JP2021020844A - リン化インジウム基板 - Google Patents
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Abstract
Description
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
を含むリン化インジウム基板の製造方法である。
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
を含むリン化インジウム基板の製造方法である。
まず、本実施形態のリン化インジウム基板の構成について説明する。
本実施形態のリン化インジウム基板10は、図1に示すように、主面11と、オリエンテーションフラット12とを有している。また、主面11とオリエンテーションフラット12とが接してなる線を稜線13とする。
次に、本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の製造方法について説明する。本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の製造方法には、第1の製造方法及び第2の製造方法がある。図2に、第1の製造方法及び第2の製造方法の各工程及び当該各工程で作製されたインゴットまたはウエハの模式図を示す。
リン化インジウム基板の第1の製造方法としては、まず、公知の方法にてリン化インジウムのインゴットを作製する。
次に、リン化インジウムのインゴットを、番手#270〜#400の砥石を用いて、砥石送り速度20〜35mm/分で研削して円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成する。
本発明の属する技術分野において、前述の「番手#」として使用される数字が砥石の粒度に対応し、番手#の数字が大きい程砥石の粒度が小さく、番手の数字が小さい程砥石の粒度が大きい。
また、「砥石送り速度」は、研削のために、回転する砥石をリン化インジウムのインゴットに押し当てた状態で、インゴットに対して砥石回転軸が相対的に移動する速度を示す。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソー等を用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出す。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分の面取りを行う。ここで、当該オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分は、図2の第1の製造方法の面取り(ウエハ研削)工程において、「研削代」として示されている。
次に、面取り後のウエハの少なくとも一方の表面、好ましくは両面を研磨する。当該研磨工程はラッピング工程とも言われ、所定の研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除く。
次に、研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする。
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
ウエハは、前記エッチング液中にウエハ全体を浸漬することで、エッチングする。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げる。
次に、洗浄を行うことで、本発明の実施形態に係るリン化インジウムウエハが製造される。
リン化インジウム基板の第2の製造方法としては、まず、公知の方法にてリン化インジウムのインゴットを作製する。
次に、リン化インジウムのインゴットを研削して円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成する。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソー等を用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出す。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットの端面部を番手#800〜#1200の砥石を用いて、砥石送り速度60〜180mm/分で研削する。「砥石送り速度」は、研削のために、回転する砥石をウエハの外周部分に押し当てた状態で、ウエハ外周部と砥石との接触部がウエハ外周部に対して相対的に移動する速度を示す。この工程における外周研削部分は図2の第2の製造方法の面取り(ウエハ研削)工程において、「研削代」として示されている部分であるが、オリエンテーションフラット部には面取りは施さず、端面のみを研削する。オリエンテーションフラット部以外の外周部分には、面取り加工を施す。
次に、面取り後のウエハの少なくとも一方の表面、好ましくは両面を研磨する。当該研磨工程はラッピング工程とも言われ、所定の研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除く。
次に、研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする。
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
ウエハは、前記エッチング液中にウエハ全体を浸漬することで、エッチングする。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げる。
次に、洗浄を行うことで、本発明の実施形態に係るリン化インジウムウエハが製造される。
前述の第1の製造方法の製造フローに基づき、実施例1〜4及び比較例1〜4を以下のように作製した。
まず、φ80mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
次に、リン化インジウムの単結晶のインゴットの外周を研削し、円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成した。インゴットの外周研削について、砥石には、表1に示す番手、メタルボンドを採用し、表1に示す砥石送り速度とした。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出した。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソーを用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出した。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分の面取りを行った。
次に、面取り後のウエハの両面を研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除いた。
次に、ウエハをエッチング液中に浸漬して所定温度で所定時間エッチングした。表1に当該エッチング条件を示す。なお、表1に示す「リン酸水溶液」は85質量%のリン酸水溶液を用い、「過酸化水素水」は30質量%の過酸化水素水を用い、「硫酸」は96質量%の硫酸を用いた。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表1に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
実施例5として、前述の実施例1〜4と以下の点(1)及び(2)以外は同様にして、リン化インジウム基板を作製した。
(1)φ104mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
(2)ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表1に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
前述の第2の製造方法の製造フローに基づき、実施例6〜9及び比較例5〜8を以下のように作製した。
まず、φ80mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
次に、リン化インジウムの単結晶のインゴットの外周を研削し、円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成した。インゴットの外周研削について、砥石には、表2に示す番手、メタルボンドを採用し、表2に示す砥石送り速度とした。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出した。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソーを用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出した。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットの端面部の研削を行った。当該研削に用いた砥石には、表2に示す番手を採用し、表2に示す砥石送り速度とした。オリエンテーションフラット部以外の外周部には面取り加工を施した。
次に、面取り後のウエハの両面を研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除いた。
次に、ウエハをエッチング液中に浸漬して所定温度で所定時間エッチングした。表2に当該エッチング条件を示す。なお、表2に示す「リン酸水溶液」は85質量%のリン酸水溶液を用い、「過酸化水素水」は30質量%の過酸化水素水を用い、「硫酸」は96質量%の硫酸を用いた。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表2に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
実施例10として、前述の実施例6〜9と以下の点(1)及び(2)以外は同様にして、リン化インジウム基板を作製した。
(1)φ104mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
(2)ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表2に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
実施例1〜10及び比較例1〜8のサンプルについて、それぞれオリエンテーションフラット端面の長手方向において、オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面を設定した。次に、図1のように、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定した(a方向、b方向、c方向及びd方向の合計4本の断面曲線)。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定した。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差を求めた。
前述の製造条件、評価1及び評価2の結果を表1及び表2に示す。
実施例1〜10は、いずれも4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1以下であり、オリエンテーションフラットの平坦度の精度が良好なリン化インジウム基板が得られた。
比較例1、4、5及び8は、稜線形成条件において、エッチングで使用した液組成が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例2は、稜線形成条件において、インゴット外周研削で使用した砥石の粒度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例3は、稜線形成条件において、インゴット外周研削で設定した砥石送り速度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例6は、稜線形成条件において、ウエハ外周研削で使用した砥石の粒度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例7は、稜線形成条件において、ウエハ外周研削で設定した砥石送り速度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
11 主面
12 オリエンテーションフラット
13 稜線
14 オリエンテーションフラット端面
Claims (7)
- 主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、
オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1以下であることを特徴とするリン化インジウム基板。 - 前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの15000分の1以下である請求項1に記載のリン化インジウム基板。
- 主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、
オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが1.0μm以下であることを特徴とするリン化インジウム基板。 - 前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが0.8μm以下である請求項3に記載のリン化インジウム基板。
- 基板厚みが300〜900μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のリン化インジウム基板。
- 前記主面と前記オリエンテーションフラットとが接してなる線である稜線の長さが、前記主面の直径の8〜50%である請求項1〜5のいずれか一項に記載のリン化インジウム基板。
- 前記主面の外縁は、前記オリエンテーションフラットと、前記オリエンテーションフラットに連なる円弧部とからなり、前記主面の最大径が前記稜線の長さ以上であり、且つ、49〜151mmである請求項6に記載のリン化インジウム基板。
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