JP2015163086A - 風味が改善された飲食用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、従前の大麦の葉及び/又は茎を含む飲食用組成物に対して、色合いが良く、かつ、風味が良好である大麦の葉及び/又は茎を含む飲食用組成物を提供することにある。【解決手段】上記目的は、大麦の葉及び/又は茎と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを含有する飲食用組成物であって、前記大麦が六条大麦である、前記飲食用組成物により解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、大麦の葉及び/又は茎を含有する飲食用組成物に関する。
大麦の葉や茎は、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などに富む健康食品の素材として知られており、これらを含む食品が種々提案されている。例えば、特許文献1及び2には、大麦などの麦若葉の粉末(麦若葉末)と水溶性食物繊維とオリゴ糖と乳酸菌とを含有する、飲食用組成物が記載されている。
一方で、消費者の間には、大麦の葉や茎を含む飲食用組成物について、色合いや風味に関してマイナスイメージが少なからず存在し、大麦の葉や茎を用いた青汁用の飲食用組成物についても同様である。
特許第5185465号公報 特許第3001880号公報
大麦の葉や茎を含む飲食用組成物について、マイナスイメージを払拭するために、原料である大麦の葉や茎を改質することが考えられる。しかし、大麦の葉や茎の色を鮮やかにしようとすると、甘さが低下し、えぐみが増しやすい傾向があるといわれており、従前の大麦の葉や茎を用いた飲食用組成物は、見た目の美しさと、風味の良好さとを両立させるという点で十分なものではない。
また、特許文献1及び2には、特許文献1及び2に記載の組成物の色合いや風味について、なんら具体的な記載はない。
そこで、本発明の課題は、従前の大麦の葉及び/又は茎を含む飲食用組成物に対して、色合いが良く、かつ、風味が良好である大麦の葉及び/又は茎を含む飲食用組成物を提供することにある。
本発明者らは、大麦の葉や茎を含む飲食用組成物の緑色の鮮やかさや風味について鋭意研究したところ、驚くべきことに、特定品種の六条大麦の葉や茎を用いた飲食用組成物は、従来の二条大麦のいずれかの葉や茎を用いた飲食用組成物に比べて、色合いが良く、かつ、風味が良好であることを見出した(特願2013−113154を参照)。
さらに本発明者らは、より飲食に適した大麦の葉や茎を含む飲食用組成物について研究を進めた結果、六条大麦の葉や茎と特定の成分とを含有してなるものは、同じ配合の二条大麦の葉や茎を含む飲食用組成物に比べて、色合い、風味ともに向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
したがって、本発明によれば、大麦の葉及び/又は茎と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを含有する飲食用組成物であって、前記大麦が六条大麦である、前記飲食用組成物が提供される。
好ましくは、前記六条大麦が、倍取、シルキースノウ、ファイバースノウ、シュンライ、サヌキハダカ、ダイシモチ、イチバンボシ、はがねむぎ及びカシマゴールからなる群から選ばれる少なくとも1種の六条大麦である。
好ましくは、前記飲食用組成物が、青汁用組成物である。
本発明の飲食用組成物は、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高い。
図1は、比較例1を基準とした、大麦がシルキースノウである実施例1、比較例4、10及び16、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図2は、比較例1を基準とした、大麦がファイバースノウである実施例2、比較例5、11及び17、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図3は、比較例1を基準とした、大麦がシュンライである実施例3、比較例6、12及び18、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図4は、比較例1を基準とした、大麦がイチバンボシである実施例4、比較例7、13及び19、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図5は、比較例1を基準とした、大麦がはがねむぎである実施例5、比較例8、14及び20、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図6は、比較例1を基準とした、大麦がカシマゴールである実施例6、比較例9、15及び21、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図7は、比較例1を基準とした、大麦がユメサキボシである比較例3及び22〜24、並びに大麦を含まない比較例3のVAS測定値を示した図である。 図8は、同じ品種の大麦を使用した実施例1〜6を基準とした実施例7〜48のVAS測定値を示した図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の飲食用組成物は、大麦の葉及び/又は茎、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分を少なくとも含有し、かつ、大麦が六条大麦であることを特徴とする。以下、これらの成分についてそれぞれ説明する。
大麦の葉及び/又は茎は、本発明においては特に六条大麦の葉、茎又はその両方の葉及び茎である。大麦の葉には食物繊維が多く含まれているところ、その大部分は不溶性食物繊維である。大麦の葉及び/又は茎の形状は特に限定されず、例えば、葉や茎を収穫したそのままの状態であってもよいし、葉や茎を収穫した後さらに加工処理を加えたものであってもよい。そのような加工処理としては、例えば、乾燥粉末処理、細片処理及びその乾燥粉末処理、搾汁処理及びその乾燥粉末処理、エキス抽出処理及びその乾燥粉末処理などが挙げられ、これらは当業界において採用されている処理法を適用できる。本発明において好ましいのは、大麦の葉及び/又は茎を粉末状にしたものである。大麦の葉及び/又は茎の粉末化には従来知られている方法を用いることができる。そのような方法としては、例えば、大麦の葉及び/又は茎を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕する方法(特開2003−033151号公報を参照)が挙げられる。また、例えば、大麦の葉及び/又は茎をブランチングした後、乾燥し、その後、粉砕する方法(特開2002−065204号公報を参照)も挙げられる。
本発明の飲食用組成物において、大麦の葉及び/又は茎の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、0.002質量%以上95質量%以下、好ましくは0.1質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、なおさらに好ましくは20質量%以上70質量%以下である。大麦の葉及び/又は茎の含有量が95質量%より多い場合、本発明の飲食用組成物の味や色は良くなるが、えぐ味、のどごし及び口当たりは悪化する傾向にある。大麦の葉及び/又は茎の含有量が0.002質量%より少ない場合、味や色が悪化し、えぐ味、のどごし及び口当たりは弱くなる傾向にある。
本発明において、六条大麦は、植物学上で六条大麦に分類されるもの、すなわち、イネ科オオムギ属オオムギのうちの六条大麦(Hordeum vulgare f. hexastichon)であり、形態学的な特徴としては穂を上から見ると6列に実がついているものであれば特に限定されず、野生種、交雑種などのいずれであってもよい。本発明における六条大麦の具体例としては、飲食用組成物として用いた場合に、二条大麦の葉や茎を用いた従前の飲食用組成物に比べて、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができることから、倍取、シルキースノウ、ファイバースノウ、シュンライ、サヌキハダカ、ダイシモチ、イチバンボシ、はがねむぎ及びカシマゴールなどが挙げられる。
水溶性食物繊維としては従来知られているものを用いることができ、特に限定されない。そのような水溶性食物繊維の例としては、アルギン酸、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、グアーガム、グアーガム加水分解物、グルコマンナン、ペクチン、ポリデキストロース及びカラギーナンなどが挙げられる。これらの水溶性食物繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の飲食用組成物において、水溶性食物繊維の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、0.1質量%以上60質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上40質量%以下である。
乳酸菌としては従来知られているものを用いることができ、特に限定されない。そのような乳酸菌としては、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis(Enterococcus faecalisと称されることもある))、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある)、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosus、Tetragenococcus halophilus、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericusなどが用いられる。これらの乳酸菌は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。乳酸菌の性質は特に限定されるものではなく、本発明の飲食用組成物の剤形や品質に応じて適宜選択することができ、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性、有胞子性などが挙げられる。乳酸菌の入手方法は特に限定されず、例えば、ヨーグルトや野菜等の食品から単離された乳酸菌や市販品を用いてもよい。
本発明の飲食用組成物において、乳酸菌の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、0.01質量%以上40質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
オリゴ糖としては従来知られているものを用いることができ、特に限定されない。そのようなオリゴ糖としては、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンなどが挙げられる。これらのオリゴ糖は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の飲食用組成物において、オリゴ糖の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、例えば、0.01質量%以上50質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上30質量%以下である。
本発明の飲食用組成物は、色合いや風味を向上させる目的や、健康食品としての種々の目的などに応じて、大麦の葉及び/又は茎、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分以外のその他の成分を1又は2種以上含んでいてもよい。その他の成分は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば特に限定されず、飲食用組成物の剤形や品質などに応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料などが挙げられる。例えば、本発明の飲食用組成物に、ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイン、カルシウム、キトサン、レシチンなどを含有させて、本発明の飲食用組成物に栄養補助としての機能を付与するようにしてもよい。また、本発明の飲食用組成物の味を整えることを目的として、糖液や調味料を含有させてもよい。その他の成分の使用量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されず、適宜調整される。
本発明の青汁用の飲食用組成物の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。本発明の青汁用の飲食用組成物の形態としては、例えば、飲食などの経口摂取に適した形態、具体的には粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。本発明の飲食用組成物は、その形態に応じて、そのまま経口摂取してもよいし、水などに溶解して経口摂取してもよい。大麦の葉及び/又は茎を粉末として用いる場合は、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌もまた粉末状にして、本発明の飲食用組成物を青汁用の飲食用組成物とすることが好ましい。なお、青汁用の飲食用組成物とは、植物の葉や茎を含む、乾燥粉末や搾汁粉末等の様々な加工物とした製品であり、簡易に野菜成分を摂取できる健康食品として利用されているものである。
本発明の飲食用組成物は、後述する実施例において例証されるとおり、二条大麦を含有するものや、大麦の葉及び/又は茎、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌のいずれか1種の成分を欠如したものと比べて、緑色が鮮やかであることから見た目が美しく;甘さ、旨み及び香りが優れていることから風味が良く;えぐ味が低減され、かつ、のどごし及び口当たりがよいことから飲みやすく嗜好性に優れるものである。そこで、本発明の飲食用組成物は、従前の青汁用の飲食用組成物を利用する、又はこれから青汁用の飲食用組成物を利用しようとする消費者に対して、有用なものである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜48]
以下の表1及び表2に示す配合を有する組成物を製造した。数値については、特に断りがない限り、質量%を表わす。同表中、大麦としては、大麦茎葉粉末を用いた。水溶性食物繊維としては、難消化性デキストリンを用いた。オリゴ糖としては、イソマルトオリゴ糖を用いた。乳酸菌としては、Streptococcus faecalisを用いた。同表に記載の各成分のうち、大麦茎葉粉末は、以下の方法で製造した。水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌は、市販品を用いた。
大麦茎葉粉末の原料として、六条大麦であるシルキースノウ、ファイバースノウ、シュンライ、イチバンボシ、はがねむぎ又はカシマゴールの茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した大麦の茎葉を、送帯型蒸機を用いて、ブランチング槽で90〜100℃にて90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた大麦の茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜50分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した大麦の茎葉を約5mmの大きさに切断し、殺菌処理した。得られた大麦の茎葉を、200メッシュ区分を90%以上が通過するように気流式粉砕機(ジェットミル)を用いて粉砕処理し、大麦茎葉粉末を得た。
[比較例1〜24]
比較例1〜24の組成物については、以下の表1に示す配合を用いた以外は上記実施例と同様にして製造した。なお、同表に示すとおり、比較例1及び2の組成物は、六条大麦に代えて二条大麦であるニシノホシ又はユメサキボシの大麦茎葉粉末を含有するものである。比較例3の組成物は大麦茎葉粉末、難消化性デキストリン、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分のうち大麦茎葉粉末のみを含有しないものである。比較例4〜9及び22の組成物は、前記4成分のうち難消化性デキストリンのみを含有しないものである。比較例10〜15及び23の組成物は、前記4成分のうちオリゴ糖のみを含有しないものである。比較例16〜21及び24の組成物は、前記4成分のうち乳酸菌のみを含有しないものである。
実施例及び比較例で使用した大麦の品種をまとめたものを表3に示す。
Figure 2015163086
Figure 2015163086
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[評価]
実施例及び比較例で得られた組成物について、甘さ、旨み、色などの項目について官能評価を実施した。各組成物3gを水150mlと混合して各サンプルを得た。被験者として、健常な成人6名を無作為に選出した。
(1)実施例1〜6及び比較例1〜24
これらの被験者6名のそれぞれに対し、実施例1〜6及び比較例1〜24の組成物を経口摂取させ、官能に関する評価をVAS(Visual analogue scale)によるアンケートに記入させ、官能評価を実施した。評価項目は、「甘さ」、「旨み」、「えぐ味」(えぐ味の弱さ)、「香り」、「のどごし」、「口当たり」、「色」(色の鮮やかさ)及び「総合評価」(総合的な美味しさ、飲みやすさ、バランスの良さ)の8項目とした。
アンケートでは、15cmの直線の左端を「0cm:これまで経験したことがないような最悪の感覚」、右端を「15cm:これまで経験したことがないような最良の感覚」として、各項目について、各被験者に、比較例1(ニシノホシ)の組成物を摂取したときと比較して、実施例1〜6及び比較例2〜24の各組成物を摂取したときに感じた感覚が直線上のどの位置に当てはまるかを記入させた。記入した位置の0cmからの距離をVAS測定値とした。得られたVAS測定値の平均値を、図1〜7に示す。なお、基準である比較例1と同等の評価であった場合、結果は「7.5」となる。図1が示すとおり、実施例1では、いずれの項目についても、「7.5」を大きく上回る、顕著に優れた値を示した。それに対して、大麦茎葉粉末、難消化性デキストリン、オリゴ糖及び乳酸菌のうちいずれかを欠く比較例3、4、10及び16は、特に総合評価が示しているように、基準である7.5に満たないものであった。このことから、六条大麦の大麦茎葉粉末、難消化性デキストリン、オリゴ糖及び乳酸菌を組み合わせて含有する組成物は、飲食用組成物として適したものであることが示された。同様に、図2〜6が示すとおり、ファイバースノウ、シュンライ、イチバンボシ、はがねむぎ又はカシマゴールを用いた実施例2〜6のVAS測定値についても、甘さ、旨み、えぐ味、香り、色といった風味や色合いに関する項目に加え、総合評価が「7.5」と同等又はそれよりも高かった。それに対して、図7が示すとおり、二条大麦であるユメサキボシを用いた比較例3のVAS測定値については、甘さ、えぐ味、色といった風味や色合いに関する項目が「7.5」よりも低かった。以上のとおり、種々の品種の六条大麦について、六条大麦の大麦茎葉粉末、難消化性デキストリン、オリゴ糖及び乳酸菌を含有する組成物は、飲食用組成物として適したものであることが示された。
(2)実施例7〜48
同様に、実施例7〜48の組成物を被験者に経口摂取させ、それぞれ同じ品種の大麦を使用した実施例1〜6を基準とした実施例7〜48の官能評価を、VASによって評価した。結果を図8に示す。図8が示すとおり、実施例7〜48のVAS測定値は、いずれも「7.5」に近いものであったことから、実施例7〜48は実施例1〜6と同等の嗜好性を有することが示された。このことから、各成分の広い濃度範囲に渡って、六条大麦の大麦茎葉粉末、難消化性デキストリン、オリゴ糖及び乳酸菌を含有する組成物は、飲食用組成物として適したものであることが示された。
以上の結果から、実施例1〜48の組成物は、二条大麦を含有するものや、いずれか1種の成分を欠如したものと比べて、緑色が鮮やかであることから見た目が美しく;甘さ、旨み及び香りが優れていることから風味が良く;えぐ味が低減され、かつ、のどごし及び口当たりがよいことから飲みやすく嗜好性に優れるものであった。
本発明によれば、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高く、さらに原料由来の栄養素やうまみ成分の含有量が高い健康食品を提供することができる。

Claims (3)

  1. 六条大麦の葉及び/又は茎と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを含有する飲食用組成物であって、
    前記六条大麦が、倍取、シルキースノウ、ファイバースノウ、シュンライ、サヌキハダカ、ダイシモチ、イチバンボシ、はがねむぎ及びカシマゴールからなる群から選ばれる少なくとも1種の六条大麦であり、
    前記六条大麦の葉及び/又は茎が200メッシュ区分を90%以上通過するものである、前記飲食用組成物。
  2. 前記六条大麦の葉及び/又は茎が、前記葉及び/又は茎を収穫後にブランチング処理して処理物を得た後、該処理物を乾燥して乾燥物を得、次いで該乾燥物を殺菌して殺菌物を得、次いで該殺菌物を粉砕することにより得られるものである、請求項1に記載の飲食用組成物。
  3. 前記オリゴ糖がラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、ラフィノース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2のいずれかに記載の飲食用組成物。
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