JP2015084676A - 耐熱性に優れたフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ - Google Patents

耐熱性に優れたフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ Download PDF

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Abstract

【課題】公知の血糖センサ用酵素と比較して、実用面において有利な血糖値測定用試薬に使用可能な酵素を提供する。【解決手段】特定の配列と60%以上の同一性を持つフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおいて、該アミノ酸配列における60位、94位、182位、189位、228位、230位、317位、399位、411位、419位、439位、466位および619位からなる群から選ばれる1つ以上の位置、もしくは、それと同等の位置においてアミノ酸置換を有する、改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼを提供。【選択図】なし

Description

本発明は熱安定性が改良された改変型グルコースデヒドロゲナーゼ(GDHとも表す。)に関し、また、フラビンアデニンジヌクレオチド(FADとも表す。)を補酵素とする改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(FADGDHとも表す。)、前記FADGDHの製造方法、前記FADGDHを用いたグルコース測定方法、グルコースセンサ及びグルコースアッセイキットに関するものである。
血糖自己測定(SMBG:Self−Monitoring of Blood Glucose)は糖尿病患者が自己の血糖値を管理し、治療に活用するために重要である。近年、SMBGのために、電気化学的バイオセンサを用いた簡易型の自己血糖測定器が広く用いられている。バイオセンサは、絶縁性の基板上に電極、酵素反応層を形成したものである。
ここで用いられる酵素としては、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ(GOとも表す。)等が挙げられる。GO(EC 1.1.3.4)を用いた方法は、測定サンプル中の溶存酸素の影響を受けやすく、溶存酸素が測定結果に影響を及ぼすといった問題点が指摘されている。一方でGDHでもピロロキノリンキノン依存型グルコース脱水素酵素(PQQ−GDHとも表す。)(EC 1.1.5.2(旧EC 1.1.99.17))は、溶存酸素の影響を受けないが、マルトースやラクトースといったグルコース以外の糖類にも作用するため正確な血糖値の測定には適していない。
FADGDHは、溶存酸素の影響を受けず、マルトースにもほとんど作用しない。発明者らは、これまでに子嚢菌からのスクリーニングにより、マルトースやキシロースの影響を受けにくいFADGDHを発見している。代表的なものとして、特許文献1記載のムコール・ヒエマリス由来のFADGDHがある。該酵素は、熱安定性が50℃未満であり、改善の余地を残していた。
血糖センサ用チップの作製工程においては、加熱乾燥処理を施す場合があり、GDH溶液を反応層上に蒸発乾固させる工程を踏む。ここで、50℃ないしはそれ以上の温度で加温することにより、蒸発乾固の効率を高め、製造の効率化を図ることが少なくない。かかる加温処理は製造の効率化に有効である一方、一般的にタンパク質は熱による変性が起こることが知られている。従って、十分な熱安定性を有さない酵素は、大幅な熱失活をおこす危険性があり、熱安定性を向上させる必要がある。
また作製後のセンサストリップは、通常においては室温程度の温度で最長2年の保証期間を設ける場合が多い。但し、グルコースセンサを使用する一般ユーザーにおいてはセンサストリップを保管する際に厳密な温度管理を行うことはまれであり、特に夏場において35℃以上、あるいは時に40℃を超える現状を踏まえれば、酵素自身の高い安定性が望まれることは想像に難くない。熱安定性に優れる酵素は、一般にその立体構造が安定であり、過酷な条件での長期保存により適しているといえる。
特開2013−116102
本発明の目的は、上述のような公知の血糖センサ用酵素と比較して、高い耐熱性を付与された、血糖値測定用試薬に使用可能な酵素を提供することである。
発明者らは、特許文献8記載のムコール属由来のFADGDHの熱安定性向上箇所の探索を鋭意実施した結果、55℃15分処理における残存活性が50%以上、即ち、実質活性的な活性損失が生じない酵素の開発に成功した。本発明は、係る研究と改良の結果完成したものであり、代表的な発明は、以下の通りである。
項1
配列番号1に記載の配列と60%以上の同一性を持つフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおいて、配列番号1のアミノ酸配列における60位、94位、182位、189位、228位、230位、317位、399位、411位、419位、439位、466位および619位からなる群から選ばれる1つ以上の位置、もしくは、それと同等の位置においてアミノ酸置換を有する、改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
項2
項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼをコードするDNA。
項3
項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
項4
項3に記載のベクターを含む形質転換体。
項5
項4に記載の形質転換体を培養することを含む、項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼの製造方法。
項6
項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼをグルコースに作用させることを含む、グルコース濃度の測定方法。
項7
項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースアッセイキット。
項8
項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースセンサ。
本発明は、高い基質特異性を有し、十分な熱安定性を有するとともに、好ましくは大腸菌、酵母、力ビ等を宿主細胞とした効率的な生産に適したFADGDHを提供する。
改変型FADGDHの温度安定性を示す図である。 改変型FADGDHの至適温度を示す図である。 改変型FADGDHの至適pHを示す図である。 改変型FADGDHのpH安定性を示す図である。 改変型FADGDHを用いたグルコースセンサのグルコース溶液に対する応答を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.熱安定性が向上した改変型FADGDH
本発明の改変型FADGDHは、配列番号1に記載の配列と60%以上の同一性を持つFADGDHにおいて、配列番号1のアミノ酸配列における60位、94位、182位、189位、228位、230位、317位、399位、411位、419位、439位、466位および619位からなる群から選ばれる1つ以上の位置、もしくは、それと同等の位置においてアミノ酸置換を導入することで取得することができる。
配列番号1で示されるアミノ酸配列とは、Mucor hiemalis f. silvaticus NBRC6754に由来するFADGDHのアミノ酸配列であり、出願人が過去に出願した特許文献8記載の諸特性を有する。
本発明の改変型FADGDHの改変元は、改変後のFADGDHが野生型のFADGDHと比較して熱安定性が改良されている限りにおいて、配列番号1に記載の配列と60%以上(好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上)の同一性を持つFADGDHであれば、特に限定されない。改変元は野生型であっても、すでに何らかの改変が施されたものであってもよい。
また、別の観点から、本発明の改変型FADGDHの改変元のアミノ酸配列は、改変後のFADGDHが野生型のFADGDHと比較して熱安定性が改良されている限りにおいて、配列番号1に示すアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加したアミノ酸配列からなるものであっても良い。
本明細書において、「配列番号1のアミノ酸配列と同等の位置」とは、配列番号1のアミノ酸配列と他のアミノ酸配列を有するGDHとを、アラインさせた場合に、そのアラインメントにおける同一の位置を意味する。
2つのアミノ酸配列をアラインさせた場合のアミノ酸配列の対応関係、およびアミノ酸配列の同一性は、市販の又は電気通信回線(インターネット)を通じて利用可能な解析ツールを用いて算出することができる。本明細書では、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST。(Basic local alignment search tool)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、算出する。
本発明の改変型FADGDHは、配列番号1のアミノ酸配列において60位、94位、182位、189位、228位、230位、317位、399位、411位、419位、439位、466位および619位からなる群の位置に属するアミノ酸のうち、少なくともひとつのアミノ酸置換を有するFADGDHである。
より好ましくは、本発明の改変型FADGDHは、配列番号1のアミノ酸配列において、A60E、E94P、S182A、Q189E、T228V、T230V、D317A、R411M、W419Y、A439S、D466M、A619Sからなる群から選ばれる1つ以上のアミノ酸置換を有する改変型FADGDHである。
本明細書において、あるアミノ酸配列におけるアミノ酸置換は、当該アミノ酸配列上のN末端からの順番を表す数字を、置換前のアミノ酸を示す1文字記号と置換後のアミノ酸を示す1文字記号とで挟むことにより表す。例えば、「A60E」とは、60位のA(Ala)をE(Glu)に置換することをさす。
なお、前記FADGDHを構成するポリペプチドは、シグナルペプチド部分を欠失していてもよい。The Technical University of DenmarkのThe Center for Biological Sequence Analysis(CBS)により提供されているSignalP 4.1(http://www.cbs.dtu.dk/services/signalp/)を用いて、デフォルトの設定での推定によれば、配列番号1に示すアミノ酸配列のうち、1番目から17番目までがシグナル配列と予想される。したがって、この部分を欠失することは酵素特性に不都合な影響をもたらさないと推察される。
1−1.熱安定性
本発明の改変型FADGDHは、野生型のFADGDHと比較して熱安定性が改良されている。
本明細書において、熱安定性は、50mMのリン酸カリウムバッファー(pH6.0)に2U/mlのGDHが含まれる状態で15分間の加温処理をした後も維持される活性で評価される。
本発明のFAD−GDHは、好ましくは55℃で15分加温した際の活性残存率が50%以上であり、さらに好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
また、本発明のFAD−GDHは、好ましくは55℃で30分の加温処理後の活性残存率が35%以上であり、さらに好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上である
さらに、本発明のFAD−GDHは、好ましくは60℃で15分の加温処理後の活性残存率が25%以上であり、さらに好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である
2.改変型GDHの製造法
本発明の改変型FADGDHの製造法は特に限定されないが、例えば、上記の1−1.で示した改変型FADGDHのアミノ酸配列をコードするDNAを組み込んだベクターを含む形質転換体を、栄養培地で培養し、得られた培養液を精製することにより製造することが可能である。
前記の製造方法に関係する、改変型FADGDHのアミノ酸配列をコードするDNA、前記DNAを組み込んだベクター、前記ベクターを含む形質転換体についても、それぞれ本発明の実施態様の一つである。
本明細書において「タンパク質をコードするDNA」とは、それを発現させた場合に当該タンパク質が得られるDNA、即ち、当該タンパク質のアミノ酸配列に対応する塩基配列を有するDNAのことをいう。
本発明のFADGDHを産生させるためのDNAへの変異導入方法としては、例えば置換しようとするアミノ酸残基をコードするコドンに相当する部分を、置換後のアミノ酸をコードするコドンに換えた配列を有するミスマッチプライマーを作製し、このプライマーとDNAポリメラーゼを用いて配列番号1をコードするDNA(たとえば、特許文献8に記載されている配列番号6で示されるDNA)を鋳型に変異が導入された配列を有するDNAを伸長作製する方法が利用される。このような遺伝子の部位特異的改変を行うに際しては、市販の各種サイトダイレクト変異導入キットを使用することも可能であり、例えばTransformerMutagenesis Kit(Clontech社)、 あるいはQuickChange Site Direct Mutagenesis Kit(Stratagene社)などが適用可能であるが、これらに限定されない。
また、本発明のGDH生産に用いるDNAの入手方法としては、化学的にDNA鎖を合成するか、もしくは合成した一部オーバーラップするオリゴDNA短鎖を、PCR法を利用して接続することにより、本発明のGDHの全長をコードするDNAを構築することも可能である。化学合成もしくはPCR法との組み合わせで全長DNAを構築することの利点は、該遺伝子を導入する宿主に合わせて使用コドンを遺伝子全長にわたり設計できる点にある。同一のアミノ酸をコードする複数のコドンは均一に使用されるわけではなく、生物種によってその使用頻度が異なる。一般にある生物種において高発現する遺伝子に含まれるコドンは、その生物種において使用頻度の高いコドンを多く含んでおり、逆に発現量の低い遺伝子は使用頻度の低いコドンの存在がボトルネックとなって高発現を妨げている例が少なくない。異種遺伝子の発現に際し、その遺伝子配列を宿主生物において使用頻度の高いコドンに置換することで該異種タンパク質発現量が増大した例はこれまでに多数報告されており、このような使用コドンの改変は異種遺伝子発現量の増大に効果があると期待される。
上記の理由から、本発明のGDHをコードするDNAは、それが導入される宿主細胞により適したコドン(即ち、該宿主において使用頻度の高いコドン)に改変することが望ましい。各宿主のコドン使用頻度は、該宿主生物のゲノム配列上に存在する全遺伝子における各コドンの使用される割合で定義され、たとえば1000コドンあたりの使用回数で表される。またコドン使用頻度は、その全ゲノム配列の解明されていない生物にあっては代表的な複数遺伝子の配列から近似的に算出することも可能である。組換えようとする宿主生物におけるコドン使用頻度のデータは、例えば(財)かずさDNA研究所のホームページ(http://www.kazusa.or.jp)に公開されている遺伝暗号使用頻度データベースを用いることができ、または各生物におけるコドン使用頻度を記した文献を参照してもよく、あるいは使用する宿主生物のコドン使用頻度データを自ら決定してもよい。入手したデータと導入しようとする遺伝子配列を参照し、遺伝子配列に用いられているコドンの中で宿主生物において使用頻度の低いものを、同一のアミノ酸をコードし使用頻度の高いコドンに置換すればよい。このような使用頻度の高いコドンとしては、例えば宿主が大腸菌K12株である場合にあっては、GlyにはGGTまたはGGC、GluにはGAA、AspにはGAT、ValにはGTG、AlaにはGCG、ArgにはCGTまたはCGC、SerにはAGC、LysにはAAA、IleにはATTまたはATC、ThrにはACC、LeuにはCTG、GlnにはCAG、ProにはCCGなどが挙げられる。
作製された改変型FADGDHの遺伝情報を有するDNAは、ベクターと連結された状
態にて宿主微生物に移入され、改変型FADGDHを生産する形質転換体となる。
ベクターの種類は、宿主細胞の種類を考慮して適当なベクターが選択される。ベクターの具体例としては、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター(アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター等)等を挙げることができる。また、糸状菌を宿主とする場合に適したベクターや、セルフクローニングに適したベクターを使用することも可能である。
大腸菌を宿主とする場合は、例えば、M13ファージ又はその改変体、λファージ又はその改変体、pBR322又はその改変体(pB325、pAT153、pUC8など)など)を使用することができる。酵母を宿主とする場合は、pYepSec1、pMFa、pYES2等を使用することができる。昆虫細胞を宿主とする場合は、例えば、pAc、pVL等が使用でき、哺乳類細胞を宿主とする場合は、例えば、pCDM8、pMT2PC等を使用することができるが、これらに限定される訳ではない。
DNAのベクターへの挿入、選択マーカー遺伝子の挿入(必要な場合)、プロモーターの挿入(必要な場合)等は標準的な組換えDNA技術を用いて行うことができる。
本酵素をコードするDNAの宿主への導入手段は特に制限されないが、例えば、上記ベクターに組み込まれた状態で宿主に導入される。宿主細胞は、本発明のDNAを発現してFADGDHを生産することが可能である限り、特に制限されない。具体的には、大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、カビ、昆虫細胞、植物培養細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞等を使用することができる。
宿主が原核細胞の場合は、エシェリヒア属、バチルス属、ブレビバチルス属、コリネバクテリウム属などが例として挙げられ、それぞれ、エシェリヒア・コリC600、エシェリヒア・コリHB101、エシェリヒア・コリDH5α、バチルス・サブチリス、ブレビバチルス・チョウシネンシス、コリネバクテリウム・グルタミカムなどが例として挙げられる。また、ベクターとしてはpBR322、pUC19、pBluescriptなどが例として挙げられる。
宿主が酵母の場合は、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属、キャンデイダ属、ピキア属、クリプトコッカス属などが例として挙げられ、それぞれ、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、キャンデイダ・ウチリス、ピキア・パストリス、クリプトコッカス・エスピーなどが例として挙げられる。ベクターとしてはpAUR101、pAUR224、pYE32などが挙げられる。
宿主が糸状菌細胞である場合は、アスペルギルス属、トリコデルマ属、ムコール属などが例として挙げられ、それぞれ、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガー、トリコデルマ・レセイ、ムコール・ヒエマリス等を例示することができる。
本発明においては、FADGDHが単離されたムコール属に帰属する微生物を宿主とすることも好ましい。即ち、形質転換体では、通常、外来性のDNAが宿主細胞中に存在するが、DNAが由来する微生物を宿主とするいわゆるセルフクローニングによって得られる形質転換体も好適な実施形態である。
形質転換体は、好ましくは、上記の発現ベクターを用いたトランスフェクション乃至はトランスフォーメーションによって調製される。形質転換は、一過性であっても安定的な形質転換であってもよい。トランスフェクション及びトランスフォーメーションはリン酸カルシウム共沈降法、エレクトロポーレーション、リポフェクション、マイクロインジェクション、Hanahanの方法、酢酸リチウム法、プロトプラスト−ポリエチレングリコール法、等を利用して実施することができる。
こうして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量の改変型FADGDHを安定して生産し得る。形質転換体である宿主微生物の培養形態は宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよく、通常多くの場合は液体培養で行うが、工業的には通気攪拌培養を行うのが有利である。培養方法及び培養条件は、本発明のFADGDHが生産される限り特に限定されない。即ち、FADGDHが生産されることを条件として、使用する微生物の生育に適合した方法及び条件を適宜設定できる。以下に、培養条件として、培地、培養温度、及び培養時間を例示する。
培地としては、使用する微生物が生育可能な培地であれば、特に制限されない。例えば、グルコース、シュクロース、ゲンチオビオース、可溶性デンプン、グリセリン、デキストリン、糖蜜、有機酸等の炭素源、更に硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、あるいは、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、ふすま、肉エキス等の窒素源、更にカリウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩、マンガン塩、鉄塩、亜鉛塩等の無機塩を添加したものを用いることができる。使用する微生物の生育を促進するためにビタミン、アミノ酸などを培地に添加してもよい。
培地のpHは、培養する微生物の生育に適していればよく、例えば約3〜8、好ましくは約5〜7程度に調整し、培養温度は通常約10〜50℃、好ましくは約25〜35℃程度で、1〜15日間、好ましくは3〜7日間程度好気的条件下で培養する。培養法としては例えば振盪培養法、ジャー・ファーメンターによる好気的深部培養法が利用できる。
上記のような条件で培養した後、培養液又は菌体よりFADGDHを回収することが好ましい。FADGDHを菌体外に分泌する微生物を用いる場合は、例えば培養上清をろ過、遠心処理等することによって不溶物を除去した後、限外ろ過膜による濃縮、硫安沈殿等の塩析、透析、各種クロマトグラフィーなどを適宜組み合わせて分離、精製を行うことにより本酵素を得ることができる。
他方、菌体内から回収する場合には、例えば菌体を加圧処理、超音波処理、機械的手法、又はリゾチーム等の酵素を利用した手法等によって破砕した後、必要に応じて、EDTA等のキレート剤及び界面活性剤を添加してFADGDHを可溶化し、水溶液として分離採取し、分離、精製を行うことにより本酵素を得ることができる。ろ過、遠心処理などによって予め培養液から菌体を回収した後、上記一連の工程(菌体の破砕、分離、精製)を行ってもよい。
精製は、例えば、減圧濃縮、膜濃縮、さらに硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈殿法により沈殿処理、加熱処理や等電点処理、吸着剤あるいはゲルろ過剤などによるゲルろ過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等を適宜組み合わせて実施することができる。
カラムクロマトグラフィーを用いる場合は、例えば、セファデックス(Sephadex)ゲル(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)などによるゲルろ過、DEAEセファロースCL−6B(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)、オクチルセファロースCL−6B(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)等を用いることができる。該精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的に単一のバンドを示す程度に純化されていることが好ましい。
なお、培養液からのグルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質の採取(抽出、精製など)にあたっては、グルコース脱水素酵素活性、マルトース作用性、熱安定性などのうちいずれか1つ以上を指標に行ってもよい。
各精製工程では原則としてGDH活性を指標として分画を行い、次のステップへと進む。但し、予備試験などによって、適切な条件を予め設定可能な場合にはこの限りでない。
3.グルコースの測定方法等
本発明の別の実施形態は、上記の特性を有する本発明のFADGDHの用途である。用途としては、グルコースの測定方法が例示でき、血糖値の測定や食品(調味料や飲料など)中のグルコース濃度の測定などに好適に利用できる。
また、本発明のさらに別の実施形態は、グルコースアッセイキットやグルコースセンサなど、上記の特性を有する本発明のFADGDHを含む、グルコースを測定するための種々のプロダクトである。なお、本明細書において「プロダクト」とは、使用者が或る用途を実行する目的で用いる1セットのうち一部または全部を構成する製品であって、本発明のFADGDHを含むものを意味する。
FADGDHを用いたグルコースの測定方法は既に当該技術分野において確立されている。よって、公知の方法に従い、本発明のFADGDHを用いて、各種試料中のグルコースの量又は濃度を測定することができる。本発明のFADGDHを用いてグルコースの濃度又は量が測定可能である限り、その態様は特に制限されない。
3−1.グルコースアッセイキット
本発明のグルコースアッセイキットは、本発明に従う改変型FADGDHを少なくとも1回のアッセイに十分な量で含む。典型的には、本発明のGDH、緩衝液、メディエーターなど測定に必要な試薬、キャリブレーションカーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用の指針を含む。本発明のキットは、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適切な保存溶液中の溶液として提供することができる。また、GDHを含む試薬中には、安定化剤及び/又は活性化剤としてウシ血清アルブミン、セリシン等のタンパク質、TritonX−100、Tween20、コール酸塩、デオキシコール酸塩などの界面活性剤、グリシン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシルグリシン等のアミノ酸、トレハロース、イノシトール、ソルビトール、キシリトール、グリセロール、スクロース等の糖及び/又は糖アルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類、さらにはプルラン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリグルタミン酸などの親水性ポリマーを適宜添加してもよい。
なお、本発明の
3−2.グルコースセンサ
本発明に従う改変型FADGDHを用いるグルコースセンサは、電極としては、カーボン電極、金電極、白金電極などを用い、この電極上に本発明の酵素を固定化する。固定化方法としては、架橋試薬を用いる方法、高分子マトリックス中に封入する方法、透析膜で被覆する方法、光架橋性ポリマー、導電性ポリマー、酸化還元ポリマーなどを用いる方法があり、NADもしくはNADPといった補酵素、あるいはフェロセンあるいはその誘導体に代表される電子メディエーターとともにポリマー中に固定あるいは電極上に吸着固定してもよく、またこれらを組み合わせて用いてもよい。本発明のFADGDHは、熱安定性に優れるため、比較的高温度(例えば、50℃や55℃)の条件下で固定化を実施することができる。典型的には、グルタルアルデヒドを用いて本発明のFADGDHをカーボン電極上に固定化した後、アミン基を有する試薬で処理してグルタルアルデヒドをブロッキングすることができる。使用する電子メディエーターとしては、GDHの補酵素であるFADから電子を受け取り、発色物質や電極に電子を供与しうるものが挙げられ、たとえばフェリシアン化物塩、フェナジンエトサルフェート、フェナジンメトサルフェート、フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルフェニレンジアミン、1−メトキシ−フェナジンメトサルフェート、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、ニトロソアニリン、フェロセン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体等が例示されるが、これらに限定されない。また、電極上のGDH組成物中には、安定化剤及び/又は活性化剤としてウシ血清アルブミン、セリシン等のタンパク質、TritonX−100、Tween20、コール酸塩、デオキシコール酸塩などの界面活性剤、グリシン、セリン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギン、グリシルグリシン等のアミノ酸、トレハロース、イノシトール、ソルビトール、キシリトール、グリセロール、スクロース等の糖及び/又は糖アルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類、さらにはプルラン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリグルタミン酸などの親水性ポリマーを含んでもよい。
グルコース濃度の測定は、以下のようにして行うことができる。恒温セルに緩衝液、GDH、メディエーターとして2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)を含む反応液を入れ、一定温度に維持する。そこにグルコースを含む試料を加え、一定温度で一定時間反応させる。この間、600nmにおける吸光度の減少をモニタリングすることでグルコースの定量が可能である。また、メディエーターとしてphenazine methosulfate (PMS)を、さらに発色試薬としてnitrotetrazorium blue (NTB)を加え、570nm吸光度を測定することにより生成するジホルマザンの量を決定し、グルコース濃度を算出することが可能である。いうまでもなく使用するメディエーターおよび発色試薬はこれらに限定されない。
またグルコース濃度の測定は、以下のようにしても行うことができる。恒温セルに緩衝液を入れ、GDH、および必要に応じてメディエーターを加えて一定温度に維持する。メディエーターとしては、フェリシアン化カリウム、フェナジンメトサルフェートなどを用いることができる。作用電極として本発明のGDHを固定化した電極を用い、対極(例えば白金電極)および参照電極(例えばAg/AgCl電極)を用いる。カーボン電極に一定の電圧を印加して、電流が定常になった後、グルコースを含む試料を加えて電流の増加を測定する。標準濃度のグルコース溶液により作製したキャリブレーションカーブに従い、試料中のグルコース濃度を計算することができる。
4.グルコース脱水素酵素活性測定法
グルコース脱水素酵素(GDH)とは、電子受容体存在下でグルコースの水酸基を酸化してグルコノ−δ−ラクトンを生成する反応を触媒する理化学的性質を有する酵素である。本書においては、この理化学的性質をグルコースデヒドロゲナーゼ活性といい、特に断りが無い限り、「酵素活性」又は「活性」とは、当該酵素活性を意味する。前記電子受容体は、GDHが触媒する反応において、電子の授受を担うことが可能である限り特に制限されないが、例えば、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)、フェナジンメトサルフェート(PMS)、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムメチルサルフェート、及びフェリシアン化合物等を使用することができる。
グルコースデヒドロゲナーゼ活性の測定方法としては、種々の方法が知られているが、本書では、DCPIPを電子受容体として用い、反応前後における600nmの波長における試料の吸光度の変化を指標に活性を測定する方法を適用する。具体的な試薬組成や測定条件は、特にことわらない限り下記のとおりである。
<試薬>
0.3M D−グルコースを含む150mM リン酸緩衝液pH6.5(0.1% Triton X−100を含む)
1.64mM 2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)溶液
上記D−グルコースを含むリン酸緩衝液20mL、DCPIP溶液10mL、を混合して反応試薬とする。
<測定条件>
反応試薬3mLを37℃で5分間予備加温する。GDH溶液0.1mLを添加しゆるやかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、600nmの吸光度変化を5分記録し、直線部分から(即ち、反応速度が一定になってから)1分間あたりの吸光度変化(ΔODTEST)を測定する。盲検はGDH溶液の代わりにGDHを溶解する溶媒を試薬混液に加えて同様に1分間あたりの吸光度変化(ΔODBLANK)を測定する。これらの値から次の式に従ってGDH活性を求める。ここでGDH活性における1単位(U)とは、濃度1MのD−グルコース存在下で1分間に1マイクロモルのDCPIPを還元する酵素量である。

活性(U/mL)=
{−(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.1×希釈倍率}/{16.3×0.1×1.0}

なお、式中の3.1は反応試薬+酵素溶液の液量(mL)、16.3は本活性測定条件におけるミリモル分子吸光係数(cm/マイクロモル)、0.1は酵素溶液の液量(mL)、1.0はセルの光路長(cm)を示す。本書においては、別段の表示しない限り、酵素活性は上記の測定方法に従って、測定される。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1 サッカロマイセスを宿主としたFADGDHランダム変異ライブラリーの構築
特許文献8の実施例には、pYESMh6754の記載がある。該プラスミドを用いて、エラープローンPCRにより、FADGDH遺伝子へのランダム変異の導入を実施した。pYESMh6754上にはFADGDH遺伝子を挟んで、GAL1プロモーターとCYC1ターミネーターが配置されている。GAL1プロモーターとCYC1ターミネーターに相補的に結合可能な、ユニバーサルプライマーを用い、Diversify PCR Random Mutagenesis Kit(Clontech社)を用い、当製品に添付のプロトコールに従ってランダム変異の導入を実施した。これにより、一定の割合で変異が導入されたFADGDH遺伝子を含むDNA断片を取得した。
次に、取得した一定の割合で変異が導入されたFADGDH遺伝子を含むDNA断片を、制限酵素KpnI及び、NotIにて処理し、同じく制限酵素KpnI及びNotIで処理したベクターpYES3(インビトロジェン社)と混合し、混合液と等量のライゲーション試薬(東洋紡製ラーゲーションハイ)を加えてインキュベーションすることにより、ライゲーションを実施した。このように、ライゲーションしたDNAをエシェリヒア・コリDH5α株コンピテントセル(東洋紡績製コンピテントハイDH5α)に当製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドを抽出し、プラスミド内に挿入されたFADGDH遺伝子内に一定の割合で変異が導入されたランダム変異プラスミドライブラリーを得た。
続いて、サッカロミセス・セレビシエINVSc1(インビトロジェン社)へ、ランダム変異プラスミドライブラリーの形質転換を行った。生育したコロニー約2000株をサッカロマイセスを宿主としたFADGDHランダム変異ライブラリーとした。
実施例2 熱安定性に優れたFADGDHの探索
実施例2で構築したサッカロマイセスを宿主としたFADGDHランダム変異ライブラリーを、ScreenMates(マトリックス・テクノロジー社)の各培養セルに分注した、3% 酵母エキス、1% ポリペプトン、3% ガラクトースを含む培地に植菌し、25℃にて60時間の振とう培養を行った。次に、得られた培養液を、2000rpmにて15分間遠心し培養上清を得た。得られた培養上清を粗酵素液として、55℃30分の加温を行い、上記1−5.に示したFADGDH活性測定方法を用いてGDH活性を測定し、処理前のGDH活性と比較して残存率を測定した。
その結果、変異処理を行わないpYESMh6754を含む形質転換体より得られたFADGDH(以下、野生型)と比較して耐熱性が向上した本発明のGDHを13種類取得した。これら13種類のプラスミドをそれぞれpYESMh6754―M1、pYESMh6754―M2、pYESMh6754―M3、pYESMh6754―M4、pYESMh6754―M5、pYESMh6754―M6、pYESMh6754―M7、pYESMh6754―M8、pYESMh6754―M9、pYESMh6754―M10、pYESMh6754―M11、pYESMh6754―M12、pYESMh6754―M13と命名し、それぞれのプラスミド中のFADGDH配列を、マルチキャビラリ一D N A 解析システムABI3700(アプライドバイオシステム社)を用いて決定した。
その結果、pYESMh6754―M1ではA60E、pYESMh6754―M2ではE94P、pYESMh6754―M3ではS182A、pYESMh6754―M4ではQ189E、pYESMh6754―M5ではT228V、pYESMh6754―M6ではR230V、pYESMh6754―M7ではD317A、pYESMh6754―M8ではG399N、pYESMh6754―M9ではR411M、pYESMh6754―M10ではW419Y、pYESMh6754―M11ではA439S、pYESMh6754―M12ではD466M、pYESMh6754―M13ではA619Sにアミノ酸が置換されていた。結果を表に示す。
実施例3 変異の蓄積によるさらなる熱安定性の向上
S182Aの変異が導入されたpYESMh6754―M3のプラスミドを鋳型として、399番目のGlyをAsnに置換するよう設計した配列番号2、3の合成オリゴヌクレオチドを基に、KOD−Plus−(東洋紡社)を用いて、当製品に添付のプロトコールに従ってPCR反応を行った。次に、得られた反応液を、エシェリヒア・コリDH5α株コンピテントセル(東洋紡績製コンピテントハイDH5α)に製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドpYESMh6754―M14を抽出した。次に、得られたプラスミドpYESMh6754―M14を鋳型として、439番目のAlaをSerに置換するよう設計した配列番号4、5の合成オリゴヌクレオチドを基に、KOD−Plus−(東洋紡社)を用いて、当製品に添付のプロトコールに従ってPCR反応を行った。次に、得られた反応液を、エシェリヒア・コリDH5α株コンピテントセル(東洋紡績製コンピテントハイDH5α)に当製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドpYESMh6754―M15を抽出した。
また、S182Aの変異が導入されたpYESMh6754―M3のプラスミドを鋳型として、439番目のAlaをSerに置換するよう設計した配列番号6、7の合成オリゴヌクレオチドを基に、KOD−Plus−(東洋紡社)を用いて、当製品に添付のプロトコールに従ってPCR反応を行った。次に、得られた反応液を、エシェリヒア・コリDH5α株コンピテントセル(東洋紡績製コンピテントハイDH5α)に当製品に添付のプロトコールに従ってそれぞれ形質転換し、該形質転換体を取得した。該形質転換体をLB培地で培養し、プラスミドpYESMh6754―M16を抽出した。
上記手順により得られた、pYESMh6754―M13、pYESMh6754―M14、pYESMh6754―M15をサッカロミセス・セレビシエINVSc1(インビトロジェン社)へ形質転換を行った。次に、得られた形質転換体を、3% 酵母エキス、1% ポリペプトン、3% ガラクトースを含む培地で25℃にて60時間培養し、培養液を12000rpmにて5分間遠心することで培養上清を得た。次に、得られた培養上清を、分画分子量10,000の中空糸膜(スペクトラムラボラトリーズ製)を用いて濃縮し、濃縮液に50mMリン酸緩衝液(pH6.0)を加えるという工程を繰り返し、低分子を取り除いた。その後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したDEAEセファロースFast Flow(GEヘルスケア製)カラムにかけ、夾雑タンパクのみを吸着させ、得られた溶出液を粗精製液とした。得られた粗精製液に対して、55℃15分、55℃30分、60℃15分の加温をそれぞれ行い、上記1−5.に示したFADGDH活性測定方法を用いてGDH活性を測定し、処理前のGDH活性と比較して残存率を測定した。
その結果、変異の蓄積による熱安定性の向上が確認された。結果を表2に示す。
実施例4 熱安定性の向上した変異型FADGDHの精製
実施例3で最も耐熱性が向上した変異体であるpYESMh6754―M15が組み込まれたサッカロミセス・セレビシエINVSc1(インビトロジェン社)をトリプトファン要求培地を用いて、25℃20時間の培養を行い、種培養液とした。
次に、6.0Lの生産培地(ガラクトース3.0%、イーストイクストラクト3.0%、ペプトン1.0%、pH5.5)を10L容ジャーファーメンターに入れ、オートクレーブで滅菌し、本培養培地とした。50mLの種培養液を本培養培地に植菌し、培養温度25℃、攪拌速度380rpm、通気量2.0L/分、管内圧0.2MPaの条件で3日間培養した。その後、培養液を4500rpmにて遠心分離し、その上清を分画分子量30,000のUF膜(ミリポア(株))を用いて濃縮し、濃縮液に50mMリン酸緩衝液(pH6.0)を加えるという工程を繰り返し、低分子を取り除いた。
その後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したDEAEセファロースFast Flow(GEヘルスケア社)カラムにかけ、夾雑タンパクのみを吸着させた。その後、溶出液をCMセファロースFast Flow(GEヘルスケア社)カラムにかけタンパク質を吸着させた後、0.5M塩化ナトリウム 50mMリン酸緩衝液(pH6.0)のリニアグラジエントで溶出させた。さらに、溶出されたGDH画分を分画分子量10,000の中空糸膜(スペクトラムラボラトリーズ社)で濃縮後、Superdex S−200(GEヘルスケア社)カラムにかけ、精製酵素を得た。
ここで得られた精製酵素を改変型FADGDHと呼ぶ。
実施例5 改変型FADGDHの温度安定性
実施例4で得られた改変型FADGDH酵素液(2U/mL)を用いて、温度安定性を調べた。50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)を用いて、改変型FADGDH酵素液を各温度(4℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃)で15分間処理した後、上記1−5.に示したFADGDH活性測定方法を用いてGDH活性を測定し、処理前のGDH活性と比較して残存率を測定した。結果を図1に示す。
その結果、改変型FADGDHは、4℃〜55℃の範囲の温度での処理後、95%以上の残存率を有していた。以上のことから、改変型FADGDHは、55℃までの加温処理で実質的な失活が起こらないことが確認された。
実施例6 改変型FADGDHの至適活性温度
実施例4で得られた改変型FADGDH酵素液(2.5μg/mL)を用いて、至適活性温度を調べた。30℃、37℃、40℃、45℃、52℃、60℃におけるGDH活性を求めた。結果を図2に示す。
その結果、改変型FADGDHは、60℃において最も高い活性値を示した。以上のことから、改変型FADGDHの至適活性温度は60℃以上に至適活性をもつことが示された。
実施例8 至適活性pH
実施例5で得られた改変型FADGDH酵素液(0.5U/mL)を用いて、至適pHを調べた。100mM酢酸カリウム緩衝液(pH5.0−5.5、図中■印でプロット)100mM MES−NaOH緩衝液(pH5.5−6.5、図1中□印でプロット)、100mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.3−7.7、図1中▲でプロット)、100mMTris−HCl緩衝液(pH7.0−8.9、図中△印でプロット)を用い、それぞれのpHにおいて、温度37℃にて酵素反応を行い、相対活性を比較した。結果を図3に示す。
その結果、改変型FADGDHの至適活性pHは、リン酸カリウム緩衝液を使用した場合のpH6.3において最も高い活性値を示した。また、pH6.3〜6.5の範囲で、pH6.3における活性を100%とした場合と比較して90%以上の相対活性を示した。以上のことから、改変型FADGDHの至適活性pHはpH6.3〜6.5であることが示された。
実施例9 pH安定性
実施例5で得られた改変型FADGDH酵素液(2U/mL)を用いて、pH安定性を調べた。100mMGlycine−NaOH緩衝液(pH2.5−3.5、図中■でプロット)、100mM 酢酸カリウム緩衝液(pH3.5−pH5.5:図3中□印でプロット)、100mM MES−NaOH緩衝液(pH5.5−pH6.5:図3中▲印でプロット)、100mM リン酸カリウム緩衝液(pH6.0−pH8.0:図3中△印でプロット)、100mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5−pH9.0:図3中●印でプロット)、100mM Glycine−NaOH緩衝液(pH9.0−pH10.5:図3中○印でプロット)を用い、25℃、16時間、各緩衝液中で酵素を維持した後のグルコースを基質とした場合の活性を測定した。処理後の活性値と処理前の活性値を比較し、残存活性率を求めた。結果を図3に示す。
その結果、改変型FADGDHは、pH3.5〜pH10.3の範囲で90%以上の活性残存率を示した。以上のことから、改変型FADGDHの安定pH域はpH3.5〜pH10.3であることが示された。
実施例10 基質特異性
上記1−5.に示したFADGDHの活性測定法に従い、D−グルコース、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースを基質とした場合の活性を測定した。D−グルコースを基質とした場合の活性を100%とし、それと比較した他の糖に対する活性を求めた。各糖の濃度は200mMとした。結果を表2に示す。なお、酵素濃度については、グルコースに対しては最終濃度2.7μg/mL、それ以外の糖については、最終濃度0.9mg/mLの濃度で反応を行った。結果を表3に示す。
表3の結果から、本発明のFADGDHの基質特異性は、D−グルコースに対する活性値を100%とした場合、マルトース、D−ガラクトース、D−キシロースに対する見かけの活性は、いずれも1%以下であり、本発明のFADGDHは基質特異性に優れていることが示された。
実施例11 グルコースセンサ
絶縁性基板に作用電極、対向電極、および参照電極を配した電極センサを、有限会社バイオデバイステクノロジー社(石川県能美市)より入手した。本電極センサは、4.0mm×17mmの基板に電極が印刷されている。このセンサの作用電極(面積約1.3mm2)上に試薬層となる水溶液を3μL分注した。試薬層となる水溶液には、下記の組成が含まれる。
・FAD−GDH
・200mM フェリシアン化カリウム
・50mM リン酸カリウムバッファー (pH7.0)
ここで、FAD−GDHとしては、実施例4で精製した改変型FADGDHを用いた。これを50℃で15分加温することにより乾燥させ、グルコースセンサチップとした。
続いて、濃度10mM、20mM、35mMのグルコース溶液を作製した。ポテンショスタットに接続した上記チップに、これら試料溶液15μLをマイクロピペットで滴下し、滴下から35秒後に+300mVの電圧を印加、電流値を測定した。図5にはそれぞれの濃度のグルコース濃度における電流応答値の結果を示す。
その結果、少なくとも10mM〜35mMのグルコース濃度において、本発明のグルコースセンサは濃度依存的な電流応答値の上昇が見られる。
実施例12 グルコースセンサ上での他の糖類の影響の確認
実施例11で用いたものと同じ電極センサを用いて、下記組成からなる水溶液3μLから実施例11と同様の要領でグルコースセンサチップを作製した。
・FADGDH(実施例6で精製したもの)
・200mM フェリシアン化カリウム
・50mM リン酸カリウムバッファー (pH7.0)
上記のように作製したチップをそれぞれポテンショスタットに接続し、電極上に15μLのグルコース溶液(濃度10mM)をマイクロピペットを用いて滴下し、滴下から35秒後に+300mVの電圧を印加、電流値を測定した。つづいて濃度10mMのグルコースと、さらに濃度20mMマルトース・ガラクトース・キシロースのうちいずれか一種類の糖を含む液を作製し、同様に反応させた。表3に、グルコースのみを含む液を用いた場合と、グルコースにさらに他の糖を加えた液を用いた場合との応答シグナルを比較した結果を示す。なお、表3中の数値は、他の糖を加えない場合の電気化学シグナルの強度を100とした場合の相対値として示す。
その結果改変型FADGDHを用いたセンサにおいては、マルトース・ガラクトース・キシロースの共存によるシグナル値の増大はみられなかった。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報等の内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
本発明のFADGDHは熱安定性に優れ、グルコースセンサ作成時の酵素失活を抑えることができると共に、グルコース量をより正確に測定することを可能にする。従って本発明のFADGDHは血糖測定などに好適といえる。

Claims (8)

  1. 配列番号1に記載の配列と60%以上の同一性を持つフラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼにおいて、配列番号1のアミノ酸配列における60位、94位、182位、189位、228位、230位、317位、399位、411位、419位、439位、466位および619位からなる群から選ばれる1つ以上の位置、もしくは、それと同等の位置においてアミノ酸置換を有する、改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼ。
  2. 請求項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼをコードするDNA。
  3. 請求項2に記載のDNAを組み込んだベクター。
  4. 請求項3に記載のベクターを含む形質転換体。
  5. 請求項4に記載の形質転換体を培養することを含む、請求項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼの製造方法。
  6. 請求項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼをグルコースに作用させることを含む、グルコース濃度の測定方法。
  7. 請求項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースアッセイキット。
  8. 請求項1に記載の改変型フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼを含むグルコースセンサ。
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