JP2018073602A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極合材層30は、第1層31および第2層32を含む。第1層31は、集電体1の表面に配置されている。第2層32は、第1層31の表面に配置されている。第1層31は、第1顆粒10を含む。第1顆粒10は、第1質量組成で、第1正極活物質11および第1導電材12を含む。第2層32は、第2顆粒20を含む。第2顆粒20は、第2質量組成で、第2正極活物質21および第2導電材22を含む。第1質量組成における第1正極活物質11の比率は、第2質量組成における第2正極活物質21の比率よりも低い。第1質量組成における第1導電材12の比率は、第2質量組成における第2導電材22の比率よりも高い。かつ第2質量組成における第2導電材22の比率は8質量%以上である。
【選択図】図1
Description
正極合材層は、第1層および第2層を含む。第1層は、集電体の表面に配置されている。第2層は、第1層の表面に配置されている。
第1層は、第1顆粒を含む。第1顆粒は、第1質量組成で、第1正極活物質および第1導電材を含む。第2層は、第2顆粒を含む。第2顆粒は、第2質量組成で、第2正極活物質および第2導電材を含む。
第1質量組成における第1正極活物質の比率は、第2質量組成における第2正極活物質の比率よりも低い。第1質量組成における第1導電材の比率は、第2質量組成における第2導電材の比率よりも高い。かつ第2質量組成における第2導電材の比率は8質量%以上である。
本実施形態のリチウムイオン二次電池(以下「電池」と略記される場合がある)は、正極、負極および電解液を含む。電池は、典型的にはセパレータをさらに含む。電池は、典型的には、正極、負極、電解液およびセパレータが筐体内に収納されることにより構成される。筐体は、角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよい。
図1は、本実施形態に係る正極を示す断面概念図である。正極100は、集電体1および正極合材層30を含む。集電体1は、たとえば、アルミニウム(Al)箔等でよい。Al箔は、純Al箔であってもよいし、Al合金箔であってもよい。集電体1は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
第1質量組成における第1正極活物質11の比率は、たとえば、85質量%以上90質量%未満でよい。第1正極活物質11は、特に限定されるべきではない。第1正極活物質11は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiFePO4等のリチウム含有化合物を含み得る。第1正極活物質11は、1種のリチウム含有化合物を含んでもよいし、2種以上のリチウム含有化合物を含んでもよい。リチウム含有化合物は、たとえば、1〜20μmの平均粒径を有してもよい。平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
第2質量組成における第2正極活物質21の比率は、たとえば、86質量%以上90質量%以下でよい。第2正極活物質21は、前述のリチウム含有化合物を含み得る。第2正極活物質21は、第1正極活物質11と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
正極100は、以下の方法により製造され得る。まず第1顆粒10および第2顆粒20が、それぞれ調製される。第1顆粒10および第2顆粒20は、典型的には攪拌混合造粒により調製され得る。すなわち第1顆粒10は、第1正極活物質11、第1導電材12、第1バインダおよび溶媒が混合されることにより調製され得る。第1正極活物質11、第1導電材12および第1バインダは、前述の第1質量組成を構成するように配合される。
負極は、典型的には集電体および負極合材層を含む。集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。Cu箔は、純Cu箔であってもよいし、Cu合金箔であってもよい。集電体は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極および負極の間に配置される。セパレータは、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂がセパレータを構成してもよい。PEの多孔質膜が単独でセパレータを構成してもよいし、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜が組み合わされてセパレータを構成してもよい。たとえば、PPの多孔質膜、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜がこの順序で積層されることにより、セパレータが構成されていてもよい。
電解液は、溶媒およびリチウム塩を含む液体電解質である。溶媒は、非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、たとえば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、それぞれ1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、大電流通電時に高出力を発揮することが期待される。したがって本実施形態のリチウムイオン二次電池は、大電流通電が必要される用途に好適である。大電流通電が必要とされる用途としては、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)および電気自動車(EV)の動力電源等が挙げられる。ただし、本実施形態のリチウムイオン二次電池の用途は、こうした車載用途に限定されるべきではない。本実施形態のリチウムイオン二次電池は、あらゆる用途に適用可能である。
《実施例1》
以下の材料が準備された。
第1正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(平均粒径;6μm)
第1導電材:AB(粒状品)
第1バインダ:PVdF
第2正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(平均粒径;6μm)
第2導電材:AB(粒状品)
第2バインダ:PVdF
溶媒:NMP
集電体:Al箔(厚さ;12μm)
負極活物質:黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:イオン交換水
集電体:Cu箔
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
リチウム塩:LiPF6(1.0mоl/l)
下記表1に示されるように、第1質量組成が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
顆粒が調製された。この顆粒の固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。この顆粒により、単層の正極合材層が形成された。これらを除いては実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
下記表1に示されるように、第1質量組成および第2質量組成が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
第1正極活物質、第1導電材、第1バインダおよび溶媒が混合されることにより、第1正極ペーストが調製された。第1正極ペーストの固形分率は70質量%とされた。第1正極ペーストの固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。第1正極ペーストが集電体の表面に塗布され、乾燥されることにより、単層の正極合材層が形成された。これらを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
第1正極ペーストが調製された。第1正極ペーストの固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。第2正極活物質、第2導電材、第2バインダおよび溶媒が混合されることにより、第2正極ペーストが調製された。第2正極ペーストの固形分率は70質量%とされた。第2正極ペーストの固形分は、下記表1の「第2質量組成」の欄に示される質量組成を有する。
下記表1に示されるように、第1質量組成および第2質量組成が変更されることを除いては、比較例12と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
電池のSOCが20%に調整された。−30℃環境下で出力が測定された。結果は、下記表1に示されている。下記表1の「出力」の欄に示される値は、各例の出力が比較例1の出力で除された値である。
上記表1に示されるように、以下の(i)〜(iii)の条件を満たす実施例は、同条件を満たさない比較例に比して出力が向上している。(i)〜(iii)の条件が満たされることにより、集電体から正極合材層の表面に向かう方向において、電子伝導が活発になるためと考えられる。
(i)第1質量組成における第1正極活物質の比率が、第2質量組成における第2正極活物質の比率よりも低い。
(ii)第1質量組成における第1導電材の比率が、第2質量組成における第2導電材の比率よりも高い。
(iii)第2質量組成における第2導電材の比率が8質量%以上である。
Claims (1)
- 正極、負極、および電解液
を含み、
前記正極は、集電体および正極合材層を含み、
前記正極合材層は、第1層および第2層を含み、
前記第1層は、前記集電体の表面に配置されており、
前記第2層は、前記第1層の表面に配置されており、
前記第1層は、第1顆粒を含み、
前記第1顆粒は、第1質量組成で、第1正極活物質および第1導電材を含み、
前記第2層は、第2顆粒を含み、
前記第2顆粒は、第2質量組成で、第2正極活物質および第2導電材を含み、
前記第1質量組成における前記第1正極活物質の比率は、前記第2質量組成における前記第2正極活物質の比率よりも低く、
前記第1質量組成における前記第1導電材の比率は、前記第2質量組成における前記第2導電材の比率よりも高く、かつ
前記第2質量組成における前記第2導電材の比率は、8質量%以上である、
リチウムイオン二次電池。
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