JP3560939B2 - 麦類若葉粉末の製造方法およびその麦類若葉粉末を含有してなる食品 - Google Patents

麦類若葉粉末の製造方法およびその麦類若葉粉末を含有してなる食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、麦類若葉を原料とし、その葉軸および葉脈部分を実質的に含まずに葉肉部分を主体とする、良好な食感と風味を有する麦類若葉粉末の製造方法およびその粉末を含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間は健康を保持し増進するためには、日頃から炭水化物、脂肪、蛋白質、ビタミンおよびミネラルの栄養素をバランスよく食事から摂取することが基本であり、これらの栄養素に加えて近年、食物繊維を摂取することの重要性が叫ばれている。
一方において、最近の日本における食生活は欧米化が進み、主食としての穀類と野菜などのグリーン食材の摂取が減少し、動物性食品の摂取が増大しており、このことが生活習慣病といわれる心臓病、糖尿病、癌などの疾病増加をまねいていると言われている。
【0003】
野菜類の摂取減少は、ビタミン、ミネラルと、さらに食物繊維の摂取不足をもたらす。また、穀類はその消費量が減少しつつあり、しかも食味向上をねらって精製度を上げていることもあって、食物繊維、ミネラル、ビタミンなどが減少したものを食用する傾向にあり、栄養上問題となっている。例えば、小麦は紀元前15000〜7000年頃から食用に供されはじめられて、その後紀元前3000〜3500年頃から人口の増加と共に食糧としての役割が大きくなった穀物である。古来、小麦はその全穀粒を単に粉砕して利用していたためビタミンやミネラルが豊富に含まれていたが、18世紀になって近代製粉法が確率し、白い小麦粉が供せられるようになりこれらの栄養素含量が減少してきている。
【0004】
このような現代食生活の欠点を補い、野菜や穀類の栄養素、特に微量栄養素をバランスよく補給する目的で、キャベツ原種ケールや大麦若葉を原料とするいわゆる青汁が飲用されてきている。このうち、ケールは特有の青くさ臭があり日常的に摂取するには抵抗を感ずる人が多く、それに比べて大麦若葉の青汁はマイルドであると言われており、最近は小麦若葉を原料とするものも市販されている。その製品の種類として、大麦若葉エキス、大麦若葉末、小麦若葉末などが見られる。
【0005】
従来の麦若葉粉末は、刈り取り後の若葉の全草を粉末化して調製されている。例えば、特開平7−241176号公報には、刈り取り後、洗浄した麦若葉を、塩と重曹を含む混合溶液中で加熱処理し、冷却後、脱水・乾燥し、次いで石臼で細かく粉砕して粉末状とし、それを殺菌して仕上げる方法が開示されている。また、特開2000−300209号公報、特開2001−29041号公報および特開2001−57863号公報には、γ−アミノ酪酸含有量を高めた麦若葉粉末、麦若葉搾汁粉末が提案されているが、これらも麦若葉の全草を用いるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
麦類若葉を原料とする食品のうち、若葉エキス類はその製造法上、食物繊維を殆ど含まず、またエキスの溶存状態では常温下での保存性や流通性において腐敗を防ぐために特別の管理が必要である。液状エキスは乾燥して粉末化することもできるが、この紛末は吸湿性が高く、デキストリンや澱粉などの賦形剤を添加して製剤化することが必要となり、天然・自然状態の食品とは趣きを異にする性状に限定されてくる。
【0007】
これに対して、麦類若葉の粉末品は本来の栄養素の損失がなく天然状態で摂取できる点において有利である。しかし、従来の製造方法により得られる粉末は、食用時に舌溶けが悪くザラツキが感じられて粉臭い風味があり、日常的に食するには食感や風味などの点で満足し得るものとは言い難い。この理由は、麦類若葉が微粉砕し難い素材であることに起因する。従って、ザラツキ感がないように例えば全体を粒度150μm以下の粉末に効率的に調製しようとしても困難であり、一方粉砕時間を長くするとその間に発生した熱に曝されて品質低下を起こす。
【0008】
そこで、本発明の目的は、麦類若葉を原料とし、日常的に食しても食感、風味において抵抗感がない食用粉末と、その工業的に有利な製造方法、および得られた麦類若葉粉末を含有せしめた食品を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者は麦類若葉の粉砕方法を改めて検討したところ、従来は麦類を種蒔きし30〜50cmに成長したものを刈り取ってその全草を粉砕に供しており、その結果、若葉の部位によって粉砕の程度に差を生じていることを見出した。麦類若葉は形態的に葉軸部(ストロー)とそれに派生する葉部からなっており、まず葉軸部を手作業的に除いて葉部のみを採取しこれを粉砕したところザラツキ感はかなり消失したが、食感的にはまだ十分に満足すべきものではなかった。そこで、さらに葉部から葉脈部を除き、得られた葉肉部を粉砕してみたところ、食感と風味の改善された粉末が得られることを見出した。
【0010】
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに工業的に有利な方法で葉肉部の微粉末を得る方法を検討して、完成されたものである。すなわち、本発明の麦類若葉粉末の製造方法は、刈り取った麦類若葉を乾燥する工程、粗粉砕して葉軸部と葉脈部を実質的に除去する工程、得られる葉肉部をさらに粗粉砕して目開き200μm〜500μmのスクリーン通過分を採取する工程、前記採取した葉肉部粗砕物を気流粉砕する工程に付して、レーザー回折式粒度分布測定法による粒度が100μm以下でかつ75μm以下の割合が80重量%以上であり、かつ50累積%の粒度が5〜30μmである微粉末に調製することを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明においては、前記の麦類若葉粉末を含有する食品を提供するものである。
本発明において、前記の刈り取った麦類若葉を水分5%以下に乾燥し、粗粉砕して目開き750μm〜500μmのスクリーン通過分を採取することにより、葉軸部と葉脈部を実質的に除去することができ、前記通過分を気流粉砕することによって葉肉部を主体とする微粉末が調製され易くなる。
【0012】
また、本発明において、前記気流粉砕によって、粒度が100μm以下でかつ75μm以下の割合が80重量%以上であり、かつ50累積%の粒度が5〜30μmである微粉末に調製することにより、得られる粉末の食感、風味がさらに向上する。本発明で得られる麦類若葉粉末は、実質的に葉肉粉末からなりその粒度は前記のとおりであるから、そのまま食してもザラツキ感が殆どないと言ってよく、風味的にも良好である。また、顆粒、錠剤等への加工性が向上し、さらに他の食品に添加混入しても風味などが損なわれることはない。このような微粉末の麦類若葉末は、従来は見当たっていないものである。
【0013】
本発明において粉体の粒度を表すとき、150μm以下の微粉末はレーザー回折式粒度分布測定装置(SK Laser Micron Sizer;株式会社セイシン企業)により、媒体液としてメタノールを用いて測定した値を示す。一方、粒度が150μmを超える粉末の場合は、JIS規格篩を使用した値を示す。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明でいう麦類は、大麦、小麦、ライ麦あるいはえん麦など通常食糧として供されているものを対象とする。とりわけ、小麦は主要穀類であり、品質面や供給し易いことから有利に用いられる。麦類若葉とは、種蒔き後、5〜50cm程度に成長してから刈り取ったものをいい、その若葉から葉軸部と葉脈部を除いたものが葉肉部である。通常、5〜20cm程度の若い成長段階では、葉軸が未成長もしくはその成長程度が小さく、また葉脈もそれほど硬くはないので出発原料としてより適しているが、収穫量の面からは有利とはいえない。
【0015】
麦類は、圃場栽培あるいは水耕栽培のいずれで栽培したものであってもよい。一般に、若い成長段階の5〜20cm程度の原料を得ようとするときには、刈り取り機の機能を考慮すると水耕栽培の方が有利である。圃場栽培では、草丈が30〜40cm程度まで成長させたものを、通常の牧草用刈り取り機で収穫したものを用いることができる。
本発明の麦類若葉粉末は、刈り取った麦類若葉を乾燥工程、粗粉砕工程、葉軸部分と葉脈部分の除去工程、葉肉粗砕物の気流粉工程に付して、粒度が150μm以下でかつ75μm以下の割合が50重量%以上である微粉末に調製することによって得られる。
【0016】
前記刈り取った麦類若葉は、水洗して土や異物を適宜取り除き、乾燥工程に付される。ここで、原料若葉から葉軸と葉を切り離して、主として葉の部分を乾燥に付してもよい。この段階での葉軸分離はいつも必要というわけではなく、後の粗粉砕工程後に葉脈部分と一緒に分離することができるので、原料となる麦類若葉の種類や成長の程度をみて適宜、実施すればよい。この乾燥工程は、水分含量が10%以下に、好ましくは5%以下になるように実施する。この水分含量にすることによって、後の粗粉砕工程および微粉砕工程において所望の粒度まで効率よく粉砕できる。乾燥方法は特に限定されるものではなく、例えば通常の熱風式棚式乾燥機で約90〜100℃の温度で行えばよく、天日乾燥を併用してもよい。
【0017】
前記乾燥物は、次の粗粉砕工程に付される。この粗粉砕は、(1)葉肉部分を葉軸および葉脈から切り離すことを主たる目的とするものであるが、さらには(2)葉肉部分が後の気流粉砕工程において所望の微粉末まで粉砕し易くなるように予備粉砕するという目的も有する。粗粉砕には、ピン方式、衝撃方式などの各種粉砕機を使用することができ、通常ピンミルやアトマイザーミルが工業的に利用し易い。前記(1)の目的にはピンミルが適しており、前記乾燥物を例えば羽付きミキサーに投入して100〜1000rpmで5〜30分間、回転粉砕することにより、葉肉部分が葉軸および葉脈から切り離されて、より細かく粉砕される。このときの粉砕によって、主として葉肉部が目開き750μm〜500μmのスクリーンを通過するように粉砕され、葉軸部および葉脈部はそのように細かくは粉砕されない。
【0018】
次に、前記粗粉砕物から葉軸部と葉脈部を実質的に除去する。この除去工程は、上記のように、葉肉部分が切り離されてより細かく粉砕されることから、篩別分離が適当であるが、浮遊選別も適用し得る。かくして葉肉部の粗粉砕物が得られるが、この中には葉軸部分と葉脈部分の比較的、粉砕され易い部分がごく少量混入してくることは許容される。上記の葉肉の粗粉砕物は、さらに粗粉砕を行って粒度を小さくしてから気流粉砕を行う。すなわち、粒度が目開き200〜500μmのスクリーンを全部通過する程度に粗粉砕してから、気流粉砕に進むことによって、全体の粉砕時間が短くしかつ品質的によい最終目的物である微粉末が得られる。この2度目の粗粉砕にはアトマイザーミルの使用が適している。
【0019】
前記の気流粉砕は、旋回気流型ジェットミルあるいはこれと高速動体衝突粉砕機構を組み合わせた粉砕機を用いて行われる。ジェット粉砕は、超音速の流体エネルギーを利用した全く可動部分のない微粉砕機であり、高速気流による粉砕原料同士の衝突によりされるもので、粉砕時に全く発熱しないことから、本発明において有利に適用し得る。この微粉砕は、前記のように、粒度100μm以下でかつ75μm以下の割合が80重量%以上であれば、品質的にさらに好ましくなり、このとき50累積%では5〜30μm程度となる。
【0020】
本発明で製造した麦類若葉末は、素材100%または、若干の加工助剤(5%以内)を使用した粉末、顆粒、または錠剤タイプで、そのまま食することができる。また粉末や顆粒は、水、牛乳、ジュースなどに懸濁して食することもできる。食味を整えるため、特に麦類若葉末の配合を限定しないが、例えば1〜95重量%程度配合した粉末、顆粒、または錠剤タイプの食品(錠菓)を製造することができる。また、パン、麺類、パスタ類その他いかなる食品にも適量配合して食することができる。
【0021】
【実施例】
以下に比較例および実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
比較例1
小麦を圃場に種蒔きし、30〜35cmに成長したところで、下部10cm程度を残して刈り取った後、葉と葉軸を分離した。次に、水洗して土や異物を取り除き、これを90〜100℃の熱風式棚式乾燥機にて乾燥した。乾燥した若葉は、ミキサーで軽く回転させ葉肉部分と葉脈部分を分離した。葉肉部分は、粉砕機(アトマイザー)で粉砕し、目開き500μmのスクリーン通過分が90重量%で、目開き300μmのスクリーン未通過分が48重量%の粉末を得た。これを比較粉末1−1とする。
【0022】
この粉末を更に気流粉砕機(水平型ジェットミルSTJ;株式会社セイシン企業)において、各種スクリーンを通過させて各種粒径の粉体を調製した。
比較粉末1−2:前記において、目開き300μmのスクリーンを通過させて、同様に粉末を調製した。
比較粉末1−3:前記において、目開き212μmのスクリーンを通過させて、同様に粉末を調製した。
【0023】
比較粉末1−4:前記において、粒度が150μm以下で、かつ75μm以下の割合が50重量%以上含むように調製した。
上記で得た各比較粉末3gを水80mlで懸濁し、食感・舌溶け・風味を試験し、また後述の実施例1で得た粉末についても同様に試験を行った。それらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003560939
【0025】
比較例2
小麦を種蒔きし、30〜35cmに成長したところで、下部10cm程度を残して刈り取り後、葉と葉軸を分離しなかった。次に、水洗し土や異物を取り除き、これを90〜100℃の熱風式棚式乾燥機にて乾燥した。乾燥した若葉は、そのまま粉砕機(アトマイザー)で粉砕し、目開き500μmのスクリーン通過分が90重量%で、目開き300μmのスクリーン未通過分が40重量%の粗粉末を得た。
【0026】
この粗粉末を更に気流粉砕機にて、各種スクリーンを使用して比較例1と同様の各種粒径の粉体を調整した。ここで150μmスクリーン通過または、レーザー回折式粒度分布測定装置にて150μm以下より細かい粉末を得るには処理時間、処理量で問題があり工業的ではなかった。
これを比較例1と同じ方法にて食感及び風味を試験した。その結果、粒度100μm以下にした粉末でも、舌へのざらつき、舌溶けが悪く、著しく食感・風味が悪かった。この結果より、葉軸・葉脈を取り除かないで、微粉末としても食感・風味を改善できないことがわかった。
【0027】
次に、30名のパネラーにて、各種小麦若葉紛末3gを水80mlで懸濁し試飲し食品として、▲1▼適当な若葉末、▲2▼不適当な若葉末、▲3▼若葉風味があり美味な若葉末、の評価項目のうちどれに相当するかを選択させた。それらの結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003560939
【0029】
実施例1
小麦を種蒔きし、30〜35cmに成長したところで、下部10cm程度を残して刈り取り後、葉と葉軸を分離した。次に、水洗し土や異物を取り除き、これを90〜100℃の熱風式棚式乾燥機にて乾燥した。乾燥した若葉は、ミキサーで軽く回転させ葉肉部分と葉脈部分を分離した。葉肉部分は、粉砕機(アトマイザー)で粉砕し、目開き500μmのスクリーン通過分が90重量%で、目開き300μmのスクリーン未通過分が48重量%の粗粉末を得た。
【0030】
この粗粉末を更に気流粉砕機(水平型ジェットミルSTJ;株式会社セイシン企業)にて微粉砕して、粒度が100μm以下であり、かつ50μm以下の割合が80重量%以上(粒度範囲:2〜65μm、50累積%13.45μm)の小麦若葉粉末を得た。
実施例2
大麦の種子を板状のウレタンベッドに蒔き、水または植物育成用の液肥を少量添加して水耕栽培し、5〜20cm程度に成長させた。これを収穫すると、葉軸を含まない大麦若葉を得ることができる。この成長段階の若葉は、葉脈が柔らかくこのまま使用できるが、水洗し土や異物を取り除き、これを90〜100℃の熱風式棚式乾燥機にて乾燥後、ミキサーで軽く回転させ葉肉部分と葉脈部分を分離した。葉肉部分は、粉砕機(アトマイザー)で粉砕し、目開き300μmのスクリーン未通過分が48重量%で、目開き500μmのスクリーン通過分が90重量%の粗粉末を得た。
【0031】
この粗粉末を更に気流粉砕機にて更に微粉砕に加工し、粒度50μm以下(粒度範囲;1〜50μm、50累積%8.31μm)の小麦若葉粉末を得た。
実施例3
小麦を種蒔きし、30〜35cmに成長したところで、下部10cm程度を残して刈り取り、水洗し土や異物を取り除いた。これを90〜100℃の熱風式棚式乾燥機にて乾燥した。乾燥した若葉は、ミキサーで軽く回転させ葉肉部分と葉軸・葉脈部分を分離した。葉肉部分は、粉砕機(アトマイザー)で粉砕し、目開き300μmのスクリーン未通過分が48重量%で、目開き500μmのスクリーン通過分が90重量%の粗粉末を得た。
【0032】
この粗粉末を更に気流粉砕機にて更に微粉砕に加工し、粒度が100μm以下で、かつ75μm以下の割合が86重量%の小麦若葉粉末を得た。
実施例4
実施例1で製造した小麦若葉粉末を少量のキサンタンガムを使用して造粒した。これを、3gづつに分包し、ドリンク用顆粒を製造した。
実施例5
実施例2で製造した大麦若葉粉末を使用して下記の処方にて混合後、粉末ドリンク用顆粒を製造した。
【0033】
大麦若葉紛末 50%
乳果オリゴ糖 15%
乳糖 32%
リンゴ香料 3%
実施例6
実施例1で製造した小麦若葉紛末を使用して錠菓を製造した。
【0034】
小麦若葉紛末 50%
マルチトール 20%
セルロース 25%
ショ糖脂肪酸エステル 5%
実施例7
小麦粉120g、小麦若葉紛末(実施例1で得たもの)8g、砂糖35g、ショートニング15g、全卵粉1.5g、食塩1g、炭酸水素ナトリウム0.6g、炭酸アンモニア0.75g、水20gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してビスケットを製造した。
【0035】
実施例8
小麦粉3kg、小麦若葉紛末(実施例2で得たもの)180g、イースト60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水2070gを用いて、常法によりドウを作成し、成形、焙焼してパンを製造した。
実施例9
準強力小麦粉に対して、1重量%の大麦若葉紛末(実施例2で得たもの)、34重量%の水、1重量%の食塩及び1重量%のかん粉を加えたものを、12分間混捏した後、麺機にて数回圧延、形成して、中華麺の生麺帯、生麺線を得た。
【0036】
【発明の効果】
本発明の麦類若葉粉末は、葉軸および葉脈を実質的に取り除き、葉肉部を主体とする微粉砕にすることにより、その粒度が150μm以下で、かつ75μm以下の割合が50重量%以上である。この若葉粉末は、舌溶けがよくザラツキ感がなく、食感・風味が著しく改善されたものであり、そのまま直接に食したり、飲料類や、その他各種食品の加工原料として多方面に用いることができる。
【0037】
本麦類若葉粉末を他の原材料と混合する場合に、従来の若葉末では比重差などから均一に混合することが困難であったが、本発明の粉末は均一に他の資材と混合することができ、例えば顆粒や錠菓を製造する場合に作業性、加工性が向上し、出来上がりが均一で商品価値の高い製品が得られる。
本麦類若葉紛末の製造方法は、麦類若葉を乾燥、粗粉砕、篩過、篩過物の気流粉砕、という工程を経ることに特徴を有し、葉軸部および葉脈部を効率よく除くことができ、かつ葉肉部が均一に微粉砕されるので、前記麦類若葉粉末が生産性よく得られる。

Claims (3)

  1. 刈り取った麦類若葉を乾燥する工程、粗粉砕する工程、葉軸部と葉脈部を実質的に除去する工程、得られる葉肉部をさらに粗粉砕して目開き200μm〜500μmのスクリーン通過分を採取する工程、前記採取した葉肉部粗砕物を気流粉砕する工程に付して、レーザー回折式粒度分布測定法による粒度が100μm以下でかつ75μm以下の割合が80重量%以上であり、かつ50累積%の粒度が5〜30μmである微粉末に調製することを特徴とする麦類若葉粉末の製造方法。
  2. 前記の刈り取った麦類若葉を水分5%以下に乾燥し、前記粗粉砕工程で目開き750μm〜500μmのスクリーン通過分を採取することにより葉軸部と葉脈部を実質的に除去することを特徴とする請求項記載の麦類若葉粉末の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で得られる麦類若葉粉末を含有してなる食品。
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