JP7154732B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、接着フィルム、部品内蔵回路基板、半導体装置、及びシート状樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、スマートフォン、タブレット端末(タブレットPC)といった小型の高機能携帯端末の需要が増大している。このような高機能携帯端末を機能させるために用いられる半導体装置などについて、さらなる小型化及び高機能化が求められている。このような半導体装置の構造として例えば、半導体チップなどの部品を2個以上内包するように封止したマルチチップパッケージ、複数個のマルチチップパッケージ同士を互いに接合し、さらに一体的に封止することにより構成されるパッケージオンパッケージ(PoP)、ウェハ/パネル状態のままで配線、電極形成、樹脂封止、パッケージングまで行うウェハレベルパッケージ(WLP)またはパネルレベルパッケージ(PLP)、さらには、チップを一つのパッケージに封止するシステムインパッケージ(SiP)等の構造が注目されている。
また、半導体チップ、コンデンサなどの部品を内層回路基板に内蔵させることにより部品の搭載量を増大させつつ小型化を図ることができるプリント配線板として、部品内蔵回路基板が提案されている。
上記のようなマルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウェハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、システムインパッケージ、または部品内蔵回路基板に含まれる部品等を封止するために、支持体に封止材料である樹脂組成物層が設けられたシート材料が用いられる場合がある。
このような従来のシート材料では、樹脂組成物層の厚さが不足して部品を十分に封止できない場合があるため、樹脂組成物層の厚さをより厚くするために樹脂組成物層が設けられたシート材料の樹脂組成物層同士を貼り合わせたり、複数回塗布を繰り返す方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2012-25907号公報 特開2015-61720号公報
しかしながら、樹脂組成物層の厚さをより厚くすることに起因して、硬化後に樹脂組成物層と基板等の間に膨れが生じる場合があった。
また、基板が反らないようにするため、樹脂組成物層には平均線熱膨張係数(CTE)を低くし、かつ弾性率を低くすること等の特性が求められるが、これら特性をすべて満たしつつ、硬化後の膨れを解消するのは困難であった。また、これら特性を得るために無機充填剤を多量に含有させると、樹脂ワニスが不安定化する場合があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、反りの発生及び硬化後の膨れが抑制され、並びに平均線熱膨張係数及び弾性率が低い樹脂組成物;該樹脂組成物を使用した、接着フィルム、部品内蔵回路基板、半導体装置(特に、マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウェハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、またはシステムインパッケージ等)、及びシート状樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
(c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、
樹脂組成物を10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、
熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m/24h)以上である、樹脂組成物。
[2] (a)成分の含有量が、(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、30質量%~85質量%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギー(mJ/g)が、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C1において、6~20である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギー(mJ/g)が、回転翼の先端スピード40mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C2において、12~27である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] (a)成分が、ブタジエン構造単位、ポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、アルキレン構造単位、アルキレンオキシ構造単位、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、及びポリカーボネート構造単位から選択される1種以上の構造単位を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (a)成分が、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂、及び25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] (a)成分が、(b)成分と反応し得る官能基を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] (a)成分が、イミド構造単位を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] (a)成分が、フェノール性水酸基を有する、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] (b1)成分の含有量をB1(質量%)、(b2)成分の含有量をB2(質量%)としたとき、B1>B2の関係を満たす、[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 熱硬化物の透湿係数が、3~10(g/mm/m/24h)である、[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
[13] [1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、部品内蔵回路基板。
[14] [1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、半導体装置。
[15] (A)支持体と、該支持体上に設けられた、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
(B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程と、を含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する、シート状樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、反りの発生及び硬化後の膨れが抑制され、並びに平均線熱膨張係数及び弾性率が低い樹脂組成物、該樹脂組成物を使用した、接着フィルム、部品内蔵回路基板、半導体装置、及びシート状樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の樹脂組成物、該樹脂組成物を使用した、接着フィルム、部品内蔵回路基板、半導体装置、及びシート状樹脂組成物の製造方法について詳細に説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、(c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、樹脂組成物を10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m/24h)以上である。
本発明の樹脂組成物は、反りの発生及び硬化後の膨れを抑制し、並びに平均線熱膨張係数及び弾性率を低くする観点から、樹脂組成物は、(a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する。樹脂組成物は、必要に応じて、さらに(d)硬化剤、(e)硬化促進剤、(f)難燃剤、及び(g)その他の添加剤を含んでいてもよい。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(a)エラストマー>
樹脂組成物は(a)エラストマーを含む。本発明においてエラストマーとは、柔軟性を有する樹脂を意味し、特に限定されないが、例えば分子内に、ブタジエン構造単位、ポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、アルキレン構造単位、アルキレンオキシ構造単位、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、及びポリカーボネート構造単位から選択される1種または2種以上の構造を有することで柔軟性を示す樹脂が挙げられる。(a)成分のような柔軟な樹脂を含むことで、銅等に対するめっきピール強度が向上し、さらに反り等の発生を抑制することができる。
より具体的には、(a)成分は、ポリブタジエン及び水添ポリブタジエン等のブタジエン構造単位、シリコーンゴム等のポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、アルキレン構造単位(好ましくは炭素原子数2~15、より好ましくは炭素原子数3~10、さらに好ましくは炭素原子数5~6)、アルキレンオキシ構造単位(好ましくは炭素原子数2~15、より好ましくは炭素原子数3~10、さらに好ましくは炭素原子数5~6)、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、及びポリカーボネート構造単位から選択される1種または2種以上の構造単位を有することが好ましく、ブタジエン構造単位、ポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、またはポリカーボネート構造単位から選択される1種または2種以上の構造単位を有することが好ましく、ブタジエン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位から選択される1以上の構造単位を有することがより好ましい。なお、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートを指す。
(a)成分は柔軟性を示すために高分子量であることが好ましく、数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000~1,000,000、より好ましくは5,000~9,00,000である。数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
(a)成分は柔軟性を示すために、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂、及び25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である樹脂であることが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が25℃以下である樹脂のガラス転移温度は、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下である。ガラス転移温度の下限は特に限定されないが、通常-15℃以上とし得る。また、25℃で液状である樹脂としては、好ましくは20℃以下で液状である樹脂、より好ましくは15℃以下で液状である樹脂である。
(a)成分としては、柔軟な樹脂であれば特に限定されないが、後述する(b)成分と反応し得る官能基を有することが好ましい。なお、(b)成分と反応し得る官能基としては、加熱によって現れる官能基も含めるものとする。
好適な一実施形態において、(b)成分と反応し得る官能基は、ヒドロキシ基(より好ましくはフェノール性水酸基)、カルボキシ基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基及びウレタン基からなる群から選択される1種以上の官能基である。中でも、当該官能基としては、ヒドロキシ基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基が好ましく、ヒドロキシ基、酸無水物基、エポキシ基がより好ましい。ただし、官能基としてエポキシ基を含む場合、(a)成分は芳香族構造を有さない。
(a)成分の好適な一実施形態は、ブタジエン樹脂である。ブタジエン樹脂としては25℃で液状またはガラス転移温度が25℃以下のブタジエン樹脂が好ましく、水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂(例えば水素化ポリブタジエン骨格含有エポキシ樹脂)、ヒドロキシ基含有ブタジエン樹脂(より好ましくはフェノール性水酸基含有ブタジエン樹脂)、カルボキシ基含有ブタジエン樹脂、酸無水物基含有ブタジエン樹脂、エポキシ基含有ブタジエン樹脂、イソシアネート基含有ブタジエン樹脂及びウレタン基含有ブタジエン樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂がより好ましい。ここで、「ブタジエン樹脂」とは、ブタジエン構造を含有する樹脂をいい、これらの樹脂においてブタジエン構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。ブタジエン構造は一部または全てが水素添加されていてもよい。ここで、「水素化ポリブタジエン骨格含有樹脂」とは、ポリブタジエン骨格の少なくとも一部が水素化された樹脂をいい、必ずしもポリブタジエン骨格が完全に水素化された樹脂である必要はない。
ブタジエン樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000~100,000、より好ましくは5,000~50,000、より好ましくは7,500~30,000、さらに好ましくは10,000~15,000である。である。ここで、樹脂の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
ブタジエン樹脂が官能基を有する場合の官能基当量は、好ましくは100~10000、より好ましくは200~5000である。なお、官能基当量とは、1グラム当量の官能基を含む樹脂のグラム数である。例えば、エポキシ基当量は、JIS K7236に従って測定することができる。水酸基当量はJIS K1557-1に従って測定した水酸基価でKOHの分子量を割ることで算出することができる。
ブタジエン樹脂の具体例としては、クレイバレー社製の「Ricon 657」(エポキシ基含有ポリブタジエン)、「Ricon 130MA8」、「Ricon 130MA13」、「Ricon 130MA20」、「Ricon 131MA5」、「Ricon 131MA10」、「Ricon 131MA17」、「Ricon 131MA20」、「Ricon 184MA6」(酸無水物基含有ポリブタジエン)、日本曹達(株)製の「JP-100」、「JP-200」(エポキシ化ポリブタジエン)、「GQ-1000」(水酸基、カルボキシル基導入ポリブタジエン)、「G-1000」、「G-2000」、「G-3000」(両末端水酸基ポリブタジエン)、「GI-1000」、「GI-2000」、「GI-3000」(両末端水酸基水素化ポリブタジエン)、(株)ダイセル製の「PB3600」、「PB4700」(ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂)、「エポフレンドA1005」、「エポフレンドA1010」、「エポフレンドA1020」(スチレンとブタジエンとスチレンブロック共重合体のエポキシ化物)、ナガセケムテックス(株)製の「FCA-061L」(水素化ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂)、「R-45EPT」(ポリブタジエン骨格エポキシ樹脂)、等が挙げられる。
また(a)成分の他の好適な一実施形態として、ヒドロキシ基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(特開2006-37083号公報、国際公開第2008/153208号記載のポリイミド)を使用することもできる。該ポリイミド樹脂のブタジエン構造の含有率は、好ましくは60質量%~95質量%、より好ましくは75質量%~85質量%である。該ポリイミド樹脂の詳細は、特開2006-37083号公報、国際公開第2008/153208号の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
(a)成分の他の好適な一実施形態は、アクリル樹脂である。アクリル樹脂としては、Tgが25℃以下のアクリル樹脂が好ましく、ヒドロキシ基含有アクリル樹脂(より好ましくはフェノール性水酸基含有アクリル樹脂)、カルボキシ基含有アクリル樹脂、酸無水物基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、イソシアネート基含有アクリル樹脂及びウレタン基含有アクリル樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂がより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリレート構造を含有する樹脂をいい、これらの樹脂において(メタ)アクリレート構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。
アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、好ましくは10,000~1,000,000、より好ましくは30,000~900,000である。ここで、樹脂の数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定されるポリスチレン換算の数平均分子量である。
アクリル樹脂が官能基を有する場合の官能基当量は、好ましくは1000~50000、より好ましくは2500~30000である。
アクリル樹脂の具体例としては、ナガセケムテックス(株)製のテイサンレジン「SG-70L」、「SG-708-6」、「WS-023」「SG-700AS」「SG-280TEA」(カルボキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂、酸価5~34mgKOH/g、重量平均分子量40万~90万、Tg-30~5℃)、「SG-80H」、「SG-80H-3」、「SG-P3」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂、エポキシ当量4761~14285g/eq、重量平均分子量35万~85万、Tg11~12℃)、「SG-600TEA」、「SG-790」(ヒドロキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂、水酸基価20~40mgKOH/g、重量平均分子量50万~120万、Tg-37~-32℃)、根上工業(株)製の「ME-2000」、「W-116.3」(カルボキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂)、「W-197C」(水酸基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂)、「KG-25」、「KG-3000」(エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体樹脂)等が挙げられる。
また、(a)成分の好適な一実施形態は、カーボネート樹脂である。カーボネート樹脂としてはガラス転移温度が25℃以下のカーボネート樹脂が好ましく、ヒドロキシ基含有カーボネート樹脂(より好ましくはフェノール性水酸基含有カーボネート樹脂)、カルボキシ基含有カーボネート樹脂、酸無水物基含有カーボネート樹脂、エポキシ基含有カーボネート樹脂、イソシアネート基含有カーボネート樹脂及びウレタン基含有カーボネート樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂が好ましい。ここで、「カーボネート樹脂」とは、カーボネート構造を含有する樹脂をいい、これらの樹脂においてカーボネート構造は主鎖に含まれていても側鎖に含まれていてもよい。
カーボネート樹脂の数平均分子量(Mn)、官能基当量はブタジエン樹脂と同様であり、好ましい範囲も同様である。
カーボネート樹脂の具体例としては、旭化成ケミカルズ(株)製の「T6002」、「T6001」(ポリカーボネートジオール)、クラレ(株)製の「C-1090」、「C-2090」、「C-3090」(ポリカーボネートジオール)等が挙げられる。
またヒドロキシ基末端ポリカーボネート、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(PCT/JP2016/053609)を使用することもできる。該ポリイミド樹脂のカーボネート構造の含有率は、好ましくは60質量%~95質量%、より好ましくは75質量%~85質量%である。該ポリイミド樹脂の詳細は、PCT/JP2016/053609の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
また、さらなる(a)成分の好適な一実施形態は、ポリシロキサン樹脂、アルキレン樹脂、アルキレンオキシ樹脂、イソプレン樹脂、及びイソブチレン樹脂、である。
ポリシロキサン樹脂の具体例としては信越シリコーン(株)製の「SMP-2006」、「SMP-2003PGMEA」、「SMP-5005PGMEA」。またアミン基末端ポリシロキサン、四塩基酸無水物を原料とする線状ポリイミド(国際公開第2010/053185号)等が挙げられる。アルキレン樹脂の具体例としては旭化成せんい(株)製の「PTXG-1000」、「PTXG-1800」等が挙げられる。イソプレン樹脂の具体例としてはクラレ(株)製の「KL-610」、「KL613」等が挙げられる。イソブチレン樹脂の具体例としてはカネカ(株)製の「SIBSTAR-073T」(スチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体)、「SIBSTAR-042D」(スチレン-イソブチレンジブロック共重合体)等が挙げられる。
またさらなる(a)成分の好適な実施形態として、アクリルゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴムなどのゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体が挙げられ、具体的には、XER-91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、ガンツ化成(株)製)、パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)等が挙げられる。ポリアミド微粒子の具体例としてはとしては、ナイロンのような脂肪族ポリアミド、さらには、ポリアミドイミド等柔軟な骨格であればどのようなものでも良く、具体的には、VESTOSINT 2070(ダイセルヒュルス(株)製)や、SP500(東レ(株)製)等が挙げられる。
樹脂組成物中の(a)成分の含有量は、柔軟性付与の観点から(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、30質量%~85質量%であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。また、下限は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上である。
<(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、及び(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂>
樹脂組成物は、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、及び(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂を含む。(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂(以下、単に「液状エポキシ樹脂」ともいう。)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状の、芳香族構造を有するエポキシ樹脂のことをいい、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂(以下、単に「固体状エポキシ樹脂」ともいう。)は、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状の、芳香族構造を有するエポキシ樹脂のことをいう。芳香族構造とは、一般に芳香族と定義される化学構造であり、多環芳香族及び芳香族複素環をも含む。本発明では、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するエステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、芳香族構造を有するシクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂及び芳香族構造を有するブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がさらに好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「828US」、「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「JER806」、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の液状エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、タック性を調整する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50~5000、より好ましくは50~3000、さらに好ましくは80~2000、さらにより好ましくは110~1000である。この範囲となることで、樹脂組成物の硬化物の架橋密度が十分となり、硬化物を封止層として使用する際、表面粗さの小さい封止層をもたらすことができる。なお、液状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
液状エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。ここで、液状エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族構造を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200L」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200HHH」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311-G3」、「EXA7311-G4」、「EXA7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG-100」、「CG-500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)、「157S70」(ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG-100」、「CG-500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物中の固体状エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、樹脂組成物の粘度を調整する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されないが、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
固体状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50~5000、より好ましくは50~3000、さらに好ましくは80~2000、さらにより好ましくは110~1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい封止層をもたらすことができる。なお、固体状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
固体状エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。ここで、固体状エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
液状エポキシ樹脂の含有量をB1(質量%)、固体状エポキシ樹脂の含有量をB2(質量%)としたとき、溶融粘度を調整する観点から、B1>B2の関係を満たすことが好ましい。また、B1及びB2の差(B1-B2)は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、0.5質量%以上、又は1質量%以上である。差(B1-B2)の上限は特に限定されないが、通常、10質量%以下、5質量%以下等とし得る。
液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比(固体状エポキシ樹脂/液状エポキシ樹脂)は、質量比で、0.01~1の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)接着フィルムの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)接着フィルムの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる等の効果が得られる。上記i)~iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(固体状エポキシ樹脂/液状エポキシ樹脂)は、質量比で、0.05~0.8の範囲がより好ましく、0.1~0.5の範囲がさらに好ましい。
<(c)無機充填材>
樹脂組成物は(c)無機充填材を含む。無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。またシリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の平均粒径は、回路埋め込み性を向上させる観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下、より好ましくは2.5μm以下である。該平均粒径の下限は、特に限定されないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上である。このような平均粒径を有する無機充填材の市販品としては、例えば、(株)アドマテックス製「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」、電気化学工業(株)製「UFP-30」、(株)トクヤマ製「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」、(株)アドマテックス製「SC2500SQ」、「SO-C6」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」、(株)アドマテックス製「アドマファイン」、「アドマナノ」、電気化学工業(株)製「SFPシリーズ」、新日鉄住金マテリアルズ(株)製「SP(H)シリーズ」、堺化学工業(株)製「Sciqasシリーズ」、(株)日本触媒製「シーホスターシリーズ」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA-500」等を使用することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の1種以上の表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業(株)製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上が更に好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下が更に好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA-320V」等を使用することができる。
パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギーは、樹脂ワニスの安定性を向上させる観点から、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C1において、好ましくは6mJ/g以上、より好ましくは7mJ/g以上、さらに好ましくは8mJ/g以上である。上限は、好ましくは20mJ/g以下、より好ましくは15mJ/g以下、さらに好ましくは13mJ/g以下である。条件C1におけるパウダーレオメーター測定は、後述する(条件C1でのパウダーレオメーター測定)に従って測定することができる。
パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギーは、樹脂ワニスの安定性を向上させる観点から、回転翼の先端スピード40mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C2において、好ましくは12mJ/g以上、より好ましくは13mJ/g以上、さらに好ましくは14mJ/g以上である。上限は、好ましくは27mJ/g以下、より好ましくは25mJ/g以下、さらに好ましくは20mJ/g以下である。条件C2におけるパウダーレオメーター測定は、後述する(条件C2でのパウダーレオメーター測定)に従って測定することができる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、熱膨張率を低い封止層を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、50質量%~95質量%である。好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上である。上限は、封止層の機械強度、特に伸びの観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは88質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。
<(d)硬化剤>
樹脂組成物は、(d)硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤としては、(b)成分等の樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。(d)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤から選択される1種以上であることが好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、配線層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び配線層との密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金(株)製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495V」、「SN375」、「SN395」、DIC(株)製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」、「HPC-9500」、「KA-1160」、「KA-1163」、「KA-1165」、群栄化学(株)製の「GDP-6115L」、「GDP-6115H」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
具体的には、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416-70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱化学(株)製)、「YLH1030」(三菱化学(株)製)、「YLH1048」(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル(株)製の「V-03」、「V-07」等が挙げられる。
樹脂組成物中の硬化剤の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。また、下限は特に制限はないが1質量%以上が好ましい。
<(e)硬化促進剤>
樹脂組成物は、(e)硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱化学(株)製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、(b)成分と硬化剤の不揮発成分合計量を100質量%としたとき、0.01質量%~3質量%が好ましい。
<(f)難燃剤>
樹脂組成物は(f)難燃剤を含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
難燃剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三光(株)製の「HCA-HQ」等が挙げられる。
樹脂組成物が難燃剤を含有する場合、難燃剤の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.5質量%~20質量%、より好ましくは0.5質量%~15質量%、さらに好ましくは0.5質量%~10質量%がさらに好ましい。
<(g)任意の添加剤>
樹脂組成物は、さらに必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びにバインダー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)は、反りを抑制する観点から、10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率は、通常、18GPa以下であり、15GPa以下であることが好ましく、13GPa以下、11GPa以下、10GPa以下、9GPa以下、又は8GPa以下であることがより好ましい。下限については特に限定されないが、例えば、0.01GPa以上、0.5GPa以上、1GPa以上等とし得る。上記弾性率は、後述する<弾性率の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)は、反りの発生が抑制されるという特性を示す。反りの大きさは、好ましくは2cm以下、より好ましくは1cm以下である。下限は特に限定されないが0.01cm以上である。反りの測定は、後述する<反り量の確認>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)の10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させて得られる熱硬化物の透湿係数は、硬化後の膨れ及び反りを抑制する観点から、通常、3(g/mm/m/24h)以上であり、好ましくは3.5(g/mm/m/24h)以上、より好ましくは4(g/mm/m/24h)以上、さらに好ましくは5、6、または7(g/mm/m/24h)以上とすることができる。上限については特に限定されないが、好ましくは10(g/mm/m/24h)以下、より好ましくは9(g/mm/m/24h)以下、さらに好ましくは8(g/mm/m/24h)以下である。透湿係数の測定は、後述する<透湿係数の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)の10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させて得られる熱硬化物の平均線熱膨張係数(CTE)は、反りを抑制する観点から、好ましくは20ppm/℃以下、より好ましくは15ppm/℃以下、さらに好ましくは10ppm/℃以下である。下限については特に限定されないが、1ppm/℃以上等とし得る。平均線熱膨張率は、後述する<平均線熱膨張率(CTE)の測定>の手順に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物からなる樹脂ワニスは安定性に優れるという特性を示す。本発明の樹脂組成物からなる樹脂ワニスは、好ましくは4日間静置しても容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じず、より好ましくは5日間静置しても容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じない。樹脂ワニスの安定性は、後述する<樹脂ワニスの安定性>の手順に従って測定することができる。
本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)の熱硬化物は硬化後の膨れが抑制されるという結果を示す。即ち、本発明の樹脂組成物(又は仮樹脂組成物層)を10℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させて得られる熱硬化物は、硬化後の膨れが生じない。硬化後の膨れは、後述する<硬化後の膨れの有無>の手順に従って測定することができる。
[接着フィルム、シート状樹脂組成物及びシート状樹脂組成物の製造方法]
シート状樹脂組成物の製造方法は、
(A)支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
(B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程とを含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する。また、シート状樹脂組成物は上記製造方法により製造される。
以下、各工程について説明する。
<工程(A)>
工程(A)は、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程であり、即ち、2以上の接着フィルムを用意する工程である。2以上用意する接着フィルムは同一の接着フィルムであってもよく、異なる接着フィルムであってもよい。
(接着フィルム)
接着フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する。
仮樹脂組成物層の厚さは、歩留りを向上させる観点及び厚さの精度を向上させる観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上であることが好ましい。仮樹脂組成物層の厚さの上限は、特に限定されないが、好ましくは700μm以下、より好ましくは600μm以下等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリルポリマー、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、仮樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、仮樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック(株)製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ(株)製「ルミラーT6AM」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
接着フィルムは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて仮樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、仮樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、仮樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムにおいて、仮樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、仮樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。接着フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
<工程(B)>
次に、工程(A)により用意された接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる(工程(B))。その場合、ロールツーロール方式を用いることができ、例えば重ねあわせる際の線圧は0.02~1MPa/mmで実施してもよい。
工程(B)は、1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さ(の総計)が400μm~900μmとなるように樹脂組成物層を形成する。このように樹脂組成物層の厚さを400μm~900μmとすることで部品の封止を好適に行うことができる。樹脂組成物層の厚さは、好ましくは450μm以上、より好ましくは500μm以上、又は550μm以上である。上限は、好ましくは850μm以下、より好ましくは700μm以下、さらに好ましくは650μm以下、又は600μm以下である。
本発明のシート状樹脂組成物の製造において、歩留まり向上の観点、塗工回数を抑えて異物付着等のリスクを低減させる観点、樹脂組成物層の厚さの精度を向上させるという観点から、前記工程(B)は、1回のみ行うか、又は2回のみ繰り返すことが好ましい。
(1)工程(B)を1回のみ行う場合
この場合には、接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせて仮樹脂組成物層と一体化させることにより、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。
工程(A)で用意する、2以上用意する接着フィルムは同一の接着フィルムであってもよく、異なる接着フィルムであってもよい。即ち、2種類の接着フィルムにおける仮樹脂組成物層を形成する樹脂組成物の組成は、同一であっても異なっていてもよく、2種類の接着フィルムにおける仮樹脂組成物層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
(2)工程(B)を2回以上繰り返して行う場合
工程(B)を2回繰り返して行う場合の一例は以下のとおりである。まず、工程(A)で第1~第3の接着フィルムを用意し、第1及び第2の接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる。その後、一方の支持体を剥離後、第3の接着フィルムの仮樹脂組成物層と第1及び第2の接着フィルムの仮樹脂組成物層を一体化させた仮樹脂組成物層とが接するように重ねあわせる。このようにして、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。工程(B)を3回以上繰り返して行う場合も同様に行うことができる。
なお、工程(B)を2回以上繰り返す場合に、工程(B)が1回以上行われているが最終的な所定の厚さに到達していない製造中途の層構造についても「仮樹脂組成物層」と称する。
このとき、工程(A)にて用意する各接着フィルムの仮樹脂組成物層を形成する樹脂組成物の組成、及び仮樹脂組成物層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。また、2回以上繰り返して行われる工程(B)それぞれにより付加される部分の仮樹脂組成物層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
なお、工程(A)での乾燥条件にかかる乾燥処理がロール状の長尺の支持体を搬送しながら行われる場合には、乾燥処理は移動しつつある露出した領域に連続的に行われる。結果として長尺の仮樹脂組成物層、樹脂組成物層が均一に乾燥処理される。また、形成された樹脂組成物層の残留溶剤率は0.5質量%~5質量%であることが好ましい。残留溶剤率は、硬化時に樹脂組成物層(硬化体)内にボイドが発生することを防止する観点から、5質量%以下であることが好ましい。また、樹脂組成物層の取扱い性を向上させる観点から、残留溶剤率は0.5質量%以上であることが好ましい。
上記の仮樹脂組成物層の形成工程及び/又は樹脂組成物層の形成工程は、形成される仮樹脂組成物層及び/又は樹脂組成物層の厚さが所定の厚さとなっているかを逐次計測し、厚さを管理しつつ実施することが好ましい。このようにすれば樹脂組成物層の厚さの均一性をより高めることができ、シート状樹脂組成物の品質をより向上させることができる。
工程(A)及び工程(B)のうちのいずれか一方又は両方は、支持体として長尺の支持体を用いて、ロールツーロール方式で行うことが好ましい。工程(A)及び工程(B)のうちのいずれか一方又は両方は、バッチ方式で行ってもよく、また工程(A)及び1回以上行われる工程(B)それぞれは、ロールツーロール方式とバッチ方式とを組み合わせて行ってもよい。
ロールツーロール方式による仮樹脂組成物層及び/又は樹脂組成物層の形成工程は、巻き出しロール及び巻き取りロールを含む少なくとも2つのロール間に張り渡された長尺の支持体(基板、フィルム)を連続的に搬送しながら、巻き出しロール及び巻き取りロール間に露出する支持体の一方の主面に樹脂組成物を塗布して塗布膜を形成し、連続的に塗布膜を乾燥処理して仮樹脂組成物層又は樹脂組成物層を形成し、さらには連続的に形成された層の厚さを測定することにより行われる。
工程(A)と1回行われるか又は2回以上繰り返される工程(B)とは、ロールツーロール方式で一連の工程として実施することもできる。これらの工程をロールツーロール方式により実施すれば、歩留まりをより向上させることができる。
本発明のシート状樹脂組成物は、樹脂組成物層の面を覆う、保護フィルムをさらに備えていてもよい。保護フィルムは、樹脂組成物層へのゴミ等の付着やキズの防止に寄与する。保護フィルムの材料としては、仮樹脂組成物層、支持体について説明した材料と同じ材料を用いることができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。特に、ロール状のシート状樹脂組成物を作製する際に、巻きずれや皺を防止できることから、保護フィルムの厚さは支持体の厚さよりも薄いことが好ましい。
シート状樹脂組成物は部品封止用フィルムとして好適に使用可能であり、シート状樹脂組成物を部品封止用フィルムとして使用する場合、封止工程を実施する際には、保護フィルムを剥離して樹脂組成物層を露出させることによって使用可能となる。
(部品封止用フィルムの使用態様)
シート状樹脂組成物を部品封止用フィルムとして使用する場合、部品封止用フィルムにより封止され得る部品は、特に限定されず、所望の機能に応じた任意好適な部品が挙げられる。部品封止用フィルムにより封止され得る部品としては、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動部品に加え、半導体チップ、半導体チップパッケージ等の能動部品が挙げられる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、例えば部品内蔵回路基板の部品の封止工程に好適に用いることができる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、半導体チップ、半導体チップパッケージ(マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウエハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、システムインパッケージ)等の半導体装置の封止工程(アンダーフィルモールディング、オーバーモールディング)等にも好適に適用することができる。即ち本発明の部品内蔵回路基板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含み、本発明の半導体装置(好ましくは、マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウエハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、またはシステムインパッケージ)は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む。
部品封止用フィルムを用いて封止工程を実施すれば、厚さがより厚い部品を搭載した場合、封止層(封止部)が形成される封止面の凹凸の高さの差が大きい場合であっても効果的に埋め込んで精度よく封止層(封止部)を形成することができる。この封止工程により、より高品質な部品内蔵回路基板、半導体装置を歩留まりよく効率的に製造することができる。
部品封止用フィルムが用いられる部品内蔵回路基板、半導体装置の用途としては、例えば、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等の動作の制御等のために用いられる種々の形態の部品内蔵回路基板、半導体装置が挙げられる。
部品封止用フィルムを用いる封止工程の例について説明する。まず、封止対象となる部品が搭載された部品内蔵回路基板、半導体装置を用意する。封止対象となる部品の表面に部品封止用フィルムの樹脂組成物層が接触するように載置する。次いで、例えば、プレス成形工程又は真空積層工程を実施することにより、樹脂組成物層に部品を埋め込んで被覆する。
かかるプレス成形工程又は真空積層工程は、封止される部品の機能を損なわないことを条件として任意好適な条件で行うことができる。このときの温度条件、加圧条件は、樹脂組成物層の最低溶融粘度を勘案して決定すればよい。このようなプレス成形工程又は真空積層工程は、市販の真空プレス装置、真空ラミネーター装置を用いて実施することができる。半導体チップは、一般に応力、加熱処理により劣化するおそれがあるため、真空ラミネーター装置を用いた真空積層工程により埋め込むことが好ましい。このような真空積層条件は、例えば、圧力1~11kgf/cm、温度70~140℃、時間5~180秒間の条件で行うことができる。
支持体は、かかるプレス成形工程又は真空積層工程の後に樹脂組成物層から剥離してもよいし、熱硬化工程の後に剥離してもよい。支持体は、熱硬化工程の後に剥離することが好ましい。なお、例えば支持体により放熱機能、保護機能等を付加する場合には、支持体を樹脂組成物層又は硬化体から剥離せず、そのまま利用してもよい。
次いで、部品が埋め込まれた樹脂組成物層を加熱処理して熱硬化する熱硬化工程を実施する。この熱硬化工程により、樹脂組成物層は硬化されて封止層とされる。
かかる熱硬化工程の加熱処理の条件は特に限定されず、封止される部品の機能を損なわないことを条件として樹脂組成物層の最低溶融粘度等を勘案して決定すればよい。また、かかる熱硬化工程は、大気圧下(常圧下)にて行うことが好ましい。
以上の封止工程により、樹脂組成物層は部品を封止する硬化体、すなわち封止層とされる。
所望により封止層を備えた構造体を2以上の個片に切断する個片化工程を実施してもよい。この個片化工程は、例えば、回転刃を備える従来公知のダイシング装置によりマージン領域を研削して切断することにより行うことができる。この個片化工程により、封止層が形成された構造体は、それぞれが部品を内包して封止する封止部を備える複数個の機能素子に個片化される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。なお、実施例1、6及び8は、それぞれ参考例1、6及び8と読み替えるものとする。後記の表1においても同様である。
(使用した無機充填材)
(株)アドマテックス製「アドマファイン」、「アドマナノ」、電気化学工業(株)製「SFPシリーズ」、「UFPシリーズ」、新日鉄住金マテリアルズ(株)製「SP(H)シリーズ」、堺化学工業(株)製「Sciqasシリーズ」、(株)日本触媒製「シーホスターシリーズ」を単独又は組み合わせて表面処理を行い以下の無機充填材1~5を調製した。
無機充填材1:
平均粒径:2.1μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:10.1mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:14.2mJ/g
無機充填材2:
平均粒径:2.1μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:9.2mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:14.1mJ/g
無機充填材3:
平均粒径:2.4μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:13mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:21.3mJ/g
無機充填材4:
平均粒径:1.6μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:18.4mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:26mJ/g
無機充填材5:
平均粒径:2.8μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:5.7mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:11.2mJ/g
(条件C1でのパウダーレオメーター測定)
パウダーレオメーター FT4(freemantechnology社製)を用い、内径50mm、容量160mlの容器を使用し、回転翼(直径:48mm)の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件で測定を実施した。
(条件C2でのパウダーレオメーター測定)
パウダーレオメーター FT4(freemantechnology社製)を用い、内径50mm、容量160mlの容器を使用し、回転翼(直径:48mm)の先端スピード40mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件で測定を実施した。
(エラストマーAの合成)
撹拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、溶剤としてエチルジグリコールアセテートを292.09g、ソルベッソ150(芳香族系溶剤、エクソンモービル社製)292.09gを入れ、ジフェニルメタンジイソシアネートを100.1g(0.4モル)とポリブタジエンジオール(水酸基価52.6KOHmg/g、分子量2133)426.6g(0.2モル)を仕込んで70℃で4時間反応を行った。ついでノニルフェノールノボラック樹脂(水酸基当量229.4g/eq、平均4.27官能、平均計算分子量979.5g/モル)195.9g(0.2モル)とエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート41.0g(0.1モル)とを仕込んで、2時間かけて150℃に昇温し、12時間反応させた。
反応後は透明な茶色の液体となり、不揮発分55%で粘度14Pa・s(25℃)のポリイミド樹脂溶液を得た。得られたポリイミド樹脂の溶液をKBr板に塗装し、溶剤成分を揮発させた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅していて、725cm-1と1780cm-1と1720cm-1とにイミド環の吸収が確認された。また1540cm-1にウレタン結合の吸収が確認された。また、イミド化の進行に伴う炭酸ガスの発生量は、フラスコ仕込み重量の変化で追跡し8.8g(0.2モル)であった。エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートの酸無水物の官能基当量は0.2モルであり、炭酸ガスの発生量も0.2モルであり、酸無水物が全てイミド形成に使用され、カルボン酸無水物は存在していないと結論される。これによりイソシアネート基の内、0.2モル分がイミド結合に変換され、残りのイソシアネート基はポリブタジエンジオールの水酸基及びノニルフェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸基と共にウレタン結合を形成し、これにより樹脂にフェノールノボラック樹脂のフェノール性水酸基を有し、一部のフェノール性水酸基がウレタン結合で変性されたポリイミドウレタン樹脂(エラストマーA)が得られた。
<透湿係数の測定>
(評価用硬化物の作製)
離型剤処理されたPETフィルム(リンテック(株)製「501010」、厚み38μm、240mm角)の離型剤未処理面に、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(松下電工(株)製「R5715ES」、厚み0.7mm、255mm角)を重ね四辺をポリイミド接着テープ(幅10mm)で固定した(以下、「固定PETフィルム」)。
実施例及び比較例で作製した樹脂ワニスをアルキド樹脂系離型剤(リンテック(株)製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」)上に、乾燥後の仮樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得た。各接着フィルム(厚み40μm、200mm角)を、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、仮樹脂組成物層が固定PETフィルムの離型剤処理面と接するように、中央にラミネート処理し、支持体付き樹脂シートを得た。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。
次いで、100℃の温度条件で、100℃のオーブンに投入後30分間、次いで175℃の温度条件で、175℃のオーブンに移し替えた後30分間、熱硬化させた。その後、基板を室温雰囲気下に取り出し、支持体付き樹脂シートから離型PETを剥離した後、さらに190℃のオーブンに投入後90分間の硬化条件で熱硬化させた。
熱硬化後、ポリイミド接着テープを剥がし、硬化物をガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板から取り外し、更にPETフィルム(リンテック(株)製「501010」)も剥離して、シート状の硬化物を得た。得られた硬化物を「評価用硬化物」と称する。
評価用硬化物(厚み40μm)を直径70mmの円状に切断し、JIS Z0208の透湿度試験方法(カップ法)に従って、透湿度の測定を行った。具体的には、60℃、85%RH、24時間でサンプルを透過した水分重量を測定することにより透湿度(g/m・24h)を求め、膜厚で除して透湿係数(g・mm/m・24h)を算出した。3つの試験片の平均値を下記表に示した。
<平均線熱膨張係数(CTE)の測定>
評価用硬化物を幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置((株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」)を用いて、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回の測定において、25℃から150℃までの範囲における平面方向の平均線熱膨張係数(ppm/℃)を算出した。
<弾性率の測定>
評価用硬化物をダンベル状1号形に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC-1250A」を用いて引張強度測定を行い、23℃における弾性率を求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。この操作を3回行いその平均値を表に示した。
<硬化後の膨れの有無>
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが400μmとなるように、得られた樹脂組成物ワニスをダイコーターにて塗布し、80~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得たのち、同一の樹脂ワニスからなる接着フィルムを貼りあわせ、厚みが800μmのシート状樹脂組成物を得、一方の支持体を剥離した。次に銅箔(JX日鉱日石金属(株)製 「JTC箔」、銅箔厚み18μm)へ当該シート状樹脂組成物の支持体を剥離した面側をラミネートした後、PETフィルムを除去した。得られたシート状樹脂組成物付き銅箔をガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)の両面をメック(株)製粗化処理剤(CZ8100)により1μm、エッチングして銅表面の粗化処理を行ったもの)へバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)でラミネートした。基板、シート状樹脂組成物のサイズは255mm×340mmであった。その後、100℃30分間加熱した後に180℃90分間熱硬化し、基板とシート状樹脂組成物の間、もしくはシート状樹脂組成物と銅箔の間のふくれ有無を確認し、膨れがないものを「○」とし、膨れがあるものを「×」とした。
<反り量の確認>
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の仮樹脂組成物層の厚さが400μmとなるように、得られた樹脂ワニスをダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得たのち、同一の樹脂ワニスからなる接着フィルムを貼りあわせ、厚みが800μmのシート状樹脂組成物を得、一方の支持体を剥離した。ガラス布基材BTレジン両面銅張積層板(銅箔の厚み18μm、基板厚み0.15mm、三菱ガス化学(株)製「HL832NSF LCA」、大きさ15cm×18cm)の片面にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)にて当該シート状樹脂組成物の支持体を剥離した面側をラミネートし、PETフィルムを除去した後、100℃30分間加熱した後に180℃90分間熱硬化させ平面に置き反り量を確認した。4つ角それぞれの反り量の平均値が1cm未満を「○」、1cm以上2cm未満を「△」、2cm以上を「×」とした。
<樹脂ワニスの安定性>
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをプラスチック容器に入れ、5℃の冷蔵庫に1~5日間静置し樹脂ワニスの安定性を確認した。5日間静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じないものを「○」、4日間静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じず、5日目に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じたものを「△」、4日目までに静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じたものを「×」とした。
<実施例1>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、Tg12℃、官能基等量4762g/eq、重量平均分子量Mw850,000)1,000部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材1(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g、平均粒径2.1μm))950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を作製した。
<実施例2>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材2(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:9.2mJ/g)、平均粒径2.1μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を作製した。
<実施例3>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーAワニス300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:13mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス3を作製した。
<実施例4>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材4(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:18.4mJ/g)平均粒径1.6μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス4を作製した。
<実施例5>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)45部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)12部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)8部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 240部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)20部、無機充填材1(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.1μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス5を作製した。
<実施例6>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)18部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)5部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)3部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量:850,000)1,133部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)9部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス6を作製した。
<実施例7>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)66部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)30部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)15部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 140部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)30部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.4μm)1100部、およびメチルエチルケトン40部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス7を作製した。
<実施例8>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量:850,000)1,000部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材5(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:5.7mJ/g、平均粒径2.8μm))950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス8を作製した。
<比較例1>
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)76部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)25部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032」、エポキシ当量140-150g/eq)20部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)13部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、「UE3400」)40部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)30部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:13mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス9を作製した。
Figure 0007154732000001
表中、「(c)成分の含有量(質量%)」は、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合の(c)成分の含有量を表し、「(a)成分の含油量(質量%)」は、(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合の(a)成分の含有量を表す。

Claims (10)

  1. (a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
    (a)成分が、ブタジエン構造単位と、(b1)成分及び/又は(b2)成分と反応し得る官能基とを有し、
    (b1)成分及び/又は(b2)成分と反応し得る官能基が、フェノール性水酸基、エポキシ基、イソシアネート基及びウレタン基から選択される1種以上の官能基を含み、
    (c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、
    樹脂組成物を100℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、
    熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m/24h)以上であり、
    (a)成分の含有量が、(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、33質量%~85質量%である、樹脂組成物。
  2. (a)成分が、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂、及び25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である、請求項に記載の樹脂組成物。
  3. (a)成分が、イミド構造単位を有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. (a)成分が、フェノール性水酸基を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. (b1)成分の含有量をB1(質量%)、(b2)成分の含有量をB2(質量%)としたとき、B1>B2の関係を満たす、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 熱硬化物の透湿係数が、3~10(g/mm/m/24h)である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、部品内蔵回路基板。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、半導体装置。
  10. (A)支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
    (B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程と、を含み、
    前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する、シート状樹脂組成物の製造方法。
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