JP4921761B2 - 酸化亜鉛単結晶基板の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛単結晶基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化亜鉛半導体材料に関し、さらに詳しくは、電子素子形成のための酸化亜鉛単結晶基板(ウエファー)の製造法に関する。
近年、半導体素子を含む電子素子形成のため基板(ウエファー)として酸化亜鉛(ZnO)単結晶ウエファーが注目を浴びている。特に注目される分野としては、例えば、青色発光ダイオード(LED)、青色レーザダイオードの基板がある。すなわち、この基板上に形成される窒化ガリウム(GaN)とは同じ結晶構造で格子定数が近く(格子ミスマッチは約2%である)、品質の良いエピタキシャル層を形成できるとともに、従来用いられているサファイヤ基板とは異なり、酸化亜鉛単結晶基板から直接に電極が引き出せるので、電子素子の構造が簡単にできるものとして非常に大きな注目を集めている。さらに、容易に酸化亜鉛を溶解できることから成膜基板としての特性に優れている。このため、現在使用されているサファイヤや炭化珪素(SiC)に代わる、窒化ガリウム等の成膜基板としての期待が高まっている(非特許文献1を参照)。
このような酸化亜鉛単結晶基板に対する注目の中で、基板(ウエファー)としての特性を向上させるために、種々の研究開発がなされ、例えば、電気伝導性と基板の平坦性の両方を改善するために、二段階に熱処理をする技術(特許文献1を参照)、酸化亜鉛単結晶のC面を研磨した後に熱処理を行い、表面原子配列を整然とする技術(特許文献2を参照)が公開されている。
特開2005−39131号公報 特開2005−67988号公報 前田、佐藤、新倉、「水熱合成法によるZnO単結晶育成」 応用物理学会結晶工学分科会第120回研究会テキスト 2004年4月23日
上述したような、種々の技術によって、酸化亜鉛単結晶基板の電子素子形成面の平坦化が試みられて来たが、この基板上に良質なエピタキシー層を形成する場合において、電子素子の性能向上、性能安定化、製造歩留まり向上等のためには、酸化亜鉛単結晶基板の単原子層の厚みレベルでの表面平坦性が要求される。すなわち、いわゆるステップ・テラス構造を有するものとし、広いテラスを有し、ステップは、原子層の厚みレベルで管理されていなければならない。しかるに、上述の引用文献等に開示された従来の酸化亜鉛単結晶基板の製造技術によっては、なお、十分な平坦度が得られなかった。
本発明は、上述の課題に鑑み、その電子素子形成面について、ステップ・テラス構造を有する、より平坦化を図った酸化亜鉛単結晶基板およびそのような酸化亜鉛単結晶基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の酸化亜鉛単結晶基板の製造方法は、酸化亜鉛単結晶を用いた、電子素子形成のための酸化亜鉛単結晶基板の製造方法であって、C軸に垂直な面を素子形成面とするように酸化亜鉛単結晶を所定の厚みで切断する切断工程と、素子形成面が所定形状となるように整形する整形工程と、素子形成面を研磨する粗研磨工程と、粗研磨工程の後に、素子形成面に熱を加える熱処理工程と、熱処理工程の後に、素子形成面をケミカル・メカニカル・ポリッシング法によって研磨する細研磨工程と、を有する。
すなわち、この酸化亜鉛単結晶基板の製造方法は、切断工程と、整形工程と、粗研磨工程を経て、熱処理工程を有する。熱処理工程では、素子形成面に熱を加える。これにより、素子形成面は、ステップ・テラス構造となる。そして、その後に、細研磨工程を有する。細研磨工程では、素子形成面をケミカル・メカニカル・ポリッシング法によって研磨する。これにより、ステップ段差が小さくなる。
本発明によれば、ステップ・テラス構造を有する、平坦化を図った酸化亜鉛単結晶基板およびそのような酸化亜鉛単結晶基板の製造方法を提供できる。
本発明の実施形態の説明を行う。
酸化亜鉛単結晶基板に用いる酸化亜鉛(ZnO)単結晶は、水熱合成法、化学気相輸送法、フラックス法などの複数の方法によって製作することができるが、本実施形態に用いた酸化亜鉛単結晶は、単結晶育成装置を用い水熱合成法により育成した。もちろん、本実施形態において用いる酸化亜鉛単結晶は、水熱合成法によって製造されたものに限定されるものではない。
本実施形態の水熱合成法においては、原料を溶解する溶解液は、濃度が水酸化リチューム(LiOH)mol/lおよび水酸化カリウム(KOH)3mol/lの混合液を用い、育成は、高温高圧(300℃〜400℃、800〜1000atm)の超臨界状態で行われた。
単結晶育成装置内は、バッフル板により上部の種結晶を配置した育成域と下部の原料を配置した溶解域に仕切られ、溶解域で溶けた原料が育成域に上昇して種結晶に析出し結晶が育成されるようになした。このようにして略2インチの大きさの酸化亜鉛単結晶を得た。
このようにして得られた、酸化亜鉛単結晶を薄くスライスして、酸化亜鉛単結晶基板を形成するが、半導体を成長させる素子形成面は、酸化亜鉛単結晶のC軸に垂直な面である、いわゆる、亜鉛終端面(+C面)または、いわゆる、酸素終端面(−C面)が適当であることが知られている。そのために、酸化亜鉛単結晶をC軸に垂直な面で切断した後、研磨する。ここにおいて、酸素終端面が、亜鉛終端面よりも平坦性において勝るという知見が一般的であるが、敢えて、より平坦性が劣るといわれている亜鉛終端面の平坦化を試みた。従って、本実施形態の製造方法を採用すれば、酸素終端面においては亜鉛終端面におけると同等もしくはより良好なる表面特性が得られると考えられる。
付言すれば、酸化亜鉛単結晶基板の特性が、この基板の上に形成される電子素子、例えば、化合物半導体材料または真性半導体材料をエピタキシー層として形成した半導体素子の性能および製造歩留まりに大きく関係する。
例えば、基板を形成する材料物質の格子定数とエピタキシー層の格子定数に違いが大きいほど、すなわち、格子不整合が大きい程、転位欠陥が多くなり、半導体素子としての性能が劣化する。レーザダイオードの場合であれば、転位欠陥が多くなるほど発光の光強度が低くなる。従って、格子定数は基板の性能を評価する重要項目のひとつである。この点、酸化亜鉛単結晶基板と窒化ガリウムの格子定数との格子ミスマッチは約2%であり、酸化亜鉛単結晶基板は、青色レーザダイオード、青色LED、さらには、白色LEDの基板として用いるのに非常に適している。
また、エピタキシー層を形成するに当たり、酸化亜鉛単結晶基板の素子形成面の表面の状態が問題となる。良好なるエピタキシー層を形成するためには、素子形成面は、いわゆる、ステップ部とテラス部(平坦部)とを有する、ステップ・テラス構造となっていることが望ましい。すなわち、このステップ・テラス構造の上に半導体素子が形成されるので、良質なエピタキシー層を形成するには、平坦でありながら、原子層が表面に整列したテラス部を有するテラス部とステップが必要となる。従って、ステップ・テラス構造の内容が基板の性能を評価する他の重要項目のひとつとなる。なお、全くステップ段差が零の場合には、エピタキシー層を形成するには適さない。
ステップ部の段差は、5原子層以下であり、テラス部の表面粗さは、2原子層以下であることが素子形成面の表面の状態として望ましく、この範囲であれば、良好なるエピタキシー層を形成できることが他の基板における過去の経験より明らかである。さらに、理論的な側面からは、ステップ部の段差は、2原子層以下であり、テラス部の表面粗さは、1原子層以下であることが最も望ましいとされている。ここで、酸化亜鉛の場合には、1原子層の厚みは略0.5nm(ナノ・メータ)であるので、望ましいステップ部の段差は、2.5nm以下であり、テラス部の表面粗さは、1nm以下である。さらに、最も望ましいステップ部の段差は、1nm以下であり、テラス部の表面粗さは、0.5nm以下である。
本実施形態の説明においては、従来は、困難であるとされていた、亜鉛終端面における1nm以下のステップ部の段差と0.5nm以下のテラス部の表面粗さを実現する製造方法を明らかにするものである。
すなわち、従来は最終工程として熱処理工程を有することが、平坦なる酸化亜鉛単結晶基板を得る必須条件と考えられていた。しかしながら、本出願の発明者は、種々の実験を積みかさね、熱処理工程に次いで、ケミカル・メカニカル・ポリッシング(CMP)による研磨工程を導入することによって、良好なる表面特性を得られるとの結論を得るに至った。
従来は、基板表面の平坦化のために最終工程において熱処理を行うべきとされていたところ、本出願の発明者の行った実験結果によれば、熱処理を行った後の亜鉛終端面(+C面)を観察したところ、10原子層程度に相当する数nmのステップ段差が生じていた。
本出願の発明者は、この現象を注意深く解析した。そして、数nmのステップ段差が生じる原因についての以下の知見を得た。すなわち、発明者は、熱処理を行うことによって、酸化亜鉛単結晶基板の表面拡散を誘起し、結晶本来が有する熱力学的性質である表面エネルギーを低減させるための表面原子配列の再配列を誘起して、テラス構造が形成されるものの、ステップ上部(表面空間側)における移動速度がより速いためにステップ上部ほどフロント面が前進してしまい、ステップ・バンチング(束化)が生じて却って段差を生じるものであると推測している。
そこで、本出願の発明者は、熱処理工程において、テラス部を形成した後に、さらに、その後の工程として、ステップ・バンチングが生じた部分の原子層をはく離して、ステップの段差を低くすることを考え付いた。そして、原子層をはく離する方法の一つとして、細研磨工程を導入することを考え付いた。この考えを実証するために、熱処理工程の後に行う細研磨を、ケミカル・メカニカル・ポリッシングによって行い、研磨の条件を種々に変化させた実験を繰り返し、適切なる研磨条件を見出すに至り、極めて良好な結果を得ることができた。
酸化亜鉛単結晶からステップ・テラス構造を有する酸化亜鉛単結晶基板を製造するまでの具体的な方法を、従来の方法と比較しながら以下に説明する。
酸化亜鉛単結晶は、上述した水熱合成法で製造した2インチサイズのものである。これを約1mmの厚さに切断して(切断工程)、基板として用いるために素子形成面を円形に整形した(整形工程)。次に粗研磨工程として、亜鉛終端面である+C面を砂仕上げにより研磨をした(粗研磨工程)。研磨は2回行い、1回目の研磨の研磨剤の粒子粗さは1500番程度、2回目の研磨の研磨剤の粒子粗さは2500番程度である。ここまでの工程は従来と大きく変わるものではない。なお、研磨工程を複数段階(本実施形態では2回)に分けるのは研磨速度と研磨精度の両立を図るためであり、必ずしも複数段階に分ける必要はない。
従来は、この次に、ケミカル・メカニカル・ポリッシングを行い、最終工程に熱処理を行ったが、本実施形態では、これに加えて、熱処理の後にさらに、ケミカル・メカニカル・ポリッシングを行うものである。また、別の処理の流れとしては、粗研磨工程において、10nm程度まで基板の平坦化が図られている場合には、ケミカル・メカニカル・ポリッシングを行うことなく、熱処理を行い、最終工程として、ケミカル・メカニカル・ポリッシングを行うものである。
ここで、熱工程は、白金の上に酸化亜鉛単結晶基板を置いて、大気中でテラス構造が得られるに十分な温度と時間の条件下で行った。例えば、温度は1000℃ないし1200℃の範囲とし、時間は、0.5Hないし3Hの範囲とした。図1に、この段階における亜鉛終端面の断面の原子間力顕微鏡(AFM)による像を示す。図1に示すように、亜鉛終端面には、200nm弱幅のテラス構造が形成されているが、ステップ段差が3nm以上に及んでいることが分かる。なお、図1については、より詳細に後述する。
熱処理工程後における細研磨工程であるケミカル・メカニカル・ポリッシングは、従来から知られている装置を用いて行った。ここで、ケミカル・メカニカル・ポリッシングによって、原子層を一層ずつはく離させステップの段差を1原子層ないし2原子層に最終的にするためには、研磨液(スラリー)の種類と研磨レートとが重要であり、例えば、研磨液は水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ溶液に平均粒径が16nmから60nm程度のコロイダルシリカを混合したものを用い、研磨レートは、0.04μm/min(マイクロ・メータ/分)ないし0.17μm/minの範囲が好適であった。また、細研磨工程を研磨液の条件、研磨レート異ならせて、複数の段階に分けて行うことも効果的であった。図2に、最終段階を経た、亜鉛終端面の断面の原子間力顕微鏡(AFM)による像を示す。図2に示すように、亜鉛終端面のステップ段差は、目標とする1nmよりも小さく、0.5nm程度の値が得られた。なお、図2については、より詳細に後述する。
ケミカル・メカニカル・ポリッシングの研磨レートおよび研磨時間は、原子間力顕微鏡で、ステップ・テラス構造を監視して、酸化亜鉛単結晶基板のロットごとに、予め、所定の時間を求めておくことができる。
上述した実施形態の酸化亜鉛単結晶基板の製造方法によって、従来得られない、高精度のステップ・テラス構造を得ることができる。具体的には、ステップ段差が0.5nm程度(ZnOのC面における単原子層に相当)のテラス構造の酸化亜鉛単結晶基板を亜鉛終端面に得ることができた。この0.5nmのステップ段差は、酸化亜鉛単結晶基板としては、最も望ましいステップ段差の数値である1nmよりも良好なる値であって、理論限界値である。
<実施例>
水熱合成法により得られた約2インチのサイズの酸化亜鉛単結晶体から、一般的な切断機によって、1mm厚の酸化亜鉛基板(ウエファー)を切り出す。そして、この切り出した酸化亜鉛ウエファーを円形に成型する。
そして、粗研磨工程である第1回目砂仕上工程において、研磨する。研磨面は酸化亜鉛結晶のC軸に垂直な面であって、亜鉛終端面である+C面とした。また、ここで用いる砥粒の平均粒径は、3.6μm(マイクロ・メータ)ないし10.1μm、研磨レートは、0.85μm/minないし2.55μm/minの範囲において実験したが、良好な結果が得られた。
そして、粗研磨工程である第2回目砂仕上工程において、さらに研磨する。ここで用いる砥粒の平均粒径は、2.3μm(マイクロ・メータ)ないし7.1μm、研磨レートは、0.41μm/minないし1.25μm/minの範囲において実験したが、良好な結果が得られた。
そして、熱処理を施す。熱処理は酸化亜鉛ウエファーを白金の台の上に配置し、大気中で行った。温度は、1000℃ないし1200℃の範囲に管理し、熱処理の時間は1H(時間)ないし3Hの範囲において実験を行ったが、良好な結果が得られた。
そして、最終処理として、細研磨工程であるケミカル・メカニカル・ポリッシング(CMP)を行った。ケミカル・メカニカル・ポリッシングは、2工程に分けて行い、第1回目CMP工程における研磨条件は、平均粒径20nm(ナノ・メータ)ないし60nmのコロイダルシリカと、水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)のアルカリ溶液を用い、0.05μm/minないし0.17μm/minの研磨レートで研磨した。
第2回目CMP工程における研磨条件は、平均粒径16nm(ナノ・メータ)ないし48nmのコロイダルシリカと、水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)のアルカリ溶液を用い、0.04μm/minないし0.13μm/minの研磨レートで研磨した。
上述したように2回のCMP工程によって細研磨を行い、研磨速度と研磨精度の両立を図ることができる。
上述した図2は、この実施例に示す処理によって、最終的に得られた酸化亜鉛ウエファーの+C面の断面を原子間力顕微鏡によって観察した表示画面像を示すものである。ここで、図2の上方に示した断面図の横軸方向は+C面の一方向を示し、縦軸方向は+C面と垂直となる方向を示すものであり、上方の色の濃い部分と下方の色の薄い部分との境界が酸化亜鉛ウエファーの表面を示すものである。また、図2の下方に示す数値は、断面図中の4本のカーソルの各々を異なるテラス部に配置し、左側から1本目と2本目とを一組とし、左側から3本目と4本目とを一組として、各々の組における横軸方向の離間距離および縦軸方向の酸化亜鉛ウエファーの表面のステップ・段差を示すものである。
1本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、2.963802nm、2本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、3.480270nm、3本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、3.951635nm、4本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、4.467289nmであった。すなわち、1本目のカーソルに対応するテラスと2本目のカーソルに対応するテラスとのステップ段差は、0.516468nmであり、3本目のカーソルに対応するテラスと4本目のカーソルに対応するテラスとのステップ段差は、0.515654nmであり、各々、単原子層の厚さに相当している。また、1本目のカーソルと2本目のカーソルとが示す横軸方向の離間距離は119.7042nmであり、3本目のカーソルと4本目のカーソルとが示す横軸方向の離間距離は123.1572nmである。
以下に比較例を示す。比較例は、熱処理工程を最終処理として処理を終了するものであり、実施例に示したように、熱処理工程の後に、ケミカル・メカニカル・ポリッシングを行うことがない点が実施例と異なる。なお、以下の比較例においては、実施例との差異を明確にするために、酸化亜鉛単結晶体の生成工程、酸化亜鉛基板(ウエファー)の切り出し、成形工程、粗研磨工程、細研磨工程、熱処理工程のいずれの工程も、単独工程としては、上述した実施例と同じ内容とした。また、
<比較例>
水熱合成法により得られた約2インチのサイズの酸化亜鉛単結晶体から、一般的な切断機によって、1mm厚の酸化亜鉛基板(ウエファー)を切り出す。そして、この切り出した酸化亜鉛ウエファーを円形に成型する。
そして、粗研磨工程である第1回目砂仕上工程において、研磨する。研磨面は酸化亜鉛結晶のC軸に垂直な面であって、亜鉛終端面である+C面とした。また、ここで用いる砥粒の平均粒径は、3.6μm(マイクロ・メータ)ないし10.1μm、研磨レートは、0.85μm/minないし2.55μm/minの範囲とした。
そして、粗研磨工程である第2回目砂仕上工程において、さらに研磨する。ここで用いる砥粒の平均粒径は、2.3μm(マイクロ・メータ)ないし7.1μm、研磨レートは、0.41μm/minないし1.25μm/minの範囲とした。
そして、細研磨工程であるケミカル・メカニカル・ポリッシング(CMP)を行った。ケミカル・メカニカル・ポリッシングは、2工程に分けて行い、第1回目CMP工程における研磨条件は、平均粒径20nm(ナノ・メータ)ないし60nmのコロイダルシリカと、水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)のアルカリ溶液を用い、0.05μm/minないし0.17μm/minの研磨レートで研磨した。
第2回目CMP工程における研磨条件は、平均粒径16nm(ナノ・メータ)ないし48nmのコロイダルシリカと、水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)のアルカリ溶液を用い、0.04μm/minないし0.13μm/minの研磨レートで研磨した。
ここまでの段階の処理を経た後の酸化亜鉛ウエファーの+C面の断面を原子間力顕微鏡によって観察したが、上述した範囲で、粗研磨工程、細研磨工程における研磨条件を変化させても、良質なるステップ・テラス構造の形成は確認されなかった。
そして、最終工程として、熱処理を施した。熱処理は、酸化亜鉛ウエファーを白金の台の上に配置し、大気中で行った。温度は、1000℃ないし1200℃の範囲に管理し、熱処理の時間は1H(時間)ないし3Hの範囲において実験を行ったが、いずれも良質なるステップ・テラス構造の形成が確認された。
上述した図1は、この比較例に示す処理によって、最終的に得られた酸化亜鉛ウエファーの+C面の断面を原子間力顕微鏡によって観察した場合の表示画面像を示すものである。ここで、図1の上方に示した断面図の横軸方向は+C面の一方向を示し、縦軸方向は+C面と垂直となる方向を示すものであり、上方の色の濃い部分と下方の色の薄い部分との境界が酸化亜鉛ウエファーの表面を示すものである。また、図1の下方に示す数値は、断面図中の2本のカーソルの各々を異なるテラス部に配置し、左側から1本目と2本目の各々のカーソルに対応する横軸方向の離間距離および縦軸方向の酸化亜鉛ウエファーの表面のステップ・段差を示すものである。
1本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、4.763111nm、2本目のカーソルが示す縦軸方向の位置は、7.631392nmであった。すなわち、1本目のカーソルに対応するテラスと2本目のカーソルに対応するテラスとのステップ段差は、2.868281nmであり、単原子層の5つ分の厚さに相当している。また、1本目のカーソルと2本目のカーソルとが示す横軸方向の離間距離は165.7800nmである。
比較例に示す製造方法によって得られた最終的な酸化亜鉛基板の亜鉛終端面の表面の原子間力顕微鏡(AFM)の表示画面像を示すものである。 実施例に示す製造方法によって得られた最終的な酸化亜鉛基板の亜鉛終端面の表面の原子間力顕微鏡(AFM)の表示画面像を示すものである。

Claims (2)

  1. 酸化亜鉛単結晶を用いた、電子素子形成のための酸化亜鉛単結晶基板の製造方法であって、
    C軸に垂直な面を素子形成面とするように前記酸化亜鉛単結晶を所定の厚みで切断する切断工程と、前記素子形成面が所定形状となるように整形する整形工程と、前記素子形成面を研磨する粗研磨工程と、前記粗研磨工程の後に、前記素子形成面に熱を加えてステップ・テラス構造を形成するための1回の熱処理工程と、前記熱処理工程の後に、最終工程として前記素子形成面をケミカル・メカニカル・ポリッシング法によって研磨する細研磨工程と、を有する酸化亜鉛単結晶基板の製造方法。
  2. 前記素子形成面を亜鉛終端面とした請求項1に記載の酸化亜鉛単結晶基板の製造方法。
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