JP2015061720A - 部品封止用フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)支持体と、該支持体に設けられており厚さが100μm以上である仮樹脂組成物層とを有する支持体付き仮樹脂組成物層を用意する工程と、(B)前記支持体付き仮樹脂組成物層の仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥処理して前記仮樹脂組成物層と一体化させる工程とを含み、前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが200μmを超え、かつ700μm以下である樹脂組成物層を前記支持体に形成する、部品封止用フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
また、半導体チップ、コンデンサなどの部品を内層回路基板に内蔵させることにより部品の搭載量を増大させつつ小型化を図ることができるプリント配線板として、部品内蔵回路板が提案されている。
〔1〕 (A)支持体と、該支持体に設けられており厚さが100μm以上である仮樹脂組成物層とを有する支持体付き仮樹脂組成物層を用意する工程と、
(B)前記支持体付き仮樹脂組成物層の仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥処理して前記仮樹脂組成物層と一体化させる工程とを含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが200μmを超え、かつ700μm以下である樹脂組成物層を前記支持体に形成する、部品封止用フィルムの製造方法。
〔2〕 前記仮樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物の組成と、前記塗布膜を形成するための樹脂組成物の組成とを同一の組成として前記樹脂組成物層を形成する、〔1〕に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔3〕 前記工程(A)が、前記支持体に樹脂組成物を塗布し、乾燥処理して仮樹脂組成物層を形成することにより支持体付き仮樹脂組成物層を用意する工程である、〔1〕又は〔2〕に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔4〕 前記塗布膜を乾燥させるための乾燥条件を、温度を70℃〜150℃とし、時間を3分間〜15分間とする、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔5〕 前記仮樹脂組成物層を形成するための第1の乾燥条件と、前記樹脂組成物層を形成するための第2の乾燥条件とを異ならせて前記乾燥処理を行う、〔4〕に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔6〕 前記第1の乾燥条件における時間を、前記第2の乾燥条件の時間よりも短くする、〔5〕に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔7〕 前記仮樹脂組成物層の厚さが100μm〜200μmである、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔8〕 前記工程(B)を1回のみ行う場合、該工程(B)により付加される部分の厚さが100μm〜200μmであり、前記工程(B)を2回以上繰り返して行う場合、2回以上の該工程(B)により付加される部分の厚さがそれぞれ100μm〜200μmである、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔9〕 前記工程(B)を、1回のみ行うか、又は2回のみ繰り返す、〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔10〕 前記支持体が、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである、〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔11〕 前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む、〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔12〕 前記支持体として長尺の支持体を用いて、ロールツーロール方式で前記工程(A)及び前記工程(B)のうちのいずれか一方又は両方を行う、〔1〕〜〔11〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔13〕 前記部品封止用フィルムが、樹脂組成物層に接合され、かつその厚さが前記支持体の厚さよりも薄い保護フィルムをさらに有する、ロール状の部品封止用フィルムである、〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔14〕 前記樹脂組成物層の最低溶融粘度が、50ポイズ〜10000ポイズの範囲である、〔1〕〜〔13〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔15〕 前記樹脂組成物層の残留溶剤率が、5質量%以下である、〔1〕〜〔14〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
〔16〕 前記樹脂組成物層の残留溶剤率が、1.5質量%〜5質量%である、〔1〕〜〔15〕のいずれか1つに記載の部品封止用フィルムの製造方法。
以下、本発明の部品封止用フィルム(以下、接着フィルムという場合がある。)の製造方法について詳細に説明する。
樹脂組成物をダイコーターなどの従来公知の任意好適な塗布手段を用いて支持体に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥処理することによって仮樹脂組成物層及び樹脂組成物層を形成することができる。
まず、支持体と、該支持体に設けられた仮樹脂組成物層とを有する支持体付き仮樹脂組成物層を用意する、工程(A)を行う。
支持体は、対向する2つの主面を有する板状体又はフィルムからなる構造体である。支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。支持体として、長尺のフィルムを用いることもできる。
仮樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物の材料(成分)については後述する。
以上のようにして「支持体付き仮樹脂組成物層」(以下、仮接着フィルムという場合がある。)が用意される。
次に、工程(A)により用意された支持体付き仮樹脂組成物層の仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させて仮樹脂組成物層と一体化させる工程(B)を行う。
この場合には、仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥処理して仮樹脂組成物層と一体化させることにより、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。
この場合には、工程(A)にかかる仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥させる工程を2回以上繰り返して各工程で形成される層を仮樹脂組成物層と一体化させることにより、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。
なお工程(B)を2回以上繰り返す場合に、工程(B)が1回以上行われているが最終的な所定の厚さに到達していない製造中途の層構造についても「仮樹脂組成物層」と称する。
樹脂組成物層を形成するための塗布膜の乾燥処理は、仮樹脂組成物層の形成工程における乾燥処理と同様に、加熱、熱風吹きつけ等の公知の任意好適な乾燥方法により実施することができる。この乾燥処理により、塗布膜は仮樹脂組成物層と一体的に構成され樹脂組成物層とされる。ここで1回以上行われ得る工程(B)にかかる乾燥条件を「第2の乾燥条件」という。第2の乾燥条件は、樹脂組成物が含む有機溶剤の沸点などを勘案して決定すればよい。第2の乾燥条件は、温度を70℃〜150℃とし、時間を3分間〜15分間とすればよい。
また、形成された樹脂組成物層の残留溶剤率は1.5質量%〜5質量%であることが好ましい。
残留溶剤率は、硬化時に樹脂組成物層(硬化体)内にボイドが発生することを防止する観点から、5質量%以下であることが好ましい。また、樹脂組成物層の取扱い性を向上させる観点から、残留溶剤率は1.5質量%以上であることが好ましい。
ここで仮樹脂組成物層、樹脂組成物層の形成に用いられる樹脂組成物の成分について説明する。なお、本明細書中の説明において、各成分の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分の合計を100質量%としたときの量である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、上記エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
仮樹脂組成物層、樹脂組成物層の形成に用いられる樹脂組成物は、硬化体とするときの膨張率を低下させて硬化体と封止される部品等との熱膨張の差によるクラック、回路歪みなどの不具合の発生を防止し、溶融粘度の過度の低下を防止して部品の位置ズレを抑制し、精度よく封止する観点から、無機充填材を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。用い得る難燃剤の例としては三光(株)製「HCA−HQ」が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は特に限定されないが、0.5質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜9質量%の範囲であることがより好ましく、1.5質量%〜8質量%の範囲であることがさらに好ましい。
ゴム粒子としては、例えば、後述する有機溶剤に溶解せず、上述のエポキシ樹脂、硬化剤、及び熱可塑性樹脂などとも相溶しないゴム粒子が使用される。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しない程度まで大きくし、粒子状とすることで調製される。
樹脂組成物層の形成のために用いる樹脂組成物は、必要に応じて、例えば樹脂組成物層あるいは硬化体の特性を調整することを目的とする他の添加剤を含んでいてもよい。かかる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに有機フィラー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られた部品封止用フィルムにより封止され得る部品は、特に限定されず、所望の機能に応じた任意好適な部品が挙げられる。部品封止用フィルムにより封止され得る部品としては、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動部品に加え、半導体チップ、半導体チップパッケージ等の能動部品が挙げられる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、例えば部品内蔵回路板の部品の封止工程に好適に用いることができる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、特にフリップチップ実装される、半導体チップ、半導体チップパッケージ(マルチチップパッケージ)等の封止工程(アンダーフィルモールディング)に好適に適用することができる。
まず、封止対象となる部品が搭載された部品内蔵回路板、半導体装置を用意する。封止対象となる部品の表面に部品封止用フィルムの樹脂組成物層が接触するように載置する。次いで、例えば、プレス成形工程又は真空積層工程を実施することにより、樹脂組成物層に部品を埋め込んで被覆する。
まず、後述する実施例及び比較例において用いられた部品封止用フィルムの製造方法にかかる各種測定方法及び評価方法について説明する。
後述する実施例及び比較例で製造されたロール状に巻き取られた長尺の接着フィルムにおける樹脂組成物層の最低溶融粘度温度は、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製、「Rheosol−G3000」)を使用して測定した。試料として樹脂組成物層を構成する樹脂組成物1gを、直径18mmのパラレルプレートに載置して、開始温度を60℃として、60℃から200℃に至るまで、昇温速度を5℃/分として昇温し、測定温度の間隔を2.5℃とし、振動数を1Hzとし、ひずみを1degとする測定条件にて最低溶融粘度に対応する温度を測定した。
後述する実施例及び比較例で作製した接着フィルムを10cm角に切り出して、まず乾燥処理前の質量を測定した。その後、130℃で15分間乾燥処理して、接着フィルム中の溶剤を揮発させることにより、乾燥処理後の質量を測定した。そして、下記の計算式から層中に残留した溶剤の割合である残留溶剤率(質量%)を求めた。
計算式:残留溶剤率(質量%)={(乾燥処理前の質量−乾燥処理後の質量)/(乾燥処理前の質量−PETフィルムの質量)}×100
接着フィルムの樹脂組成物層におけるボイド等欠陥の確認は、得られたロール状の接着フィルムのうちの長尺方向における最初及び最後の1mずつを切り出して、保護フィルムを剥離した樹脂組成物層について、まず全体を目視にて確認し、さらに切り出された1mの長さの接着フィルムからさらに切り出した5cm角の小片接着フィルム(1mの長さの接着フィルムの四隅近傍及び中央近傍からの5箇所から切り出された小片)の5サンプルを光学顕微鏡(キーエンス社製「VH−5500」)で確認した。
評価基準:
○:ボイド等(Φ100μm以上)の欠陥がない。
×:ボイド等(Φ100μm以上)の欠陥が1つ以上ある。
接着フィルムの樹脂組成物層における厚さの精度の評価は、得られたロール状の接着フィルムのうちの長尺方向における最初及び最後の1mずつを切り出して、保護フィルムを剥離した樹脂組成物層に対して、MD方向の端部より20mmの点を起点として、20mm間隔で複数の点について厚さを接触式層厚計((株)ミツトヨ製、MCD−25MJ)を用いて測定した。
全ての測定値が理論値の厚さ(測定値−支持PETフィルムの厚さ)に対して、±6%以内であった接着フィルムを「○」と評価し、6%を上回った接着フィルムを「×」と評価した。
(樹脂ワニス1の調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂とビスフェノールF型のエポキシ樹脂との1:1(質量比)混合品)10部、結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」)10部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK溶液)5部を、ソルベントナフサ40部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、活性エステル化合物(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223の不揮発分65質量%のトルエン溶液)15部、トリアジン含有クレゾール系硬化剤(水酸基当量151、DIC(株)製「LA−3018−50P」)の固形分50%のメトキシプロパノール溶液15部、エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(数平均分子量Mn:850000g/mol、エポキシ価0.21eq/kg、Tg12℃、ナガセケムテックス(株)製「SG−P3」)の固形分15%のMEK溶液50部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン、固形分2質量%のMEK溶液)5部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径2.2μm、(株)アドマテックス製「SOC6」、単位面積当たりのカーボン量0.4mg/m2)200部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。組成(不揮発成分換算)を下記表1に示す。
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例1で得た樹脂ワニス1を、アルキド樹脂系離型層側の該支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥処理することにより仮樹脂組成物層を乾燥処理後の厚さが150μmとなるように形成し、形成された仮樹脂組成物層の表面に、保護フィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き仮接着フィルムを得た。
残留溶剤率は2.8質量%であり、最低溶融粘度は920ポイズであって、その温度は155℃であった。ボイド等の欠陥の発生は確認されなかった。樹脂組成物層の厚さの精度は±3.5%(300±10.5μmの範囲)と良好であった。
(樹脂ワニス2の調製)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1(質量比)混合品)5部、2官能脂肪族エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7410」)5部、結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)10部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」)10部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER1007」、エポキシ当量約2000)3部、ゴム粒子(ガンツ化成(株)製、スタフィロイドAC3816N)2部を、ソルベントナフサ48部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、トリアジン含有フェノール系硬化剤(水酸基当量125、DIC(株)製「LA−7054」)の固形分60%のMEK溶液12部、ナフトール系硬化剤(水酸基当量215、新日鐵化学(株)製「SN−485」)の固形分60%のMEK溶液12部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン、固形分2質量%のMEK溶液)3部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径1.2μm、(株)アドマテックス製「SOC4」、単位面積当たりのカーボン量0.5mg/m2)250部、を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を調製した。その組成を下記表1に示す。
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例2で得た樹脂ワニス2を、アルキド樹脂系離型層側の支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で8分間乾燥処理することにより、乾燥処理後の厚さが200μmとなるように仮樹脂組成物層を形成し、仮樹脂組成物層の表面に保護フィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き仮接着フィルムを得た。
(接着フィルムの製造)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例1で得た樹脂ワニス1を、アルキド樹脂系離型層側の支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜130℃(平均105℃)で10分間乾燥処理することにより乾燥後の厚さが300μmとなるように樹脂組成物層を形成し、樹脂組成物層の表面に保護フィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き接着フィルムを得た。
残留溶剤率は5.8質量%であり、最低溶融粘度は100ポイズ以下であって、溶融粘度の測定中にサンプルの樹脂垂れが発生したため、正確な最低溶融粘度は測定することができなかった。
このように溶融粘度が低すぎる接着フィルムでは、実際に使用される熱硬化工程でも樹脂垂れの発生が予想され、実用に耐えうるものではない。
(接着フィルムの製造)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例2で得た樹脂ワニス2を、支持体のアルキド樹脂系離型層側の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜130℃(平均105℃)で10分間乾燥処理することにより乾燥処理後の厚さが400μmとなるように樹脂組成物層を形成し、樹脂組成物層の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き接着フィルムを得た。
(接着フィルムの製造)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例1で得た樹脂ワニス1を、アルキド樹脂系離型層側の支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥処理することにより乾燥処理後の厚さが150μmとなるように仮樹脂組成物層を形成し、仮樹脂組成物層の表面に保護フィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き接着フィルムを得た。
残留溶剤率は2.2質量%であり、最低溶融粘度は1600ポイズであって、その温度は150℃であった。
(接着フィルムの製造)
支持体としてアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(厚さ38μm、リンテック(株)製、「AL5」)を用意した。上記実施例1で得た樹脂ワニス1を、アルキド樹脂系離型層側の該支持体の表面に、ダイコーターにて均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で4分間乾燥処理することにより、仮樹脂組成物層を乾燥処理後の厚さが50μmとなるように形成し、形成された仮樹脂組成物層の表面に、保護フィルムとして厚さ15μmのポリプロピレンフィルム(王子特殊紙(株)製「アルファンMA−411」の平滑面側)を60℃で連続的に貼り合わせながらロール状に巻き取って、ロール状の保護フィルム付き仮接着フィルムを得た。
残留溶剤率は2.4質量%であり、最低溶融粘度は1400ポイズであって、その温度は148℃であった。ボイド等の欠陥の発生は確認されなかった。しかしながら、樹脂組成物層の厚さの精度は±7.5%(200±15μmの範囲)と劣っていた。
他方、比較例1においては、最低溶融粘度を好適範囲とすることができなかったため溶融粘度の測定中に樹脂垂れが発生し、実用に耐え得るものではなかった。また、比較例2においては、実施例2と同じ樹脂ワニス2を使用したにもかかわらず、十分な特性を得ることができず、実用に耐え得るものではなかった。さらに比較例3においては、従来技術と同様に貼り合わせを行ったところ、多数のボイドが発生し、品質に問題があったことが確認された。さらに比較例4においては、樹脂組成物層の厚さの精度が劣り、品質に問題があったことが確認された。
Claims (16)
- (A)支持体と、該支持体に設けられており厚さが100μm以上である仮樹脂組成物層とを有する支持体付き仮樹脂組成物層を用意する工程と、
(B)前記支持体付き仮樹脂組成物層の仮樹脂組成物層上に、樹脂組成物を塗布し、塗布膜を乾燥処理して前記仮樹脂組成物層と一体化させる工程とを含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが200μmを超え、かつ700μm以下である樹脂組成物層を前記支持体に形成する、部品封止用フィルムの製造方法。 - 前記仮樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物の組成と、前記塗布膜を形成するための樹脂組成物の組成とを同一の組成として前記樹脂組成物層を形成する、請求項1に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記工程(A)が、前記支持体に樹脂組成物を塗布し、乾燥処理して仮樹脂組成物層を形成することにより支持体付き仮樹脂組成物層を用意する工程である、請求項1又は2に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記塗布膜を乾燥させるための乾燥条件を、温度を70℃〜150℃とし、時間を3分間〜15分間とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記仮樹脂組成物層を形成するための第1の乾燥条件と、前記樹脂組成物層を形成するための第2の乾燥条件とを異ならせて前記乾燥処理を行う、請求項4に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記第1の乾燥条件における時間を、前記第2の乾燥条件の時間よりも短くする、請求項5に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記仮樹脂組成物層の厚さが100μm〜200μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記工程(B)を1回のみ行う場合、該工程(B)により付加される部分の厚さが100μm〜200μmであり、
前記工程(B)を2回以上繰り返して行う場合、2回以上の該工程(B)により付加される部分の厚さがそれぞれ100μm〜200μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。 - 前記工程(B)を、1回のみ行うか、又は2回のみ繰り返す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記支持体が、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記支持体として長尺の支持体を用いて、ロールツーロール方式で前記工程(A)及び前記工程(B)のうちのいずれか一方又は両方を行う、請求項1〜11のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記部品封止用フィルムが、樹脂組成物層に接合され、かつその厚さが前記支持体の厚さよりも薄い保護フィルムをさらに有する、ロール状の部品封止用フィルムである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物層の最低溶融粘度が、50ポイズ〜10000ポイズの範囲である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物層の残留溶剤率が、5質量%以下である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
- 前記樹脂組成物層の残留溶剤率が、1.5質量%〜5質量%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の部品封止用フィルムの製造方法。
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