JP2016020511A - ポリカーボネートの精製 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
触媒により触媒作用を受けた脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物から該触媒を除去する方法であって、該触媒が遷移金属配位子錯体を含み、該重合反応の該生成物を、イオン交換体を含む固相と接触させるステップを含む方法。
(項目2)
前記イオン交換体がイオン交換樹脂を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記イオン交換樹脂が、ポリスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルベンゼンで架橋結合したポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィンおよびポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択されるポリマーを含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記イオン交換樹脂が、ジビニルベンゼンで架橋結合したポリスチレンを含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記イオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂を含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記カチオン交換樹脂が酸を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記カチオン交換樹脂がスルホン酸樹脂を含む、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記イオン交換体が無機の固相を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記無機の固相が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、モレキュラーシーブ、ゼオライトおよび粘土からなる群から選択される、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記重合反応が、共触媒をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記共触媒が、ルイス塩基である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記ルイス塩基が、N−メチルイミダゾール(N−MeIm)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記共触媒が、塩である、項目10に記載の方法。
(項目14)
前記塩が、アンモニウム塩、ホスホニウム塩またはアルソニウム塩である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記アンモニウム塩が、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムブロミドまたはビス(トリフェニルホスフィン)イミニウムアセテートである、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ホスホニウム塩が、テトラフェニルホスホニウムアセテートである、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記金属が、6族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記遷移金属が、クロムまたはモリブデンである、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記遷移金属が、7族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記遷移金属が、マンガンである、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記遷移金属が、9族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記遷移金属が、コバルトである、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記遷移金属が、12族遷移金属である、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記遷移金属が、カドミウムである、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記遷移金属配位子錯体が、サレン配位子を含む、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記サレン配位子が、以下からなる群から選択される、項目25に記載の方法
(式中、
Rdは、出現するたびに、独立して、
の基、場合によって置換されているC1〜C20脂肪族、場合によって置換されているC1〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリール、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR11R12、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−NR11R12、−N+(R11)3、−NR11C(O)R10、−NR11C(O)OR13、−NR11SO2R13、−NCO、−N3、−NO2、−S(O)xR13m −SO2NR11R12、−NO2、−C(R13)zH(3−z)、−(CH2)kR14、−(CH2)k−Z−R16−、および−(CH2)k−Z−(CH2)m−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なRd基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
Rd’は、出現するたびに、独立して、−H、C1−C12アルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12アルキニル、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−C(R13)zH(3−z)、−(CH2)kR14、−(CH2)k−Z−R16−、−(CH2)k−Z−(CH2)m−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なRd’基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
Aは、−O−、−S(O)x−、−(CH2)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14)xH(2−x))k−、C3からC8の置換または非置換の炭素環およびC1〜C8の置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
R10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13)zH(3−z)、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)2R13、−Si(R15)3およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
R11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、場合によって置換されているC1〜C20脂肪族、場合によって置換されているC1〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリールおよび−C(R13)zH(3−z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
R13は、出現するたびに、−H、場合によって置換されているC1〜C20脂肪族、場合によって置換されているC1〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6〜14員のアリール、場合によって置換されている5〜14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択される、場合によって置換されている部分であり、
R14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR11R12、−CN、−CNO、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−NR11R12、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO2R13、−NCO、−N3、−NO2、−S(O)xR13、−SO2NR11R12、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
R15は、出現するたびに、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
R16は、出現するたびに、独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの複素環、C12までの炭素環および−C(R13)zH(3−z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)a−、−(CH=CH)a−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR11R12)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)x−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
は、共有結合テザーを介して前記配位子に結合している、1つまたは複数の、独立して定義された共触媒部分を表し、
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている前記重合反応において、共触媒として作用することが可能な任意の部分を表し、適切な共触媒部分として、これらに限らないが、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられ、mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、前記テザー上に存在するZ’基の数を表し、
は、1つまたは複数の原子からなる共有結合のテザーを表し、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
(項目27)
前記触媒の遷移金属錯体が、以下からなる群から選択される、項目26に記載の方法
(式中、Mは遷移金属である)。
(項目28)
前記触媒の遷移金属錯体が、以下からなる群から選択される、項目27に記載の方法
(式中、Mは遷移金属である)。
(項目29)
前記遷移金属配位子錯体が、ポルフィリン配位子を含む、項目1に記載の方法。
(項目30)
前記遷移金属配位子錯体が、重合開始剤を含む、項目1に記載の方法。
(項目31)
前記脂肪族ポリカーボネートが、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(シクロペンテンカーボネート)、ポリ(シクロオクテンカーボネート)、ポリ(リモネンカーボネート)、およびポリ(ノルボルネンカーボネート)からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目32)
前記生成物が、溶媒を含む、項目1に記載の方法。
(項目33)
前記溶媒が、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、アセトン、ブタノン、テトラヒドロフランおよびこれらの組合せからなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記生成物が、実質的にエポキシドを含まない、項目1に記載の方法。
(項目35)
前記接触のステップの前に、前記触媒作用を受けた脂肪族重合反応が、酸でクエンチされた、項目1に記載の方法。
(項目36)
前記酸が、非求核性アニオンを含有する、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記酸が、p−トルエンスルホン酸である、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記固相が、複数のビーズを含み、前記接触のステップが、前記生成物を前記複数のビーズと接触させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目39)
前記複数のビーズが、カラム内に配置され、前記接触のステップが、該カラムに前記生成物を流し込むことを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記接触のステップが、前記生成物を、前記カラムを通して再循環させることを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記複数のビーズが、容器内に配置され、前記接触のステップが、前記生成物と前記複数のビーズを混合することを含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記固相が、多孔性物質を含み、前記接触のステップが、前記生成物を該多孔性の物質と接触させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目43)
前記接触のステップが、前記生成物を前記多孔性物質の少なくとも一部分に流し込むことを含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記固相が、ポリスチレン、ジビニルベンゼンおよびこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目45)
前記固相が、シリカを含む、項目1に記載の方法。
(項目46)
前記固相が、スルホン酸で誘導体化されたポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目47)
前記固相が、スルホン酸で誘導体化されたシリカを含む、項目1に記載の方法。
(項目48)
前記ポリマー溶液を第2の固相と接触させるステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目49)
前記第2の固相が酸吸収樹脂である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記酸吸収樹脂がアニオン交換樹脂である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記生成物が、ポリ(プロピレンカーボネート);ポリ(エチレンカーボネート);ポリ(ブチレンカーボネート);ポリ(シクロヘキセンカーボネート);ポリ(3−ビニルシクロヘキセンカーボネート);ポリ(リモネンカーボネート);ポリ(ノルボルネンカーボネート);ポリ(シクロペンテンカーボネート);ポリ(シクロオクテンカーボネート);およびこれらのうちの任意の2つ以上のコポリマーからなる群から選択される脂肪族ポリカーボネートを含む、項目1に記載の方法。
(項目52)
前記生成物が、ポリ(プロピレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目53)
前記生成物が、ポリ(エチレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目54)
前記生成物が、プロピレンオキシド、二酸化炭素、ならびにエチレンオキシド、エピクロロヒドリン、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−ビニルシクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、ノルボルネンオキシドおよびリモネンオキシドからなる群から選択される1つまたは複数のエポキシドのポリマーを含む、項目1に記載の方法。
(項目55)
前記生成物が、ポリ(エチレン−co−プロピレンカーボネート)を含む、項目1に記載の方法。
(項目56)
前記遷移金属配位子錯体が、以下からなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目57)
MがCo(III)である、項目56に記載の方法。
(項目58)
脂肪族ポリカーボネート重合反応の生成物を精製する方法であって、
該重合反応の生成物を、酸性イオン交換体を含む第1の固相と接触させるステップと、
続いて、該重合反応の生成物を、塩基性イオン交換体を含む第2の固相と接触させるステップと
を含む方法。
特定の官能基および化学的用語の定義は、以下でより詳細に記載されている。本発明の目的のため、化学元素は、Periodic Table of the Elements、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、内表紙に従い特定され、特定の官能基は、本明細書中で記載の通り、一般的に定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに特定の官能基の部分および反応性は、それぞれの全体の内容が本明細書に参照により組み込まれている、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999年、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons, Inc.、New York、2001年、Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers, Inc.、New York、1989年、Carruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987年に記載されている。
本開示の一実施形態において、APCポリマーは、ポリ(プロピレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(エチレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(ブチレンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(3−ビニルシクロヘキセンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(リモネンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(ノルボルネンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロペンテンカーボネート)である。本開示の別の実施形態において、APCポリマーは、ポリ(シクロオクテンカーボネート)である。
一態様では、本開示は、触媒の金属配位子錯体の存在下、エポキシドを二酸化炭素と合わせることによって、脂肪族ポリカーボネート(APC)重合反応を開始させるステップと、この重合反応をある期間に渡り進行させることによって、ポリカーボネート鎖を含む反応混合物を形成するステップとを含む方法を提供する。様々なエポキシドおよび触媒の遷移金属錯体が本開示された方法に使用することができることを当業者であれば理解されたい。
R2a、R2a’は、独立して、
各Rは、独立して、水素であるか、アシル;カルバモイル;アリールアルキル;6から10員のアリール;C1〜12脂肪族;C1〜12ヘテロ脂肪族;窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、5から10員のヘテロアリール;4から7員のヘテロシクリル;酸素保護基ならびに窒素保護基からなる群から選択される、場合によって置換されている基であるか、または、
同じ窒素原子上の2つのRが、窒素と一緒になって、4から7員の複素環式環を形成し、[R2a’およびR3a’]、[R2aおよびR3a]、[R1aおよびR2a]ならびに[R1a’およびR2a’]のいずれかは、場合によって、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、この環は、1つまたは複数のR20a基で置換されていてもよく、
R4aは、
2つ以上のRc基が、介在する原子および任意の介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成してもよく、
2つのRc基が同じ炭素原子に結合している場合、これらは、これらが結合している炭素原子と一緒になって、3から8員のスピロ環式環、カルボニル、オキシム、ヒドラゾン、イミンからなる群から選択される部分を形成してもよい)からなる群から選択され、
X1は、エポキシドの開環が可能な求核剤であり、
Yは、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)NR−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NR)−、または−N=N−;ポリエーテル;C3からC8の置換もしくは非置換の炭素環、およびC1からC8の置換もしくは非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている重合反応において共触媒として作用することが可能な任意の部分を表す。適切な共触媒部分として、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限らず、
mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、テザー上に存在するZ’基の数を表し、
Rd’は、出現するたびに、独立して、−H、C1−C12アルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12アルキニル、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−C(R13)zH(3−z)、−(CH2)kR14、−(CH2)k−Z−R16−、−(CH2)k−Z−(CH2)m−R14からなる群から選択され、2つ以上の適切なRd’基は、介在する原子と一緒になって、1つまたは複数の環を形成することができ、
Aは、−O−、−S(O)x−、−(CH2)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14)xH(2〜x))k−、C3からC8の置換または非置換の炭素環およびC1〜C8の置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
R10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13)zH(3〜z)、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)2R13、−Si(R15)3およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
R11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、場合によって置換されているC1〜C20脂肪族、場合によって置換されているC1〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6から14員のアリール、場合によって置換されている5から14員のヘテロアリールおよび−C(R13)zH(3〜z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
R13は、出現するたびに、−H、場合によって置換されているC1〜C20脂肪族、場合によって置換されているC1〜C20ヘテロ脂肪族、場合によって置換されている6〜14員のアリール、場合によって置換されている5〜14員のヘテロアリールからなる群から独立して選択される、場合によって置換されている部分であり、
R14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR11R12、−CN、−CNO、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−NR11R12、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO2R13、−NCO、−N3、−NO2、−S(O)xR13、−SO2NR11R12、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
R15は、出現するたびに、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
R16は、出現するたびに、独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの複素環(heterocylic)、C12までの炭素環および−C(R13)zH(3〜z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)a−、−(CH=CH)a−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR11R12)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)x−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
各Z’は、独立して、本明細書中に記載されている重合反応において、共触媒として作用することが可能な任意の部分を表し、適切な共触媒部分として、これらに限らないが、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、グアニジウム塩、アゾニウム塩、アミノ基、ホスフィン基、グアニジン基、アミジン基、複素環基およびヘテロアリール基が挙げられ、
mは、1から4の整数(1と4を含む)であり、テザー上に存在するZ’基の数を表し、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
Rdは、出現するたびに、独立して、−H、C1−C12アルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12アルキニル、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR11R12、−CN、−CNO、−C(O)R13、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−NR11R12、−NR11C(O)R10、−NR11C(O)OR13、−NR11SO2R13、−NCO、−N3、−NO2、−S(O)xR13m −SO2NR11R12、−NO2、−C(R13)zH(3−z)、−(CH2)kR14、−(CH2)k−Z−R16−、および−(CH2)k−Z−(CH2)m−R14からなる群から選択され、
Aは、−O−、−S(O)x−、−(CH2)−、−C(O)−、−C(=NOR10)−、−(C(R14)xH(2〜x))k−、C3からC8の置換または非置換の炭素環およびC1〜C8の置換または非置換の複素環からなる群から選択される二価のリンカーであり、
R10は、出現するたびに、独立して、−H、−C(R13)zH(3〜z)、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環、−S(O)2R13、−Si(R15)3およびヒドロキシル保護基からなる群から選択され、
R11およびR12は、出現するたびに、独立して、−H、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニルおよび−C(R13)zH(3〜z)からなる群から選択され、R11およびR12は、両方存在する場合、場合によって、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の環を形成することができ、
R13は、出現するたびに、−H、b)C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12までの炭素環、C12までの複素環からなる群から独立して選択され、
R14は、出現するたびに、独立して、ハロゲン、−OR10、−OC(O)R13、−OC(O)OR13、−OC(O)NR11R12、−CN、−CNO、−C(R13)zH(3−z)、−C(O)R13、−C(O)OR13、−C(O)NR11R12、−NR11R12、−NR11C(O)R13、−NR11C(O)OR10、−NR11SO2R13、−NCO、−N3、−NO2、−S(O)xR13、−SO2NR11R12、C12までの複素環およびC12までの炭素環からなる群から選択され、
R15は、出現するたびに、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、およびC12までの置換または非置換の炭素環からなる群から選択され、
R16は、出現するたびに、独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C12の複素環、C12までの炭素環および−C(R13)zH(3〜z)からなる群から選択され、
Zは、−(CH=CH)a−、−(CH≡CH)a−、−C(O)−、−C(=NOR11)−、−C(=NNR11R12)−、−O−、−N(R11)−、−N(C(O)R13)−、−S(O)x−、ポリエーテル、およびポリアミンからなる群から選択される二価のリンカーであり、
aは、1、2、3または4であり、
kは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
mは、1から8の整数(1と8を含む)であり、
xは、0、1または2であり、
yは、0、1、2、3または4であり、
zは、1、2または3である)。
一態様では、本開示は、反応混合物を、重合開始剤ではないアニオンを含有する酸と接触させることによって、重合反応をクエンチするステップを含む方法を提供する。
様々な態様では、上に記載の反応、方法および手順は、粗製のAPC生成物または「ポリマードープ」を生成する。ポリマードープは、溶媒中に存在してもよく、この混合物は、APCに加えて、反応副生成物、未反応の反応体および触媒をさらに含有してもよい。
様々な態様では、有機イオン交換物質は、三次元構造体、すなわちマトリックスを一般的に所有する。様々な態様では、官能基は、この構造体に結合するか、またはポリマー鎖内に直接組み込まれていてもよい。マトリックスは、比較的短い連結により互いに架橋結合した直線状のポリマー鎖から構成されていてもよい。例として、様々な態様では、本開示は、ジビニルベンゼンと架橋結合しているスルホン化ポリスチレンなどのイオン交換物質の使用を含む。
前記重合反応の前記生成物を、酸性イオン交換体を含む第1の固相と接触させるステップと、
続いて、前記重合反応の前記生成物を、塩基性イオン交換体を含む第2の固相と接触させるステップと
を含む方法を提供する。
バイアル中でのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSCでのクリーンアップの速度
背景:
この実験は、DOWEX(商標)がPPC反応ドープの溶液のクリーンアップを行う速度をより良く理解するために行った。ドープは、最初に標準的な重合を実行し、次いでp−トルエンスルホン酸の酢酸プロピル中溶液でクエンチすることによって調製した。次いで、過剰なプロピレンオキシドを、回転式蒸発を介して除去した。出発物質は、約10重量%のPPC、約90重量%の酢酸プロピルとなるよう測定し、ドープ1グラムにつき1.3×10−4mmolの触媒濃度で触媒を含有した。溶液は、薄オレンジ色であった。
A.それぞれが70gの開始ドープ物質を含有する、3つのジャーを用意した。次いで異なる量のDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC(乾燥状態で秤量し、次いで酢酸プロピルで予め湿らせておく)を各ジャーに加えた。最終的DOWEX(商標)添加量は、触媒1mmolにつき、50、100および200グラムのDOWEX(商標)であった。
(実施例2)
充填ベッド(PPC)内でのDOWEX(商標)でのクリーンアップ
背景:
様々な商業用の実施形態において、充填ベッドが固液物質移動工程に利用されている。実験の目的は、実験室スケールの充填ベッドカラム内でのDOWEX(商標)の効力を試験することであった。
A.出発物質は、ドープ1グラムにつき触媒1.3×10−4mmolで、触媒を含有する酢酸プロピル−PPCドープ(10重量%)であった。開始する溶液の質量は780グラムであった。
t=0から4時間、溶液の色は、オレンジ色から黄色へ、薄い淡黄色/緑色へ、無色透明の溶液へと徐々に変化した。
充填ベッド(PPCポリオール)内でのDOWEX(商標)でのクリーンアップ
背景:
この実験の目的は、異なるポリマーおよび触媒系における充填ベッド工程の実行可能性を判定することである。
A.出発物質は、ドープ1グラムにつき触媒1.6×10−3mmolで触媒を含有する酢酸エチルドープ中のPPCポリオールポリマー(40重量%ポリマー)であった。開始する溶液の質量は3500グラムであった。
t=0から4時間、溶液の色は、オレンジ色から黄色へ、薄い淡黄色/緑色へ、非常に無色透明の溶液へと徐々に変化した。試料は、t=0、t=20minおよびt=3時間で測定し、UV/Visを介して解析した(図2を参照されたい)。
DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂で処理した、酢酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、酢酸でクエンチしたポリマードープに対して、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の29.77gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322、800mol濃度当量の酢酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには、0.297gのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は、2.5358であり、処理前のPPC溶液は、3.29であった。処理した試料の400nmでの吸光度は0.4238であり、処理前のPPC溶液は、0.4837であった(図3を参照されたい)。
DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂で処理した、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたポリマードープに対して、DOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の28.2546gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応を、1mol当量のp−トルエンスルホン酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには、0.2823gのDOWEX(商標)MARATHON(商標)MSC樹脂も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は0.2552であり、処理前のPPC溶液は、3.00であった。処理した試料の400nmでの吸光度は0.0207であり、処理前のPPC溶液は、0.6699であった(図4を参照されたい)。
トシル酸で誘導体化されたシリカゲルで処理した、酢酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、酢酸でクエンチしたPPCポリマードープに対して、p−トルエンスルホン酸で誘導体化されたシリカゲル樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の27.6gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応は、800mol濃度当量の酢酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。次に、0.2744gのSi−トシル酸で誘導体化したシリカ(Silicycle Chemical Division、SCX40−63um粒度、0.59mmol/g官能基)を加え、200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、0.45ミクロンPallシリンジフィルターを介して5mlの溶液を濾過し、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で測定した。処理した試料の265nmでの吸光度は、0.9136であり、処理前のPPC溶液は、3.29であった。処理した試料の400nmでの吸光度は、0.1311であり、処理前のPPC溶液は、0.4837であった(図5を参照されたい)。
トシル酸で誘導体化されたシリカで処理した、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたPPC溶液
この実験の目的は、p−トルエンスルホン酸でクエンチしたポリマードープに対して、p−トルエンスルホン酸で誘導体化されたシリカ樹脂を利用したポリマードープのクリーンアップの潜在的な実行可能性を確証することである。50mlバイアルに、酢酸n−プロピル中の30.9133gのPPC溶液10%固体を加えた(「Run 86」、Mn=221456、Mw=293000、PDI=1.322。この反応を、1mol当量p−トルエンスルホン酸でクエンチし、未反応のプロピレンオキシドを真空剥離により除去した)。バイアルには0.3118gのSi−トシル酸で誘導体化されたシリカ(Silicycle Chemical Division、40〜63um粒度、0.59mmol/g官能基)も加えた。200RPMのオービタルシェイカー上にバイアルを配置した。20時間後、0.45ミクロンPallシリンジフィルターを介して5mlのPPC溶液を濾過し、PPC溶液のUV−VISスキャンを石英キュベット内で行った。処理した試料の265nmでの吸光度は、0.3128であり、処理前のPPC溶液は、3.00であった。処理した試料の400nmでの吸光度は、0.0028であり、処理前のPPC溶液は、0.6699であった(図6を参照されたい)。
触媒除去および脱色のための代表的樹脂ベッドでの処理
本実施例は、2つの充填樹脂ベッドを用いたポリマードープクリーンアップ法を実証している。第1の樹脂ベッドは、触媒を除去し、ポリマードープ溶液を脱色するために使用される強酸カチオン型樹脂(例えば、Dowex MSC−H)を含有する。第2の樹脂は、ポリマードープ溶液から残留する酸(例えば、クエンチ剤からおよび/または第1の樹脂の浸出液から)を除去するために使用される酸捕捉樹脂(例えば、Dowex M−43)である。
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