JP6906080B2 - リン化インジウム基板 - Google Patents

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Description

本発明は、リン化インジウム基板に関する。
インジウムリン(InP)は、III族のインジウム(In)とV族のリン(P)とからなるIII−V族化合物半導体材料である。半導体材料としての特性は、バンドギャップ1.35eV、電子移動度〜5400cm2/V・sであり、高電界下での電子移動度はシリコンやガリウム砒素といった他の一般的な半導体材料より高い値になるという特性を有している。また、常温常圧下での安定な結晶構造は立方晶の閃亜鉛鉱型構造であり、その格子定数は、ヒ化ガリウム(GaAs)やリン化ガリウム(GaP)等の化合物半導体と比較して大きな格子定数を有するという特徴を有している。
リン化インジウム基板の原料となるリン化インジウムのインゴットは、通常、所定の厚さにスライシングされ、所望の形状に研削され、適宜機械研磨された後、研磨屑や研磨により生じたダメージを除去するために、エッチングや精密研磨(ポリシング)等に供される。
リン化インジウム基板の結晶方位を示すために一般に行われるのは、例えば、特許文献1に開示されているような、円形基板(ウエハ)の所定領域の弓形部分を切り取り、特定の面方位を有する面を露出させるオリエンテーションフラット法である。方位を示す短い線分をオリエンテーションフラットと呼ぶ。ウエハプロセスにおいてオリエンテーションフラットを基準にウエハの向きを定めて様々な工程を行うようになっている。
特開2014−028723号公報
ウエハプロセスにおいて、上記オリエンテーションフラットはウエハの向きを定めるための基準となるものであり、その精度が重要となる。特に、オリエンテーションフラットに二本の並列した柱状冶具を押し当てて、オリエンテーションフラットをウエハの向きを定めるための基準とする場合、オリエンテーションフラットの平坦度が非常に重要となる。
しかしながら、リン化インジウムの円形基板(ウエハ)の所定領域の弓形部分を切り取り、特定の面方位を有する面を露出させるオリエンテーションフラット法において、オリエンテーションフラットの平坦度の精度を向上させることは一般に困難なものであり、当該オリエンテーションフラットの平坦度の精度の向上に関する技術の改善が望まれている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、オリエンテーションフラットの平坦度の精度が良好なリン化インジウム基板を提供することを目的とする。
本発明は一実施形態において、主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1以下であり、前記主面の最大径が49〜151mmであり、前記主面と前記オリエンテーションフラットとが接してなる線である稜線の長さが、前記主面の直径の8〜50%であることを特徴とするリン化インジウム基板である。
本発明のリン化インジウム基板は一実施形態において、前記4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの15000分の1以下である。
本発明は別の一実施形態において、主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが1.0μm以下であり、前記主面の最大径が49〜151mmであり、前記主面と前記オリエンテーションフラットとが接してなる線である稜線の長さが、前記主面の直径の8〜50%であることを特徴とするリン化インジウム基板である。
本発明のリン化インジウム基板は更に別の一実施形態において、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが0.8μm以下である。
本発明のリン化インジウム基板は更に別の一実施形態において、基板厚みが300〜900μmである。
本発明のリン化インジウム基板は更に別の一実施形態において、前記主面の外縁は、前記オリエンテーションフラットと、前記オリエンテーションフラットに連なる円弧部とからなり、前記主面の最大径が前記稜線の長さ以上である
本発明は別の一実施形態において、リン化インジウムのインゴットを、番手#270〜#400の砥石を用いて、砥石送り速度20〜35mm/分で研削してオリエンテーションフラットを形成する工程と、前記研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す工程と、前記ウエハにおいて、オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分の面取りを行う工程と、前記面取り後のウエハの少なくとも一方の表面を研磨する工程と、前記研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする工程と、
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
を含むリン化インジウム基板の製造方法である。
本発明は更に別の一実施形態において、リン化インジウムのインゴットを研削してオリエンテーションフラットを形成する工程と、前記研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す工程と、前記ウエハにおいて、オリエンテーションフラットの端面部を番手#800〜#1200の砥石を用いて、砥石送り速度60〜180mm/分で研削するとともに、オリエンテーションフラット部以外の外周部分の面取りを行う工程と、前記面取り後のウエハの少なくとも一方の表面を研磨する工程と、前記研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする工程と、
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
を含むリン化インジウム基板の製造方法である。
本発明の実施形態によれば、オリエンテーションフラットの平坦度の精度が良好なリン化インジウム基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の外観模式図及びオリエンテーションフラットの拡大模式図である。 本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の第1の製造方法及び第2の製造方法の各工程及び当該各工程で作製されたインゴットまたはウエハの模式図である。
〔リン化インジウム基板〕
まず、本実施形態のリン化インジウム基板の構成について説明する。
本実施形態のリン化インジウム基板10は、図1に示すように、主面11と、オリエンテーションフラット12とを有している。また、主面11とオリエンテーションフラット12とが接してなる線を稜線13とする。
ここで、「主面」とは、半導体素子構造の形成のためにエピタキシャル成長用の基板として使用する際に、実際にエピタキシャル成長を実施する面を示す。また、「オリエンテーションフラット」とは、結晶の外周の一部を例えば弓形に切り取った後に現れる部分であり、基板の主面を上から見たときに外周の一部に形成された直線部分に相当する。オリエンテーションフラットは、主に基板の結晶方位を示す役割を果たす。オリエンテーションフラットは、目視で観察した場合基板の主面に略垂直な方向に形成される。また、本発明において、「オリエンテーションフラット端面」は、オリエンテーションフラットを構成している面(図1のリン化インジウム基板の端面14)を示す。
本発明の実施形態におけるリン化インジウム基板10の主面11の面方位及びオリエンテーションフラット12の面方位は、例えば、主面11は(100)面から近接する<110>方向、あるいは〈111〉方向に0°以上5°以下の範囲で傾斜した面であり、オリエンテーションフラット12の面方位は(0−1−1)面、(0−11)面、(011)面及び(01−1)面からなる等価な面であってもよい。厳密には、例えば(100)面から〔111〕方向に5°傾斜した主面を持つウエハのオリエンテーションフラットは(0−1−1)から5°傾いた面となり、また、(011)面以外に例えば45°回転した方向にオリエンテーションフラットを付する場合などにも本発明の実施形態は適用でき、上記のように、リン化インジウム基板10の主面11に略垂直な特定な面であれば、特に限定することはない。また、本発明の実施形態は、リン化インジウム基板のオリエンテーションフラットの製造技術に関する発明に係るが、円形のリン化インジウム基板のオリエンテーションフラットの製造技術に限定されることなく、矩形の基板に付されるオリエンテーションフラットの端面の平坦度の改善にも効果があり、矩形基板にも適用可能である。
リン化インジウム基板10のオリエンテーションフラット12は、リン化インジウムの円形基板の外周の一部を弓形に切り取った後に現れる部分で形成されていてもよい。その場合、主面11の外縁は、オリエンテーションフラット12と、オリエンテーションフラット12に連なる円弧部とからなる。また、このとき、主面11の最大径は、49〜151mmであってもよく、49〜101mmであってもよい。主面11の最大径は、稜線の長さ以上である。なお、リン化インジウム基板10は、四角形等の矩形であってもよい。
主面11とオリエンテーションフラット12とが接する稜線13の長さは、主面11の面積が十分に確保できる程度の長さであれば特に限定されないが、ウエハの直径(主面11の直径)の8〜50%であるのが好ましい。主面11とオリエンテーションフラット12とが接する稜線13の長さがウエハ直径(主面11の直径)の8%未満であると、オリエンテーションフラット(OF)の存在の確認が困難になる恐れがある。主面11とオリエンテーションフラット12とが接する稜線13の長さがウエハ直径(主面11の直径)の50%を超えると、ウエハの有効面積が減るという問題が生じる恐れがある。主面11とオリエンテーションフラット12とが接する稜線13の長さは、ウエハの直径(主面11の直径)の10〜40%であるのがより好ましく、20〜40%であるのが更により好ましい。
リン化インジウム基板10の厚みは特に限定されないが、例えば、300〜900μmであるのが好ましく、300〜700μmであるのがより好ましい。特に口径が大きい場合、リン化インジウム基板10が300μm未満であると割れる恐れがあり、900μmを超えると母材結晶が無駄になるという問題が生じることがある。
リン化インジウム基板10は、一側面において、オリエンテーションフラット端面14の長手方向において、オリエンテーションフラット端面14の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面14の長手方向の長さの10000分の1以下となるように制御されている。
当該4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差について、図面を用いてより具体的に説明する。図1に、オリエンテーションフラットの拡大模式図を示している。まず、オリエンテーションフラット端面14の長手方向において、オリエンテーションフラット端面14の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面を設定する。次に、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定する。図1では、a方向の断面曲線、b方向の断面曲線、c方向の断面曲線及びd方向の断面曲線が当該4本の断面曲線として設定されている。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定する。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差を求める。
ここで、 断面曲線におけるJIS B 0601で規定される最大高さPzは、山高さと谷深さの最大値の和で表される。
リン化インジウム基板10は、当該4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面14の長手方向の長さの10000分の1以下となるように制御されている。このような構成によれば、オリエンテーションフラット12に二本の並列した柱状冶具を押し当てることで、オリエンテーションフラット12をウエハの向きを定めるための基準とする場合、オリエンテーションフラット12の平坦度の精度が良好となり、ウエハを所望の向きに正確に定めることが可能となる。なお、図1は説明のために作成したものであり、実際のオリエンテーションフラット端面と断面曲線との位置関係、断面曲線同士の間隔等を正確に示すものではない。
前述の4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差は、オリエンテーションフラット端面14の長手方向の長さの15000分の1以下であるのが好ましく、20000分の1以下であるのがより好ましい。
リン化インジウム基板10は、別の一側面において、オリエンテーションフラット端面14の長手方向において、オリエンテーションフラット端面14の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、4本の断面曲線における最大高さPzの標準偏差σが1.0μm以下となるように制御されている。このような構成によれば、オリエンテーションフラット12に二本の並列した柱状冶具を押し当てることで、オリエンテーションフラット12をウエハの向きを定めるための基準とする場合、オリエンテーションフラット12の平坦度の精度が良好となり、ウエハを所望の向きに正確に定めることが可能となる。
前述の4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σは、0.8μm以下であるのが好ましく、0.6μm以下であるのがより好ましい。
〔リン化インジウム基板の製造方法〕
次に、本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の製造方法について説明する。本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板の製造方法には、第1の製造方法及び第2の製造方法がある。図2に、第1の製造方法及び第2の製造方法の各工程及び当該各工程で作製されたインゴットまたはウエハの模式図を示す。
(第1の製造方法)
リン化インジウム基板の第1の製造方法としては、まず、公知の方法にてリン化インジウムのインゴットを作製する。
次に、リン化インジウムのインゴットを、番手#270〜#400の砥石を用いて、砥石送り速度20〜35mm/分で研削して円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成する。
本発明の属する技術分野において、前述の「番手#」として使用される数字が砥石の粒度に対応し、番手#の数字が大きい程砥石の粒度が小さく、番手の数字が小さい程砥石の粒度が大きい。
また、「砥石送り速度」は、研削のために、回転する砥石をリン化インジウムのインゴットに押し当てた状態で、インゴットに対して砥石回転軸が相対的に移動する速度を示す。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソー等を用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出す。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分の面取りを行う。ここで、当該オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分は、図2の第1の製造方法の面取り(ウエハ研削)工程において、「研削代」として示されている。
次に、面取り後のウエハの少なくとも一方の表面、好ましくは両面を研磨する。当該研磨工程はラッピング工程とも言われ、所定の研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除く。
次に、研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする。
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
ウエハは、前記エッチング液中にウエハ全体を浸漬することで、エッチングする。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げる。
次に、洗浄を行うことで、本発明の実施形態に係るリン化インジウムウエハが製造される。
リン化インジウム基板の第1の製造方法では、リン化インジウムのインゴットにオリエンテーションフラットを形成する条件、及び、研磨後のウエハのエッチング条件を最適化することで、オリエンテーションフラット端面の平坦性を制御している。
(第2の製造方法)
リン化インジウム基板の第2の製造方法としては、まず、公知の方法にてリン化インジウムのインゴットを作製する。
次に、リン化インジウムのインゴットを研削して円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成する。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出す。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソー等を用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出す。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットの端面部を番手#800〜#1200の砥石を用いて、砥石送り速度60〜180mm/分で研削する。「砥石送り速度」は、研削のために、回転する砥石をウエハの外周部分に押し当てた状態で、ウエハ外周部と砥石との接触部がウエハ外周部に対して相対的に移動する速度を示す。この工程における外周研削部分は図2の第2の製造方法の面取り(ウエハ研削)工程において、「研削代」として示されている部分であるが、オリエンテーションフラット部には面取りは施さず、端面のみを研削する。オリエンテーションフラット部以外の外周部分には、面取り加工を施す。
次に、面取り後のウエハの少なくとも一方の表面、好ましくは両面を研磨する。当該研磨工程はラッピング工程とも言われ、所定の研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除く。
次に、研磨後のウエハを下記エッチング条件でエッチングする。
・エッチング条件
〔エッチング液組成〕85質量%のリン酸水溶液及び30質量%の過酸化水素水としたとき、当該リン酸水溶液:0.2〜0.4、当該過酸化水素水:0.1、残部:水として、エッチング液全体が1となるような容積比とする
〔エッチング液温度〕60〜100℃
〔エッチング時間〕8〜15分
ウエハは、前記エッチング液中にウエハ全体を浸漬することで、エッチングする。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げる。
次に、洗浄を行うことで、本発明の実施形態に係るリン化インジウムウエハが製造される。
リン化インジウム基板の第2の製造方法では、ウエハのオリエンテーションフラットの端面部の研削条件、及び、研磨後のウエハのエッチング条件を最適化することで、オリエンテーションフラットの端面部分の平坦度を制御している。
なお、リン化インジウム基板の第2の製造方法におけるウエハのオリエンテーションフラットの端面部の研削条件を、例えば前述のリン化インジウム基板の第1の製造方法におけるインゴット研削条件と同様とする、または、より細かく研削するだけでは、本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板のようにオリエンテーションフラット端面の平坦度を良好に制御することは困難である。インゴット研削とウエハ研削とでは、研削方法が異なるし、ウエハ研削では特に研削の際にウエハが振動する可能性があるためである。
本発明の実施形態に係るリン化インジウム基板に対し、公知の方法で半導体薄膜をエピタキシャル成長させることで、半導体エピタキシャルウエハを作製することができる。当該エピタキシャル成長の例としては、リン化インジウム基板上に、InAlAsバッファ層、InGaAsチャネル層、InAlAsスペーサ層、InP電子供給層をエピタキシャル成長させたHEMT構造を形成してもよい。このようなHEMT構造を有する半導体エピタキシャルウエハを作製する場合、一般には、鏡面仕上げしたリン化インジウム基板に、硫酸/過酸化水素水などのエッチング溶液によるエッチング処理を施して、基板表面に付着したケイ素(Si)等の不純物を除去する。一般に、ここでのエッチング除去量は微々たるものであり、オリエンテーションフラット部の端面の平坦度を変化させるものではない。そして、このエッチング処理後のリン化インジウム基板に、分子線エピタキシャル成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)又は有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によりエピタキシャル膜を形成する。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を提供するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
・試験例1
前述の第1の製造方法の製造フローに基づき、実施例1〜4及び比較例1〜4を以下のように作製した。
まず、φ80mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
次に、リン化インジウムの単結晶のインゴットの外周を研削し、円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成した。インゴットの外周研削について、砥石には、表1に示す番手、メタルボンドを採用し、表1に示す砥石送り速度とした。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出した。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソーを用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出した。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットを構成する端面以外の外周部分の面取りを行った。
次に、面取り後のウエハの両面を研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除いた。
次に、ウエハをエッチング液中に浸漬して所定温度で所定時間エッチングした。表1に当該エッチング条件を示す。なお、表1に示す「リン酸水溶液」は85質量%のリン酸水溶液を用い、「過酸化水素水」は30質量%の過酸化水素水を用い、「硫酸」は96質量%の硫酸を用いた。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表1に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
・試験例2
実施例5として、前述の実施例1〜4と以下の点(1)及び(2)以外は同様にして、リン化インジウム基板を作製した。
(1)φ104mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
(2)ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表1に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
・試験例3
前述の第2の製造方法の製造フローに基づき、実施例6〜9及び比較例5〜8を以下のように作製した。
まず、φ80mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
次に、リン化インジウムの単結晶のインゴットの外周を研削し、円筒にするとともに、オリエンテーションフラット(OF)を形成した。インゴットの外周研削について、砥石には、表2に示す番手、メタルボンドを採用し、表2に示す砥石送り速度とした。
次に、研削したリン化インジウムのインゴットから主面及びオリエンテーションフラットを有するウエハを切り出した。このとき、リン化インジウムのインゴットの結晶両端を所定の結晶面に沿って、ワイヤーソーを用いて切断し、複数のウエハを所定の厚みに切り出した。
次に、ウエハにおいて、オリエンテーションフラットの端面部の研削を行った。当該研削に用いた砥石には、表2に示す番手を採用し、表2に示す砥石送り速度とした。オリエンテーションフラット部以外の外周部には面取り加工を施した。
次に、面取り後のウエハの両面を研磨剤で研磨することで、ウエハ表面の凹凸を取り除いた。
次に、ウエハをエッチング液中に浸漬して所定温度で所定時間エッチングした。表2に当該エッチング条件を示す。なお、表2に示す「リン酸水溶液」は85質量%のリン酸水溶液を用い、「過酸化水素水」は30質量%の過酸化水素水を用い、「硫酸」は96質量%の硫酸を用いた。
次に、ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表2に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
・試験例4
実施例10として、前述の実施例6〜9と以下の点(1)及び(2)以外は同様にして、リン化インジウム基板を作製した。
(1)φ104mm以上の直径で育成したリン化インジウムの単結晶のインゴットを準備した。
(2)ウエハの主面を鏡面研磨用の研磨材で研磨して鏡面に仕上げた後、洗浄することで、表2に示すウエハ径、ウエハ厚み及びオリエンテーションフラットの稜線長さを有するリン化インジウム基板を作製した。
(評価)
実施例1〜10及び比較例1〜8のサンプルについて、それぞれオリエンテーションフラット端面の長手方向において、オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面を設定した。次に、図1のように、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定した(a方向、b方向、c方向及びd方向の合計4本の断面曲線)。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定した。次に、a方向、b方向、c方向及びd方向の4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差を求めた。
前述の製造条件、評価1及び評価2の結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006906080
Figure 0006906080
(評価結果)
実施例1〜10は、いずれも4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1以下であり、オリエンテーションフラットの平坦度の精度が良好なリン化インジウム基板が得られた。
比較例1、4、5及び8は、稜線形成条件において、エッチングで使用した液組成が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例2は、稜線形成条件において、インゴット外周研削で使用した砥石の粒度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例3は、稜線形成条件において、インゴット外周研削で設定した砥石送り速度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例6は、稜線形成条件において、ウエハ外周研削で使用した砥石の粒度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
比較例7は、稜線形成条件において、ウエハ外周研削で設定した砥石送り速度が適切なものではなく、4本の断面曲線における最大高さPzの最大値と最小値との差が、オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1を超えた。
10 リン化インジウム基板
11 主面
12 オリエンテーションフラット
13 稜線
14 オリエンテーションフラット端面

Claims (6)

  1. 主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、
    オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの10000分の1以下であり、
    前記主面の最大径が49〜151mmであり、前記主面と前記オリエンテーションフラットとが接してなる線である稜線の長さが、前記主面の直径の8〜50%であることを特徴とするリン化インジウム基板。
  2. 前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの最大値と最小値との差が、前記オリエンテーションフラット端面の長手方向の長さの15000分の1以下である請求項1に記載のリン化インジウム基板。
  3. 主面及びオリエンテーションフラットを有するリン化インジウム基板であって、
    オリエンテーションフラット端面の長手方向において、前記オリエンテーションフラット端面の両端から内側に3mmの幅部分を除外した面において、断面曲線を基板厚みの5分の1の間隔で4本設定し、前記4本の断面曲線におけるJIS B 0601:2013で規定される最大高さPzをそれぞれ測定したとき、前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが1.0μm以下であり、
    前記主面の最大径が49〜151mmであり、前記主面と前記オリエンテーションフラットとが接してなる線である稜線の長さが、前記主面の直径の8〜50%であることを特徴とするリン化インジウム基板。
  4. 前記4本の断面曲線における前記最大高さPzの標準偏差σが0.8μm以下である請求項3に記載のリン化インジウム基板。
  5. 基板厚みが300〜900μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のリン化インジウム基板。
  6. 前記主面の外縁は、前記オリエンテーションフラットと、前記オリエンテーションフラットに連なる円弧部とからなり、前記主面の最大径が前記稜線の長さ以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載のリン化インジウム基板。
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