JP2015180957A - オキシムスルホネートおよびn−オキシイミドスルホネート光感応性酸発生剤およびそれを含むフォトレジスト - Google Patents

オキシムスルホネートおよびn−オキシイミドスルホネート光感応性酸発生剤およびそれを含むフォトレジスト Download PDF

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Abstract

【課題】短波長に於いて、最低限の吸光量で像を形成する事が可能な、新規な光感応性酸発生剤化合物(PAGs)およびそのような化合物を含むフォトレジスト組成物を提供する。【解決手段】オキシムスルホネート基および/またはN−オキシイミドスルホネート基を含む、非イオン性のPAGsであり、たとえば248nm、193nmおよび157nmのような短波長で像を形成するフォトレジストの光活性成分として用いられるPAGs。【選択図】なし

Description

背景技術
1.技術分野
本発明は、新規な光感応性酸発生剤化合物(PAGs)およびそれらの化合物を含むフォトレジスト組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、オキシムスルホネートおよびN−オキシイミドスルホネート光感応性酸発生剤化合物に関する。本発明のPAGsは、短波長で像を形成するレジストに好適に使用されるが、それらの波長としてはたとえば、サブ300nm波長およびサブ200nm波長、たとえば248nm、193nmおよび157nm、それにイオン化放射線、たとえばEUV、IPL、電子ビームおよびX線などがある。
2.背景技術
フォトレジストは、基板に像を転写するための感光性の膜である。それらはネガまたはポジの像を形成する。基板の上にフォトレジストを塗布してから、その塗膜を紫外光線のような活性化エネルギー源によりパターンを有するフォトマスクを介して露光させると、フォトレジスト塗膜に潜像が形成される。このフォトマスクには感放射線を透過しない領域と透過する領域があり、それによって下層の基板に所望の像が転写される。このレジスト塗膜の潜像パターンを現像すると、レリーフ像が得られる。フォトレジストの使用に関しては、たとえば、デフォレスト(Deforest)による『フォトレジスト材料および製造工程(Photoresist Material and Processes)』(ニューヨーク、マグローヒルブック社(McGraw Hill Book Company、New York)、1975)、および、モロー(Moreau)による『半導体リソグラフィー、原理、動作および材料(Semiconductor Lithography、Principals、Practices and Materials)』(ニューヨーク、プレナム・プレス社(Plenum Press、New York)、1988)に概説的に記載されている。
公知のフォトレジストは、現在の多くの商業的用途には充分な解像度とサイズ特性を与えることができる。しかしながら、サブミクロンの単位でより高い解像度を与えうる新規なフォトレジストを必要としている用途も多い。
官能的性質の機能を向上させる目的で、フォトレジスト組成物の構成を変更する各種の試みがなされてきた。とりわけ、フォトレジスト組成物で使用するための、光活性を有する化合物が数多く報告されている。たとえば、米国特許第4,450,360号および欧州特許出願第615163号などを参照されたい。
最近になって、ある種の「化学的に増幅された」フォトレジスト組成物が報告されるようになってきた。そのようなフォトレジストはネガ型でもポジ型でもよく、光で生成した酸の単位あたりで、複数の架橋反応(ネガ型レジストの場合)または脱保護反応(ポジ型レジストの場合)を起こす原理によっている。言い換えれば、光で生成した酸が触媒的にはたらくのである。ポジ型の化学増幅レジストの場合、ある種のカチオン性光開始剤を用いて、フォトレジストバインダーに結合しているある種の「ブロック」基を脱離させたり、フォトレジストバインダーの主鎖を構成するある種の基を脱離させている。たとえば、米国特許第5,075,199号、同第4,968,851号、同第4,883,740号、同第4,810,613号、同第4,491,628号、および、カナダ国特許出願第2,001,384号を参照されたい。そのようなレジストの塗膜層を露光させてブロック基を選択的に脱離させることで、極性官能基、たとえばカルボキシル、フェノールまたはイミド基を生成させると、その結果、レジストの塗膜層中の露光された領域と露光されない領域の間で溶解特性に差が生じることになる。
発明の開示
本発明者らは、新規な光感応性酸発生剤化合物(PAGs)を発見したが、これらはポジ型、ネガ型のいずれのフォトレジスト組成物においても使用することができる。本発明のPAGsには、オキシムスルホネート基および/またはN−オキシイミドスルホネート基が含まれる。本発明のPAGsは、短波長で像を形成するフォトレジストの光活性成分として特に有用であるが、それらの波長としては、たとえば248nm、193nmおよび157nm、またはより高エネルギー露光のたとえばEUV、IPL、電子ビームおよびX線などがある。
我々が見出したところでは、たとえば193nmのような短波長で像を形成するレジストでは、そのレジスト樹脂が芳香族を全くまたは少量しか含まないようにして吸光度を下げて最適化してあったとしても、なお過度の吸光があるという問題を依然として抱えている。特に、短波長レジストのための目標とする必要吸光量が、実質的には樹脂成分だけで消費されてしまっている可能性があることを見出したのである。
本発明のPAGsは、特に193nmにおいて良好な透過性を示すことが可能である。したがって本発明のPAGsは、193nmや157nmといった短波長で像を形成するためのフォトレジストに特に有用であり、処方されたレジストに対して、最低限の吸光量を加えるにとどめることができる。
さらに詳しくは、本発明の第1の側面においては、オキシムスルホネートPAGsでは、オキシムの炭素に1つまたは2つの電子吸引性置換基を有するようにする。本発明で好ましいオキシムスルホネートPAGsには、以下に示す化学式Iのものを含むが、
RR’C=NOS(O)Y I
ここで、RおよびR’の内少なくとも1つは、電子吸引性部分を有し、それらは、シアノ;ニトロ;ハロアルキル、特にフルオロアルキル、たとえば、−CF、−CFCFおよびその他のペルフルオロアルキル;アルカノイル;アルキルスルフィニル;アルキルスルホニル;などであり、
もしRおよびR’の内の1つだけが電子吸引性部分を有しているのならば、RおよびR’の1つは好適には炭素環式芳香族基、たとえば、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよいナフチル;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルケニル;置換されていてもよいアルキニル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族であって、好ましくは、該ヘテロ環1個につきN、OまたはS原子を1〜3個含む3〜8員からなる環を1〜3個有するものであり;
Yは水素ではない置換基で、たとえば置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルケニル;置換されていてもよいアルキニル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいアルキルチオ;置換されていてもよいアルキルスルフィニル;置換されていてもよい炭素環式芳香族基、たとえばフェニルやナフチルなどであるか、または、置換されていてもよいヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族であって、好ましくは、該ヘテロ環1個につきN、OまたはS原子を1〜3個含む3〜8員からなる環を1〜3個有するものである。
Rが電子吸引性基であり、R’が炭素環式芳香族基またはヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族基であれば好ましい。シアノは好適なR基である。特に好適なR基はハロアルキル基で、たとえば、C1−16ハロアルキル、特にフルオロアルキルで、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペルフルオロブタンなどのC1−16ペルフルオロアルキルである。
R’基として好ましいものとしては、置換されていてもよいナフチル、置換されていてもよいチエニルおよび置換されていてもよいペンタフルオロフェニルがある。
RとR’は、同一であってもよいが、より典型的には、RとR’とは別なものである。
化学式Iにおいては、(より強い光感応性酸とするためには)Y基が電子吸引性基であるのが望ましいが、そのような基としては、ハロアルキル、特にペルハロアルキル、たとえば、C1−12ペルフルオロアルキルのようなペルフルオロアルキル;フェニル、ナフチルなどのような炭素環式芳香族基で、特に、1つまたは複数の電子吸引性置換基、たとえば、ニトロ、シアノ、ハロ(特にフルオロ)で置換されているものがあり、特にペンタフルオロフェニルが好ましい。Y基としては、置換されていてもよいアルキル基のような電子供与性基もまた使用できるが、おそらく電子吸引性基よりは好ましくない。
本発明のさらなる側面においては、N−オキシイミドスルホネートPAGsも用いられるが、この場合単一のPAG化合物に2つ以上のN−オキシイミドスルホネート基が付いたものが好ましい。そのような化合物では、1モルのPAG化合物あたり、光によって生成する酸を1モル分だけ過剰に発生させることが可能である。
ビス−N−オキシイミドスルホネート化合物が一般に好ましいが、これはすなわち、2つのN−オキシイミドスルホネート基を有するPAGsである。また、芳香族基を含まないN−オキシイミドスルホネート化合物もまた好ましい。特に好ましいのは、次の化学式IIAのものである:
Figure 2015180957
ここでY’およびY”は、同一または異なった水素以外の置換基であって、たとえば、先の化学式IにおいてYとして定義した基であり;
そして、ここでの点線は2つのN−オキシイミドスルホネート基の間の(単一の化合物とするための)共有結合を示している。
このN−オキシイミドスルホネート基の間の結合として好ましいものには、各種のものがある。たとえば、N−オキシイミドスルホネート基がそれぞれ参加して5、6、7または8員の縮合環を形成し、たとえば次の化学式IIBのようなPAGsであってもよい:
Figure 2015180957
ここでY’およびY”は、先に化学式Iのところで定義したような、同一または異なった水素以外の置換基であり:
m、m’、nおよびn’はそれぞれ独立して0、1または2であり、mおよびm’、nおよびn’それぞれを合計したものは3を超えない。
化学式IIBのPAGsのうち一般的に好ましいのは、mおよびm’、nおよびn’がすべてゼロのもの、すなわち次の化学式IIB’のものである;
Figure 2015180957
ここでY’およびY”は、先に化学式Iのところで定義したような、同一または異なった水素以外の置換基である。
また別の好適な化学式IIAのPAGsとしては、2つのイミドスルホネート基がそれぞれ環を形成し、この2つのイミドスルホネート環の間にさらなる環を挿入したものがある。たとえば、好適なPAGsには、次の化学式IICのようなものがある:
Figure 2015180957
ここでY’およびY”は、同一または異なった水素以外の置換基であって、たとえば、先の化学式IにおいてYとして述べたような基であり;m、m’、nおよびn’は先に化学式IIBで定義したものと同じであり;そして、点線は、図示した2つのイミドスルホネート環の間に挿入されて縮合環を形成する、脂環式基、カーボンアリール、ヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族環を示す。
化学式IICのPAGsのうち、好ましいものとしては、m、m’、nおよびn’がすべてゼロのもの、すなわち次の化学式IIC’のものがある:
Figure 2015180957
ここでY’およびY”は、先の化学式IIAにおいて定義したものと同じであり;そして、点線は、図示した2つのイミドスルホネート環の間に挿入されて縮合環を形成する、脂環式環、炭素芳香族環、ヘテロ脂環式環またはヘテロ芳香族環を示す。
イミドスルホネート環の基の間に挿入されて縮合環を形成するものとして好ましいのは、シクロペンチル、随意に橋かけ基を有するシクロヘキシル、および、ナフチルであって、たとえば次の化学式IICa、IICbおよびIICcのような化合物である:
Figure 2015180957
Figure 2015180957
Figure 2015180957
ここで、化学式IICa、IICbおよびIICcにおいては、Y’およびY”は、化学式IIAにおいて定義したものと同じであり;そして、化学式IICaにおける点線は、随意に存在させてもよいアルキレンまたはアルケニレン基による橋かけ基であって、たとえば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH=CH−、−CH−CH=CH−などである。
化学式IIA、IIB、IIC、IICa,IICbおよびIICcにおいて、好適なY’およびY”基としては、(より強い光感応性酸とするためには)電子吸引性基があり、その例をあげれば、ハロアルキル、特にペルフルオロアルキルのようなペルハロアルキル、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロオクタンなどのようなC1−16ペルフルオロアルキル;フェニル、ナフチルなどのような炭素環式芳香族基で、特に、1つまたは複数の電子吸引性置換基、たとえば、ニトロ、シアノ、ハロ(特にフルオロ)で置換されているもので、好ましくはペンタフルオロフェニル;ヘテロ芳香族、とくに置換されていてもよいチエニル;および脂環式基およびヘテロ脂環式基などである。化学式IIA、IIB、IIC、IICa,IICbおよびIICcにおいては、電子供与性基もまた好適なY’およびY”基であり、その例としては、C1−10アルキルのようなアルキルなどがある。
本発明のPAGsはポジ型またはネガ型化学増幅フォトレジストに好適に使用される。すなわち、ネガ型レジスト組成物では、光感応性酸により架橋反応が促進され、レジストの塗膜層での露光領域を、非露光領域よりも現像液に溶解しにくくするし、一方ポジ型レジスト組成物では、1つまたは複数の組成物成分の酸不安定基に対する光感応性酸による脱保護反応が促進され、レジストの塗膜層での露光領域を、非露光領域よりも水性現像液に溶解しやすくする。本発明のフォトレジストに使用される樹脂の酸不安定基として一般に好ましいのは、3級の非環状アルキル炭素または、エステルのカルボキシル酸素に共有結合的に結合した3級脂環式炭素を含むエステル基である。
先に述べたように、本発明のフォトレジストで用いるのに好適なイメージング波長は、たとえば248nmのようなサブ300nm波長、193nmおよび157nmのようなサブ200nm波長、波長が100nm未満の放射線のような高エネルギー放射線、およびEUV、電子ビーム、イオンビームまたはX線のようなその他の高エネルギー放射線である。
特に好適な本発明のフォトレジストに含まれるのは、像形成に効果のある量の本明細書に開示されているような1種または複数のオキシムスルホネートおよび/またはN−オキシイミドスルホネートPAGsおよび、以下のものからなる群より選択される樹脂である:
1)248nmで像を形成するのに特に適した化学増幅されたポジ型レジストを与えることが可能な、酸に不安定な基を有するフェノール樹脂。このタイプの樹脂として特に好ましいのは、次のようなものである:i)ビニルフェノールとアルキルアクリレートの重合単位を有するポリマーで、重合させたアルキルアクリレート(これにはメタクリレートも含む)単位が光感応性酸の存在下で脱ブロック反応できるもの。光感応性酸誘導脱ブロック反応することが可能なアルキルアクリレート(これにはメタクリレートも含む)を例示すれば、たとえば、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、および光感応性酸誘導反応が可能なその他の非環状アルキルアクリレートおよび脂環式アクリレート(これにはメタクリレートも含む)があり;そのようなポリマーについては、米国特許第6,042,997号および同第5,492,793号(ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に記載されている;ii)ビニルフェノール、置換されていてもよいビニルフェニル(たとえばスチレン)でヒドロキシまたはカルボキシ環置換基を含まないもの、および上のポリマーi)に記載した脱ブロック基を有するアルキルアクリレート(これにはメタクリレートも含む)の重合単位を有するポリマーであり、たとえば米国特許第6,042,997号(ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に記載されているようなもの;およびiii)光感応性酸と反応するアセタールまたはケタール部分を含む繰返し単位、および随意にフェニルまたはフェノール性基のような芳香族繰返し単位を有するポリマーで、たとえば米国特許第5,929,176号および同第6,090,526号(ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に記載されているようなポリマー。
2)サブ200nm波長、たとえば193nmで像を形成するのに特に適した化学増幅されたポジ型レジストを与えることが可能で、フェニルまたはその他の芳香族基を実質的または完全に含まない樹脂。このタイプの樹脂として特に好ましいのは、次のようなものである:i)たとえば置換されていてもよいノルボルネンのような、非芳香族の環式オレフィン(環内二重結合)の重合単位を有するポリマーで、たとえば米国特許第5,843,624号および同6,048,664号(ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に記載されているようなポリマー;ii)たとえばt−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレートおよびその他の非環状アルキルアクリレートおよび脂環式アクリレートのようなアルキルアクリレート単位を含むポリマー;たとえば米国特許第6,057,083号、欧州特許公開出願EP第01008913A1号、同EP第00930542A1号、および米国におおける同時係属出願の出願番号第09/143,462号(1998年8月28日出願)(これら全てが、ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に記載されているようなポリマー;およびiii)重合させた無水物単位、特に重合させた無水マレイン酸および/または無水イタコン酸単位を有するポリマーで、たとえば、欧州特許公開出願EP第01008913A1号および米国特許第6,048,662号(これらいずれも、ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)に開示されているようなポリマー;および/または、タイプi)、ii)またはiii)の樹脂の1種または複数を組み合わせたもの、すなわち、非芳香族環式オレフィン単位を重合させたポリマー、アルキルアクリレート(これにはメタクリレートも含む)を含むポリマー、および/または重合させた無水物単位を有するポリマーの1種または複数を組み合わせたものである。
本発明のレジストにはまた、種類の異なるPAGsの混合物、典型的には2種または3種の異なったPAGsの混合物、より典型的には全部で2種の異なったPAGsからなる混合物を含んでいてもよい。この混合物のうち少なくとも1種のPAGは、本発明のオキシムスルホネートおよび/またはN−オキシイミドスルホネートPAGs化合物、好ましくは、化学式I、IIA、IIB、IIB’、IIC、IIC’、IICa、IICb、またはIICcのPAG化合物とする。この混合物中のその他のPAG(s)にも、本発明のPAGであるオキシムスルホネートおよび/またはN−オキシイミドスルホネートPAGs化合物が含まれていてもよいし、あるいは、他のタイプのPAG、たとえばヨードニウムまたはスルホニウム化合物のようなオニウム化合物またはその他の非イオン性化合物であってもよいが、ただし、芳香族成分を含んでいないことが好ましく、たとえばイミドスルホネートPAG化合物、ジスルホネートPAGなどである。そのようなPAG混合物を含むフォトレジストでは、そのリソグラフィー性能が一段と向上することもある。
本発明ではまた、本発明のフォトレジストレリーフ像を形成させるための方法も提供し、それには、サブクォーターミクロンレベルまたはそれより少ない、たとえばサブ0.2ミクロンまたはサブ0.1ミクロンレベルでの高解像度パターン化フォトレジスト像(たとえば、本質的に垂直な側壁を有するパターン化線)を形成させるための方法が含まれる。
本発明はさらに、本発明のフォトレジストおよびレリーフ像をその上にコーティングしたマイクロエレクトロニクスウェーハやフラットパネルディスプレイ基板のような、基板を含む製造物品を提供する。本発明のその他の態様については以下に記す。
発明を実施するための最良の形態
先に述べたように、本発明はオキシムスルホネート基および/またはN−オキシイミドスルホネート基を含むPAGsを提供するものであって、それらには、化学式I、IIA、IIB、IIC、IICa、IICbおよびIICcのPAGsが含まれる。
先に述べたように、本発明のPAGsの各種の置換基は随意に置換することができる。置換基の部分(化学式I、IIA、IIB、IIC、IICa、IICbおよびIICcの置換基R、R’、Y、Y’、およびY”を含む)はそれらの1または複数の可能な位置において適当に置換することが可能で、その置換基としてはたとえば、F、Cl、Brおよび/またはIのようなハロゲン、ニトロ、シアノ、スルホノ、C1−16アルキルを含むアルキル(C1−8アルキルが好ましい)、フルオロアルキル(たとえば、トリフルオロメチル)のようなハロアルキルおよびペルフルオロC1−4アルキルのようなペルハロアルキル、1または複数の酸素結合を有するC1−16アルコキシを含むアルコキシ(C1−8アルコキシが好ましい)、C2−12アルケニルを含むアルケニル(C2−8アルケニルが好ましい)、C2−12アルキニルを含むアルキニル(C2−8アルキニルが好ましい)、フェニルまたはナフチルのようなアリールおよびハロ、アルコキシ、アルケニル、アルキニルおよび/またはアルキル置換(それぞれの置換基は上記の炭素原子数をもつのが好ましい)をしたアリールのような置換されたアリールなどがある。置換されたアリール基としては、置換されたフェニル、アントラセニルおよびナフチルが好ましい。
本明細書で用いる場合、アルキル、アルケニルおよびアルキニルという用語は、特に断らない限り、環式基および非環式基のいずれをも指しているが、当然のことながら、環式基では少なくとも3個の炭素のリング構成員を含んでいる。本発明の化合物のアルケニルおよびアルキニル基は、1または複数の不飽和結合を有しているが、典型的には1から約3〜4個の不飽和結合を含む。また、本明細書で用いる場合、アルケニルおよびアルキニルという用語は、環式基および非環式基のいずれをも指しているが、直鎖状または分岐状の非環式基が一般的にはより好ましい。本発明のPAG化合物のアルコキシ基は、1または複数の酸素結合、典型的には1から約5〜6個の酸素結合を有している。本発明のPAGsのアルキルチオ基は、1または複数のチオエーテル結合、典型的には1から約5〜6個のチオエーテル結合を有している。本発明のPAG化合物のアルキルスルフィニル基は、1または複数のスルフィニル(SO)結合、典型的には1から約5〜6個のスルフィニル結合を有している。本発明のPAG化合物のアルキルスルホニル基は、1または複数のスルホニル(SO)結合、典型的には1から約5〜6個のスルホニル結合を有している。本発明のPAG化合物のアルキルアミノ基は、1または複数の一級、二級および/または三級アミノ基で、好ましくは1から約3〜4個のアミノ基を有しているのが好ましい。好適なアルカノイル基には、1または複数のカルボニル基を、典型的には1から約4〜5個のカルボニル基を有している。アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルカノイルおよびその他の基は、直鎖状または分岐状であるのが好ましい。本明細書で用いる場合、炭素環式芳香族基という用語は、1から3の単独または縮合環と環構成原子として6から約18の炭素原子を有する、非ヘテロ系芳香族基を意味しており、これらの例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アセナフチル、フェナントラシルなどがある。フェニルおよびナフチルが好適な場合が多い。ヘテロ芳香族またはヘテロアリール基で好適なものには、1から3個のリング、それぞれのリングに3から8個の構成員、1から約3個のヘテロ原子(N、OまたはS)が含まれる。特に好適なヘテロ芳香族またはヘテロアリール基をあげてみれば、クマリニル、キノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、およびベンゾチアゾールがある。
本発明のPAGsは容易に調製することができる。たとえば、本発明のPAGsのオキシムスルホネートは、化学式NCCH−R(ここでRは先に化学式Iで定義されたもの)であらわされるα−シアノ化合物を、硝酸アミルと反応させて、対応するオキシムである化学式NCCH(=NOH)Rとすることができる。このオキシムを、置換塩化スルホニル(たとえば、先の化学式Iで定義された基Yで置換したもの)と反応させることによって、式IのPAGsを調製することができる。本発明のPAGsのN−オキシイミドスルホネートは、対応する無水物たとえばビスコハク酸無水物を、ヒドロキシルアミンと反応させて対応するN−ヒドロキシイミドとすることによって好適に調製することができる。このN−ヒドロキシイミドを次いで、置換塩化スルホニル(たとえば、先の化学式IIAで定義された基Y’で置換したもの)と反応させることができる。
先に述べたように、本発明のPAGsは、フォトレジスト組成物における放射線感受性成分として有用であり、これにはポジ型およびネガ型両方の化学増幅レジスト組成物が含まれる。
典型的には本発明のフォトレジストには、樹脂バインダーおよび先に述べた本発明の光活性成分が含まれる。この樹脂バインダーには、レジスト組成物に対してアルカリ水性現像性を付与するような官能基が含まれているのが好ましい。たとえば、ヒドロキシルまたはカルボキシレートのような極性の官能基を含む樹脂バインダーが好ましい。レジスト組成物中では、レジストが水性アルカリ溶液で現像できるようにするのに充分な量の樹脂バインダーを使用するのが好ましい。
200nm以上の波長、たとえば248nmで像を形成するには通常、フェノール樹脂が好ましい。好適なフェノール樹脂は、ポリ(ビニルフェノール)であり、これは、対応するモノマーを触媒の存在下で塊状重合、乳化重合または溶液重合させることにより合成される。ポリビニルフェノール樹脂を製造するのに有用なビニルフェノールは、たとえば、市販されているクマリンまたは置換クマリンを加水分解し、次いで得られたヒドロキシケイヒ酸の脱カルボキシル化をすることによって調製できる。有用なビニルフェノールはまた、対応するヒドロキシアルキルフェノールの脱水や、置換または非置換のヒドロキシベンズアルデヒドとマロン酸との反応で得られるヒドロキシケイヒ酸を脱カルボキシル化させることによっても調製することができる。そのようなビニルフェノールから得られるポリビニルフェノール樹脂で好適なものは、その分子量が約2,000から約60,000ダルトンの範囲にある。
フェノールおよび非芳香族系環式アルコール単位を含むコポリマーもまた、本発明のレジスト用の樹脂バインダーとしては好ましく、これはノボラック樹脂またはポリ(ビニルフェノール)樹脂の部分水素化によって好適に調製することができる。そのようなコポリマーおよびフォトレジスト組成物へのその利用については、サッカレイ(Thackeray)らによる米国特許第5,128,232号に開示されている。
好ましい樹脂バインダーとしてはさらに、ビスヒドロキシメチル化化合物およびブロック・ノボラック樹脂から形成される樹脂がある。米国特許第5,130,410号および同第5,128,230号に、そのような樹脂とそのフォトレジスト組成物への使用が開示されているので、参照されたい。さらに、類似または異なった組成を持つ2種以上の樹脂バインダーをブレンドまたは併用することで、フォトレジスト組成物のリソグラフィックな性質をさらに調節することもできる。たとえば、樹脂をブレンドすることで、感光速度や熱的性質を調整したり、現像液中でのレジストの溶解挙動を調節することができる。
本発明の光感応性酸発生剤化合物は、化学増幅ポジ型レジストで使用するのが好ましい。多くのそのようなレジスト組成物がたとえば、米国特許第4,968,581号、同第4,883,740号、同第4,810,613号および同第4,491,628号、およびカナダ特許出願第2,001,384号に記載されている(化学増幅ポジ型レジストの製造および使用に関するこれら特許の教示は、ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする)。本発明に関しては、これらの先行技術のレジスト組成物を、放射線感受性成分として、本発明の光活性成分で置換えることによって、変成してある。
200nm以上の波長、たとえば248nmにおける像形成のためには、本発明の化学増幅フォトレジストに、本発明の光活性成分と、フェノール性単位および非フェノール性単位の両方を含むコポリマーを含む樹脂バインダーとを混合したものが含まれていれば特に好ましい。たとえば、そのようなコポリマーに好適な基の一つとしては、実質的、本質的または完全に、コポリマーの非フェノール性単位の上だけに酸不安定基、特にアルキルアクリレート酸不安定基を有するものをあげることができ、これはすなわち、フェノール・アルキルアクリレートコポリマーである。特に好適なコポリマーバインダーは、次式のような繰返し単位xおよびyを有している:
Figure 2015180957
ここで、コポリマー全体にわたってヒドロキシル基がオルト、メタ、パラ位のいずれかに存在し、またR’は1から約18の炭素原子、より典型的には1から約6〜8の炭素原子を持つ置換または非置換のアルキルである。t−ブチルが一般的には好ましいR’基である。R’基は、随意に置換されていてもよく、たとえば、その置換基は1または複数のハロゲン(特にF、ClまたはBr)、C1−8アルコキシ、C2−8アルケニルなどである。xおよびyの単位は通常、コポリマーの中で交互になっているか、あるいはポリマー全体にわたってランダムに散らばっていてもよい。そのようなコポリマーは容易に合成することができる。たとえば、上の化学式の樹脂ならば、ビニルフェノールと、置換または非置換のアルキルアクリレートたとえばt−ブチルアクリレートなどを、当業者公知のフリーラジカル条件で縮合させればよい。置換エステル部分、すなわちR’−O−C(=O)−であるアクリレート単位の部分が、樹脂の酸不安定基としてはたらき、この樹脂を含むフォトレジストの塗膜層を照射すると、光感応性酸により誘起される切断反応が起きる。コポリマーのMが約8,000から約50,000、より好ましくは約15,000から約30,000で、分子量分散度が約3以下、より好ましくは約2以下である。本発明の組成物における樹脂バインダーとしては、非フェノール性樹脂、たとえば、t−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレートのようなアルキルアクリレートと、ビニルノルボルナニルまたはシクロヘキサノール化合物のようなビニル脂環式基とからのコポリマーもまた、使用することができる。このようなコポリマーもまた、フリーラジカル重合やその他の公知の方法によって調製することができ、そのMが約8,000から約50,000,分子量分散度が約3以下であれば好適である。
本発明のポジ型化学増幅レジストのために好適なまた別の樹脂バインダーとしては、フェノリックおよび非芳香族系環式アルコール単位を含むものがあり、ここではコポリマーのヒドロキシル基の少なくとも一部は、酸に不安定な基に結合している。酸不安定部分として好ましいのは、アセテート基であって、これには、式(CHCOC(O)CH−であらわされるt−ブチルアセテート基;式(CHCC(O)O−であらわされるt−ブチルオキシカルボニル(t−Boc)基のようなオキシカルボニル基;およびアセタールおよびケタールが含まれる。そのようなコポリマーを含む化学増幅ポジ型フォトレジストについては、シンタ(Sinta)らの米国特許第5,258,257号に開示されている。
これらとは別の、本発明のポジ型化学増幅フォトレジストにおいて使用できる酸に不安定な脱ブロック性の基を有する好ましい樹脂は、シップレー社(Shipley Company)による欧州特許出願第0829766A2号(アセタールおよびケタール樹脂を含む樹脂)、およびシップレー社による欧州特許出願EP第0783136A2号(単位として、1)スチレン;2)ヒドロキシスチレン;および、3)酸不安定基、特にt−ブチルアクリレートまたはt−ブチルメタクリレートのようなアルキルアクリレートである酸に不安定な基、を含むターポリマーおよびその他のコポリマー)に開示されている。一般的に言って、各種の酸不安定基を含む樹脂が適していて、たとえばそれらは、酸に感受性のあるエステル、カーボネート、エーテル、イミドなどである。酸に不安定な基はポリマー主鎖にペンダントさせているのがより典型的であるが、酸に不安定な基をポリマーの主鎖に組込んであるような樹脂もまた使用できる。
本発明のPAGs(先に定義した、化学式I、IIA、IIB、IIC、IICa、IICbおよびIICcのPAGsを含む)はまた、1または複数の酸に不安定な基を含むポリマーおよび、実質的、本質的あるいは完全にフェノールやその他の芳香族基を含まないポリマーと共に使用するのが好ましい。このようなフォトレジスト組成物は、サブ200nm照射、たとえば193nm照射で像を形成するのに特に有用である。
たとえば、好適なポリマーに含まれるのは、芳香族基が5モル%未満、より好ましくは芳香族基が約1または2モル%未満、より好ましくは芳香族基が約0.1、0.02、0.04および0.08モル%未満、そしてさらにより好ましくは芳香族基が約0.01モル%未満で含まれているのが好ましい。芳香族基を全く含まないポリマーが特に好ましい。芳香族基によりサブ200nmの照射の吸収性が非常に高くなる可能性があり、そのために、そのような短波長照射で像を形成するフォトレジストにおいて使用するポリマーにとっては好ましくないのである。
芳香族基を実質的または完全に含まず、本発明のPAGと組合せてサブ200nmで像を形成するためのフォトレジストを製造するのに適したポリマーについては、シップレー社(Shipley Company)による欧州出願EP第930542A1号に開示されている。
芳香族基を実質的または完全に含まない好適なポリマーとしては、アクリレート単位、たとえば、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルフェンキルアクリレート、エチルフェンキルメタクリレートなどを重合させて得られる、酸に不安定なアクリレート単位;縮合環を持つ非芳香族性脂環式基、たとえば、ノルボルネン化合物または、その他の環内炭素・炭素二重結合を有する脂環式化合物を重合させることにより得られるもの;無水物、たとえば、無水マレイン酸および/または無水イタコン酸を重合させることによって得られるもの;などを含むものをあげることができる。
本発明によるネガ型組成物として好ましいものには、酸との接触で硬化、架橋あるは固化する物質の混合物と、本発明の光活性成分とが含まれる。
特に好適なネガ型組成物に含まれるのは、フェノール樹脂のような樹脂バインダー、架橋剤成分、および本発明の光活性成分である。これらの成分およびその使用については、欧州特許出願第0164248号、同第0232972号、およびサッカレイ(Thackeray)らによる米国特許第5,128,232号に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するのに好適なフェノール樹脂としては、先に述べたような、ノボラックおよびポリ(ビニルフェノール)がある。架橋剤として好ましいのは、アミン系の物質で、たとえば、メラミン、グリコルリル、ベンゾグアナミン系物質および尿素系物質がある。一般的にはメラミン・ホルムアルデヒド樹脂が最も好ましい。このような架橋剤は市場で入手可能であり、たとえば、メラミン樹脂はアメリカン・サイアナミド社(American Cyanamid)からサイメル(Cymel)300、301および303の商品名で販売されている。グリコルリル樹脂はアメリカン・サイアナミド社(American Cyanamid)からサイメル(Cymel)1170,1171、1172の商品名で販売されているし、尿素系樹脂はビートル(Beetle)60、65および80の商品名で、ベンゾグアナミン樹脂はサイメル(Cymel)1123および1125の商品名で販売されている。
本発明のフォトレジストには、その他の物質も含めることができる。たとえば、その他の任意添加剤に含まれるものとしては、光化学色素(actinic dye)およびコントラスト色素、アンチストリエーション剤(anti−striation agent)、可塑剤、加速剤、増感剤(たとえば、i線(すなわち365nm)やg線波長のようなより長い波長で本発明のPAGを使用するため)などがある。このような任意添加剤は通常フォトレジスト組成物中には少濃度でしか加えないが、ただし、フィラーおよび色素は比較的高濃度で使用され、これらはレジスト成分の全乾燥重量の5から30重量%の量で存在させてもよい。
本発明のレジストの任意添加物として好ましいものとして、添加塩基、特に水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、または、より好ましくは、水酸化テトラブチルアンモニウムの乳酸塩があるが、これらによって現像したレジストのレリーフ像の解像度を上げることができる。この添加塩基は比較的少量を使用するのがよく、たとえばPAGの約1から10重量%、より典型的には1から約5重量%の量で用いられる。その他の好適な塩基性添加物としては、アンモニウムスルホン酸塩、たとえばピペリジニウムp−トルエンスルホネートおよびジシクロヘキシルアンモニウムp−トルエンスルホネート;アルキルアミン、たとえばトリプロピルアミンおよびドデシルアミン;アリールアミン、たとえばジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどがある。
本発明のレジストの樹脂バインダー成分は、レジストの露光された塗膜層がたとえば水性アルカリ溶液を使用して現像されるのに充分な量で通常使用される。さらに詳しくは、樹脂バインダーがレジストの全固形分の50から約90重量%を占めるのが好ましい。光活性成分は、レジストの塗膜層に潜像を発生させるのに充分な量で存在させるべきである。さらに詳しくは、光活性成分がレジストの全固形分の約1から40重量%までの量で存在するのが好ましい。化学増幅レジストの場合には通常、光活性成分の使用量はこれより少ない方がよい。
本発明のフォトレジストは一般的に、以下のような公知の方法によって調製されるが、ただし、そのようなフォトレジストの配合で使用されていた先行技術の光活性化合物に代えて、本発明のPAGを用いる。たとえば、本発明のレジストは、フォトレジストの成分を好適な溶媒に溶解させることによって塗料組成物として調製することができるが、それらの溶媒の例をあげれば、グリコールエーテル、たとえば2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;乳酸エステル、たとえば乳酸エチルまたは乳酸メチル、乳酸エチルの方が好ましい;プロピオン酸エステル、たとえばプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルおよびプロピオン酸エチルエトキシ;
セロソルブエステル、たとえばメチルセロソルブアセテート;芳香族炭化水素、たとえばトルエンまたはキシレン;または、ケトン、たとえばメチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンなどである。フォトレジストの固形分含量は典型的には、フォトレジスト組成物の全重量の5から35重量%までの間である。
本発明のフォトレジストは、公知の方法にしたがって使用することができる。本発明のフォトレジストは乾燥膜として使用されるが、好ましくはフォトレジストを基板上に液状塗料組成物として塗布し、加熱して溶媒を除去・乾燥させて好ましくは塗膜層をタックフリーの状態とし、フォトマスクを介して感放射線で露光させ、任意に露光後ベークをおこなってレジストの塗膜層上の露光領域と非露光領域の間の溶解性の差を発生または拡大させ、そして次いで好ましくは水性アルカリ現像剤で現像してレリーフ像を得る。
その上に本発明のレジストを塗布し好適に加工するための基板としては、フォトレジストを含むプロセスで使用される基板ならどのようなものでもよいが、たとえばマイクロエレクトロニクスウェーハなどがある。たとえば基板は、シリコン、二酸化シリコンまたはアルミニウム−酸化アルミニウムマイクロエレクトロニクスウェーハなどであってもよい。ヒ化ガリウム、セラミック、石英あるいは銅基板も使用できる。銅クラッド積層板のようなプリント回路基板もまた好適に使用される。本発明のフォトレジストは、スルーホールプレーティングやその他の開口プレーティングのような、回路板をイメージングするのに特に有用である。典型的なプリント回路基板では、1または複数の銅の層が樹脂層たとえばエポキシ層と交互に重ね合わせてある。
液晶ディスプレイやその他のフラットパネルディスプレイ用途で使用される基板もまた好適に使用されるが、それらの例としては、ガラス基板、インジウム酸化錫を塗布した基板などがある。
液状の塗料レジスト組成物を塗布するには、スピンコート法、ディッピング法、ローラーコーティング法など、どのような標準的な手段を用いてもよい。本発明のフォトレジストは、特にプリント回路板の製造に用いる場合には、加工してからドライフィルムレジストとして用いてもよい。露光エネルギーは、放射線感受性システムの光活性成分を有効に活性化させ、レジストの塗膜層にパターン像を作るのに充分な大きさでなければならない。好適な露光エネルギーは通常、約1から300mJ/cmの範囲である。先に述べたように、好適な露光波長は、サブ300nmたとえば248nm、およびサブ200nmたとえば193nmおよび157nmである。露光後ベーク温度として好適なのは約50℃以上であるが、さらに詳しくは約50から140℃である。酸硬化性のネガ型レジストの場合には、所望により現像後ベークを約100から150℃で数分以上かけておこない、現像により形成されたレリーフ像をさらに硬化させる。現像および何らかの現像後の硬化がすむと、次いで、現像により露出された基板表面を選択的に加工することになるが、それにはたとえば、業界公知の方法を用いて、フォトレジストから露出させた基板の部分に化学的なエッチングやめっきをおこなう。好適なエッチング剤には、フッ化水素酸エッチング溶液や、酸素プラズマエッチングのようなプラズマガスエッチングがある。
全ての文献は、ここに引用することにより、本明細書に取入れたものとする。以下の実施例で本発明を説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
実施例1:
本発明のPAGで、NC(1−ナフチル)C=NOS(O)の構造を有するものを製造するには、NCCH−(1−ナフチル)を、硝酸アミルと反応させて、オキシムであるNCCH(=NOH)(1−ナフチル)をまず調製する。このオキシムを、塩化ペンタフルオロベンゼンスルホニルと反応させれば、NC(1−ナフチル)C=NOS(O)を得ることができる。
実施例2: フォトレジストの調製とlithographic cproccessingリソグラフ加工
以下の成分を混合することで本発明のフォトレジストを調製するが、ここでの量はレジスト組成物の全重量に対する重量%として表されている:
レジスト成分 量(重量%)

樹脂バインダー 15
光感応性酸発生剤 4
乳酸エチル 81
この樹脂バインダーは、ビニルフェノール単位60モル%、スチレン単位20モル%、そしてt−ブチルアクリレートが20モル%を重合させたものからなるターポリマーである。光感応性酸発生剤は、上記の実施例1の化合物である。これら樹脂とPAG成分は乳酸エチル溶媒中で混合しておく。
こうして配合したレジスト組成物を、HMDS蒸気で処理した4インチのシリコンウェーハ上にスピンコートし、真空ホットプレート上で90℃で60秒間ソフトベークする。このレジスト塗膜層をフォトマスクを介して248nmで露光させ、この露光した塗膜層を110℃で露光後ベークをする。次いでこの塗装ウェーハを水酸化テトラメチルアンモニウムの0.26N水性溶液で処理して、像形成させたレジスト層を現像し、レリーフ像を得る。
以上本発明について述べてきたが、それらは単に本発明を説明しているだけであって、以下の特許請求項に記載される本発明の本質と範囲を逸脱することなく、変更や修正が可能であることは理解されるべきである。

Claims (6)

  1. 基板の上にフォトレジストレリーフ像を形成させるための方法であって:
    (a)基板の上に、化学増幅ポジ型フォトレジスト組成物の塗膜層を塗布するが、このフォトレジスト組成物には、樹脂と、光感応性酸発生剤化合物が含まれており;
    前記光感応性酸発生剤化合物が、下記の化学式Iのものであり:
    RR’C=NOS(O)Y I
    ここで、RおよびR’の内少なくとも1つは、電子吸引性部分を有し;
    もしRおよびR’の内の1つだけが電子吸引性部分ならば、RおよびR’の1つが、置換されていてもよい炭素環式芳香族基;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルケニル;置換されていてもよいアルキニル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族であって、該ヘテロ環1個につきN、OまたはS原子を1〜3個含む3〜8員からなる環を1〜3個有するものであり;
    Yが、水素以外の置換基であり(ただし、Rがフェニルであり、かつR’がシアノ基である場合、及びYがトシル基である場合を除く);
    (b)前記フォトレジスト塗膜層を、波長が200nm未満の、パターンを有する感放射線で露光させ、その露光されたフォトレジスト層を現像してレリーフ像を得る、ことを含む方法。
  2. RおよびR’の内少なくとも1つが、シアノ、ニトロ、ハロアルキルスルホネートである、請求項1に記載の方法。
  3. フォトレジスト組成物であって、樹脂および下記の化学式Iの光感応性酸発生剤化合物を含み:
    RR’C=NOS(O)Y I
    ここで、RおよびR’の内少なくとも1つは、電子吸引性部分を有し;
    もしRおよびR’の内の1つだけが電子吸引性部分ならば、RおよびR’の1つが、置換されていてもよい炭素環式芳香族基;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルケニル;置換されていてもよいアルキニル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族であって、該ヘテロ環1個につきN、OまたはS原子を1〜3個含む3〜8員からなる環を1〜3個有するものであり;
    Yが、水素以外の置換基である(ただし、Rがフェニルであり、かつR’がシアノ基である場合、及びYがトシル基である場合を除く)、フォトレジスト。
  4. RおよびR’の内少なくとも1つが、シアノ、ニトロまたはハロアルキルスルホネートである、請求項3に記載のフォトレジスト。
  5. 下記の化学式Iの光感応性酸発生剤化合物であって:
    RR’C=NOS(O)Y I
    ここで、RおよびR’の内少なくとも1つは、電子吸引性部分を有し;
    もしRおよびR’の内の1つだけが電子吸引性部分ならば、RおよびR’の1つが、置換されていてもよい炭素環式芳香族基;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルケニル;置換されていてもよいアルキニル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいヘテロ脂環式基またはヘテロ芳香族であって、該ヘテロ環1個につきN、OまたはS原子を1〜3個含む3〜8員からなる環を1〜3個有するものであり;
    Yが、水素以外の置換基である(ただし、Rがフェニルであり、かつR’がシアノ基である場合、及びYがトシル基である場合を除く)、光感応性酸発生剤化合物。
  6. 下記の化学式IIAの光感応性酸発生剤化合物であって:
    Figure 2015180957
    ここでY’およびY”がそれぞれ同一または異なった水素以外の置換基であり;そして、点線が共有結合を示す(ただし2つのN−オキシイミドスルホネート基の間にベンゼンが挿入されて縮合環を形成する場合を除く)、光感応性酸発生剤化合物。
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