JP6912091B2 - 青汁用二条大麦若葉の収穫方法 - Google Patents

青汁用二条大麦若葉の収穫方法 Download PDF

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Description

本発明は、生産性に優れた青汁用二条大麦若葉の収穫方法に関する。
野菜の摂取不足の問題を手軽に解決するための飲料として、野菜ジュースなどと共に、いわゆる「青汁」が知られている。この「青汁」の原料として、ケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、及びクワ若葉などのクロロフィルを含有する緑葉植物が使用されているが、中でも、大麦若葉は青汁の代表的な素材であり、青汁商品の1つとして健康食品素材の大きな市場を形成している。
大麦は中央アジア原産であり、イネ科コムギ族オオムギ属に属する一年生または越年生草本である。大麦は、穂の形状の違いから、主に二条大麦と六条大麦に大別される。大麦には皮性のものと裸性のものがあるため、二条皮麦、二条裸麦、六条皮麦、六条裸麦とさらに分類される。二条大麦と六条大麦との違いは、穂に付く実の列数の違いであり、二条大麦は2列、六条大麦は6例に稔る。そのため、二条大麦の種子は大きく大粒大麦とも呼ばれるが、六条大麦の種子は小さく小粒大麦とも呼ばれる。ただし、六条大麦は6列全てに種子が稔るため、六条大麦の方が二条大麦に比べて全体収量が多い。大麦の用途は、世界的にみれば飼料用が多いが、日本においては、六条大麦は食用や麦茶用に、二条大麦はビールや焼酎用に利用される。
従来、二条大麦は青汁用原料素材として広く使用されてきたものの、二条大麦若葉の乾燥物は、六条大麦若葉の乾燥物に比べて色調及び風味が劣るとされ、近年は、青汁用原料素材として二条大麦はほとんど使用されない状況となってきている。例えば、特許文献1には、特定品種の六条大麦の葉や茎を用いた飲食用組成物は、従来の二条大麦の葉や茎を用いた飲食用組成物に比べて、色合いがよく、かつ、風味が良好であることが記載されている。さらに、特許文献2、3には、特定の栽培地により栽培された六条大麦葉は、二条大麦に比べて栄養価が改善されることが記載されている。
一方、二条大麦は、植物病害に対する耐性が高く、栽培地の気候や風土等に適応する能力が高いなど、六条大麦に比べて栽培上有利な点が多く、原料調達の面でのメリットがある。
特開2014−230520号公報 特開2015−109822号公報 特開2016−155796号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みてなされたものであり、生産性に優れた青汁用二条大麦若葉の収穫方法を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることにより、得られた青汁用二条大麦若葉乾燥物の色調及び風味が改善され向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
二条大麦は六条大麦と異なり、頂部からの葉数が5枚目より地面に近い茎部分は、茎表面が硬くなるとともに、茎内部に中空の空間が多くなる。この表面が硬くて中空の空間が多い茎部分は、保持した水分を放出できず乾燥し難いことを本発明者は突き止めた。
二条大麦の上記茎部分の性質により、根元近くから刈り取った原料を用いて六条大麦と同じ条件で乾燥物を製造すると、二条大麦は茎内部に水分が残存してしまい、残存水分による蒸れ臭が発生し、経時変化による色調の劣化が生じることが判明した。さらに、六条大麦と同じ乾燥程度とするには長い乾燥時間が必要となり、これにより枯れ草様の異臭や、過加熱による変色が生じることも明らかとなった。
これに対し本発明は、二条大麦の特定の部位のみを原料とすることにより、色調及び風味が大きく改善され向上するという、今までにない新たな効果が得られることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分のみを刈り取ることを特徴とする、青汁用二条大麦若葉の収穫方法
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、二条大麦の特定の部位のみを原料とすることにより、六条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物の製造と同じ条件でも、従来の二条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物に比べて色調及び風味が大きく向上する。
しかも、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、二条大麦の特定の部位のみを原料としているため、特定の部位のみを収穫した後の二条大麦の株は、親麦の成長点はもとより、分けつした子麦の成長点及び新芽を有しているため、再成長が良好であり、出穂までに特定の部位の収穫を3度以上行うことが可能である。後述する試験データにより詳しく説明するが、この複数回の収穫により、二条大麦の特定の部位のみを収穫する方法は、根元近くから数cm程度の茎部を残して刈り取る従来の収穫方法に比べて、単位面積あたりの収穫量の概略2倍量収穫することができる。すなわち、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、栽培効率に優れた原料を使用する点においても、生産性に優れている。
これまで、頂部からの葉数を基準に青汁用大麦若葉の収穫が行われたことはなく、二条大麦の特定の部位に性質の違いを見出し、二条大麦の特定の部位のみを原料とすることは、本発明者が初めてである。これは、本発明者の数々の試行錯誤により初めて明らかにされたことであり、格別顕著な効果である。
本発明の原料及びその各部位名称を表す説明図である。 従来の青汁用大麦若葉の原料を表す説明図である。
以下、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物、これを原料とする青汁用二条大麦若葉粉末について詳細に説明する。なお、本明細書において「大麦若葉」とは、大麦の葉とその葉が付いている茎を含むものを意味する。
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、二条大麦の特定の部位を原料とする。
原料となる二条大麦は、二条皮麦、二条裸麦のいずれであってもよい。品種は特に限定されないが、具体的には例えば、あおみのり、アサカゴールド、カワホナミ、カワミズキ、キリニジョウ、サチホゴールデン、しゅんれい、スカイゴールデン、タカチホゴールデン、ニシノゴールデン、ニシノチカラ、ニシノホシ、はるか二条、はるしずく、ほうしゅん、ミカモゴールデン、ミサトゴールデン、ミハルゴールド、ミホゴールデン、ヤシオゴールデン、ヤチホゴールデン、りょうふう等の二条皮麦や、ビューファイバー、キラリモチ、ユメサキボシ、ワキシーファイバー等の二条裸麦が挙げられる。これらの二条大麦は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とする。中でも、頂部の新葉を含め頂部からの葉数が3枚の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることが特に好ましく、頂部の新葉を含め頂部からの葉数が2枚の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることもできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料について説明する。
図1は、本発明の原料及びその各部位名称を表す説明図である。
図1に示すように、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料Xは、新葉A1が頂部にあり、さらにその下の第二若葉A2、第三若葉A3、第四若葉A4、すなわち4枚の二条大麦若葉と、当該4枚の若葉が付いている茎部分を含み得るものである。例えば、図1中の切断部aで刈り取った原料Xは、新葉A1と第二若葉A2、第三若葉A3、第四若葉A4、すなわち4枚の二条大麦若葉と、当該4枚の若葉が付いている茎部分を含む。特に好ましい態様としての原料Xは、図1中の切断部bで刈り取った、新葉A1と第二若葉A2、第三若葉A3、すなわち3枚の二条大麦若葉と、当該3枚の若葉が付いている茎部分を含む原料である。好ましい態様としての原料Xは、図1中の切断部cで刈り取った、新葉A1と第二若葉A2、すなわち2枚の二条大麦若葉と、当該2枚の若葉が付いている茎部分を含む原料である。
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料の長さは、例えば、図1中の切断部aで刈り取った原料Xの長さYは最長20cmであり、特に長さYは20cmより短いことが好ましい。
図1中に点線で示した第五若葉A5及び当該若葉が付いている茎部分より地面に近い茎部分は、上述したとおり、茎表面が硬くなるとともに、茎内部に中空の空間が多くなるため、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料には適さない。
なお、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料Xは、土壌で栽培されたものだけでなく水耕栽培やスプラウト用屋内栽培室、人工培養素材などで栽培されたものでもよく、栽培の条件は特に限定されるものではない。
従来の青汁用大麦若葉乾燥物に使用する大麦は、二条大麦や六条大麦等の種類を問わず、植物体の地上からの高さが30〜50cm程度に達したところで刈り取り、収穫することが通常の技術として定着している。しかも、刈り取りに際しては、収穫量を多くするために根部を含まない地面ぎりぎりの部分または、地面より数cm程度上の高さで刈り取りが行われている。この収穫方法によると、頂部の新葉を含め頂部からの葉数は、少なくとも5枚から8枚以上の状態で収穫されることになる。
図2は、従来の青汁用大麦若葉の原料を表す説明図である。
図2に示すように、地面より数cm程度上の図2中の切断部dで刈り取った原料Pは、親麦及び分けつした子麦ともに、頂部の新葉を含め頂部からの葉数を少なくとも5枚以上有している。二条大麦の場合、原料Pは、茎表面が硬く内部に中空の空間が多い茎部分を含むものとなり、この茎部分が、青汁用二条大麦若葉乾燥物とした際の色調及び風味が劣る原因となる。
しかも、例えば、図2中の切断部dで刈り取る収穫方法によると、親麦の成長点及び分けつした子麦の成長点や新芽をも刈り取ってしまうために、その後の再成長は望むことができないか、成長が著しく悪くなるため、結果として2回以上の収穫を行うことができない。すなわち、この収穫方法は、1回あたりの収穫量は多いものの、栽培地の単位面積あたりの収穫量の増収は望めない方法である。
次に、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の製造方法について、説明する。
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の原料は、収穫後直ちに処理されることが望ましいが、処理までに時間を要する場合には、原料の変質を防止するために低温貯蔵など汎用される手段により貯蔵される。
製造方法は、特に制限されず従来公知の方法を用いることができる。そのような方法として、1つの態様を以下説明する。
収穫した原料から異物や枯葉等の不良物を除去した後に、約3〜5cm程度に裁断し、これを水洗して遠心分離等により脱水処理を行う。
<ブランチング処理>
続いて、脱水された原料のブランチング処理を行う。このブランチング処理は、二条大麦の若葉及び茎の変色や変質の原因となる葉体中の酵素を失活させると共に、二条大麦の若葉及び茎に付着している土壌菌を減菌するために行う。ブランチング処理としては、具体的には、熱水処理及び水蒸気処理などが挙げられる。熱水処理は、例えば、二条大麦の若葉及び茎を沸騰水中に数十秒〜5分間程度浸漬することにより行う。水蒸気処理は、例えば、ベルトコンベア式や回転式の金網円筒形の蒸し機を使用し、二条大麦の若葉及び茎を20〜100秒間、水蒸気により加熱することにより行う。さらに、新しい技術として高温熱風処理も挙げられ、200℃以上、好ましくは350℃以上450℃以下の高温熱風により行う。この高温熱風処理は、熱水や水蒸気等の水を使用しないため、その後の乾燥時間を短くすることができ、結果として色調及び風味に優れた乾燥物を得ることができるので、好ましい態様である。高温熱風処理は、(株)寺田製作所製の超熱機(RTR−250N)と熱風発生器(HLS−350)の組み合わせ使用や、台湾式殺青機などにより行うことができる。
このブランチング処理では、酵素を失活させ土壌菌等を減菌させると共に、二条大麦の若葉及び茎に柔軟性を与える。二条大麦の若葉及び茎に適切な柔軟性を与えるために、熱水処理は、沸騰水中に40秒〜3分間浸漬することが好ましく、水蒸気処理は、30〜60秒間水蒸気により加熱することが好ましい。また、高温熱風処理は、1〜30分間高温熱風により加熱することが好ましい。
<粗揉処理>
ブランチング処理後の二条大麦の若葉及び茎は、粗揉処理に付される前に予備乾燥を行うことが好適である。予備乾燥は、例えば、通風ベルトコンベア上に二条大麦の若葉及び茎を載置し、30〜40℃の品温となるように70〜100℃程度の温風を吹き付けることにより行う。こうすると、90%以上含まれていた二条大麦の若葉及び茎の水分は徐々に低減し、70〜80%程度の水分を含有した状態となる。このような予備乾燥を行うことにより、後述する粗揉処理における処理時間の短縮を図ることができる。
次に、予備乾燥後の二条大麦の若葉及び茎を粗揉処理する。粗揉処理は、公知の粗揉機を使用して行うことができる。粗揉処理は70〜110℃の温風下で行うことが好ましい。品温は30〜40℃の範囲であることが好ましく、加える圧力は、例えば1〜25kg/cmである。この粗揉処理は、二条大麦の若葉及び茎の水分含有量が55%程度以下になるまで行う。
<押圧転動揉捻処理>
水分含有量が55%程度以下となった二条大麦の若葉及び茎を、押圧転動揉捻処理する。
この押圧転動揉捻処理は、公知の揉捻機などを使用して行うことができる。二条大麦の若葉及び茎は、揉捻機の容器内において加重された状態で揉捻される。押圧転動揉捻処理は、室温下または加温下で行う。押圧転動揉捻処理で加える圧力は、例えば20〜25kg/cmであり、約5〜20分間の処理を行う。これらの条件は、原料の二条大麦の若葉及び茎の性質に応じて適宜設定すればよい。押圧転動揉捻処理では、二条大麦の若葉及び茎を押圧しながら転動させて水分を均一化し、乾燥及び萎縮させる。押圧転動揉捻処理を行うと、二条大麦の若葉及び茎によれ形をつけることができるため、例えば、葉部分の上乾きを防ぐことができ、より均一に乾燥させやすくなる。
以上のような粗揉及び押圧転動揉捻処理によれば、二条大麦の若葉及び茎の組織や細胞壁に適度な損傷を与えることができる。また、葉体の部位間に存在する水分ムラを均一にしながら徐々に乾燥させることができるため、品温が部分的に上昇し過ぎることを防ぐことができる。
<仕上げ乾燥処理>
押圧転動揉捻処理を終えた二条大麦の若葉及び茎は、仕上げ乾燥処理により、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物とすることができる。最終的な水分含有量は、10%程度が好ましく、10%より少ない水分含有量がより好ましい。
仕上げ乾燥処理は、例えば、ベルトコンベア上に二条大麦の若葉及び茎を載置し熱風で連続乾燥により行ってもよく、棚等での静置式熱風乾燥により行ってもよい。
各処理で使用する機種、操作等は、特に限定されるものではなく、二条大麦の若葉及び茎の硬さ、繊維の方向、葉体組織等を考慮して適切な機種、操作等を選択すればよい。
<粉砕処理>
この仕上げ乾燥処理で得られた本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物を粉砕して、微粉末とする粉砕処理を行い、本発明の青汁用二条大麦若葉粉末を得ることができる。
この粉砕処理は、例えば、衝撃式粉砕機の一例である摩砕効果のある衝撃式粉砕機(摩砕型衝撃式粉砕機)を用いて、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物を粉砕することができるが、これに限定されず、ピンミル、ジェットミルのような衝撃式粉砕機、剪断式粉砕機、マスコロイダー、グラインダー、石臼のような摩砕式粉砕機、または低温凍結粉砕機のような複合型粉砕機等、その他の公知の粉砕機を用いて行ってもよい。
粉砕処理では、本発明の青汁用二条大麦若葉粉末の粒子径を、30メッシュ通過〜250メッシュ残留粉末とすることが好ましい。この粒子径が250メッシュを通過する程度に小さい場合、食品素材、医薬品原料として加工する際、扱いにくくなるおそれがあり、他方、粒径が30メッシュに残留する程度に大きい場合は、他の食品素材との均一な混合が妨げられるおそれがある。ただし、用途、嗜好に応じて他の粒子径とすることを妨げるものではない。
後述する実施例において詳細に説明するが、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物や青汁用二条大麦若葉粉末は、茎表面が硬く茎内部に中空の空間が多い部分を含まない特定の部位、より詳しくは、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることにより、六条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物の製造と同じ条件により、従来の二条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物に比べて、色調及び風味が大きく向上することが明らかとなった。しかも、このように二条大麦の特定の部位のみを原料として収穫することにより、同じ栽培地において複数回収穫することができ、生産性も向上することも明らかとなった。これらのことは、本発明者が多くの実験を行うことにより初めて見出した、格別顕著な効果である。
以下、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の製剤例及び色調及び風味の評価等により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
まず、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物の製剤例を示す。
<青汁用大麦若葉乾燥物の製剤方法1>
(1)刈り取り、収穫
下記に示す大麦を通常の栽培方法により育種し、地面からの高さが35cm程度となった段階で、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を刈り取り、青汁用大麦若葉を収穫した。使用した大麦品種を以下に示す。加えて、ビューファイバーのみ、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が3枚の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を刈り取ったものも、上記とは別に収穫した。
二条皮麦:ニシノホシ
二条裸麦:ビューファイバー
また、比較例用として、下記に示す大麦を通常の栽培方法により育種し、地面からの高さが35cm程度となった段階で、地面から5cmの部分で刈り取り、青汁用大麦若葉を収穫した。使用した大麦品種を以下に示す。
二条皮麦:ニシノホシ
二条裸麦:ビューファイバー
六条皮麦:ファイバースノウ
(2)大麦若葉乾燥物の製造
公知の方法に従い、上記(1)で刈り取り、収穫を行った青汁用大麦若葉を概略5cmに裁断し、水洗、脱水処理後、水蒸気によるブランチング処理を行った。ブランチング処理後、吹き出し温度80℃の熱風乾燥機を使用して、乾燥時間が90分の大麦若葉乾燥物(A)と、水分含有量が概略9%となるまで乾燥を行った大麦若葉乾燥物(B)の2種類の大麦若葉乾燥物を製造した。
<青汁用大麦若葉乾燥物の評価方法1>
(1)水分含有量の測定
下記の水分含有量測定装置を使用して、乾燥完了直後の大麦若葉乾燥物(A)(B)それぞれの水分含有量を測定した。
水分含有量測定装置:赤外線水分計MB23(オーハウスコーポレーション社製)
測定条件:105℃
(2)色調評価
パネラー8名が、乾燥完了後48時間経過した大麦若葉乾燥物(A)(B)を見て次の基準で評価した。
比較例である六条皮麦のファイバースノウの大麦若葉乾燥物(A)の緑色を基準色とする「0」とした。これより鮮やかな緑色の場合には「+1」、さらに鮮やかな緑色であり深みのある緑色の場合には「+2」とし、反対に基準色よりくすんだ緑褐色の場合には「−1」、さらに白っぽく黄緑色の場合には「−2」とした。すなわち、「+」であるほど、色調に優れていることを表す。
各パネラーの評価の平均値を求め、「色調」評価として表1に示す。
(3)風味評価
パネラー8名が、大麦若葉乾燥物(A)(B)を乾燥完了後48時間経過したものをそれぞれ1g食し、「風味」について次の基準で評価した。
比較例である六条皮麦のファイバースノウの大麦若葉乾燥物(A)の風味を基準とし、同じ風味である場合には「〇」、酸味のある蒸れた風味の場合には「×」、さらに、枯れ草様の異臭を感じる風味の場合には「××」とした。
各パネラーの評価の平均を、「風味」評価として表1に示す。
Figure 0006912091
表1の結果より、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とする実施例1〜3の大麦若葉乾燥物(A)は、短時間の乾燥により概略10%程度まで乾燥することができ、市販品と同じ比較例3の大麦若葉乾燥物(A)と比較すると、風味は同程度に良好なものであること、さらに、色調はより鮮やかな優れたものであることが明らかとなった。特に、二条裸麦を使用した実施例2、3の大麦若葉乾燥物(A)は、色調のより優れたものが得られることも確認された。
一方、二条大麦を地面から5cmの部分で刈り取った比較例1、2の大麦若葉乾燥物(A)は、90分程度の乾燥時間では充分な乾燥には至らず、しかも色調及び風味に優れていないことが明らかとなった。さらに、水分含有量概略10%程度に乾燥した大麦若葉乾燥物(B)は、色調及び風味ともに悪化し、食用に適さないことも確認できた。
これらの結果は、二条大麦の頂部からの葉数が5枚目より地面に近い茎部分は、茎表面が硬く茎内部に中空の空間が多いため、保持した水分を放出できず乾燥し難いという性質を有することに由来すると考えられる。すなわち、表面が硬く内部に中空の空間が多い茎部分を含まない、頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることにより、短時間の乾燥により、色調及び風味に優れた概略10%程度の本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物を得ることができることが、明らかとなった。
<青汁用大麦若葉乾燥物の製造方法2>
上記「青汁用大麦若葉乾燥物の製剤方法1」における水蒸気を使用したブランチング処理に代えて、乾熱減菌機を使用し250℃の高温熱風下で20分間ブランチング処理を行い、その後熱風乾燥機で40分間の乾燥処理により、大麦若葉乾燥物(C)を製造した。使用した大麦品種を以下に示す。
二条皮麦:ニシノホシ
二条裸麦:ユメサキボシ、ビューファイバー、キラリモチ
六条皮麦:ファイバースノウ
上記「青汁用大麦若葉乾燥物の評価方法1」と同じ手法により、大麦若葉乾燥物(C)の水分含有量、色調、風味の評価を行い、その結果を表2に示す。
Figure 0006912091
表2の結果より、上記「青汁用大麦若葉乾燥物の製剤方法1」における水蒸気を使用したブランチング処理した大麦若葉乾燥物(A)に比べ、高温熱風処理した大麦若葉乾燥物(C)は、色調及び風味はそのままで、短時間でより乾燥した乾燥物が得られることが明らかとなった。
この高温熱風処理は、熱水や水蒸気等の水を使用しないため、その後の乾燥時間を短くすることができ、結果として色調及び風味に優れた乾燥物を得ることができる好適な態様であることが確認された。
<大麦若葉の収穫総重量確認試験>
上記「青汁用大麦若葉乾燥物の製剤方法1」の(1)刈り取り、収穫の方法と同じように、下記に示す二条大麦を2016年11月〜2017年3月までの期間、それぞれの品種を栽培面積の合計が50アール×3セットとなるように栽培した。頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を刈り取る収穫方法(I)と、地面から5cmの部分で刈り取る収穫方法(II)それぞれの収穫した大麦若葉の収穫全重量の平均値と、収穫回数の平均値の結果を表3に示す。使用した大麦品種を以下に示す。
二条皮麦:ニシノホシ
二条裸麦:ビューファイバー
Figure 0006912091
表3の結果より、実施例8、9の二条大麦の特定の部位のみを収穫する収穫方法(I)は、上記収穫期間の間に3回収穫することができ、従来の収穫方法である地面から5cmの部分で刈り取る収穫方法(II)に比べて、単位面積あたりの収穫量の概略2倍量収穫することができることが明らかとなった。これは、収穫方法(I)は、親麦の成長点はもとより分けつした子麦の成長点及び新芽を残す収穫方法であるため、再成長が良好であるのに対し、収穫方法(II)は、親麦の成長点及び分けつした子麦の成長点や新芽を全て刈り取ってしまう収穫方法であるため、再成長が望めない若しくは著しく遅いことに起因するものと考えられる。
すなわち、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、栽培効率に優れた原料を使用する点においても、生産性に優れていることが確認された。
本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物及び青汁用二条大麦若葉粉末は、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分を原料とすることにより、六条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物の製造と同じ条件により、従来の二条大麦を原料とする青汁用大麦若葉乾燥物に比べて色調及び風味が大きく向上する。本発明は、近年、六条大麦若葉の乾燥物に比べて色調及び風味が劣るとされ、青汁原料素材としてほとんど使用されていない二条大麦を、再度活用できる道筋を与えるものと考える。しかも、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、二条大麦の特定の部位のみを原料としているため、再成長が良好であるために複数回の収穫が可能となり、収穫量を大きく増量することができる。すなわち、本発明の青汁用二条大麦若葉乾燥物は、栽培効率に優れた原料を使用する点においても、生産性に優れたものである。
A1:新葉
A2:第二若葉
A3:第三若葉
A4:第四若葉
A5:第五若葉
X、P:原料
Y :長さ
a、b、c、d:切断部

Claims (1)

  1. 頂部の新葉を含め、頂部からの葉数が2枚以上4枚以下の二条大麦の若葉及び当該若葉が付いている茎部分のみを刈り取ることを特徴とする、青汁用二条大麦若葉の収穫方法


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