JP2002065204A - イネ科植物緑葉の微粉末製造方法 - Google Patents

イネ科植物緑葉の微粉末製造方法

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JP2002065204A JP2000264531A JP2000264531A JP2002065204A JP 2002065204 A JP2002065204 A JP 2002065204A JP 2000264531 A JP2000264531 A JP 2000264531A JP 2000264531 A JP2000264531 A JP 2000264531A JP 2002065204 A JP2002065204 A JP 2002065204A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、水への分散性がよく、懸濁
液を口に入れたときにざらつきが残らず、懸濁液の食感
が良好で、嗜好性に優れたイネ科植物緑葉の微粉末を製
造する方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明のイネ科植物緑葉の微粉末製造方
法は、イネ科植物緑葉をブランチングするブランチング
工程と、該ブランチング工程で得られた緑葉を揉捻する
揉捻工程と、該揉捻工程で得られた緑葉を乾燥する乾燥
工程と、該乾燥工程で得られた緑葉を粉砕する粉砕工程
と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイネ科植物緑葉の微
粉末製造方法に係り、特に水分散性と食感等の嗜好性に
優れたイネ科植物緑葉の微粉末製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】麦類を代表とするイネ科植物は、ビタミ
ン類、ミネラル類、食物繊維などに富み、有害物質の吸
着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後
血糖値の急上昇防止、スーパーオキシドディスムターゼ
(SOD)の活性化などの効果を有する健康食品の素材
として注目を浴びている。一般的に、麦類の緑葉は、麦
若葉を乾燥粉末化した麦若葉末か、麦若葉の搾汁を乾燥
粉末化した麦若葉搾汁粉末の形態で、健康食品の素材と
して用いられている。これら健康食品の素材のうち、麦
若葉末は、食物繊維、ミネラル類などをより多く保持し
ているため、天然の麦若葉が含有する成分が有効に活用
でき、健康食品の素材としてより有用である。
【0003】麦若葉を乾燥粉末化して麦若葉末を得るに
は、例えば、特開平5−137530号公報に記載され
たように、穂の出る前に刈り取った麦の葉を自然乾燥ま
たは乾燥機による乾燥を行った後、粉末化する方法や、
特許第2544302号公報に記載されたように、麦若
葉について、刈り取り工程、洗浄工程、加熱処理工程、
冷却工程、脱水・乾燥工程、粉砕工程、殺菌工程を行う
方法が行われている。しかしながら、上記特開平5−1
37530号公報や特許第2544302号公報に記載
された従来の方法で麦若葉末を製造すると、得られた麦
若葉末が、水への分散性が悪いものとなり、水に溶いて
飲む際に、口の中にざらつき感が残るという問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決することを目的とするものであり、本発明の目的
は、水への分散性がよいイネ科植物緑葉の微粉末を製造
する方法を提供することにある。また、本発明の他の目
的は、懸濁液を口に入れたときにざらつきが残らず、懸
濁液の食感が良好で、嗜好性に優れたイネ科植物緑葉の
微粉末を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1に
係る発明によれば、イネ科植物緑葉の微粉末を製造する
方法であって、イネ科植物緑葉をブランチングするブラ
ンチング工程と、該ブランチング工程で得られた緑葉を
揉捻する揉捻工程と、該揉捻工程で得られた緑葉を乾燥
する乾燥工程と、該乾燥工程で得られた緑葉を粉砕する
粉砕工程と、を備えることにより解決される。このよう
に、揉捻工程を行うことによって、水に溶いた際に水分
散性がよく、その懸濁液が食感・風味等の嗜好性に優れ
たイネ科植物緑葉の微粉末を製造することが可能とな
る。
【0006】このとき、前記揉捻工程は、前記ブランチ
ング工程で得られた緑葉を、乾燥しながら揉捻する乾燥
揉捻工程であるように構成すると好適である。このよう
に、乾燥揉捻工程を行うことによって、ざらつき感がな
くなり、水に溶いた際の水分散性が向上する。
【0007】また、前記ブランチング工程は、イネ科植
物緑葉をアルカリ性の水溶液で処理するアルカリ処理工
程であると好適である。このように、アルカリ処理工程
を行うことによって、緑葉特有の青臭みが抑えられ、風
味のよいイネ科植物緑葉の微粉末が得られる。
【0008】さらに、前記粉砕工程は、前記乾燥工程で
得られた緑葉を衝撃式粉砕機で粉砕する工程であると好
適である。このように、衝撃式粉砕機を用いることによ
って、効率的な粉砕が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一の実施の形態に係るイ
ネ科植物緑葉の微粉末製造方法について説明する。本発
明におけるイネ科植物とは、植物分類表でイネ科に分類
されるすべての植物を指す。具体的には、大麦,小麦,
ライ麦,えん麦などの麦類;イネ,イタリアンライグラ
ス,あわ,ひえ,きび,とうもろこし,ソルガム,サト
ウキビ,イタリアンライグラス等が含まれれるが、これ
に限定されない。例えば、笹を用いてもよい。これらの
うち、本実施の形態において、イネ科植物として、大
麦,小麦,ライ麦,えん麦などの麦類またはイネを用い
るとさらに好適である。本実施の形態で、より栄養価が
高いイネ科植物緑葉の微粉末を得ることができるからで
ある。
【0010】本発明におけるイネ科植物の緑葉とは、収
穫されたイネ科植物の葉および/または茎をいう。この
緑葉は、成熟期前に収穫された若葉であることが好まし
い。成熟期前に収穫された若葉は、ビタミン,ミネラル
等の栄養素を豊富に含んでいるからである。イネ科植物
が麦類である場合、緑葉として大麦、小麦、ライ麦、え
ん麦などの麦類の若葉を用いると好適である。これらの
麦類の若葉として、分けつ開始期から出穂開始前期(背
丈が20〜40cm程度)に収穫された麦類の若葉を用
いると好適である。
【0011】以下、本実施の形態の製造方法について説
明する。まず、収穫したイネ科植物の緑葉の一例である
大麦の若葉を、洗浄機に通し、若葉に付着した泥などを
水で洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程は、浸漬に
よるバッチ式の洗浄機,浸漬,シャワー式等による連続
式の洗浄機のいずれを用いてもよい。また、水で洗浄す
る代わりに、所定の圧力の空気を若葉に吹き付けるエア
シャワーにより、若葉に付着,混入した異物を取り除く
ように構成してもよい。
【0012】次に、大麦の若葉を、適当な大きさに切断
する切断工程を行う。この工程では、茶の切断に用いら
れる一般的な切断装置を用い、10cm程度の長さに切
断する。なお、本実施の形態では、洗浄工程の後に切断
工程を行っているが、この切断工程は行わず、収穫した
ときの長さのまま次のブランチング工程に進んでもよ
い。なお、洗浄工程または切断工程の前後で、大麦の若
葉中に含まれるGABA(γ−アミノ酪酸)を富化させ
る工程を行ってもよい。このGABAを富化させる工程
は、後述するブランチング工程の前の任意の段階で行う
と好適である。
【0013】GABAを富化させる工程を行う場合に
は、GABA富化処理工程として、嫌気保温処理工程を
行う。この嫌気保温処理工程は、嫌気処理と保温処理と
を同時に行う工程である。ここで、嫌気処理とは、嫌気
条件下,すなわち無酸素下または極めて酸素濃度の低い
雰囲気下に若葉を所定時間置くことをいう。
【0014】嫌気保温処理工程では、まず、若葉を、密
閉性および温度調整機能を有する嫌気処理装置内に入れ
る。この装置内の空気を、二酸化炭素ガスで置換し、嫌
気条件とする。同時に、嫌気処理装置内の温度を約20
〜50℃の温度に調節して保温する。その後、嫌気条件
および温度条件をほぼ一定に保ちながら、10分〜24
時間の間放置することにより、嫌気保温処理を行う。
【0015】本実施の形態では、嫌気処理の置換ガスと
して二酸化炭素ガスを用いているが、窒素ガス等他のガ
スを用いてもよい。また、置換ガスで空気を置換せず
に、嫌気処理装置内を減圧して真空度の高い状態に保持
してもよい。
【0016】また、嫌気保温処理の温度を約20〜50
℃としているのは、保温処理の温度が20℃未満,50
℃より高い温度となると、GABAの含量が充分増加し
ないためである。なお、嫌気保温処理の温度は、約30
〜45℃,さらには約38℃〜42℃とすると、多くの
GABAが得られ、好適である。嫌気保温処理の時間を
10分〜24時間としているが、1〜6時間とすると、
天然の大麦特有の良好な風味を保持することができ、好
適である。
【0017】なお、本実施の形態では、GABA富化処
理工程として嫌気保温処理工程を行っているが、これに
限定されず、嫌気処理,保温処理,浸漬処理を単独また
は組み合わせて行ってもよい。嫌気処理は、温度調整を
行わない点を除いては、上記嫌気保温処理と同様の手
順,条件で行う。
【0018】保温処理工程は、所定の温度に維持した温
水中に若葉を浸漬する温水浸漬処理,所定の温度に設定
された温水シャワーを若葉にかける温水シャワー処理,
若葉に赤外線を照射する赤外線照射処理,所定の温度に
設定された恒温槽中に若葉を放置するインキュベーター
処理等により行う。
【0019】保温処理工程は、約20〜50℃で行う。
保温処理の温度を約20〜50℃としているのは、保温
処理の温度が20℃未満,50℃より高い温度となる
と、GABAの含量が充分増加しないためである。な
お、保温処理の温度は、約30〜45℃,さらには約3
8℃〜42℃とすると、多くのGABAが得られ、好適
である。保温処理の時間は、10分〜24時間とする。
また、1〜6時間とすると、天然の大麦特有の良好な風
味を保持することができ、好適である。
【0020】GABA富化処理工程としての浸漬処理工
程は、若葉を所定の浸漬溶液に浸漬することにより行
う。ここで、所定の浸漬溶液とは、グルタミン酸水溶
液,グルタミン酸塩水溶液,グルタミン酸およびグルタ
ミン酸塩の水溶液,グルタミン酸およびグルタミン酸塩
のうちいずれか少なくとも一方を含有する食品素材を含
む水溶液をいう。水溶液は、飽和水溶液,過飽和水溶液
のいずれであってもよい。また、浸漬溶液として、水溶
液の代わりに、上記グルタミン酸等の物質を含む懸濁液
を用いてもよい。また、浸漬溶液として、これらの水溶
液または懸濁液に、当業者が通常用いる緩衝剤を添加し
たものを用いても良い。
【0021】ここで、浸漬溶液に用いるグルタミン酸塩
として、例えば、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン
酸カリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸マ
グネシウムなどの当業者に公知のグルタミン酸塩を用い
る。
【0022】また、浸漬溶液に用いるグルタミン酸およ
びグルタミン酸塩のうちいずれか少なくとも一方を含有
する食品素材として、例えば、昆布、ワカメなどの海
藻、シイタケ、マイタケのようなきのこ類、かつお(か
つお節を含む)、いわしなどの魚類、あさり、しじみな
どの貝類、米、小麦、大豆(これらの胚芽を含む)、茶
葉、桑葉、野菜(例えば、トマト)、柑橘類(中果皮、
じょうのう膜)などを用いる。グルタミン酸またはその
塩を比較的高濃度に含む食品素材を用いると好適であ
る。
【0023】また、グルタミン酸およびグルタミン酸塩
のうちいずれか少なくとも一方を含有する食品素材とし
ては、可食性タンパク質に酵素処理、加熱処理などを施
してグルタミン酸を遊離または生成させたものを用いて
もよい。
【0024】これらの食品素材は、元の形態のまま水等
に添加して浸漬溶液とする。また、それに限定されず、
これらの食品素材を細片化,乾燥粉末化,搾汁等して、
水等に添加したものを、浸漬溶液としてもよい。
【0025】また、これらの食品素材を水、エタノール
などに入れ、必要に応じて加熱して、これらの食品素材
に含まれる成分を溶出させた水溶液またはエタノール溶
液等を作製し、この溶液を浸漬溶液としてもよい。ま
た、この溶液を水等に添加したものを浸漬溶液としても
よい。
【0026】さらに、これらの食品素材を溶出させた溶
液を乾燥粉末化し、これにより得た乾燥粉末を水等に添
加したものを浸漬溶液としても良い。
【0027】例えば、グルタミン酸を含有する食品素材
として乾燥昆布を用いた場合、乾燥昆布を水に添加し、
加熱することにより、昆布の成分を溶出させた水溶液と
してのだし汁を作製する。このだし汁を、浸漬溶液とし
て用いる。この浸漬溶液を、若葉の浸漬処理工程に用い
ることにより、効率的にGABAを増加させることが可
能となる。
【0028】浸漬処理工程は、グルタミン酸からGAB
Aへの変換を触媒する酵素が失活されない範囲の温度で
行う。具体的には、20〜50℃の温度で行うとよい。
20℃未満の温度とすると、GABAの増加が充分でな
く、50℃より高い温度とすると、グルタミン酸からG
ABAへの変換を触媒する酵素が働かないからである。
好ましくは25〜45℃の温度で浸漬処理工程を行う
と、GABA増加の効率の点から好適である。
【0029】浸漬処理工程は、浸漬溶液のpHを所定の
値に調整して行う。浸漬溶液のpHの調整は、当業者が
通常用いるpH調整剤、例えば、クエン酸、コハク酸、
酒石酸、炭酸、リン酸およびそれらの塩などを添加して
調整する。あるいは、食酢、かんすいなどの食品または
食品添加物を用いてもよい。
【0030】浸漬処理工程は、pH3.5〜9.0で行
う。pH3.5以下になると、強い酸性のため、イネ科
植物の緑葉が褐変してしまうからである。また、pHが
9.0より高い値になると、グルタミン酸からGABA
への変換を触媒する酵素が働かないからである。また、
pHを、4.0〜8.0の範囲内、好ましくは4.5〜
7.0の範囲内、さらに好ましくは5.0〜6.0の範
囲内に調整するとGABA増加の効率の点から好適であ
る。
【0031】浸漬処理工程において、若葉を浸漬する浸
漬溶液がpH8の場合でも、若葉中のGABA量は、若
葉中に元々含まれていたGABAの量の2倍以上とな
る。また、pH8の浸漬溶液に浸漬した場合の若葉は、
酸性の浸漬溶液に浸漬した場合や、pHを調整していな
い浸漬溶液に浸漬した場合と対比して、鮮やかな緑色を
呈するようになる。
【0032】浸漬処理工程では、浸漬溶液中のグルタミ
ン酸とグルタミン酸塩の濃度を、グルタミン酸とグルタ
ミン酸塩の合計の濃度が0.1〜40重量%となるよう
に調整する。グルタミン酸とグルタミン酸塩の合計の濃
度が0.1重量%未満であると、充分GABAが増加し
ないためである。また、グルタミン酸とグルタミン酸塩
の合計の濃度を40重量%以下としたのは、40重量%
が、グルタミン酸とグルタミン酸塩との溶液の飽和濃度
であるためである。また、40重量%以上の濃度におけ
るGABA富化の効果は、濃度40重量%のときに得ら
れる効果と同程度であり、40重量%より高い濃度とし
ても、それ以上の効果は得られないからである。なお、
グルタミン酸とグルタミン酸塩の合計の濃度は、5%以
下とすると、最終的に得られる健康茶の風味が良好とな
るため、好ましい。
【0033】また、グルタミン酸とグルタミン酸塩の合
計の濃度は、0.2〜20重量%、さらには0.5〜1
0重量%に調整すると好適である。GABA富化の効果
は、グルタミン酸とグルタミン酸塩とを、合計濃度が1
0〜20重量%となるように添加したときに、最も高い
効果が得られる。したがって、グルタミン酸とグルタミ
ン酸塩とを、合計濃度が20重量%以上となるように添
加しても、20重量%添加したときに得られる効果以上
の劇的な効果は期待できない。
【0034】なお、グルタミン酸またはグルタミン酸塩
のいずれか一方のみを浸漬溶液に添加する場合には、グ
ルタミン酸またはグルタミン酸塩の濃度が上記グルタミ
ン酸とグルタミン酸塩の合計濃度の範囲内になるように
調整する。
【0035】上記浸漬処理工程では、嫌気処理を併せて
行うと、さらに効率的なGABA富化が可能となり、好
適である。浸漬処理工程と併せて行う嫌気処理は、例え
ば、窒素などの気体を、直接浸漬溶液にバブリングする
ことにより行う。また、浸漬処理工程と併せて行う嫌気
処理は、密閉可能でかつ気体を導入・排出可能なガス導
入・排出口を備えた浸漬処理槽内に浸漬溶液および若葉
を入れ、当該槽内の空気を、窒素ガス,二酸化炭素ガス
等の置換ガスに置換することにより行ってもよい。ま
た、当該槽内を減圧して真空度の高い状態にすることに
より行ってもよい。
【0036】また、浸漬処理工程は、浸漬溶液にピリド
キサールリン酸、無機塩化物などを添加して行ってもよ
い。これにより、GABA富化効率を高めることができ
る。ここで、無機塩化物としては、例えば、塩化ナトリ
ウム(食塩)、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マ
グネシウムなどの当業者に公知の無機塩を用いる。ま
た、にがり、粗塩などを用いても良い。ここで、にがり
とは、苦塩,苦汁とも呼ばれ、海水を煮詰めて製塩した
後に残る母液をいい、塩化マグネシウムを主成分とす
る。
【0037】ピリドキサールリン酸、無機塩化物など
は、終濃度が0.05〜20%、好ましくは0.1〜1
0%となるように添加すると好適である。なお、ピリド
キサールリン酸、無機塩化物などは、これ以外の濃度で
添加してもよい。
【0038】ここで、湿重量100gの大麦の若葉を、
pH6.0、30℃の浸漬溶液に5時間浸漬する場合に
ついて、浸漬溶液に塩化ナトリウムを添加した場合と添
加しない場合とを対比した例について説明する。
【0039】塩化ナトリウムを終濃度で1重量%となる
ように添加した3重量%のグルタミン酸ナトリウム溶液
からなる浸漬溶液に、若葉を5時間浸漬したところ、塩
化ナトリウムを添加していない3重量%のグルタミン酸
ナトリウム溶液からなる浸漬溶液に若葉を5時間浸漬し
た場合と対比して、GABAは3割程度増加されること
が分かった。
【0040】また、浸漬処理工程は、有機酸もしくはA
TPなどの阻害剤を反応系から取り除くように行っても
よい。また、浸漬処理工程において、過剰のグルタミン
酸などの添加物を加えた場合には、この添加物を抜く工
程を設けてもよい。
【0041】GABA富化処理工程として浸漬処理工程
を行った場合には、若葉を水洗いした後に、付着した水
を切る脱水工程を行う。脱水工程は、具体的には、遠心
分離装置等を用いた圧縮操作により行う。
【0042】上記嫌気処理,保温処理,浸漬処理等のG
ABA富化処理工程により、イネ科植物の緑葉の一例と
しての大麦の若葉中に含まれるGABAの含量が増加
し、通常、若葉中に元来含まれていたGABAの量の2
倍以上に増加する。条件を適宜選択することにより、若
葉中に元来含まれていたGABAの量の3倍以上、また
は5倍以上に増加させることも可能である。
【0043】すなわち、イネ科植物の緑葉としての大麦
の若葉について上記GABA富化処理工程を行った場
合、GABA富化処理工程を経た若葉には、通常、乾燥
重量換算で、500mg/100g以上のGABAが含
まれている。適当な条件を選択した場合、GABA富化
処理工程を経た若葉には、乾燥重量換算で、800mg
/100g以上、または1000mg/100g以上、
さらには1500mg/100g以上のGABAが含ま
れる。これに対し、天然の大麦の若葉は、イネ科植物の
中ではGABAを多く含んでいるものの、乾燥重量換算
で、通常200〜300mg/100g程度しか含まれ
ていない。
【0044】切断工程を経た大麦の若葉について、ブラ
ンチング工程を行う。ブランチング工程は、本発明に係
るイネ科植物の緑葉の微粉末の製造方法の工程により、
緑葉が、褪色など変色したり、風味が変化したりするな
どの変質を防ぐことを目的として行う。したがって、こ
のブランチング工程を行うことにより、色彩が鮮やか
で、風味の良好な微粉末を得ることが可能となる。
【0045】本実施の形態では、ブランチング工程とし
て、大麦の若葉を熱水に浸漬する熱水処理工程を行う。
熱水処理工程は、大麦の若葉を、90〜100℃のアル
カリ性のブランチング溶液に、1〜5分間浸漬すること
により行う。アルカリ性のブランチング溶液は、pHが
7.0〜10.0のものを用いる。pHが7.5〜9.
0であるとさらに好適である。
【0046】アルカリ性のブランチング溶液としては、
例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化マ
グネシウム,水酸化カルシウム,水酸化アンモニウム,
炭酸カルシウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウ
ム,リン酸ナトリウム,クエン酸ナトリウムなどのアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の塩、あるいは海藻灰
抽出物や貝殻カルシウム,卵殻カルシウム,ドロマイト
などの天然ミネラル混合物を添加してpHを調整したも
のを用いる。また、アルカリ性の物質を添加して調整し
たものに限らず、アルカリイオン水を用いても良い。
【0047】なお、本実施の形態では、ブランチング溶
液として、アルカリ性のブランチング溶液を用いている
が、これに限らず、水溶性の糖類,糖アルコール,窒素
含有物,有機酸の塩,または無機塩を水に添加して得た
水溶液を、ブランチング溶液として用いてもよい。これ
らの物質を添加したブランチング溶液を用いると、大麦
の若葉等のイネ科植物緑葉が元来有する良好な色、風味
などを保持し、保存安定性に優れたイネ科植物緑葉の微
粉末を得ることが可能となる。さらに、条件を選択する
ことによって、元来有する色,風味よりも更に良好な
色,風味を有するイネ科植物緑葉の微粉末を得ることも
可能である。
【0048】また、アルカリ性の物質を添加して調整し
たアルカリ性水溶液またはアルカリイオン水に、水溶性
の糖類,糖アルコール,窒素含有物,有機酸の塩,無機
塩を溶解させたものを、ブランチング溶液としてもよ
い。これにより、より色が鮮やかで、良好な風味のイネ
科植物緑葉の微粉末を得ることが可能となる。
【0049】ここで、水溶性の糖類とは、換言すると、
水溶性の糖質であり、水溶性の単糖,二糖,オリゴ糖,
多糖をいい、水難溶性のセルロース,キチン等を含まな
い意である。水溶性の糖類であれば、どの糖類でも用い
ることができるが、トレハロース,デキストリン,シク
ロデキストリン,還元パラチノース,デンプン(アミロ
ース,アミロペクチン)などを用いるとさらに好適であ
る。添加量としては、0.1〜50重量%、好ましく
は、2〜20重量%添加するとよい。
【0050】糖アルコールとしては、エリスリトール,
キシリトール,リビトール,アラビトール,ガラクチト
ール,ソルビトール(別名グルシトール),イジトー
ル,マンニトールのような単糖アルコール、パラチニッ
ト(パラチノース),マルチトール,ラクチトール,マ
ルトトリイトール,イソマルトトリイトール,マルトテ
トライトール,イソマルトテトライトールのようなオリ
ゴ糖アルコール、還元水あめなどを添加するとよい。添
加量としては、0.1〜50重量%、好ましくは、2〜
20重量%添加するとよい。
【0051】窒素含有物としては、アミノ酸,米発酵エ
キス,特開平10−229816号公報に記載されたよ
うな野菜の組織を保護でき、かつ、クロロフィリンの流
出を防止できるタンパク質もしくはぺプチドなどを添加
するとよい。野菜の組織を保護でき、かつ、クロロフィ
リンの流出を防止できるタンパク質もしくはぺプチドと
しては、クロロフィリンと複合体をつくる能力を有する
ものが好ましい。クロロフィリンは、タンパク質との複
合体を形成することにより安定化し、また、流出しにく
くなるからである。具体的なタンパク質としては、ゼラ
チン、フィブロイン、カゼイン、ペプチドとしては、大
豆ペプチド等を例示することができる。これらの中で
も、ゼラチン等が特に好ましい。窒素含有物の添加量
は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜2重量%
とするとよい。
【0052】有機酸の塩は、酸化防止剤,β−カロチン
含量低下防止剤,変色防止剤として使用するものであ
り、特開平10−066506号公報に記載されている
ように、アスコルビン酸,コウジ酸,酢酸,クエン酸,
コハク酸,酒石酸,乳酸,フマル酸,リンゴ酸もしくは
それらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
など)などを用いるとよい。また、エリソルビン酸もし
くはその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
など),特開2000−041622号公報に記載され
ているフェルラ酸もしくはその塩を用いてもよい。添加
量としては、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜
2重量%添加するとよい。
【0053】無機塩類としては、塩化ナトリウムなどの
ナトリウム塩,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウムな
どのマグネシウム塩,塩化カリウム,硫酸カリウムのよ
うなカリウム塩、塩化カルシウム,リン酸カルシウムの
ようなカルシウム塩などを添加するとよい。添加量とし
ては、0.01〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量
%添加するとよい。これらの水溶性の糖類,糖アルコー
ル,窒素含有物,有機酸の塩,無機塩は、単独で水に添
加してブランチング溶液を調整してもよいし、2種以上
を組み合わせて調整してもよい。
【0054】ブランチング工程を行った後、ブランチン
グ工程で得られた大麦の若葉を冷却する冷却工程を行
う。冷却工程は、若葉を冷水に浸漬することにより行
う。その他、冷蔵、凍結や、冷風または温風による気化
冷却,冷風と温風を同時または交互に吹き付けて行う気
化冷却を行ってもよい。いずれの方法により行う場合
も、冷却工程は、急冷して行う。なお、本実施の形態で
は、ブランチング工程の後に冷却工程を行っているが、
積極的な冷却工程を行わずに、直接次の揉捻工程に進ん
でもよい。
【0055】その後、ブランチング工程で得られた大麦
の若葉を、粗乾燥しながら揉む乾燥揉捻工程を行う。こ
の乾燥揉捻工程では、大麦の若葉の水分含量が30〜7
0重量%となるように粗乾燥する。また、本明細書にお
いて、揉捻とは、緑葉を揉むことをいい、製茶時に行わ
れる手揉み,粗揉,中揉,精揉のいずれをも含む意味で
ある。揉捻は、粗揉機,揉捻機,中揉機,精揉機等一般
的な製茶の製造工程で用いられる揉捻装置を用いて行う
ことができる。本実施の形態では、乾燥揉捻工程とし
て、大麦の若葉を、粗揉機に投入し、80℃前後の熱風
を用いて乾燥させながら揉捻することにより、粗揉す
る。この粗揉は、大麦の若葉の品温を、34〜36℃前
後に保つように行い、水分含量が40%程度となるまで
行う。
【0056】また、本実施の形態では、粗揉,すなわち
乾燥しながら揉捻を行う乾燥揉捻工程を行うが、これに
限定されず、あらかじめ、当業者が通常用いる乾燥機を
用いて、所定の水分含量となるまで、大麦の若葉中の水
分を蒸発させる予備乾燥工程を行い、半乾燥状態とした
後に、若葉を揉む揉捻工程を行っても良い。
【0057】乾燥揉捻工程の後、大麦の若葉を本乾燥す
る乾燥工程を行い、若葉の水分含量を10%以下、好ま
しくは5%以下とする。本実施の形態では、乾燥工程と
して、大麦の若葉に熱風を吹き付ける熱風乾燥を行う。
その他、高圧蒸気乾燥,電磁波乾燥,凍結乾燥など、他
の公知の乾燥法を用いてもよい。乾燥は、室温に近い比
較的低温で行うことが望ましい。加熱して乾燥する場合
には、50〜80℃、好ましくは55〜65℃で行うこ
とが望ましい。
【0058】乾燥工程の後、この乾燥工程で得られた大
麦の若葉の乾燥物を粉砕して微粉末とする粉砕工程を行
う。本実施の形態では、衝撃式粉砕機の一例である摩砕
効果のある衝撃式粉砕機(摩砕型衝撃式粉砕機)を用い
て、大麦の若葉の乾燥物を粉砕する。なお、粉砕工程
は、これに限定されず、ピンミル,ジェットミルのよう
な衝撃式粉砕機、剪断式粉砕機、マスコロイダー,グラ
インダー,石臼のような磨砕式粉砕機、または低温凍結
粉砕機のような複合型粉砕機等、その他の公知の粉砕機
を用いて行ってもよい。粉砕工程では、大麦の若葉の微
粉末の粒径が、75μm以下、好ましくは60μm以
下、より好ましくは30μm以下になるように粉砕す
る。ただし、これに限定されず、用途,嗜好に応じて他
の粒度としてもよい。
【0059】粉砕工程の後、粉砕工程で得られた大麦の
若葉の微粉末を気流殺菌により殺菌する殺菌工程を行
う。殺菌工程は、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者に公
知の他の技術により行ってもよい。以上が、イネ科植物
緑葉の微粉末製造方法の一例の大麦の若葉の微粉末製造
方法であり、このようにして、イネ科植物の緑葉の一例
である大麦の若葉の微粉末を完成させる。その後、袋詰
め,箱詰め等の包装工程を経て、市場に供給される。
【0060】本実施の形態によれば、従来の麦若葉末の
製造法と比較して、水分散性が良く、水に入れたとき
に、分散し易く、舌の上でのざらつきのない良好な食感
の大麦の若葉の微粉末を製造することができる。つま
り、本実施の形態で製造された大麦の若葉の微粉末は、
水等に懸濁させて健康食品として飲食に供する場合に、
水に略均一に分散し、舌の上でのざらつきがなく、良好
な食感を得ることができる。また、手早く健康食品を調
整することが可能となる。
【0061】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明がこの実施例により制限されないことはいうまで
もない。 (実施例1)本例は、請求項1乃至4に係る発明の一実
施例である。イネ科植物の緑葉の一例としての二条大麦
の若葉を、背丈が30cmになったときに刈り取った。
その若葉を水洗して、付着した泥などを洗い流し、洗浄
工程を行った。その後、その若葉を、5cm程度に切断
した。
【0062】次いで、0.75重量%の塩化ナトリウム
および0.75重量%の炭酸水素ナトリウムを含有する
アルカリ性の水溶液を調整し、90〜100℃加熱し
た。この水溶液に、10〜20容量の麦若葉を投入し、
90〜100℃にて3分間ブランチング工程としてのア
ルカリ処理工程を行った。アルカリ処理工程の後、直ち
に2〜7℃の冷水に麦若葉を投入し、浸漬による冷却工
程を行った。続いて、冷却した麦若葉を30秒間遠心
し、ある程度の水を脱水する脱水工程を行った。
【0063】その後、この麦若葉を粗揉機に投入し、麦
若葉に90℃の熱風を当てると共に、麦若葉の品温を3
5℃前後に保ちながら、50分間粗揉し、乾燥揉捻工程
を行った。次いで、麦若葉を、乾燥機に入れ、60℃に
て8時間乾燥する乾燥工程を行い、水分含量を5%以下
とした。乾燥した麦若葉を、衝撃式微粉砕機(摩砕型
の一例である高速回転衝撃粉砕機(商品名:ニューコス
モマイザー,奈良機械社製)を用いて粉砕する粉砕工程
を行い、200メッシュを95%が通過する程度の粒度
とし、麦若葉微粉末を得た。
【0064】(実施例2)本例は、請求項1,2,4に
係る発明の一実施例である。イネ科植物の緑葉の一例と
してのイネ(コシヒカリ)の若葉を、背丈が30cmに
なったときに刈り取った。その若葉を水洗して、付着し
た泥などを洗い流し、洗浄工程を行った。その後、その
若葉を、5cm程度に切断した。
【0065】次いで、この若葉を送帯蒸機に投入し、3
分間、水蒸気を若葉に当てて蒸煮によるブランチング工
程を行った。その後、若葉を送帯蒸機から出し、風を当
てて、風冷による冷却工程を行った。その後、この若葉
について、上記実施例1と同様の手順により、乾燥揉捻
工程,乾燥工程を行い、水分含量を5%以下の乾燥若葉
とした。次いで、上記実施例1と同様の手順により、粉
砕工程を行い、200メッシュを95%が通過する程度
の粒度とし、イネ若葉微粉末を得た。
【0066】(対比例1)本例は、従来法により二条大
麦の若葉の微粉末を製造する方法である。特許第254
4302号公報に記載された方法に準じて、次の工程に
より、二条大麦の若葉の微粉末を製造する。すなわち、
イネ科植物の緑葉の一例としての二条大麦の若葉を、背
丈が30cmになったときに刈り取った。その若葉につ
いて、上記実施例1と同様の手順により、洗浄工程,切
断,アルカリ処理工程,冷却工程,脱水工程を行った。
【0067】その後、脱水工程を終えた麦若葉を乾燥機
に投入し、60℃にて10時間温風乾燥する乾燥工程を
行い、水分含量を5%以下とした。乾燥した麦若葉を、
衝撃式微粉砕機(摩砕型)の一例である高速回転衝撃粉
砕機(商品名:ニューコスモマイザー,奈良機械社製)
を用いて粉砕する粉砕工程を行い、200メッシュを9
5%が通過する程度の粒度とし、対比例1に係る麦若葉
微粉末を得た。
【0068】(対比例2)本例は、従来法によりイネ
(コシヒカリ)の若葉の微粉末を製造する方法である。
特許第2544302号公報に記載された方法に準じ
て、次の工程により、イネ(コシヒカリ)の若葉の微粉
末を製造する。すなわち、イネ科植物の緑葉の一例とし
てのイネ(コシヒカリ)の若葉を、背丈が30cmにな
ったときに刈り取った。その若葉について、上記実施例
2と同様の手順により、洗浄工程,切断,蒸煮によるブ
ランチング工程,冷却工程を行った。
【0069】その後、冷却工程を終えた麦若葉を乾燥機
に投入し、60℃にて10時間温風乾燥する乾燥工程を
行い、水分含量を5%以下とした。乾燥した麦若葉を、
衝撃式微粉砕機(摩砕型)の一例である高速回転衝撃粉
砕機(商品名:ニューコスモマイザー,奈良機械社製)
を用いて粉砕する粉砕工程を行い、200メッシュを9
5%が通過する程度の粒度とし、対比例2に係るイネ若
葉微粉末を得た。
【0070】(試験例1)本試験例では、上記実施例
1,2により得られたイネ科植物緑葉の微粉末につい
て、粒度の測定と、パネラーによる食感評価試験を行
い、本発明の実施例1,2により、良好な食感のイネ科
植物緑葉の微粉末が得られることを実証した。本試験例
では、対照として、上記対比例1,2の製造方法により
得られたイネ科植物緑葉の微粉末を用いた。 a 粒度の測定 粒度の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用い
て、実施例1,2,対比例1,2により得られた微粉末
の平均粒径を測定することにより行った。
【0071】b 食感評価試験 食感評価試験は、次の手順で行った。すなわち、100
mlの水に3gの微粉末を溶いたものを、実施例1,
2,対比例1,2の微粉末についてそれぞれ作製し、サ
ンプルとした。これらのサンプルを20人のパネラーに
飲ませ、粉っぽさ・ざらつきを感じるかについて官能試
験による評価を行った。
【0072】評価は、粉っぽさ・ざらつきについて、下
記の基準により、−3点から+3点の7段階評価で行っ
た。 評価基準 −3点…非常に悪い(粉っぽさ・ざらつきを感じる) −2点…かなり悪い −1点…やや悪い 0点…どちらとも言えない +1点…やや良い +2点…かなり良い +3点…非常に良い(粉っぽさ・ざらつきを感じない)
【0073】本試験例の結果を表1
【0074】
【表1】
【0075】に示す。なお、表1中の平均粒径は、体積
基準メジアン径である。表1の結果より、実施例1の微
粉末は、平均粒径が略同じ大きさであるにも関わらず、
対比例1の微粉末よりも粉っぽさ・ざらつきが少ないと
感じられることが分かった。また、実施例2の微粉末
も、平均粒径が略同じ大きさであるにも関わらず、対比
例2の微粉末よりも粉っぽさ・ざらつきが少ないと感じ
られることが分かった。以上より、本発明の実施例1,
2に係るイネ科植物緑葉の微粉末製造方法によれば、従
来の製法によるよりも、粉っぽさ・ざらつきが少なく、
食感のよいイネ科植物緑葉の微粉末が得られることが分
かった。
【0076】(試験例2)本試験例では、上記実施例
1,2により得られたイネ科植物緑葉の微粉末につい
て、パネラーによる味評価試験を行い、本発明の実施例
1,2により、良好な風味のイネ科植物緑葉の微粉末が
得られることを実証した。本試験例では、対照として、
上記対比例1,2の製造方法により得られたイネ科植物
緑葉の微粉末を用いた。パネラーによる味評価試験は、
次の手順で行った。すなわち、試験例1で作製したサン
プルを、20人のパネラーに飲ませ、外観,香り,食
感,青臭さ,えぐみ,旨み,風味・外観の総合について
官能試験による評価を行った。
【0077】評価は、外観,香り,食感,青臭さ,えぐ
み,旨み,風味・外観の総合について、下記の基準によ
り、−3点から+3点の7段階評価で行った。 評価基準 −3点…非常に悪い −2点…かなり悪い −1点…やや悪い 0点…普通 +1点…やや良い +2点…かなり良い +3点…非常に良い
【0078】本試験例の結果を表2
【0079】
【表2】
【0080】に示す。表2の結果より、実施例1,2の
微粉末は、対比例1,2の微粉末よりも外観,香り,食
感,青臭さ,えぐみ,旨み,風味・外観の総合のすべて
において、より良好であることが分かった。以上より、
本発明の実施例1,2に係るイネ科植物緑葉の微粉末製
造方法によれば、従来の製法によるよりも嗜好性に優れ
たイネ科植物緑葉の微粉末が得られることが分かった。
【0081】(試験例3)本試験例では、上記実施例
1,2により得られたイネ科植物緑葉の微粉末につい
て、水分散性試験を行い、本発明の実施例1,2によ
り、水分散性のよいイネ科植物緑葉の微粉末が得られる
ことを実証した。本試験例では、対照として、上記対比
例1,2の製造方法により得られたイネ科植物緑葉の微
粉末を用いた。実施例1,2,対比例1,2により得ら
れたイネ科植物緑葉の各微粉末について、次の水分散性
試験を行った。すなわち、スピッツ管中に10mlの水
を入れ、50mgの各微粉末を溶いて攪拌し、10分間
静置した。
【0082】その結果、対比例1,2の微粉末の方が、
実施例1,2の微粉末と比較して、早く、多量の粒子が
沈降した。以上より、本発明の実施例1,2に係るイネ
科植物緑葉の微粉末製造方法によれば、従来の製法によ
るよりも水分散性のよいイネ科植物緑葉の微粉末が得ら
れることが分かった。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明に係るイネ科植物緑
葉の微粉末製造方法によれば、ブランチング工程の後で
揉捻工程を行っているため、水に溶いた際に水分散性が
よく、その懸濁液が食感・風味等の嗜好性に優れたイネ
科植物緑葉の微粉末を得ることが可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月4日(2000.9.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】その後、この麦若葉を粗揉機に投入し、麦
若葉に90℃の熱風を当てると共に、麦若葉の品温を3
5℃前後に保ちながら、50分間粗揉し、乾燥揉捻工程
を行った。次いで、麦若葉を、乾燥機に入れ、60℃に
て8時間乾燥する乾燥工程を行い、水分含量を5%以下
とした。乾燥した麦若葉を、衝撃式微粉砕機(摩砕型)
の一例である高速回転衝撃粉砕機(商品名:ニューコス
モマイザー,奈良機械社製)を用いて粉砕する粉砕工程
を行い、200メッシュを95%が通過する程度の粒度
とし、麦若葉微粉末を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】その後、脱水工程を終えた麦若葉を乾燥機
に投入し、60℃にて10時間温風乾燥する乾燥工程を
行い、水分含量を5%以下とした。乾燥した麦若葉を、
衝撃式微粉砕機(摩砕型)の一例である高速回転衝撃粉
砕機(商品名:ニューコスモマイザー,奈良機械社製)
を用いて粉砕する粉砕工程を行い、200メッシュを9
5%が通過する程度の粒度とし、対比例1に係る麦若葉
微粉末を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】その後、冷却工程を終えた麦若葉を乾燥機
に投入し、60℃にて10時間温風乾燥する乾燥工程を
行い、水分含量を5%以下とした。乾燥した麦若葉を、
衝撃式微粉砕機(摩砕型)の一例である高速回転衝撃粉
砕機(商品名:ニューコスモマイザー,奈良機械社製)
を用いて粉砕する粉砕工程を行い、200メッシュを9
5%が通過する程度の粒度とし、対比例2に係るイネ若
葉微粉末を得た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ科植物緑葉の微粉末を製造する方法
    であって、 イネ科植物緑葉をブランチングするブランチング工程
    と、 該ブランチング工程で得られた緑葉を揉捻する揉捻工程
    と、 該揉捻工程で得られた緑葉を乾燥する乾燥工程と、 該乾燥工程で得られた緑葉を粉砕する粉砕工程と、を備
    えることを特徴とするイネ科植物緑葉の微粉末製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記揉捻工程は、前記ブランチング工程
    で得られた緑葉を、乾燥しながら揉捻する乾燥揉捻工程
    であることを特徴とする請求項1記載のイネ科植物緑葉
    の微粉末製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ブランチング工程は、イネ科植物緑
    葉をアルカリ性の水溶液で処理するアルカリ処理工程で
    あることを特徴とする請求項1または2記載のイネ科植
    物緑葉の微粉末製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粉砕工程は、前記乾燥工程で得られ
    た緑葉を衝撃式粉砕機で粉砕する工程であることを特徴
    とする請求項1乃至3いずれか記載のイネ科植物緑葉の
    微粉末製造方法。
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