JP2017006113A - 飲食用組成物、乳酸菌増殖用組成物、阿蘇産の大麦の茎及び/又は葉、黒ボク土を用いて栽培した大麦の茎及び/又は葉 - Google Patents

飲食用組成物、乳酸菌増殖用組成物、阿蘇産の大麦の茎及び/又は葉、黒ボク土を用いて栽培した大麦の茎及び/又は葉 Download PDF

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Mariko Ishii
茉里子 石井
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達大 永瀧
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和也 山口
高垣 欣也
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欣也 高垣
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Masahito Tsubata
仁人 鍔田
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寛 友澤
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Abstract

【課題】
本発明の第1の課題は、大麦の茎葉を含有する食品であって、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、味や香りがよく、風味が良好で嗜好性が高く、安定性に優れた青汁用の飲食用組成物を提供することにある。
【解決手段】
本発明1によれば、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉を用いた青汁用の飲食用組成物は、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高く、安定性に優れている。
【選択図】なし

Description

本発明は、大麦の茎及び/又は葉の粉末を用いた飲食用組成物、乳酸菌増殖用組成物、阿蘇産の大麦の茎及び/又は葉、黒ボク土を用いて栽培した大麦の茎及び/又は葉に関する。
大麦は中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本である。大麦は、穂形により、二条大麦と六条大麦などに大別される。二条大麦と六条大麦とでは、穂についている実の列数が異なり、穂を上から見ると二条大麦は2列に、六条大麦は6列に実がついている。六条大麦は、2〜3世紀に朝鮮を経て日本に渡来したとされ、雑穀として利用されるほか、麦茶の原料にも利用されている。一方、二条大麦は日本には欧米から明治時代に導入されたとされ、主に醸造用に用いられている。
大麦の茎及び/又は葉(以下「茎葉」ともいう)は、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維、アミノ酸、葉緑素、SOD酵素などに富む健康食品の素材として知られ、青汁、ゼリー、クッキー、ジンジャードリンク、ヨーグルト、サプリメントなどの飲食用組成物に用いられている。青汁用の飲食用組成物は、植物の緑葉を含む、粉砕末や搾汁粉末などの様々な加工物とした製品であり、簡易に野菜不足を補えるもの等として利用されている。
しかしながら、消費者の間には、植物の緑葉を用いた飲食用組成物について、該緑葉に由来する青臭さ、えぐ味があるといったマイナスイメージが少なからず存在し、大麦の茎葉を用いた飲食用組成物についても同様であった。大麦の茎葉を用いた飲食用組成物について、このようなイメージを払拭するために、大麦の茎葉に由来する緑色を鮮やかにして見た目を美しくし、また、えぐ味や苦味、青臭さなどを低下させ、風味を向上させることが求められている。しかしながら、飲食品に用いられる大麦の茎葉は、色を鮮やかにしようとすると、甘さが低下したり、えぐ味が増したりしやすい傾向があるとの説もあり、このため、従来の大麦の茎葉を用いた飲食用組成物は、見た目の美しさと、風味の良好さとを両立させるという点で十分なものではなかった。特に、前記の各種成分を大麦の茎葉に組み合わせた飲食用組成物においては、大麦の茎葉に由来する味や臭いの成分と前記各種成分に由来する味や臭いの成分とが混在することにより、このような混合物の味や臭いを良好なものに調整することが困難であった。そのため、風味が良好で嗜好性が高い飲食用組成物を得るための更なる改良が求められている。
乳酸菌は、グルコースなどの糖類から多量の乳酸を生成する細菌の総称であり、醤油、清酒、味噌などに見出される他、乳製品、穀類、腸などにも分布している。発酵乳、乳酸菌飲料、チーズなどの製造のために、乳酸菌の培養には獣乳を含む培地を使用することが多いが、乳酸菌の栄養要求性が厳格であるため、増殖に適さない菌株が多いという問題がある。このため、乳酸菌を増殖させるための物質として、培地中に、酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、アミノ酸などを添加することが知られているが、高価な上に培養条件が制限され、安価かつ簡便に、乳酸菌を増殖させることが難しいという問題がある。
前述のように、青汁の人気上昇を背景に、より栄養価が高く、かつおいしく飲みやすい青汁が消費者に求められているところ、青汁などの飲食用組成物の原料として大麦の茎葉を用いるにあたり、添加物による飲食用組成物の味の改善や栄養価の維持あるいは向上のみでなく、大麦の茎葉そのものの嗜好性や栄養価の向上も求められている。
大麦の実の栽培は、その大半が水田の裏作又は転作で作付けされているが、関東などの一部の地域では畑で作付けされている。特に麦作の盛んな北関東では、火山灰土壌を母材とし腐植を多く含む土壌である黒ボク土からなる畑において大麦が作付けされている(非特許文献1)。しかし、非特許文献1に記載があるとおり、大麦を黒ボク土畑で作付けした場合、灰色低地土水田で作付けした場合と比較して、穀粒のタンパク質含量が高くなり、それにより硝子質粒の割合が高まることから、精麦品質が著しく劣化する。そこで、良質な精麦を得る場合は、大麦を水田で作付けすることが好ましいとされている。
これらの課題を解決するため、本出願人は下記の提案を行っている。大麦の茎葉を含有する青汁として、例えば、特定の六条大麦の葉を用いた青汁用の飲食用組成物を提案した(特許文献1)。また、青汁などの飲食品において、大麦の茎葉と各種の成分を組み合わせる技術、例えば特定の六条大麦の茎葉と水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌とを組み合わせた例(特許文献2)を提案した。
また、本出願人は、安価かつ簡便に乳酸菌を増殖できる組成物として、特定の六条大麦の茎葉を用いた乳酸菌増殖用組成物を提案した(特許文献3)。
また、本出願人は、特定の六条大麦の茎葉をこれまで栽培されていなかった熊本県阿蘇地域で栽培することにより、栄養価の高い大麦の茎葉が得られることを提案した(特許文献4)。
また、本出願人は、特定の六条大麦の茎葉を、黒ボク土を含有する土壌を用いて栽培することにより、生育が良好で、かつ栄養価の高い特定の六条大麦の茎葉の加工物が得られることを提案した(特許文献5)。
これら特許文献1〜5によると、前記課題を解決しうる大麦の品種は非常に限られていた。しかしながら、大麦の普及品種は収量、病虫害抵抗性の基準等に基づき変遷するため、種子の入手困難性やそれに基づく大麦の茎葉の安定供給の困難性等の問題が生じることから、前記課題を解決しうるような更なる大麦品種の探索が求められていた。一方、大麦には3万種以上の膨大な数の品種が知られており(非特許文献2)、前記課題を解決しうる新たな大麦品種の探索は容易ではなかった。
特開2014−230520号公報 特開2015−109831号公報 特開2015−6171号公報 特開2015−109822号公報 特開2015−109825号公報
塔野岡卓司、外4名、「黒ボク土のオオムギ精麦品質の改良−粉状質胚乳を呈するデンプン変異形質の有用性−」、日本作物学会紀事、2010年、第79巻、第3号、p.296−307 米国農務省管轄下の遺伝資源データベース「Germplasm Resources Information Network」の大麦の学名「Hordeum vulgare」の検索結果<https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/view2.aspx?dv=web_taxonomyspecies_view_accessionlist&params=:taxonomyid=19333>
本発明の第1の課題は、大麦の茎葉を含有する食品であって、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、味や香りがよく、風味が良好で嗜好性が高く、安定性に優れた青汁用の飲食用組成物を提供することにある。
本発明の第2の課題は、大麦の茎葉、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌を含有する食品であって、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、味や香りがよく、風味が良好で嗜好性の高い飲食用組成物を提供することにある。
本発明の第3の課題は、乳酸菌の増殖促進効果が高い乳酸菌増殖用組成物を提供することにある。
本発明の第4の課題は、原料そのものによって味や栄養価が改善された大麦の茎葉の粉末を提供すること、さらにこのような大麦の茎葉の粉末を含むことから、栄養が豊富で嗜好性の高い青汁などの飲食用組成物を提供することにある。
本発明の第5の課題は、短期間で効率よく生育させることが可能な大麦の茎葉を用いた乾燥粉末を提供すること、さらにこのような大麦の茎葉の粉末を含む青汁などの飲食用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記第1の課題について鋭意研究したところ、驚くべきことに、3万種以上ある大麦の品種の中でも、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いた飲食用組成物は、前記従来の青汁用の飲食用組成物と比較して、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明者らは、上記第2の課題について鋭意研究したところ、驚くべきことに、3万種以上ある大麦の品種の中でも、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いた飲食用組成物は、前記従来の飲食用組成物と比較して、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明者らは、上記第3の課題について鋭意研究したところ、驚くべきことに、3万種以上ある大麦の品種の中でも、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いた乳酸菌増殖用組成物は、前記従来の乳酸菌増殖用組成物と比較して、乳酸菌増殖効果が高いことを見出し、本発明を完成させた。
本発明者らは、上記第4の課題について鋭意研究したところ、驚くべきことに、3万種以上ある大麦の品種の中でも、熊本県阿蘇地域で栽培されたマンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末は、前記従来の大麦の粉末と比較して、特定の栄養素の含量が有意に向上し、かつ、その栄養素が味に影響していることを見出し、本発明を完成させた。
本発明者らは、上記第5の課題について鋭意研究したところ、驚くべきことに、3万種以上ある大麦の品種の中でも、精麦不良を引き起こすとされていた黒ボク土を用いて栽培された、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の葉茎の粉末は、前記従来の大麦の茎葉と比較して、色が鮮やかであり、しかも栽培適性が高いことから大麦の茎葉の収量が多く、その加工物である乾燥粉末は色が鮮やかであるため見た目が美しく、青汁などの飲食用組成物の原料として安定供給が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]大麦の茎及び/又は葉の粉末を用いた青汁用の飲食用組成物であって、
前記大麦が、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条から選ばれる少なくとも1の品種の大麦であることを特徴とする、青汁用の飲食用組成物。
[2]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、搾汁末のいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする、[1]に記載の青汁用の飲食用組成物。
[3]前記大麦の茎及び/又は葉の含有量が乾燥質量で0.1質量%以上であることを特徴とする、[1]又は[2]のいずれかに記載の青汁用の飲食用組成物。
[4]大麦の葉及び/又は茎の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌を含有する飲食用組成物であって、
前記大麦が、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1の品種の大麦であることを特徴とする、飲食用組成物。
[5]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末のいずれか1種又は2種以上であることを特徴とする、[4]に記載の飲食用組成物。
[6]前記大麦の茎及び/又は葉の含有量が、大麦の葉及び/又は茎、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の合計量に対して、5〜90質量%であることを特徴とする、飲食用組成物。
[7]大麦の茎及び/又は葉を含有することを特徴とする乳酸菌増殖用組成物であって、
前記大麦が、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦であることを特徴とする、乳酸菌増殖用組成物。
[8]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末のいずれかであることを特徴とする、[7]に記載の乳酸菌増殖用組成物。
[9]乳酸菌増殖用組成物の固形分中の前記大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末の含有量が1質量%以上である、[7]又は[8]のいずれかに記載の乳酸菌増殖用組成物。
[10]熊本県阿蘇地域で栽培された大麦の茎及び/又は葉の粉末であって、
前記大麦が、マンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦であることを特徴とする、大麦の茎及び/又は葉。
[11]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末のいずれかであることを特徴とする、[10]に記載の粉末。
[12][10]又は[11]のいずれかに記載の大麦の茎及び/又は葉の粉末を含有する飲食用組成物。
[13]少なくとも一部に黒ボク土を含有する土を用いて栽培される大麦の茎及び/又は葉の粉末であって、
前記大麦が、マンネンボシ、ダイシモチ及びカシマムギから選ばれる少なくとも1の品種の大麦である、粉末。
[14]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末のいずれかであることを特徴とする、[13]に記載の粉末。
[15][13]又は[14]のいずれかに記載の大麦の茎及び/又は葉の粉末を含有する飲食用組成物。
[16]少なくとも一部に黒ボク土を含む土を用いて栽培される六条大麦であるマンネンボシ、ダイシモチ及びカシマムギの葉及び/又は茎の粉末の製造方法。
[17]前記大麦の茎及び/又は葉の粉末が、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末のいずれかであることを特徴とする、[16]に記載の粉末。

[18]飲食用組成物に使用される、[16]又は[17]のいずれかに記載の粉末の製造方法。
[19]赤土を用いて栽培されたものと比べて、丈、色及び葉幅からなる群から選ばれる少なくとも1種の特性が優れている、[16]〜[18]のいずれかに記載の粉末の製造方法。
本発明1によれば、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いた青汁用の飲食用組成物は、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高く、安定性に優れている。
また、本発明2によれば、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌を用いた飲食用組成物は、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、味や香りがよく、風味が良好で嗜好性が高い。
また、本発明3によれば、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いた乳酸菌増殖用組成物は、乳酸菌を良好に増殖させることができる。
また、本発明4によれば、熊本県阿蘇地域で栽培されたマンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉は、原料由来の栄養価が高いため、得られる乾燥粉末は、青汁などの飲食用組成物に適するものである。
また、本発明5によれば、黒ボク土で栽培したマンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギから選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉は、黒ボク土を含有しない土壌で栽培された大麦の茎葉と比較して栽培適正が高いため、大麦の茎葉の収量が多く、得られる乾燥粉末は青汁などの飲食用組成物に安定して供給できるものである。
実施例1において、イチバンボシの粉砕末、カシマムギの粉砕末、マンネンボシの粉砕末、はるしずくの粉砕末及びイチバンボシの搾汁末の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例1において、イチバンボシの粉砕末、カシマムギの粉砕末、マンネンボシの粉砕末、はるしずくの粉砕末及びイチバンボシの搾汁末の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「粉っぽさ」、「コク」、「味の濃さ」及び「口当たりの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例2において、イチバンボシの粉砕末(加熱後)、カシマムギの粉砕末(加熱後)、マンネンボシの粉砕末(加熱後)及びはるしずくの粉砕末(加熱後)の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例2において、イチバンボシの粉砕末(加熱後)、カシマムギの粉砕末(加熱後)、マンネンボシの粉砕末(加熱後)及びはるしずくの粉砕末(加熱後)の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「粉っぽさ」、「コク」、「味の濃さ」及び「口当たりの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例3において、カシマムギの搾汁末、マンネンボシの搾汁末及びはるしずくの搾汁末の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例3において、カシマムギの搾汁末、マンネンボシの搾汁末及びはるしずくの搾汁末の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「粉っぽさ」、「コク」、「味の濃さ」及び「口当たりの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 参考例において、カシマムギの搾汁、マンネンボシの搾汁及びはるしずくの搾汁の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 参考例において、カシマムギの搾汁、マンネンボシの搾汁及びはるしずくの搾汁の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「粉っぽさ」、「コク」、「味の濃さ」及び「口当たりの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例4において、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例4において、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触りの良さ」、「粉っぽさのなさ」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし」及び「後味」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例5において、加熱前のニシノホシの粉砕末、加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例5において、加熱前のニシノホシの粉砕末、加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触りの良さ」、「粉っぽさのなさ」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし」及び「後味」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例6において、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例6において、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触りの良さ」、「粉っぽさのなさ」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし」及び「後味」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプルB〜O及びサンプル1〜4の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプルB〜O及びサンプル1〜4の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし(試飲中)」、「のどごし(試飲後)」及び「後味」についての実施例及び比較例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル1,5〜10の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル1,5〜10の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし(試飲中)」、「のどごし(試飲後)」及び「後味」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル2、11〜16の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル2、11〜16の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし(試飲中)」、「のどごし(試飲後)」及び「後味」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル3、17〜22の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル3、17〜22の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし(試飲中)」、「のどごし(試飲後)」及び「後味」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル4、23〜28の「色の鮮やかさ」及び「香りの良さ」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 実施例7において、サンプル4、23〜28の「甘さ」、「えぐ味の弱さ」、「苦味の弱さ」、「青臭さ」、「舌触り」、「コク」、「味の濃さ」、「口当たりの良さ」、「のどごし(試飲中)」、「のどごし(試飲後)」及び「後味」についての実施例の官能評価の結果を示すグラフである。 黒ボク土を撮影した写真図である。 赤土を撮影した写真図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1.大麦の茎及び/又は葉の粉末]
大麦の品種としては実に3万種以上の品種があることが知られているところ、本発明においては、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ、はるか二条、ダイシモチ及びイチバンボシ(以下、「特定品種」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎及び/又は葉の粉末を用いる。
特定品種の大麦は、例えば精麦用として、具体的には、麦味噌、麦茶、焼酎、ビールなどの原料として一般的に用いられているものである。本発明においては、これらの品種のうち1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。大麦の茎葉の粉末は、大麦の葉、茎又はその両方であり、葉及び茎はそれぞれその一部又は全部であってもよい。
特定品種の大麦の茎葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期に収穫されることが好ましい。大麦の茎葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましい。処理までに時間を要する場合、大麦の茎葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
本発明で用いる特定品種の大麦の茎葉として、該茎葉から得られる各種の加工物、すなわち、特定品種の大麦の加工物を用いることができる。そのような加工物としては、例えば、茎葉の粉砕物及びその乾燥粉末(以下、粉砕物の乾燥粉末のことを「粉砕末」ともいう)、茎葉の細片化物及びその乾燥粉末(以下、細片化物の乾燥粉末のことを「細片化末」ともいう)、茎葉の搾汁及びその乾燥粉末(以下、搾汁の乾燥粉末のことを「搾汁末」ともいう)、茎葉のエキス及びその乾燥粉末(以下、エキスの乾燥粉末のことを「エキス末」ともいう)などが挙げられる。なお、本願明細書で「粉末」と言う場合は、乾燥粉末、粉砕末、細片化末、搾汁末、エキス末を含むものである。
大麦の茎葉を粉砕物及びその乾燥粉末化するには従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、大麦の茎葉に対して、乾燥処理及び粉砕処理を組み合わせた方法を用いることができる。乾燥処理及び粉砕処理はいずれを先に行ってもよいが、乾燥処理を先に行うことが好ましい。乾燥粉末化は、この方法に、さらに必要に応じブランチング処理、殺菌処理などの処理から選ばれる1種又は2種以上の処理を組み合わせてもよい。また、粉砕処理を行う回数は1回でも、2回以上の処理を組合せてもよいが、粗粉砕処理を行った後に、より細かく粉砕する微粉砕処理を組合せることが好ましい。
ブランチング処理とは、茎葉の緑色を鮮やかに保つための処理であり、ブランチング処理の方法としては、熱水処理や蒸煮処理などが挙げられる。
熱水処理としては、例えば、80〜100℃、好ましくは90〜100℃の熱水又は水蒸気中で、大麦の茎葉を60〜180秒間、好ましくは90〜120秒間処理する方法などが挙げられる。また、熱水処理に際して、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩や炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩を用いることが好ましく、炭酸水素の塩を熱水に溶解することにより、大麦の茎葉の緑色をより鮮やかにすることができる。
蒸煮処理としては、常圧又は加圧下において、大麦の茎葉を水蒸気により蒸煮する処理と冷却する処理とを繰り返す間歇的蒸煮処理が好ましい。間歇的蒸煮処理において、水蒸気により蒸煮する処理は、例えば、20〜40秒間、好ましくは30秒間行われる。蒸煮処理後の冷却処理は、直ちに行われることが好ましく、その方法は特に限定されないが、冷水への浸漬、冷蔵、冷風による冷却、温風による気化冷却、温風と冷風とを組み合わせた気化冷却などが用いられる。このうち温風と冷風とを組み合わせた気化冷却が好ましい。このような冷却処理は、大麦の茎葉の品温が、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下となるように行われる。また、ビタミン、ミネラル、葉緑素などの栄養成分に富んだ大麦の茎葉の粉末を製造するためには、間歇的蒸煮処理を2〜5回繰り返すことが好ましい。
殺菌処理は当業者に通常知られている処理であれば特に限定されないが、例えば、温度、圧力、電磁波、薬剤などを用いて物理的又は化学的に微生物を殺滅させる処理であるということができる。乾燥処理及び粉砕処理に追加してブランチング処理を行う場合、ブランチング処理は乾燥処理の前に行われることが好ましい。また乾燥処理及び粉砕処理に追加して殺菌処理を行う場合、殺菌処理は、乾燥処理の後か、粉砕処理の前又は後に行われることが好ましい。
乾燥処理は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉の水分含量が10%以下、好ましくは5%以下となるように乾燥する処理が挙げられる。乾燥処理は、例えば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥などの当業者に公知の任意の方法により行われ得る。加熱による乾燥は、例えば、40℃〜140℃、好ましくは80℃〜130℃にて加温により茎葉が変色しない温度及び時間で行われ得る。
粉砕処理は特に限定されないが、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などの粉砕用の機器や器具などを用いて、当業者が通常使用する任意の方法により植物体を粉砕する処理が挙げられる。粉砕された大麦の茎葉は、必要に応じて篩にかけられ、例えば、30〜250メッシュを通過するものを大麦の茎葉の粉末として用いることが好ましい。粒径が250メッシュ通過のもの以下とすることで、さらなる加工時に大麦の茎葉の粉末が取り扱いやすくなり、粒径が30メッシュ通過以上のものとすることで、大麦の茎葉の粉末と他の素材との均一な混合が容易になる。
具体的な粉砕末の製造方法としては、例えば、大麦の茎葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法が挙げられる(特開2004−000210号公報を参照)。この他にも、例えば、大麦の茎葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで揉捻し、その後、乾燥し、粉砕する方法(特開2002−065204号公報、特許第3428956号公報を参照);大麦の茎葉を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕する方法(特開2003−033151号公報、特許第3277181号公報を参照)などが挙げられる。
大麦の茎葉を細片化する方法は特に限定されないが、例えば、スライス、破砕、細断などの当業者が植物体を細片化する際に通常使用する方法を用いることができる。細片化の一例として、スラリー化してもよい。スラリー化は、大麦の茎葉をミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダーなどにかけ、大麦の茎葉をどろどろした粥状(液体と固体との懸濁液)にすることにより行う。このようにスラリー化することにより、茎葉は、細片の80質量%以上が、好ましくは平均径1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下、なおさらに好ましくは0.05mm以下となるように細片化され、流動性を有するようになる。細片化物は凍結乾燥や熱風乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(細片化末)とすることもできる。
大麦の茎葉の搾汁液を得る方法は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉又はその細片化物を圧搾する方法、大麦の茎葉の細片化物を遠心やろ過する方法などを挙げることができる。具体的な搾汁液の製造方法の例としては、ミキサー、ジューサーなどの機械的破砕手段によって搾汁し、必要に応じて、篩別、濾過などの手段によって粗固形分を除去することにより搾汁液を得る方法が挙げられる。より具体的には、特開平08−245408号公報、特開平09−047252号公報、特開平5−7471号公報、特開平4−341153号公報などに記載の方法が挙げられ、これらの公知の方法を当業者が適宜選択して実施できる。搾汁液は、必要に応じて濃縮してもよいし、凍結乾燥や熱風乾燥、噴霧乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(搾汁末)とすることもできる。
大麦の茎葉のエキスを得る方法は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉又はその細片化物に、エタノール、水、含水エタノールなどの当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて撹拌や加温して抽出する方法などを挙げることができる。抽出物は、必要に応じて濃縮してもよいし、凍結乾燥や熱風乾燥、噴霧乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(エキス末)とすることもできる。
大麦の茎葉の乾燥粉末の特性は特に限定されないが、例えば、その安息角について、20°〜80°が好ましく、30°〜70°がより好ましく、40°〜60°がさらに好ましく、45°〜55°がなおさらに好ましい。なお、安息角の測定方法は、安息角測定器(アズワン、ASK−01)を用いて、サンプル約50gを高度12cmから半径4.3cmのシャーレ中央に落下させ、次いで山型に堆積したサンプルの高さを測定し、次いでシャーレの半径及び堆積したサンプルの高さから下記式にて安息角を算出できる。
安息角=tan−1(b/a)×180÷π(式中、a=シャーレ半径、b=堆積したサンプルの高さを表わす。)
本発明に用いられる特定品種の大麦の茎葉の乾燥粉末は、水不溶性食物繊維を含み得る。乾燥粉末に含まれる水不溶性食物繊維は、乾燥質量換算で20質量%以上、好ましくは30質量%以上含有することが好ましく、20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜60質量%含有することがより好ましい。
[2.青汁用の飲食用組成物(1)]
本発明は、大麦の茎葉の粉末を含有する青汁用の飲食用組成物に関するものである。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)は、大麦の茎及び/又は葉の粉末を原料の一つとして用いている。本発明の青汁用の飲食用組成物(1)に含有される大麦はマンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条(以下、「特定品種1」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種の大麦である。
本発明においては、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、大麦の茎葉の粉末、粉砕末、搾汁末、細片化末、エキス末であることが好ましく、特に、茎葉の粉砕末又は搾汁末を用いることが、本発明において、青汁用の飲食用組成物(1)をより一層色が鮮やかで風味が良好なものとできる点や、食物繊維の豊富なものとできる点などから好ましい。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)は特定品種1から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎葉の粉末を用いることによって、呈味、色、香りが改善されたものとなる。具体的に説明すると、本発明の青汁用の飲食用組成物(1)は、前記従来の青汁用の飲食用組成物(1)と比較して、大麦の茎葉の粉末に由来して、緑色が鮮やかであり、香りが良いうえに、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの点が優れており、美味しく摂取することができる。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)の固形分中、特定品種1の大麦の茎葉の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。特定品種1の大麦の茎葉の含有量を0.1質量%以上とすることにより、本発明の効果を十分に発揮できる。本発明の青汁用の飲食用組成物(1)の一実施態様において、特定品種1の大麦の茎葉の含有量は、例えば、後述するその他の成分を併用する場合は全体量に対して、10〜80質量%であり、好ましくは20〜70質量%である。
本発明において、青汁用の飲食用組成物(1)は、特定品種1の大麦の茎葉以外に、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類;ゼラチン、コラーゲンペプチド、植物由来タンパク質などのタンパク質;難消化性デキストリン、ペクチン、アルギン酸、グアーガム、グアーガム加水分解物、グルコマンナン、ガラクトマンナン、ポリデキストロース、カラギーナンなどの水溶性食物繊維;ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンなどのオリゴ糖;カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類;N−アセチルグルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類;乳、発酵乳、脱脂粉乳などの乳製品;豆乳、豆乳粉末などの豆乳製品;レモン、リンゴ、明日葉、ケール、甘藷、甘藷茎葉、じゃがいも、ニンジン、カボチャ、ニガウリ、トマト、グリーンピース、モロヘイヤ、スピルリナ、抹茶などの植物又は植物加工品;乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、麹菌、酵母などの微生物などが挙げられる。さらに必要に応じて通常食品分野で用いられる、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、麦芽糖(マルトース)、果糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、キシリトール、でんぷんなどの糖類;ステビア、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、ソーマチン、還元麦芽糖などの甘味料;クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸などの酸味料;酸化チタンなどの着色料;アラビアガム、キサンタンガムなどの増粘剤;シェラックなどの光沢剤;タルク、二酸化ケイ素、セルロース、ステアリン酸カルシウムなどの製造用剤などを配合することもできる。その他の成分としては、これら以外にも、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、青汁用の飲食用組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)は、任意の形態とすることができる。本発明の青汁用の飲食用組成物の形態としては、例えば、飲食などの経口摂取に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)の具体例としては、清涼飲料などの各種飲料、パン・菓子類、麺類などの各種食品、調理品などを挙げることができる。ここでいう飲料には、青汁や、青汁に果汁や野菜、乳製品などを添加してジュース、シェイク、スムージーにしたもの、清涼飲料、炭酸飲料やそれらのもとなどの形態としたものなどを挙げることができる。ここでいう飲料には、液体状の組成物だけでなく、固形状の組成物であって、飲用時に水などの溶媒と混合して液体状の飲料とするものが含まれる。
本発明の青汁用の飲食用組成物(1)は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口摂取する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適するとともに、この青汁用の飲食用組成物(1)が水と混合したときに色が鮮やかであることから好ましい。また本発明の青汁用の飲食用組成物(1)が固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合した液状体となし、該液状体を飲用するなどの経口摂取することができるが、摂取する者の好みなどに応じて、固体のまま経口摂取してもよい。水だけでなく、牛乳、豆乳、果汁飲料、乳清飲料、清涼飲料、ヨーグルト、ホットケーキミックスなどに添加して使用してもよい。また、機能性食品、栄養機能表示食品、特定保健用食品として用いても良いことは言うまでもない。
[3.飲食用組成物(2)]
本発明は、大麦の茎葉の粉末と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを含有する飲食用組成物に関するものである。
本発明の飲食用組成物(2)は、大麦の茎葉(茎及び/又は葉)の粉末と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを含有する。本発明の飲食用組成物(2)に含有される大麦はマンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずく(以下、「特定品種2」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種の大麦である。
本発明においては、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、大麦の茎葉の乾燥粉末、粉砕末、搾汁末、細片化末、エキス末であることが好ましく、特に、茎葉の粉砕末を用いることが、本発明において、飲食用組成物(2)をより一層色が鮮やかで風味が良好なものとできる点や、食物繊維の豊富なものとできる点などから好ましい。
本発明の飲食用組成物(2)は、特定品種2の大麦の茎葉の粉末と、水溶性食物繊維と、オリゴ糖と、乳酸菌とを用いることによって、呈味、色、香りが改善されたものとなる。具体的には、本発明の飲食用組成物(2)は、特定品種2の大麦の茎葉を用いることによって、従来の大麦品種の茎葉を用いた飲食用組成物(2)と比較して、大麦の茎葉に由来して、緑色が鮮やかであり、香りが良いうえに、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味の点が優れており、美味しく摂取することができる。
本発明の飲食用組成物(2)に用いられる特定品種2の大麦の茎葉の粉末の含有量は、大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の合計量に対して、5〜90質量%であり、好ましくは10〜80質量%であり、より好ましくは20〜70質量%である。
本発明の飲食用組成物(2)において用いられる水溶性食物繊維は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、アルギン酸、グアーガム、グアーガム加水分解物、グルコマンナン、ガラクトマンナン、ポリデキストロース、カラギーナンなどが挙げられ、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、ガラクトマンナン、グルコマンナン、グアーガム、グアーガム加水分解物を用いることが好ましい。これらは、1種のみを用いても良いし2種以上を混合しても良い。
難消化性デキストリンは、低カロリーで低脂肪の食品素材であり、整腸作用、血糖上昇抑制、血清コレステロール低下、腸内環境改善、中性脂肪低下などの生理活性効果を有しているとされている。難消化性デキストリンは澱粉から得られる水溶性食物繊維であり、例えば、澱粉に塩酸を添加して加熱処理した後にアミラーゼ処理を行う、若しくは澱粉に塩酸を添加してエクストルーダーを用いて加熱処理を行う、又はこれらの組合せにより得られる組成物から、必要に応じて塩類やグルコースなどを除去して難消化性成分を適宜精製することによって得られる。
本発明の飲食用組成物(2)において、水溶性食物繊維の含有量は、特定品種2の大麦の茎葉1質量部に対して0.001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.01質量部以上5質量部以下がより好ましい。本発明の飲食用組成物(2)の一実施態様において、例えば、水溶性食物繊維の含有量は、大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の合計量に対して、0.1〜60質量%であり、好ましくは0.5〜50質量%であり、より好ましくは1〜40質量%である。
本発明の飲食用組成物(2)において、オリゴ糖としては従来知られているものを用いることができ、特に限定されない。そのようなオリゴ糖としては、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンなどが挙げられ、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、スクロース、ラクトース、マルトース及びシクロデキストリンを用いることが好ましい。これらのオリゴ糖は1種のみを用いてもよいし2種以上を混合してもよい。
例えば、イソマルトオリゴ糖とは、鎖状のα−1,4結合のみからなるマルトオリゴ糖と対比して、α−1,2結合、α−1,3結合及びα−1,6結合の分岐オリゴ糖を多く含むオリゴ糖をいう。α−1,2結合を有するオリゴ糖としては、コージビオースなど;α−1,3結合を有するオリゴ糖としては、ニゲロースなど;α−1,6結合を有するオリゴ糖としては、イソマルトース、パノース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオースなどが挙げられる。本発明で使用するイソマルトオリゴ糖は、天然物から精製又は粗精製されたものであってよく、その起源は特に限定されない。イソマルトオリゴ糖は、腸内菌叢改善効果、腸内環境改善効果、便通・便性状改善効果などの整腸作用;脂質代謝改善効果;高血圧症改善効果;低う蝕性などを有するといわれている。
本発明の飲食用組成物(2)においてオリゴ糖を含有する場合、その含有量は、特定品種2の大麦の茎葉1質量部に対して0.0001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.001質量部以上1質量部以下がより好ましく、0.001質量部以上0.5質量部以下がさらに好ましい。本発明の飲食用組成物(2)の一実施態様において、例えば、オリゴ糖の含有量は、大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の合計量に対して、0.01〜50質量%であり、好ましくは0.05〜40質量%であり、より好ましくは0.1〜30質量%である。
本発明の飲食用組成物(2)において、使用する乳酸菌としては、従来知られているものを用いることができ、特に限定されない。そのような乳酸菌としては、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Enterococcus faecalis ( Streptococcus faecalis と称されることもある)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある)、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosus、Tetragenococcus halophilus、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericusなどが挙げられ、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus fermentum、Lactobacilus paracasei、Enterococcus faecalis (Streptococcus faecalis)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesium)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactis)、Bacillus coagulans、Bacillus mesentericusが好ましい。これらの乳酸菌は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。乳酸菌の性質は特に限定されるものではなく、本発明の飲食用組成物の剤形や品質に応じて適宜選択することができ、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性、有胞子性などが挙げられる。乳酸菌の入手方法は特に限定されず、例えば、ヨーグルトや野菜等の食品から単離された乳酸菌や市販品を用いてもよい。
本発明の飲食用組成物(2)において、乳酸菌の含有量は、本発明の課題の解決を妨げない限り特に限定されないが、特定品種2の大麦の茎葉1質量部に対して0.00001質量部以上10質量部以下が好ましく、0.0001質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.0005質量部以上1質量部以下がさらに好ましい。大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の合計量に対して、0.01質量%以上40質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。
本発明において、飲食用組成物(2)は、特定品種2の大麦の茎葉、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌以外に、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類;ゼラチン、コラーゲンペプチド、植物由来タンパク質などのタンパク質;カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類;N−アセチルグルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖類;乳、発酵乳、脱脂粉乳などの乳製品;豆乳、豆乳粉末などの豆乳製品;レモン、リンゴ、明日葉、ケール、甘藷、甘藷茎葉、じゃがいも、ニンジン、カボチャ、ニガウリ、トマト、グリーンピース、モロヘイヤ、スピルリナ、抹茶などの植物又は植物加工品;納豆菌、酪酸菌、麹菌、酵母などの微生物などが挙げられる。さらに必要に応じて通常食品分野で用いられる、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、麦芽糖(マルトース)、果糖、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、キシリトール、でんぷんなどの糖類;ステビア、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、ソーマチン、還元麦芽糖などの甘味料;クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸などの酸味料;酸化チタンなどの着色料;アラビアガム、キサンタンガムなどの増粘剤;シェラックなどの光沢剤;タルク、二酸化ケイ素、セルロース、ステアリン酸カルシウムなどの製造用剤などを配合することもできる。その他の成分としては、これら以外にも、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、飲食用組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明の飲食用組成物(2)は、任意の形態とすることができる。本発明の飲食用組成物の形態としては、例えば、飲食などの経口摂取に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明の飲食用組成物(2)の具体例としては、清涼飲料などの各種飲料、パン・菓子類、麺類などの各種食品、調理品などを挙げることができる。ここでいう飲料には、青汁や、青汁に果汁や野菜、乳製品などを添加してジュース、シェイク、スムージーにしたもの、清涼飲料、炭酸飲料やそれらのもとなどの形態としたものなどを挙げることができる。ここでいう飲料には、液体状の組成物だけでなく、固形状の組成物であって、飲用時に水などの溶媒と混合して液体状の飲料とするものが含まれる。
本発明の飲食用組成物(2)は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口摂取する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適するとともに、この飲食用組成物(2)が水と混合したときに色が鮮やかであることから好ましい。また本発明の飲食用組成物(2)が固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合した液状体となし、該液状体を飲用するなどの経口摂取することができるが、摂取する者の好みなどに応じて、固体のまま経口摂取してもよい。水だけでなく、牛乳、豆乳、果汁飲料、乳清飲料、清涼飲料、ヨーグルト、ホットケーキミックスなどに添加して使用してもよい。また、機能性食品、栄養機能表示食品、特定保健用食品として用いても良いことは言うまでもない。
本発明の飲食用組成物(2)は、特定品種2の大麦の茎葉を特定成分、すなわち、水溶性食物繊維、オリゴ糖、及び乳酸菌と共に含有することによって、これら特定成分を従来の大麦品種の茎葉と共に含有した従来の飲食用組成物(2)と比較して、色の鮮やかさや香りの良さ、甘さ、に優れるため、美味しく摂取でき、嗜好性が高い。
[4.乳酸菌増殖用組成物]
本発明は、大麦の茎葉の粉末を含有する乳酸菌増殖用組成物に関するものである。
本発明の大麦の茎葉の粉末は、乳酸菌を培養し増殖させる作用を有する(以下「乳酸菌増殖用組成物」ともいう)。本発明の乳酸菌増殖用組成物に含有される大麦は、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずく(以下、「特定品種3」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種である。
本発明においては、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、大麦の茎葉の乾燥粉末、粉砕末、搾汁末、細片化末、エキス末であることが好ましく、特に、茎葉の粉砕末を用いることが、安価でかつ効率良く乳酸菌を増殖できるため、好ましい。
本発明の乳酸菌増殖用組成物は、特定品種3の大麦の茎葉の粉末を含有することによって、乳酸菌を良好に増殖させることができる。乳酸菌増殖用組成物は、大麦の茎葉の粉末以外の成分として、オリゴ糖、水溶性食物繊維、ビタミン類、アミノ酸、乳酸菌等のその他の成分を含むことができる。
本発明の乳酸菌増殖用組成物の固形分中、特定品種3の大麦の茎葉の粉末の含有量は、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。特定品種3の大麦の茎葉の粉末の含有量が0.1質量%より少ない場合、本発明の効果が十分に発揮されない場合がある。本発明の乳酸菌増殖用組成物の一実施態様において、例えば、特定品種3の大麦の茎葉の粉末の含有量は、例えば、その他の成分を併用する場合は全体量に対して、10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%である。
乳酸菌としては、糖類から多量の乳酸を生成する細菌であれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongoliense、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Enterococcus faecalis(Streptococcus faecalis と称されることもある)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある)、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosus、Tetragenococcus halophilus、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericusなどが挙げられ、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus fermentum、Lactobacilus paracasei、Enterococcus faecalis (Streptococcus faecalis)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesium)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactis)、Bacillus coagulans、Bacillus mesentericusが好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。乳酸菌増殖用組成物が乳酸菌を含有する場合、この乳酸菌は乳酸菌増殖用組成物が増殖対象とする乳酸菌と同一種のものであってもよく、異なる種のものであってもよい。
乳酸菌の性質は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性、有胞子性などが挙げられる。
乳酸菌の入手方法は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨーグルトや野菜などの食品から単離された乳酸菌や市販品を用いてもよい。
例えば、乳酸菌増殖用組成物を、後述するように乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法に用いる場合は、無機塩類を含む溶媒に、固体の形態の乳酸菌増殖用組成物を分散又は溶解して分散液又は溶解液などの液体の形態の乳酸菌増殖用組成物を調製する方法などが挙げられる。この場合、任意成分を溶媒に分散又は溶解するタイミングは、大麦の茎葉の加工物の溶媒への分散又は溶解と同時である必要はなく、大麦の茎葉の加工物を分散又は溶解した前、又は後のいずれであってもよい。
無機塩類を含む溶媒は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられるが、これらの中でも、リン酸緩衝生理食塩水(以下「PBS」ともいう。)が好ましい。このような乳酸菌増殖用組成物は、以下に示す、乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法において好適に用いることができる。
(乳酸菌用培地及び乳酸菌の培養方法)
乳酸菌用培地は、乳酸菌増殖用組成物を含有してなり、さらに必要に応じて乳酸菌の生育に好適な成分を含有してなる。乳酸菌の培養方法は、乳酸菌用培地を用いて乳酸菌を培養する方法である。
乳酸菌増殖用組成物及び乳酸菌用培地により増殖される乳酸菌としては、糖類から多量の乳酸を生成する細菌であれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、上記の乳酸菌などが挙げられる。
乳酸菌用培地の培地成分としては、乳酸菌増殖用組成物を含有するものであれば、特に限定されず、通常乳酸菌に使用される培地の成分の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコース、オリゴ糖などの炭素源;ポリペプトン、酵母エキス、カゼインなどの窒素源;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウムなどの無機塩類やリン酸緩衝生理食塩水などの乳酸菌の生育に好適な成分などが挙げられるが、リン酸緩衝生理食塩水とマンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ及びはるしずくから選ばれる少なくとも1の特定品種3の大麦の茎葉の粉末を含有する乳酸菌増殖用組成物とからなる液体培地が、好適に乳酸菌を増殖させることができる点で好ましい。また、乳酸菌増殖用組成物を含む液体培地を、前培養において用いてもよく、本培養において用いてもよい。
乳酸菌用培地の特定品種3の大麦の茎葉の粉末の含有量は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましく、0.1質量%以上がなおさらに好ましく、上限値としては、90質量%以下が好ましい。特定品種3の大麦の茎葉の粉末の含有量が0.001質量%以上とすることで、効率良く乳酸菌を増殖させることが可能となる。
乳酸菌用培地の滅菌条件としては、特定品種3の大麦の茎葉の粉末に変質が生じず、乳酸菌に用いることができる培地を滅菌できる条件であれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、110℃〜130℃、10分間〜30分間で高圧蒸気滅菌することが好ましい。
乳酸菌の培養条件(培地中のpH、溶存酸素、培養温度、培養時間など)としては、通常乳酸菌に使用される培養条件であれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸菌の科学と技術(乳酸菌研究集談会 編)などに記載の培養条件などが挙げられる。
本発明の飲食用組成物を用いた乳酸菌増殖用組成物は、生体内において乳酸菌を増殖させるものであり得る。乳酸菌増殖用組成物は、生体外において乳酸菌を増殖促進させるものであってもよい。
乳酸菌増殖用組成物は、これを用いることにより、安価かつ簡便に、乳酸菌を増殖させることができ、しかも従来の大麦品種の茎葉を用いた乳酸菌増殖用組成物と比較して、乳酸菌の増殖促進効果が高いものとなるので、例えば、乳酸菌を含有する素材、食品、食品素材、食品組成物などの添加物として好適に利用することができる。
同様に、乳酸菌増殖用組成物を含有する乳酸菌用培地は、これを用いることにより、安価かつ簡便に、乳酸菌を増殖させることができ、しかも従来の大麦品種の茎葉を用いた乳酸菌増殖用培地と比較して、乳酸菌の増殖促進効果が高いものとなるので、乳酸菌の培養に好適に用いることができ、安全性にも優れるため、例えば、乳酸菌を含有する素材、食品、食品素材、食品組成物などの添加物として好適に利用することができる。
[5.熊本県阿蘇地域で栽培された大麦の茎及び/又は葉の粉末]
本発明は、熊本県阿蘇地域で栽培された大麦の茎葉の粉末に関する。
本発明の大麦の茎葉の粉末に使用される品種は、マンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ及びはるしずく(以下、「特定品種4」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種である。
本発明においては、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、大麦の茎葉の乾燥粉末、粉砕末、搾汁末、細片化末、エキス末であることが好ましく、特に、茎葉の粉砕末又は搾汁末を用いることが、本発明の特定品種4を用いた飲食用組成物をより一層色が鮮やかで風味が良好なものとできる点や、食物繊維の豊富なものとできる点などから好ましい。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末は、熊本県阿蘇地域で栽培された大麦の茎葉を使用することに特徴がある。2014年の阿蘇地域(例えば、高森)の気候は、気象庁ホームページの気象統計情報によれば、年平均降水量165mm/月、年平均気温13.0℃、年平均日照時間138時間/月である。
一方、大麦を多く栽培している北海道(例えば、帯広)の気候(2014年)は、年平均降水量74mm/月、年平均気温7.6℃、年平均日照時間180時間/月であり、同様に大麦を多く栽培している佐賀県(例えば、鳥栖)の気候(2014年)は、年平均降水量187mm/月であり、鳥栖と近隣の久留米の気候は、年平均降水量154mm/月、年平均気温16.6℃、年平均日照時間155時間/月である。
このように、気候は地域差が大きく、大麦の生育に影響を与え、その結果、大麦の茎葉に含まれる栄養素の量にも影響を与える。大麦の生育が影響されると、例えば、草丈、葉の幅、葉の長さ、葉の厚みなどの栽培適性が変化し得る。
栄養素とは、特に限定されないが、例えば、脂質、糖質、食物繊維、各種ビタミン類、葉酸、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの無機類、ポリフェノール、葉緑素、各種アミノ酸などが挙げられる。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末に有意に多く含まれる栄養素として、例えば、アスパラギン酸、セリン、アルギニン、アラニン、チロシン、システイン、フェニルアラニンなどのアミノ酸である。これらのアミノ酸のいくつかは、うまみ成分でもある。このため、本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末を飲食用組成物とした場合、アミノ酸を多く含有することにより、青汁などの飲食用組成物とした場合に嗜好性の良い飲食用組成物を提供できる。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末に有意に多く含まれる栄養素として、例えば、ポリフェノールが挙げられる。ポリフェノールは、例えば抗酸化作用を有し、ポリフェノール量が多いことで活性酸素の働きをより抑える効果がある。このため、本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末を用いた青汁などの飲食用組成物とした場合に、栄養価の高い飲食用組成物を提供できる。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末に有意に多く含まれる他の栄養素として、例えば、クロロフィルが挙げられる。クロロフィルとは葉緑体に含有される緑色色素であり、乾燥粉末の色に関与する。すなわち、クロロフィル量が多いことにより色が鮮やかな乾燥粉末となる。また、クロロフィルにはコレステロールの正常化、整腸作用、殺菌作用、抗炎症作用などの効果が知られている。このため、本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末を用いた青汁などの飲食用組成物とした場合に、色が鮮やかであり、栄養価の高い飲食用組成物を提供できる。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末は、青汁などの飲食用組成物に加工することができる。本発明の特定品種4の大麦の茎葉の粉末を飲食用組成物の原料として使用する際は、特定品種4の大麦の1品種を単独で使用することができ、又は他の品種とともに2品種以上の組合せで使用することができる。飲食用組成物のための加工方法や、飲食用組成物として配合してもよい添加物や飲食用組成物の形態については、例えば、特開2004−65018号公報、特開2015−77112号公報、特開2015−109831号公報等の記載を参照できる。
本発明の別の態様として、本発明の特定品種4の大麦の茎葉を栽培する方法が提供される。本発明の特定品種4の大麦の茎葉を栽培する方法は、特定品種4の大麦の種又は苗を熊本県阿蘇地域で栽培するものである。本発明の特定品種4の大麦の茎葉を栽培する方法では、上記工程の前段又は後段に、本発明の特定品種4の大麦の茎葉を栽培することという目的を損なわない限り、任意の工程を採用し得る。
本発明の特定品種4の大麦の茎葉は、熊本県阿蘇地域で栽培した後、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前に収穫されるものであることが好ましい。大麦の茎葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましい。処理までに時間を要する場合、大麦の茎葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
[6.黒ボク土を含む土を用いて栽培される大麦の茎及び/又は葉の粉末]
本発明は、黒ボク土を含む土を用いて栽培される大麦の茎及び/又は葉の粉末に関する。
本発明の大麦の茎葉の粉末に使用される品種は、マンネンボシ、ダイシモチ、カシマムギ(以下、「特定品種5」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種である。本発明の特定品種5の大麦の茎葉の粉末は、青汁などの飲食用組成物に使用することができる。本発明の特定品種5の大麦の茎葉の粉末を飲食用組成物の原料として使用する際は、特定の大麦の1品種を単独で使用することができ、又は他の品種とともに2品種以上の組合せで使用することができる。
本発明においては、加工、貯蔵、運搬などの容易性や使用形態の汎用性といった観点から、大麦の茎葉の乾燥粉末、粉砕末、搾汁末、細片化末、エキス末であることが好ましく、特に、茎葉の粉砕末を用いることが、本発明の特定品種4を用いた飲食用組成物をより一層色が鮮やかで風味が良好なものとできる点や、食物繊維の豊富なものとできる点などから好ましい。
本発明の特定品種5の大麦の茎葉の粉末は、少なくとも一部に黒ボク土を含む土を用いて栽培された大麦の茎葉を使用することに特徴がある。栽培とは、当業界において通常知られる方法により大麦を種や苗などから葉や茎を収穫できる程度にまで生育させることであれば特に限定されず、使用する土以外の温度や湿度などの条件は当業者により適宜設定することができる。
本発明の特定品種5の大麦の茎葉において、黒ボク土は、通常知られている黒ボク土であれば特に限定されないが、例えば、主に火山灰土と腐葉土からなり、黒色に近い色をしており、ボクボクした感触(軽くてサラサラしている)の土であると知られている(図25を参照)。赤土(図26を参照)と比べると、黒色が濃いことがわかった。また、黒ボク土は、赤土と比べると、有効態リン酸の含有量が小さく、N:P比が2〜5:12〜17程度である。したがって、大麦を黒ボク土で栽培した場合、大麦に対して過剰なリンの供給を回避できる。さらに、黒ボク土は、赤土より、陽イオン交換量が2倍程度多い。これにより、黒ボク土は、赤土と比較して、豊富な量の交換性石灰、交換性苦土及び交換性加里を含有する傾向にある。黒ボク土の土壌分析データの非限定的な一例は、後述する実施例に記載の表10のとおりとなる。なお、参考として、赤土の土壌分析データも併せて示す。
本発明の特定品種5の大麦の茎葉において、少なくとも一部に黒ボク土を含む土は、黒ボク土又は黒ボク土と他の土とを混合させた混合土であれば特に限定されない。例えば、混合土の場合は黒ボク土と他の土との混合割合は黒ボク土:他の土=0.1〜9.9:9.9〜0.1とすることができるが、好ましくは1〜9:9〜1である。混合土で栽培する場合において、黒ボク土の割合を大きくすることにより、黒ボク土と異なる土、例えば、赤土で栽培されたものより、特定品種5の大麦の丈、色、葉幅のいずれかの特性又はこれらの2種以上の特性が優れたものになる。
大麦の丈、色及び葉幅は、飲食用組成物の原料の品質に影響する特性である。大麦の丈、葉幅は大きければ大きいほど生育状況が良好で、栽培適性に優れることを示す。大麦の色は、飲食用組成物の美観に影響することから、濃緑色であることが好ましい。具体的には、葉色スケールを用いた場合、1本の大麦の葉の平均値が例えば4.0以上であり、好ましくは4.5以上である。
本発明の特定品種5の大麦の茎葉は、黒ボク土を用いずに栽培された大麦の葉や茎と比較して、栽培適性が高く、見た目が美しいものであることから、飲食用組成物の原料として適するものである。したがって、本発明の特定品種5の大麦の茎葉を原料として用いた飲食用組成物は、例えば、赤土で栽培したものを原料として用いた飲食用組成物と比較して、栽培適正が高いことにより、得られる乾燥粉末の収量が多いため安価で提供できる上に、色が鮮やかであることによる見た目の美しいものである。特に、本発明の特定品種5の大麦の茎葉の粉末を含む飲食用組成物は、これを水と混合すると、緑色が鮮やかなものとなる。
本発明の特定品種5の大麦の茎葉を含む青汁などの飲食用組成物の使用方法は特に限定されず、例えば、特開2004−65018号公報、特開2015−77112号公報、特開2015−109831号公報等の記載を参照できる。
本発明の別の態様として、本発明の特定品種5の大麦の茎葉を栽培する方法が提供される。本発明の特定品種5の大麦の茎葉を栽培する方法は、特定品種5の大麦の種又は苗を少なくとも一部に黒ボク土を含む土を用いて栽培する工程を含む。本発明の特定品種5の大麦の茎葉を栽培する方法では、上記工程の前段又は後段に、本発明の特定品種5の大麦の茎葉を栽培することという目的を損なわない限り、任意の工程を採用し得る。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[製造例]
製造例1.大麦茎葉の粉砕末試料
原料として、出穂前に刈り取ったニシノホシの茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料を得た。
ニシノホシの代わりに、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく、ダイシモチ、イチバンボシ及びシュンライを用いた以外は、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料を得たのと同様にして、各大麦品種茎葉の粉砕末試料を得た。
製造例2.大麦の搾汁液試料
原料として、出穂前に刈り取ったイチバンボシの茎葉を用いた。この茎葉に付着した泥などを除去した。得られた茎葉を、ジューサーを用いて搾汁することにより茎葉の搾汁液試料を得た。
イチバンボシの代わりに、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくを用いた以外は、イチバンボシ茎葉の搾汁液試料を得たのと同様にして、各大麦品種茎葉の搾汁液試料を得た。
製造例3.大麦茎葉の搾汁末試料
原料として、出穂前に刈り取ったイチバンボシの茎葉を用いた。「2.大麦の搾汁液試料」の製造において得られた搾汁液を凍結乾燥することにより、茎葉の搾汁末試料を得た。
イチバンボシの代わりに、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくを用いた以外は、イチバンボシ茎葉の搾汁末試料を得たのと同様にして、各大麦品種茎葉の搾汁末試料を得た。
[実施例1]大麦茎葉末の官能評価(1)
(1)サンプルの調製
製造例1で得た大麦茎葉の粉砕末試料(ニシノホシ、イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの5品種)1.8g及び製造例3で得たイチバンボシの搾汁末試料1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を実施例サンプルとし、ニシノホシ、イチバンボシの粉砕末及びイチバンボシの搾汁末を比較例サンプルとした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例1−1〜1−2の官能評価を実施した。
(2)評価例1−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図1のグラフに示す。図1に示すように、イチバンボシの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさ、香りの良さで優れているが、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、ニシノホシ及びイチバンボシのいずれの粉砕末と比較しても、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。また、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく及びイチバンボシの粉砕末はイチバンボシの搾汁末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例1−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ)
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図2のグラフに示す。図2に示すように、イチバンボシの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当りの良さが優れていることがわかった。一方、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を用いたサンプルは、ニシノホシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れていることがわかった。さらに、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末は、イチバンボシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れており、特に、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、口当りの良さが優れていることがわかった。また、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく及びイチバンボシの粉砕末は、イチバンボシの搾汁末と比較して全ての評価項目において優れていることがわかった。
以上、図1及び図2より、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末は、ニシノホシの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。また、イチバンボシの粉砕末は、ニシノホシの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であるが、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末はイチバンボシの粉砕末と比較して、より色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。さらに、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずく及びイチバンボシの粉砕末は、イチバンボシの搾汁末と比較しても、いずれの項目も優れており、大麦茎葉を粉砕末とすることでより色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物を得られることがわかった。
[実施例2]大麦茎葉末の官能評価(2)
(1)サンプルの調製
製造例1で得た大麦茎葉のうち、イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末試料1.8gを、アルミフィルムバックに入れて密封し、60℃で3日間加熱した。加熱後、得られた粉末試料を水100mLと混合して各サンプルを得た。なお、標準品として、ニシノホシの加熱前の粉砕末試料1.8gと水100mLを混合したものを使用した。なお、本評価においては、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末を実施例サンプルとし、加熱前のニシノホシ及び加熱後のイチバンボシの粉砕末を比較例サンプルとした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例2−1〜2−2の官能評価を実施した。
(2)評価例2−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図3のグラフに示す。図3に示すように、加熱後のイチバンボシの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさは優れているものの、香りの良さが劣っているという結果であった。一方、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さで優れていることがわかった。さらに、加熱後のカシマムギの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して色の鮮やかさは同等であったが、香りの良さが優れており、加熱後のマンネンボシ、はるしずくの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例2−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ)
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図4のグラフに示す。図4に示すように、加熱後のイチバンボシの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して甘さ、えぐみの弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、コク、味の濃さ、口当りのよさで優れているものの、舌触り、粉っぽさで劣る結果であった。一方、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して、全ての評価項目において優れていることがわかった。さらに、加熱後のカシマムギ、マンネンボシの粉砕末は加熱後のイチバンボシと比較しても、全ての評価項目で優れており、加熱後のはるしずくの粉砕末は加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して、えぐみの弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当りの良さで優れていることがわかった。
以上より、加熱後のイチバンボシの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して香りの良さ、舌触り、粉っぽさが劣るものであったが、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末、及び、加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
(4)評価例2−3(加熱前後の各項目の比較)
イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末について、加熱前のニシノホシの粉砕末を基準とした嗜好性の評価の比較を実施した。評価項目は、色の鮮やかさ、香りの良さ、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さである。各項目において、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して優れていると評価した人数を集計し、各評価項目の合計人数に対する割合を算出した。結果を表1に示す。
表1より、加熱前のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末や、加熱前及び加熱後のイチバンボシの粉砕末と比較して嗜好性が高いものであることがわかった。また、加熱前後の評価結果の推移を見ると、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末の嗜好性は、加熱前と比較していずれも劣化するものの、加熱後のイチバンボシの粉砕末の嗜好性の劣化の程度と比較して小さいものであった。さらに、加熱後のカシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの粉砕末の嗜好性は、加熱前より劣化したとはいえ、加熱後においても加熱前のニシノホシの粉砕末の6倍以上、加熱前のイチバンボシの粉砕末の2倍以上、加熱後のイチバンボシの粉砕末の4倍以上優れていた。以上より、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの粉砕末は、ニシノホシ、イチバンボシの粉砕末との品種間の比較において優れているのみならず、同一品種の熱安定性の比較においても優れた品種であることがわかった。
[実施例3]大麦茎葉末の官能評価(3)
(1)サンプルの調製
製造例3で得た大麦茎葉の搾汁末試料(イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの4品種)1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、イチバンボシ茎葉の搾汁末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁末を実施例サンプルとし、イチバンボシの搾汁末を比較例サンプルとした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例3−1〜3−2の官能評価を実施した。
(2)評価例3−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図5のグラフに示す。図5に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの搾汁末は、イチバンボシの搾汁末と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例3−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ)
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図6のグラフに示す。図6に示すように、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁末を用いたサンプルは、イチバンボシの搾汁末と比較して、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの全ての項目において優れており、嗜好性が高いことがわかった。
以上より、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁末はイチバンボシの搾汁末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
[参考例]大麦茎葉搾汁液の官能評価(4)
(1)サンプルの調製
製造例2で得た大麦茎葉の搾汁液(イチバンボシ、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの4品種)を用いた。これらのサンプルのうち、イチバンボシ搾汁液を、標準品とした。なお、本評価においては、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁液を参考例サンプルとし、イチバンボシの搾汁液を比較参考例サンプルとした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例4−1〜4−2の官能評価を実施した。
(2)評価例4−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かを答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して緑色が鮮やかである」「標準品と比較して香りが良い」とそれぞれ答えた人の数を、色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図7のグラフに示す。図7に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、はるしずくの搾汁液は、イチバンボシの搾汁液と比較して、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例4−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ)
前記の5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良いと感じるか否かについて、それぞれ答えさせた。各サンプルについての「標準品と比較して甘い」、「標準品と比較してえぐ味が弱い」、「標準品と比較して苦味が弱い」、「標準品と比較して青臭くない」、「標準品と比較して舌触りが良い」、「標準品と比較して粉っぽさがない」、「標準品と比較してコクがある」、「標準品と比較して味が濃い」及び「標準品と比較して口当たりが良い」とそれぞれ答えた人の数を、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの評価点として、図8のグラフに示す。図8に示すように、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくを用いたサンプルは、イチバンボシと比較して、甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触り、粉っぽさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さの全ての項目において優れており、嗜好性が高いことがわかった。
以上より、カシマムギ、マンネンボシ及びはるしずくの搾汁液はイチバンボシの搾汁液と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
[製造例]
製造例4.大麦茎葉の粉砕末試料
原料として、出穂前に刈り取ったニシノホシの茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料を得た。
ニシノホシの代わりに、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンを用いた以外は、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料を得たのと同様にして、各大麦品種茎葉の粉砕末試料を得た。
製造例5.大麦茎葉の搾汁末試料
原料として、出穂前に刈り取ったニシノホシの茎葉を用いた。得られた茎葉を、ジューサーを用いて搾汁することにより茎葉の搾汁液を得た。得られた搾汁液を凍結乾燥することにより、茎葉の搾汁末試料を得た。
ニシノホシの代わりに、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンを用いた以外は、ニシノホシ茎葉の搾汁末試料を得たのと同様にして、各大麦品種茎葉の搾汁末試料を得た。
[実施例4]大麦茎葉末の官能評価(4)
(1)サンプルの調製
製造例4で得た大麦茎葉の粉砕末試料(ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの5品種)1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、ニシノホシ茎葉の粉砕末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、トヨノカゼ、サチホゴールデンの粉砕末を実施例サンプルとし、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの粉砕末を比較例サンプルとした。
被験者として、健常な成人6名を無作為に選出した。これらの被験者6名に対し、以下の評価例5−1〜5−2の官能評価を実施した。
(2)評価例5−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者6名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かをアンケートに記入させた。具体的には、標準品と同等であるものを基準(4点)として、非常に良いものを7点、非常に悪いものを1点とした7段階で評価させた。
1点(非常に悪い)←――――4点(標準品と同等)―――――→7点(非常に良い)
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、その合計点を本評価の評価点とした。結果を図9のグラフに示す。図9に示すように、イチバンボシ及びシュンライの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさ、香りの良さで優れているが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は、ニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライのいずれの粉砕末と比較しても、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例5−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触りの良さ、粉っぽさのなさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味)
前記6名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良い、のどごしが良い、後味が良いと感じるか否かについて、ニシノホシの粉砕末サンプルを基準として、評価例5−1と同様の7段階の評価方法にて比較させ、アンケートに記入させた。各サンプルについての評価の平均点を算出し、その合計点を本評価の評価点とした。結果を図10のグラフに示す。図10に示すように、イチバンボシ及びシュンライの粉砕末はニシノホシの粉砕末と比較して全ての評価項目で優れているが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は、ニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライのいずれの粉砕末と比較しても、全ての評価項目で優れており、特に、苦味の弱さ、コク、味の濃さは高い評価であることがわかった。
以上より、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は、ニシノホシの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。また、イチバンボシ及びシュンライの粉砕末は、ニシノホシの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であるが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末はイチバンボシやシュンライの粉砕末と比較して、より色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
[実施例5]大麦茎葉末の官能評価(5)
(1)サンプルの調製
製造例1で得た大麦茎葉(ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデン)の粉砕末試料1.8gを、アルミフィルムバックに入れて密封し、60℃で3日間加熱した。加熱後、得られた粉末試料を水100mLと混合して各サンプルを得た。なお、標準品として、ニシノホシの加熱前の粉砕末試料1.8gと水100mLを混合したものを使用した。なお、本評価においては、加熱後のトヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末を実施例サンプルとし、加熱前のニシノホシ及び加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの粉砕末を比較例サンプルとした。
(2)評価例6−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者6名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かをアンケートに記入させた。具体的には、標準品と同等であるものを基準(4点)として、非常に良いものを7点、非常に悪いものを1点とした7段階で評価させた。
1点(非常に悪い)←――――4点(標準品と同等)―――――→7点(非常に良い)
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、その合計点を本評価点として、図11のグラフに示す。図11に示すように、加熱後のニシノホシの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して色の鮮やかさ、香りの良さのいずれもが悪い結果であった。また、加熱後のイチバンボシ及びシュンライの粉砕末についても、加熱後のニシノホシの粉砕末と比較して全ての項目で優れているものの、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較すると全ての項目で悪い結果であった。一方、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの粉砕末のみでなく、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較しても優れたものであり、特に、香りの良さは評価であることがわかった。
(3)評価例6−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触りの良さ、粉っぽさのなさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味)
前記6名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良い、のどごしが良い、後味が良いと感じるか否かについて、加熱前のニシノホシの粉砕末サンプルを基準として、評価例5−1と同様の7段階の評価方法にて比較させ、アンケートに記入させた。各サンプルについての評価の平均点を算出し、その合計点を本評価の評価点とした。結果を図12に示す。図12に示すように、加熱後のニシノホシの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して全ての項目で悪い結果であった。また、加熱後のイチバンボシ及びシュンライの粉砕末についても、加熱後のニシノホシの粉砕末と比較して全ての項目で優れているものの、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較すると全ての項目で悪い結果であった。一方、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの粉砕末のみでなく、加熱前のニシノホシの粉砕末と比較しても嗜好性に優れたものであった。特に、甘さ、コク、味の濃さ、後味は高い評価であることがわかった。
以上より、加熱後のニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの粉砕末は加熱前のニシノホシの粉砕末と比較して嗜好性が劣るものであったが、加熱後のトヨノカゼ、及びサチホゴールデンの粉砕末は、加熱前のニシノホシの粉砕末、及び、加熱後のイチバンボシ、シュンライの粉砕末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
(4)評価例6−3(加熱前後の各項目の比較)
ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末について、5−1,5−2で評価した加熱前の各粉砕末の各評価値を1とした場合の6−1,6−2で評価した加熱後の各評価値の割合を算出し、加熱による各評価項目の程度を比較した。結果を表2に示す。表2において、数値が大きいほど加熱前と同等の嗜好性であり、加熱による劣化が小さいことを示す。
表2より、加熱後のニシノホシの粉砕末は、加熱前と比較すると、各項目の値は50〜71%と低いものであり、加熱による劣化が大きいことがわかった。また、加熱後のイチバンボシ、シュンライの粉砕末は、加熱前と比較すると各項目の値は60〜79%であり、ニシノホシの粉砕末ほどではないものの、加熱により劣化していることがわかった。一方、加熱後のトヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は、各項目の値は78%以上と高いものであり、加熱前と比較していずれも劣化するものの、加熱後のニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライの粉砕末の嗜好性の劣化の程度と比較して小さいものであった。特に、えぐ味の弱さ、舌触り、コク、味の濃さにおいては加熱前と比較しても劣化が小さいものであった。
以上より、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの粉砕末は、ニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライの粉砕末との品種間の比較において優れているのみならず、同一品種の熱安定性の比較においても優れた品種であることがわかった。
[実施例6]大麦茎葉末の官能評価(6)
(1)サンプルの調製
製造例5で得た大麦茎葉の搾汁末試料(ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライ、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの5品種)1.8gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、ニシノホシ茎葉の搾汁末試料から得られたサンプルを、標準品とした。なお、本評価においては、トヨノカゼ、サチホゴールデンの搾汁末を実施例サンプルとし、ニシノホシ、イチバンボシ、シュンライの搾汁末を比較例サンプルとした。
被験者として、健常な成人6名を無作為に選出した。これらの被験者6名に対し、以下の評価例7−1〜7−2の官能評価を実施した。
(2)評価例7−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者6名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かをアンケートに記入させた。具体的には、標準品と同等であるものを基準(4点)として、非常に良いものを7点、非常に悪いものを1点とした7段階で評価させた。
1点(非常に悪い)←――――4点(標準品と同等)―――――→7点(非常に良い)
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、その合計点を本評価点として、図13のグラフに示す。図13に示すように、イチバンボシ及びシュンライの搾汁末はニシノホシの搾汁末と比較して色の鮮やかさ、香りの良さで優れているが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末は、ニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライのいずれの搾汁末と比較しても、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例7−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、舌触りの良さ、粉っぽさのなさ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味)
前記6名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、舌触りが良い、粉っぽさがない、コクがある、味が濃い、口当たりが良い、のどごしが良い、後味が良いと感じるか否かについて、ニシノホシの搾汁末を基準として、評価例7−1と同様の7段階の評価方法にて比較させ、アンケートに記入させた。各サンプルについての評価の平均点を算出し、その合計点を本評価の評価点とした。結果を図14のグラフに示す。図14に示すように、イチバンボシ及びシュンライの搾汁末はニシノホシの搾汁末と比較して全ての評価項目で優れているが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末は、ニシノホシ、イチバンボシ及びシュンライのいずれの搾汁末と比較しても、全ての評価項目で優れており、特に、甘さ、苦味のなさ、のどごし、後味は高い評価であることがわかった。
以上、図13及び図14より、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末は、ニシノホシの搾汁末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。また、イチバンボシ及びシュンライの搾汁末は、ニシノホシの搾汁末と比較して色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であるが、トヨノカゼ及びサチホゴールデンの搾汁末はイチバンボシの搾汁末と比較して、より色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れた組成物であることがわかった。
[実施例7]特定成分を含有する飲食用組成物
1.組成物の調整
以下の表3〜表6に示す配合を有する組成物を製造した。数値については、特に断りがない限り、質量%を表わす。同表中、大麦としては、大麦茎葉の粉砕末を用いた。水溶性食物繊維としては、難消化性デキストリンを用いた。オリゴ糖としては、イソマルトオリゴ糖を用いた。乳酸菌としては、Enterococcus faecalis(Streptococcus faecalis)を用いた。同表に記載の各成分のうち、大麦茎葉粉末は、製造例1に記載の方法で製造した。水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌は、市販品を用いた。
本試験に使用したサンプルの概要は以下のとおりである。
(ア)大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の4成分全てを含有するもの(サンプルA〜B、1〜28)
(イ)大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の4成分のうち、いずれか3成分を含有するもの(サンプルC〜O)
サンプルの詳細を表3〜6に示す。
2.官能評価(I)
(1)サンプルの調製
上記表2及び3に記載のサンプルA〜O及びサンプル1〜4について、各サンプル3gを、水100mLと混合して各試験サンプルを得た。これらの試験サンプルのうち、サンプルAを標準品とした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例8−1〜8−2の官能評価を実施した。
(2)評価例8−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記の被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かをアンケートに記入させた。具体的には、標準品と同等であるものを基準(4点)として、非常に良いものを7点、非常に悪いものを1点とした7段階で評価させた。
1点(非常に悪い)←――――4点(標準品と同等)―――――→7点(非常に良い)
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、各項目の平均点と基準点(4点)の差を算出し、その合計点を本評価点として、図15のグラフに示す。図15において、標準品と比較して高評価であった項目はプラスで表記され、低評価であったものはマイナスで表記される。図15に示すように、大麦茎葉の粉砕末、乳酸菌、オリゴ糖、水溶性食物繊維のうち、いずれかを含有していないサンプル(C〜O)はサンプルA及びBと比較して色の鮮やかさ、香りの良さで劣るものであることがわかった。また、大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の4成分を含有するサンプルBはサンプルAと比較して色の鮮やかさで優れているが、香りの良さで劣るものであった。一方、サンプル1〜4は、サンプルA〜Oのいずれのサンプルと比較しても、色の鮮やかさ、香りの良さのいずれも優れていることがわかった。
(3)評価例8−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味)
前記5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、コクがある、味が濃い、口当たりが良い、のどごしが良い、後味が良いと感じるか否かについて、サンプルAを基準として、評価例1−1と同様の7段階の評価方法にて比較させ、アンケートに記入させた。各サンプルについての評価の平均点を算出し、各項目の平均点と基準点(4点)の差を算出し、その合計点を本評価の評価点として、図16のグラフに示す。図16において、標準品と比較して高評価であった項目はプラスで表記され、低評価であったものはマイナスで表記される。図16に示すように、大麦茎葉の粉砕末、乳酸菌、オリゴ糖、水溶性食物繊維のうち、いずれかを含有していないサンプルのうち、C〜I,K〜Nは、サンプルAと比較して全ての項目で同等又は劣るものであり、サンプルJは苦味の弱さ、青臭さの項目で優れているものの、その他の項目で劣るものであり、サンプルOは青臭さの項目で優れているものの、その他の項目で同等又は劣るものであることがわかった。また、大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌の4成分を含有するサンプルBはサンプルAと比較して、甘さ、えぐ味、青臭さ、コクの項目で優れていたが、口当たりの良さ、のどごしの項目で劣るものであることがわかった。一方、サンプル1〜4は、サンプルA〜Oのいずれのサンプルと比較しても、全ての項目で優れていた。
以上の結果より、カシマムギ、マンネンボシ、ダイシモチ及びはるしずくのいずれかの大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分を全て含有する本発明の飲食用組成物は、大麦の茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌のうちいずれか3成分を含有する場合や、大麦の茎葉の粉砕末としてニシノホシやイチバンボシのいずれかを用いた場合と比較して、色が鮮やかで香りが良く、嗜好性に優れる組成物であった。すなわち、本発明の飲食用組成物の嗜好性は特定成分の組み合わせのみでなく、大麦の品種にも大きく影響を受けるものであり、特定品種の大麦を使用することにより嗜好性に優れた飲食用組成物が得られることがわかった。
2.官能評価(II)
(1)サンプルの調製
上記表3〜5に記載のサンプル1〜28について、各サンプル3gを、水100mLと混合して各サンプルを得た。これらのサンプルのうち、表3に記載のサンプル1〜4を、標準品とした。
被験者として、健常な成人5名を無作為に選出した。これらの被験者5名に対し、以下の評価例9−1〜9−2の官能評価を実施した。
(2)評価例9−1(色の鮮やかさ及び香りの良さ)
前記被験者5名に、上記(1)で調製した各サンプルについて、標準品と比較して色が鮮やかであるか否か、標準品と比較して香りが良いか否かをアンケートに記入させた。具体的には、標準品と同等であるものを基準(4点)として、非常に良いものを7点、非常に悪いものを1点とした7段階で評価させた。
1点(非常に悪い)←――――4点(標準品と同等)―――――→7点(非常に良い)
各サンプルについて、被験者の点数の平均点を算出し、その合計点を色の鮮やかさ及び香りの良さの評価点として、図17、19、21及び23のグラフに示す。図17、19、21及び23に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、ダイシモチ及びはるしずくのいずれかの大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分を全て含有する本発明の飲食用組成物は、各成分の配合比を特定の割合で変化させた場合であっても、基準サンプルと同等の評価結果を示しており、色が鮮やかであり、かつ、香りが良いものであることがわかった。
(3)評価例9−2(甘さ、えぐ味の弱さ、苦味の弱さ、青臭さ、コク、味の濃さ、口当たりの良さ、のどごし、後味)
前記5名の被験者に、上記(1)で調製した各サンプルを、標準品と飲み比べさせ、標準品と比較して、甘い、えぐ味が弱い、苦味が弱い、青臭くない、コクがある、味が濃い、口当たりが良い、のどごしが良い、後味が良いと感じるか否かについて、サンプルAを基準として、評価例8−1と同様の7段階の評価方法にて比較させ、アンケートに記入させた。各サンプルについての評価の平均点を算出し、合計点を本評価の評価点として、図18、20、22及び24のグラフに示す。図18、20、22及び24に示すように、カシマムギ、マンネンボシ、ダイシモチ及びはるしずくのいずれかの大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分を全て含有する本発明の飲食用組成物は、各成分の配合比を特定の割合で変化させた場合であっても、基準サンプルと同等の評価結果を示しており、嗜好性に優れたものであることがわかった。
以上の結果より、カシマムギ、マンネンボシ、ダイシモチ及びはるしずくのうち少なくとも1種の大麦茎葉の粉砕末、水溶性食物繊維、オリゴ糖及び乳酸菌の4成分を用いる本発明の飲食用組成物は、各成分配合比を特定の割合で変化させた場合であっても、色が鮮やかであり、香りが良く、嗜好性に優れた飲食用組成物として適したものであることが示された。
[実施例8]乳酸菌増殖評価
製造例1に記載の方法にてマンネンボシ、はるしずく、ダイシモチ、カシマムギ、ニシノホシ及びシュンライの茎葉の粉砕末試料を得、得られた各大麦の粉砕末試料について、生体内での乳酸菌増殖効果のモデル試験として、以下の乳酸菌増殖試験を実施した。本発明の実施例として、マンネンボシ、はるしずく、ダイシモチ及びカシマムギを用い、比較例としてニシノホシ及びシュンライを用いた。
(乳酸菌用培地の作成)
各粉末試料0.1gをそれぞれ試験管に量りとり、食品衛生検査指針に準じて作製したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)10mLで懸濁させた。これをオートクレーブにて121℃、20minの条件で滅菌し、乳酸菌用培地を得た。
(乳酸菌の培養)
乳酸菌として、CELL BIOTECH製 Enterococcus faecalis(Streptococcus faecalis)の乾燥菌体(白色微粉末) 1×1011個/gを使用した。この乾燥菌体約10mgを試験管にとり、MRS Broth(MERCK社製)10mLで懸濁させ、37℃で約18時間培養した。得られた懸濁液を10000倍まで段階希釈したもの0.1mLを、前記で得られた各乳酸菌用培地10mLに添加し、37℃、4時間の条件で静置培養を行った。これらの培養液について、培養開始より0、4時間時点の菌数測定(CFU/mL)を行った。CFU測定は、具体的には、MRS Ager(MERCK社製)の寒天プレートに、適宜希釈した各培養時点の培養液100μlを付したものを、35℃で24時間インキュベートした後、コロニー数を計数することによって行った。菌数測定値(CFU/mL)を、乳酸菌数として下記の表7に示す。
表7に示す結果から、比較例であるニシノホシ及びシュンライの茎葉の粉砕末と比較して、本願発明の実施例であるマンネンボシ、はるしずく、ダイシモチ及びカシマムギの茎葉の粉砕末を用いて乳酸菌を培養すると、乳酸菌が良好に増殖することがわかった。特に、乳酸菌増殖効果が知られている大麦の品種であるシュンライと比較して、本発明の実施例であるマンネンボシ、はるしずく、ダイシモチ及びカシマムギは1.7〜6.3倍、増加しており、これらの大麦の茎葉から得られる粉砕末は、優れた乳酸菌増殖能を有することがわかった。
[実施例9]熊本県阿蘇地域又は佐賀県鳥栖地域で栽培された大麦の茎葉の粉末中の成分含有量評価
(1)総アミノ酸量
2015年春に阿蘇地域及び鳥栖地域において栽培した、はるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシ及びニシノホシの茎葉について、アミノ酸の含有量(各アミノ酸量、総アミノ酸量)を測定した。播種から60〜67日間栽培し、茎葉を収穫した。これを製造例1の方法にて加工し、各大麦の茎葉の粉砕末を得た。本試験においては、実施例として阿蘇地域で栽培したはるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシを用い、比較例として鳥栖地域で栽培したはるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシ、ニシノホシ及び阿蘇地域で栽培したニシノホシを用いた。
得られた茎葉の粉砕末100g当たりのアミノ酸の含有量(総アミノ酸量)を、HPLCを用いた自動プレカラム誘導体化法で測定した。なお、上記した茎葉の粉砕末500mLに0.1N HCl 500μLを加え、よく混ぜ、15,000rpm、10分間遠心分離し、上清を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したものを試料溶液とした。結果を表8に示す。
表8より、鳥栖地域で栽培した大麦の茎葉と比較して阿蘇地域で栽培した大麦の茎葉のほうが、総アミノ酸量及びアスパラギン酸、セリン、アルギニン、アラニン、チロシン、システイン及びフェニルアラニンの各アミノ酸のいずれも多いという結果であった。このことから、鳥栖地域と比較して阿蘇地域のほうが栄養価の高い大麦の茎葉を得られることがわかった。また、同じ阿蘇地域で栽培された大麦の茎葉について比較したところ、ニシノホシと比較して、はるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ及びイチバンボシは総アミノ酸量や、各種アミノ酸量のいずれも多いという結果であった。このことから、同じ阿蘇地域で栽培した場合であっても、特定の品種(はるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ及びイチバンボシ)のほうがニシノホシと比較して各種アミノ酸や総アミノ酸の含有量が多く、栄養価の高い大麦の茎葉を得られることがわかった。
(2)総クロロフィル量
2015年春に阿蘇地域及び鳥栖地域において栽培した、はるしずく、マンネンボシ、イチバンボシ及びニシノホシの茎葉について、総クロロフィル量を測定した。播種から60〜67日間栽培し、茎葉を収穫した。これを製造例1の方法にて加工し、各大麦の茎葉の粉砕末を得た。本試験においては、実施例として阿蘇地域で栽培したはるしずく、マンネンボシ、イチバンボシを用い、比較例として鳥栖地域で栽培したはるしずく、マンネンボシ、イチバンボシ、ニシノホシ及び阿蘇地域で栽培したニシノホシを用いた。
上記茎葉の粉砕末について、総クロロフィル量を測定した。上記した茎葉の粉砕末200μgにアセトン800μLと炭酸カルシウムを少量加え、よく混ぜ、1日暗室に静置した。遠心分離(15,000rpm、5分間)を行い、上澄みを試料原液とした。試料原液を80vol%アセトンで希釈したものを試料溶液とし、200μLずつ96ウェルプレートに分注した。バリオスキャンにて750nmで、663nm及び645nmの吸光度を測定した。クロロフィル量[mg/100g]は以下の計算式で求めた。
クロロフィルa[μg/mL]=12.7×(A663−A750)−2.59×(A645−A750
クロロフィルb[μg/mL]=−4.67×(A663−A750)+22.9×(A645−A750
クロロフィル量[mg/100g]=(クロロフィルa+b)[μg/mL]×希釈倍率×0.1
750:750nmの吸光度
663:663nmの吸光度
645:645nmの吸光度
結果を表9に示す。
表9より、ニシノホシは鳥栖地域で栽培したものと比較して阿蘇地域で栽培したもののほうが、総クロロフィル量が少ないという結果であった。一方、はるしずく、マンネンボシ及びイチバンボシは鳥栖地域で栽培したものと比較して阿蘇地域で栽培したもののほうが、総クロロフィル量が多いという結果であった。以上より、はるしずく、マンネンボシ及びイチバンボシは阿蘇地域で栽培することにより色が鮮やかな大麦の茎葉を得られることがわかった。また、同じ阿蘇地域で栽培した場合であっても、特定の品種(はるしずく、マンネンボシ及びイチバンボシ)のほうが、ニシノホシと比較して総クロロフィル量が多く、栄養価の高い大麦の茎葉を得られることがわかった。
(3)総ポリフェノール量
2015年春に阿蘇地域及び鳥栖地域において栽培した、ダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシ及びニシノホシの茎葉について、総ポリフェノール量を測定した。播種から60〜67日間栽培し、茎葉を収穫した。これを製造例1の方法にて加工し、各大麦の茎葉の粉砕末を得た。本試験においては、実施例として阿蘇地域で栽培したダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシを用い、比較例として鳥栖地域で栽培したダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシ、ニシノホシ及び阿蘇地域で栽培したニシノホシを用いた。
上記茎葉の粉砕末について、Folin−Denis法(財団法人日本食品分析センター編集、五訂日本食品標準成分表分析マニュアルの解説)により総ポリフェノール量を測定した。具体的には、アミノ酸分析用試料溶液と同様の調製方法にて得られた溶液を純水にて100倍希釈したものを総ポリフェノール用の試料溶液とした。試料溶液 300μLとFolin試薬 300μLを混合し、3分間放置した後、10wt%炭酸ナトリウム水溶液 300μLを加え、暗所にて1時間放置した。各試験溶液を遠心分離(13,000rpm、20分間)し、上清を200μLずつ96ウェルプレートに分注した。バリオスキャンにて吸光度730nmで、標準品としてクロロゲン酸を使用して、相対値として総ポリフェノール量(%)を測定した。結果を表10に示す。
表10より、鳥栖地域で栽培したものと比較して阿蘇地域で栽培したもののほうが、総ポリフェノール量が多いという結果であった。さらに、ダイシモチ、マンネンボシ及びイチバンボシは総ポリフェノール量が200mg/100g以上であり、同じ阿蘇地域で栽培されたニシノホシと比較して総ポリフェノール量が多いという結果であった。このことより、ダイシモチ、マンネンボシ、イチバンボシについては阿蘇地域で栽培することにより、ポリフェノール含有量が多く、栄養価の高い大麦の茎葉が得られることがわかった。
これらの結果から、阿蘇地域で栽培された特定の品種(はるしずく、ダイシモチ、マンネンボシ及びイチバンボシ)の茎葉は、鳥栖地域で栽培されたものよりも、栄養が豊富であり、かつ、風味が良好であり、見た目が美しいことから嗜好性が高いことがわかった。また、これらの品種の大麦の茎葉は同じ阿蘇地域で栽培したニシノホシの茎葉に比べて栄養価が高く、かつ、風味が良好であり、見た目が美しいことから嗜好性が高いことがわかった。したがって、阿蘇地域で栽培されたマンネンボシ、ダイシモチ、イチバンボシ、はるしずくの茎葉から得られる乾燥粉末は、栄養が豊富であり、かつ、風味が良好であり、見た目が美しいことから嗜好性が高いため、青汁用の飲食用組成物に適していることがわかる。
[実施例10]黒ボク土又は赤土を用いて栽培した大麦の栽培適正評価
1.黒ボク土を用いた栽培
プランターに黒ボク土を入れ、プランター毎に、ニシノホシ、カシマムギ、マンネンボシ及びダイシモチの4品種の種4.8g(20g/m)を播種した。給水や雑草管理などの通常の植物栽培法により、上記4品種の大麦を栽培した。
2.赤土を用いた栽培
黒ボク土の代わりに、赤土を用いた以外は、上記1と同様にして、大麦を栽培した。なお、赤土は、天日干しにより乾燥させ、固まっている部分を破砕したものを用いた。
黒ボク土及び赤土の土壌分析データの一例は表11のとおりである。
栽培中のニシノホシ、カシマムギ、マンネンボシ及びダイシモチについて、播種後28日目に、丈(長さ)、葉幅(幅)及び色を測定した。丈、葉幅は数値が大きいほど生育度が高いことを示し、色は葉色スケールを使用し、数値が大きいほど色合いが良いことを示す。黒ボク土及び赤土の測定値を表12に示す。
表12に示されているとおり、黒ボク土で栽培したカシマムギ、マンネンボシ及びダイシモチの丈、葉幅及び色は、赤土で栽培したものと比較して優れているばかりか、驚くべきことに黒ボク土で栽培したニシノホシのものよりも優れていた。また、このような結果から、カシマムギ、マンネンボシ及びダイシモチについては、黒ボク土で栽培する方が、赤土で栽培するよりも、生育度を高めることができることがわかった。
本発明1によれば、特定品種1の大麦の茎葉の粉末を用いることにより、色が鮮やかであるため見た目が美しく、かつ、風味が良好で嗜好性が高く、安定性に優れた青汁用の飲食用組成物を提供することができる。また、本発明2によれば、特定品種2の大麦の茎葉の粉末、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌と併用することにより嗜好性の高い飲食用組成物を提供できる。また、本発明3によれば、特定品種3の大麦の茎葉の粉末、安価かつ簡便に乳酸菌を増殖させることができる乳酸菌増殖促進組成物を提供することができる。また、本発明4によれば、特定品種4の大麦の茎葉の味や栄養価を高めることのできる栽培方法を提供することができる。また、本発明5によれば、特定品種5の大麦の茎葉を短期間で効率よく生育させる栽培方法を提供することができる。

Claims (1)

  1. 大麦の茎及び/又は葉を用いた青汁用の飲食用組成物であって、
    該大麦が、マンネンボシ、カシマムギ、はるしずく、サチホゴールデン、トヨノカゼ及びはるか二条から選ばれる少なくとも1の品種の大麦である青汁用の飲食用組成物。
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