JP2015122264A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過充電耐性に優れる非水電解液二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明により、電池内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構を備えた非水電解液二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:(1)正極活物質をリン酸処理すること;(2)上記リン酸処理済みの正極活物質と、ジフルオロリン酸リチウムと、を含む組成物を正極集電体上に付与して、正極を作製すること;(3)上記正極を用いて電極体を作製すること;(4)上記電極体と非水電解液とを電池ケース内に収容すること、ここで、上記非水電解液には電池が過充電状態になると分解してガスを発生するガス発生剤を含ませる;(5)上記電極体に対して少なくとも1回の充電処理を行い、上記正極活物質の表面に上記ジフルオロリン酸リチウム由来の皮膜を形成すること;を包含する。【選択図】なし

Description

本発明は、圧力作動型の電流遮断機構を備える非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。
このような電池は、通常、電圧が所定の領域(例えば3.0〜4.1V)に収まるよう制御された状態で使用されるが、誤操作等により通常以上の電流が供給されると所定の電圧を超えて過充電となる場合がある。かかる過充電時には、非水電解液の分解によってガスが発生したり、活物質の発熱によって電池内部の温度が上昇したりすることがあり得る。
この問題に対処するための技術として、例えば特許文献1には、電池ケース内の圧力が所定値以上になると充電電流を強制的に遮断する圧力作動型の電流遮断機構(CID:Current Interrupt Device)を備えたリチウムイオン二次電池が開示されている。特許文献1の電池は、さらに非水電解液中に非水溶媒よりも酸化分解電位の低い化合物(典型的には芳香族化合物。以下、「ガス発生剤」ともいう。)を含んでいる。電池が過充電状態になると、上記ガス発生剤が正極の表面で酸化分解されて(詳しくは、上記ガス発生剤が正極の表面で重合して)水素イオンが生じ、これを起点として負極で水素ガス(H)が発生する。かかるガスによって電池の内圧が速やかに上昇するため、圧力作動型の電流遮断機構を早期に作動させることができ、信頼性(過充電耐性)の高い電池を実現することができる。
特開2012―109219号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の電池では過充電時にガス発生剤の反応性が低下することがあった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は電池内圧の上昇によって作動する(圧力作動型の)電流遮断機構を備える非水電解液二次電池であって、過充電耐性に優れた非水電解液二次電池を提供することである。関連する他の目的は、生産性や再現性に優れる該電池の製造方法を提供することである。
本発明者らが上記ガス発生剤の反応性低下の原因について様々な角度から検討を行ったところ、正極活物質中のアルカリ成分が関係していることが判明した。即ち、非水電解液二次電池の正極活物質には、例えば製造工程に由来する不可避的な不純物等として、アルカリ成分(例えば水酸化リチウム(LiOH))が含まれることがある。かかる場合、該アルカリ成分によってガス発生剤の酸化分解反応(重合反応)が阻害され、過充電時のガス発生量が低下したりガスの発生が緩やかになったりすることがわかった。
そこで、本発明者らはガス発生剤の反応性を低下させないために正極活物質に含まれるアルカリ成分を除去(中和)することを考え、鋭意検討を重ねた結果、本発明を創出するに至った。
すなわち、本発明により、電極体と非水電解液とが電池ケース内に収容され、該ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構を備えてなる非水電解液二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:(1)正極活物質をリン酸処理すること;(2)上記リン酸処理済みの正極活物質と、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)と、を含む組成物を正極集電体上に付与して、正極を作製すること;(3)上記正極を用いて電極体を作製すること;(4)上記電極体と非水電解液とを電池ケース内に収容すること、ここで、上記非水電解液には電池が過充電状態になると分解してガスを発生するガス発生剤を含ませる;(5)上記電極体に対して少なくとも1回の充電処理を行い、上記正極活物質の表面に上記ジフルオロリン酸リチウム由来の皮膜を形成すること;を包含する。
正極活物質の表面をリン酸処理(酸処理)することで、アルカリ成分を好適に除去(中和)することができる。これにより、例えば充放電サイクルを繰り返した後であっても、過充電時にはガス発生剤を十分に反応させることができ、大量のガスを迅速に発生させることができる。また、上記リン酸処理によって正極活物質の表面に付着したリン酸(典型的にはリン酸イオン)は、非水電解液中において電荷担体を含むリン酸塩(例えばリン酸リチウム)となり得、正極活物質の表面に皮膜(薄膜)を形成し得る。これによって、電荷担体(例えばリチウムイオン)の伝導性を向上させることができる。さらには、正極活物質層中にジフルオロリン酸リチウムを含ませることで、充電処理(典型的には初回充電)時に該ジフルオロリン酸リチウムに由来する低抵抗な皮膜を正極活物質の表面に安定的に形成することができる。これによって、正極活物質からの構成元素(典型的には金属元素)の溶出を抑制することができ、耐久性(サイクル特性)を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される非水電解液二次電池の製造方法は、正極活物質をリン酸で処理することによって特徴付けられる製造方法であり、具体的には、以下の工程:(1)正極活物質のリン酸処理;(2)正極の作製;(3)電極体の作製;(4)組立体の構築;(5)充電処理;を包含する。以下、各工程について順に説明する。
≪(1)正極活物質のリン酸処理≫
ここで開示される製造方法では、先ず、正極活物質をリン酸で処理する。これによって、正極活物質の表面に存在し得るアルカリ成分(不純物の除去)を行うことができる。また、正極活物質の表面にリン酸(例えばリン酸イオンやリン原子)を付着させることで、該正極活物質表面の改質を行うことができる。
正極活物質としては、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)を好ましく用いることができる。
リン酸としては、例えばリン酸イオン(PO 3−)の濃度が凡そ50〜95体積%の水溶液を用いることができる。かかるリン酸水溶液は、市販品を購入してもよく、例えば溶媒としての純水にリン酸化合物を所定の割合で溶解させることで調製してもよい。リン酸化合物としては、水系溶媒に溶解または均一に分散し得るものであれば特に限定されず、リン酸イオンを含有する各種のリン酸化合物を用いることができる。一例として、オルトリン酸(HPO)、ポリリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、亜リン酸トリエチル(C15P)等が例示される。
例えば、リン酸水溶液を用いて液相法にてリン酸処理を行う場合は、リン酸水溶液中に正極活物質(典型的には粉末状)を浸漬あるいは分散させて、撹拌しながら一定時間(例えば10分〜10時間程度)そのまま保持すればよい。リン酸水溶液中の正極活物質の割合は、例えばリン酸水溶液と正極活物質との合計を100質量%としたときに、0.1〜20質量%程度とするとよい。また、リン酸に曝した後の正極活物質は、純水や弱塩基性の水溶液(例えば水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水溶液)で洗浄し、弱酸性〜中性(例えばpH≒6〜7)に調整するとよい。
正極活物質の表面に付着(残存)させるリン酸の量は、例えばリン酸処理済みの正極活物質全体を100mol%としたときに、凡そ0.01〜1mol%(例えば0.1〜0.5mol%)とするとよい。これにより、例えば後述する組立体構築時において、正極活物質の表面に好適な量のリン酸リチウム含有皮膜を形成することができる。
≪(2)正極の作製≫
ここで開示される製造方法では、次に、正極集電体上に正極活物質層形成用の組成物を付与して正極を作製する。かかる組成物は、少なくとも上記リン酸処理済みの正極活物質とジフルオロリン酸リチウムとを含んでいる。組成物中にジフルオロリン酸リチウムを含ませることにより、該ジフルオロリン酸リチウムを正極(正極活物質層)内に均質に配置することができる。
組成物の調製は、例えば、上記リン酸処理済みの正極活物質とジフルオロリン酸リチウムとその他任意の添加成分とを所定の溶媒中で混練することによって行うことができる。任意の添加成分の一例としては、導電材やバインダが挙げられる。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料を好ましく用いることができる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等を好ましく用いることができる。溶媒としては、有機溶剤(例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP))を好ましく用いることができる。
混練には、例えば、ロールミル、ボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の攪拌・混合装置を適宜用いることができる。また、混練時間は、上記成分が均等に分散するまでの時間とすればよい。装置構成や混練条件によっても異なり得るが、通常は5分〜1時間程度とするとよい。
固形分全体に占める上記リン酸処理済みの正極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、通常は80〜98質量%(例えば85〜95質量%)とすることが好ましい。また、組成物中に添加するジフルオロリン酸リチウムの量は、例えば、被膜形成剤として従前より非水電解液中に添加している量と概ね同等とするとよい。例えば、ジフルオロリン酸リチウムを0.01〜0.05mol/Lの濃度で添加するとよい。これにより、後述する充電処理において正極活物質の表面に低抵抗且つ高耐久な皮膜を形成することができ、正極活物質からの構成元素の溶出を防止することができる。
正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材を好ましく用いることができる。また、組成物の付与(典型的には塗工)には、例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の従来公知の塗工装置を用いることができる。
好ましい一態様では、正極集電体上に組成物を付与した後、プレス処理を施す。これにより、正極活物質層の厚みや密度を調整することができる。プレス処理には、例えば、ロールプレス法、平板プレス法等、従来公知の各種プレス方法を採用することができる。
≪(3)電極体の作製≫
ここで開示される製造方法では、次に、上記作製した正極を用いて電極体を作製する。具体的には、例えば上記作製した正極を所定の大きさに切り出す。これを別途作成した負極と(典型的にはセパレータを介して)積層し、電極体を作製する。
負極としては、例えば、負極活物質をバインダ等とともに負極集電体上に付着させた形態のものを好適に用いることができる。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を好ましく用いることができる。バインダとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を好ましく用いることができる。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好ましく用いることができる。
セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シートを好ましく用いることができる。なかでも、上記多孔性樹脂シートの片面または両面に無機化合物粒子(無機フィラー)を含む耐熱層を備えるものが好ましい。無機フィラーとしては、アルミナ、ベーマイト、マグネシア等を用いることができる。
≪(4)組立体の構築≫
ここで開示される製造方法では、次に、上記作製した電極体と非水電解液とを電池ケース内に収容する。電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材製のものを好ましく用いることができる。また、ここで使用する電池ケースには電池ケース内の圧力上昇により作動する電流遮断機構(いわゆる圧力作動型のCID)が備えられている。
非水電解液としては、非水溶媒中に支持塩とガス発生剤とを含有させたものを用いる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を好適に用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好ましく用いることができる。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を好適に用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩を好ましく用いることができる。ガス発生剤としては、酸化電位(vs. Li/Li+)が正極の充電上限電位以上であって、かかる電位を超えた場合(電池が過充電状態となった場合)に分解してガスを発生するような化合物であればよく、例えばビフェニル(BP)等のビフェニル化合物やシクロヘキシルベンゼン(CHB)等のシクロアルキルベンゼン化合物を好ましく用いることができる。
非水電解液中の支持塩の濃度は、0.7〜1.3mol/Lに調製するとよい。また、ガス発生剤の添加量は、電流遮断機構を作動させるのに十分なガス量を確保できる量とすればよい。例えば、非水電解液全体を100質量%としたときに、凡そ1〜10質量%、例えば1〜5質量%とするとよい。
なお、ここで開示される技術では、一般にジフルオロリン酸リチウム等の被膜形成剤は非水電解液中に含ませない。なぜなら、正極活物質層内に予めジフルオロリン酸リチウムを仕込んでおくことによって、正極活物質の表面に均質な皮膜を形成する(被膜の形成ムラを低減する)ことができるためである。
≪(5)組立体の構築≫
ここで開示される製造方法では、次に、上記電極体に対して少なくとも1回の充電処理(コンディショニング処理)を行う。これにより、正極活物質層に含ませたジフルオロリン酸リチウムを電気的に分解して、正極活物質の表面にジフルオロリン酸リチウム由来の皮膜を形成する。その結果、正極活物質からの構成成分(典型的には遷移金属元素)の溶出を抑制することができ、耐久性の高い電池を実現することができる。充電処理時の充電レートは、例えば0.1〜10C程度とすることができる。また、充電時の正負極端子間の最高到達電圧(典型的には終了電圧)は、使用する非水溶媒の種類等にもよるが、例えば3.5〜4.5V程度に設定するとよい。なお、充電は1回でもよく、例えば放電を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。
また、好ましい一態様では、電位の高い状態を保ったまま所定の時間だけ保持(エージング処理)する。かかる保持時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間、例えば1〜48時間とすることができる。
ここに開示される製造方法によって製造される非水電解液二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)は、従来品に比べて一層高い耐久性や信頼性(過充電耐性)を実現し得るものである。例えば、通常使用時には充放電を繰り返しても容量低下の少なく、且つ、過充電時には電流遮断機構を迅速に作動させ得るものである。したがって、かかる特徴を活かして、例えばハイブリッド車両や電気車両の動力源(駆動電源)として好適に用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例>
先ず、85%のオルトリン酸水溶液を用いて正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)をリン酸処理し、正極活物質の表面に0.2mol%のリン酸を付着させた。次に、上記リン酸処理済みの正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比率が91:6:3となるよう秤量し、N−メチルピロリドン(NMP)と混合して、スラリー状組成物を調製した。この組成物にジフルオロリン酸リチウム(LiPO)を凡そ0.02mol/Lの濃度になるよう添加して十分撹拌した後に、厚み凡そ15μmの長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)に塗工して、正極活物質層を形成した。これを乾燥およびプレスしてシート状の正極(正極シート)を得た。
次に、負極活物質としてのグラファイト(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、質量比率が98:1:1となるよう秤量し、イオン交換水とを混合して、スラリー状組成物を調製した。この組成物を、厚み凡そ10μmの長尺状の銅箔(負極集電体)に塗工して、負極活物質層を形成した。これを乾燥およびプレスし、所定の大きさにスリット加工して、シート状の負極(負極シート)を得た。
次に、上記正極シートと負極シートとを、セパレータシート(ここでは、ポリエチレン層の両面にポリプロピレン層が積層された三層構造のものを用いた。)を介して重ね合わせて捲回し、得られた捲回電極体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形した。そして、この電極体をアルミニウム製の電池ケースに収容し、非水電解液を注液した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを30:30:40の体積比率で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解し、さらに、非水電解液全量に対して、添加剤としてのシクロヘキシルベンゼン(CHB)を4質量%とビフェニル(BP)を1質量%添加したものを用いた。
構築した電池組立体に、充電処理とエージング処理を施してリチウムイオン二次電池(実施例)を得た。
<比較例>
比較例1では、正極活物質層の形成において組成物中にジフルオロリン酸リチウムを添加しなかったこと以外は実施例と同様に、リチウムイオン二次電池(比較例1)を得た。
比較例2では、(正極活物質層中ではなく)非水電解液中にジフルオロリン酸リチウムを添加したこと以外は実施例と同様に、リチウムイオン二次電池(比較例2)を得た。
比較例3では、正極活物質のリン酸処理を行わなかったこと以外は実施例と同様に、リチウムイオン二次電池(比較例3)を得た。各例の電池の構成を表1に纏める。
<正極活物質の中和滴定>
別途、中和滴定法によって正極活物質の表面に存在するアルカリ成分(LiOH)を定量した。結果を表1の「LiOH量」の欄に示す。
表1に示すように、リン酸処理を行わなかった比較例3では、他の例に比べてアルカリ成分が相対的に多く定量された。かかる結果から、正極活物質をリン酸処理することでアルカリ成分を凡そ1/10程度まで低減できるとわかった。
Figure 2015122264
<初期特性>
上記構築した電池に対して、25℃において、1/3Cのレートで電池電圧が凡そ4.1Vに到達するまで充電処理を施した後、初期の放電容量と初期抵抗(IV抵抗)を測定した。その後、アルキメデス法によって、過充電時おけるガス発生量を算出した。結果を表2に示す。
<耐久特性>
2Cのレートで3.0Vから4.1Vまで500サイクルの充放電を繰り返した後、初期特性と同様に放電容量とIV抵抗を算出した。結果を表2に示す。なお、表2では初期の値に対する変化率として表している。また、上記と同様にアルキメデス法によって過充電時おけるガス発生量を算出した。
<溶出金属元素の分析>
500サイクル後の電池を解体して、負極およびセパレータを採取してICP(Inductively Coupled Plasma)分析を行い、正極活物質からの金属元素の溶出量を求めた。結果を表2に示す。ここでは、Ni元素、Co元素およびMn元素の析出量の合計を表している。
Figure 2015122264
表2に示すように、正極活物質の表面をリン酸処理しなかった比較例3では、耐久後の電池特性が顕著に低下しており、例えばガス発生量は初期の凡そ1/3程度まで減少していた。この原因としては、正極活物質をリン酸処理しなかったために、アルカリ成分が多く残存していたことが考えられる。また、ジフルオロリン酸リチウムを添加しなかった比較例2および非水電解液中に添加した比較例3でも、耐久後の電池特性の低下が認められた。
これに対して、正極活物質の表面をリン酸処理し、且つ、正極活物質層内にジフルオロリン酸を含ませた実施例では、耐久後も高い電池特性を維持していた。具体的には、耐久後も低抵抗且つ高容量を発揮し得、過充電状態となった際には大量のガスを発生させることが可能であった。かかる結果は、本発明の技術的意義を示すものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 電極体と非水電解液とが電池ケース内に収容され、該ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構を備えてなる非水電解液二次電池の製造方法であって、
    正極活物質をリン酸処理すること;
    前記リン酸処理済みの正極活物質と、ジフルオロリン酸リチウムと、を含む組成物を正極集電体上に付与して、正極を作製すること;
    前記正極を用いて電極体を作製すること;
    前記電極体と非水電解液とを電池ケース内に収容すること、ここで、前記非水電解液には電池が過充電状態になると分解してガスを発生するガス発生剤を含ませる;および、
    前記電極体に対して少なくとも1回の充電処理を行い、前記正極活物質の表面に前記ジフルオロリン酸リチウム由来の皮膜を形成すること;
    を包含する、非水電解液二次電池の製造方法。
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