよく、100nm以上であってもよい。
<第二化学機械研磨工程>
本発明では、第二機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に対し、更に化学機械研磨工程を施すことが好ましい。なお、面取り研磨工程における化学機械研磨工程と区別するために、本明細書では第二化学機械研磨工程と呼ぶ。
第二化学機械研磨工程は、窒化物半導体結晶の表面に存在する加工変質層を除去する工程である。すでに説明した面取り研磨工程により結晶外周部の加工変質層はおおよそ除去されているが、それ以外の結晶表面に存在する加工変質層を本工程により除去することで、加工変質層の存在しない、高品質な窒化物半導体基板を提供することができる。
第二化学機械研磨工程は、第一化学機械研磨工程と同様に、公知の方法を採用して実施することが可能であり、例えばコロイダルシリカスラリーとスウェードパッドを用いることが例示される。スウェードパッドの材質も公知のものを採用すればよく、ポリウレタン製などが挙げられる。加えて、第一化学機械研磨で用いるパッドよりも硬いパッドを使用すると、結晶の端部からの破片の巻き込みが少ないため好ましい。
コロイダルシリカスラリーに含まれる砥粒(コロイダルシリカ)の粒径は、通常10nm以上であり、30nm以上であることが好ましい。また、上限としては通常100nm以下である。また、コロイダルシリカスラリーのpHは0.8以上、2.5以下であることが好ましい。
また、第二化学機械研磨の研磨速度についても特段限定されず、回転による研磨の場合には、通常回転速度が50rmp以上、200rpm以下である。また、結晶をプレートに対向させて配置する際の圧力についても特段限定されず、通常100g/cm2以上で
あり、1500g/cm2以下である。研磨レートについては、研磨条件に合わせて適宜
調整すればよい。
第一化学機械工程と異なる部分としては、第一化学機械工程は、結晶外周部の加工変質層を取り除く趣旨のものであり、第二化学機械工程は、窒化物半導体結晶表面全体の加工変質層を取り除く趣旨のものである。そのため、第二化学機械研磨の実施時間は第一化学機械研磨の実施時間よりも長く、通常10時間以上、好ましくは15時間以上である。一方上限は特段限定されないが、研磨工程全体に要する時間を考慮し、20時間以下であることが好ましい。
第二化学機械研磨終了後の窒化物半導体基板は、その表面粗さRmsは1nm以下であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られた窒化物半導体基板は、通常研磨後に行われる洗浄工程を経て、製品となる。
本発明の製造方法により製造した窒化物半導体基板は、チッピングによるスクラッチの発生を抑制することが可能であり、加工変質層を有しない、高品質な窒化物半導体基板を提供することが可能となる。
窒化物半導体基板表面の加工変質層は、X線回折法などで基板表面の、表面から浅い範
囲の観察により、格子間隔が広がった表面歪みとして観察することが可能である。本発明の製造方法の特徴である面取り研磨工程を経た場合には、第二機械研磨工程で生じる結晶のチッピングに起因する多数のスクラッチからなる加工変質層が存在しない。そのため、窒化物半導体基板表面を観察し、多数のスクラッチを含む加工変質層が存在しない場合には、本発明の製造方法を実施したと推定できる。具体的には、カソードルミネッセンス(CL)観察で窒化物半導体の外周部に暗点が確認できる結晶、特に、結晶成長に由来する転位が確認でかつ、確認可能な暗線が30本/100μm□以下である結晶は、本製造方法を実施した可能性が高い。
以下、実施例と比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、以下の実施例に示す具体的な形態にのみ限定的に解釈されることはない。
<実施例>
直径が2インチのC面を主面とするアズグロウン窒化ガリウム結晶を研削プレートにワックスで貼付け、裏面(窒素面)が平坦になるまで研削した。研削した結晶を研削プレートから取り外し、結晶に付着したワックスを有機溶剤で除去した。ワックスを除去した結晶は、120℃に加熱された水酸化カリウム水溶液に10分間浸漬することで裏面(窒素面)をエッチングし、研削で生じた結晶の加工歪みを除去した。
次に、基板の表面(Ga面)を研磨するために、裏面(窒素面)を研磨プレートにワックスで貼付け、表面(Ga面)の研磨を行った。
表面の研磨はまず、平均径3μmのダイヤモンド遊離砥粒を用いての第一機械研磨(第1ラッピング)を行い、次に平均径1μmのダイヤモンド遊離砥粒を用いての第1ラッピングを行なった。
1μmのダイヤモンド砥粒を用いた第1ラッピングを行った後、コロイダルシリカとスウェードパッド(ウレタン製)を用いて、第一化学機械研磨(第1ポリシング)を2時間行なった。第1化学機械研磨を2時間行った後の結晶表面をカソードルミネッセンスで観察した任意の4点の結晶表面外周部を図1に示す。図1では転位が観察可能であり、加工変質層は存在しないと考えられる。また、暗線がみられるものの、暗線の数は100μm□の範囲に30本以下であった。
第1ポリシング後の結晶は、平均径0.5μmのダイヤモンド遊離砥粒を用いての第二機械研磨(第2ラッピング)を行い、次に平均径0.25μmのダイヤモンド遊離砥粒を用いての第二機械研磨(第2ラッピング)を行った。
0.25μmのダイヤモンド砥粒を用いた第2ラッピングを行った後、コロイダルシリカとスウェードパッド(ウレタン製)を用いて、第二化学機械研磨(第2ポリシング)を20時間行なった。第二化学機械研磨を20時間行った後の結晶表面を、蛍光顕微鏡/微分干渉顕微鏡を用いて観察倍率200倍で広域のスクラッチ検査を行なったが、スクラッチは観察されなかった。
<比較例>
実施例において、1μmのダイヤモンド砥粒を用いた第1ラッピングを行った後に第一化学機械研磨(第1ポリシング)を実施しない他は、実施例と同様な方法で研磨を行なった。
第二化学機械研磨を20時間行った後の結晶表面を、蛍光顕微鏡/微分干渉顕微鏡を用いて観察倍率200倍で広域のスクラッチ検査を行なったところ、多数のスクラッチが観察された。

Claims (8)

  1. 窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第一機械研磨工程、
    前記第一機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶表面の外周部にカソードルミネッセンス観察で暗点が確認できるまで研磨を施す面取り研磨工程、および
    前記面取り研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に機械研磨を施す第二機械研磨工程、
    を含むことを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  2. 前記面取り研磨工程は、カソードルミネッセンス観察で確認可能な暗線を30本/100μm□以下とする請求項1に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  3. 前記面取り研磨工程は、第一化学機械研磨工程である請求項1または2に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  4. 前記第二機械研磨工程で得られた窒化物半導体結晶の表面に、さらに化学機械研磨を施す第二化学機械工程、を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  5. 前記第二機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R2が、第一機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R1よりも小さいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  6. 前記第一機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R1は、R1≧1μmを満たすことを特徴とする、請求項5で記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  7. 前記第二機械研磨工程で用いる砥粒の粒径R2は、R2≦0.5μmを満たすことを特徴とする、請求項5または6に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  8. 前記第一化学機械研磨工程は、2時間以上実施することを特徴とする、請求項3に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
JP2011267080A 2011-12-06 2011-12-06 窒化物半導体基板の製造方法 Pending JP2013120795A (ja)

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