JP2008105883A - 酸化ガリウム単結晶基板及びその製造方法 - Google Patents

酸化ガリウム単結晶基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子レベルで平坦化された主面を有する酸化ガリウム単結晶基板、及び原子レベルで平坦化された主面を有する酸化ガリウム単結晶基板の製造方法を提供する。
【解決手段】面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工と、平滑に研磨するポリッシング加工とを行い、更に化学機械研磨することで、酸化ガリウム単結晶の(100)面にステップとテラスとを形成して、酸化ガリウム単結晶基板を得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、主面に原子レベルのステップとテラスとを備えた酸化ガリウム単結晶基板、及びその製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LED)等の発光素子を含む各種半導体素子は、サファイア(α-Al2O3)やシリコンカーバイド(SiC)等の基板に所定の半導体膜を成長させることにより得ている。この際、半導体膜と基板との間に良好な接合界面を形成することが重要であり、一般に、サファイア基板等は、特定の結晶面が露出するように切り出し、鏡面状態に仕上げたものが使用されている。
ところが、素子の高機能化や高密度化が進むにつれて、更に原子レベルで平坦な基板が求められるようになっている。すなわち、鏡面仕上げした基板の表面には、微視的に見れば依然として凹凸が残っており、この表面凹凸の斜面に沿って特定の結晶面以外の結晶方位をもつ異種結晶面が存在する。そして、この異種結晶面が半導体膜とのより完全な接合界面を形成する上での障害となる。そこで、サファイア基板を900℃以上の温度で熱処理して、表面に存在する凹凸を除去すると共に表面の原子を再配列化させることで、原子レベルの高さを持つステップと原子レベルで平坦な面を持つテラスとを備えたサファイア基板を得る方法が提案されている(特許文献1、及び非特許文献1参照)。このようにして得られたサファイア基板のテラスは、実質的に同一結晶方位を有するため、高性能の半導体素子を得ることが可能になる。
ところで、発光素子の多くは窒化ガリウム(GaN)をはじめとして、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)等の窒化物半導体が用いられている。また、これらの窒化物半導体は、次世代エレクトロニクスに不可欠な超高周波・高出力動作のトランジスタや、波長選択性に優れた紫外線検出素子用材料としても盛んに開発が進められている。しかしながら、上述したように、従来においては主にサファイアやシリコンカーバイドからなる基板上に、これら窒化物半導体膜を成長させており、例えばステップとテラスとを備えたサファイア基板を用いたとしても、サファイア基板と窒化物半導体膜との格子定数のミスマッチによって、得られる半導体膜中には少なからず欠陥や転位等が含まれてしまう。そのため、必ずしも良質な膜が得られるとは言えず、必要に応じてバッファー層を設けるなどの対策がとられている。
特許第3015261号公報 吉本護、佐々木敦「レーザMBE法による酸化物単結晶薄膜の室温合成」未来材料 第3巻 第12号(2003)第26頁右欄
そこで、本発明者等は、サファイアやシリコンカーバイドにかわるバルク結晶基板を得るために、酸化ガリウム(β-Ga2O3)単結晶に着目した。特に、窒化物半導体膜を成長させる基板として酸化ガリウム単結晶を用いれば、その表面を窒化処理してGaN層を形成することにより、サファイア基板やシリコンカーバイド基板と比べて格子定数のミスマッチを低減させることができる。また、酸化ガリウム単結晶は、4.8eVのワイドバンドギャップを有して可視領域透明であると共に、結晶中に酸素欠損が生ずることでn型半導体としての挙動を示すため、垂直構造型の発光素子を得ることができるなど、サファイア基板とは異なる素子開発の可能性も備える。そこで、表面にステップとテラスとを設けて原子レベルで平坦化された酸化ガリウム単結晶基板を得ることができれば、更に完全な窒化物半導体膜を得ることも可能になるが、本発明者らが知る限りにおいては、表面に原子レベルのステップとテラスとを備えた酸化ガリウム単結晶基板を報告する例はない。
そこで、原子レベルで平坦化された酸化ガリウム単結晶基板を得る手段について鋭意検討した結果、面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を所定の前処理を行った上で、化学機械研磨を施すことで、表面に原子レベルで平坦化されたテラスと原子レベルの高さを持つステップとを備えた酸化ガリウム単結晶基板が得られることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、原子レベルで平坦化された主面を有する酸化ガリウム単結晶基板を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、原子レベルで平坦化された主面を有する酸化ガリウム単結晶基板の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、酸化ガリウム単結晶の(100)面を主面とし、この主面がステップとテラスとを備えたことを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板である。
また、本発明は、酸化ガリウム単結晶の(100)面を主面とする酸化ガリウム単結晶基板の製造方法であって、面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工と、平滑に研磨するポリッシング加工とを行い、更に化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)することで、主面にステップとテラスとを形成することを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板の製造方法である。
本発明の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法では、酸化ガリウム(β-Ga2O3)単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工を行うが、この際、面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨する必要がある。このような酸化ガリウム単結晶の(100)面を使用しないと、所定のステップとテラスとを備えた酸化ガリウム単結晶基板を得ることができない。ここで、「面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面」とは、オフ角度を有さない、いわゆる(100)面のジャスト面を使用することを意味する。ジャスト面の一般的な定義を用いて具体的に説明すれば、<100>方向に対して傾きが±0.05°以内である(100)面を使用するようにする。
ラッピング加工を行う酸化ガリウム単結晶は、予め、ダイヤモンドディスクソーやダイヤモンドワイヤーソー等を用いる公知の方法で、0.8〜1.0mm程度の厚さに切断しておくのがよい。この際、好ましくはX線測定によって(100)面のジャスト面を確認して切り出すようにする。
ラッピング加工は、面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するものであり、いわゆる荒削りに相当する。ラッピング加工の手段については特に制限はなく、例えばダイヤモンド焼付けディスクを用いた研磨盤で研磨するような公知の方法を採用することができる。ラッピング加工では、最終的に得られる酸化ガリウム単結晶基板の用途にもよるが、(100)面を研磨することによって酸化ガリウム単結晶を0.4〜0.5mm程度の厚さまで薄型化するのがよい。
次に、ラッピング加工を施した酸化ガリウム単結晶の(100)面を平滑にするポリッシング加工を行う。このポリッシング加工では、酸化ガリウム単結晶の(100)面を鏡面状態にまで仕上げるようにするのがよい。ポリッシング加工については、公知の方法を採用することができるが、例えば平均粒子径2μm程度の多結晶ダイヤモンド粒子を油性溶剤に溶かしたダイヤモンドスラリーからなるポリッシング研磨液を用いて、研磨盤で研磨するようにするのが好ましい。研磨盤については、先のラッピング加工とは異なり、酸化ガリウム単結晶の(100)面を鏡面に仕上げる必要があることから、例えば錫、銅、錫鉛等の粉末を樹脂に接着させたものなどを使用するのがよい。
このポリッシング加工では、酸化ガリウム単結晶のへき開が目視にて目立たなくなる程度まで研磨するのがよい。例えば、上記ポリッシング研磨液と研磨盤とを用いた場合、研磨圧力(荷重)113〜352g/cm2、研磨盤の回転数100〜120rpm、及び酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度75.1m/分以上の条件で、60〜180分間のポリッシング加工を行うのがよい。
そして、上記ラッピング加工及びポリッシング加工を施した酸化ガリウム単結晶を化学機械研磨して、主面にステップとテラスとを備えた酸化ガリウム単結晶基板を得る。この化学機械研磨については、例えばシリカ等の砥粒をアルカリ溶液に分散させたCMP研磨液を用いるようにするのがよく、好ましくは、コロイダルシリカを含んだpH9.1〜10.2のCMP研磨液を用いるようにするのがよい。このうち、平均粒子径が10〜82nmのコロイダルシリカを用いるのがより好ましく、また、CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの量を29〜40質量%とするのがより好ましい。
上記CMP研磨液を用いて酸化ガリウム単結晶基板を化学機械研磨する際の条件については、用いるCMP研磨液によっても異なるが、例えば、平均粒子径10〜82nmのコロイダルシリカを29〜40質量%含有し、pHが9.1〜10.2であるCMP研磨液の場合、ナイロン、絹繊維、ウレタン等からなる研磨布を備えた研磨盤を用いて、研磨圧力(荷重)46〜92g/cm2、研磨盤の回転数70〜100rpm、及び酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度44〜63m/分の条件で、90分間以上の化学機械研磨を行うのがよい。このような化学機械研磨によって、ステップの高さが0.09〜0.3nmであり、テラスの幅が280〜350nmであるステップとテラスとを備えた酸化ガリウム単結晶基板を得ることができる。上記の条件で行う化学機械研磨の時間が90分より短いと所定のステップとテラスとを備えたステップ/テラス構造が形成されず、90分以上であればステップ/テラス構造が観察されるようになる。ステップ/テラス構造の形成と研磨圧力、相対速度及び研磨時間の各条件との関係については、これらの条件がそれぞれ大きくなるほど好ましいが、装置の都合や経済上(時間)の理由から上記のような上限を有する。このうち、研磨時間については、240分以上研磨しても観察されるステップ/テラス構造に特段変化はなく、効果が飽和する。
また、本発明においては、CMP研磨液に含まれる砥粒の粒径や砥粒の含有量を制御することによって、形成されるテラスの幅を調節することが可能である。例えばコロイダルシリカの平均粒子径が62〜82nmであれば、形成されるテラスの幅は260〜340nmであり、コロイダルシリカの平均粒子径が10〜20nmであれば、テラスの幅は70〜130nmとなる。一方、コロイダルシリカの含有量が例えば40質量%であれば、形成されるテラスの幅は260〜340nmであり、コロイダルシリカの含有量が例えば29質量%であれば、テラスの幅は80〜120nmとなる。
また、本発明で用いる酸化ガリウム単結晶について特に制限はないが、好ましくは浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法;FZ法)を用いて製造した酸化ガリウム単結晶であるのがよい。FZ法では、容器を使用せずに原料を融解させて酸化ガリウム単結晶を育成するため、不純物による汚染を可及的に防止することができると共に、結晶性に優れた酸化ガリウム単結晶を得ることができる。そのため、高品質の半導体膜を成長させる酸化ガリウム単結晶基板を得るのに好適である。
本発明の酸化ガリウム単結晶基板は、酸化ガリウム単結晶の(100)面を主面とし、この主面が所定のステップ/テラス構造を有して原子レベルで平坦化されているため、高品質の半導体膜を成長させることができて、素子の高機能化や高密度化等の近時の要請に対応可能である。特に、得られた酸化ガリウム単結晶基板は、例えばECRプラズマ又はRFプラズマを用いた処理や、アンモニア、ヒドラジン等の窒素源ガス中での加熱処理等によってその表面を窒化処理することにより、表層部にGaN層を形成することが可能であり、この場合には窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム等の窒化物半導体との格子定数のミスマッチが低減されるため、高品質な窒化物半導体膜を成長させるための基板として好適に利用できる。更には、透明性と導電性とを同時に備えることができる酸化ガリウム単結晶の特性を利用して、従来にない新たな素子の開発も期待できる。
また、本発明における酸化ガリウム単結晶基板の製造方法によれば、所定の面方位を有した酸化ガリウム単結晶に対し、ラッピング加工及びポリッシング加工を行い、更に化学機械研磨することで、上記のような酸化ガリウム単結晶基板を得ることができる。特に、本発明では、高温での熱処理等を必要とせずに、最適化された表面処理によって、ステップ/テラス構造を有した酸化ガリウム単結晶基板を得ることができるため、再現性に優れ、かつ、プロセスコストの点でも有利である。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1〜3]
先ず、純度99.99%の酸化ガリウム粉末(株式会社高純度化学研究所製)をラバーチューブに封入して静水圧で加工成型した後、電気炉に入れて大気中1500℃で10時間焼結し、酸化ガリウム焼結体を得た。次いで、この酸化ガリウム焼結体を原料棒として、双楕円のFZ装置を用いてβ-Ga23単結晶を育成した。この際、<001>方向の結晶成長速度が7.5mm/h、成長雰囲気がドライエア、圧力が1気圧の各条件とした。
上記で得られた酸化ガリウム単結晶をダイヤモンドディスクソーで切断し、結晶面の(100)面を切り出しておよそ1mmの厚さにした。この際、ダイヤモンドワイヤーソーを用いて、切り出された面が、β-Ga23(100)面に対して結晶方位が0.05°以下である酸化ガリウム単結晶(100)面のジャスト面であることを確認した。そして、この酸化ガリウム単結晶の(100)面をラッピング加工し、厚さ約0.45mmにした。このラッピング加工は、ダイヤモンド焼付けディスクからなる研磨盤(三井研削砥石社(株)社製CBN DIA GRINDING WHEEL)を用いた研磨であり、研磨圧力(荷重)60g/cm2、及び研磨盤の回転数100〜120rpmの各条件で行った。
次に、ラッピング加工を施した酸化ガリウム単結晶の(100)面をポリッシング加工して、酸化ガリウム単結晶の(100)面が鏡面状態になるまで仕上げた。このポリッシング加工では、錫の粉末を樹脂に接着させた研磨盤(研磨定盤φ20cm)を用いて、平均粒子径1μmの多結晶ダイヤモンド粒子を油性の液に溶かしたダイヤモンドスラリー(ポリッシング研磨液)を供給しながら研磨した。この際、研磨圧力(荷重)150g/cm2、研磨盤の回転数120rpm、及び酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度75.4m/分の各条件で行い、約120分かけて、酸化ガリウム単結晶のへき開が目視にて目立たなくなる程度まで仕上げた。
そして、ポリッシング加工後の酸化ガリウム単結晶の(100)面を化学機械研磨した。使用した化学機械研磨装置はムサシノ電子製MA-200Dであり、この研磨装置には、ポリウレタン製のポリッシングクロス(研磨布)を備えたアルミ製の研磨盤(研磨定盤径φ20cm)が取り付けられている。また、コロイダルシリカをアルカリ性溶液に分散させてなるデュポン社製COMPOL80をCMP研磨液として用いた。用いた研磨液について表1に示す。
Figure 2008105883
上記の研磨装置及びCMP研磨液を用いて、次の条件で化学機械研磨を行い、実施例1〜3に係る酸化ガリウム単結晶基板を得た。ポリッシング加工後の酸化ガリウム単結晶の(100)面を下に向けて研磨布付きのアルミ研磨盤に載置し、研磨圧力(荷重)60g/cm2、研磨盤の回転数75rpm、酸化ガリウム単結晶と研磨盤との相対速度47.1m/分、及びCMP研磨液の供給量約100mlの各条件で研磨時間を90分(実施例1)、180分(実施例2)、及び240分(実施例3)として化学機械研磨を行った。表2にこれらの条件をまとめて示す。また、得られた酸化ガリウム単結晶基板(実施例1〜3)の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した像を図1に示す。
Figure 2008105883
図1に示したAFM像によれば、実施例1〜3の酸化ガリウム単結晶基板の表面にはステップ/テラス構造が形成されたことが確認できる。化学機械研磨時間180分(実施例2)及び240分(実施例3)の場合では、このステップ/テラス構造がより明確である。このうち、化学機械研磨時間180分の酸化ガリウム単結晶基板(実施例2)のAFM像を忠実にトレースしてテラスの状態を表したものを図2に示し、また、AFM観察の実測データに基づき各テラスのステップ高さを模式的に表したものを図3に示す。図2に示すように、テラスの幅は300nmであった。また、図3に示すように、ステップの高さは原子1層分にほぼ等しい0.2〜0.3nmであった。化学機械研磨時間が90分(実施例1)及び240分(実施例3)の酸化ガリウム単結晶基板についても、上記と同様にAFM像から任意の領域をトレースし、実測したそれぞれの値の最大と最小値に基づき表面に形成されたステップの幅とテラスの高さを求めた。結果を表3に示す。
Figure 2008105883
[比較例1]
実施例1〜3と同様にしてFZ法により作製した酸化ガリウム単結晶をダイヤモンドディスクソーで切断して結晶面を切り出す際、β-Ga23(100)面にオフ角(b軸に対して0.26°)を付けたものを準備した。この酸化ガリウム単結晶の(100)面を、実施例1〜3と同様にラッピング加工及びポリッシング加工を行った後、実施例1〜3と同様にして90分間の化学機械研磨し、酸化ガリウム単結晶基板を得た。得られた2つの酸化ガリウム単結晶基板の表面をそれぞれAFM観察した。その結果を図4に示す。
酸化ガリウム単結晶(100)面のジャスト面を用いた以外は同様の条件で酸化ガリウム単結晶基板を作製した実施例1では、ステップ/テラス構造が観察されたが(ステップ0.2nm、テラス300nm)、オフ角0.26°を有した酸化ガリウム単結晶を使った場合には、図4に示すようにステップ/テラス構造は確認されなかった。
[実施例4及び5]
用いるCMP研磨液を変えた以外は実施例1〜3と同様にして、酸化ガリウム単結晶基板を作製した。表1に示すように、CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径を実施例1〜3のそれより小さくした場合(実施例4)、及びCMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの含有量を実施例1〜3のそれより少なくした場合(実施例5)について、それぞれ得られた酸化ガリウム単結晶基板のステップ/テラス構造を確認した。尚、実施例4及び5では、いずれも化学機械研磨の時間は90分とした。結果を表3に示す。
表3に示すとおり、コロイダルシリカの平均粒子径がより小さくなると、テラスの幅が小さくなることが確認された。また、コロイダルシリカの含有量がより少なくなると、テラスの幅が小さくなることが確認された。そのため、CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの粒径を制御すればテラスの幅を調節することが可能であり、また、CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの含有量を制御することによってテラスの幅を調節することが可能であると考えられる。
本発明の酸化ガリウム単結晶基板は、主面に原子レベルで平坦化されたテラスと原子レベルの高さを持つステップとを備えて高品質の半導体膜を成長させることができるため、LEDやLD等の発光素子をはじめ、受光素子、ガスセンサー、紫外線センサー、FET(Field Effect Transistor)等の各種素子を作製する際に利用される。特に、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、又はこれらの混晶からなるような窒化物半導体を成長させる基板として好適であり、サファイア等の従来の基板を用いた場合とは異なる素子の開発も可能である。また、本発明の酸化ガリウム単結晶基板は、各種素子の作製以外にも、透明電導膜及びその基板といった用途にも利用可能である。
図1は、本発明の実施例に係る酸化ガリウム単結晶基板をAFM観察した像であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3である。 図2は、実施例2の酸化ガリウム単結晶基板をAFM観察し、得られた像からテラスを忠実にトレースしたものである。 図3は、実施例2の酸化ガリウム単結晶基板をAFM観察し、得られた像からステップの高さを模式的に示したものである。 図4は、比較例1の酸化ガリウム単結晶基板のAFM像である。

Claims (10)

  1. 酸化ガリウム単結晶の(100)面を主面とし、この主面がステップとテラスとを備えたことを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板。
  2. ステップの高さが0.09〜0.3nmであり、テラスの幅が80〜350nmである請求項1に記載の酸化ガリウム単結晶基板。
  3. 窒化物半導体膜を成長させる窒化物半導体膜用基板として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化ガリウム単結晶基板。
  4. 酸化ガリウム単結晶の(100)面を主面とする酸化ガリウム単結晶基板の製造方法であって、面方位が実質的に<100>方向である酸化ガリウム単結晶の(100)面を研磨して薄型化するラッピング加工と、平滑に研磨するポリッシング加工とを行い、更に化学機械研磨することで、主面にステップとテラスとを形成することを特徴とする酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  5. ステップの高さが0.09〜0.3nmであり、テラスの幅が80〜350nmである請求項4に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  6. 平均粒子径10〜82nmのコロイダルシリカを29〜40質量%含有し、pHが9.1〜10.2であるCMP研磨液を用いて、研磨圧力46〜92g/cm2、及び相対速度44〜63m/分の条件で、90分間以上の化学機械研磨を行う請求項4又は5に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  7. CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの粒径を制御することによってテラスの幅を調節する請求項4〜6のいずれかに記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  8. CMP研磨液に含まれるコロイダルシリカの含有量を制御することによってテラスの幅を調節する請求項4〜6のいずれかに記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  9. ラッピング加工が、ダイヤモンド焼付けディスクを用いた研磨である請求項4に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  10. ポリッシング加工に用いるポリッシング研磨液が、ダイヤモンドスラリー及びコロイダルシリカを含む請求項4に記載の酸化ガリウム単結晶基板の製造方法。
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