JP2015137020A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】チャイルドシートの取付けを容易にした乗物用シートを提供する。【解決手段】シートクッションS1およびシートバックを備え、チャイルドシートの後面側に設けられたアームがシートクッションS1とシートバックの間に差し込まれることでチャイルドシートが取り付けられる乗物用シートである。シートクッションは、シートクッションパッド100と、シートクッションパッド100に被さった表皮10とを有し、シートクッションパッド100は、上面の後部に、アームを差し込むための凹部110を有する。表皮10は、凹部110の表面に沿って凹部110の全体を覆うように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、チャイルドシートの取付けを容易にした乗物用シートに関する。
従来、チャイルドシートの取付けを容易にするために、シートクッションの上面の後部に凹部を設け、チャイルドシートの後面側に突出して設けられたアーム(フィックスアーム)をこの凹部に差し込むように構成された車両用シートが知られている(特許文献1)。この車両用シートでは、シートクッションのシートクッションパッドに被さる表皮は、凹部に対応する位置に切り込みが設けられ、凹部の周囲の表皮が凹部から浮いた状態で凹部の上に被るように構成されている。また、特許文献1に記載された従来技術においては、表皮が凹部の側面に沿って設けられているが、凹部の底面を露出させている構成が開示されている。
特開2001−233104号公報
しかし、凹部に被さる表皮が凹部から浮いていて切り込みが設けられるような構成や、凹部の底面を露出させるたような構成の場合、切り込みなどによってできた表皮の端部が自由となるため、チャイルドシートの着脱を繰り返すとシートクッションションパッドに対して表皮がずれやすく、チャイルドシートの着脱の際にアームと表皮が干渉して取付け性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、チャイルドシートの取付けを容易にすることを目的とする。
前記した課題を解決する本発明は、シートクッションおよびシートバックを備え、チャイルドシートの後面側に設けられたアームが前記シートクッションと前記シートバックの間に差し込まれることで前記チャイルドシートが取り付けられる乗物用シートであって、前記シートクッションは、シートクッションパッドと、当該シートクッションパッドに被さった表皮とを有し、前記シートクッションパッドは、上面の後部に、前記アームを差し込むための凹部を有し、前記表皮は、前記凹部の表面に沿って前記凹部の全体を覆うように構成されていることを特徴とする。
このような構成によると、表皮は、凹部の全体を覆うので、凹部の近傍で切り込みなどによってできた自由な端部が存在せず、シートクッションパッドに対してずれにくい。また、表皮は、凹部の表面に沿って設けられるので、チャイルドシートのアームを凹部に挿入したときに凹部から浮いた表皮が不必要に引っ張られることがなく、スムーズにアームを凹部に差し込むことができるとともにシートクッションパッドに対する表皮のずれも抑制することができる。このため、チャイルドシートの取付けが容易となる。
前記した乗物用シートにおいて、表皮は、凹部に対応する第1表皮部と、凹部に隣接する位置に対応した第2表皮部とを有し、第1表皮部と第2表皮部とは、別個の部材により構成することができる。
このような構成によれば、凹部の周囲の表皮を構成する部材が伸びにくい材質の場合であっても、表皮を凹部に沿わせて設けるのが容易である。
第1表皮部と第2表皮部が別個の部材により構成されている場合において、前記第1表皮部と前記第2表皮部とは、前記凹部と前記凹部に隣接する部分の境界に沿って縫い合わせることができる。
このような構成によれば、凹部を覆う第1表皮部の形状を出しやすくなり、表皮が、凹部の表面に沿ってきれいに凹部を覆うことができる。
第1表皮部と第2表皮部が別個の部材により構成されている場合において、凹部は、底面と、当該底面から立ち上がった側面とを有し、第1表皮部は、底面に対応する底面部と側面に対応する側面部とを別個の部材により構成することができる。
このような構成によれば、凹部の表面形状が平面に展開できない形状であっても第1表皮部を構成しやすいので、凹部の形状の自由度を高くすることができる。
そして、底面部と側面部とが別個の部材により構成されている場合において、底面部と側面部とは、底面と側面の境界に沿って縫い合わされていることが望ましい。
このように、底面部と側面部とが凹部の底面と側面の境界に沿って縫い合わされていることで、良好な外観を構成することができる。
前記した乗物用シートにおいて、シートクッションの着座面は、前方から後方に向けて下方に傾斜した形状を有し、凹部の底面は、着座面の傾斜に沿って前方から後方に向けて下方に傾斜した部分を有することが望ましい。
このような構成によると、チャイルドシートを着座面上で後方に滑らせた後、アームを凹部に差し込むとき、凹部の底面に引っ掛かることなく差し込むことができる。
前記した凹部の底面が後方に向けて下方に傾斜している場合において、底面は、シートバックの下端と対向する位置に頂部を有する構成とすることができる。
このような構成によれば、シートバックの下端と底面の頂部が対向する位置でシートバックと底面の隙間が最も小さくなり、その前後では隙間が大きくなるので、シートバックの下端と凹部の底面でチャイルドシートのアームを挟んだときに、アームの向きが不要に拘束されず、アームを凹部にスムーズに差し込むことができる。
第1表皮部と第2表皮部が別個の部材により構成されている場合において、第1表皮部と第2表皮部とは、異なる材質で構成することができる。
このような構成によれば、第2表皮部の材質にかかわらず、第1表皮部をアームの挿入に適した材料から選択することができ、耐久性の向上や、外観の向上を図ることができる。
前記した各乗物用シートにおいて、シートクッションは、凹部の左右側方に上下に貫通する開口が設けられており、開口は、凹部よりも後側の部分から凹部よりも前側まで延びた構成とすることができる。
このような構成によれば、凹部の左右側方に開口が無い場合に比較して、シートクッションパッドの凹部に対応する部分が撓み易くなり、チャイルドシートのアームをより一層凹部に挿入しやすくなる。
前記した各乗物用シートにおいて、シートクッションパッドは、凹部の下に補強部材を有している構成とすることができる。
このような構成によれば、凹部を形成したことによるシートクッションパッドの剛性低下を補強部材により補うことができ、シートクッションをシートフレームに取り付けやすい。
本発明によれば、表皮がシートクッションパッドに対してずれにくくなり、チャイルドシートの取付けが容易となる。
本発明によれば、第1表皮部と第2表皮部とを別個の部材により構成することで、凹部の周囲の表皮を構成する部材が伸びにくい材質の場合であっても、表皮を凹部に沿わせて設けるのが容易である。
本発明によれば、第1表皮部と第2表皮部とを、凹部と凹部に隣接する部分の境界に沿って縫い合わせることで、表皮が、凹部の表面に沿ってきれいに凹部を覆うことができる。
本発明によれば、第1表皮部の、凹部の底面に対応する底面部と側面に対応する側面部とを別個の部材により構成することで、凹部の形状の自由度を高くすることができる。そして、底面部と側面部とが、底面と側面の境界に沿って縫い合わされていることで、良好な外観を構成することができる。
本発明によれば、凹部の底面が、着座面の傾斜に沿って前方から後方に向けて下方に傾斜していることで、チャイルドシートを着座面上で後方に滑らせた後、アームを凹部に差し込むとき、凹部の底面に引っ掛かることなく差し込むことができる。
本発明によれば、凹部の底面がシートバックの下端と対向する位置に頂部を有することで、チャイルドシートのアームの向きが不要に拘束されず、アームを凹部にスムーズに差し込むことができる。
本発明によれば、第1表皮部と第2表皮部とを異なる材質で構成することで、第2表皮部の材質にかかわらず、第1表皮部をアームの挿入に適した材料から選択することができ、耐久性の向上や、外観の向上を図ることができる。
本発明によれば、凹部の左右側方に上下に貫通する開口を設けることで、シートクッションパッドの凹部に対応する部分が撓み易くなり、チャイルドシートのアームをより一層凹部に挿入しやすくなる。
本発明によれば、凹部の下に補強部材を設けることで、凹部を形成したことによるシートクッションパッドの剛性低下を補強部材により補うことができ、シートクッションをシートフレームに取り付けやすい。
一実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シートの斜視図である。 車両用シートにチャイルドシートを取り付ける前の状態を示す車両用シートの側断面図(a)と、(a)の部分拡大図(b)である。 シートクッションの斜視図である。 補強部材の配置を示した、シートクッションパッドの平面図である。 シートクッションの凹部周辺の拡大斜視図(a)と、(a)のX−X断面図(b)である。 車両用シートにチャイルドシートを取り付けた後の状態を示す車両用シートの側断面図(a)と、(a)の部分拡大図(b)である。 第1変形例における、シートクッションの凹部周辺の拡大斜視図(a)と、(a)のY−Y断面図(b)である。 第2変形例における、シートクッションの凹部周辺の拡大斜視図(a)と、(a)のZ−Z断面図(b)である。
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、乗物用シートの一例としての車両用シートSは、自動車の後部座席に使用されるシートであり、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを主に備えている。シートクッションS1は、乗用車において採用される3人掛けのものであり、少し凹んだ着座面として、右側の着座部に対応した着座面S11と左側の着座部に対応した着座面S12を有している。なお、本明細書において、前後、上下および左右は、車両用シートSに座る乗員を基準とする。また、本実施形態において、シートクッションS1およびシートバックS2は、固定されたものとするが、これらが可動式である場合においては、乗員が通常座ることができる状態を基準とする。
シートクッションS1およびシートバックS2には、図示しないフレームが内蔵されており、図2に示すように、シートクッションS1のフレームには、ウレタンフォームなどからなるシートクッションパッド100が被せられ、シートクッションパッド100の外側には、布地や皮革または合成皮革などからなる表皮10が被せられている。シートバックS2についても同様に、フレームにウレタンフォームなどからなるシートバックパッド200が被せられ、シートバックパッド200の外側に表皮20が被せられている。
車両用シートSに取り付けられるチャイルドシートCSは、その後面側の下端部に、後方に突出して設けられたアーム30が設けられている。アーム30は、その後端面30Aから前側に凹み、左右に貫通する溝31が形成されている。この溝31は、車体50に固定されたストライカ51の係合部51Aに図示しないラッチを用いて係合することで、チャイルドシートCSを安定して車体50に支持させるための構成である。なお、ストライカ51は、シートクッションS1のフレームまたはシートバックS2のフレームに固定されていてもよい。
図3に示すように、シートクッションS1を構成するシートクッションパッド100の上面の後部には、左右に延びる畝部116が形成されている。そして、この畝部116に、前記したチャイルドシートCSのアーム30を差し込んでチャイルドシートCSを取り付けるための、下方に凹む凹部110が形成されている。図2に示すように、ストライカ51は、凹部110にアーム30を差し込んだときに、その係合部51Aが自然に溝31に係合するように、凹部110により形成された空間の後方に係合部51Aが配置されている。
シートクッションS1の着座面S11,S12は、前方から後方に向けて下方に傾斜した形状を有する。凹部110の底面111は、前後方向中央部に左右に延びる頂部115を有し、頂部115より前側の半分111Aが略水平の面となっており、頂部115より後側の半分111Bが着座面S11,S12の傾斜に沿って前方から後方に向けて下方に傾斜している。すなわち、底面111の頂部115の後側は、着座面S11,S12と略平行となっている。そして、底面111の頂部115は、チャイルドシートCSを取り付ける前のシートバックS2の下端S21と対向している。すなわち、底面111の頂部115は、シートバックS2の下端S21の略真下に位置している。
図3に示すように、凹部110は、右側の着座部に対応して左右に離れて2箇所設けられ、左側の着座部に対応して左右に離れて2箇所設けられている。そして、シートクッションS1は、各着座面S11,S12に対応して、各着座面S11,S12の後部に、通常時に凹部110が目立たないようにして車両用シートSの外観を向上させるためのカバー18が設けられている。カバー18は、右側の着座部において示したように、その前端部において表皮10に縫い付けられて固定され、後端部は自由とされている。カバー18は、チャイルドシートCSを取り付けるときに、左側の着座部において示したように、シートバックS2とシートクッションS1の間から前に引っ張り出される。カバー18の材質は任意であるが、着座面S11,S12を構成する表皮10と同じ材質を用いるのが望ましい。
図4に示すように、シートクッションパッド100は、その内部に補強部材の一例としての補強ワイヤ120が埋め込まれている。補強ワイヤ120は、金属のワイヤからなり、シートクッションパッド100を成形するときにインサート成形することによりシートクッションパッド100を構成するウレタンフォーム内に埋め込まれている。
補強ワイヤ120は、各凹部110の下を通過しており、各着座部の後方の2つの凹部110のうち、左右外側の凹部110の下に、左右外側に行くにつれ、前に位置するように左右方向に対して傾斜した傾斜部121を有しており、左右内側の凹部110の下に、略直角に屈曲した屈曲部122を有している。このように、左右外側の凹部110の下に傾斜部121があることで、凹部110の下の補強ワイヤ120の長さを長く確保して凹部110を形成したことによるシートクッションパッド100の剛性低下を補うことができる。また、左右内側の凹部110の下に屈曲部122があることで、補強ワイヤ120の剛性をより高くして、凹部110を形成したことによるシートクッションパッド100の剛性低下を効果的に補うことができる。このため、シートクッションパッド100は、4箇所の凹部110を有しているが、十分な剛性を有しており、シートクッションS1のフレームに取り付けるときに取り付けやすく、シートクッションパッド100の不要な歪みも抑制することができる。
また、シートクッションパッド100は、凹部110の左右側方、具体的には、4つの凹部110のうち、内側に設けられた2つの凹部110の左右方向内側に、開口の一例としてのスリット130が形成されている。スリット130は、シートクッションパッド100の後端から前方に切れ込むように、凹部110よりも後側の部分から凹部110よりも前側まで延びて形成され、シートクッションパッド100を上下に貫通している。このスリット130は、図示しないシートベルトのバックルが通る部分である。
図5(a),(b)に示すように、表皮10は、凹部110に対応する第1表皮部11と凹部110に隣接する位置に対応した第2表皮部12とを有し、第1表皮部11と第2表皮部12とは、別個の部材により構成されている。第1表皮部11は、凹部110の表面に沿って、切れ目の無い連続した部材で凹部110の全体を覆うように構成されている。
第1表皮部11は、凹部110の表面に密着しているのが望ましく、より望ましくは、凹部110の表面に接着されているのが望ましい。ここでの接着は、接着剤や両面テープによる接着であってもよいし、シートクッションパッド100を成形するときに、表皮10の中でウレタンフォームを発泡させることで、ウレタンフォームの材料自体が直接、表皮10の内面に接着されていてもよい。このように、第1表皮部11が凹部110の表面と密着していたり、接着されていたりすると、第1表皮部11が凹部110に対してずれるのを特に効果的に抑制することができる。
凹部110は、底面111と、底面111の左右両端から立ち上がる側面112とを有している。そして、第1表皮部11は、底面111を覆う底面部11Aと、側面112を覆う側面部11Bとを有しており、本実施形態において、底面部11Aと、側面部11Bとは一体の部材に構成されている。すなわち、第1表皮部11は、1部品から構成されている。このため、第1表皮部11を複数部品から構成する場合に比較して、表皮10の部品点数を少なくしてコスト上昇を抑制することができる。
そして、第1表皮部11と第2表皮部12とは、シートクッションパッド100における凹部110とその周囲(凹部110に隣接する部分)との境界、つまり稜線113に沿って縫い合わされている。このため、第1表皮部11の形状を出しやすく、表皮10が凹部110の表面に沿ってきれいに凹部110を覆うことができる。
ここで、第1表皮部11と第2表皮部12とは、同じ材質で構成されていてもよいし、互いに異なる材質で構成されていてもよい。第1表皮部11と第2表皮部12とが同じ材質で構成されている場合、シートクッションS1の外観を良好にすることができ、第1表皮部11と第2表皮部12とが異なる材質で構成されている場合、第1表皮部11を、チャイルドシートCSのアーム30の挿入に適した材料にすることができる。すなわち、第2表皮部12の材質にかかわらず、第1表皮部11をアーム30の挿入に適した材料から選択することができ、耐久性の向上や、外観の向上を図ることができる。例えば、第1表皮部11は、第2表皮部12に比較して、引張強度が高い材質としたり、摩擦抵抗が小さい材質とすることができる。具体的な一例として、第2表皮部12をトリコットにより構成する場合、第1表皮部11の材質をニードルパンチ不織布とすることで引張強度が高い材質とすることができ、合成皮革とすることで、摩擦抵抗が少ない材質とすることができる。
以上のような構成の車両用シートSにチャイルドシートCSを取り付ける場合、図3の左側の着座部のように、カバー18を前に引き出し、図2に示したように着座面S11,S12の上にチャイルドシートCSを載せる。そして、アーム30を凹部110に合わせながらチャイルドシートCSを着座面S11,S12上で後方に滑らせていく。そして、アーム30を凹部110内に差し込み、図6に示すように、溝31をストライカ51の係合部51Aに係合させる。
このとき、着座面S11,S12が後方に向けて下方に傾斜しているので、チャイルドシートCSを小さな力で滑らせることができ、着座面S11,S12と凹部110の底面111の後ろ半分111Bとが略平行であることで、アーム30を凹部110に差し込むとき、凹部110の底面111に引っ掛かることなくスムーズに差し込むことができる。また、シートバックS2の下端S21と凹部110の底面111の頂部115が対向しており、頂部115の後方でシートバックS2と底面111の隙間は広がっているので、アーム30がシートバックS2と底面111により不要に拘束されることがなく、アーム30を凹部110にスムーズに差し込むことができる。さらに、車両用シートSの左右内側の凹部110は、その内側にスリット130があるので、下方に撓み易く、アーム30を比較的小さな力で挿入することができる。
また、本実施形態の車両用シートSは、表皮10が凹部110の全体を覆っているので、表皮10は、凹部110の近傍で自由な端部が存在しない。そのため、表皮10は、シートクッションパッド100に対してずれにくい。また、表皮10は、凹部110の表面に沿って設けられるので、アーム30を凹部110に挿入するときに凹部110から浮いた部分がアーム30によって不必要に引っ張られることがなく、スムーズにアーム30を凹部110に差し込むことができ、シートクッションパッド100に対する表皮10のずれを抑制することができる。このため、繰り返しチャイルドシートCSを着脱しても、チャイルドシートCSの着脱は容易であり、シートの外観品質も劣化しにくい。
そして、本実施形態の車両用シートSは、第1表皮部11と第2表皮部12とが別個の部材により構成されているので、第2表皮部12に伸びにくい材質を採用する場合であっても、第1表皮部11を凹部110に合わせた形状にして、表皮10を凹部110に沿わせて設けるのが容易である。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
例えば、第1表皮部11は、1部品から構成されるものに限られず、図7(a),(b)に示すように、底面部11Aと側面部11Bとを別個の部材により構成することもできる。この場合、底面部11Aと側面部11Bとは、凹部110の底面111と側面112の境界、つまり、隅部114に沿って縫い合わされていることが望ましい。このように、底面部11Aと側面部11Bとを別個の部材により構成することで、凹部110の表面形状が平面に展開できない形状であっても第1表皮部11を構成しやすいので、凹部110の形状の自由度を高くすることができ、また、底面部11Aと側面部11Bとが、凹部110の底面111と側面112の境界に沿って縫い合わされていることで良好な外観を構成することができる。
また、図8(a),(b)に示すように、第1表皮部11を、複数の部材から構成する場合において、縫い合わせのラインは底面111と側面112の境界に沿う場合に限らず、この境界からずらしてもよい。たとえば、第1表皮部11を右側の側面112から底面111の中央までを覆う右側部11Eと、左側の側面112から底面111の中央までを覆う左側部11Fとで構成し、右側部11Eと左側部11Fとを底面111の左右方向中央において前後に延びる縫合ライン11Xに沿って縫い合わせてもよい。
また、前記実施形態では、カバー18を備えた形態を例示したが、カバー18の有無は任意である。
前記実施形態では、乗物用シートとして、自動車で使用される後部座席の車両用シートSを例示したが、本発明はこれに限定されず、前部座席の車両用シートであってもよいし、その他の乗物用シート、例えば、鉄道車両、船舶や航空機などで使用されるシートに適用することもできる。
10 表皮
11 第1表皮部
11A 底面部
11B 側面部
12 第2表皮部
20 表皮
30 アーム
31 溝
50 車体
51 ストライカ
51A 係合部
100 シートクッションパッド
110 凹部
111 底面
112 側面
114 隅部
115 頂部
120 補強ワイヤ
121 傾斜部
122 屈曲部
130 スリット
200 シートバックパッド
CS チャイルドシート
S 車両用シート
S1 シートクッション
S2 シートバック
S11 着座面
S12 着座面
S21 下端

Claims (10)

  1. シートクッションおよびシートバックを備え、チャイルドシートの後面側に設けられたアームが前記シートクッションと前記シートバックの間に差し込まれることで前記チャイルドシートが取り付けられる乗物用シートであって、
    前記シートクッションは、シートクッションパッドと、当該シートクッションパッドに被さった表皮とを有し、
    前記シートクッションパッドは、上面の後部に、前記アームを差し込むための凹部を有し、
    前記表皮は、前記凹部の表面に沿って前記凹部の全体を覆うように構成されていることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記表皮は、前記凹部に対応する第1表皮部と、前記凹部に隣接する位置に対応した第2表皮部とを有し、前記第1表皮部と前記第2表皮部とは、別個の部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記第1表皮部と前記第2表皮部とは、前記凹部と前記凹部に隣接する部分の境界に沿って縫い合わされていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記凹部は、底面と、当該底面から立ち上がった側面とを有し、
    前記第1表皮部は、前記底面に対応する底面部と前記側面に対応する側面部とが別個の部材により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
  5. 前記底面部と側面部とは、前記底面と前記側面との境界に沿って縫い合わされていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  6. 前記シートクッションの着座面は、前方から後方に向けて下方に傾斜した形状を有し、
    前記凹部の底面は、前記着座面の傾斜に沿って前方から後方に向けて下方に傾斜した部分を有することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  7. 前記底面は、前記シートバックの下端と対向する位置に頂部を有することを特徴とする請求項6に記載の乗物用シート。
  8. 前記第1表皮部と前記第2表皮部とは、異なる材質で構成されていることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  9. 前記シートクッションは、前記凹部の左右側方に上下に貫通する開口が設けられており、前記開口は、前記凹部よりも後側の部分から前記凹部よりも前側まで延びていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  10. 前記シートクッションパッドは、前記凹部の下に補強部材を有していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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