JP2018073602A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流通電時の出力が向上したリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】正極合材層30は、第1層31および第2層32を含む。第1層31は、集電体1の表面に配置されている。第2層32は、第1層31の表面に配置されている。第1層31は、第1顆粒10を含む。第1顆粒10は、第1質量組成で、第1正極活物質11および第1導電材12を含む。第2層32は、第2顆粒20を含む。第2顆粒20は、第2質量組成で、第2正極活物質21および第2導電材22を含む。第1質量組成における第1正極活物質11の比率は、第2質量組成における第2正極活物質21の比率よりも低い。第1質量組成における第1導電材12の比率は、第2質量組成における第2導電材22の比率よりも高い。かつ第2質量組成における第2導電材22の比率は8質量%以上である。
【選択図】図1

Description

本開示はリチウムイオン二次電池に関する。
特開2016−100241号公報(特許文献1)は、正極合材層が上層および下層の2層を含み、上層と下層とで吸油量が互いに異なる構成を開示している。
特開2016−100241号公報
一般にリチウムイオン二次電池の正極は、集電体および正極合材層を含む。正極合材層は、正極活物質および導電材を含む。正極合材層は集電体の表面に配置されている。正極の厚さ方向(集電体から正極合材層の表面に向かう方向)において、電子伝導が活発でないために、大電流通電時の出力が制限される場合がある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の発明の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池は、正極、負極および電解液を含む。正極は、集電体および正極合材層を含む。
正極合材層は、第1層および第2層を含む。第1層は、集電体の表面に配置されている。第2層は、第1層の表面に配置されている。
第1層は、第1顆粒を含む。第1顆粒は、第1質量組成で、第1正極活物質および第1導電材を含む。第2層は、第2顆粒を含む。第2顆粒は、第2質量組成で、第2正極活物質および第2導電材を含む。
第1質量組成における第1正極活物質の比率は、第2質量組成における第2正極活物質の比率よりも低い。第1質量組成における第1導電材の比率は、第2質量組成における第2導電材の比率よりも高い。かつ第2質量組成における第2導電材の比率は8質量%以上である。
本開示において「顆粒」とは複合粒子の集合体を示す。複合粒子は、それぞれ正極活物質および導電材を含む。顆粒は、正極活物質および導電材を含む粉体混合物が造粒されることにより調製される。顆粒は、正極合材層の前駆体である。すなわち第1層は、第1顆粒が層状に成形されることにより形成される。第2層は、第2顆粒が層状に成形されることにより形成される。
本開示の正極では、集電体の表面に、正極活物質の比率が低く、かつ導電材の比率が高い第1層(下層)が配置される。第1層の表面には、正極活物質の比率が高く、かつ導電材の比率が低い第2層(上層)が配置される。これにより、集電体から正極合材層の表面に向かう方向において、電子伝導が活発になり、大電流通電時の出力が向上すると考えられる。
ただし、第2層における第2導電材の比率は8質量%以上であることを要する。第2層における第2導電材の比率が8質量%未満であると、第1層から第2層への電子伝導が不活発になり、所望の出力が得られない可能性がある。
なお従来、正極合材層の前駆体としてはペーストが普及している。「ペースト」とは、正極活物質および導電材が溶媒中に分散されることにより調製される分散液である。ペーストによっては、本開示の構成を実現できないと考えられる。ペーストでは、2層構造が形成される際、第1層と第2層とが混ざり合い、第1層および第2層が狙いの組成を維持できないと考えられる。ペーストは多量の溶媒を含むため、正極合材層に溶媒が残留する可能性もある。正極合材層に残留した溶媒は、放電反応を阻害する可能性がある。さらにペーストが乾燥される際、溶媒の対流により、バインダが層状に偏在する可能性もある。バインダは抵抗成分であるため、バインダが層状に偏在すると、出力が低下する可能性がある。
図1は、本開示の実施形態に係る正極を示す断面概念図である。 図2は、正極の製造方法の一例を示す概略図である。 図3は、正極合材層全体における正極活物質の平均比率と、出力との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、本開示の発明の範囲は、以下の説明に限定されるべきではない。
<リチウムイオン二次電池>
本実施形態のリチウムイオン二次電池(以下「電池」と略記される場合がある)は、正極、負極および電解液を含む。電池は、典型的にはセパレータをさらに含む。電池は、典型的には、正極、負極、電解液およびセパレータが筐体内に収納されることにより構成される。筐体は、角形(扁平直方体)であってもよいし、円筒形であってもよい。
《正極》
図1は、本実施形態に係る正極を示す断面概念図である。正極100は、集電体1および正極合材層30を含む。集電体1は、たとえば、アルミニウム(Al)箔等でよい。Al箔は、純Al箔であってもよいし、Al合金箔であってもよい。集電体1は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
正極合材層30は、第1層31および第2層32を含む。第1層31は、集電体1の表面に配置されている。第2層32は、第1層31の表面に配置されている。正極合材層30は、たとえば、10〜150μmの厚さを有してもよい。第1層31および第2層32は、実質的に同じ厚さを有してもよいし、互いに異なる厚さを有してもよい。第1層31および第2層32は、たとえば、「第1層31の厚さ:第2層32の厚さ=3:7〜7:3」となる関係を満たしてもよい。
第1層31は、第1顆粒10を含む。第1顆粒10は、第1質量組成で、第1正極活物質11および第1導電材12を含む。第1顆粒10は、典型的には第1バインダ(図示されず)をさらに含む。
第2層32は、第2顆粒20を含む。第2顆粒20は、第2質量組成で、第2正極活物質21および第2導電材22を含む。第2顆粒20は、典型的には第2バインダ(図示されず)をさらに含む。
本実施形態では、第1質量組成における第1正極活物質11の比率が、第2質量組成における第2正極活物質21の比率よりも低い。さらに第1質量組成における第1導電材12の比率が、第2質量組成における第2導電材22の比率よりも高い。これにより、集電体1から正極合材層30の表面に向かう方向において、電子伝導が活発になり、大電流通電時の出力が向上すると考えられる。
(第1質量組成)
第1質量組成における第1正極活物質11の比率は、たとえば、85質量%以上90質量%未満でよい。第1正極活物質11は、特に限定されるべきではない。第1正極活物質11は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiFePO4等のリチウム含有化合物を含み得る。第1正極活物質11は、1種のリチウム含有化合物を含んでもよいし、2種以上のリチウム含有化合物を含んでもよい。リチウム含有化合物は、たとえば、1〜20μmの平均粒径を有してもよい。平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
第1質量組成における第1導電材12の比率は、8質量%よりも高い。第1導電材12の比率は、たとえば、13質量%以下でもよい。第1導電材12は、特に限定されるべきではない。第1導電材12は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等の炭素材料を含み得る。第1導電材12は、1種の炭素材料を単独で含んでもよいし、2種以上の炭素材料を含んでもよい。
第1質量組成における第1バインダの比率は、たとえば、2質量%程度でよい。第1バインダは、特に限定されるべきではない。第1バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)等の高分子化合物を含み得る。第1バインダは、1種の高分子化合物を単独で含んでもよいし、2種以上の高分子化合物を含んでもよい。
(第2質量組成)
第2質量組成における第2正極活物質21の比率は、たとえば、86質量%以上90質量%以下でよい。第2正極活物質21は、前述のリチウム含有化合物を含み得る。第2正極活物質21は、第1正極活物質11と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2質量組成における第2導電材22の比率は、第1質量組成における第1導電材12の比率よりも低く、かつ8質量%以上である。第2導電材の比率が8質量%未満であると、大電流通電時に所望の出力が得られない可能性がある。第2導電材22は、前述の炭素材料を含み得る。第2導電材22は、第1導電材12と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2質量組成における第2バインダの比率は、たとえば、2質量%程度でよい。第2バインダは、前述の高分子化合物を含み得る。第2バインダは、第1バインダと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(正極の製造方法)
正極100は、以下の方法により製造され得る。まず第1顆粒10および第2顆粒20が、それぞれ調製される。第1顆粒10および第2顆粒20は、典型的には攪拌混合造粒により調製され得る。すなわち第1顆粒10は、第1正極活物質11、第1導電材12、第1バインダおよび溶媒が混合されることにより調製され得る。第1正極活物質11、第1導電材12および第1バインダは、前述の第1質量組成を構成するように配合される。
第2顆粒20は、第2正極活物質21、第2導電材22、第2バインダおよび溶媒が混合されることにより調製され得る。第2正極活物質21、第2導電材22および第2バインダは、前述の第2質量組成を構成するように配合される。
攪拌混合造粒は、一般的な攪拌混合装置(たとえばプラネタリミキサ等)により実施され得る。溶媒は、バインダの種類に応じて選択される。たとえば、バインダがPVdFである場合、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が溶媒として使用され得る。溶媒量は、混合物がペーストにならず、顆粒となるように調整される。たとえば、第1顆粒10および第2顆粒20の固形分率は、それぞれ72質量%以上82質量%以下とされてもよい。固形分率は、混合物に含まれる成分のうち、溶媒以外の成分の質量比率を示す。固形分率が過度に低いと、混合物がペーストになる可能性がある。
正極合材層30(すなわち第1層31および第2層32)は、典型的にはロールコータにより形成される。図2は、正極の製造方法の一例を示す概略図である。ロールコータ200は、3本の回転ロールにより構成されている。すなわちロールコータ200は、第1回転ロール201、第2回転ロール202および第3回転ロール203を含む。各回転ロールは、図示されていない駆動装置に接続されている。各回転ロールは、各回転ロールに描かれた曲線矢印の方向に回転駆動する。第2回転ロール202は、たとえば、第1回転ロール201よりも速い周速を有してもよい。第3回転ロール203は、たとえば、第2回転ロール202よりも速い周速を有してもよい。
第1顆粒10は、第1回転ロール201と第2回転ロール202との間のロール隙に供給される。当該ロール隙では、第1顆粒10が層状に成形される。第2回転ロール202は、層状に成形された第1顆粒10を、第2回転ロール202と第3回転ロール203との間のロール隙に供給する。第3回転ロール203は、集電体1を、第2回転ロール202と第3回転ロール203との間のロール隙に供給する。当該ロール隙では、第1顆粒10が集電体1の表面に押し付けられる。これにより第1顆粒10が集電体1の表面に層状に配置される。すなわち、第1顆粒10を含む第1層31が、集電体1の表面に配置される。
同様に、第1回転ロール201と第2回転ロール202との間のロール隙に、第2顆粒20が供給され、第2回転ロール202と第3回転ロール203との間のロール隙に、第1層31が配置された集電体1が供給されることにより、第1層31の表面に第2層32が配置され得る。これにより正極100が製造される。正極100は、たとえば、熱風式乾燥炉等により乾燥されてもよい。正極100は、電池の仕様に合わせて、所定の寸法に圧延、裁断され得る。
《負極》
負極は、典型的には集電体および負極合材層を含む。集電体は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。Cu箔は、純Cu箔であってもよいし、Cu合金箔であってもよい。集電体は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。
負極合材層は、たとえば、10〜150μmの厚さを有してもよい。負極合材層は、95〜99.5質量%の負極活物質、および0.5〜5質量%のバインダを含む。負極活物質は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等を含み得る。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)等を含み得る。
《セパレータ》
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極および負極の間に配置される。セパレータは、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂がセパレータを構成してもよい。PEの多孔質膜が単独でセパレータを構成してもよいし、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜が組み合わされてセパレータを構成してもよい。たとえば、PPの多孔質膜、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜がこの順序で積層されることにより、セパレータが構成されていてもよい。
《電解液》
電解液は、溶媒およびリチウム塩を含む液体電解質である。溶媒は、非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、たとえば「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)」でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、それぞれ1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
リチウム塩は溶媒に溶解している。リチウム塩は支持電解質として機能する。リチウム塩は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22]等でよい。リチウム塩は、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。電解液は、たとえば、0.5〜2.0mоl/lのリチウム塩を含んでもよい。電解液は、溶媒およびリチウム塩の他、各種の機能性添加剤を含み得る。
《リチウムイオン二次電池の用途》
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、大電流通電時に高出力を発揮することが期待される。したがって本実施形態のリチウムイオン二次電池は、大電流通電が必要される用途に好適である。大電流通電が必要とされる用途としては、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)および電気自動車(EV)の動力電源等が挙げられる。ただし、本実施形態のリチウムイオン二次電池の用途は、こうした車載用途に限定されるべきではない。本実施形態のリチウムイオン二次電池は、あらゆる用途に適用可能である。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池の製造>
《実施例1》
以下の材料が準備された。
第1正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32(平均粒径;6μm)
第1導電材:AB(粒状品)
第1バインダ:PVdF
第2正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32(平均粒径;6μm)
第2導電材:AB(粒状品)
第2バインダ:PVdF
溶媒:NMP
集電体:Al箔(厚さ;12μm)
プラネタリミキサにより、第1正極活物質、第1導電材、第1バインダおよび溶媒が混合されることにより、第1顆粒が調製された。第1顆粒の固形分率は77質量%とされた。第1顆粒は、固形分が第1質量組成「第1正極活物質:第1導電材:第1バインダ=85:13:2」を有するように調製された。図2に示されるロールコータにより、第1顆粒が集電体の表面に層状に配置されることにより、第1層が形成された。第1層が乾燥された。第1層は、乾燥後の第1顆粒(固形分)を含む。
同様に第2顆粒が調製された。第2顆粒は、固形分が第2質量組成「第2正極活物質:第2導電材:第2バインダ=90:8:2」を有するように調製された。図2に示されるロールコータにより、第2顆粒が第1層の表面に層状に配置されることにより、第2層が形成された。第2層が乾燥された。第2層は、乾燥後の第2顆粒(固形分)を含む。第1層および第2層により正極合材層が形成された。すなわち正極合材層は、第1層および第2層を含む。
以上より、集電体の両面(表裏両面)に正極合材層を含む正極が製造された。正極は帯状のシートである。正極合材層(片面)の単位面積あたりの質量は、15.4mg/cm2とされた。第2層は、第1層の厚さと実質的に同じ厚さを有する。
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:イオン交換水
集電体:Cu箔
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極ペーストが調製された。負極活物質およびバインダの配合は、質量比で「負極活物質:バインダ=98:2」とされた。負極ペーストが集電体の両面に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層が形成された。負極合材層(片面)の単位面積あたりの質量は、10.2mg/cm2とされた。以上より負極が製造された。負極は帯状のシートである。
帯状のセパレータが準備された。セパレータは、20μmの厚さを有する。セパレータは、PPの多孔質膜、PEの多孔質膜、およびPPの多孔質膜がこの順序で積層されることにより構成されている。セパレータを間に挟んで、正極および負極が互いに対向するように積層され、さらに巻回されることにより、電極群が構成された。
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
リチウム塩:LiPF6(1.0mоl/l)
筐体が準備された。電極群および電解液が筐体に収納された。以上より実施例1に係るリチウムイオン二次電池が製造された。リチウムイオン二次電池は、1Cの電流レートにより4.1Vまで充電され、その後3Cの電流レートにより3.0Vまで放電された。これにより初期容量が測定された。なお「C」は電流レートの単位である。「1C」は、1時間の充電により、充電率(State Of Charge,SOC)が0%から100%に到達する電流レートを示す。
《実施例2および3》
下記表1に示されるように、第1質量組成が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
《比較例1》
顆粒が調製された。この顆粒の固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。この顆粒により、単層の正極合材層が形成された。これらを除いては実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
《比較例2〜10》
下記表1に示されるように、第1質量組成および第2質量組成が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
《比較例11》
第1正極活物質、第1導電材、第1バインダおよび溶媒が混合されることにより、第1正極ペーストが調製された。第1正極ペーストの固形分率は70質量%とされた。第1正極ペーストの固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。第1正極ペーストが集電体の表面に塗布され、乾燥されることにより、単層の正極合材層が形成された。これらを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
《比較例12》
第1正極ペーストが調製された。第1正極ペーストの固形分は、下記表1の「第1質量組成」の欄に示される質量組成を有する。第2正極活物質、第2導電材、第2バインダおよび溶媒が混合されることにより、第2正極ペーストが調製された。第2正極ペーストの固形分率は70質量%とされた。第2正極ペーストの固形分は、下記表1の「第2質量組成」の欄に示される質量組成を有する。
第1正極ペーストが集電体の表面に塗布され、乾燥されることにより第1層が形成された。第2正極ペーストが第1層の表面に塗布され、乾燥されることにより第2層が形成された。これらを除いては、実施例1と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
《比較例13》
下記表1に示されるように、第1質量組成および第2質量組成が変更されることを除いては、比較例12と同じ手順により、リチウムイオン二次電池が製造された。
<評価>
電池のSOCが20%に調整された。−30℃環境下で出力が測定された。結果は、下記表1に示されている。下記表1の「出力」の欄に示される値は、各例の出力が比較例1の出力で除された値である。
<結果>
上記表1に示されるように、以下の(i)〜(iii)の条件を満たす実施例は、同条件を満たさない比較例に比して出力が向上している。(i)〜(iii)の条件が満たされることにより、集電体から正極合材層の表面に向かう方向において、電子伝導が活発になるためと考えられる。
(i)第1質量組成における第1正極活物質の比率が、第2質量組成における第2正極活物質の比率よりも低い。
(ii)第1質量組成における第1導電材の比率が、第2質量組成における第2導電材の比率よりも高い。
(iii)第2質量組成における第2導電材の比率が8質量%以上である。
比較例1〜5は出力が低い。第1層(下層)において導電材の比率が低いために、大電流通電時、集電体からの電子供給が不足するものと考えられる。
比較例6〜8は出力が低い。第2層(上層)において導電材の比率が高いために、大電流通電時、放電反応の律速段階が電解液の拡散となるためと考えられる。
比較例9および10は出力が低い。第2層の導電材の比率が8質量%未満であることにより、第1層から第2層への電子伝導が不活発になるためと考えられる。
比較例11は出力が低い。正極合材層において、ペーストに由来する残留溶媒(NMP)が多くなり、放電反応が阻害されている可能性がある。
比較例12および13は出力が低い。ペーストでは、第1層と第2層とが混ざり合うことにより、第1層および第2層が狙いの組成を維持できないと考えられる。
図3は、正極合材層全体における正極活物質の平均比率と、出力との関係を示すグラフである。実施例では、正極活物質の平均比率の低下(すなわち、導電材の平均比率の上昇)に伴う出力の向上が比較例に比して顕著である。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は、特許請求の範囲に示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 集電体、10 第1顆粒、11 第1正極活物質、12 第1導電材、20 第2顆粒、21 第2正極活物質、22 第2導電材、30 正極合材層、31 第1層、32 第2層、100 正極、200 ロールコータ、201 第1回転ロール、202 第2回転ロール、203 第3回転ロール。

Claims (1)

  1. 正極、負極、および電解液
    を含み、
    前記正極は、集電体および正極合材層を含み、
    前記正極合材層は、第1層および第2層を含み、
    前記第1層は、前記集電体の表面に配置されており、
    前記第2層は、前記第1層の表面に配置されており、
    前記第1層は、第1顆粒を含み、
    前記第1顆粒は、第1質量組成で、第1正極活物質および第1導電材を含み、
    前記第2層は、第2顆粒を含み、
    前記第2顆粒は、第2質量組成で、第2正極活物質および第2導電材を含み、
    前記第1質量組成における前記第1正極活物質の比率は、前記第2質量組成における前記第2正極活物質の比率よりも低く、
    前記第1質量組成における前記第1導電材の比率は、前記第2質量組成における前記第2導電材の比率よりも高く、かつ
    前記第2質量組成における前記第2導電材の比率は、8質量%以上である、
    リチウムイオン二次電池。
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