JP2015065153A - 電気化学素子用セパレータ、電気化学素子用セパレータの製造方法及び電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ、電気化学素子用セパレータの製造方法及び電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】機械強度が強く、加工性に優れた電気化学素子用セパレータと、それを用いてなる電気化学素子を提供する。【解決手段】平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータ。また、前記電気化学素子用セパレータを、電気化学素子に用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記する場合がある)及びそれを用いてなる電気化学素子に関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する電気化学素子が望まれている。この種の電気化学素子として、有機電解液(非水電解液)を使用するリチウムイオン二次電池が注目されてきた。このリチウムイオン二次電池の平均電圧は、アルカリ二次電池の約3倍の3.7Vであり、高エネルギー密度となるが、アルカリ二次電池のように水系の電解液を用いることができないため、十分な耐酸化還元性を有する非水電解液を用いている。
また、別の電気化学素子の1種であるキャパシタは、大きな電気容量を持つとともに、充放電の繰り返しに対する安定性が高いため、車輌や電気機器に使用される給電源等の用途に広く使用されつつある。
上述の電気化学素子用のセパレータとしては、例えば、リチウムイオン二次電池用セパレータとして、ポリオレフィンからなるフィルム状の多孔質フィルムが多く使用されているが(例えば、特許文献1参照)、電解液の保液性が低いため、イオン伝導性が低く、内部抵抗が高くなる問題があった。
さらに、リチウムイオン二次電池用セパレータとして、合成繊維からなる不織布セパレータ(例えば、特許文献2〜4参照)についても提案されているが、これらのセパレータは電解液の保液性が低く、内部抵抗が高くなる問題や、セパレータの緻密性が不十分であるため、内部短絡不良率が高くなる、高レート特性や放電特性及びそのバラツキに劣るといった問題があった。
また、リチウムイオン二次電池用セパレータとして、フィブリル化耐熱性繊維、フィブリル化セルロース、非フィブリル化繊維からなるセパレータやフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維、合成繊維からなるセパレータが提案されているが(例えば、特許文献5及び6参照)、これらのセパレータでは、セパレータ強度にまだ改善の余地があった。
キャパシタ用セパレータとしては、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維の叩解物を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献7〜9参照)。最近では、キャパシタ用セパレータの薄膜化のために、2層以上の繊維層を積層してなるセパレータ(例えば、特許文献10参照)が提案されているが、合成繊維からなる層と溶剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物からなる層を積層しているため、層間の接着強度が不十分で、層間剥離を起こしやすいという問題があった。
実際に、上記電気化学素子用セパレータを電気化学素子に組み込む際には、セパレータを適宜、裁断加工する必要があるが、セパレータの加工性や切断面の品質が悪い場合、切断面に発生した繊維の毛羽や脱落した繊維が、最終的な電気化学素子の特性を悪化させる場合があった。
特開2002−105235号公報 特開2003−123728号公報 特開2007−317675号公報 特開2006−19191号公報 再公表WO2005/101432号公報 国際公開第2012/8559号パンフレット 特開平5−267103号公報 特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報 特開2010−277800号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、機械強度が強く、加工性に優れた電気化学素子用セパレータと、それを用いてなる電気化学素子を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなることを特徴とする電気化学素子用セパレータ、
(2)平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータを製造する方法において、多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートに、2ニップ以上のウエットプレス処理が施されることを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法、
(3)平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータを製造する方法において、多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートの両面が、一度は、加熱されたシリンダーロールにあたることを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法、
(4)上記(2)又は(3)記載の電気化学素子用セパレータの製造方法によって製造されてなる電気化学素子用セパレータ、
(5)上記(1)又は(4)に記載の電気化学素子用セパレータを用いてなる電気化学素子、
を見出した。
本発明の電気化学素子用セパレータは、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とする多孔質シートからなり、厚み方向の平均内部結合強度が60mJ以上であることで、フィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維同士の結合力が上がり、多孔質シート全体の機械的強度が向上する。また、厚み方向での最低内部結合強度が30mJ以上であることで、セパレータの裁断加工時に切り口からの毛羽の発生や繊維の脱落を抑えることができる。
また、該多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートに、2ニップ以上のウエットプレス処理が施されることによって、厚み方向の平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、厚み方向での最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートが容易に製造される。
また、該多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートの両面が、一度は、加熱されたシリンダーロールにあたることによって、厚み方向の平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、厚み方向での最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートが容易に製造される。
電気化学素子用セパレータの厚み方向での内部結合強度を測定するスキーム図である。
本発明において、溶剤紡糸セルロース繊維とは、従来のビスコースレーヨン(viscose rayon)や銅アンモニアレーヨン(cuprammonium rayon)のように、セルロースを一旦セルロース誘導体に化学的に変換させたのち再度セルロースに戻す、いわゆる再生セルロース繊維と異なり、セルロースを化学的に変化させることなく、アミンオキサイド(amine oxide)に溶解させた紡糸原液を水中に乾湿式紡糸してセルロースを析出させた繊維を指す。溶剤紡糸セルロース繊維は、天然セルロース繊維やバクテリアセルロース繊維、レーヨン繊維に比べ、繊維長軸方向に分子が高度に配列しているため、湿潤状態で摩擦等の機械的な力が加えられると、微細化しやすく、細くて長い微細繊維が生成する。この微細繊維間に電解液を強固に保持するため、天然セルロース繊維、バクテリアセルロース繊維、レーヨン繊維の微細化物に比べ、微細化された溶剤紡糸セルロース繊維は、電解液の保液性に優れ、その結果、電気化学素子の内部抵抗を低くすることができ、特に高レートでの放電特性を優れた電気化学素子が得られる。
本発明では、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維が用いられる。溶剤紡糸セルロース繊維の平均繊維長は、0.60〜1.10mmであることがより好ましく、0.65〜1.05mmであることがさらに好ましい。平均繊維長が1.10mmより長いと、セパレータの緻密性が不十分になり、繊維同士の結合の度合いが低下し、機械的強度が低下する。平均繊維長が0.40mmより短いと、セパレータの製造時において、抄紙機のウエットプレス部で湿紙からの搾水性が悪化する結果、繊維同士の結合の度合いが低下し、繊維の脱落が発生しやすくなる。
本発明の溶剤紡糸セルロース繊維の平均繊維長は、KajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した。本発明における「平均繊維長」とは、屈曲した繊維の両端部の最短の長さ(l)を測定・算出した「長さ加重平均繊維長」である。
平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を作製する方法としては、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等が挙げられる。この中でも特にリファイナーが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいて、主体繊維である平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維の含有量は50〜100質量%である。平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維の含有量は、60〜95質量%がより好ましく、70〜90質量%がさらに好ましい。平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維の含有率が50質量%未満の場合、電解液の保液性が不十分で内部抵抗が高くなったり、セパレータの緻密性が不十分で内部短絡不良率が高くなったりする。また、溶剤紡糸セルロース繊維同士の密着度合いが低下し、セパレータの裁断加工時に切り口からの毛羽の発生や繊維の脱落が発生しやすくなる。
本発明の電気化学素子用セパレータは、平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とすることから、該セパレータの機械的強度の特性は、繊維単独の単繊維強度と繊維同士の絡み合いや接着度合いが大きく影響する。特に、該セパレータの繊維同士の絡み合いや接着度合いは、多孔質シートの構造、多孔質シートを製造する際に繊維表面から水が抜けて行く際に生じる繊維間結合によって決定される。具体的には、抄紙機のウエットプレス部での搾水条件、ドライヤー部での乾燥条件によって調整される。
本発明において、電気化学素子用セパレータの厚み方向での内部結合強度は、JAPAN TAPPI(J.TAPPI)紙パルプ試験方法No.18−2:2000「紙及び板紙−内部結合強さ試験方法−第2部:インターナルボンドテスタ法(Paper and board−Determination of internal bond strength Part 2:Internal bond tester method)」に準拠した紙及び板紙の内部結合強さを評価する内部結合試験機によって測定された数値である。図1に示すスキームに準じて、まず、セパレータの表裏層間の内部結合強度(IB2)を測定し、セパレータを分離して、表層1と裏層1を得、次に、表層1と裏層1各々に両面テープを貼り、内部結合強度(IB1とIB3)を測定する。このように、少なくともセパレータの厚さ方向に関して、3箇所の部分の内部結合強度を測定した。ひとつの箇所については、セパレータの流れ方向(MD)と流れに直交する方向(CD)に関して、それぞれ測定を行い、両方向の測定値の平均値を、その箇所の内部結合強度とした。厚み方向に関して、3箇所測定した内部結合強度の平均値を「平均内部結合強度」とし、最低値を「最低内部結合強度」と定義した。
本発明の電気化学素子用セパレータは、非常に薄いが、厚み方向では、繊維同士の絡み合いや接着度合いが異なり、厚み方向において、複数箇所で測定した内部結合強度の平均値(平均内部結合強度)が、本発明の電気化学素子用セパレータにおけるセパレータ全体の機械的強度に影響を与える。そして、該セパレータの厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であることで、該セパレータ全体の引張り強度が向上する。さらに、該セパレータの厚み方向での最低内部結合強度が30mJ以上であることで、該セパレータの裁断加工時に切り口からの毛羽の発生や繊維の脱落を抑えることができる。
電気化学素子用セパレータの平均内部結合強度及び最低内部結合強度は、該セパレータ製造時における操業条件によって調整することができる。例えば、抄紙機において、ウエットプレス部で搾水する際に、線圧を上げて搾水効率を上げる方法、一段でプレスするだけでなく、多段でセパレータの両面から脱水する方法が有効である。また、ドライヤー部において湿紙状態のセパレータを乾燥させる場合、加熱されたシリンダーロールに湿紙をあてて乾燥させるのが一般的であるが、シリンダーロールの温度を上げて乾燥させることは、内部結合強度を向上させるのに有効である。特に、セパレータの両面に加熱されたシリンダーロールが少なくとも1回ずつあたるように乾燥させることは、厚み方向での内部結合強度のバラツキを軽減する上で、有効な手段である。セパレータの両面に加熱されたシリンダーロールが少なくとも1回ずつあたるように乾燥させる方法としては、例えば、ヤンキードライヤー2基を使って、セパレータの両面が、それぞれ、シリンダーロールにあたるように乾燥させる方法、多筒式ドライヤーを使用して乾燥させる方法、ヤンキードライヤーと多筒式ドライヤーを併用して乾燥させる方法などが挙げられる。
本発明の電気化学素子用セパレータは、平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維以外に、合成繊維や溶剤紡糸セルロース繊維以外のセルロース繊維も適宜配合することができる。
合成繊維としては、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂からなる単繊維や複合繊維を挙げることができる。これらの合成繊維は、単独で使用しても良いし、2種類以上の組み合わせで使用しても良い。また、各種の分割型複合繊維を分割させたものを使用しても良い。この中でも、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドが好ましく、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィンがさらに好ましい。ポリエステル、アクリル、ポリオレフィンを使用すると、他の合成繊維よりも各繊維とフィブリル化した溶剤紡糸セルロース繊維とが均一に絡み合ってネットワーク構造を形成しやすいため、緻密性や機械強度に優れた電気化学素子用セパレータを得ることができる。
合成繊維の平均繊維径は0.1〜20μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。平均繊維径が0.1μm未満では、繊維が細すぎて、セパレータから脱落する場合があり、平均繊維径が20μmより太いと、セパレータの厚みを薄くすることが困難になる場合がある。
合成繊維の繊維長は0.1〜15mmが好ましく、0.5〜10mmがより好ましく、2〜5mmがさらに好ましい。繊維長が0.1mmより短いと、セパレータから脱落することがあり、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになることがあり、セパレータの厚さにむらが生じる場合がある。
本発明の電気化学素子用セパレータが合成繊維を含有している場合、その含有量は50質量%以下であることが好ましい。また、合成繊維の含有量は、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。合成繊維の含有率が50質量%を超える場合、電解液の保液性が不十分で内部抵抗が高くなったり、セパレータの緻密性が不十分で、内部短絡不良率が高くなったりする。
本発明の電気化学素子用セパレータは、0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維以外のセルロース繊維も併用することができる。例えば、平均繊維長0.20〜1.00mmのフィブリル化天然セルロース繊維を20質量%以下含有していることが好ましい。フィブリル化天然セルロース繊維の含有量は、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。フィブリル化天然セルロース繊維は、溶剤紡糸セルロース繊維に比べ、繊維1本の太さの均一性が劣る傾向にあるが、繊維間の物理的な絡みと水素結合力が強いという特徴を有する。フィブリル化天然セルロース繊維の含有率が20質量%を超えると、セパレータ表面にフィルムを形成し、イオン伝導性が阻害されることで、内部抵抗が高くなることや、放電特性が低くなることがある。
天然セルロース繊維をフィブリル化する方法としては、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等が挙げられる。この中でも、特に高圧ホモジナイザーが好ましい。
電気化学素子用セパレータは、円網、長網、短網、傾斜型ワイヤー等の抄紙網を有する抄紙機、これらの抄紙網の中から同種又は異種の抄紙網を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて抄紙する抄紙法によって製造することができる。厚み方向での内部結合強度のバラツキを抑える場合には、単層で抄紙するのが望ましい。原料スラリーには、繊維原料の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度に原料スラリーを調製する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得られた電気化学素子用セパレータは、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
電気化学素子用セパレータの厚さは、6〜50μmが好ましく、8〜45μmがより好ましく、10〜40μmがさらに好ましい。6μm未満では、十分な機械的強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で、内部短絡不良率、放電特性のバラツキが高くなったり、容量維持率やサイクル特性が悪くなったりする場合がある。50μmより厚いと、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。なお、本発明のセパレータの厚さは、JIS B7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
電気化学素子用セパレータにおいて、平均ポア径が0.10μm以上、かつ、最大ポア径が6μm以下であることが好ましい。平均繊維長0.40〜1.10mmの溶剤紡糸セルロース繊維が絡み合うことによって、この平均ポア径を達成することができる。平均ポア径が0.10μm未満では、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。最大ポア径が6μm超では、電気化学素子の内部短絡不良率や放電特性のバラツキが大きくなる場合がある。平均ポア径が0.10μm以上、かつ、最大ポア径が4μm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは平均ポア径が0.15μm以上、かつ、最大ポア径が3μm以下である。
電気化学素子用セパレータの坪量は、5〜40g/mが好ましく、7〜30g/mがより好ましく、10〜20g/mがさらに好ましい。5g/m未満では、十分な機械的強度が得られない場合や、正極と負極との間の絶縁性が不十分で、内部短絡不良率や放電特性のバラツキが高くなる場合がある。40g/mを超えると、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。
本発明において、電気化学素子としては、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、キャパシタ等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、黒鉛やコークスなどの炭素材料、金属リチウム、アルミニウム、シリカ、スズ、ニッケル、鉛から選ばれる1種以上の金属とリチウムとの合金、SiO、SnO、Fe、WO、Nb、Li4/3Ti5/3等の金属酸化物、Li0.4CoNなどの窒化物が用いられる。正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、チタン酸リチウム、リチウムニッケルマンガン酸化物、リン酸鉄リチウムが用いられる。リン酸鉄リチウムは、さらに、マンガン、クロム、コバルト、銅、ニッケル、バナジウム、モリブデン、チタン、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、マグネシウム、ホウ素、ニオブから選ばれる1種以上の金属との複合物でも良い。
リチウムイオン二次電池の電解液には、プロピレンカーボネート(propylene carbonate)、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジメトキシメタン(dimethoxymethane)、これらの混合溶媒などの有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)や四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等が挙げられる。固体電解質としては、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデンなどのゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
キャパシタとは、対向する2つの電極間に誘導体又は電気二重層を挟んだ形で構成されてなる蓄電機能を有するものである。誘導体を用いるものとしては、アルミ電解コンデンサ(アルミ電解キャパシタ)やタンタル電解コンデンサ(タンタル電解キャパシタ)が挙げられ、電気二重層を用いるものとしては、電気二重層キャパシタが挙げられる。電気二重層キャパシタの電極としては、一対の電気二重層容量型電極、一方が電気二重層容量型電極でもう一方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。
キャパシタの電解液は、水溶液系、有機溶媒系、導電性高分子の何れでも良い。有機溶媒系電解液としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル(acetonitrile)、プロピオニトリル(propionitrile)、γ−ブチロラクトン(γ−butyrolacton)、α−メチル−γ−ブチロラクトン(α−methyl−γ−butyrolactone)、β−メチル−γ−ブチロラクトン(β−methyl−γ−butyrolactone)、γ−バレロラクトン(γ−valerolactone)、3−メチル−γ−バレロラクトン(3−methyl−γ−valerolactone)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、ジエチルスルホキシド(diethyl sulfoxide)、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)、ジエチルホルムアミド(diethylformamide)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジメチルスルホラン(dimethylsulfolan)、スルホラン(sulfolane)、エチレングリコール(ethylene glycol)、プロピレングリコール(propylene glycol)、メチルセルソルブ(methyl cellosolve)などの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、これらの誘導体などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は、断りのない限り、全て質量によるものである。
<溶剤紡糸セルロース繊維の調成>
未処理の溶剤紡糸セルロース繊維(1.7dtex繊維)を濃度2%で分散した後、相川鉄工株式会社製ダブルディスクリファイナーで処理時間を変えて、平均繊維長の異なるフィブリル化した溶剤紡糸セルロース繊維を調成した。
<合成繊維B1>
平均繊維径3μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維を合成繊維B1とした。
実施例1〜17及び比較例1〜4
<セパレータ>
表1に示した原料と配合量に従って、抄紙用スラリーを調製し、円網抄紙機を用いて湿式抄紙し、実施例1〜15及び比較例1〜4の坪量15g/m、厚さ20μmの多孔質シートからなるセパレータを作製した。実施例16では、傾斜ワイヤー抄紙機を用いて湿式抄紙し、坪量15g/m、厚さ20μmの多孔質シートからなるセパレータを作製した。実施例17では、傾斜型ワイヤーと円網を有するコンビネーション抄紙機を使って、坪量比(傾斜型ワイヤー:円網)が50:50となるように、抄き合わせ法で湿式抄紙し、坪量15g/m、厚さ20μmで、2層構造の多孔質シートからなるセパレータを作製した。厚さは室温でカレンダー処理して調整した。坪量は、JIS P8124に準拠して坪量を測定した。厚さは、JIS B7502に規定された方法、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより、厚さを測定した。
<セパレータ製造時のウエットプレス条件>
実施例1〜17及び比較例1〜4のセパレータを製造する際に、表1に示した条件に従って、湿紙をウエットプレス(Wet Press)した。表1「プレス数」列記載の「1ニップ」は、湿紙をダブルフェルト(Double Felt)で表1「線圧」列に併記されている線圧で、1回のニップでウエットプレス処理(Wet Pressing)を行ったことを意味する。表1「プレス数」列記載の「2ニップ」は、湿紙をダブルフェルトで表1「線圧」列に併記されている線圧で、2回のニップでウエットプレス処理を行ったことを意味する。
<セパレータ製造時の乾燥条件>
実施例1〜17及び比較例1〜4のセパレータを製造する際に、表1に示した条件に従って、湿紙を加熱されたヤンキードライヤー(Yankee Cylinder、Yankee Dryer)に接触させて乾燥させた。表1「乾燥法」列記載の「片面」とは、表1「ドライヤー温度」列に併記された温度で加熱されたヤンキードライヤーに、湿紙の片面のみを接触させて乾燥させたことを意味する。表1「乾燥法」列記載の「両面」とは、表1「ドライヤー温度」列に併記された温度に加熱されたヤンキードライヤーに、湿紙の一方の面を接触させた後に、加熱されたヤンキードライヤーに湿紙のもう一方の面を接触させて乾燥させたことを意味する。
[内部結合強度]
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.18−2:2000「紙及び板紙−内部結合強さ試験方法−第2部:インターナルボンドテスタ法」に準拠し、測定した。図1に示すスキームに準じて、少なくともセパレータの厚さ方向に関して、3箇所の部分の内部結合強度を測定した。ひとつの箇所については、セパレータの流れ方向(MD)と流れに直交する方向(CD)に関して、それぞれ測定を行い、両方向の測定値の平均値を、その箇所の内部結合強度とした。厚み方向に関して、3箇所測定した内部結合強度の平均値を「平均内部結合強度」とし、最低値を「最低内部結合強度」とし、表2に示した。
実施例及び比較例のセパレータについて、下記評価を行い、結果を表2に示した。
[引張り強度]
JIS P8113:2006「紙及び板紙−引張特性の試験方法−」を参考に、試験幅50mm、試験長さ(つかみ線の平均間隔)100mm、引張り速度300mm/minの条件で、卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック(Orientec Co,. LTD.)製、商品名:STA−1150)を使い、引張り試験を行い、最大荷重を計測した。測定は、各セパレータの流れ方向と流れに直交する方向に関して、それぞれ測定し、両方向の測定値の平均値をセパレータの引張り強度とした。
[加工性評価]
実施例及び比較例のセパレータを用いて、5.0mm幅、20m長のスリット加工サンプルを作製した。スリット加工したサンプルを5.0mm幅、50mm長に切り取り、スリット切断面をスケール付きのルーペにて観察し、下記の指標で加工性評価を行った。
「5」:切断面がきれいで、毛羽や繊維の脱落が見られない。
「4」:非常に小さい毛羽が、たまに見られる。
「3」:小さな毛羽が見られる。切断面の切り口がやや不揃い。
「2」:0.5mm以上の長さの毛羽が5本未満観察される。実使用下限レベル。
「1」:0.5mm以上の長さの毛羽が5本以上観察される。使用不可レベル。
[スリット加工歩留まり]
実施例及び比較例のセパレータを用いて、1巻きが5.0mm幅、20m長のスリット加工サンプルを100巻き作製した。この100巻きの中で、紙切れや未断裁の部分が一箇所も無いサンプルの巻き取りの比率を「スリット加工歩留まり(%)」とした。
実施例1〜6と比較例1、2との比較から、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートからなる実施例1〜6のセパレータは、引張り強度が強く、加工性やスリット加工歩留まりも優れていた。
実施例4、7〜9と比較例3との比較から、ウエットプレスにおける線圧を上げることやプレス数を上げることで、フィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維同士の結合力が上がり、厚み方向での平均内部結合強度が上昇し、最低内部結合強度も上昇した。その結果、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートからなる実施例4、7〜9のセパレータは、引張り強度がより強くなり、且つ、加工性やスリット加工歩留まりも向上した。
実施例4、7、8と実施例9との比較から、2ニップ以上のウエットプレス処理が施されることによって、湿紙の紙層を崩すことなく、湿紙にウエットプレス処理を施すことが可能となり、さらに、厚み方向での平均内部結合強度が上昇し、最低内部結合強度も上昇した。その結果、セパレータの引張り強度がさらに強くなり、且つ、加工性やスリット加工歩留まりもさらに向上した。
実施例4、10〜13と比較例4との比較から、ドライヤーにおいて、シリンダードライヤーの温度を上げて、フィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維からの水分除去を進めることで、溶剤紡糸セルロース繊維同士の結合力が上がり、厚み方向での平均内部結合が上昇し、最低内部結合強度も上昇した。その結果、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートからなる実施例4、10〜13のセパレータは、引張り強度がより強くなり、且つ、加工性やスリット加工歩留まりも向上した。
実施例4、10、11と実施例12、13との比較から、加熱されたシリンダーロールにセパレータの両面が少なくとも一度はあたるように乾燥することによって、セパレータの引張り強度がさらに強くなり、且つ、加工性やスリット加工歩留まりもさらに向上した。
実施例4、14、15の比較から、フィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維と共に合成繊維を併用する際にも、抄紙条件を調整することで、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートが得られ、引張り強度に優れ、加工性やスリット加工歩留まりにも優れたセパレータを提供することができた。
実施例4、16、17の比較から、同一原料を用いて、異なる抄紙機を用いて抄紙しても、操業条件を調整することで、平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上である多孔質シートが得られ、引張り強度に優れ、加工性やスリット加工歩留まりにも優れたセパレータを提供することができた。抄き合わせ法で製造された2層構造の実施例17のセパレータと比較して、単層構造の実施例4及び16のセパレータの方が、引張り強度がより優れ、加工性やスリット加工歩留まりもより優れていた。
本発明の活用例としては、キャパシタ用セパレータ、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムイオンポリマー二次電池用セパレータが好適である。

Claims (5)

  1. 平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータを製造する方法において、該多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートに、2ニップ以上のウエットプレス処理が施されることを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法。
  3. 平均繊維長0.40〜1.10mmのフィブリル化された溶剤紡糸セルロース繊維を主体繊維とし、厚み方向での平均内部結合強度が60mJ以上であり、且つ、最低内部結合強度が30mJ以上の多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータを製造する方法において、該多孔質シートが抄紙法により製造され、抄紙製造工程において、少なくとも該多孔質シートの両面が、一度は、加熱されたシリンダーロールにあたることを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の電気化学素子用セパレータの製造方法によって製造されてなる電気化学素子用セパレータ。
  5. 請求項1又は4に記載の電気化学素子用セパレータを用いてなる電気化学素子。
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