JP2015188211A - プログラマブルロジックデバイスの動作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチコンテキスト方式のPLD(動的再構成可能回路)において、回路動作中に非選択コンテキストのコンフィギュレーションデータを書き換える際に、コンフィギュレーションデータを安定して格納する。【解決手段】非選択コンテキストのコンフィギュレーションデータを書き換える際に、書き換え対象となる行について、当該行の配線間スイッチの入力端子に供給されている入力信号が全て”L”もしくは少なくとも一度は”L”となるまで書き込みを続ける。より具体的には、当該行の書き込み選択信号を出力し続ける構成とする。更に、当該書き込み選択信号を出力している間は、ドライバ回路へのコンフィギュレーションデータの取り込みを行わない構成、またはドライバ回路へのコンフィギュレーションデータの取り込みまで進めておき、ラインバッファへの格納を行わない構成、のいずれかの構成とする。【選択図】図4

Description

本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。例えば、本発明は、半導体装置、その駆動方法等に関する。例えば、本発明は、プログラマブルロジックデバイス、リコンフィギャラブル回路(再構成可能回路)若しくはその駆動方法等に関する。特に、動的再構成可能回路を有する半導体装置若しくはその駆動方法等に関する。
プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)は、製造時に全ての回路が固定される通常の集積回路に対し、出荷後にユーザが現場で所望の回路構成を設定して機能させることができるデバイスである。このようにユーザがプログラム可能なデバイスとして、小規模なPAL(Programmable Array Logic)やGAL(Generic Array Logic)、規模の大きなCPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられるが、本明細書においてはこれらを含めてプログラマブルロジックデバイス(以下、PLDという。)とよぶ。
従来のASIC(Application Specific Integrated Circuit)に比べ、PLDは開発期間の短縮や設計仕様の変更に対する柔軟性などの利点を有している。そのため、近年、半導体装置への利用が進んでいる。
PLDは、例えば、複数のプログラマブルロジックエレメント(論理ブロックともいう。)と、プログラマブルロジックエレメント間の配線と、で構成される。各プログラマブルロジックエレメントの機能を変更することで、PLDの機能を変更することができる。また、プログラマブルロジックエレメント間の導通状態を変更することで、PLDの機能を変更することができる。
プログラマブルロジックエレメントは、例えば、ルックアップテーブル(LUT)やマルチプレクサなどで構成されている。このルックアップテーブルのデータを記憶する記憶素子に、特定の値を設定することでプログラマブルロジックエレメントの機能を特定することができる。また、このマルチプレクサの入力信号の選択情報を記憶する記憶素子に、特定の値を設定することでプログラマブルロジックエレメントの機能を特定することができる。
プログラマブルロジックエレメント間の配線は、例えば多数対多数の接続スイッチなどで構成されている。プログラマブルロジックエレメント間の配線の導通状態は、当該接続スイッチの導通・非導通のデータを記憶する記憶素子に、特定の値を設定することで特定することができる。
上記のルックアップテーブルのデータ、マルチプレクサの入力信号の選択情報、接続スイッチの導通・非導通のデータ等をコンフィギュレーションデータとよび、コンフィギュレーションデータを記憶する記憶素子をコンフィギュレーションメモリとよび、コンフィギュレーションデータをコンフィギュレーションメモリに設定することをコンフィギュレーションとよぶ。特に、コンフィギュレーションデータをコンフィギュレーションメモリに新たに設定(更新)することをリコンフィギュレーションとよぶ。PLDをユーザの目的に応じた回路構成に変更することは、所望のコンフィギュレーションデータを作成(プログラム)し、コンフィギュレーションを行うことで実現することができる。
PLDは、一般には、PLDを有する半導体装置の動作を停止した状態でコンフィギュレーションを行う(静的コンフィギュレーション)。一方、PLDの特徴をより活かすため、半導体装置の動作中にコンフィギュレーションを行う(動的コンフィギュレーション)ことが注目されている。より具体的には、複数の回路構成(コンテキスト)に対応して各々設定されたコンフィギュレーションデータを複数用意しておき、これらの回路機能を入れ替える。このようなPLDをマルチコンテキスト方式のPLDとよぶことがある。
動的コンフィギュレーションの方法として、特許文献1では、DRAM(Dynamic Random Access Memory)に複数の回路構成に対応した各々のコンフィギュレーションデータを各々異なるアドレスに格納しておき、コンフィギュレーションメモリをSRAM(Static Random Access Memory)で構成する。所望の回路構成のコンフィギュレーションデータをDRAMの当該アドレスから読み出し、コンフィギュレーションメモリであるSRAMに書き込むことで、短時間でコンフィギュレーションを行う方法を提案している。
ところが、上記特許文献1の構成では、コンフィギュレーションデータをDRAMに保持するため、定期的なリフレッシュ動作が必要になり、消費電力の増大を招く。また、DRAMは揮発性メモリのため、PLDの電源を投入するたびに、DRAMへのデータの格納が必要になる。したがって、コンフィギュレーションデータを保存するために、さらに別の不揮発性メモリが必要になる。さらに、電源投入の度に、当該不揮発性メモリからDRAMへの大規模なデータ転送などの手順が必要になるため、起動時間の遅れが生じる。
また、コンフィギュレーションメモリにSRAMを用いた場合、少なくともトランジスタが4つ必要となる。このためPLD全体として素子数が著しく増大し、回路面積の増大を招く。
これに対し、本発明人は、特許文献2において、コンフィギュレーションメモリにオフ電流の極めて低いトランジスタ(以下OSトランジスタと言う。)を構成要素として含む不揮発性メモリ(以下OSメモリと言う。)を用いたPLD(再構成可能回路)を提案している。
上記OSメモリは、OSトランジスタを介して記憶ノードの電荷量を制御することで、コンフィギュレーションデータを格納し記憶させる。このような構成とすることで、電荷を保持することが可能となり、不揮発性メモリを容易に実現できる。
OSメモリをコンフィギュレーションメモリ兼配線間スイッチとして用いることで、スイッチをより少ないトランジスタ数で構成することができる。このような構成とすることで、コンフィギュレーションメモリを小面積で配置することが容易となり、コンフィギュレーションメモリの集積度を高め易い。
そのため、動作中にコンフィギュレーションデータを書き換えることができるマルチコンテキスト方式のPLD(動的再構成可能回路)を構成することも容易となる。
さらに、OSメモリを用いることにより、ブースティング効果により、回路動作中における配線間スイッチ(パストランジスタとも言う。)のスイッチング速度の向上が実現できる。
特開平10−285014号公報 特開2013−251894号公報
OSトランジスタは、オフ電流が極めて低いため、記憶ノードの電荷量を十分に長い時間保持できる。そのため、OSメモリは、保持容量を小さく、あるいは無しにすることが可能である。そして、記憶ノードの保持容量が小さくできるため、ブースティング効果が、より発揮されやすい。
しかし、マルチコンテキスト方式のPLD(動的再構成可能回路)において、回路動作中に非選択コンテキストのコンフィギュレーションデータを書き換える際に、配線間スイッチの入力端子に”H”(以下、高、高電位、”1”などという場合がある)、すなわち、配線間スイッチを構成するパストランジスタのソースに”H”が入力されていると、OSメモリに”H”を書き込む場合に、十分な電位が書き込まれない場合がある。
特に、上記のように、回路動作中において、配線間スイッチにおけるブースティング効果を活用するためには、当該パストランジスタのゲートに付加する保持容量が小さい方が効果的である一方、非選択コンテキストのコンフィグレーションデータを書き換える場合には、やはりブースティング効果によって、当該ゲート電位が昇圧されてしまうので十分な電荷を記憶ノードに充電できなくなり問題となる。
そこで、本発明の一態様は、OSメモリにコンフィギュレーションデータを安定して格納することを課題とする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題とする。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、非選択コンテキストのコンフィギュレーションデータを書き換える際に、書き換え対象となる行について、当該行の配線間スイッチの入力端子に供給されている入力信号が全て”L”(以下、低、低電位、”0”などという場合がある)もしくは少なくとも一度は”L”となるまで書き込みを続けることである。より具体的には、当該行の書き込み選択信号を出力し続ける構成とする。更に、当該書き込み選択信号を出力している間は、ドライバ回路へのコンフィギュレーションデータの取り込み、あるいは、ドライバ回路におけるラインバッファへの格納を行わない構成としてもよい。
本発明の一態様は、プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、第2の信号線は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1の信号線は、第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、第2の信号線の信号が、少なくとも一度は低レベル(以下、ローレベル、Low、Lレベルという場合がある)となるまで、第1の信号線の信号を高レベル(以下、ハイレベル、High、Hレベルという場合がある)とし続けるプログラマブルロジックデバイスの動作方法である。
本発明の一態様は、プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、第2の信号線は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1の信号線は、第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、第1の時間内に第2の信号線の信号が、一度も低レベルとならない場合、第2の信号線を強制的に低レベルとするプログラマブルロジックデバイスの動作方法である。
本発明の一態様において、第1の時間は、1番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行っている状態で、t番目のコンフィギュレーションデータを書き換える場合において、次にt番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行うまでの時間を、書き換えを行う行数で割った時間を設定すればよい。
本発明の一態様は、プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、第2の信号線は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1の信号線は、第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、第2の信号線の信号が、低レベルとなっている時間の合計が第2の時間を超えるまで、第1の信号線の信号を高レベルとし続けるプログラマブルロジックデバイスの動作方法である。
本発明の一態様において、第2の時間は、電荷が充電された後に、第2の信号線が高レベルになったとしても、第1のトランジスタのゲート電位に高レベルが入力されていたとしても、第1のトランジスタはオン状態にならない電荷が充電される時間を設定すればよい。
本発明の一態様において、プログラマブルロジックデバイスは、ドライバ回路を有し、ドライバ回路は、データ信号線と第1のラッチ回路と第2のラッチ回路とを有し、第1のラッチ回路は、データ信号線からの信号を取り込む機能を有し、第2のラッチ回路は、第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を有し、第2のラッチ回路は、第1のラッチ回路からの信号を第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに出力する機能を有し、第1の信号線の信号が高レベルになった後、第2のラッチ回路の第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を停止すればよい。
本発明の一態様において、ドライバ回路を有し、ドライバ回路は、データ信号線と第1のラッチ回路と第2のラッチ回路とを有し、第1のラッチ回路は、データ信号線からの信号を取り込む機能を有し、第2のラッチ回路は、第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を有し、第2のラッチ回路は、第1のラッチ回路からの信号を第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに出力する機能を有し、第1の信号線の信号が高レベルのなった後、第2のラッチ回路の第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を停止し、データ信号線からの信号を第1のラッチ回路に取り込めばよい。
本発明の一態様において、プログラマブルロジックデバイスは、ロジックエレメントを有し、プログラマブルスイッチは、第2の信号線と、ロジックエレメントとの間の導通状態を制御する機能を有する。
本発明の一態様は、プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、プログラマブルロジックデバイスは、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数のプログラマブルスイッチと、を有し、プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、複数の第2の信号線のうちいずれか一は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、複数の第1の信号線のうちいずれか一は、第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第1のトランジスタを介して、第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、複数の第2の信号線の信号の全てが、少なくとも一度は低レベルとなるまで、第1の信号線の信号を高レベルとし続けるプログラマブルロジックデバイスの動作方法である。
本発明の一態様において、プログラマブルロジックデバイスは、複数のロジックエレメントを有し、複数のプログラマブルスイッチは、複数の第2の信号線と、複数のロジックエレメントとの間の導通状態を制御する機能を有する。
本発明の一態様により、PLD(動的再構成可能回路)の動作中におけるコンフィギュレーションデータの書き換えにおいて、OSメモリにコンフィギュレーションデータを安定して格納することができ、したがって、PLD(動的再構成可能回路)の動作信頼性を向上することができる。または、新規な半導体装置などを提供することが出来る。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
PLDの構成の一部を示す図。 回路の具体的な構成を示す図。 ドライバ回路BDの構成を示す図。 書き込み動作を説明するタイミングチャート。 半導体装置の断面構造を示す図。 トランジスタの構造を示す図。 トランジスタの構造を示す図。 半導体装置の断面構造を示す図。 電子機器の図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
なお、本明細書において、単に「接続」という場合には、電気的に接続される回路構成を含むものとする。例えば「端子と配線とが接続される」とは、端子と配線が電気的に接続されている回路構成を指すものとし、端子と配線の間に何らかの素子を有する構成を排除するものではない。「電気的に接続」や「電気的接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限はない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、本発明の半導体装置は、マイクロプロセッサ、画像処理回路、半導体表示装置用のコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコントローラなどの、半導体素子を用いた各種半導体集積回路をその範疇に含む。また、本発明の半導体装置は、上記半導体集積回路を用いたRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)、半導体表示装置などの各種装置も、その範疇に含む。半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、半導体素子を駆動回路に有しているその他の半導体表示装置が、その範疇に含まれる。
<実施の形態1>
本実施の形態では、PLD(動的再構成可能回路)の一形態を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、プロセッサにおけるPLD(動的再構成可能回路)の構成の例を示す。図1は、t個のコンテキストに対応が可能なPLD(動的再構成可能回路)においてマトリクス状に繰り返される構成のうち、一部を取り出した概念図である。更に図2として、図1のスイッチ群の構成201に示した領域の回路構成を示す。図1において、PLD(動的再構成可能回路)は、プログラマブルロジックエレメントLE、t組のコンフィギュレーションデータに対応したスイッチ群RS、ドライバ回路BD、ドライバ回路WD、から構成される。
プログラマブルロジックエレメントLEは、コンフィギュレーションメモリ、フリップフロップなどから構成され、コンフィギュレーションメモリに格納するコンフィギュレーションデータを変更することで、当該プログラマブルロジックエレメントにおける入力信号に対する出力信号を任意の論理に変更することができる。
スイッチ群RSは、コンフィギュレーションメモリ、スイッチなどから構成され、コンフィギュレーションメモリに格納するコンフィギュレーションデータを変更することで、プログラマブルロジックエレメント間、プログラマブルロジックエレメントと入出力ピン(図示せず)間の導通状態を変更することができる。
なお、t個のコンテキストに対応したコンフィギュレーションデータは、t組のセットから構成される。当該t組のセットのうち一つが、信号線CWL[1]乃至信号線CWL[t]のいずれか一つにより供給される選択信号により選択され、対応したコンフィギュレーションデータにしたがって、PLD(動的再構成可能回路)の構成が特定される。図1では、t組のコンフィギュレーションデータに対応したプログラマブルスイッチを一つのスイッチ群RSで示し、これをn行、m列分有する構成を示している。つまり図1では複数のスイッチ群RSは、t×n行×m列分のコンフィギュレーションメモリを有している。
なお、プログラマブルロジックエレメントLEの内部のコンフィギュレーションメモリに格納するコンフィギュレーションデータを変更することで、プログラマブルロジックエレメントの回路構成を変更することができる。すなわち、PLD(動的再構成可能回路)は、コンフィギュレーションデータを変更することで、プログラマブルロジックエレメント内部の回路構成及びプログラマブルロジックエレメント間の導通状態を変更することができ、したがって、任意の回路構成とすることができる。
ドライバ回路BDは、コンフィギュレーションメモリにコンフィギュレーションデータを出力する機能を有する。ドライバ回路WDは、デコーダ回路WDECを有し、信号線WADRから供給される信号により、nt行のコンフィギュレーションメモリのうち、一つの行を選択する信号を生成する構成とすることができる。なお、ドライバ回路WDは、シフトレジスタを有し、nt行のコンフィギュレーションメモリのうち、一つの行を選択する信号を順次生成する構成としても良い。選択された一つの行のコンフィグレーションメモリに、ドライバ回路BDから出力されるコンフィグレーションデータを、一括して書き込む構成としてもよい。コンフィギュレーションメモリは、信号線BLから供給されるデータを格納する。
図2に、プログラマブルスイッチPSを複数有するスイッチ群の構成(図1の201に相当)を示す。ここで、t組のコンフィギュレーションデータに対応したスイッチ群RSのm列分を示している。プログラマブルスイッチPS_1,1乃至プログラマブルスイッチPS_t,mは、各々OSトランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103、保持容量素子104から構成される。なお、保持容量素子の容量値は、コンフィギュレーションデータの保持時間やスイッチの応答速度などの要求仕様に応じて適宜設定することができる。また、要求される容量値が少ない時は、保持容量素子を意図的に設けることなく、配線間の寄生容量により構成することも可能である。
図2において、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]は、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号線と接続され、信号線PLEINは、プログラマブルロジックエレメントLEの入力信号線に接続されている。さらに、プログラマブルスイッチPS_1,1乃至プログラマブルスイッチPS_t,mは、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]と信号線PLEINとの間の導通状態を制御する機能を有する。より具体的には、信号線CWL[1]乃至信号線CWL[t]により選択されたプログラマブルスイッチPS_1,1乃至プログラマブルスイッチPS_t,mに格納されたコンフィギュレーションデータにしたがって、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]と信号線PLEINとの間の導通状態が決定する。
信号線WWL[1]乃至信号線WWL[t]により選択されたプログラマブルスイッチPS_1,1乃至プログラマブルスイッチPS_t,mは、信号線BL[1]乃至信号線BL[m]に供給されるデータを格納する。
信号線PLEINには、ラッチ回路105、リセット回路106が電気的に接続されている。ラッチ回路105は、インバータ107、トランジスタ108により構成され、信号線PLEINの電位を保持する機能を有する。
ここで、OSトランジスタ101は、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料を、チャネル形成領域に含むことを特徴とする。このような特性を有する半導体材料をチャネル形成領域に含むことで、オフ電流が極めて低いトランジスタを実現することができる。このような半導体材料としては、例えば、シリコンの約3倍程度の大きなバンドギャップを有する、酸化物半導体、炭化シリコン、窒化ガリウムなどが挙げられる。上記半導体材料を有するトランジスタは、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタに比べて、オフ電流を極めて低くすることができる。
図3に、ドライバ回路BDの構成を示す。ここで、ドライバ回路BDは、ラッチ回路301乃至ラッチ回路303から構成されるシフトレジスタ、ラッチ回路304乃至ラッチ回路306、ラッチ回路307乃至ラッチ回路309から構成されるラインバッファなどを有している。なお、図3および本実施の形態では省略しているが、ラッチ回路302とラッチ回路303の間に複数のラッチ回路があり、全て信号線SPによって直列に電気的に接続されている。ラッチ回路301乃至ラッチ回路303の数は、スイッチ群RSの列の個数と同じm個である。さらに、直列に接続されているラッチ回路305とラッチ回路308の組と、直列に接続されているラッチ回路306およびラッチ回路309の組との間に、同様の接続構成となっている複数のラッチ回路があり、それぞれ信号線DATAと信号線LATと電気的に接続されている。ラッチ回路304乃至ラッチ回路306、およびラッチ回路307乃至ラッチ回路309の合計数は、1列のスイッチ群RSに対して2個のラッチ回路が直列に電気的に接続されているので、2m個である。
シフトレジスタは、クロック信号線CK及び反転クロック信号線CKBから供給されるクロック信号及び反転クロック信号、信号線SPから供給されるスタートパルスにより制御され、信号線SEL[1]乃至信号線SEL[m]に列選択信号を順次供給する機能を有する。
ラッチ回路304乃至ラッチ回路306は、信号線SEL[1]乃至信号線SEL[m]により書き込み対象となる列が順次選択され、書き込み対象となった列のラッチ回路に、信号線DATAから供給されるシリアルデータを順次格納する機能を有する。
ラインバッファは、信号線LATから供給される信号により、ラッチ回路304乃至ラッチ回路306に格納されたデータを一括して格納し、当該データを対応する信号線BL[1]乃至信号線BL[m]に出力する機能を有する。
図4は、PLD(動的再構成可能回路)におけるコンフィギュレーションデータの書き込み動作を説明するタイミングチャートである。
ここで、PLD(動的再構成可能回路)は動作しているものとする。つまり、PLD(動的再構成可能回路)がt個のコンテキストのうち、1番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行っている状態において、t番目のコンフィギュレーションデータを書き換える場合を仮定することにする。
時刻T11乃至時刻T13において、信号線SPを”H”とすることで、時刻T12乃至時刻T13に信号線SEL[1]が”H”、時刻T13乃至時刻T14に信号線SEL[2]が”H”、時刻T15乃至時刻T16に信号線SEL[m]が”H”となる。時刻T12乃至時刻T13、時刻T13乃至時刻T14および時刻T15乃至時刻T16における信号線DATAの値をそれぞれ”H”、”L”、”L”とし、各々ラッチ回路304、ラッチ回路305、ラッチ回路306に、それぞれの信号線DATAの値が格納される。なお、信号線SPに図4のような信号を供給するために、ラッチ回路301の前段に、反転クロック信号CKBにより制御されるラッチ回路をさらに追加し、当該信号に相当する信号を生成する構成が有効である。
時刻T17乃至時刻T18において、信号線LATを”H”とする。この時、ラッチ回路304乃至ラッチ回路306のデータがラッチ回路307乃至ラッチ回路309に格納され、同時に信号線BL[1]乃至信号線BL[m]に出力される。すなわち、信号線BL[1]は”H”、信号線BL[2]は”L”、信号線BL[m]は”L”となる。
時刻T18乃至時刻T19において、信号線WWL[t]を”H”とする。この時、信号線WWL[t]に対応する行のコンフィギュレーションメモリが書き込み対象となり、信号線BL[1]、信号線BL[2]、信号線BL[m]に各々対応するコンフィギュレーションメモリに”H”、”L”、”L”が格納される。
ここで、プログラマブルスイッチPS_t,1乃至プログラマブルスイッチPS_t,mの信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となるまで、信号線WWL[t]は”H”のままとする。信号線SL[1]乃至信号線SL[m]は、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号を供給する信号線に相当する。したがって、上記を換言すれば、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号が一度は”L”となるまで、信号線WWL[t]は”H”のままとすることになる。
更に、時刻T21乃至時刻T23において、信号線SPを”H”とすることで、時刻T22乃至時刻T23に信号線SEL[1]が”H”、時刻T23乃至時刻T24に信号線SEL[2]が”H”、時刻T25乃至時刻T26に信号線SEL[m]が”H”となる。時刻T22乃至時刻T23、時刻T23乃至時刻T24および時刻T25乃至時刻T26における信号線DATAの値をそれぞれ”L”、”H”、”H”とし、各々ラッチ回路304、ラッチ回路305、ラッチ回路306に、それぞれの信号線DATAの値が格納される。
時刻T27乃至時刻T28において、信号線LATを”H”とする。この時、ラッチ回路304乃至ラッチ回路306のデータがラッチ回路307乃至ラッチ回路309に格納され、同時に信号線BL[1]乃至信号線BL[m]に出力される。すなわち、信号線BL[1]は”L”、信号線BL[2]は”H”、信号線BL[m]は”H”となる。
時刻T28乃至時刻T29において、信号線WWL[nt]を”H”とする。この時、信号線WWL[nt]に対応する行のコンフィギュレーションメモリが書き込み対象となり、信号線BL[1]、信号線BL[2]、信号線BL[m]に各々対応するコンフィギュレーションメモリに”L”、”H”、”H”が格納される。
ここで、プログラマブルスイッチPS_nt,1乃至プログラマブルスイッチPS_nt,mの信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となるまで、信号線WWL[nt]は”H”のままとする。信号線SL[1]乃至信号線SL[m]は、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号を供給する信号線に相当する。したがって、上記を換言すれば、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号をモニターし、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となるまで、信号線WWL[nt]は”H”のままとすることになる。
つまり、図1において、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]がすべて”L”になるか、一度は”L”になるかを判定する判定回路を有する構成としてもよい。あるいは、図1において、プログラムロジックエレメントLEの出力信号をモニターし、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”になるかを判定する判定回路を有する構成としてもよい。判定回路の判定によって、ドライバ回路WDの出力をコントロールする構成とすればよい。
図2のプログラマブルスイッチPS_t,1において、OSトランジスタ101をオンさせて、”H”のデータを入力させようとした場合、トランジスタ102に接続された信号線SL[1]が”H”である場合、ブートストラップ効果によって、トランジスタ102のゲート電位が上昇しているため、十分な電荷を充電することができない。信号線SL[1]が”L”となることで、ブートストラップ効果が薄れ、十分な電荷を充電することができる。いったん十分な電荷が充電された後に、信号線SL[1]が”H”になったとしても、ブートストラップ効果によって、トランジスタ102のゲート電位は上昇するため、OSトランジスタ101のゲート電位に”H”が入力されていたとしても、OSトランジスタ101はオン状態になることなく、電荷は保持される。
以上のような構成とすることで、PLD(動的再構成可能回路)の動作中におけるコンフィギュレーションデータの書き換えにおいて、OSメモリにコンフィギュレーションデータを安定して格納することができ、したがって、PLD(動的再構成可能回路)の動作信頼性を向上することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態では、ドライバ回路BDの動作について説明する。なお、ドライバ回路BDの動作には2通りあり、それぞれについて説明する。
(1)
コンフィギュレーションデータの書き込み対象となる行の選択信号(信号線WWL[t]、または信号線WWL[nt]に供給する信号)を”H”としている期間(時刻T18乃至時刻T19、または時刻T28乃至時刻T29)は、他の行のコンフィギュレーションメモリへのデータ書き込みはできない。そのため、当該期間は、クロック信号CK及び反転クロック信号CKBを停止することで、ドライバ回路BDへのコンフィギュレーションデータの取り込みを停止する構成としてもよい。
すなわち、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となった時点でクロック信号CK及び反転クロック信号CKBを再度供給し、ドライバ回路BDへのコンフィギュレーションデータの取り込みを再開する構成としている。このような構成とすることで、PLD(動的再構成可能回路)の動作を停止することなく、コンフィギュレーションメモリにデータを安定して格納することができる。更に、クロック信号を停止することによって、消費電力を削減できる。
(2)
コンフィギュレーションデータの書き込み対象となる行の選択信号(信号線WWL[t]、または信号線WWL[nt]に供給する信号)を”H”としている期間(時刻T18乃至時刻T19、または時刻T28乃至時刻T29)において、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となったか否かに係わらず、ドライバ回路BDの一部の動作、すなわち、コンフィギュレーションデータのラッチ回路304乃至ラッチ回路306への取り込みは進める構成とすることもできる。
この場合、ラッチ信号LATを”H”とする直前、すなわち、図4における時刻T17(時刻T27)の直前までに、前回の書き込み動作において信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となっていれば時刻T17(時刻T27)以降の動作、すなわち、ラッチ信号LATを”H”とする動作に進み、前回の書き込み動作において信号線SL[1]乃至信号線SL[m]の何れかが一度も”L”となっていなければラッチ信号LATを”L”としたまま、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一度は”L”となるまでクロック信号CK及び反転クロック信号CKBを停止する。
すなわち、図4における時刻T16乃至時刻T17(時刻T26乃至時刻T27)の動作を間延びさせる。このような構成とすることで、PLD(動的再構成可能回路)の動作を停止することなく、また、コンフィギュレーションデータのラッチ回路304乃至ラッチ回路306への取り込みを進めておくことで、書き込み動作から次の書き込み動作までの時間を短縮することができ、効率的に書き込みが行える。
以上のような構成とすることで、PLD(動的再構成可能回路)の動作中におけるコンフィギュレーションデータの書き換えにおいて、OSメモリにコンフィギュレーションデータを安定して格納することができ、したがって、PLD(動的再構成可能回路)の動作信頼性を向上することができる。更に、クロック信号を停止することによって、消費電力を削減できる。また、(2)において、書き込み動作から次の書き込み動作までの時間を短縮することができ、効率的に書き込みが行える。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
<実施の形態3>
本実施の形態では、コンフィギュレーションデータの書き換えの時間に制限が設けられている場合の動作について説明する。
ドライバ回路BDの待機時間が規定の時間を超えた場合、すなわち、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]の何れかが一度も”L”とならないまま規定の時間を越えた場合、あるいは、コンフィギュレーションデータの書き換えに要する時間がトータルで規定の時間を越えた場合などについては、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]を強制的に”L”、すなわち、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号を強制的に”L”とする構成が有効である。この場合、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号を保持する回路、例えばフリップフロップなどを設け、当該フリップフロップの出力信号を一方の入力とする論理積回路などを設け、当該論理積回路の出力信号をプログラマブルロジックエレメントLEの出力信号として用いて、当該論理積回路の他方の入力とする制御信号により、プログラマブルロジックエレメントLEの出力信号を強制的に”L”とする構成が有効である。この時、当該フリップフロップの保持データが更新されないように、当該フリップフロップの書き込み制御信号を非アクティブにしておく構成が有効である。このような構成とすることで、PLDの動作を停止する時間を極力少なくして、コンフィギュレーションメモリにデータを安定して格納することができる。
規定の時間としては、例えば、実施の形態2の(1)において、1番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行っている状態で、t番目のコンフィギュレーションデータを書き換える場合において、次にt番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行うまでの時間を、書き換えを行う行数で割った時間から、ドライバ回路BDがm列分のデータをラッチ回路304乃至ラッチ回路306に取り込むのに要する時間を差し引いた時間を規定の時間として設定すればよい。
また、例えば、実施の形態2の(2)において、1番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行っている状態で、t番目のコンフィギュレーションデータを書き換える場合において、次にt番目の回路構成(コンテキスト)で動作を行うまでの時間を、書き換えを行う行数で割った時間を設定すればよい。他の設定の方法としては、ドライバ回路BDがm列分のデータをラッチ回路304乃至ラッチ回路306に取り込むのに要する時間を規定の時間として設定すればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
<実施の形態4>
本実施の形態では、PLD(動的再構成可能回路)の動作周波数が高い場合の動作について説明する。
PLD(動的再構成可能回路)の動作周波数が高い場合、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が一クロック分だけ”L”になった時など、一度は”L”となったものの”L”となる期間がコンフィギュレーションメモリへのデータ書き込みに十分な時間ではない場合がありうる。そのため、”L”となった時間の合計が、コンフィギュレーションメモリへのデータ書き込みに必要な時間に達するか、あるいは、”L”となったクロック数の合計が、必要なクロック数に達するかなどをモニターし、十分な時間分”L”となるまで、ドライバ回路BDへのコンフィギュレーションデータの取り込みを停止するか、コンフィギュレーションデータのラッチ回路304乃至ラッチ回路306への取り込みは進めて、ラッチ信号LATを”L”としたまま待機させる構成が有効である。このような構成とすることで、PLD(動的再構成可能回路)の動作を止めることなく、コンフィギュレーションメモリへのコンフィギュレーションデータの書き込みを安定して行うことができる。
また、図1において、信号線SL[1]乃至信号線SL[m]が、コンフィギュレーションメモリへのデータ書き込みに必要な時間分”L”となったか、あるいは必要なクロック数だけ”L”となったかを判定する判定回路を有する構成としてもよい。判定回路の判定によって、ドライバ回路WDの出力をコントロールする構成とすればよい。
書き込みに必要な時間としては、例えば、電荷が充電された後に、信号線SL[1]が”H”になったとしても、OSトランジスタ101のゲート電位に”H”が入力されていたとしても、OSトランジスタ101はオン状態にならない電荷が充電される時間を必要な時間として設定すればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
<実施の形態5>
ここで、ブースティング効果について説明を行う。一般的なPLDの配線リソースに含まれるスイッチには、集積密度の向上を図るためにnチャネル型トランジスタが用いられている。しかし、上記スイッチでは、閾値電圧に起因してnチャネル型トランジスタのゲートを通過する信号の電位が降下することにより生じる、スイッチング速度の低下が課題である。
しかし、図2のようなオフ電流の極めて低いOSトランジスタを構成要素として含むプログラマブルスイッチPS_1,1では、OSトランジスタ101がオフであるときトランジスタ102のゲートが、他の電極や配線との間における絶縁性が極めて高い浮遊状態になることから、以下に述べるブースティング効果が実現できる。
すなわち、プログラマブルスイッチPS_1,1では、トランジスタ102のゲートが浮遊状態にあると、信号線SL[1]の電位がローレベルからハイレベルに変化するのに伴い、スイッチとして機能するトランジスタ102のソースとゲートの間に形成される容量Cgsにより、トランジスタ102のゲートの電位が上昇する。
そして、そのトランジスタ102のゲートの電位の上昇幅は、上記トランジスタ102のゲートに入力された電位の論理値によって異なる。具体的に、プログラマブルスイッチPS_1,1に書き込まれたデータの電位が”L”の論理値に対応する場合、上記トランジスタは弱反転モードにあるため、トランジスタ102のゲートの電位の上昇に寄与する容量Cgsには、ゲート電極の電位、すなわちトランジスタ102のゲートの電位に依存しない容量Cosが含まれる。具体的に、容量Cosには、ゲート電極とソース領域とが重畳する領域に形成されるオーバーラップ容量と、ゲート電極とソース電極の間に形成される寄生容量などが含まれる。
一方、プログラマブルスイッチPS_1,1に書き込まれたデータの電位が”H”の論理値に対応する場合、上記トランジスタは強反転モードにあるため、トランジスタ102のゲートの電位の上昇に寄与する容量Cgsには、上述した容量Cosに加えて、チャネル形成領域とゲート電極の間に形成される容量Coxの一部が含まれる。したがって、電位が”H”の論理値に対応する場合、トランジスタ102のゲートの電位の上昇に寄与する容量Cgsが、電位が”L”の論理値に対応する場合よりも大きいこととなる。
よって、プログラマブルスイッチPS_1,1では、電位が”H”の論理値に対応する場合の方が、電位が”L”の論理値に対応する場合よりも、信号線SL[1]の電位の変化に伴い、トランジスタ102のゲートの電位をより高く上昇させるというブースティング効果を得ることができる。
よって、プログラマブルスイッチPS_1,1に書き込まれたデータの電位が”H”の論理値に対応する場合に、信号線BL[1]に入力されたデータを含む信号の電位に対して、スイッチが有するOSトランジスタ101の閾値電圧分、トランジスタ102のゲートの電位が降下していたとしても、ブースティング効果によりトランジスタ102のゲートの電位を上昇させることができるので、スイッチとして機能するトランジスタをオンにすることができ、プログラマブルスイッチPS_1,1のスイッチング速度を向上させることができる。
また、電位が”L”の論理値に対応する場合には、ブースティング効果によってトランジスタ102のゲート電位が上昇しても、スイッチとして機能する上記トランジスタ102をオンするほどの上昇はせず、オフのままにすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
<実施の形態6>
本実施の形態では、先の実施の形態で説明したスイッチに、OSトランジスタ101としてチャネル形成領域に酸化物半導体を用い、トランジスタ102としてチャネル形成領域に単結晶シリコンウェハを用いた場合の断面構造の例、及びその作製方法の例について、図5乃至図8を用いて説明する。
(半導体装置の断面構造の例)
図5に、図2に示したプログラマブルスイッチPS_1,1を有する半導体装置の断面構造を、一例として示す。なお、破線A1−A2で示す領域では、OSトランジスタ101及びトランジスタ102のチャネル長方向における構造を示しており、破線A3−A4で示す領域では、OSトランジスタ101及びトランジスタ102のチャネル幅方向における構造を示している。ただし、本発明の一態様では、OSトランジスタ101のチャネル長方向とトランジスタ102のチャネル長方向とが、必ずしも一致していなくともよい。
なお、トランジスタのチャネル長方向とは、ソース(ソース領域またはソース電極)及びドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)間において、キャリアが移動する方向を意味し、チャネル幅方向は、基板と水平な面内において、チャネル長方向に対して垂直の方向を意味する。
また、図5では、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するOSトランジスタ101が、単結晶のシリコン基板にチャネル形成領域を有するトランジスタ102上に形成されている場合を例示している。
トランジスタ102は、非晶質、微結晶、多結晶または単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体膜または半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。或いは、トランジスタ102は、酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。全てのトランジスタが酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有している場合、OSトランジスタ101はトランジスタ102上に積層されていなくとも良く、OSトランジスタ101とトランジスタ102とは、同一の層に形成されていても良い。
シリコンの薄膜を用いてトランジスタ102を形成する場合、当該薄膜には、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
トランジスタ102が形成される基板400は、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板等を用いることができる。図5では、単結晶シリコン基板を基板400として用いる場合を例示している。
また、トランジスタ102は、素子分離法により電気的に分離されている。素子分離法として、トレンチ分離法(STI法:Shallow Trench Isolation)等を用いることができる。図5では、トレンチ分離法を用いてトランジスタ102を電気的に分離する場合を例示している。具体的に、図5では、エッチング等により基板400に形成されたトレンチに、酸化珪素などが含まれる絶縁物を埋め込んだ後、当該絶縁物をエッチング等により部分的に除去することで形成される素子分離領域401により、トランジスタ102を素子分離させる場合を例示している。
また、トレンチ以外の領域に存在する基板400の凸部には、トランジスタ102の不純物領域402及び不純物領域403と、不純物領域402及び不純物領域403に挟まれたチャネル形成領域404とが設けられている。さらに、トランジスタ102は、チャネル形成領域404を覆う絶縁膜405と、絶縁膜405を間に挟んでチャネル形成領域404と重なるゲート電極406とを有する。
トランジスタ102では、チャネル形成領域404における凸部の側部及び上部と、ゲート電極406とが絶縁膜405を間に挟んで重なることで、チャネル形成領域404の側部と上部を含めた広い範囲においてキャリアが流れる。そのため、トランジスタ102の基板上における占有面積を小さく抑えつつ、トランジスタ102におけるキャリアの移動量を増加させることができる。その結果、トランジスタ102は、オン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高められる。特に、チャネル形成領域404における凸部のチャネル幅方向の長さ(チャネル幅)をW、チャネル形成領域404における凸部の膜厚をTとすると、チャネル幅Wに対する膜厚Tの比に相当するアスペクト比が高い場合、キャリアが流れる範囲はより広くなるため、トランジスタ102のオン電流をより大きくすることができ、電界効果移動度もより高められる。
なお、バルクの半導体基板を用いたトランジスタ102の場合、アスペクト比は0.5以上であることが望ましく、1以上であることがより望ましい。
トランジスタ102上には、絶縁膜411が設けられている。絶縁膜411には開口部が形成されている。そして、上記開口部には、不純物領域402、不純物領域403にそれぞれ電気的に接続されている導電膜412、導電膜413と、ゲート電極406に電気的に接続されている導電膜414とが、形成されている。
そして、導電膜412は、絶縁膜411上に形成された導電膜416に電気的に接続されており、導電膜413は、絶縁膜411上に形成された導電膜417に電気的に接続されており、導電膜414は、絶縁膜411上に形成された導電膜418に電気的に接続されている。
導電膜416乃至導電膜418上には、絶縁膜420が設けられている。そして、絶縁膜420上には、酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を有する絶縁膜421が設けられている。絶縁膜421は、密度が高くて緻密である程、また未結合手が少なく化学的に安定である程、より高いブロッキング効果を示す。酸素、水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜421として、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いることができる。水素、水の拡散を防ぐブロッキング効果を示す絶縁膜421として、例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を用いることができる。
絶縁膜421上には絶縁膜422が設けられており、絶縁膜422上には、OSトランジスタ101が設けられている。
OSトランジスタ101は、絶縁膜422上に、酸化物半導体を含む半導体膜430と、半導体膜430に電気的に接続された、ソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜432及び導電膜433と、半導体膜430を覆っているゲート絶縁膜431と、ゲート絶縁膜431を間に挟んで半導体膜430と重なるゲート電極434と、を有する。なお、絶縁膜420乃至絶縁膜422には開口部が設けられており、導電膜433は、上記開口部において導電膜418に接続されている。
なお、図5において、OSトランジスタ101は、ゲート電極434を半導体膜430の片側において少なくとも有していれば良いが、絶縁膜422を間に挟んで半導体膜430と重なるゲート電極を、さらに有していても良い。
OSトランジスタ101が、一対のゲート電極を有している場合、一方のゲート電極には導通状態または非導通状態を制御するための信号が与えられ、他方のゲート電極は、電位が他から与えられている状態であっても良い。この場合、一対のゲート電極に、同じ高さの電位が与えられていても良いし、他方のゲート電極にのみ接地電位などの固定の電位が与えられていても良い。他方のゲート電極に与える電位の高さを制御することで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
また、図5では、OSトランジスタ101が、一のゲート電極434に対応した一のチャネル形成領域を有する、シングルゲート構造である場合を例示している。しかし、OSトランジスタ101は、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、一の活性層にチャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
また、図5に示すように、OSトランジスタ101は、半導体膜430が、絶縁膜422上において順に積層された酸化物半導体膜430a、酸化物半導体膜430b、酸化物半導体膜430cを有する場合を例示している。ただし、本発明の一態様では、OSトランジスタ101が有する半導体膜430が、単膜の金属酸化物膜で構成されていても良い。
(トランジスタについて)
次いで、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタ590の構成例について説明する。OSトランジスタ101としてトランジスタ590を用いてもよい。
図6に、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタ590の構成を、一例として示す。図6(A)には、トランジスタ590の上面図を示す。なお、図6(A)では、トランジスタ590のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁膜を省略している。また、図6(A)に示した上面図の、破線B1−B2における断面図を図6(B)に示し、破線B3−B4における断面図を図6(C)に示す。
図6に示すように、トランジスタ590は、基板597に形成された絶縁膜591上において順に積層された酸化物半導体膜592a及び酸化物半導体膜592bと、酸化物半導体膜592bに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電膜593及び導電膜594と、酸化物半導体膜592b、導電膜593及び導電膜594上の酸化物半導体膜592cと、ゲート絶縁膜としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体膜592c上に位置する絶縁膜595と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁膜595上において酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cと重なる導電膜596とを有する。なお、基板597は、ガラス基板や半導体基板などであってもよいし、ガラス基板や半導体基板上に半導体素子が形成された素子基板であってもよい。
また、トランジスタ590の、具体的な構成の別の一例を、図7に示す。図7(A)には、トランジスタ590の上面図を示す。なお、図7(A)では、トランジスタ590のレイアウトを明確にするために、各種の絶縁膜を省略している。また、図7(A)に示した上面図の、破線B1−B2における断面図を図7(B)に示し、破線B3−B4における断面図を図7(C)に示す。
図7に示すように、トランジスタ590は、絶縁膜591上において順に積層された酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cと、酸化物半導体膜592cに電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極としての機能を有する導電膜593及び導電膜594と、ゲート絶縁膜としての機能を有し、なおかつ酸化物半導体膜592c、導電膜593及び導電膜594上に位置する絶縁膜595と、ゲート電極としての機能を有し、なおかつ絶縁膜595上において酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cと重なる導電膜596とを有する。
なお、図6及び図7では、積層された酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cを用いるトランジスタ590の構成を例示している。トランジスタ590が有する酸化物半導体膜は、積層された複数の酸化物半導体膜で構成されているとは限らず、単膜の酸化物半導体膜で構成されていても良い。
酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cが順に積層されている半導体膜をトランジスタ590が有する場合、酸化物半導体膜592a及び酸化物半導体膜592cは、酸化物半導体膜592bを構成する金属元素の少なくとも1つを、その構成要素に含み、伝導帯下端のエネルギーが酸化物半導体膜592bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下、真空準位に近い酸化物膜である。さらに、酸化物半導体膜592bは、少なくともインジウムを含むと、キャリア移動度が高くなるため好ましい。
上記構成の半導体膜をトランジスタ590が有する場合、ゲート電極に電圧を印加することで、半導体膜に電界が加わると、半導体膜のうち、伝導帯下端のエネルギーが小さい酸化物半導体膜592bにチャネル領域が形成される。即ち、酸化物半導体膜592bと絶縁膜595との間に酸化物半導体膜592cが設けられていることによって、絶縁膜595と離隔している酸化物半導体膜592bに、チャネル領域を形成することができる。
また、酸化物半導体膜592cは、酸化物半導体膜592bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体膜592bと酸化物半導体膜592cの界面では、界面散乱が起こりにくい。従って、当該界面においてキャリアの動きが阻害されにくいため、トランジスタ590の電界効果移動度が高くなる。
また、酸化物半導体膜592bと酸化物半導体膜592aの界面に界面準位が形成されると、界面近傍の領域にもチャネル領域が形成されるために、トランジスタ590の閾値電圧が変動してしまう。しかし、酸化物半導体膜592aは、酸化物半導体膜592bを構成する金属元素の少なくとも1つをその構成要素に含むため、酸化物半導体膜592bと酸化物半導体膜592aの界面には、界面準位が形成されにくい。よって、上記構成により、トランジスタ590の閾値電圧等の電気的特性のばらつきを、低減することができる。
また、酸化物半導体膜間に不純物が存在することによって、各膜の界面にキャリアの流れを阻害する界面準位が形成されることがないよう、複数の酸化物半導体膜を積層させることが望ましい。積層された酸化物半導体膜の膜間に不純物が存在していると、酸化物半導体膜間における伝導帯下端のエネルギーの連続性が失われ、界面近傍において、キャリアがトラップされるか、あるいは再結合により消滅してしまうからである。膜間における不純物を低減させることで、主成分である一の金属を少なくとも共に有する複数の酸化物半導体膜を、単に積層させるよりも、連続接合(ここでは特に伝導帯下端のエネルギーが各膜の間で連続的に変化するU字型の井戸構造を有している状態)が形成されやすくなる。
連続接合を形成するためには、ロードロック室を備えたマルチチャンバー方式の成膜装置(スパッタリング装置)を用いて各膜を大気に触れさせることなく連続して積層することが必要となる。スパッタリング装置における各チャンバーは、酸化物半導体にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて高真空排気(5×10−7Pa乃至1×10−4Pa程度まで)することが好ましい。または、ターボ分子ポンプとコールドトラップを組み合わせて排気系からチャンバー内に気体が逆流しないようにしておくことが好ましい。
高純度の真性な酸化物半導体を得るためには、各チャンバー内を高真空排気するのみならず、スパッタリングに用いるガスの高純度化も重要である。上記ガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスの露点を、−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下とし、使用するガスの高純度化を図ることで、酸化物半導体膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。具体的に、酸化物半導体膜592bがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体膜592bを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜592bとしてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=3:1:2等がある。
具体的に、酸化物半導体膜592a、酸化物半導体膜592cがIn−M−Zn酸化物(Mは、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)の場合、酸化物半導体膜592a、酸化物半導体膜592cを成膜するために用いるターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると/y<x/yであって、z/yは、1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。なお、z/yを1以上6以下とすることで、酸化物半導体膜592a、酸化物半導体膜592cとしてCAAC−OS膜が形成されやすくなる。ターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:3:8等がある。
なお、酸化物半導体膜592a及び酸化物半導体膜592cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、酸化物半導体膜592bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは3nm以上50nm以下である。
3層構造の半導体膜において、酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cは、非晶質または結晶質の両方の形態を取りうる。ただし、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜592bが結晶質であることにより、トランジスタ590に安定した電気的特性を付与することができるため、酸化物半導体膜592bは結晶質であることが好ましい。
なお、チャネル形成領域とは、トランジスタ590の半導体膜のうち、ゲート電極と重なり、かつソース電極とドレイン電極に挟まれる領域を意味する。また、チャネル領域とは、チャネル形成領域において、電流が主として流れる領域をいう。
例えば、酸化物半導体膜592a及び酸化物半導体膜592cとして、スパッタリング法により形成したIn−Ga−Zn酸化物膜を用いる場合、酸化物半導体膜592a及び酸化物半導体膜592cの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:3:2[原子数比])であるターゲットを用いることができる。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力0.4Paとし、基板温度を200℃とし、DC電力0.5kWとすればよい。
また、酸化物半導体膜592bをCAAC−OS膜とする場合、酸化物半導体膜592bの成膜には、In−Ga−Zn酸化物(In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比])を含む多結晶ターゲットを用いることが好ましい。成膜条件は、例えば、成膜ガスとしてアルゴンガスを30sccm、酸素ガスを15sccm用い、圧力を0.4Paとし、基板の温度300℃とし、DC電力0.5kWとすることができる。
なお、酸化物半導体膜592a乃至592cは、スパッタリング法により形成することができるが、他の方法、例えば、熱CVD法により形成してもよい。熱CVD法の例としてMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法を使っても良い。
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、キャリア発生源が少ないため、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近くすることができる。そのため、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタは、オフ電流が著しく小さく、信頼性が高い。そして、当該酸化物半導体膜にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、閾値電圧がプラスとなる電気的特性(ノーマリーオフ特性ともいう。)になりやすい。
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するトランジスタのオフ電流が小さいことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、高純度化された酸化物半導体膜を上記トランジスタのチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに小さいオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく小さい。
なお、半導体膜として酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体膜を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。
酸化物半導体の中でもIn−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物などは、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、スパッタリング法や湿式法により電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコン、窒化ガリウム、または酸化ガリウムとは異なり、上記In−Ga−Zn酸化物は、ガラス基板上に、電気的特性の優れたトランジスタを作製することが可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化ガリウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn酸化物、Sn−Zn酸化物、Al−Zn酸化物、Zn−Mg酸化物、Sn−Mg酸化物、In−Mg酸化物、In−Ga酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn酸化物、In−Sn−Zn酸化物、Sn−Ga−Zn酸化物、Al−Ga−Zn酸化物、Sn−Al−Zn酸化物、In−Hf−Zn酸化物、In−La−Zn酸化物、In−Pr−Zn酸化物、In−Nd−Zn酸化物、In−Ce−Zn酸化物、In−Sm−Zn酸化物、In−Eu−Zn酸化物、In−Gd−Zn酸化物、In−Tb−Zn酸化物、In−Dy−Zn酸化物、In−Ho−Zn酸化物、In−Er−Zn酸化物、In−Tm−Zn酸化物、In−Yb−Zn酸化物、In−Lu−Zn酸化物、In−Sn−Ga−Zn酸化物、In−Hf−Ga−Zn酸化物、In−Al−Ga−Zn酸化物、In−Sn−Al−Zn酸化物、In−Sn−Hf−Zn酸化物、In−Hf−Al−Zn酸化物を用いることができる。
なお、例えば、In−Ga−Zn酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
例えば、In−Sn−Zn酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
また、トランジスタ590において、ソース電極及びドレイン電極に用いられる導電性材料によっては、ソース電極及びドレイン電極中の金属が、酸化物半導体膜から酸素を引き抜くことがある。この場合、酸化物半導体膜のうち、ソース電極及びドレイン電極に接する領域が、酸素欠損の形成によりn型化される。n型化された領域は、ソース領域またはドレイン領域として機能するため、酸化物半導体膜とソース電極及びドレイン電極との間におけるコンタクト抵抗を下げることができる。よって、n型化された領域が形成されることで、トランジスタ590の移動度及びオン電流を高めることができ、それにより、トランジスタ590を用いた半導体装置の高速動作を実現することができる。
なお、ソース電極及びドレイン電極中の金属による酸素の引き抜きは、ソース電極及びドレイン電極をスパッタリング法などにより形成する際に起こりうるし、ソース電極及びドレイン電極を形成した後に行われる加熱処理によっても起こりうる。また、n型化される領域は、酸素と結合し易い導電性材料をソース電極及びドレイン電極に用いることで、より形成されやすくなる。上記導電性材料としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wなどが挙げられる。
複数の積層された酸化物半導体膜を有する半導体膜をトランジスタ590に用いる場合、n型化される領域は、チャネル領域となる酸化物半導体膜592bにまで達していることが、トランジスタ590の移動度及びオン電流を高め、半導体装置の高速動作を実現する上で好ましい。
絶縁膜591は、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cに供給する機能を有する絶縁膜であることが望ましい。また、絶縁膜591は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、ESR測定により得られる、シリコンのダングリングボンドに由来するg=2.001を持つスピンの密度が1×1018spins/cm以下であることが好ましい。
絶縁膜591は、加熱により上記酸素の一部を酸化物半導体膜592a乃至酸化物半導体膜592cに供給する機能を有するため、酸化物であることが望ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどを用いることができる。絶縁膜591は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法等により、形成することができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
なお、図6及び図7に示すトランジスタ590は、チャネル領域が形成される酸化物半導体膜592bの端部のうち、導電膜593及び導電膜594とは重ならない端部、言い換えると、導電膜593及び導電膜594が位置する領域とは異なる領域に位置する端部と、導電膜596とが、重なる構成を有する。酸化物半導体膜592bの端部は、当該端部を形成するためのエッチングでプラズマに曝されるときに、エッチングガスから生じた塩素ラジカル、フッ素ラジカル等が、酸化物半導体を構成する金属元素と結合しやすい。よって、酸化物半導体膜の端部では、当該金属元素と結合していた酸素が脱離しやすい状態にあるため、酸素欠損が形成され、n型化しやすいやすいと考えられる。しかし、図6及び図7に示すトランジスタ590では、導電膜593及び導電膜594とは重ならない酸化物半導体膜592bの端部と、導電膜596とが重なるため、導電膜596の電位を制御することにより、当該端部にかかる電界を制御することができる。よって、酸化物半導体膜592bの端部を介して導電膜593と導電膜594の間に流れる電流を、導電膜596に与える電位によって制御することができる。このようなトランジスタ590の構造を、Surrounded Channel(S−Channel)構造とよぶ。
具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ590がオフとなるような電位を導電膜596に与えたときは、当該端部を介して導電膜593と導電膜594の間に流れるオフ電流を小さく抑えることができる。そのため、トランジスタ590では、大きなオン電流を得るためにチャネル長を短くし、その結果、酸化物半導体膜592bの端部における導電膜593と導電膜594の間の長さが短くなっても、トランジスタ590のオフ電流を小さく抑えることができる。よって、トランジスタ590は、チャネル長を短くすることで、オンのときには大きいオン電流を得ることができ、オフのときにはオフ電流を小さく抑えることができる。
また、具体的に、S−Channel構造の場合、トランジスタ590がオンとなるような電位を導電膜596に与えたときは、当該端部を介して導電膜593と導電膜594の間に流れる電流を大きくすることができる。当該電流は、トランジスタ590の電界効果移動度とオン電流の増大に寄与する。そして、酸化物半導体膜592bの端部と、導電膜596とが重なることで、酸化物半導体膜592bにおいてキャリアの流れる領域が、絶縁膜595に近い酸化物半導体膜592bの界面近傍のみでなく、酸化物半導体膜592bの広い範囲においてキャリアが流れるため、トランジスタ590におけるキャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ590のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなり、代表的には電界効果移動度が10cm/V・s以上、さらには20cm/V・s以上となる。なお、ここでの電界効果移動度は、酸化物半導体膜の物性値としての移動度の近似値ではなく、トランジスタの飽和領域における電流駆動力の指標であり、見かけ上の電界効果移動度である。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体膜が典型である。
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上かつ10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上かつ5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上かつ30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上かつ100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上かつ95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上かつ120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気的特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、処理室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素、及び窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
ターゲットの一例として、In−Ga−Zn酸化物ターゲットについて以下に示す。
InO粉末、GaO粉末及びZnO粉末を所定のmol数比で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn酸化物ターゲットとする。なお、X、Y及びZは任意の正数である。ここで、所定のmol数比は、例えば、InO粉末、GaO粉末及びZnO粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3、2:1:3または3:1:2である。なお、粉末の種類、及びその混合するmol数比は、作製するターゲットによって適宜変更すればよい。特に、In、Ga、Znのmol数比が2:1:3のターゲットを用いて作製されたCAAC−OS膜は、一定の範囲におけるCAAC−OSの回折パターンが観測される領域の割合(CAAC化率ともいう)を高くすることができるので、当該CAAC−OS膜にチャネル形成領域を有するトランジスタの周波数特性(f特)を高めることができる。
なお、アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体膜に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体膜内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの電気的特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。
また、インジウムを含む金属酸化物が用いられている場合に、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも大きいシリコンや炭素が、インジウムと酸素の結合を切断し、酸素欠損を形成することがある。そのため、シリコンや炭素が酸化物半導体膜に混入していると、アルカリ金属やアルカリ土類金属の場合と同様に、トランジスタの電気的特性の劣化が起こりやすい。よって、酸化物半導体膜中におけるシリコンや炭素の濃度は低いことが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるC濃度の測定値、またはSi濃度の測定値は、1×1018/cm以下とするとよい。上記構成により、トランジスタの電気的特性の劣化を防ぐことができ、半導体装置の信頼性を高めることができる。
(半導体装置の断面構造の例)
図8に、図2に示したプログラマブルスイッチPS_1,1を有する半導体装置810の断面構造を、一例として示す。
なお、図8では、酸化物半導体膜にチャネル形成領域を有するOSトランジスタ101が、単結晶のシリコン基板にチャネル形成領域を有するトランジスタ102上に形成されている場合を例示している。
トランジスタ102は、非晶質、微結晶、多結晶または単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体膜または半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。或いは、トランジスタ102は、酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有していても良い。全てのトランジスタが酸化物半導体膜または酸化物半導体基板に、チャネル形成領域を有している場合、OSトランジスタ101はトランジスタ102上に積層されていなくとも良く、OSトランジスタ101とトランジスタ102とは、同一の層に形成されていても良い。
シリコンの薄膜を用いてトランジスタ102を形成する場合、当該薄膜には、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウェハに水素イオン等を注入して表層部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
トランジスタ102が形成される半導体基板601は、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板等を用いることができる。図8では、単結晶シリコン基板を半導体基板601として用いる場合を例示している。
また、トランジスタ102は、素子分離法により電気的に分離されている。素子分離法として、選択酸化法(LOCOS法:Local Oxidation of Silicon法)、トレンチ分離法(STI法:Shallow Trench Isolation)等を用いることができる。図8では、トレンチ分離法を用いてトランジスタ102を電気的に分離する場合を例示している。具体的に、図8では、半導体基板601にエッチング等によりトレンチを形成した後、酸化珪素などを含む絶縁物を当該トレンチに埋め込むことで形成される素子分離領域610により、トランジスタ102を素子分離させる場合を例示している。
トランジスタ102上には、絶縁膜611が設けられている。絶縁膜611には開口部が形成されている。そして、上記開口部には、トランジスタ102のソース及びドレインにそれぞれ電気的に接続されている導電膜625及び導電膜626と、トランジスタ102のゲートに電気的に接続されている導電膜627とが、形成されている。
そして、導電膜625は、絶縁膜611上に形成された導電膜634に電気的に接続されており、導電膜626は、絶縁膜611上に形成された導電膜635に電気的に接続されており、導電膜627は、絶縁膜611上に形成された導電膜636に電気的に接続されている。
導電膜634乃至導電膜635上には、絶縁膜612が形成されている。絶縁膜612には開口部が形成されており、上記開口部に、導電膜636に電気的に接続された導電膜637が形成されている。そして、導電膜637は、絶縁膜612上に形成された導電膜651に、電気的に接続されている。
また、導電膜651上には、絶縁膜613が形成されている。絶縁膜613には開口部が形成されており、上記開口部に、導電膜651に電気的に接続された導電膜652が形成されている。そして、導電膜652は、絶縁膜613上に形成された導電膜653に、電気的に接続されている。また、絶縁膜613上には、導電膜644が形成されている。
導電膜653及び導電膜644上には絶縁膜661が形成されている。そして、図8では、絶縁膜661上にOSトランジスタ101が形成されている。
OSトランジスタ101は、絶縁膜661上に、酸化物半導体を含む半導体膜701と、半導体膜701上の、ソースまたはドレインとして機能する導電膜721及び導電膜722と、半導体膜701、導電膜721及び導電膜722上のゲート絶縁膜662と、ゲート絶縁膜662上に位置し、導電膜721と導電膜722の間において半導体膜701と重なっているゲート電極731と、を有する。なお、導電膜722は、絶縁膜661に設けられた開口部において、導電膜653に電気的に接続されている。
そして、OSトランジスタ101では、半導体膜701において、導電膜721に重なる領域と、ゲート電極731に重なる領域との間に、領域710が存在する。また、OSトランジスタ101では、半導体膜701において、導電膜722に重なる領域と、ゲート電極731に重なる領域との間に、領域711が存在する。領域710及び領域711に、導電膜721、導電膜722、及びゲート電極731をマスクとしてアルゴン等の希ガス、p型の導電型を半導体膜701に付与する不純物、或いは、n型の導電型を半導体膜701に付与する不純物を添加することで、半導体膜701のうちゲート電極731に重なる領域よりも、領域710及び領域711の抵抗率を下げることができる。
そして、OSトランジスタ101上に、絶縁膜663が設けられている。
なお、図8において、OSトランジスタ101は、ゲート電極731を半導体膜701の片側において少なくとも有していれば良いが、半導体膜701を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有していても良い。
OSトランジスタ101が、半導体膜701を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有している場合、一方のゲート電極には導通状態または非導通状態を制御するための信号が与えられ、他方のゲート電極は、電位が他から与えられている状態であっても良い。この場合、一対のゲート電極に、同じ高さの電位が与えられていても良いし、他方のゲート電極にのみ接地電位などの固定の電位が与えられていても良い。他方のゲート電極に与える電位の高さを制御することで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
また、図8では、OSトランジスタ101が、一のゲート電極731に対応した一のチャネル形成領域を有する、シングルゲート構造である場合を例示している。しかし、OSトランジスタ101は、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、一の活性層にチャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
<実施の形態7>
(電子機器の例)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療機器などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図9に示す。
図9(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、携帯型ゲーム機の各種集積回路に用いることができる。なお、図9(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図9(B)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、携帯情報端末の各種集積回路に用いることができる。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能である。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図9(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、ノート型パーソナルコンピュータの各種集積回路に用いることができる。
図9(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体5301、冷蔵室用扉5302、冷凍室用扉5303等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、電気冷凍冷蔵庫の各種集積回路に用いることができる。
図9(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、ビデオカメラの各種集積回路に用いることができる。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能である。表示部5803における映像を、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図9(F)は普通自動車であり、車体5101、車輪5102、ダッシュボード5103、ライト5104等を有する。本発明の一態様にかかる半導体装置は、普通自動車の各種集積回路に用いることができる。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを行うことが出来る。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、明細書の中の図面や文章において規定されていない内容について、その内容を除くことを規定した発明の一態様を構成することが出来る。または、ある値について、上限値と下限値などで示される数値範囲が記載されている場合、その範囲を任意に狭めることで、または、その範囲の中の一点を除くことで、その範囲を一部除いた発明の一態様を規定することができる。これらにより、例えば、従来技術が本発明の一態様の技術的範囲内に入らないことを規定することができる。
具体例としては、ある回路において、第1乃至第5のトランジスタを用いている回路図が記載されているとする。その場合、その回路が、第6のトランジスタを有していないことを発明として規定することが可能である。または、その回路が、容量素子を有していないことを規定することが可能である。さらに、その回路が、ある特定の接続構造をとっているような第6のトランジスタを有していない、と規定して発明を構成することができる。または、その回路が、ある特定の接続構造をとっている容量素子を有していない、と規定して発明を構成することができる。例えば、ゲートが第3のトランジスタのゲートと接続されている第6のトランジスタを有していない、と発明を規定することが可能である。または、例えば、第1の電極が第3のトランジスタのゲートと接続されている容量素子を有していない、と発明を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、3V以上10V以下であることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。なお、例えば、その電圧が、5V以上8V以下であると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、概略9Vであると発明を規定することも可能である。なお、例えば、その電圧が、3V以上10V以下であるが、9Vである場合を除くと発明を規定することも可能である。なお、ある値について、「このような範囲であることが好ましい」、「これらを満たすことが好適である」となどと記載されていたとしても、ある値は、それらの記載に限定されない。つまり、「好ましい」、「好適である」などと記載されていたとしても、必ずしも、それらの記載には、限定されない。
別の具体例としては、ある値について、例えば、「ある電圧が、10Vであることが好適である」と記載されているとする。その場合、例えば、ある電圧が、−2V以上1V以下である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、ある電圧が、13V以上である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある物質の性質について、例えば、「ある膜は、絶縁膜である」と記載されているとする。その場合、例えば、その絶縁膜が、有機絶縁膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その絶縁膜が、無機絶縁膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その膜が、導電膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。または、例えば、その膜が、半導体膜である場合を除く、と発明の一態様を規定することが可能である。
別の具体例としては、ある積層構造について、例えば、「A膜とB膜との間に、ある膜が設けられている」と記載されているとする。その場合、例えば、その膜が、4層以上の積層膜である場合を除く、と発明を規定することが可能である。または、例えば、A膜とその膜との間に、導電膜が設けられている場合を除く、と発明を規定することが可能である。
なお、本明細書等において記載されている発明の一態様は、さまざまな人が実施することが出来る。しかしながら、その実施は、複数の人にまたがって実施される場合がある。例えば、送受信システムの場合において、A社が送信機を製造および販売し、B社が受信機を製造および販売する場合がある。別の例としては、トランジスタおよび発光素子を有する発光装置の場合において、トランジスタが形成された半導体装置は、A社が製造および販売する。そして、B社がその半導体装置を購入して、その半導体装置に発光素子を成膜して、発光装置として完成させる、という場合がある。
このような場合、A社またはB社のいずれに対しても、特許侵害を主張できるような発明の一態様を、構成することが出来る。つまり、A社のみが実施するような発明の一態様を構成することが可能であり、別の発明の一態様として、B社のみが実施するような発明の一態様を構成することが可能である。また、A社またはB社に対して、特許侵害を主張できるような発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断する事が出来る。例えば、送受信システムの場合において、送信機のみの場合の記載や、受信機のみの場合の記載が本明細書等になかったとしても、送信機のみで発明の一態様を構成することができ、受信機のみで別の発明の一態様を構成することができ、それらの発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断することが出来る。別の例としては、トランジスタおよび発光素子を有する発光装置の場合において、トランジスタが形成された半導体装置のみの場合の記載や、発光素子を有する発光装置のみの場合の記載が本明細書等になかったとしても、トランジスタが形成された半導体装置のみで発明の一態様を構成することができ、発光素子を有する発光装置のみで発明の一態様を構成することができ、それらの発明の一態様は、明確であり、本明細書等に記載されていると判断することが出来る。
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続先を特定しなくても、発明の一態様が明確であると言える。そして、接続先が特定された内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数のケース考えられる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つまり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であると言える。そして、機能が特定された発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することは可能である。したがって、ある部分を述べる図または文章が記載されている場合、その一部分の図または文章を取り出した内容も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。そして、その発明の一態様は明確であると言える。そのため、例えば、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、配線、受動素子(容量素子、抵抗素子など)、導電層、絶縁層、半導体層、有機材料、無機材料、部品、装置、動作方法、製造方法などが単数もしくは複数記載された図面または文章において、その一部分を取り出して、発明の一態様を構成することが可能であるものとする。例えば、N個(Nは整数)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を有して構成される回路図から、M個(Mは整数で、M<N)の回路素子(トランジスタ、容量素子等)を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。別の例としては、N個(Nは整数)の層を有して構成される断面図から、M個(Mは整数で、M<N)の層を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、N個(Nは整数)の要素を有して構成されるフローチャートから、M個(Mは整数で、M<N)の要素を抜き出して、発明の一態様を構成することは可能である。さらに別の例としては、「Aは、B、C、D、E、または、Fを有する」と記載されている文章から、一部の要素を任意に抜き出して、「Aは、BとEとを有する」、「Aは、EとFとを有する」、「Aは、CとEとFとを有する」、または、「Aは、BとCとDとEとを有する」などの発明の一態様を構成することは可能である。
なお、本明細書等においては、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念を導き出すことは、当業者であれば容易に理解される。したがって、ある一つの実施の形態において述べる図または文章において、少なくとも一つの具体例が記載される場合、その具体例の上位概念も、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。そして、その発明の一態様は、明確であると言える。
なお、本明細書等においては、少なくとも図に記載した内容(図の中の一部でもよい)は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。したがって、ある内容について、図に記載されていれば、文章を用いて述べていなくても、その内容は、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。同様に、図の一部を取り出した図についても、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。そして、その発明の一態様は明確であると言える。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
101 OSトランジスタ
102 トランジスタ
103 トランジスタ
104 保持容量素子
105 ラッチ回路
106 リセット回路
107 インバータ
108 トランジスタ
201 スイッチ群の構成
301 ラッチ回路
302 ラッチ回路
303 ラッチ回路
304 ラッチ回路
305 ラッチ回路
306 ラッチ回路
307 ラッチ回路
308 ラッチ回路
309 ラッチ回路
400 基板
401 素子分離領域
402 不純物領域
403 不純物領域
404 チャネル形成領域
405 絶縁膜
406 ゲート電極
411 絶縁膜
412 導電膜
413 導電膜
414 導電膜
416 導電膜
417 導電膜
418 導電膜
420 絶縁膜
421 絶縁膜
422 絶縁膜
430 半導体膜
430a 酸化物半導体膜
430b 酸化物半導体膜
430c 酸化物半導体膜
431 ゲート絶縁膜
432 導電膜
433 導電膜
434 ゲート電極
590 トランジスタ
591 絶縁膜
592a 酸化物半導体膜
592b 酸化物半導体膜
592c 酸化物半導体膜
593 導電膜
594 導電膜
595 絶縁膜
596 導電膜
597 基板
601 半導体基板
610 素子分離領域
611 絶縁膜
612 絶縁膜
613 絶縁膜
625 導電膜
626 導電膜
627 導電膜
634 導電膜
635 導電膜
636 導電膜
637 導電膜
644 導電膜
651 導電膜
652 導電膜
653 導電膜
661 絶縁膜
662 ゲート絶縁膜
663 絶縁膜
701 半導体膜
710 領域
711 領域
721 導電膜
722 導電膜
731 ゲート電極
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5101 車体
5102 車輪
5103 ダッシュボード
5104 ライト
5301 筐体
5302 冷蔵室用扉
5303 冷凍室用扉
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5601 筐体
5602 筐体
5603 表示部
5604 表示部
5605 接続部
5606 操作キー
5801 筐体
5802 筐体
5803 表示部
5804 操作キー
5805 レンズ
5806 接続部

Claims (8)

  1. プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、
    前記プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、
    前記第2の信号線は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第1の信号線は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、前記第2の信号線の信号が、少なくとも一度は低レベルとなるまで、前記第1の信号線の信号を高レベルとし続けることを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  2. プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、
    前記プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、
    前記第2の信号線は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第1の信号線は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、第1の時間内に前記第2の信号線の信号が、一度も低レベルとならない場合、前記第2の信号線を強制的に低レベルとすることを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  3. プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、第1の信号線と、第2の信号線と、プログラマブルスイッチと、を有し、
    前記プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、
    前記第2の信号線は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第1の信号線は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、前記第2の信号線の信号が、低レベルとなっている時間の合計が第2の時間を超えるまで、前記第1の信号線の信号を高レベルとし続けることを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、ドライバ回路を有し、
    前記ドライバ回路は、データ信号線と第1のラッチ回路と第2のラッチ回路とを有し、
    前記第1のラッチ回路は、前記データ信号線からの信号を取り込む機能を有し、
    前記第2のラッチ回路は、前記第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を有し、
    前記第2のラッチ回路は、前記第1のラッチ回路からの信号を前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに出力する機能を有し、
    前記第1の信号線の信号が高レベルになった後、前記第1のラッチ回路の前記データ信号線からの信号を取り込む機能を停止し、かつ、前記第2のラッチ回路の前記第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を停止することを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    ドライバ回路を有し、
    前記ドライバ回路は、データ信号線と第1のラッチ回路と第2のラッチ回路とを有し、
    前記第1のラッチ回路は、前記データ信号線からの信号を取り込む機能を有し、
    前記第2のラッチ回路は、前記第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を有し、
    前記第2のラッチ回路は、前記第1のラッチ回路からの信号を前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに出力する機能を有し、
    前記第1の信号線の信号が高レベルになった後、前記第2のラッチ回路の前記第1のラッチ回路からの信号を取り込む機能を停止し、前記データ信号線からの信号を前記第1のラッチ回路に取り込むことを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、ロジックエレメントを有し、
    前記プログラマブルスイッチは、前記第2の信号線と、前記ロジックエレメントとの間の導通状態を制御する機能を有することを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  7. プログラマブルロジックデバイスの動作方法であって、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、複数の第1の信号線と、複数の第2の信号線と、複数のプログラマブルスイッチと、を有し、
    前記プログラマブルスイッチは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートに電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体を有し、
    前記複数の第2の信号線のうちいずれか一は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記複数の第1の信号線のうちいずれか一は、前記第1のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタを介して、前記第2のトランジスタのゲートに信号を入力する際、前記複数の第2の信号線の信号の全てが、少なくとも一度は低レベルとなるまで、前記第1の信号線の信号を高レベルとし続けることを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
  8. 請求項7において、
    前記プログラマブルロジックデバイスは、複数のロジックエレメントを有し、
    前記複数のプログラマブルスイッチは、前記複数の第2の信号線と、前記複数のロジックエレメントとの間の導通状態を制御する機能を有することを特徴とするプログラマブルロジックデバイスの動作方法。
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