JP2016020511A - ポリカーボネートの精製 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒された脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から触媒を除去する方法を提供すること。【解決手段】本開示は、一部分において、触媒された脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から触媒を除去する方法を提供する。本開示は、一部分において、触媒された脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から触媒を除去するための方法を提供する。一態様において、この触媒は、金属配位子錯体である。一態様では粗生成物は、ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)を含有する。本明細書中の開示の様々な態様が、PPCの使用を介して図示されているが、本開示の目的は、手順および方法を、様々な脂肪族ポリカーボネートへと拡大することである。【選択図】なし

Description

本出願は、2008年9月30日出願の米国仮特許出願番号61/101,173号および2008年9月17日出願の米国仮特許出願番号61/097,725号に対して優先権を主張する。各々の優先権出願の全体の内容は、本明細書中に参照として援用される。
脂肪族ポリカーボネート(「APC」)は、生体適合性および生分解性物質であり、その多数の使用範囲は材料科学における高性能用途から、生分解性消費者用パッケージとしての使用にまで及ぶ。多くのAPC用途には、残留物を残すことなくきれいに分解する、無色で、金属を含まないポリマーが必要とされる。通常、APCを合成する一般的な方法では、反応触媒を含有する粗生成物が生成され、変色を起こす結果となる。現在、無色で、金属および触媒を含まないAPCを生成するためには、多段階の沈殿法が必要とされている。しかしこの方法は、必要とされる経費および労働量が問題となるため、大規模な使用には適していない。
ポリマー溶液から均質な金属触媒を除去することは、過去に成功している。例えば、2002年にSakabeおよび共同研究者は、2−プロパノールおよび水中の乳酸溶液を用いて、粗製の非極性反応混合物を抽出することによって、ノルボルネンおよび5−ヘキシル−2−ノルボルネンの共重合から2−エチルヘキサン酸ニッケル触媒を除去する方法を詳しく記載した(特許番号JP2002284820)。別の取り組みでは、Gridnevが、三フッ化ホウ素コバルト(III)で触媒されたメタクリレートホモポリマーおよびコポリマーの合成を、酸性化、二座配位子1−(3−アミノプロピル)−イミダゾールを用いた触媒錯体の生成、およびシリカゲルカラムを介した濾過により脱色することに成功した(特許文献1)。しかし、脂肪族ポリカーボネート溶液からの均質なコバルト触媒の除去に特に適した方法は、現在利用することはできない。
米国特許第5,750,772号明細書
本開示は、一部分において、触媒された脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から触媒を除去するための方法を提供する。一態様において、この触媒は、金属配位子錯体である。一態様では粗生成物は、ポリ(プロピレンカーボネート)(「PPC」)を含有する。本明細書中の開示の様々な態様が、PPCの使用を介して図示されているが、本開示の目的は、手順および方法を、様々な脂肪族ポリカーボネートへと拡大することである。
様々な態様において、本開示に従い利用される触媒は、金属配位子錯体を含み得る。様々な態様では、配位子は、サレンまたはポルフィリン(prophyrin)配位子を含み得る。本明細書中の開示の様々な態様が、コバルトサレン触媒の使用を介して図示されているが、本開示の目的は、合成手順および関連の方法を、遷移金属の様々なサレン錯体を利用した触媒系へと拡大することである。例えば、金属は、遷移金属、例えば、6族、7族、9族、12族などから選択することができる。代表的な遷移金属として、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)または他の遷移金属触媒を挙げることができる。本開示を認識した当業者であれば、本明細書中に記載されている他の金属を中心とする様々な錯体は公知である。このような系は、任意の1つの合成系に関して最適な結果を示さない可能性もあるが、所望の触媒活性を達成するという問題は、慣例となっている実験法により対処することができる。したがって、付随する図、実施例および記載において、以下でより完全に記載されているように、本開示の関連する目的は、様々な遷移金属配位子錯体について、特定の用途に対してどれが望ましいか判定することができる選択を含む。
様々な態様では、ポリカーボネート重合反応は、共触媒を含む。様々な実施形態では、共触媒は、ルイス塩基である。他の実施形態では、共触媒は塩である。様々な態様では、塩は、アンモニウム塩、ホスホニウム塩またはアルソニウム塩である。様々な態様では、共触媒は、N−メチルイミダゾール(「N−MeIm」)、ジメチルアミノピリジン(「DMAP」)または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(「DABCO」)である。様々な態様では、共触媒は、第四級アンモニウム塩である。一部の態様では、共触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩である。様々な態様では、共触媒は、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド[(n−Bu)NCl]、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド[(n−Bu)NBr]、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジド[(n−Bu)NN]である。様々な態様では、共触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム(PPN)塩である。特定の態様では、PPN塩は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド[[PPN]Cl]、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムブロミド[[PPN]Br]、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムアセテート[[PPN]OAc]、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムトリフルオロアセテート[[PPN]TFA]、ビス(トリフェニルホスフィン)ペンタフルオロベンゾエートまたはビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムアジド[[PPN]N]である。
様々な態様では、本開示の方法は、APC溶液を、固相に接触させることを含む。様々な態様では、固相はポリマーを含む。様々な態様では、ポリマーは、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンおよびこれらの組合せまたは誘導体であってよい。他の態様では、固相は、無機の固体を含む。様々な態様では、無機の固相は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、モレキュラーシーブ、ゼオライト、粘土またはこれらの誘導体および組合せであってよい。様々な態様では、固相は、強酸カチオン樹脂を含む。様々な態様では、強酸カチオンは、スルホン酸カチオンであってよい。本開示の一態様では、触媒の除去は、粗反応生成物の溶液とイオン交換樹脂との間の相互作用により遂行される。様々な態様では、触媒除去の効力は、比色分析により測定される。様々な態様では、固相は、イオン交換樹脂のビーズを含む。様々な態様では、固相は、多孔性物質であってよい。様々な態様では、接触のステップは、バッチ処理により実施される。様々な態様では、接触のステップは、連続プロセスである。様々な態様では、接触のステップは、充填カラム内で実施される。一態様では、触媒除去の効力は、UVおよび/または可視光(「UV/Vis」)分光法により測定される。様々な態様では、本開示の方法は、溶液を第2の固相に接触させることを含む。様々な態様では、第2の固相は、ポリマーを含む。様々な態様では、ポリマーは、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンおよびこれらの組合せまたは誘導体であってよい。他の態様では、第2の固相は、無機の固体を含む。様々な態様では、無機の固相は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、モレキュラーシーブ、ゼオライトまたは粘土であってよい。様々な態様では、第2の固相は、酸吸収性樹脂を含む。様々な態様では、酸吸収性樹脂は、固定された塩基を含有するポリマー樹脂であってよい。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
触媒により触媒作用を受けた脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から該触媒を除去する方法であって、該触媒が遷移金属配位子錯体を含み、該重合反応の該生成物を、イオン交換体を含む固相と接触させるステップを含む方法。
(項目2)
前記イオン交換体がイオン交換樹脂を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記イオン交換樹脂が、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼンで架橋結合したポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択されるポリマーを含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記イオン交換樹脂が、ジビニルベンゼンで架橋結合したポリスチレンを含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記イオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂を含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記カチオン交換樹脂が酸を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記カチオン交換樹脂がスルホン酸樹脂を含む、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記イオン交換体が無機の固相を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記無機の固相が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、モレキュラーシーブ、ゼオライトおよび粘土からなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記重合反応が、共触媒をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記共触媒が、ルイス塩基である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記ルイス塩基が、N−メチルイミダゾール(N−MeIm)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記共触媒が、塩である、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記塩が、アンモニウム塩、ホスホニウム塩またはアルソニウム塩である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記アンモニウム塩が、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムブロミドまたはビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムアセテートである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ホスホニウム塩が、テトラフェニルホスホニウムアセテートである、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記金属が、6族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記遷移金属が、クロムまたはモリブデンである、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記遷移金属が、7族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記遷移金属が、マンガンである、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記遷移金属が、9族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記遷移金属が、コバルトである、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記遷移金属が、12族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記遷移金属が、カドミウムである、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記遷移金属配位子錯体が、サレン配位子を含む、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記サレン配位子が、以下からなる群から選択される、項目25に記載の方法
Figure 2016020511

(式中、
は、出現するたびに、独立して、
Figure 2016020511

の基、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリール、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13H(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−N(R11、−NR11C(O)R10、−NR11C(O)OR13、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13m −SONR1112、−NO、−C(R13(3−z)、−(CH14、−(CH−Z−R16−、および−(CH)k−Z−(CH−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なR基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
d’は、出現するたびに、独立して、−H、C−C12アルキル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−C(R13(3−z)、−(CH14、−(CH−Z−R16−、−(CH−Z−(CH−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なRd’基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
Aは、−O−、−S(O)−、−(CH)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14(2−x)−、CからCの置換または非置換の炭素環およびC〜Cの置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13(3−z)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)13、−Si(R15およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリールおよび−C(R13(3−z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
13は、出現するたびに、−H、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6〜14員のアリール、場合によって置換されている5〜14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択される、場合によって置換されている部分であり、
14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(R13(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13、−SONR1112、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
15は、出現するたびに、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
16は、出現するたびに、独立して、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの複素環、C12までの炭素環および−C(R13(3−z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)−、−(CH=CH)−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR1112)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
Figure 2016020511

は、共有結合テザーを介して前記配位子に結合している、1つまたは複数の、独立して定義された共触媒部分を表し、
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている前記重合反応において、共触媒として作用することが可能な任意の部分を表し、適切な共触媒部分として、これらに限らないが、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられ、mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、前記テザー上に存在するZ’基の数を表し、
Figure 2016020511

は、1つまたは複数の原子からなる共有結合のテザーを表し、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
(項目27)
前記触媒の遷移金属錯体が、以下からなる群から選択される、項目26に記載の方法
Figure 2016020511

(式中、Mは遷移金属である)。
(項目28)
前記触媒の遷移金属錯体が、以下からなる群から選択される、項目27に記載の方法
Figure 2016020511

(式中、Mは遷移金属である)。
(項目29)
前記遷移金属配位子錯体が、ポルフィリン配位子を含む、項目1に記載の方法。
(項目30)
前記遷移金属配位子錯体が、重合開始剤を含む、項目1に記載の方法。
(項目31)
前記脂肪族ポリカーボネートが、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(シクロペンテンカーボネート)、ポリ(シクロオクテンカーボネート)、ポリ(リモネンカーボネート)、およびポリ(ノルボルネンカーボネート)からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目32)
前記生成物が、溶媒を含む、項目1に記載の方法。
(項目33)
前記溶媒が、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフランおよびこれらの組合せからなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記生成物が、実質的にエポキシドを含まない、項目1に記載の方法。
(項目35)
前記接触のステップの前に、前記触媒作用を受けた脂肪族重合反応が、酸でクエンチされた、項目1に記載の方法。
(項目36)
前記酸が、非求核性アニオンを含有する、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記酸が、p−トルエンスルホン酸である、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記固相が、複数のビーズを含み、前記接触のステップが、前記生成物を前記複数のビーズと接触させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目39)
前記複数のビーズが、カラム内に配置され、前記接触のステップが、該カラムに前記生成物を流し込むことを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記接触のステップが、前記生成物を、前記カラムを通して再循環させることを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記複数のビーズが、容器内に配置され、前記接触のステップが、前記生成物と前記複数のビーズを混合することを含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記固相が、多孔性物質を含み、前記接触のステップが、前記生成物を該多孔性の物質と接触させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目43)
前記接触のステップが、前記生成物を前記多孔性物質の少なくとも一部分に流し込むことを含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記固相が、ポリスチレン、ジビニルベンゼンおよびこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目45)
前記固相が、シリカを含む、項目1に記載の方法。
(項目46)
前記固相が、スルホン酸で誘導体化されたポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目47)
前記固相が、スルホン酸で誘導体化されたシリカを含む、項目1に記載の方法。
(項目48)
前記ポリマー溶液を第2の固相と接触させるステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目49)
前記第2の固相が酸吸収樹脂である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記酸吸収樹脂がアニオン交換樹脂である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記生成物が、ポリ(プロピレンカーボネート);ポリ(エチレンカーボネート);ポリ(ブチレンカーボネート);ポリ(シクロヘキセンカーボネート);ポリ(3−ビニルシクロヘキセンカーボネート);ポリ(リモネンカーボネート);ポリ(ノルボルネンカーボネート);ポリ(シクロペンテンカーボネート);ポリ(シクロオクテンカーボネート);およびこれらのうちの任意の2つ以上のコポリマーからなる群から選択される脂肪族ポリカーボネートを含む、項目1に記載の方法。
(項目52)
前記生成物が、ポリ(プロピレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目53)
前記生成物が、ポリ(エチレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目54)
前記生成物が、プロピレンオキシド、二酸化炭素、ならびにエチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−ビニルシクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、ノルボルネンオキシドおよびリモネンオキシドからなる群から選択される1つまたは複数のエポキシドのポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目55)
前記生成物が、ポリ(エチレン−co−プロピレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目56)
前記遷移金属配位子錯体が、以下からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
Figure 2016020511

Figure 2016020511

Figure 2016020511

Figure 2016020511

Figure 2016020511

(項目57)
MがCo(III)である、項目56に記載の方法。
(項目58)
脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物を精製する方法であって、
該重合反応の生成物を、酸性イオン交換体を含む第1の固相と接触させるステップと、
続いて、該重合反応の生成物を、塩基性イオン交換体を含む第2の固相と接触させるステップと
を含む方法。
本出願は、これらすべてが本明細書中に参照により組み込まれている、様々な交付済み特許、公開された特許出願、学術論文および他の出版物を参照している。
本開示に記載の1つまたは複数の実施形態の詳細は、本明細書中で説明されている。本開示の他の特徴、目的および利点は、記載、図、実施例および特許請求の範囲から明らかである。
定義
特定の官能基および化学的用語の定義は、以下でより詳細に記載されている。本発明の目的のため、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙に従い特定され、特定の官能基は、本明細書中で記載の通り、一般的に定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに特定の官能基の部分および反応性は、それぞれの全体の内容が本明細書に参照により組み込まれている、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年、Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年、Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年に記載されている。
本発明の特定の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーなど様々な立体異性の形態で存在することができる。したがって、本発明の化合物およびその組成物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってよく、または立体異性体の混合物の形態であってよい。特定の実施形態では、本発明の化合物は、エナンチオピュアな化合物である。特定の他の実施形態では、鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物を提供する。
さらに、特定の化合物は、本明細書中に記載されている通り、特に指定しない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することのできる1つまたは複数の二重結合を有し得る。本発明は、個々の異性体として、他の異性体を実質的に含まない化合物、あるいは、様々な異性体の混合物として、例えば、鏡像異性体のラセミ混合物をさらに包含する。上述の化合物それ自体に加えて、本発明はまた、1つまたは複数の化合物を含む組成物を包含する。
本明細書で使用する場合、「異性体」という用語は、任意のおよびすべての幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、本発明の範囲内に入るような「異性体」として、シス異性体およびトランス異性体、E異性体およびZ異性体、R鏡像異性体およびS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、これらのラセミ混合物、ならびにこれらの他の混合物が挙げられる。例えば、化合物は、一部の実施形態では、1つまたは複数の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、これを「立体化学的に強化されている」と呼んでもよい。
ある特定の鏡像異性体が好ましい場合、これは、一部の実施形態では、反対の鏡像異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、これを「光学的に強化されている」と呼んでもよい。「光学的に強化されている」とは、本明細書で使用する場合、この化合物は1つの鏡像異性体の著しくより大きな割合から構成されることを意味する。特定の実施形態では、この化合物は、少なくとも約90重量%の鏡像異性体で構成される。一部の実施形態では、化合物は少なくとも約95重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.7重量%、99.8重量%または99.9重量%の鏡像異性体で構成される。一部の実施形態では、提供される化合物の鏡像体過剰率は、少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、99.8%または99.9%である。一部の実施形態では、鏡像異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化を含めた当業者に公知の任意の方法によりラセミ混合物から単離することができ、または不斉合成により調製することができる。例えば、Jacques、ら、Enantiomers、Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981年)、Wilen、S.H.ら、Tetrahedron、33巻:2725頁(1977年)、Eliel、E.L.Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962年)、Wilen、S.H.、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions、268頁(E.L.Eliel編、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、1972年)を参照されたい。
「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用する場合、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用する場合、直鎖状の鎖(すなわち、非分枝)、分枝または環状(縮合、架橋およびスピロ縮合した多環式を含む)であってよく、完全に飽和していてもよく、または1つもしくは複数の不飽和の単位を含有していてもよいが、芳香族ではない炭化水素の部分を意味する。特に指定しない限り、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基として、直鎖状または分枝の、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基、ならびにこれらの混成物、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂肪族」という用語は、1つまたは複数の炭素原子が、独立して、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素またはリンで置き換えられている脂肪族基を意味する。特定の実施形態では、1または2個の炭素原子は、独立して、1つまたは複数の酸素、硫黄、窒素またはリンで置き換えられている。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換であり、分枝または非分枝であり、環式または非環式であってよく、「複素環」「ヘテロシクリル(hetercyclyl)」「ヘテロ脂環式」または「複素環」基を含む。
「エポキシド」という用語は、本明細書で使用する場合、置換または非置換のオキシランを指す。置換されたオキシランとして、一置換のオキシラン、二置換のオキシラン、三置換のオキシランおよびテトラ置換されたオキシランが挙げられる。このようなエポキシドは、本明細書中で定義されているように、さらに場合によって置換されていてもよい。特定の実施形態では、エポキシドは、単一のオキシラン部分を含む。特定の実施形態では、エポキシドは、2つ以上のオキシラン部分を含む。
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用する場合、相対分子質量の高い分子を指し、この構造体は、相対分子質量の低い分子から、実際または概念的に誘導された単位の複数の反復を含む。特定の実施形態では、ポリマーは、モノマー種を1つだけ(例えば、ポリエチレンオキシド)含む。特定の実施形態では、本発明のポリマーは、1つまたは複数のエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマーまたはテーパーヘテロポリマーである。
「不飽和」という用語は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有する部分を意味する。
「脂環式」という用語は、単独で使用する場合、またはより大きい部分の一部として使用する場合、本明細書中に記載されているように、3から12員を有する、飽和または部分的に不飽和の環状脂肪族の単環式系、二環式系または多環式系を指し、この中で、脂肪族環系は、上に定義され、本明細書中に記載されているように、場合によって置換されている。脂環式の基として、制限なしで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチルおよびシクロオクタジエニルが挙げられる。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。「脂環式」という用語はまた、1つまたは複数の芳香族環または非芳香族環に縮合している脂肪族環、例えばデカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチル(結合のラジカルまたは点が脂肪族環上にある)を含み得る。一部の実施形態では、炭素環の基は、二環式である。一部の実施形態では、炭素環の基は、三環式である。一部の実施形態では、炭素環の基は、多環式である。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単一の水素原子を除去することにより、1〜12個の間の炭素原子を含有する脂肪族の部分から誘導された飽和、直鎖状または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。特に指定しない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。アルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどが挙げられるが、これらに限らない。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有する直鎖状または分枝鎖の脂肪族の部分から誘導された一価の基を意味する。特に指定しない限り、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を含有する。アルケニル基として、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を有する直鎖状または分枝鎖の脂肪族の部分から誘導された一価の基を指す。特に指定しない限り、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を含有し、一部の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基として、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられるが、これらに限らない。
「炭素環」および「炭素環式環」という用語は、本明細書で使用する場合、環が、炭素原子しか含有しない、単環式および多環式の部分を指す。特に指定しない限り、炭素環は、飽和、部分的に不飽和または芳香族であってよく、3から20個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、炭素環は、脂肪族である。代表的な炭素環(carbocyles)として、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレンおよびスピロ[4.5]デカンが挙げられる。
「アリール」という用語は、単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」のように、より大きい部分の一部として使用される場合、合計5から20の環員を有する単環式および多環式の環系を指し、この系内で、少なくとも1つの環は、芳香族であり、この系内の各環は、3から12の環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と交換可能に使用してもよい。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、これらに限らないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを含む芳香環系を指し、これらは、1つまたは複数の置換基を保持し得る。本明細書中で使用する場合、同様に「アリール」という用語の範囲内に含まれるのは、芳香環が、1つまたは複数の追加の環に縮合している基、例えばベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリイジニル(phenantriidinyl)またはテトラヒドロナフチルなどである。
「ヘテロアリール」および「heteroar−」という用語は、単独で、または例えば「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」のように、より大きい部分の一部として使用される場合、5から14個の環原子、好ましくは5、6または9個の環原子を有し、環状の配列内で共有されている6、10または14πの電子を有し、炭素原子に加えて、1から5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化型、および塩基性窒素の任意の四級化された形態を含む。ヘテロアリール基として、制限なしで、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニルおよびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「heteroar−」という用語はまた、本明細書で使用する場合、芳香族複素環が、1つまたは複数のアリール環、脂環式環、またはヘテロシクリル環に縮合している基を含み、この環内で、結合のラジカルまたは点は、芳香族複素環上にある。非制限的な例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であってよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と交換可能に使用してもよく、これらの用語のいずれかは、場合によって置換されている環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指し、この中で、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、場合によって置換されている。
本明細書で使用する場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」および「複素環式環」という用語は、交換可能に使用され、飽和もしくは部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1つまたは複数の、好ましくは1から4個のヘテロ原子(上で定義された通り)を有する、安定した5から7員の単環式、または7〜14員の二環式複素環の部分を指す。複素環式の環原子と関連して使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。例えば、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合のように)、NH(ピロリジニルの場合のように)、またはNR(N置換されたピロリジニルの場合のように)であってよい。
複素環式環は、安定した構造を形成することになる任意のヘテロ原子または炭素原子において、そのペンダント基に結合することができ、この環原子のいずれかは、場合によって置換されていることができる。このような飽和または部分的に不飽和の複素環のラジカルの例として、制限なしで、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環の部分」および「複素環ラジカル」という用語は、交換可能に本明細書中で使用され、ヘテロシクリル環が、結合のラジカルまたは点がヘテロシクリル環上にある1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環、または脂環式の環、例えばインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリイジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどに縮合している基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であってよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指し、この中で、アルキルおよびヘテロシクリルの部分は、独立して、場合によって置換されている。
本明細書で使用する場合、「部分的に不飽和である」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和である」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書中で定義されたアリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図していない。
本明細書中に記載されているように、本発明の化合物は、「場合によって置換されている」部分を含有することができる。一般的に、「置換されている」という用語は、「場合によって」という用語が前に付いているかいないかにかかわらず、指定した部分の1つまたは複数の水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味する。特に指定しない限り、「場合によって置換されている基」は、基の置換可能な各位置で適切な置換基を有することができ、任意の所与の構造体の2つ以上の位置が、特定された基から選択される2つ以上の置換基で置換されていてもよい場合、置換基は、あらゆる位置で、同一であるか、異なるかのいずれかであってよい。本発明で想定される置換基の組合せは、安定した、または化学的に実現可能な化合物を形成することになるものが好ましい。「安定した」という用語は、本明細書で使用する場合、これらの生成、検出、さらに特定の実施形態では、これらの回収、精製、ならびに本明細書中に開示されている1つまたは複数の目的のための使用を可能とする条件に暴露された場合、実質的に変質しない化合物を指す。
本明細書中のいくつかの化学構造において、置換基は、示された分子の環内の結合と交差する結合に付加していることが示されている。これは、1つまたは複数の置換基が、任意の利用可能な位置で環に付加し得る(通常、親構造体の水素原子の代わりに)ことを意味する。このように置換された環原子が、2つの置換可能な位置を有する場合、2つの基は、同じ環原子上に存在していてもよい。2つ以上の置換基が存在する場合、各置換基は、もう一方から独立して定義され、それぞれ異なる構造を有し得る。環の結合と交差していることが示された置換基が−Rである場合、この置換基は、先行する段落において記載の通り、環が「場合によって置換されている」と述べられているかのごとく、同じ意味を有する。
「場合によって置換されている」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価の置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0〜4R°;−(CH0〜4OR°;−O−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4CH(OR°);−(CH0〜4SR°;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4Ph;R°で置換されていてもよい−(CH0〜4O(CH0〜1Ph;R°で置換されていてもよい−CH=CHPh、R°;−NO;−CN;−N;−(CH0〜4N(R°);−(CH0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH0〜4N(R°)C(O)NR°;−N(R°)C(S)NR°;−(CH0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH0〜4C(O)OR°;−(CH0〜4C(O)N(R°);−(CH0〜4C(O)SR°;−(CH0〜4C(O)OSiR°;−(CH0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH0〜4SR−、SC(S)SR°;−(CH0〜4SC(O)R°;−(CH0〜4C(O)NR°;−C(S)NR°;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH0〜4OC(O)NR°;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH0〜4SSR°;−(CH0〜4S(O)R°;−(CH0〜4S(O)OR°;−(CH0〜4OS(O)R°;−S(O)NR°;−(CH0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)NR°;−N(R°)S(O)R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°;−P(O)R°;−P(O)R°;−OP(O)R°;−OP(O)(OR°);SiR°;−(C1〜4直鎖もしくは分枝のアルキレン)O−N(R°)、または−(C1〜4直鎖もしくは分枝のアルキレン)C(O)O−N(R°)(式中、各R°は、以下に定義された通り置換されていてもよく、独立して、水素、C1〜8脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Phであるか、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリール環であるか、または、上記の定義にかかわらず、独立して出現する2つのR°は、介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子(以下に定義された通り置換されていてもよい)を有する、3〜12員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの単環式もしくは多環式の環を形成する)である。
R°上の適切な一価の置換基(または独立して出現する2つのR°が介在する原子と一緒になって形成された環)は、独立して、ハロゲン、−(CH0−22R、−(haloR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR;−O(haloR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−4C(O)N(R°);−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR 、−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR−(C1〜4直鎖もしくは分枝のアルキレン)C(O)OR、または−SSR(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付いている場合、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環から選択される)である。R°の飽和した炭素原子上の適切な二価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「場合によって置換されている」基の飽和した炭素原子上の適切な二価の置換基として、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2〜3O−、または−S(C(R ))2〜3S−(式中、Rは、それぞれ独立して出現する場合、水素、以下に定義された通り置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリール環から選択される)が挙げられる。「場合によって置換されている」基の近接する置換可能な炭素に結合している適切な二価の置換基として、−O(CR 2〜3O−(式中、Rは、それぞれ独立して出現する場合、水素、以下に定義された通りに置換されていてもよいC1〜6脂肪族、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環から選択される)が挙げられる。
の脂肪族基上の適切な置換基として、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または「ハロ」が前に付いている場合、1つもしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環である)が挙げられる。
「場合によって置換されている」基の置換可能な窒素上の適切な置換基として、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)(式中、各Rは、独立して、水素、以下に定義された通り置換されていてもよいC1〜6脂肪族、非置換の−OPh、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの環であるか、または、上記の定義にかかわらず、2つの独立して出現するRは、介在する原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の3〜12員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリールの単環式もしくは二環式の環を形成する)が挙げられる。
の脂肪族基上の適切な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NO(式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付いている場合、1つもしくは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1〜4脂肪族、−CHPh、−O(CH0〜1Ph、または、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくはアリール環である)である。
本明細書で使用する場合、「触媒」という用語は、それ自体は、消費されず、または永久的化学変化の対象とはならない一方で、その存在により、化学反応の速度を増加させる物質を指す。
「四配座」は、金属中心に配位することができる4つの部位を有する配位子を指す。
本明細書で使用する場合、「アニオン交換体」という用語は、正の電荷を帯びた官能基および交換アニオンを含有するイオン交換体を指す。
本明細書で使用する場合、「カチオン交換体」という用語は、負の電荷を帯びた官能基および交換カチオンを含有するイオン交換体を指す。
本明細書で使用する場合、「共イオン」という用語は、官能基と同じ電荷符号を有するイオン種を指す。
本明細書で使用する場合、「対イオン」という用語は、イオン交換体により保有されている交換イオンを指す。
「ドープ」または「ポリマードープ」という用語は、本明細書で使用する場合、重合反応の粗生成物を指す。このようなドープは、保存するか、または触媒の除去、脱揮発、沈殿など、さらなる処理の対象とすることができることを当業者であれば理解されたい。
本明細書で使用する場合、「交換可能な」という用語は、イオンがイオン交換を行うことが可能なことを指す。
本明細書で使用する場合、イオン交換樹脂という文脈において、「官能基」という用語は、ポリマーマトリックスに結合している、電荷を帯びた酸性基、塩基性基またはキレート基を指す。
本明細書で使用する場合、「官能基部位」という用語は、官能基、結合基、ポリマー鎖に組み込まれた、電荷を帯びることのできる原子、および無機イオン交換体の結晶構造体のイオン交換単位を指す。
本明細書で使用する場合、「イオン交換」という用語は、異なる相に位置する2つ以上のイオン化した種の間でのイオン交換を指し、イオン化した種のうちの少なくとも1つは、イオン交換体である。イオン交換は、キレート化、錯体形成、配位結合の生成、および弱イオン交換相互作用を含み得る。
本明細書で使用する場合、「イオン交換体」という用語は、可逆的に固定したイオンより生じる、不溶性の電荷キャリアを含有する相(マトリックス)を指す。
本明細書で使用する場合、「イオン交換ポリマー」または「イオン交換樹脂」という用語は、交換イオンを結合した固定された官能基または部位を保有するポリマーを指す。
本明細書で使用する場合、「イオン型」という用語は、イオン交換体の官能基部位に存在する対イオンに依存するイオン交換体の状態を指す。例えば、Naイオンを含有するイオン交換体は、ナトリウム型である。NaイオンがKイオンに置き換えられるイオン交換が行われた後で、イオン交換体は、カリウム型となる。
本明細書で使用する場合、「浸透圧的に不活性」という用語は、それが位置する相から移動できないキャリアを指す。
「求核剤」という用語は、エポキシドを開環できる任意の剤を指す。
本明細書で使用する場合、「ポルフィリン」という用語は、メチン架橋を通して、それらのα炭素原子を介して相互接続している4つのピロリンサブユニット由来の任意の配位子を指す。
本明細書で使用する場合、「サレン」という用語は、ジアミンおよび2当量のサリチルアルデヒドまたはその誘導体由来の任意の配位子を指す。
本明細書で使用する場合、「ジイミネート」および「ジイミネート配位子」という用語は1,3−ジケチミン部分を含有する配位子を指す。
図1は、異なる濃度のイオン交換樹脂で処理したPPCの400nm光の吸光度を示している。 図2は、充填済みイオン交換カラムを通して循環されたPPCポリオール溶液のUV/Vis吸光度の曲線を示している。この曲線は、20分および3時間の再循環後のUV/Vis吸光度、ならびに最初の吸光度を示している。 図3は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01786−0707を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図4は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSCで処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、パラ−トルエンスルホン酸(トシル酸またはpTSAと一般的に呼ばれている)でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図5は、シリカ結合トシル酸で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図6は、シリカ結合トシル酸で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図7は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)50WX2−400(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01509−904を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図8は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MARATHON(商標)WBA(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01592−104を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図9は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)1X8−100(Cl)(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01509−904を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図10は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)M4195(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01817−0306およびGrinstead、Robert R. 「New developments in the chemistry of XFS 4195 and XFS 43084 chelating ion exchange resin」、Ion Exch. Technol(1984年)、509〜518頁を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図11は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)21K XLT(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01893−1005を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図12は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)50WX2で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図13は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)M4195で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図14は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MARATHON(商標)WBAで処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図15は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)1X8(Cl)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図16は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MAC3(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01603−0407を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図17は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)21K XLTで処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図18は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)G26(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−01812−1105を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図19は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)DR−G8(2008年8月の時点で、Dow Chemical Corp.から市販されている。製品情報、様式第177−02147−0207を参照されたい)で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、800mol当量の酢酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。示されている結果は、わずか5時間後のものである。 図20は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)G26で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図21は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)MAC3で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図22は、強酸カチオンイオン交換樹脂、DOWEX(商標)DR−G8で処理後のPPC溶液のUV/Vis吸収曲線を示している。PPC溶液に対して、重合は、トシル酸でクエンチした。処理には、PPC溶液と樹脂を10:1の比率で使用した。 図23は、2つの樹脂充填ベッドを用いた樹脂ベッドによる処理の概観図を示している。
脂肪族ポリカーボネート
本開示の一実施形態において、APCポリマーは、ポリ(プロピレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(エチレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(ブチレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(3−ビニルシクロヘキセンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(リモネンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(ノルボルネンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロペンテンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロオクテンカーボネート)である。
本開示の特定の実施形態では、APCポリマーは、2つ以上のC〜C12エポキシドおよび二酸化炭素のポリマーである。例えば、APCポリマーは、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーであってよい。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、エチレンオキシド、シクロヘキセンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、エチレンオキシド、ブチレンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ブチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、シクロヘキセンオキシド、ブチレンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ノルボルネンオキシド、プロピレンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。本開示の特定の他の実施形態ではAPCポリマーは、プロピレンオキシド、リモネンオキシドおよび二酸化炭素のターポリマーである。
本開示の特定の実施形態では、APCポリマーは、3つ以上のC〜C12エポキシドおよび二酸化炭素のヘテロポリマーである。特定の他の実施形態では、APCポリマーは、上に記載のエポキシドのうちの任意の3つ以上と二酸化炭素のヘテロポリマーである。
本開示の特定の実施形態では、APCポリマーは、上に記載のAPC組成物のうちの任意の2つ以上のブロックコポリマーである。
本開示の特定の実施形態では、ポリマーは、エーテル結合を含む。これら実施形態のポリマーは、混合ポリエーテルポリカーボネート、純粋なポリエーテルまたはこれらのうちの2つ以上のブロックコポリマーであってよい。
重合/反応/触媒
一態様では、本開示は、触媒の金属配位子錯体の存在下、エポキシドを二酸化炭素と合わせることによって、脂肪族ポリカーボネート(APC)重合反応を開始させるステップと、この重合反応をある期間に渡り進行させることによって、ポリカーボネート鎖を含む反応混合物を形成するステップとを含む方法を提供する。様々なエポキシドおよび触媒の遷移金属錯体が本開示された方法に使用することができることを当業者であれば理解されたい。
例えば、当業者であれば、その全体の内容が参照により本明細書に組み込まれている、同時係属の米国仮出願第61/187,750号に記載されているエポキシドのいずれかを使用することができる。
特定の実施形態では、エポキシドは、エチレンオキシド、一置換アルキルエポキシド、1,2−二置換アルキルエポキシド、1,1−二置換エポキシドおよび多環式エポキシドから選択される。
特定の実施形態では、エポキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−ビニルシクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、ノルボルネンオキシドおよびリモネンオキシドから選択される。
特定の実施形態では、エポキシドは、プロピレンオキシドである。
特定の実施形態では、金属配位子錯体の金属は、Mである。特定の実施形態ではMは、任意の金属である。特定の実施形態ではMは、周期表の3から13族の金属である。特定の実施形態ではMは、遷移金属である。特定の実施形態ではMは、4族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはチタンである。特定の実施形態では、Mは6族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはモリブデンである。特定の実施形態では、Mはクロムである。特定の実施形態では、Mは7族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはマンガンである。特定の実施形態では、Mは8族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはルテニウムである。特定の実施形態では、Mは9族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはコバルトである。特定の実施形態では、金属がコバルトの場合、コバルトは、+2の原子価(すなわち、Co(II))を有する。特定の実施形態では、Mがコバルトの場合、コバルトは、+3の原子価(すなわち、Co(III))を有する。特定の実施形態では、Mは12族遷移金属である。特定の実施形態では、Mはカドミウムである。特定の実施形態では、Mは亜鉛である。特定の実施形態では、Mは13族に属す。特定の実施形態では、Mはアルミニウムである。
本開示の特定の実施形態では、コバルト触媒は、コバルト(III)触媒を含む。触媒は、多座配位子を含むことができる。特定の実施形態では、触媒は、四座配位子を含むことができる。本開示の一部の実施形態では、触媒は、1つまたは複数のSchiff塩基配位子を含む。特定の実施形態では、触媒は、例えば、ポルフィリン配位子またはサレン配位子などの配位子を含む。
特定の実施形態では、触媒錯体は、重合開始剤である少なくとも1つの配位子を含む。特定の実施形態では、重合開始剤は、求核性配位子である。他の実施形態では、触媒錯体は、重合反応を停止するために使用されるクエンチ剤由来の少なくとも1つの配位子を含む。
特定の実施形態では、各求核性配位子は、XまたはXで表される(Mの原子価が許容する通り)。特定の実施形態では、1つの求核性配位子が存在し、Xで表される。特定の実施形態では、第2の求核性配位子が存在し、Xで表される。
特定の実施形態では、Mの原子価が許容する通り、XおよびXのうちの1つまたは両方が存在し、それぞれが独立して、−OR、−SR、−SO、−O(C=O)R、−O(C=O)OR、−O(C=O)N(R、N(R)(C=O)R、−NC、−CN、ハロ(例えば、−Br、−I、−Cl)、−NおよびPR (式中、各Rは、独立して、水素、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)からなる群から選択される。
特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−O(C=O)R(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、それぞれ独立して、−O(C=O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアルキルである)である。特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−O(C=O)CHまたは−O(C=O)CFである。
さらに、特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、それぞれ独立して、−O(C=O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアリールまたはヘテロアリールである)である。特定の実施形態では、Xは、−O(C=O)R(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、XおよびXは、−O(C=O)R(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−O(C=O)Cまたは−O(C=O)Cである。
特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−OR(式中、Rは、場合によって置換されている脂肪族、場合によって置換されているヘテロ脂肪族、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロアリールから選択される)である。
例えば、特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているアリールである)である。特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−OR(式中、Rは、場合によって置換されているフェニルである)である。特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、−OCまたは−OC(2,4−NO)である。
特定の実施形態では、XおよびXは、それぞれ独立して、ハロである。特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、−Brである。特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、Clである。特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、−Iである。
特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、−Nである。
特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、−NCである。
特定の実施形態では、Xおよび/またはXは、−CNである。
特定の実施形態では、XおよびXは、両方とも存在し、Xは、上に定義された通りであり、Xは、例えばエーテルなどの配位溶媒分子である。
特定の実施形態では、少なくとも1つの配位子は、重合開始剤ではない。特定の実施形態では、重合開始剤でない配位子は、多座配位子である。特定の実施形態では、多座の配位子は、サレン配位子である。
特定の実施形態では、触媒錯体は、以下の式を有する
Figure 2016020511
(式中、
Mは、金属原子であり、
1a、R1a’、R3aおよびR3a’は、独立して、
Figure 2016020511
の基、水素、またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、C1〜20ヘテロ脂肪族;6から10員のアリール;窒素、酸素もしくは硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、5から10員のヘテロアリール、ならびに4から7員の複素環からなる群から選択される場合によって置換されている基であり、
2a、R2a’は、独立して、
Figure 2016020511
の基、水素、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR、COR、C(O)R、−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR、またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、C1〜20ヘテロ脂肪族;6から10員のアリール;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、5から10員のヘテロアリール、ならびに4から7員の複素環からなる群から選択される、場合によって置換されている基であり、
各Rは、独立して、水素であるか、アシル;カルバモイル;アリールアルキル;6から10員のアリール;C1〜12脂肪族;C1〜12ヘテロ脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、5から10員のヘテロアリール;4から7員のヘテロシクリル;酸素保護基ならびに窒素保護基からなる群から選択される、場合によって置換されている基であるか、または、
同じ窒素原子上の2つのRが、窒素と一緒になって、4から7員の複素環式環を形成し、[R2a’およびR3a’]、[R2aおよびR3a]、[R1aおよびR2a]ならびに[R1a’およびR2a’]のいずれかは、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、この環は、1つまたは複数のR20a基で置換されていてもよく、
4aは、
Figure 2016020511
(式中、
は、出現するたびに、独立して、
Figure 2016020511
の基、水素、ハロゲン、−OR、−NR、−SR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SONR、−CNO、−NRSOR、−NCO、−N、−SiR、またはC1〜20脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するC1〜20ヘテロ脂肪族;6から10員のアリール;窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5から10員のヘテロアリール、ならびに4から7員の複素環からなる群から独立して選択される、場合によって置換されている基であり、
2つ以上のR基が、介在する原子および任意の介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、
2つのR基が同じ炭素原子に結合している場合、これらは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3から8員のスピロ環式環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾン、イミンからなる群から選択される部分を形成してもよい)からなる群から選択され、
は、エポキシドの開環が可能な求核剤であり、
Yは、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=S)−、−C(=NR)−、または−N=N−;ポリエーテル;CからCの置換もしくは非置換の炭素環、およびCからCの置換もしくは非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり
Figure 2016020511
は、共有結合のテザーを介して配位子に結合している、1つまたは複数の、独立して定義された共触媒部分を表し、
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている重合反応において共触媒として作用することが可能な任意の部分を表す。適切な共触媒部分として、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限らず、
mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、テザー上に存在するZ’基の数を表し、
Figure 2016020511
は、1つまたは複数の原子からなる共有結合のテザーを表し、
m’は、0または1から4の整数(1と4を含む)であり、
qは、0または1から4の整数(1と4を含む)であり、
xは、0、1または2である)。
一部の実施形態では、[R2aおよびR3a]ならびに[R2a’およびR3a’]のうちの少なくとも1つが、一緒になって環を形成する。一部の実施形態では、[R2aおよびR3a]ならびに[R2a’およびR3a’]の両方が一緒になって環を形成する。一部の実施形態では、[R2aおよびR3a]ならびに[R2a’およびR3a’]により形成された環は、置換されているフェニル環である。
特定の実施形態では、触媒錯体がサレン配位子を含む場合、サレン配位子は、以下の式のうちの1つを有する
Figure 2016020511
(式中、
は、出現するたびに、独立して、
Figure 2016020511
の基、−H、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリール、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13H(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−N(R11、−NR11C(O)R10、−NR11C(O)OR13、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13m −SONR1112、−NO、−C(R13(3−z)、−(CH14、−(CH−Z−R16−、および−(CH)k−Z−(CH−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なR基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
d’は、出現するたびに、独立して、−H、C−C12アルキル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−C(R13(3−z)、−(CH14、−(CH−Z−R16−、−(CH−Z−(CH−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なRd’基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
Aは、−O−、−S(O)−、−(CH)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14(2〜x)−、CからCの置換または非置換の炭素環およびC〜Cの置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13(3〜z)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)13、−Si(R15およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリールおよび−C(R13(3〜z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
13は、出現するたびに、−H、場合によって置換されているC〜C20脂肪族、場合によって置換されているC〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6〜14員のアリール、場合によって置換されている5〜14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択される、場合によって置換されている部分であり、
14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(R13(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13、−SONR1112、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
15は、出現するたびに、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
16は、出現するたびに、独立して、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの複素環(heterocylic)、C12までの炭素環および−C(R13(3〜z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)−、−(CH=CH)−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR1112)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
Figure 2016020511
は、共有結合テザーを介して配位子に結合している、1つまたは複数の、独立して定義された共触媒部分を表し、
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている重合反応において、共触媒として作用することが可能な任意の部分を表し、適切な共触媒部分として、これらに限らないが、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられ、
mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、テザー上に存在するZ’基の数を表し、
Figure 2016020511
は、1つまたは複数の原子からなる共有結合のテザーを表し、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
特定の実施形態では、配位子は、それぞれの全体が本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第6,870,004号、第5,637,739号、第7,220,870号および第7,304,172号で開示されたもののいずれかである。
特定の実施形態では、配位子は、ポルフィリン配位子である。
特定の実施形態では、ポルフィリン配位子は、以下の式を有する
Figure 2016020511
(式中、
は、出現するたびに、独立して、−H、C−C12アルキル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R10、−NR11C(O)OR13、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13m −SONR1112、−NO、−C(R13(3−z)、−(CH14、−(CH−Z−R16−、および−(CH−Z−(CH−R14からなる群から選択され、
Aは、−O−、−S(O)−、−(CH)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14(2〜x)−、CからCの置換または非置換の炭素環およびC〜Cの置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13(3〜z)、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)13、−Si(R15およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルおよび−C(R13(3〜z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
13は、出現するたびに、−H、b)C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環からなる群から独立して選択され、
14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR1112、−CN、−CNO、−C(R13(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR1112、−NR1112、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO13、−NCO、−N、−NO、−S(O)13、−SONR1112、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
15は、出現するたびに、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
16は、出現するたびに、独立して、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C12の複素環、C12までの炭素環および−C(R13(3〜z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)−、−(CH≡CH)−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR1112)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
特定の実施形態では、配位子は、βジイミネート配位子である。
特定の実施形態では、触媒の遷移金属配位子錯体は、以下の式のうちの1つを有する
Figure 2016020511
(式中、R、Rd’、y、XおよびXのそれぞれは、上で定義され、上記クラスおよびサブクラスに記載されている通りであり、Mは、遷移金属である)。
特定の実施形態では、触媒の遷移金属配位子錯体は、以下の式のうちの1つを有する
Figure 2016020511
Figure 2016020511
(式中、R、y、R16、M、XおよびXのそれぞれは、上で定義され、上記クラスおよびサブクラスに記載されている通りである)。
特定の実施形態では、R16は、tert−ブチルであり、したがって以下の式のうちの1つの化合物を形成する
Figure 2016020511
(式中、M、XおよびXのそれぞれは、上で定義され、上記クラスおよびサブクラスに記載されている通りである)。
一部の実施形態では、メタロサレネート錯体は、VIからXXXVIIの化合物からなる群から選択される構造体を有する。
Figure 2016020511
Figure 2016020511
Figure 2016020511
Figure 2016020511
Figure 2016020511
特定の実施形態では、当業者であれば、同時係属の米国PCT出願番号第PCT/US2009/054773号(この中に金属錯体として記載)に記載されている触媒の遷移金属配位子錯体のうちの任意の1つを使用することができる。本発明に適した追加の金属錯体は、それぞれの全体の内容が本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第7,304,172号、第6,870,004号、米国特許出願公開番号第2007/0255039号および第2008/0108499号、PCT出願番号PCT/US2009/042926号、PCT公開番号WO2009/102078A1号、WO2008150033A1号およびWO2008136591A1号ならびに中国特許番号第101412809号、第1887934号および第101020747号において記載されている。
本開示の特定の実施形態では、触媒は、共触媒を含む。共触媒は、例えば、アミン、ホスフィン、グアニジン、アミジンまたは有機酸塩などの化合物であってよい。特定の実施形態では、共触媒は、芳香族アミンである。特定の他の実施形態では、共触媒は、窒素含有複素環である。一部の実施形態では共触媒は、ルイス塩基である。一部の実施形態では、ルイス塩基は、N−メチルイミダゾール(「N−MeIm」)、ジメチルアミノピリジン(「DMAP」)または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(「DABCO」)トリエチルアミン、グアニジンおよびジイソプロピルエチルアミンである。共触媒が有機酸塩の実施形態では、塩は、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、グアニジウム、アミジニウム、アゾニウムおよびアルソニウム塩を含めた群から選択することができる。一部の実施形態では、共触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム塩(PPN)である。一部の実施形態では、共触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド(PPNCl)である。一部の実施形態では、共触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムブロミド(PPNBr)である。一部の実施形態では、共触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムアジド(PPN )である。様々な態様では、共触媒は、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド[(n−Bu)NCl]、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド[(n−Bu)NBr]、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジド[(n−Bu)NN]である。
クエンチ
一態様では、本開示は、反応混合物を、重合開始剤ではないアニオンを含有する酸と接触させることによって、重合反応をクエンチするステップを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、クエンチのステップは、その全体が本明細書によって本明細書中に参照により組み込まれている、同時係属の米国特許出願番号第61/097,725号に記載されている方法のいずれかを含む。
特定の実施形態では、酸は、非求核性アニオンを含有する。特定の実施形態では、酸は、スルホン酸である。特定の実施形態では、上記方法のクエンチのステップは、式RSOH(式中、Rは、場合によって置換されているアルキル、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されている複素環からなる群から選択されるラジカルである)を有するスルホン酸を加えるステップを含む。特定の実施形態では、Rは、場合によって置換されているC〜C20アルキル、C〜C20アルケニルおよび場合によって置換されているフェニルから選択されるラジカルである。
特定の実施形態では、スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸(一般的にトシル酸または「PTSA」と呼ばれている)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、4−ニトロフェニルスルホン酸、スルホ酢酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、2−(メチルアミノ)エタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸、2−スルファニルエタンスルホン酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、3−ピリジンスルホン酸、2−ピリジンスルホン酸、4−ピペリジンスルホン酸、2−アルニノベンゼンスルホン酸、1−メチルピリジニウム3−スルホネート、1−メチル−2−ピリジニウムスルホネート、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−メチルメタニル酸、4−アミノ−3−メチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸、およびペルフルオロオクタンスルホン酸からなる群から選択される。
特定の実施形態では、スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸である。
特定の実施形態では、上記方法のクエンチのステップは、スルファミン酸を加えるステップを含む。
特定の実施形態では、上記方法のクエンチのステップは、式RN−SOH(式中、RおよびRは、水素、場合によって置換されているアルキル、場合によって置換されているアリールおよび場合によって置換されているヘテロシクリルからなる群から独立して選択されるラジカルである)を有するスルファミン酸を加えるステップを含む。
特定の実施形態では、上記方法のクエンチするステップは、少なくとも1つの酸性の水素原子を有するリン酸誘導体を加えるステップを含む。
特定の実施形態では、リン酸誘導体は、リン酸;ピロリン酸;トリリン酸;リン酸、ピロリン酸またはトリリン酸のアルキル誘導体;リン酸、ピロリン酸またはトリリン酸のアリール誘導体;および上記リン酸誘導体のうちの任意の2つ以上の混合物から選択される。
特定の実施形態では、上記方法のクエンチのステップは、以下の式を有するリン酸を加えることを含む
Figure 2016020511
(式中、RおよびRは、水素、一リン酸基、二リン酸基、場合によって置換されているアルキル、場合によって置換されているアリール、場合によって置換されている複素環、一リン酸基のエステル誘導体、および二リン酸基のエステル誘導体から独立して選択されるラジカルである)。特定の実施形態では、クエンチに使用する酸は、固体支持基質を含めた形態である。特定の実施形態では、分離したクエンチのステップは存在しないが、クエンチは、触媒を除去するために使用される固相で実施される。このクエンチと触媒除去を同時に行う方法は、以下に開示されている精製方法のいずれかを用いて可能となると理解されている。特定の実施形態では、エポキシドポリマー前駆体を、特定の酸性イオン交換樹脂と反応させてもよい。このような場合、反応混合物中のエポキシドに合うものを見つけるために様々な固相をスクリーニングすることが望ましく、このようなスクリーニングの問題は、慣例となっている実験法により対処することができることは、化学合成の当業者であれば明らかであろう。あるいは、特定の実施形態では、残留するエポキシドは、クエンチおよび精製法を同時に行う前に、重合混合物から除去することができる。残留エポキシドの除去は、蒸留、化学反応、吸着または当分野で公知の他の方法により行うことができる。
ポリマードープ
様々な態様では、上に記載の反応、方法および手順は、粗製のAPC生成物または「ポリマードープ」を生成する。ポリマードープは、溶媒中に存在してもよく、この混合物は、APCに加えて、反応副生成物、未反応の反応体および触媒をさらに含有してもよい。
様々な態様では、APC溶液(「ポリマードープ」)は、1つまたは複数の有機溶媒、例えばケトン、エステル、エーテル、ニトリル、アミド、塩素化した炭化水素、芳香族溶媒またはこれらの組合せなどで構成される。特定の実施形態では、溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、および上記のうちの2つ以上の混合物などが挙げられるが、これらに限らない。一実施形態では、APC溶液は、残留エポキシドを含有する粗製の反応混合物である。
イオン交換による精製
様々な態様では、有機イオン交換物質は、三次元構造体、すなわちマトリックスを一般的に所有する。様々な態様では、官能基は、この構造体に結合するか、またはポリマー鎖内に直接組み込まれていてもよい。マトリックスは、比較的短い連結により互いに架橋結合した直線状のポリマー鎖から構成されていてもよい。例として、様々な態様では、本開示は、ジビニルベンゼンと架橋結合しているスルホン化ポリスチレンなどのイオン交換物質の使用を含む。
Figure 2016020511
本開示の様々な実施形態では、イオン交換物質は、スルホン酸で誘導体化されたシリカマトリックスを含む。様々な態様では、SOHは、水素イオンを任意の他のカチオンと交換できる。様々なマトリックスおよび支持基質は、これらに限らないが、カチオン交換、アニオン交換、両性イオン交換、Lewis塩基、Lewis酸およびキレート物質を含めた多種多様な官能基を保有し得るので、本開示は、SOH官能基に限定されない。別のイオン交換物質は、例えば、フェノールとホルムアルデヒドのコポリマーからなる。
様々な実施形態では、イオン交換マトリックスは、架橋結合したポリマーであってよい。様々な態様では、イオン交換物質の特性は、架橋度により異なり得る。ポリスチレンジビニルベンゼンイオン交換物質の例では、ジビニルベンゼンは、架橋物質であり、ジビニルベンゼンのパーセンテージが、架橋度を示唆する。
様々な態様では、イオン交換物質は、三次元ポリマーネットワークであってよい。様々な態様では、非架橋結合したポリマーまたはハイパーリンクポリマーをイオン交換マトリックスとして使用してもよい。様々な態様では、官能基は、ポリマーマトリックスに直接結合している必要はない。一部の官能基は、マトリックス形成ポリマーとは異なるポリマーに結合することができる。2つのポリマーは、化学的に結合している必要はないが、互いにもつれ、絡み合って、連続した塊を形成する。
様々な態様では、イオン交換物質は、ビーズまたは他の支持基質全体に分布しているゲルもしくはゲル樹脂の形態、形態を取ることができる。様々な態様では、イオン交換物質は、ポリマーから構成されるゲル領域と巨視的な永久細孔の二相からなる不均一な構造体を有するマクロ孔質樹脂の形態を取り得る。本開示の様々な実施形態では、イオン交換物質は、さらにマクロ孔質な樹脂である高度架橋樹脂を含み、この樹脂の中でゲル領域は、複数のビーズ微小粒子からなる。イオン交換物質は、多孔度および他の表面特性が異なる多種多様な構造および形態を含んでもよい。様々な態様では、物質は、これだけに限らないがビーズ、ペレット、球、スフェロイド、環、中空シリンダー、ブロック、繊維、メッシュ、膜、織物を形成することができる。様々な態様では、粒度は、広く分布していてもよいか、または非常に狭い分布、いわゆる単分散樹脂であってよい。
様々な実施形態では、イオン交換物質は、カチオン性、アニオン性、両性、Lewis塩基、ルイス酸およびキレート物質のいずれかである、多種多様な官能基を含有し得る。様々な態様では、官能基は、−SO 、PO 2−、−COOH、HPO 、−COH、−SH、−AsO 、−SeO であってよい。様々な態様では、官能基は、−N(CH、−N(CHOH、−N(CH、−P(Cであってよい。様々な態様では、官能基は、−SO 、−N(CH、−COOH、−N(CHOHであってよい。
様々な態様では、本開示は、触媒物質がポリマー溶液から除去されるような条件下で、APCを含有する溶液をイオン交換樹脂に暴露するステップを含む。重合反応の完了後、この溶液を処理することによって、過剰のエポキシド、プロピレンオキシド、他の反応副生成物または他の消費されなかった反応体を、イオン交換樹脂との接触前に除去することができる。副生成物、消費されなかった反応体および他の化合物の除去は、蒸発、蒸留、抽出または当業者に公知の他の任意の分離技法により遂行することができる。
触媒を除去するためのポリマー含有溶液の処理は、多種多様な条件下で遂行することができる。時間および/または温度ならびにイオン交換樹脂の相対濃度は、異なってもよい。処理は、バッチ処理、または連続処理であってよい。反応は、単一の容器内、複数の容器でまたは充填カラム内で生じ得る。さらに、ポリマー溶液は、イオン交換樹脂を含有するフィルターまたは他の加圧容器を介してポンプで注入することができる。
ポリマー溶液とイオン交換樹脂との間の接触時間は、様々な実施形態では、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、5、6、8、12、18、24、36、48または72時間であってよい。ポリマー溶液およびイオン交換樹脂混合物は、少なくとも0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95℃の温度で維持してもよい。イオン交換は、真空下、または3気圧までの任意の圧力下で実施してもよい。
ポリマークリーンアップの効力は、当分野では標準的な技法を用いて、UV/Vis吸収で測定することができる。様々な実施形態では、波長のUV/Visスペクトル全体の吸光度が測定される。様々な実施形態では、400nmでの吸光度が検討され、様々な態様では、265nmでの吸光度が検討される。様々な実施形態では、特定の波長での吸光度の組合せが検討される。400nmでのポリマー溶液の吸光度は、99、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または5%削減させることができる。イオン交換処理後の400nmでの全吸光度は、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1未満となり得る。
ポリマークリーンアップの効力は、当分野では標準的な技法を用いて、金属濃度分析により評価することができる。適切な技法として、原子吸光分析(AA)、誘導結合プラズマ発光分析法(ICPOES)および紫外可視分光法(UV−Vis)が挙げられるが、これらに限らない。様々な実施形態では、ポリマー溶液の金属含有量は、99、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10または5%削減させることができる。イオン交換処理後のポリマーの金属濃度は、10、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1パーツパーミリオン(ppm)未満である。
ある特定の理論に拘束されることなしに、触媒の除去は、これだけに限らないが、樹脂への金属の吸着、樹脂への金属の吸収、樹脂への配位子の吸収、樹脂への配位子の吸着、樹脂媒介による触媒の他の種への変換、または上記のうちの2つ以上の組合せを含めた様々な化学的相互作用のいずれかにより遂行することができる。
様々な実施形態では、イオン交換物質とポリマー溶液の間の接触のステップにより、溶液から共触媒を除去することができる。ある特定の理論に拘束されることなしに、共触媒の除去は、これだけに限らないが、イオン交換物質への吸着、イオン交換物質への吸収または樹脂媒介による触媒の他の種への変換を含めた様々な化学的相互作用のいずれかにより遂行することができる。
特定の実施形態では、本発明の方法は、イオン交換物質または樹脂から触媒または触媒成分を回収するステップをさらに含む。これは、触媒を樹脂から移動させることが可能な高濃度のイオンを含有する溶液で、イオン交換物質をフラッシュすることにより行うことができる。触媒が、金属錯体の配位子に係留した有機カチオンの共触媒部分を含有する特定の実施形態では、樹脂から触媒を除去するステップは、X(式中、Xは、本明細書中の上で定義された通りである)の溶液でイオン交換物質をフラッシュすることを含む。特定の実施形態では、イオン交換物質は、酢酸またはトリフルオロ酢酸、またはこのような酸の金属塩などの有機酸溶液でフラッシュする。別の実施形態において、イオン交換物質は、ニトロフェノール化合物溶液でフラッシュする。本発明のこの態様の特定の実施形態では、イオン交換物質から回収した触媒は、対イオンXを結合しており、エポキシドおよび二酸化炭素の共重合での直接の使用に適している。
一部の実施形態では、本発明の方法は、ポリマー溶液を第2の固相に接触させるステップを含む。一部の実施形態では、第2の固相は、ポリマーを含む。一部の実施形態では、第2の固相のポリマーは、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンおよびこれらの誘導体または組合せであってよい。一部の実施形態では、第2の固相は、無機の固体を含む。特定の実施形態では、無機の固相は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、モレキュラーシーブ、ゼオライト、粘土、またはこれらの誘導体もしくは組合せであってよい。一部の実施形態では、第2の固相は、酸吸収樹脂を含む。特定の実施形態では、酸吸収樹脂は、固定された塩基を含有するポリマー樹脂であってよい。特定の実施形態では、第2の固相は、上記および本明細書中に記載のイオン交換樹脂である。特定の実施形態では、イオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂である。
代表的なイオン交換樹脂として、第四級アミン樹脂または「Q−resin」(例えば、Q−Sepharose(登録商標)、QAE Sephadex(登録商標))、ジエチルアミノエタン(DEAE)樹脂(例えば、DEAE−Trisacryl(登録商標)、DEAE Sepharose(登録商標)、ベンゾイル化ナフトイル化DEAE、ジエチルアミノエチルSephacel(登録商標))、Amberjet(登録商標)樹脂、Amberlyst(登録商標)樹脂、Amberlite(登録商標)樹脂(例えば、Amberlite(登録商標)IRA−67、Amberlite(登録商標)強塩基性、Amberlite(登録商標)弱塩基性)、コレスチラミン樹脂、ProPac(登録商標)樹脂(例えば、ProPac(登録商標)SAX−10、ProPac(登録商標)WAX−10、ProPac(登録商標)WCX−10)、TSK−GEL(登録商標)樹脂(例えば、TSKgel DEAE−NPR、TSKgel DEAE−5PW)およびAcclaim(登録商標)樹脂が挙げられるが、これらに限らない。特定の実施形態では、イオン交換樹脂は、Dowex(登録商標)イオン交換樹脂(例えば、Dowex M−43イオン交換樹脂)である。
ポリマー溶液を第2の固相で処理することは、多種多様な条件下で遂行することができる。時間および/または温度および/または第2の固相の種類は、異なり得る。特定の実施形態では、第2の固相は、イオン交換樹脂であり、その相対濃度は異なり得る。処理は、バッチ処理または連続処理であってよい。
一部の実施形態では、ポリマー溶液と第2の固相の間の接触時間は、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、5、6、8、12、18、24、36、48または72時間であってよい。特定の実施形態では、ポリマー溶液およびイオン交換樹脂混合物は、少なくとも0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95℃の温度で維持してもよい。特定の実施形態では、イオン交換は、真空下、または3気圧までの任意の圧力で実施してもよい。
アニオン交換クロマトグラフィーに対する典型的な移動相として、比較的極性のある溶液、例えば水および極性有機溶媒などが挙げられる。したがって、特定の実施形態では、移動相は、約0%、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約100%のアセトンを含む。特定の実施形態では、本方法の経過中の任意の所与の時点において、移動相は、約1%から約100%、約5%から約95%、約10%から約90%、約20%から約80%、約30%から約70%、または約40%から約60%の間のアセトンを含む。特定の実施形態では、移動相は、中和されている。特定の実施形態では、移動相は中和されていない。
一部の実施形態では、本発明は、脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物を精製する方法であって、
前記重合反応の前記生成物を、酸性イオン交換体を含む第1の固相と接触させるステップと、
続いて、前記重合反応の前記生成物を、塩基性イオン交換体を含む第2の固相と接触させるステップと
を含む方法を提供する。
(実施例1)
バイアル中でのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSCでのクリーンアップの速度
背景:
この実験は、DOWEX(商標)がPPC反応ドープの溶液のクリーンアップを行う速度をより良く理解するために行った。ドープは、最初に標準的な重合を実行し、次いでp−トルエンスルホン酸の酢酸プロピル中溶液でクエンチすることによって調製した。次いで、過剰なプロピレンオキシドを、回転式蒸発を介して除去した。出発物質は、約10重量%のPPC、約90重量%の酢酸プロピルとなるよう測定し、ドープ1グラムにつき1.3×10−4mmolの触媒濃度で触媒を含有した。溶液は、薄オレンジ色であった。
手順:
A.それぞれが70gの開始ドープ物質を含有する、3つのジャーを用意した。次いで異なる量のDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC(乾燥状態で秤量し、次いで酢酸プロピルで予め湿らせておく)を各ジャーに加えた。最終的DOWEX(商標)添加量は、触媒1mmolにつき、50、100および200グラムのDOWEX(商標)であった。
B.振盪機台の上でジャーを200rpmで煽動させ、UV/Vis分析用に時間をかけてアリコートを取り出した。アリコートをPasteurピペットで取り出し、注意を払いながら、試料から樹脂ビーズを排除した。
結果:
Figure 2016020511
この実験結果は、所与の溶液が無色になる速度に対するDOWEX(商標)の添加量(触媒と比較して)の効果を実証している。一般的に、DOWEX(商標)の添加が多くなるにつれて、溶液の脱色がより高速で完全な結果となり得る。(図1を参照)
(実施例2)
充填ベッド(PPC)内でのDOWEX(商標)でのクリーンアップ
背景:
様々な商業用の実施形態において、充填ベッドが固液物質移動工程に利用されている。実験の目的は、実験室スケールの充填ベッドカラム内でのDOWEX(商標)の効力を試験することであった。
手順:
A.出発物質は、ドープ1グラムにつき触媒1.3×10−4mmolで、触媒を含有する酢酸プロピル−PPCドープ(10重量%)であった。開始する溶液の質量は780グラムであった。
B.触媒1mmolにつき100gのDOWEX(商標)という基準で充填ベッドカラムを調製した。したがって、10グラムの乾燥DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSCを酢酸プロピル中でスラリー化し、これをフリット化した、ねじ端のフィッティングを装着したガラスカラムの先端部に加えた。カラム直径は、1.5cmであった。ベッドの高さは、10cmであった。DOWEX(商標)のベッド内の推定上の液体滞留量は5mLであった。
C.ドープのビンからの再循環ループ内にポリマードープ溶液をポンプで注入し、充填ベッドカラムを介し、約16mL/minの速度でビンに戻した。このビンを磁気撹拌棒で絶えず撹拌した。
D.時間をかけて、試料をカラム入口から取り出した(すなわち、これはビンの中のドープをサンプリングすることと同じ)。
結果:
t=0から4時間、溶液の色は、オレンジ色から黄色へ、薄い淡黄色/緑色へ、無色透明の溶液へと徐々に変化した。
様々な実施形態では、充填ベッドカラム内でのDOWEX(商標)樹脂ビーズの使用は、実行可能な方策であり、この方策により触媒除去およびその後のPPCポリマードープの脱色が遂行される。
(実施例3)
充填ベッド(PPCポリオール)内でのDOWEX(商標)でのクリーンアップ
背景:
この実験の目的は、異なるポリマーおよび触媒系における充填ベッド工程の実行可能性を判定することである。
手順:
A.出発物質は、ドープ1グラムにつき触媒1.6×10−3mmolで触媒を含有する酢酸エチルドープ中のPPCポリオールポリマー(40重量%ポリマー)であった。開始する溶液の質量は3500グラムであった。
B.触媒1mmolにつき100gのDOWEX(商標)という基準で充填ベッドカラムを調製した。したがって、600グラムの乾燥DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSCを酢酸エチル中でスラリー化し、2’’i.d.ガラスカラムに充填した。ベッドの高さは、16.5インチであった。DOWEX(商標)のベッド内の推定液体滞留量は330mLであった。
C.2−ガロンの反応器ポットから再循環ループ内にポリマードープ溶液をポンプで注入し、充填ベッドカラムを通して、約85mL/minの速度でポットに戻した。このポットを持続的に撹拌した。
D.時間をかけて、試料をカラム入口から取り出した(すなわち、これはポットの中のドープをサンプリングすることと同じ)。
結果:
t=0から4時間、溶液の色は、オレンジ色から黄色へ、薄い淡黄色/緑色へ、非常に無色透明の溶液へと徐々に変化した。試料は、t=0、t=20minおよびt=3時間で測定し、UV/Visを介して解析した(図2を参照されたい)。
充填ベッドカラム内でのDOWEX(商標)樹脂ビーズの使用は、触媒を除去し、PPCポリマードープを脱色するための実行可能な方策であり得る。充填ベッドカラムを介した再循環により、触媒および色を除去することによって、少なくとも90%は、UV/vis吸収を削減することができる。
(実施例4)
DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂で処理した、酢酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、酢酸でクエンチしたポリマードープに対して、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の29.77gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322、800mol濃度当量の酢酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには、0.297gのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は、2.5358であり、処理前のPPC溶液は、3.29であった。処理した試料の400nmでの吸光度は0.4238であり、処理前のPPC溶液は、0.4837であった(図3を参照されたい)。
(実施例5)
DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂で処理した、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたポリマードープに対して、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の28.2546gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応を、1mol当量のp−トルエンスルホン酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには、0.2823gのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は0.2552であり、処理前のPPC溶液は、3.00であった。処理した試料の400nmでの吸光度は0.0207であり、処理前のPPC溶液は、0.6699であった(図4を参照されたい)。
(実施例6)
トシル酸で誘導体化されたシリカゲルで処理した、酢酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、酢酸でクエンチしたPPCポリマードープに対して、p−トルエンスルホン酸で誘導体化されたシリカゲル樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の27.6gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応は、800mol濃度当量の酢酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。次に、0.2744gのSi−トシル酸で誘導体化したシリカ(Silicycle Chemical Division、SCX40−63um粒度、0.59mmol/g官能基)を加え、200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、0.45ミクロンPallシリンジフィルターを介して5mlの溶液を濾過し、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で測定した。処理した試料の265nmでの吸光度は、0.9136であり、処理前のPPC溶液は、3.29であった。処理した試料の400nmでの吸光度は、0.1311であり、処理前のPPC溶液は、0.4837であった(図5を参照されたい)。
(実施例7)
トシル酸で誘導体化されたシリカで処理した、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたポリマードープに対して、p−トルエンスルホン酸で誘導体化されたシリカ樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の30.9133gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応を、1mol当量p−トルエンスルホン酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには0.3118gのSi−トシル酸で誘導体化されたシリカ(Silicycle Chemical Division、40〜63um粒度、0.59mmol/g官能基)も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、0.45ミクロンPallシリンジフィルターを介して5mlのPPC溶液を濾過し、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は、0.3128であり、処理前のPPC溶液は、3.00であった。処理した試料の400nmでの吸光度は、0.0028であり、処理前のPPC溶液は、0.6699であった(図6を参照されたい)。
Figure 2016020511
(実施例8)
触媒除去および脱色のための代表的樹脂ベッドでの処理
本実施例は、2つの充填樹脂ベッドを用いたポリマードープクリーンアップ法を実証している。第1の樹脂ベッドは、触媒を除去し、ポリマードープ溶液を脱色するために使用される強酸カチオン型樹脂(例えば、Dowex MSC−H)を含有する。第2の樹脂は、ポリマードープ溶液から残留する酸(例えば、クエンチ剤からおよび/または第1の樹脂の浸出液から)を除去するために使用される酸捕捉樹脂(例えば、Dowex M−43)である。
手順:残留するエポキシドを除去し(例えば、<1000ppmの濃度へ)、大きな沈殿物を濾過して除去することにより、供給溶液を調製した。触媒1グラムにつき約40mlの樹脂ベッドが生じるよう、第1のカラム用の樹脂を量り分けた。次いで、洗浄物の色がなくなるまでこの樹脂を水で洗浄し、残留する水を流し、アセトン中に懸濁させた。次いで、アセトンを半分まで予備充填済みの第1のカラムに、この樹脂−アセトンのスラリーを注ぎ入れた。充填が済んだら、樹脂の上の空いたスペースを満たすよう、アセトンをカラムいっぱいに入れた。次いでこの手順を反復し、M−43樹脂を含有する第2のカラムを調製した。このカラムは、図23に示されたように設定し、強酸樹脂カラムの出口から、酸捕捉樹脂カラムへと投入物を供給した。20ベッドボリューム/hrの速度で1時間、ベッドを介してポンプで新鮮なアセトンを注入し、溶媒の流速は、圧力が形成され、ベッドに充填されるよう、必要に応じて制限したり放出させたりした。アセトンのフラッシュが完了したら、流速を毎時2ベッドボリュームまで低下させ、供給ラインをポリマー/触媒/溶媒の供給流に移動させた。最初の1時間(2ベッドボリューム)は、流出液を廃棄物として収集し、その後生成物流の収集を開始した。供給溶液が消費されたら、系を2ベッドボリュームのアセトンでフラッシュし、透明で、主に無色の生成物溶液からポリマーを回収した。
前述のものは、本開示の非限定的な好ましい実施形態の記載である。この記載に対する様々な変更および修正が、以下の特許請求の範囲で定義されている、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく作成され得ることを、当業者であれば理解されたい。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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