JP7154732B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1] (a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
(c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、
樹脂組成物を100℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、
熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m2/24h)以上である、樹脂組成物。
[2] (a)成分の含有量が、(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、30質量%~85質量%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギー(mJ/g)が、回転翼の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C1において、6~20である、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] パウダーレオメーター測定における、(c)成分1g当たりの基本流動性エネルギー(mJ/g)が、回転翼の先端スピード40mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件C2において、12~27である、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] (a)成分が、ブタジエン構造単位、ポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、アルキレン構造単位、アルキレンオキシ構造単位、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、及びポリカーボネート構造単位から選択される1種以上の構造単位を有する、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (a)成分が、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂、及び25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] (a)成分が、(b)成分と反応し得る官能基を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] (a)成分が、イミド構造単位を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] (a)成分が、フェノール性水酸基を有する、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] (b1)成分の含有量をB1(質量%)、(b2)成分の含有量をB2(質量%)としたとき、B1>B2の関係を満たす、[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] 熱硬化物の透湿係数が、3~10(g/mm/m2/24h)である、[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
[13] [1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、部品内蔵回路基板。
[14] [1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、半導体装置。
[15] (A)支持体と、該支持体上に設けられた、[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
(B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程と、を含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する、シート状樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は、(a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、(c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、樹脂組成物を100℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m2/24h)以上である。
樹脂組成物は(a)エラストマーを含む。本発明においてエラストマーとは、柔軟性を有する樹脂を意味し、特に限定されないが、例えば分子内に、ブタジエン構造単位、ポリシロキサン構造単位、(メタ)アクリレート構造単位、アルキレン構造単位、アルキレンオキシ構造単位、イソプレン構造単位、イソブチレン構造単位、及びポリカーボネート構造単位から選択される1種または2種以上の構造を有することで柔軟性を示す樹脂が挙げられる。(a)成分のような柔軟な樹脂を含むことで、銅等に対するめっきピール強度が向上し、さらに反り等の発生を抑制することができる。
樹脂組成物は、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、及び(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂を含む。(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂(以下、単に「液状エポキシ樹脂」ともいう。)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状の、芳香族構造を有するエポキシ樹脂のことをいい、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂(以下、単に「固体状エポキシ樹脂」ともいう。)は、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状の、芳香族構造を有するエポキシ樹脂のことをいう。芳香族構造とは、一般に芳香族と定義される化学構造であり、多環芳香族及び芳香族複素環をも含む。本発明では、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。
樹脂組成物は(c)無機充填材を含む。無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。またシリカとしては球形シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(d)硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤としては、(b)成分等の樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。(d)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤及びシアネートエステル系硬化剤から選択される1種以上であることが好ましい。
樹脂組成物は、(e)硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は(f)難燃剤を含んでいてもよい。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、さらに必要に応じて、他の添加剤を含んでいてもよく、斯かる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びにバインダー、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
シート状樹脂組成物の製造方法は、
(A)支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
(B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程とを含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する。また、シート状樹脂組成物は上記製造方法により製造される。
工程(A)は、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程であり、即ち、2以上の接着フィルムを用意する工程である。2以上用意する接着フィルムは同一の接着フィルムであってもよく、異なる接着フィルムであってもよい。
接着フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する。
次に、工程(A)により用意された接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる(工程(B))。その場合、ロールツーロール方式を用いることができ、例えば重ねあわせる際の線圧は0.02~1MPa/mm2で実施してもよい。
この場合には、接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせて仮樹脂組成物層と一体化させることにより、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。
工程(B)を2回繰り返して行う場合の一例は以下のとおりである。まず、工程(A)で第1~第3の接着フィルムを用意し、第1及び第2の接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる。その後、一方の支持体を剥離後、第3の接着フィルムの仮樹脂組成物層と第1及び第2の接着フィルムの仮樹脂組成物層を一体化させた仮樹脂組成物層とが接するように重ねあわせる。このようにして、所定の厚さの樹脂組成物層が形成される。工程(B)を3回以上繰り返して行う場合も同様に行うことができる。
シート状樹脂組成物を部品封止用フィルムとして使用する場合、部品封止用フィルムにより封止され得る部品は、特に限定されず、所望の機能に応じた任意好適な部品が挙げられる。部品封止用フィルムにより封止され得る部品としては、例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗等の受動部品に加え、半導体チップ、半導体チップパッケージ等の能動部品が挙げられる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、例えば部品内蔵回路基板の部品の封止工程に好適に用いることができる。本発明にかかる部品封止用フィルムは、半導体チップ、半導体チップパッケージ(マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウエハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、システムインパッケージ)等の半導体装置の封止工程(アンダーフィルモールディング、オーバーモールディング)等にも好適に適用することができる。即ち本発明の部品内蔵回路基板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含み、本発明の半導体装置(好ましくは、マルチチップパッケージ、パッケージオンパッケージ、ウエハレベルパッケージ、パネルレベルパッケージ、またはシステムインパッケージ)は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む。
(株)アドマテックス製「アドマファイン」、「アドマナノ」、電気化学工業(株)製「SFPシリーズ」、「UFPシリーズ」、新日鉄住金マテリアルズ(株)製「SP(H)シリーズ」、堺化学工業(株)製「Sciqasシリーズ」、(株)日本触媒製「シーホスターシリーズ」を単独又は組み合わせて表面処理を行い以下の無機充填材1~5を調製した。
無機充填材1:
平均粒径:2.1μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:10.1mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:14.2mJ/g
無機充填材2:
平均粒径:2.1μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:9.2mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:14.1mJ/g
無機充填材3:
平均粒径:2.4μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:13mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:21.3mJ/g
無機充填材4:
平均粒径:1.6μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:18.4mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:26mJ/g
無機充填材5:
平均粒径:2.8μm、アミノシラン系カップリング剤:信越化学工業(株)製「KBM573」、測定条件C1における基本流動性エネルギー:5.7mJ/g、測定条件C2における基本流動性エネルギー:11.2mJ/g
パウダーレオメーター FT4(freemantechnology社製)を用い、内径50mm、容量160mlの容器を使用し、回転翼(直径:48mm)の先端スピード100mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件で測定を実施した。
パウダーレオメーター FT4(freemantechnology社製)を用い、内径50mm、容量160mlの容器を使用し、回転翼(直径:48mm)の先端スピード40mm/sec、回転翼の進入角度5°の条件で測定を実施した。
撹拌装置、温度計及びコンデンサーをつけたフラスコに、溶剤としてエチルジグリコールアセテートを292.09g、ソルベッソ150(芳香族系溶剤、エクソンモービル社製)292.09gを入れ、ジフェニルメタンジイソシアネートを100.1g(0.4モル)とポリブタジエンジオール(水酸基価52.6KOHmg/g、分子量2133)426.6g(0.2モル)を仕込んで70℃で4時間反応を行った。ついでノニルフェノールノボラック樹脂(水酸基当量229.4g/eq、平均4.27官能、平均計算分子量979.5g/モル)195.9g(0.2モル)とエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート41.0g(0.1モル)とを仕込んで、2時間かけて150℃に昇温し、12時間反応させた。
(評価用硬化物の作製)
離型剤処理されたPETフィルム(リンテック(株)製「501010」、厚み38μm、240mm角)の離型剤未処理面に、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(松下電工(株)製「R5715ES」、厚み0.7mm、255mm角)を重ね四辺をポリイミド接着テープ(幅10mm)で固定した(以下、「固定PETフィルム」)。
実施例及び比較例で作製した樹脂ワニスをアルキド樹脂系離型剤(リンテック(株)製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ(株)製「ルミラーR80」、厚み38μm、軟化点130℃、以下「離型PET」)上に、乾燥後の仮樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得た。各接着フィルム(厚み40μm、200mm角)を、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター、CVP700)を用いて、仮樹脂組成物層が固定PETフィルムの離型剤処理面と接するように、中央にラミネート処理し、支持体付き樹脂シートを得た。ラミネート処理は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。
評価用硬化物を幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置((株)リガク製「Thermo Plus TMA8310」)を用いて、引張加重法にて熱機械分析を行った。詳細には、試験片を前記熱機械分析装置に装着した後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。そして2回の測定において、25℃から150℃までの範囲における平面方向の平均線熱膨張係数(ppm/℃)を算出した。
評価用硬化物をダンベル状1号形に切り出し、試験片を得た。該試験片を、オリエンテック社製引張試験機「RTC-1250A」を用いて引張強度測定を行い、23℃における弾性率を求めた。測定は、JIS K7127に準拠して実施した。この操作を3回行いその平均値を表に示した。
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが400μmとなるように、得られた樹脂組成物ワニスをダイコーターにて塗布し、80~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得たのち、同一の樹脂ワニスからなる接着フィルムを貼りあわせ、厚みが800μmのシート状樹脂組成物を得、一方の支持体を剥離した。次に銅箔(JX日鉱日石金属(株)製 「JTC箔」、銅箔厚み18μm)へ当該シート状樹脂組成物の支持体を剥離した面側をラミネートした後、PETフィルムを除去した。得られたシート状樹脂組成物付き銅箔をガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)の両面をメック(株)製粗化処理剤(CZ8100)により1μm、エッチングして銅表面の粗化処理を行ったもの)へバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)でラミネートした。基板、シート状樹脂組成物のサイズは255mm×340mmであった。その後、100℃30分間加熱した後に180℃90分間熱硬化し、基板とシート状樹脂組成物の間、もしくはシート状樹脂組成物と銅箔の間のふくれ有無を確認し、膨れがないものを「○」とし、膨れがあるものを「×」とした。
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の仮樹脂組成物層の厚さが400μmとなるように、得られた樹脂ワニスをダイコーターにて塗布し、80℃~120℃(平均100℃)で10分間乾燥し接着フィルムを得たのち、同一の樹脂ワニスからなる接着フィルムを貼りあわせ、厚みが800μmのシート状樹脂組成物を得、一方の支持体を剥離した。ガラス布基材BTレジン両面銅張積層板(銅箔の厚み18μm、基板厚み0.15mm、三菱ガス化学(株)製「HL832NSF LCA」、大きさ15cm×18cm)の片面にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ(株)製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)にて当該シート状樹脂組成物の支持体を剥離した面側をラミネートし、PETフィルムを除去した後、100℃30分間加熱した後に180℃90分間熱硬化させ平面に置き反り量を確認した。4つ角それぞれの反り量の平均値が1cm未満を「○」、1cm以上2cm未満を「△」、2cm以上を「×」とした。
実施例、比較例で作製した樹脂ワニスをプラスチック容器に入れ、5℃の冷蔵庫に1~5日間静置し樹脂ワニスの安定性を確認した。5日間静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じないものを「○」、4日間静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じず、5日目に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じたものを「△」、4日目までに静置後に容器の底部に樹脂ワニス成分の沈殿が生じたものを「×」とした。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、Tg12℃、官能基等量4762g/eq、重量平均分子量Mw850,000)1,000部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材1(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g、平均粒径2.1μm))950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材2(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:9.2mJ/g)、平均粒径2.1μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーAワニス300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:13mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス3を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 300部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材4(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:18.4mJ/g)平均粒径1.6μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス4を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)45部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)12部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)8部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 240部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)20部、無機充填材1(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.1μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス5を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)18部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)5部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)3部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量:850,000)1,133部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)9部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス6を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)66部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)30部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)15部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、エラストマーA 140部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)30部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:10.1mJ/g)、平均粒径2.4μm)1100部、およびメチルエチルケトン40部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス7を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)30部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)8部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス(株)製「テイサンレジンSG-P3」、固形分15%のメチルエチルケトン溶液、アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量:850,000)1,000部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)12部、無機充填材5(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:5.7mJ/g、平均粒径2.8μm))950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス8を作製した。
液状エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品(質量比)、エポキシ当量:169g/eq)76部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC-3000H」、エポキシ当量:288g/eq)25部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032」、エポキシ当量140-150g/eq)20部、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「630LSD」、エポキシ当量:90~105g/eq)13部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、イミダゾール誘導体)1部、ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、「UE3400」)40部、クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「KA-1163」、フェノール性水酸基当量:118g/eq)30部、無機充填材3(アミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(基本流動性エネルギー:13mJ/g)、平均粒径2.4μm)950部、およびメチルエチルケトン20部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス9を作製した。
Claims (10)
- (a)エラストマー、(b1)芳香族構造を有する液状エポキシ樹脂、(b2)芳香族構造を有する固体状エポキシ樹脂、及び(c)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
(a)成分が、ブタジエン構造単位と、(b1)成分及び/又は(b2)成分と反応し得る官能基とを有し、
(b1)成分及び/又は(b2)成分と反応し得る官能基が、フェノール性水酸基、エポキシ基、イソシアネート基及びウレタン基から選択される1種以上の官能基を含み、
(c)成分の含有量が、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%~95質量%であり、
樹脂組成物を100℃で30分間、次いで175℃で30分間、さらに190℃で90分間熱硬化させた熱硬化物の23℃における弾性率が18GPa以下であり、
熱硬化物の透湿係数が、3(g/mm/m2/24h)以上であり、
(a)成分の含有量が、(c)成分を除いた樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、33質量%~85質量%である、樹脂組成物。 - (a)成分が、ガラス転移温度が25℃以下の樹脂、及び25℃で液状である樹脂から選択される1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- (a)成分が、イミド構造単位を有する、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- (a)成分が、フェノール性水酸基を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (b1)成分の含有量をB1(質量%)、(b2)成分の含有量をB2(質量%)としたとき、B1>B2の関係を満たす、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 熱硬化物の透湿係数が、3~10(g/mm/m2/24h)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルム。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、部品内蔵回路基板。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された封止層を含む、半導体装置。
- (A)支持体と、該支持体上に設けられた、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む仮樹脂組成物層と、を有する接着フィルムを2以上用意する工程と、
(B)前記接着フィルムの仮樹脂組成物層同士が接するように重ね合わせる工程と、を含み、
前記工程(B)を1回のみ行うか、又は2回以上繰り返して、厚さが400μm~900μmの樹脂組成物層を形成する、シート状樹脂組成物の製造方法。
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