JP2006166776A - 飲料、造粒物及び造粒物の製造方法 - Google Patents

飲料、造粒物及び造粒物の製造方法 Download PDF

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宏 渡辺
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Abstract

【課題】緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁の豊富な栄養素を損なわず、味、香り、のど越しなどの優れた美味な青汁食品、特に飲料を提供する。上記青汁食品を製造する方法を提供する。
【解決手段】緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と、白きくらげ粉末とを含むことを特徴とする飲料;上記飲料を冷凍した冷凍物;緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを含有する造粒物;緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁がケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、及びクマザサから選ばれる少なくとも1種に由来する、上記の飲料又は造粒物;緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを用いて造粒することを特徴とする造粒物の製造方法。

Description

本発明は、いわゆる青汁と呼ばれている植物を包含する緑色植物の緑葉類を含有する飲料、その冷凍品、造粒物、及びその造粒物の製造方法に関する。
近年、食生活の変化に伴い野菜の摂取量が減少する傾向にある。また、野菜自体の栄養素も昭和初期の頃に比べて減少している。このため、世界トップクラスの長寿国でありながら、生活習慣病が増加している。この食生活のアンバランスを是正するため、厚生労働省は「健康日本21」の中で野菜をもっと摂取するように推奨している。
一方、最近では野菜不足を補うために、青汁と呼ばれている、例えばケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉などの緑葉の粉末や搾汁を含む飲料を飲む人が増加している。これらの緑葉は食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などに富み、健康食品素材として注目を浴びている。この青汁の市場は300億円を超え、健康食品として一定の地位を築いている。しかしながら青汁自体はえぐみや苦味といった欠点があり、また、緑葉粉末は食物繊維がまるごと入って健康に良い反面、水に溶かしても繊維分がザラザラした食感となり、のど越しが悪いため飲用しにくいといった問題がある。従って青汁食品として改良が求められており、種々の手段が提案されている。例えば、ケール青汁に大豆加工品を添加する方法が知られている(特許文献1参照。)。その他、麦類若葉の微粉末化(特許文献2参照。)、ケールを凍結した後、粗粉砕し磨砕式粉砕機で微粉砕する加工方法(特許文献3参照。)などが提案されている。
特開2004−215607号公報 特開2003−9812号公報 特開2002−186441号公報
本発明の目的は緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁の豊富な栄養素を損なわず、美味な青汁食品を提供することである。本発明の目的また、そのような青汁食品を製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁に白きくらげ粉末を組合せて使用することで、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁の豊富な栄養素を損なわず美味な青汁食品を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と、白きくらげ粉末とを含むことを特徴とする飲料である。本発明はさらに、上記飲料を冷凍した冷凍物にも向けられる。
本発明はまた、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを含有する造粒物である。該造粒物はそのままカレー、シチュー、みそ汁、蒸しパン、ホットケーキ、ワッフル、クレープ、だんご、大福、まんじゅうなどに加えて食してもよいし、あるいは水などに懸濁して飲料として食してもよい。従って本発明の上記造粒物の例として飲料用造粒物がある。
本発明の実施態様において、使用する緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁は、その原料としてケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、及びクマザサから選ばれる少なくとも1種に由来するものを使用することができる。
本発明さらに、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを用いて造粒することを特徴とする造粒物の製造方法に向けられている。
本発明によれば、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁の豊富な栄養素を損なわずに、味、香り、のど越しなどの優れた食品、特に飲料を提供することができる。また、本発明で使用する白きくらげ粉末自体もカルシウム、ビタミン、アミノ酸及び食物繊維などが豊富である。
緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末を用い造粒して得られた造粒物は、取り扱いが便利で保存性もよく、水などに懸濁させることで手軽に飲料とすることができる。
本発明で使用する緑葉粉末又は緑葉搾汁の原料となる緑色植物の例としては、ケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、及びクマザサなどが挙げられる。中でも小麦若葉が好ましく用いられる。
本発明でいう「緑葉」とは、これらの緑色植物の葉部のみならず茎部をも包含する。本発明では1種に限らず2種以上の緑色植物の緑葉粉末を混合して使用してもよい。本発明で使用する緑葉粉末としては、緑葉の粉砕乾燥粉末及び/又は緑葉の搾汁乾燥粉末を使用することができる。また、造粒物とは錠剤、顆粒や細粒などの各種形態を包含する。
なお本明細書中で触れる粉末の平均粒径は、質量平均である。
[緑葉粉末の調製]
緑葉粉末の調製手順は特に限定されるものではなく、従来知られている方法を採用することができる。
一般的には、洗浄→乾燥→粉砕という工程を採ることができる。例えば特開2003−9812号公報に記載されている麦類若葉の粉砕方法を採用することができる。
また、上記乾燥工程の後、粉砕の前に選別工程を採ることができ、また、粉砕は二工程以上で実施してもよく、例えば粗粉砕工程と微粉砕工程を設けてもよい。従ってより具体的に、洗浄→乾燥→選別→粗粉砕→微粉砕という工程を採ることができる。
さらに洗浄後、乾燥前に裁断やブランチング処理を行ってもよい。
緑葉粉末の調製方法における各工程を説明する。
先ず、緑色植物に付着した泥や異物などを落とすため洗浄する。緑色植物は収穫後、時間を置かずに、直ちに処理することが望ましい。収穫後、処理までに時間を要するときには、変質を防ぐために冷凍または冷蔵貯蔵などの手段を講じるのが適当である。
洗浄は、水で、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下の冷水で行う。洗浄工程を冷水で実施するのが好ましいのは、後の工程において緑色植物の品温が上昇するのを防止し、酸化反応や酵素反応によって変質するのを防ぐためである。
洗浄後、水気を切った後、必要があればカッターやスライサーを用いて、緑色植物の葉部及び茎部を適当な大きさに裁断してもよい。例えば葉部だけを利用する場合、この裁断の際に茎部を排除してもよい。
次いでブランチング処理を行ってもよい。このブランチング処理によれば、緑色植物の緑葉の不都合な変色や変質の原因となりうる酵素、例えばクロロフィラーゼ、ペルオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼなどを不活性化させることができる。
ブランチング処理としては熱水処理、水蒸気処理、マイクロウェーブ照射処理などが挙げられる。
ブランチング処理に用いる熱水には0.001〜1質量%程度の炭酸カルシウムを含ませておいてもよい。この炭酸カルシウムとして市販の炭酸カルシウム粉末を用いてもよいし、又は卵殻カルシウム、貝殻カルシウム、サンゴカルシウムを用いてもよい。
ブランチング処理後、緑葉を冷却する。冷却工程としては冷水に緑葉を浸漬する、冷蔵、冷風又は温風による気化冷却などが挙げられる。冷却はいずれの方法により行うときでも、急冷することが望ましい。
次いで、緑葉の水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように、緑葉を乾燥する。乾燥方法は熱風乾燥、温風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥などの公知の方法を用いることができる。また、このような乾燥方法を施す前に、遠心分離などによりある程度の水を脱水しておいてもよい。
乾燥は100℃以下の温度で行い、緑葉植物の種類によっても異なるが、できるだけ低温で行うのが望ましい。例えば小麦若葉の場合は、例えばトンネルオーブンを用いて品温60℃以下で乾燥することが好ましい。
次いで、選別工程を行うことができる。この選別には、緑茶の茶葉と茎茶を選別するような装置を用いることができ、この装置では揉みこみながら篩分け、比重差による風力分別などの分別をすることが可能である。例えば小麦若葉の場合、葉肉部のみを利用したいとき、この選別工程で葉肉部分を葉脈部分及び茎部から切り離すことができる。
こうして得た緑葉に粉砕工程を施す。粉砕にはクラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などの公知の粉砕機を用いることができる。中でもできるだけ発熱しない粉砕手段を用いるのが望ましい。
粉砕はまた、特に小麦若葉などの砕きにくい緑色植物には、予備粉砕として粗粉砕工程、及び更なる微粉砕工程の2工程を実施するのが適当である。粗粉砕にはターボミルやハンマーミルを用いるのが適当である。粗粉砕の後、風力分級機などを用いて葉肉部分を選別する操作をしてもよい。微粉砕には例えばピンミルを用い、または気流型ジェットミルを用いてジェット粉砕(気流粉砕)を実施するのも適当である。こうすることでより滑らかな微粉末を得ることができる。
こうして粉砕により、緑葉粉末の粒径が最終で、目開き87μmの篩を通過する割合が90質量%以上とするのが適当であり、又は平均粒径75μm以下、より好ましくは平均粒径20〜50μmの範囲内とする。粒径の測定は、例えば島津SALD−200V(島津製作所)で分散剤としてエタノールを用いて実施することができる。
こうして緑葉の粉砕乾燥粉末を得ることができる。
一方、緑葉の搾汁乾燥粉末は例えば以下のようにして得ることができる。
上記の工程のように洗浄し、必要あれば剪断、ブランチング処理などを施した緑葉に、必要があれば水を加えた後、公知の搾汁方法を施し、緑葉の搾汁を得る。搾汁方法としては例えばミンチ機、ミキサー、ジューサー、押し出し搾汁器などの装置を用いることができ、さらに遠心分離や濾過などの固液分離の手段を用いることにより、搾汁を容易に得ることができる。
こうして得られた搾汁を乾燥粉末化する。乾燥粉末化の方法としては例えば噴霧乾燥や凍結乾燥を採用することができ、これらの乾燥方法は常法に従って実施できる。
緑葉の搾汁は乾燥工程に施す前に、必要があれば公知の濃縮装置を用いて、例えば真空濃縮装置などを使って濃縮しておいてもよい。
こうして緑葉の搾汁乾燥粉末を得ることができ、その粒径は、目開き87μmの篩を通過することが適当である。
このようにして得られた緑葉粉末(粉砕乾燥粉末、搾汁乾燥粉末)は、乾燥減量が5%以下であることが好適である。
[緑葉搾汁の調製]
上記に説明した緑葉の搾汁乾燥粉末の原料となる搾汁の調製方法と同様にして、緑葉搾汁を得ることができる。
すなわち、上記の工程のように洗浄し、必要あれば剪断、ブランチング処理などを施した緑葉に、必要があれば水を加えた後、公知の搾汁方法を施し、緑葉の搾汁を得る。搾汁方法としては例えばミンチ機、ミキサー、ジューサー、押し出し搾汁器などの装置を用いることができ、さらに遠心分離や濾過などの固液分離の手段を用いることにより、搾汁を容易に得ることができる。
[白きくらげ粉末の調製]
白きくらげとは、食用茸類の一種でありカルシウム、ビタミン、アミノ酸及び食物繊維などが豊富で、中華風サラダやスープなどによく用いられている。中華風サラダやスープに使用される白きくらげは、柔らかくプルプルとした独特の食感が特徴である。この白きくらげを粉砕・粉末化して液体に溶かすと、吸水して(ふやけて)膨潤し、青汁のストレートに舌に刺さるようなえぐみ苦味を抑制して、マスキングする効果と、さらに、つるんとしたのど越しで繊維分のザラザラした感じを低減する効果があることを発見した。
白きくらげ粉末は、白きくらげの乾燥品を粉砕して得ることができる。五訂日本食品成分表によると、乾燥白きくらげには68.7質量%の食物繊維が含まれており、その内訳は水溶性食物繊維が19.3質量%、不溶性食物繊維が49.4質量%と記載されており、水溶性食物繊維は比較的少ない。
白きくらげは通常、石突きを除いて用いられる。市販されている白きくらげの乾燥品、あるいはその粉末を使用することもできる。
白きくらげの乾燥は日干し又は機械乾燥又はそれらの組合せにより実施することができ、得られた乾燥品から必要あれば異物を取り除き、その後、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などの公知の粉砕機を使用して粉砕する。粉砕の例として、先ずハンマーミルなどの粗粉砕し、その後、ターボミルなどの微粉砕することが挙げられる。
本発明で使用する白きくらげ粉末の粒径は目開き355μmの篩を抜ける割合が80質量%以上であり、且つ平均粒径が20〜180μm、好ましくは目開き250μmの篩を抜ける割合が80質量%以上で平均粒径が30〜90μmの範囲にあることが適当である。粒径の測定は、例えば島津SALD−200V(島津製作所)で分散剤としてエタノールを用いて実施することができる。
また、本発明で使用する白きくらげ粉末の水分は14質量%以下が適当である。
白きくらげ粉末が、目開き355μmの篩を抜ける割合が80質量%未満、又は平均粒径が180μmを超える場合は、白きくらげ粉末の粒が大きく、液体に懸濁分散せずにコップの底に沈む傾向があり、上述の効果が得られないばかりか、舌に残って不快な食感となる。また、白きくらげ粉末が、目開き355μmの篩を抜ける割合が80質量%以上で平均粒径が20μm未満の場合は、上述の効果は得られるものの、粉砕加工に長時間を要するとともに、液体に懸濁分散させるときにダマ(ままこ)になり易く、作業性が極端に低下するので好ましくない。
前記のように白きくらげ粉末には、マスキング効果と繊維分のザラザラ感を低減してつるみを増す効果がある。さらに、白きくらげは無味無臭で粉末はほぼ透明になる特徴がある。他のキノコ類、例えばしいたけ、まいたけ、エリンギ、しめじ、ひらたけ、まつたけ、エノキダケ、なめこ、マッシュルームなどでは、各々特有の香りがあり、きのこ粉末が着色していることから好ましくない。
なお、白きくらげにはビタミンDが極めて豊富に含まれており(970μg/100g:五訂日本食品成分表)、天然のビタミンD供給源として理想的な食材である。緑葉粉末や緑葉搾汁を含む野菜類にはビタミンDが含まれていない(ほぼゼロである)ことから、緑葉粉末や緑葉搾汁と白きくらげとの組合せは栄養バランスの面からも好ましいものである。
[飲料の製造]
上記の緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを用いて飲料を製造することができる。
例えば緑葉搾汁と白きくらげ粉末を用いるとき、緑葉搾汁100質量部に対して白きくらげ粉末を好ましくは1.0〜10.0質量部、より好ましくは3.0〜8.0質量部、シェーカーやミキサーなどを使用して混合して、飲料とすることができる。
あるいは緑葉粉末100質量部に対して、白きくらげ粉末1.0〜10.0質量部を用い、及び溶媒として水、お湯、牛乳、ヨーグルト、果汁、豆乳などから選ばれる少なくとも1種を用い、溶媒100質量部に対して上記緑葉粉末と白きくらげ粉末との混合粉末1.5〜6.0質量部程度添加して、シェーカーやミキサーなどを使用して混合して、飲料とすることができる。
このような飲料は冷凍品として保存することができる。冷凍は、飲料を適当な耐冷凍容器に収容して冷凍庫にて−5℃以下にして実施することができる。飲料の冷凍品は、自然解凍、流水解凍などの手段により解凍し、均一にして食することができる。
[造粒物の製造]
上記の緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを用いて造粒物を製造することができる。
造粒の際には、緑葉粉末、緑葉搾汁又は緑葉粉末と緑葉搾汁との組合せ100質量部に対して白きくらげ粉末を好ましくは1.0〜10.0質量部、より好ましくは3.0〜8.0質量部用いるのが適当である。緑葉粉末、緑葉搾汁又は緑葉粉末と緑葉搾汁との組合せを使用することができるが、中でも緑葉粉末を用いることが好ましく、従って緑葉粉末100質量部に対して白きくらげ粉末を好ましくは1.0〜10.0質量部、より好ましくは3.0〜8.0質量部用いるのがより適当である。
また、造粒の際には上記のほかに、カロテン、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、D、E、Kなどのビタミン類や、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、銅、セレン、亜鉛、クロムなどのミネラル類、各種たんぱく質、ペプチド、アミノ酸、食物繊維、オリゴ糖、α−リノレン酸、DHA、EPA、ローヤルゼリー、乳酸、アロエ、プルーン、ビフィズス菌、アガリクス、プロポリス、高麗人参、いちょう葉エキス、キトサン、コラーゲン、健康酢、酵母、各種酵素、消化酵素阻害剤、核酸、グルコサミン、ウコン、レシチン、ブドウ種子抽出物、梅肉エキス、ノコギリヤシ、ブルーベリー、甜茶、メシマコブ、ゴマ、コエンザイムQ10、ゴマ、ニンニクなどを添加してもよい
造粒製造において、緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末との合計100質量部に対して、10〜200質量部程度のバインダー液体を使用するのが適当である。使用するバインダー液体として、バインダー濃度0.01〜5.0質量%の水溶液を用いるのが適当である。該バインダーとしてキサンタンガム、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、デキストリン、グアガム、アラビアガム、カラギーナン、ペクチン、タピオカデンプン、小麦デンプンなどを使用することができる。
具体的な造粒方法としては、流動層造粒、攪拌造粒、押し出し造粒などが挙げられる。本発明には、これらの造粒方法に通常用いられている装置を使用することができる。
中でも本発明には、流動層造粒又は攪拌造粒が好ましく用いられる。流動層造粒及び攪拌造粒は、簡便に且つ大量に造粒物を生産できることから好ましい。さらに、流動層造粒及び攪拌造粒によれば、比較的低温で造粒操作を実施することができるので栄養素の破壊を抑えることができ、また、嵩密度の低い造粒物が得られ、造粒物の風味や食感をソフトにすることができ、また水溶けのよい造粒物が得られることから好ましい。
流動層造粒は、粉体を空気で流動化させながら水又は溶液をスプレーして凝集造粒する方法である。造粒機本体に白きくらげ粉末や緑葉粉末といった粉体を投入し、粉体を空気で流動化させながら、バインダー液体、緑葉搾汁などをノズルからスプレーして凝集結着させる。導入する空気は栄養素の破壊を考慮して、品温が60℃以下になるように設定するのが好ましい。
攪拌造粒は、粉末を攪拌羽根を持つ容器の中で高速攪拌しながら、水又は溶液を添加して造粒する方式である。攪拌羽根を有するミキサーに白きくらげ粉末や緑葉粉末を投入し、ミキシングしながらバインダー液体、緑葉搾汁などを徐々に添加して凝集結着させる。
こうして本発明で得る造粒物の粒径(直径)は、目開き0.87mmの篩を通過するサイズが適当である。さらに、上記で得た造粒物を打錠して錠剤タイプの食品とすることも可能である。
本発明で製造された造粒物は、そのまま食してもよく、また、食品とともに例えばカレー、シチュー、みそ汁、蒸しパン、ホットケーキ、ワッフル、クレープ、だんご、大福、まんじゅうなどに加えて食してもよいし、また、水、お湯、牛乳、果汁、豆乳などの飲料とともに飲み込んでもよい。本発明の造粒物はまた、水、お湯、牛乳、ヨーグルト、果汁、豆乳などに混ぜて懸濁させ飲料として食してもよい。このとき、造粒物3質量部に対して水などの溶媒を100〜200質量部の割合が一般に適当である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:造粒物の製造
緑葉粉末として小麦若葉の粉砕乾燥粉末を用い、白きくらげは日干し乾燥品を粉砕して用い、両者をブレンド後に造粒機にて顆粒状に調製した。詳細は以下のとおりである。
有機小麦を圃場に播種し有機的に栽培した。若葉が30〜40cmに成長したところで下方の10cmを残して刈り取り、さらに水洗して土や異物を除去した。これを約70℃の連続熱風乾燥機にて乾燥した。次にハンマーミルで直径5mm程度に粗粉砕し、風力分級機により茎を取り除き葉肉部分を選別した。この粉末を気流粉砕機(水平型ジェットミルSTJ:(株)セイシン企業)にて粉砕し、平均粒径20〜30μm、目開き87μmの篩抜け90%以上の有機小麦若葉粉末を得た。
白きくらげは、圃場のほだ木に植菌し、充分な水分を補給しながら栽培した。白きくらげが10〜20cmに成長したところで刈り取り、下部の石尽きをカットし、さらに水洗して木片や異物を除去した。これを天日でよく乾燥した後、仕上げに約80℃の機械乾燥を行った。次に5〜8cm程度にばらして大きさを揃え、再度異物を除去した。次にハンマーミルで直径3〜5mm程度に粗粉砕し、さらにこの粉末をターボミルで粉砕し、目開き355μm抜け80%以上、平均粒径42μmの白きくらげ粉末を得た。
次に小麦若葉粉末と白きくらげ粉末を下記の表1の割合でブレンドし、造粒処理を行った。ブレンドした小麦若葉−白きくらげ粉末を流動層造粒機(フローコーター:フロイント産業(株))に供した。水15kgにキサンタンガムを0.5%溶解し、小麦若葉−白きくらげ粉末30kgに対して吸気温度70℃、排気温度30〜40℃、1分間に0.8リットルの割合で噴霧した。2分間の噴霧に対して2分間のシェーキングを繰り返し、噴霧終了後に乾燥、冷却して品温が45〜50℃となった時点で終了とした。その時の水分は5%以下であった。篩分けにより造粒物の粒度を目開き0.87mm抜けに調整した。









Figure 2006166776
[官能検査]
上記で得られた造粒物3gをシェーカーに取り、冷水100mlを加えて密封し、よく振って均一に懸濁させ、コップに分けて香り、味、飲用時ののど越しについて官能評価を行った。パネラーは20名で、下記のように5段階評価を行った。その平均値を表2に示す。
1:劣る、2:やや劣る、3:標準、4:やや優れる、5:優れる
さらに総合判定を以下の基準で行った。
△:まあまあ良い、○:良い、◎:非常に良い
Figure 2006166776
実施例2:飲料及びその冷凍品の製造
緑葉搾汁としてケールの搾汁を用い、白きくらげは日干し乾燥品を粉砕して用い、両者をブレンドして冷凍した。詳細は以下のとおりである。
30〜50cmに成長したケールを収穫し、水洗して土や異物を除去した。これを5〜10cmに切断しその7kgを水100リットルに浸漬し、90〜100℃で3分間加熱し、ブランチング処理を行った。次にこれを直ちに5℃以下の冷水に2分間浸漬して冷却した。水切り後、手動の卓上ミンチ機に供し、ケール搾汁を得た。
白きくらげは、圃場のほだ木に植菌し、充分な水分を補給しながら栽培した。白きくらげが10〜20cmに成長したところで刈り取り、下部の石尽きをカットし、さらに水洗して木片や異物を除去した。これを天日でよく乾燥した後、仕上げに約80℃の機械乾燥を行った。次に5〜8cm程度にばらして大きさを揃え、再度異物を除去した。次にハンマーミルで直径3〜5mm程度に粗粉砕し、さらにこの粉末をターボミルで粉砕し、目開き355μm抜け80%以上、平均粒径67μmの白きくらげ粉末を得た。
次にケール搾汁と白きくらげ粉末を下記表3の割合で、混合し、シェーカーで1分間充分に混合した。次に耐冷凍ポリ袋に約100g分取し、冷凍庫にて−18℃以下に冷凍した。

Figure 2006166776
[官能検査]
上記、冷凍物約100gを流水中で完全に解凍し、均一によく混ぜて、香り、味、飲用時ののど越しについて官能評価を行った。パネラーは20名で、下記のように5段階評価を行い、その平均値を表4に示す。
1:劣る、2:やや劣る、3:標準、4:やや優れる、5:優れる
さらに総合判定を以下の基準で行った。
△:まあまあ良い、○:良い、◎:非常に良い
Figure 2006166776
実施例3:造粒物の製造
緑葉粉末として大麦若葉の粉砕乾燥粉末を用い、白きくらげは日干し乾燥品を粉砕して用い、両者をブレンド後に造粒機にて顆粒状に調製した。詳しくは以下のとおりである。
30〜40cmに成長した大麦若葉を収穫し、水洗して土や異物を除去した。これを5〜10cmに切断しその5kgを水100リットルに浸漬し、90〜100℃で3分間加熱し、ブランチング処理を行った。次にこれを直ちに5℃以下の冷水に2分間浸漬して冷却した。水切り後、70〜80℃の連続熱風乾燥機にて乾燥した。次にハンマーミルで直径約5mm程度に粗粉砕後、さらにターボミルで粉砕し、平均粒径30〜50μm、目開き87μmの篩抜け90%以上の大麦若葉粉末を得た。
白きくらげは、圃場のほだ木に植菌し、充分な水分を補給しながら栽培した。白きくらげが10〜20cmに成長したところで刈り取り、下部の石尽きをカットし、さらに水洗して木片や異物を除去した。これを天日でよく乾燥した後、仕上げに約80℃の機械乾燥を行った。次に5〜8cm程度にばらして大きさを揃え、再度異物を除去した。次にハンマーミルで直径3〜5mm程度に粗粉砕し、さらにこの粉末をターボミルで粉砕した。このとき、フィード量とターボミル回転数を調整し、以下の粒度の白きくらげ粉末を得た。



Figure 2006166776
次に大麦若葉粉末100質量部に対して、上記の各種白きくらげ粉末を5質量部の割合でブレンドし、造粒処理を行った。ブレンドした大麦若葉−白きくらげ粉末を流動層造粒機(フローコーター:フロイント産業(株))に供した。水15kgに馬鈴薯デンプンを5.0%溶解し、大麦若葉−白きくらげ粉末30kgに対して吸気温度70℃、排気温度30〜40℃、1分間に0.8リットルの割合で噴霧した。2分間の噴霧に対して2分間のシェーキングを繰り返し、噴霧終了後に乾燥、冷却して品温が45〜50℃となった時点で終了とした。その時の水分は5%以下であった。篩分けにより造粒物の粒度を目開き0.87mm篩抜けに調整した。
[官能検査]
上記で得られた造粒物3gをシェーカーに取り、冷水100mlを加えて密封し、よく振って均一に懸濁させ、コップに分けて香り、味、飲用時ののど越しについて官能評価を行った。パネラーは20名で、下記のように5段階評価を行った。その平均値を表6に示す。
1:劣る、2:やや劣る、3:標準、4:やや優れる、5:優れる
さらに総合判定を以下の基準で行った。
△:まあまあ良い、○:良い、◎:非常に良い
Figure 2006166776

Claims (6)

  1. 緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と、白きくらげ粉末とを含むことを特徴とする飲料。
  2. 請求項1記載の飲料を冷凍した冷凍物。
  3. 緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁がケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、及びクマザサから選ばれる少なくとも1種に由来する、請求項1記載の飲料。
  4. 緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを含有する造粒物。
  5. 緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁がケール、大麦若葉、小麦若葉、明日葉、クワ若葉、及びクマザサから選ばれる少なくとも1種に由来する、請求項4記載の造粒物。
  6. 緑葉粉末及び/又は緑葉搾汁と白きくらげ粉末とを用いて造粒することを特徴とする造粒物の製造方法。
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