JP2015199814A - 樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および、電子装置 - Google Patents

樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および、電子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極部材が備える電極同士を半田接合するとともに、電極部材間を樹脂組成物により充填する際に、電極同士の半田接合性や電子装置に荷重が作用した場合の機械的な耐性を向上させ、電子装置の接続信頼性を向上させることができるとともに、高速信号伝送にも対応可能な電子装置を得ること。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂と、
(B)成膜性樹脂と、(C)充填材と、を含有し、100℃における溶融粘度V1が200Pa・s以上、30000Pa・s以下であり、硬化後のフィルム状の樹脂組成物の弾塑比が10%以上、50%以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および、電子装置に関する。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される電子装置、例えば半導体パッケージも、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。
電子装置は、電極部材を電気的に接合する工程を実施することにより製造される。
このような電子装置においては、電極が形成された電極部材間の電気的な接続を得るために通常、半田接合が用いられている。この半田接合を実施する箇所としては、例えば、半導体チップ同士の導通接合部、半導体チップをフリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間の導通接合部、回路基板同士の導通接合部などが挙げられる。
この半田接合部には、電気的な接続信頼性および機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる液状封止樹脂組成物が注入されている(アンダーフィル封止と呼称される)。
この半田接合部に生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂組成物で充填して補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂組成物を空隙に注入し、これを硬化させることによって半田接合部を補強する方法が用いられている。
しかしながら、電子装置の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しており、半田接合後に液状封止樹脂組成物を注入しても、注入位置や注入量の調節が難しいため、空隙に液状封止樹脂組成物が充分に行き渡らず、空隙を完全に充填することが困難になるという問題を生じている。
このような問題に対して、電極部材間にフラックス機能を有する接着フィルムを介在させることにより、電極部材間の半田接合と接着とを一括で行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記の方法では、例えば、回路基板上に半導体チップを搭載する場合、まず、フラックス機能を有する接着フィルムがベースフィルム上に積層された接着シートと、複数の個別回路が設けられたウエハとを用意し、この接着シートを、接着フィルムがウエハの個別回路と対向するようにして配置し、接着シートをウエハにラミネートした後、個別のチップにダイシングすることにより、接着シートがラミネートされた半導体チップが得られる。
そして、回路基板と、接着シートがラミネートされた半導体チップとを、接着シートが回路基板と半導体チップとの間に位置するように積層した後、熱と圧力を加えることにより、接着シートを溶融させ、回路基板の電極と半導体チップの電極とを溶融接合するとともに、回路基板と半導体チップとの間の空隙を充填することにより、回路基板に半導体チップが搭載された電子装置が得られる。
このような技術において、回路基板と半導体チップ間、あるいは半導体チップと半導体チップ間などのギャップ(間隙)が狭くなると、相対する電気回路同士の距離、すなわち
相対する配線と配線との距離が近づくことになる。このことは、相対する配線と配線との間に生じる寄生容量(静電容量)が増加することを意味し、これにより配線内を通る電気信号の遅延の増加(=RC時定数の増加)を招くことに繋がるため、高速信号伝送が要求される用途において、良好な特性を発現できる電子装置が要求されている。
また、このような技術において、例えば、回路基板の電極との半導体チップの電極を溶融接合した電子装置をインターポーザー基板に搭載する際のボンディングの荷重によって、電子装置内の回路基板の電極と半導体チップの電極との接合部に応力が集中し接合部にクラックが生じたり、ボンディング荷重の反力によってインターポーザー基板から電子装置のコーナー部で剥離が発生したりすることに繋がるため、このような現象の発生を防止できる特性を有する電子装置が要求されている。
特開2013−112730号公報
本発明は、樹脂組成物を用いて、電極部材が備える電極同士を半田接合するとともに、電極部材間を樹脂組成物により充填する際に、接合する電極間の距離、および、樹脂組成物の硬化物の物理的特性を最適化することにより、電極同士の半田接合性や電子装置に荷重が作用した場合の機械的な耐性を向上させ、電子装置の接続信頼性を向上させることができるとともに、電極部材間の距離を最適化し、樹脂組成物の硬化物により形成される部分を低静電容量化することにより、高速信号伝送にも対応可能な電子装置を得ることができる樹脂組成物、この樹脂組成物から形成される接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および、かかる接着フィルムの硬化物を有する電子装置を提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(21)に記載の本発明により達成される。
(1)相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続する樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)成膜性樹脂と、
(C)充填材と、を含有し、
100℃における溶融粘度V1が200Pa・s以上、30000Pa・s以下であり、
硬化後の樹脂組成物の弾塑比が10%以上、50%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記(1)に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物は、150℃における溶融粘度V2が100Pa・s以上、25000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(3)前記(2)に記載の樹脂組成物において、
前記溶融粘度V1と前記溶融粘度V2との比(V1/V2)が、0.5以上、3.0以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(4)前記(1)ないし(3)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
前記(A)エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン構造を分子内に有するエポキシ樹脂、および、ビフェニル構造を分子内に有するエポキシ樹脂、から選ばれる1種以上を含有するものであることを特徴とする樹脂組成物。
(5)前記(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
前記(B)成膜性樹脂は、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000以上、1,100,000以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(6)前記(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
前記(C)充填材は、平均粒子径が5nm以上、500nm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(7)前記(1)ないし(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(D)硬化剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(8)前記(1)ないし(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(E)フラックス機能を有する化合物、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(9)前記(1)ないし(8)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(F)硬化促進剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(10)前記(1)ないし(9)のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする、接着フィルム。
(11)前記(10)に記載の接着フィルムと、ベースフィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
(12)前記(10)に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着シート。
(13)前記(10)に記載の接着フィルムと、バックグラインドテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ一体型接着シート。
(14)前記(10)に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとバックグラインドテープとを兼ねたダイシングテープ兼バックグラインドテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート。
(15)前記(10)ないし(14)のいずれか一項に記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子装置。
本発明の接着フィルムを用いて、電極部材が備える電極同士を半田接合するとともに、電極部材間を樹脂組成物により充填することにより、接合する電極間の距離、および、樹脂組成物の硬化物の物理的特性を最適化でき、電極同士の半田接合性や電子装置に荷重が作用した場合の機械的な耐性を向上させ、電子装置の接続信頼性を向上させることができるとともに、電極部材間の距離を最適化でき、樹脂組成物の硬化物から形成される部分を低静電容量化することにより、高速信号伝送にも対応可能な電子装置を得ることができる。
(1)本発明の接着シートの一実施形態を示す縦断面図である。(2)本発明のダイシングテープ一体型接着シートの一実施形態を示す縦断面図である。(3)本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートの一実施形態を示す縦断面図である。(4)本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートの一実施形態を示す縦断面図である。 (a)〜(f)本発明の接着シートの一実施形態を用いて、回路基板上に半導体チップを搭載する方法を説明するための斜視図である。 (a)〜(d)本発明の接着シートの一実施形態を用いて、ウエハ上に接着シートをラミネートする工程を説明するための縦断面図である。 ナノインデンターを用い、硬化後の樹脂組成物の弾塑比を測定する際の荷重(mN)−押し込み方向の変位量(μm)曲線を図示したものである。
以下、本発明の樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および電子部品について、必要に応じて添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<樹脂組成物>
まず、樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、
相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続する樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)成膜性樹脂と、
(C)充填材と、を含有することを特徴とする。
以下、上記樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
(A)エポキシ樹脂
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂(以下、単に「(A)成分」と呼称することがある)を含有することが好ましい。
これにより、接着フィルムをより容易に製造することができ、さらに、ベースフィルムとの剥離性をより好適な水準とすることができる。
本発明の樹脂組成物において用いることができるエポキシ樹脂(A)としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビスナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセンジオール型エポキシ樹脂、及びトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン構造を分子内に有するエポキシ樹脂、および、ビフェニル構造を分子内に有するエポキシ樹脂から選ばれる1種以上を含有するものであることが好ましい。
特に、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び/又はトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂を用いると、樹脂組成物に耐熱性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物中における上記(A)エポキシ樹脂の含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、同様に、好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
これにより、接着フィルムの柔軟性と屈曲性と耐熱性とのバランスをより効果的に発現させることができる。また、これにより、接着フィルムのタック力が強くなり過ぎることや、接着フィルム自体が脆くなり過ぎることにより、取り扱い性が低下することを効果的に防止することができる。
本発明の樹脂組成物は、上述した(A)成分とともに、(B)成膜性樹脂(以下、単に「(B)成分」と呼称することがある)を含有することが好ましい。これにより、樹脂組成物をフィルム状に形成するのが容易になるとともに、接着フィルムの機械的特性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物において用いることができる上記(B)成膜性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらの成膜性樹脂から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中でも、(B)成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、、及び、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸およびその誘導体の重合体、又は、(メタ)アクリル酸およびその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリル酸等」と表記するときは、「アクリル酸またはメタアクリル酸等」を意味する。
上記(B)成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上である。また、重量平均分子量は、好ましくは1,100,000以下、さらに好ましくは1,000,000以下である。
上記(B)成膜性樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であると、接着フィルムの成膜性をより向上させることができる。
ここで重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量として算出することができる。
本発明の樹脂組成物中における上記(B)成膜性樹脂の含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、同様に40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
(B)成膜性樹脂の含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物から接着フィルムを形成する際に良好な成膜性を付与することができるとともに、接着フィルムの流動性を抑制することができ、接着フィルムの取り扱いを容易なものとすることができる。
(C)充填材
本発明の樹脂組成物は、上述した(A)成分、(B)成分とともに、(C)充填材を含有することが好ましい。
(C)充填材としては特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー等の等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、溶融シリカ、酸化チタン等の酸化物、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等に代表される無機充填材、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂等の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の粉末、またはこれらの樹脂で構成される共重合体等の粉末状有機充填材、ゴム粒子等の有機材料による充填材、木粉、パルプ、ケナフ、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の繊維状有機充填材等に代表される有機充填材等が挙げられる。
上記(C)充填剤の中でも、信頼性の向上という観点から、無機充填材が好ましい。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、酸化チタン、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、これらから1種又は2種以上を選択することができるが、コスト等の観点からシリカを好ましく用いることができる。シリカの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
また、熱伝導性等の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、等を用いることもできる。
上記無機充填材の平均粒子径は特に限定されないが、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがさらに好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。また、平均粒子径は500nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがさらに好ましく、300nm以下であることが特に好ましい。
平均粒子径を上記範囲とすることで、接着フィルムの透明性を向上させることができ、電子部品の電極上に接着フィルムを形成したときに、接着フィルムを通して電極形状を確認することができるため、接続時の位置ずれを防止し、生産性を向上させることができる。また、樹脂組成物における充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
さらに、平均粒子径を上記範囲内とすることで、樹脂組成物の流動性を確保できると共に高粘度化することができるので、電子装置製造時の樹脂組成物のはみ出しを抑制し、ボイドの発生を防止し、接合後の半田層の薄化による銅と半田の合金化の進行防止と半田の接合性の確保を両立する効果を発現させることができる。
上記(C)充填材の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。(C)充填材の含有量を上記範囲とすることで、半田接合部における信頼性を向上させつつ、接着フィルムの透明性をより向上させることができる。また、接着フィルムにおける(C)充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
さらに、上記範囲とすることで、硬化後の封止樹脂層と被接体との間の線膨張係数差が小
さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接体との密着性をさらに向上させることができる。さらに、硬化後の封止樹脂層の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができ、併せて半田接合部に充填材が巻き込まれることを防止するため、電子部品の接続信頼性をより向上させることができる。
(D)硬化剤
本発明の樹脂組成物は、上述した(A)成分〜(C)成分とともに、(D)硬化剤(以下、単に「(D)成分」と呼称することがある)を含有することができる。
本発明の樹脂組成物において用いることができる(D)硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレリレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族ポリアミン、ピリジン、ピロールなどの複素環式芳香族アミン化合物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの脂肪族酸無水物、無水トリトメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビス(モノまたはジtert−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルテトラデシリデン)ビスフェノールなどのフェノール系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中でも、フェノール系硬化剤を用いると、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができる。また、接着フィルムを硬化させる際のアウトガスとなる成分を低減させることができるので、アウトガスにより半導体チップや回路基板等の電極部材の支持体表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。
本発明の樹脂組成物中における上記(D)硬化剤の含有量としては、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。また、同様に、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
(D)硬化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、接着フィルムの機械的接着強度を充分に確保することができ、半田接合部の接続信頼性、すなわち本発明の電子装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、上述した(A)成分〜(D)成分のほか、(E)フラックス機能を有する化合物(以下、単に「(E)成分」と呼称することがある)を含有することができる。
上記(E)フラックス機能を有する化合物は、端子等の電極表面に形成された金属酸化
膜を除去する作用を有するものである。そのため、樹脂組成物中に、かかる化合物が含まれていると、たとえ電極表面に酸化膜が形成されたとしても、この化合物の作用により酸化膜を確実に除去することができる。その結果、電極間を電気的に接続させる接合工程において、半田成分の濡れ性が向上することで、電極間において広い範囲に濡れ拡がり、広い範囲で接合されることにより、電極間を確実に電気的に接続させることができる。これにより、半田接合部における接続信頼性が向上し、電子装置の製造における歩留まりを向上させることができる。
このような(E)フラックス機能を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく用いられる。
また、本発明の樹脂組成物において用いられる(E)フラックス機能を有する化合物は、フラックス作用を示すとともに、硬化性樹脂成分を硬化する硬化剤としての機能、すなわち、硬化性樹脂成分と反応可能な官能基を有するものを用いることができる。
このような官能基としては、本発明のように硬化性樹脂成分として(A)エポキシ樹脂を用いる場合、カルボキシル基、水酸基、アミノ基のような(A)エポキシ基と反応可能な官能基が挙げられる。このようなフラックス機能を有する化合物は、樹脂組成物の溶融時に、低融点の金属組成物表面に形成された酸化膜を除去してこれらの表面の濡れ性を高め、接続部を容易に形成し、相対する電極間を電気的に接続することが可能となる。さらに、電極間に電気的な接続が完了した後においては、この化合物は、硬化剤として作用し、(A)エポキシ樹脂に付加して樹脂の弾性率またはTgを高める機能を発揮する。したがって、このようなフラックス機能を有する化合物を用いると、フラックス洗浄が不要であり、また、フラックスの残存に起因するイオンマイグレーションの発生等を的確に抑制または防止することが可能となる。
このような作用を備えるフラックス機能を有する化合物としては、
例えば、一分子中にフェノール性水酸基とカルボキシル基とを有する化合物が挙げられる。
上記一分子中にフェノール性水酸基とカルボキシル基とを有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
前述のようなフラックス機能を有する化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
なお、いずれの化合物も吸湿しやすく、ボイド発生の原因となるため、本発明においては、使用前に予め乾燥させることが好ましい。
上記(E)フラックス機能を有する化合物の含有量は、使用する樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができる。
本発明の樹脂組成物における(E)フラックス機能を有する化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物全体に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、30質量%以下が好ましく、
25質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
(E)フラックス機能を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、電極等の表面に形成された酸化膜を確実に除去することができ、これにより電極間を確実に電気的に接合させることができる。さらに、(E)フラックス機能を有する化合物が硬化性樹脂成分と反応可能な化合物の場合、硬化時に、硬化性樹脂成分に効率よく付加して硬化性樹脂組成物の弾性率またはTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。これにより、半田接合部における接続信頼性が向上し、本発明の電子装置でも高い信頼性を実現し、電子装置の製造における歩留まりを向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、上述した(A)〜(E)成分のほか、(F)硬化促進剤(以下、単に「(F)成分」と呼称することがある)を含有することができる。これにより、接着フィルムを確実かつ容易に硬化させることができ、接着フィルムによる封止樹脂層を確実に形成することができるので、半田接合部の信頼性、及び本発明の電子部品の信頼性を向上させることができる。
(F)硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂や(B)硬化剤の種類等に応じて、適宜その種類を選択することができる。
(F)硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のアミン系触媒、トリフェニルホスフィンやテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との塩等のリン化合物が挙げられ、これらの中でも、フィルム状の樹脂層の速硬化性、保存性、半導体素子上のアルミパッド耐腐食性を両立できるイミダゾール化合物、リン化合物が好ましく、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(F)硬化促進剤としては、融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。
融点が150℃以上のイミダゾール化合物を用いると、接着フィルムの硬化が完了する前に、電極が備える半田バンプを構成する半田成分が、回路基板や半導体チップが備える電極の表面より確実に移動することができ、電極同士間の電気的接続をより良好なものとすることができる。
上記融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、例えば、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
ヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着フィルムを構成する樹脂組成物全体に対する(F)硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。また、同様に、好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
これにより、硬化促進剤としての機能をさらに効果的に発現させて、接着フィルムの硬化性を向上させることができる。また、電極が備える半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における接着フィルムの溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、接着フィルムの保存性をさらに向上させることができる。
本発明の樹脂組成物は、100℃における溶融粘度V1が、200Pa・s以上であることが好ましい。さらに好ましくは500Pa・s以上、特に好ましくは1500Pa・s以上である。また、溶融粘度V1は、30000Pa・s以下であることが好ましい。さらに好ましくは25000Pa・s以下、特に好ましくは22000Pa・s以下である。
上記100℃における溶融粘度V1を上記範囲内とすることにより、適切な流動性を確保することができ、ボイドが発生するのを確実に防止するとともに、回路部材等の電極部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを確実に防止するという作用効果を発現させることができる。
本発明の樹脂組成物は、150℃における溶融粘度V2が、100Pa・s以上であることが好ましい。さらに好ましくは500Pa・s以上、特に好ましくは1000Pa・s以上である。また、溶融粘度V2は、25000Pa・s以下であることが好ましい。さらに好ましくは20000Pa・s以下、特に好ましくは17000Pa・s以下である。
上記150℃における溶融粘度V2を上記範囲内とすることにより、高温時の流動性を確保することができ、相対向する電極間を確実に当接することができるという作用効果を発現させることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記100℃における溶融粘度V1と、上記150℃における溶融粘度V2との比(V1/V2)が、0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがさらに好ましい。また、上記比が、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。
上記V1とV2との比を上記範囲内とすることにより、適切な流動性を確保することができ、ボイドが発生するのを確実に防止するとともに、樹脂組成物による阻害がなく相対向する電極間を確実に接続できるという作用効果を発現させることができる。
本発明において、上記V1、V2は、下記の方法により測定することができる。
具体的には、100℃における溶融粘度V1は、フィルム状の樹脂組成物を、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度100℃で測定し、90秒経過後、粘度が安定した状態での粘度を100℃における溶融粘度V1とした。
また、150℃における溶融粘度V2は、同様にフィルム状の樹脂組成物を、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度150℃で測定し、90秒経過後、粘度が安定した状態での粘度を150℃における溶融粘度V1とした。
本発明の樹脂組成物は、硬化後のフィルムの弾塑比が10%以上であることが好ましい。さらに好ましくは15%以上、特に好ましくは20%以上である。また、硬化後のフィ
ルムの弾塑比が50%以下であることが好ましい。さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは40%以下である。
上記硬化後のフィルム状の樹脂組成物の弾塑比を上記範囲内とすることにより、電子装置をインターポーザー基板に搭載する際のボンディングの荷重による接合部への応力集中や、ボンディング荷重の反力による電子装置のコーナー部での接合部の剥離を防止することができ、電子装置の電気的信頼性が向上し、インターポーザー基板への搭載性が向上するという作用効果を発現させることができる。
なお、上記弾塑比は、ナノインデンターを用いて測定した、硬化後のフィルム状の樹脂組成物における、弾性変形の仕事量と塑性変形の仕事量との合計に対する弾性変形の仕事量の割合を表したものである。
以下、弾塑比の測定方法について、図4を用いて詳細に説明する。
まず、樹脂組成物を180℃で120分間加熱し硬化させて、厚さ19μmのフィルム状硬化物としたものを測定試料として用いた。また、測定装置としては、ナノインデンターとして株式会社エリオニクス製、超微小硬度計ENT−1100を用い、図4の位置(I)から荷重を0m
Nから5mNまで0.2秒毎に0.01mNの速度で、押し込みヘッドでフィルム状硬化物の表面を押し込むことによって位置(II)まで荷重を加えた後に、位置(III)まで荷重5mNで30
秒間保持し、その後、荷重を5mNから0mNまで0.2秒毎に0.01mNの速度で荷重を減らし、位置(IV)まで押し込みヘッドを戻すことにより、図4に示したような荷重/押し込み方
向の変位曲線を得ることによって、弾性変形の仕事量と塑性変形の仕事量とを測定することができる。なお、押し込みヘッドとしてはバーコヴィッチ圧子(三角錐形状、対稜角115°)を用いた。
ここで弾性変形の仕事量とは、前述の測定方法において、荷重を5mNから0mNまで押し込みヘッドを戻す(荷重を減らす)際に荷重5mNから減らし始めた時(位置(III))を始点、0m
Nに達した時(位置(IV))を終点とし、これと始点(位置(III))から押し込み方向の変位の
軸に向かって引いた垂線と、押し込み方向の変位の軸とで囲われる部分の面積(すなわち、位置(III)−(IV)−(V)で囲われる部分)で表わされ、荷重と押し込み方向の変位の積分値で算
出することができる。
一方、塑性変形の仕事量とは、前述の測定方法において、荷重を0mNから5mNまで押し込む際の荷重0mNの時を始点として、また荷重を0mNから5mNまで押し込んだ後に荷重を5mNで30秒間保持し、荷重を5mNから0mNまで押し込みヘッドを戻して(荷重を減らして)0mNに達した時に、押し込み方向の変位の軸とで囲われる部分の面積(すなわち、位置(I)
−(II)−(III)―(IV)−(I)で囲われる部分)で表わされ、こちらも荷重と押し込み方向
の変位の積分値で算出することができる。
前述の弾塑比は、これらを基に弾性変形の仕事量と塑性変形の仕事量との合計に対する、弾性変形の仕事量の割合を面積比率から算出したものである。(図4において面積Aが弾性変形の仕事量、面積Bが塑性変形の仕事量であり、弾塑比(%)は((A/(A+B))×100)で表わされる。)
<接着フィルム>
次に、本発明の接着フィルムについて説明する。
本発明の接着フィルムは、以上に説明した本発明の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする。
本発明の接着フィルムは、上述したような接着フィルムに含まれる各成分のうち、溶媒に溶解するものを溶媒中で溶解混合し、次いで、溶媒に溶解しないものを分散混合することにより得られた樹脂組成物ワニスを、ベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。
なお、ここで用いられる溶媒としては、使用される成分に対し不活性なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が挙げられ、これらを単独、または混合溶媒として用いることができる。なお、溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分が10〜60質量%となる範囲であることが好ましい。
<接着シート>
次に、本発明の接着シートについて説明する。
本発明の接着シートは、上記本発明の接着フィルムと、ベースフィルムとを有することを特徴とするものである。
図1(1)に、本発明の接着シートの一形態を示す。図1(1)に示した接着シート11は、電極が形成された電極部材同士を電気的に接続する際に用いられ、電極部材が備える電極同士の間に形成された空隙内に充填される接着フィルム1と、この接着フィルム1に接合され、接着フィルムを担持して接着シートの取り扱い性を高めることができるベースフィルム2とから構成されているものである。
ここで、電極が形成された電極部材としては特に限定されないが、例えば、半導体チップ、半導体ウエハのほか、有機リジッド回路基板、フレキシブル回路基板などの有機回路基板、セラミック回路基板などの無機回路基板を挙げることができる。
本発明における接着シートの形態は、図1(1)に示したものに限定されるものではなく、例えば、図1(1)において、ベースフィルムが積層されているのと反対側の接着フィルム1側表面に、樹脂組成物表面を保護するためのカバーフィルムを有するものであってもよい。
ベースフィルム2は、例えば、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ表面などに、接着シート11をラミネートする際に、接着フィルム1の下地層(支持層)として機能するものである。
ここで、ベースフィルムの材料としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンテレフタレート、等の樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の接着シート11は、上述したように、樹脂組成物ワニスをベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。そして、必要に応じて、さらに、樹脂組成物上にカバーテープを積層した形態とすることもできる。
<ダイシングテープ一体型接着シート>
次に、本発明のダイシングテープ一体型接着シートについて説明する。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、上記本発明の接着フィルムと、ダイシングテープとを有することを特徴とする。
図1(2)に、本発明のダイシングテープ一体型接着シートの一形態を示す。図1(2)において、ダイシングテープ一体型接着シート12は、ダイシングテープ3上に接着フィルム1が形成された構造を有するものである。図1(2)に示した形態では、ダイシングテープ3は、ダイシングテープの基材層3aと、ダイシングテープの粘着剤層3bの2層からなるものであり、ダイシングテープの粘着剤層3bと接着フィルム1とが接するように積層されている。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートの形態は図1(2)に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングテープの基材層3aに直接本発明の接着フィルム1が積層された形態(すなわちダイシングテープの粘着剤層3bが存在しない形態)、あるいは、ダイシングテープの粘着層3bと接着フィルム1との間に、介在層を有した形態とすることなどもできる。
介在層を有した形態である場合、ダイシングテープの粘着剤層3bは、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着フィルム1に対する介在層の密着力よりも、介在層および基材層に対するダイシングテープの粘着剤層の密着力が大きくなる。そのため、電子装置の製造工程において、例えば、半導体チップのピックアップ工程のような電子装置の製造工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着シートとの界面)で好適に剥離を生じさせることができる。
<ダイシングテープ>
本発明のダイシングテープ一体型接着シートに用いられるダイシングテープは、一般的に用いられるどのようなダイシングテープでも用いることができる。
ダイシングテープの基材層3aの構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
ダイシングテープの基材層3aの平均厚さは、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。また、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。ダイシングテープの基材層3aの平均厚さを上記範囲内とすることにより、ダイシングテープが適度な剛性を有するものとなるため、接着シートを確実に支持して、ダイシングテープ一体型接着シートの取扱いを容易にするとともに、ダイシングテープ一体型接着シートが適度に湾曲するこ
とで、接着シートと電極を有する被接体との密着性を高めることができる。
ダイシングテープの基材層3aの製造方法としては特に限定されないが、カレンダー法、押出成形法などの一般的な成形方法を用いることができる。また、ダイシングテープに粘着剤層3bを設ける場合には、基材層3aの表面に、粘着剤層3bを構成する材料と反応する官能基、例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基などが露出していることが好ましい。また、基材層3aと粘着剤層3bとの密着性を向上させるために、基材層3aの表面をコロナ処理またはアンカーコート等で表面処理しておくことが好ましい。
また、ダイシングテープの粘着剤層3bの構成材料としては特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む樹脂組成物で構成されているものを用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等を用いることができる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、及び、(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、及び、酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、ダイシングテープの粘着剤層3bが粘着する相手(例えば、上述した介在層、基材層3a等)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
上記ダイシングテープの粘着剤層3bの平均厚さは、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。ダイシングテープの粘着剤層3bの平均厚さを上記範囲内とすることにより、ダイシングテープの粘着剤層3bの形状追従性が確保され、半導体ウエハなどの接着フィルムの被接物に対する密着性をより高めることができる。
上記ダイシングテープの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングテープの基材層3a上に粘着剤層3bを塗工することにより製造することができる。また、粘着剤層3bは別途粘着剤層3b用基材上に塗工した後に、ダイシングテープの基材層3a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、ダイシングテープにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層3b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、例えば、基材層3aと粘着剤層3b、あるいは、基材層3aと粘着剤層3b、及び、介在層を有するダイシングテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層3bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム1とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<バックグラインドテープ一体型接着シート>
次に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートについて説明する。本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、上記本発明の接着フィルムと、バックグラインドテープとを有することを特徴とする。
図1(3)に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートの一形態を示す。図1(3)において、バックグラインドテープ一体型接着シート13は、バックグラインドテープ4上に接着フィルム1が形成された構造を有するものである。図1(3)に示した形態では、バックグラインドテープ4は、バックグラインドテープの基材層4aと、バックグラインドテープの粘着剤層4bの2層からなるものであり、バックグラインドテープの粘着剤層4bと接着フィルム1とが接するように積層されている。
本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートの形態は図1(3)に示したものに限定されるものではなく、例えば、バックグラインドテープの基材層4aに直接本発明の接着フィルム1が積層された形態(すなわちバックグラインドテープの粘着剤層4bが存在しない形態)、あるいは、バックグラインドテープの粘着層4bと接着フィルム1との間に、介在層を有した形態とすることなどもできる。
上記バックグラインドテープの基材層4aの材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂からなるものが挙げられる。
上記バックグラインドテープの粘着剤層4bを形成する粘着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、重合性オリゴマーを含有し、これが重合架橋することにより粘着力が低下する粘着剤から構成されるものであることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、分子内に放射線重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、放射線重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分として含んでなる光硬化型粘着剤等が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーをあらかじめ合成し、分子内に上記官能基と反応する官能基と放射線重合性の不飽和結合とを有する化合物と反応させることにより得ることができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及びメタクリル系ポリマーを意味するものとする。
また、上記光硬化型粘着剤は、上記重合性ポリマー及び上記多官能オリゴマー又はモノマー以外に、光重合開始剤を配合することが好ましい。これにより、紫外線等の活性光線を照射することにより、粘着剤層4bと接着フィルム1との界面の密着力を確実に低下させることができるため、粘着剤層4bの残渣が接着フィルム1表面に残ることなく、バックグラインドテープ4を接着フィルム1から確実に剥離することができる。
上記バックグラインドテープの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、バックグラインドテープの基材層4a上にバックグラインドテープの粘着剤層4bを塗工することにより製造することができる。
また、バックグラインドテープの粘着剤層4bは別途粘着剤層4b形成用の基材上に塗工した後に、バックグラインドテープの基材層4a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、バックグラインドテープにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層4b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、例えば、基材層4aと粘着剤層4b、あるいは、基材層4aと粘着剤層4b、及び、介在層を有するバックグラインドテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層4bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム1とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート>
次に、本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートについて説明する。本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートは、上記本発明の接着フィルムと、ダイシングテープ兼バックグラインドテープとを有することを特徴とする。
図1(4)に、本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートの一形態を示す。図1(4)において、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート14は、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ4上に接着フィルム1が形成された構造を有するものである。図1(4)に示した形態では、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ4は、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの基材層5aと、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bの2層からなるものであり、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bと接着フィルム1とが接するように積層されている。
本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートの形態は図1(4)に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの基材層5aに直接本発明の接着フィルム1が積層された形態(すなわちダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bが存在しない形態)、あるいは、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着層5bと接着フィルム1との間に、離型性を有する介在層を有した形態とすることなどもできる。
また、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの基材層5aの材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン等により作製された、耐熱性や耐薬品性の優れたフィルムであれば使用することができる。
本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートにおいて、基材層5aの厚さは、特に限定されるものではないが、通常30〜500μmであることが好ましい。
また、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bとしては、例えば、上述したような、ダイシングテープの粘着剤層4bと同じものを適用することができる。
上記ダイシングテープ兼バックグラインドテープの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの基材層5a上にダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bを塗工することにより製造することができる。
また、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの粘着剤層5bは別途粘着剤層5b形成用の基材上に塗工した後に、ダイシングテープ兼バックグラインドテープの基材層5a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、ダイシングテープ兼バックグラインドテープにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層5b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に
塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シートは、例えば、基材層5aと粘着剤層5b、あるいは、基材層5aと粘着剤層5b、及び、介在層を有するダイシングテープ兼バックグラインドテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層5bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム1とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<電子装置>
次に、本発明の電子装置について説明する。
本発明の電子装置は、上記本発明の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明の電子装置の形態の一例について、図2、図3を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の接着シートを用いて、回路基板上に半導体チップを搭載する方法の一形態を説明するための斜視図、図3は、本発明の接着シートを用いて、半導体チップ上に接着シートをラミネートする工程の一形態を説明するための縦断面図である。
[1]まず、接着シート10と、複数の個別回路210が設けられた半導体ウエハ200とを用意し、この接着シート10を、接着フィルム1が個別回路210と対向するようにして配置した後、接着シート10を半導体ウエハ200に対してラミネートする(図2(a)参照)。
この工程を実施するための方法としては特に限定されないが、一例として、一対の挟圧部材を用いて実施した場合の工程の詳細について、図3を用いて説明する。
図3(a)は、接着シート11と半導体ウエハ200とをラミネートする前段階を示したものである。半導体ウエハ200は、先端に半田バンプ202を有した電極201を複数備えており、複数の電極間には間隙203が存在する。
この半導体ウエハ200の電極201側から、接着シート11を、接着フィルム1が半導体ウエハ200の電極201が形成された側に向くようにして重ねる。
図3(b)は、図3(a)で示した構成のものを、挟圧部材51、52により加熱・加圧して、半導体ウエハ200と接着シート11とをラミネートし、半導体ウエハ200が有する電極201同士の間に形成された間隙203内に、接着フィルム1を均一に充填させた状態を示したものである。
図3(c)は、図3(b)で示した挟圧部材51、52による加熱・加圧を開放した状態を示したものである。
半導体ウエハ200上に接着シート11をラミネートする条件は特に限定されないが、接着シート11の貼り付け温度が40〜150℃、接着フィルムに加える圧力が0.2〜1.0MPaであることが好ましい。
また、ラミネートは、雰囲気圧100kPa以下の減圧下で行うのが好ましく、雰囲気圧80kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。
[2]次に、接着シート11からベースフィルム2を剥離して、個別回路210側に接着フィルム1が接合された半導体ウエハ200を得る。(図2(b)参照)。
この状態を縦断面図で表わしたのが図3(d)で、半導体ウエハ200と接着シート11とをラミネートしたものから、ベースフィルム2を除去したものであり、半導体ウエハ200が有する電極201間の間隙203に、接着フィルム1が埋め込まれた状態、換言すれば、間隙203が接着フィルム1によって充填されている状態を示したものである。
[3]次に、接着フィルム1が接合された半導体ウエハ200を、ダイシングソー600を用いて、個別回路210毎に個片化することにより、接着フィルム1が接合された半導体チップ300を得る(図2(c)参照。)。
[4]次に、個別回路410を備える回路基板400を用意し、前工程[3]で得られた半導体チップ300を、フリップチップボンダー500を用いて、回路基板400が備える個別回路410の電極と、半導体チップ300が備える回路基板の電極201とが半田バンプ202を介して対向するように位置合わせを行い、回路基板400上に載置する(図2(d)参照。)。
[5]次に、フリップチップボンダー500を用いて、回路基板400と半導体チップ300とを、この状態で加圧・加熱した後、冷却する(図2(e)参照)。
これにより、本発明の電子装置を製造することができる。
本発明の電子装置の形態では、隣接する接合された電極同士間に形成された空隙には、接着フィルム1に由来する封止樹脂が充填される。この空隙に対する封止樹脂の充填では、上記工程[1]において、各間隙203に対して接着フィルム1が均一な厚さ(高さ)で充填されているため、接合された電極同士間に形成された複数の空隙に対して、高い充填率で封止樹脂を充填することができる。
また特に、接着フィルム1がフラックス機能を有するものである場合は、その作用により、半田バンプ202の表面に形成された酸化膜が除去されつつ、半田バンプ202が溶融した後、固化することとなるため、個別回路210の電極201と、個別回路410の電極とが半田接合されて、端子接合が形成される。
[6]次に、接着フィルム1の構成材料に熱硬化性樹脂が含まれる場合は、回路基板400と半導体チップ300とを再度、加熱する(図2(f)参照。)。
これにより、空隙に充填された封止樹脂を確実に硬化させることができる。
このようにして、回路基板400上に半導体チップ300を搭載することができ、本発明の電子装置を得ることができる。
なお、本実施形態では、接着シートを用いて電気的に接続する、電極が形成された電極部材として、半導体チップと回路基板とを用いる場合を例に挙げて説明したが、かかる場合に限定されるものではない。
本願発明の形態の接着シートが適用できる電極部材の具体的な組合せとしては、例えば、半導体ウエハと半導体ウエハとの組合せ、半導体ウエハと半導体チップとの組合せ、半導体チップと半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体ウエハとの組合せ、リジッド回路基板と半導体ウエハとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体チップとの組合せ、リジッド回路基板と半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板とフレキシブル回路基板との組合せ、フレキシブル回路基板とリジッド回路基板との組合せ、および、リジッド回路基板とリジッド回路基板との組合せ、などが挙げられる。
以上、本発明の接着シートおよび電子装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−1の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−1(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「HP−7200HH」)14質量部
(B)成分:フェノキシ樹脂2(新日鐵住金化学株式会社製、商品名「YP−50」、重量平均分子量=70,000)20質量部
(C)成分:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YC100C」、平均粒子径100nm)50質量部
(D)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「XLC−4L」)14質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ」)2質量部
その他:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.5質量部
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−1を、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に塗布し、100℃で5分間乾燥した後の厚さが25μmとなる接着フィルムが形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
<ダイシングテープ一体型接着フィルムの製造>
(1)ダイシングテープの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cm2を照射
し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
(2)ダイシングテープの粘着層の形成
アクリル酸ブチル70質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約500,000の共重合体100質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部とを混合したダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。上記ダイシングテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングテープの粘着層を成膜した。その後、ダイシングテープの基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートを上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングテープを得た。
(3)ダイシングテープ一体型接着フィルムの製造
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られたベースフィルム付き接着フィルムとを、介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングテープの粘着層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記
第2積層体の一方の面側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングテープの粘着層とが接するように、これらをラミネートした。これにより、ダイシングテープの基材層、ダイシングテープの粘着層、介在層、接着フィルムおよびベースフィルムの5層がこの順でラミネートされたダイシングテープ一体型接着フィルムを得た。
<バックグラインドテープ一体型接着シートの製造>
アクリル酸アルキルエステル系共重合物(日本カーバイド工業株式会社製、商品名「ニッセツKP−2254E」)44質量部、ウレタンアクリレート(大日精化工業株式会社製、商品名「HC−15」)45質量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートL」)8質量部、光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「イルガキュア651」)3質量部を酢酸エチルに溶解させて、バックグラインドテープの粘着層用ワニスを調製した。
上記バックグラインドテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、80℃で5分間乾燥することにより、ポリエステルフィルム上にバックグラインドテープの粘着層を成膜した。その後、バックグラインドテープの基材層として厚さ120μmのポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材を上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)し、粘着層をポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材に転写させることによって、バックグラインドテープを得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記接着シートを半導体ウエハと同等の大きさにハーフカットし、その後不要部分を除去した後に、上記で得られたバックグラインドテープの粘着層とベースフィルム付き接着フィルムの接着フィルムとが接するようにラミネートすることによって、バックグラインドテープの基材、バックグラインドテープの粘着層、接着フィルム、ベースフィルムがこの順でラミネートされたバックグラインドテープ一体型接着シートを得た。
<バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートの製造>
クリアテックCT−H717(株式会社クラレ製)を用い、押出機により厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。
次に、アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー76質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン8質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)11質量部とを混合し、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。
次に、上記バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層用ワニスを、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層を得た。
その後、この粘着層を上述した基材フィルムのコロナ処理面にラミネートすることによって粘着層を転写した後に、ポリエステルフィルムを剥離した。次に、ロール状の金型を用いて、上記ベースフィルム付き接着フィルムを半導体ウエハと同等の大きさに、且つ厚み方向においてベースフィルムの途中までカット(ハーフカット)した後に、接着フィルムと粘着層とが接するように貼り付けた。これにより、バックグラインドテープ兼ダイシ
ングテープの基材、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層、接着フィルム、ベースフィルムが、この順に構成されてなるバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートを得た。
<電子装置の製造>
本発明の電子装置として、上記で得られた本発明の接着シートを用いて、下記の手順で半導体装置を作製した。
半導体装置(1)の製造
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田付き銅電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφ、個別回路のサイズ10mm×10mm、厚さ100μm、電極の高さ17μm(高さ10μmの銅電極とその上部に高さ7μmのSnAg半田を形成)、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、半導体ウエハに、真空ラミネーター(名機株式会社製、MVLP)を用いて、100℃、0.8MPa、30秒間で接着シートをラミネートし、接着フィルム付き半導体ウエハを得た。
次に、半導体ウエハの接着フィルムを貼り合せた面と逆の面に、ダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。このときの貼り合せ条件は25℃、圧力0.8MPa、2mm/sで、接着フィルム付き半導体ウエハとダイシングテープを貼り合せた。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシングソー(DFD6360、株式会社ディスコ製)のダイシングテーブルにセットした。さらに、接着フィルム付き半導体ウエハ側からダイシングソーを用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、接着フィルム付き半導体ウエハが個片化され、以下のダイシングサイズの接着フィルム付き半導体チップを得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.13mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
これを、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、先端に金とニッケルがコーティングされた銅からなる突起電極を有するシリコン製回路基板(サイズ200mmφ、厚さ200μm、個別回路のサイズ12mm×12mm、電極の高さ10μm(高さ10μmの銅電極)、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)の突起電極と半田付き銅電極とを、所定の互いのアライメントマークをフリップチップボンダーで自動認識させることによって位置合わせを行い、150℃、30N、5秒間熱圧着することにより仮圧着した後に、235℃、30N、5秒間熱圧着することによって、半田付き銅電極の半田を溶融させて半田接続を行った。そして、180℃、120分間、0.8MPa、窒素雰囲気下で加熱(常態の気圧(大気圧)にさらに0.8MPaを加えた後に加熱)して、接着フィルムを硬化させた。次に、シリコン製回路基板の半導体チップを搭載した面と反対側の面に、ダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。このとき、貼り合せ条件は25℃、圧力0.8MPa、2mm/sであった。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシングソー(DFD6360、株式会社ディスコ製)のダイシングテーブルにセットした。さらに、搭載した半導体チップと半導体チップの間をダイシングソーを用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、半導体チップを搭載したシリコン製回路基板が個片化され、半導体チップと、シリコン製回路基板が個片化された半導体チップとが接着フィルムを介して接着された以下のダイシングサイズの半導体装置(1)を得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ :12mm×12mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.23mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
半導体装置(2)および半導体パッケージの製造
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田付き銅電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφ、個別回路のサイズ10mm×10mm、厚さ100μm、電極の高さ17μm(高さ10μmの銅電極とその上部に高さ7μmのSnAg半田を形成)、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、半導体ウエハに、真空ラミネーター(名機株式会社製、MVLP)を用いて、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、接着フィルム付き半導体ウエハを得た。
次に、半導体ウエハの接着フィルムを貼り合せた面と逆の面に、ダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。このときの貼り合せ条件は25℃、圧力0.8MPa、2mm/sで、接着フィルム付き半導体ウエハとダイシングテープを貼り合せた。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシングソー(DFD6360、株式会社ディスコ製)のダイシングテーブルにセットした。さらに、接着フィルム付き半導体ウエハ側からダイシングソーを用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、接着フィルム付き半導体ウエハが個片化され、以下のダイシングサイズの接着フィルム付き半導体チップを得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.13mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
次に、上記半導体チップの電極の配列と対応した銅で形成された回路配線兼電極を有する回路基板(回路配線兼電極の高さ10μm、回路配線の幅30μm、隣接する回路配線兼電極間の距離30μm)を用意した。
次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上述の回路基板の回路配線兼電極と接着フィルム付き半導体チップの半田付き銅電極とを、所定の互いのアライメントマークをフリップチップボンダーで自動認識させることによって位置合わせを行い、150℃、30N、5秒間熱圧着することにより仮圧着した後に、235℃、30N、5秒間熱圧着することによって、半田付き銅電極と回路基板の回路配線兼電極と半田を溶融させて半田接続を行った。そして、180℃、120分間、0.8MPa、窒素雰囲気下で加熱(常態の気圧(大気圧)にさらに0.8MPaを加えた後に加熱)して、接着フィルムを硬化させた。
これにより半導体チップと回路基板とが接着フィルムを介して接着された半導体装置(2)を得た。
この半導体装置(2)に対して、半導体チップが搭載面と反対側の面に半田ボールを用いて2次実装用の半田バンプ(SnPb半田)を形成し、フリップチップボンダーを用いて別途半導体装置(2)の2次実装用半田バンプの配列に対応した電極を有するインターポーザー基板にフラックスを介して位置合わせと共にボンディングによって搭載し、リフロー炉に通すことによってインターポーザー基板に2次実装用の半田バンプを溶融接続した。その後、フラックスの洗浄を行ない、回路基板−インターポーザー基板間へ液状アンダ
ーフィル材を充填し、150℃、90分間の熱処理により液状アンダーフィル材の硬化を行なうことによって、インターポーザー基板に搭載された半導体パッケージを作製した。
(実施例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−2の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−2(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ノボラック型多官能エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER157S70」)19質量部
(B)成分:ポリエステル樹脂(東洋紡株式会社製、商品名「バイロン237」、重量平均分子量=22,000)13質量部
(C)成分:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C」、平均粒子径50nm)60質量部
(F)成分:2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン(四国化成株式会社製、商品名「C11Z−A」)3質量部
その他−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.2質量部
その他−2:有機微粒子(コアシェルゴム粒子、三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンSRK200E」、平均粒子径0.4μm)5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−2を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−3の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−3(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)23質量部
(A)成分―2:トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER1032H60」)11質量部
(B)成分:フェノキシ樹脂1(新日鐵住金化学株式会社製、商品名「FX−293」、重量平均分子量=45,000)10質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YC100C」、平均粒子径100nm)45質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)5質量部
(E)成分:グルタル酸(東京化成工業株式会社製)3質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)3質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−3を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装
置(半導体装置)を得た。
(実施例4)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−4の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−4(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−303S」7質量部
(A)成分−2:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「HP−7200HH」4質量部
(B)成分:エポキシ基含有・アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−80H」、重量平均分子量=350,000)13質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YC100C」、平均粒子径100nm)55質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)5質量部
(D)成分:酸無水物(三菱化学株式会社製、商品名「jERキュア YH307」)11質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)2質量部
その他−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.5質量部
その他−2:有機微粒子(コアシェルゴム粒子、三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンSRK200E」、平均粒子径0.4μm)3質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−4を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例5)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−5の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−5(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)34質量部
(B)成分:フェノキシ樹脂(新日鐵住金化学株式会社製、商品名「FX−293」、Mw=45,000)10質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YC100C」、平均粒子径100nm)45質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)5質量部
(E)成分:グルタル酸(東京化成工業株式会社製)3質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)3質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹
脂組成物−5を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例6)
<ポリイミド樹脂「PI−1」の作製>
(1)ポリアミド酸溶液Aの調整
乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹拌機を備えた四口フラスコに脱水精製したNMP213gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜた。次に2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)25.5g(0.062モル)と2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン(DPX)4.2g(0.031モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)5.9g(0.007モル)を投入し、系を60℃に加熱し均一になるまでかき混ぜた。均一に溶解後、系を氷水浴で5℃に冷却し、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)31.0g(0.100モル)を粉末状のまま10分間かけて添加し、その後フラスコを5℃に保ったまま5時間撹拌を続けポリアミド酸溶液Aを得た。
(2)ポリアミド酸溶液Bの調整
ポリアミド酸Aと同様に、乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹拌機を備えた四口フラスコに脱水精製したNMP303.6gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜた。次に2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン11.5g(0.028モル)と2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン1.9g(0.014モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン48.5g(0.058モル)を投入し、系を60℃に加熱し均一になるまでかき混ぜた。均一に溶解後、系を氷水浴で5℃に冷却し、4,4’−オキシジフタル酸二無水物31.0g(0.100モル)を粉末状のまま10分間かけて添加し、その後フラスコを5℃に保ったまま5時間撹拌を続けポリアミド酸溶液Bを得た
(3)ポリイミド樹脂PI−1の作製
まず、上述のポリアミド酸溶液Aとポリアミド酸溶液Bを同じ質量を秤量してフラスコに入れ、このフラスコにキシレンを満たしたディーン・スターク管を装着し、上述のポリアミド酸溶液Aとポリアミド酸溶液Bの混合溶液にキシレンを添加した。
次に、氷水浴から油浴に替えて系を加熱し、発生する水をポリアミド酸溶液Aとポリアミド酸溶液Bの混合溶液の反応系の外に(フラスコの外に)適宜取り除いた結果、4時間加熱したところで、反応系からの水の発生がなくなった。その後、氷水浴で5℃に冷却した後に、この混合溶液を5000gのメタノール中に投入することによってポリイミド樹脂を析出させ、この溶液をは濾過して析出したポリイミド樹脂を回収し、80℃で12時間減圧乾燥することによってポリイミド樹脂「PI−1」(重量平均分子量=50,000)を得た。このポリイミド樹脂をKBr錠剤法で赤外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6μmの吸収があり、一方でアミド結合に由来する6.06μmの吸収がないことが確認できたことから、この樹脂が実質的に100%イミド化していることが確かめられた。
<接着フィルム形成用樹脂組成物−6の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−6(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)17質量部
(A)成分−2:ノボラック型多官能エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jE
R157S70」)23質量部
(B)成分:上述の方法によって得られたポリイミド樹脂「PI−1」、7質量部
(C)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE1050」、平均粒子径250nm)50.0質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)3質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−6を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例7)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−7の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−7(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER1032H60」)4質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「HP−4770」)3質量部
(B)成分:エポキシ基含有・アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−80H」、重量平均分子量=350,000)11質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C」、平均粒子径50nm)53質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)7質量部
(D)成分:フェノールノボラック樹脂(三井化学株式会社製、商品名「VR−9305」)3質量部
(E)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)9質量部
(F)成分:トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、商品名「TPP」)2質量部
その他−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.5質量部
その他−2:有機微粒子(コアシェルゴム粒子、三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンSRK200E」、平均粒子径0.4μm)8質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−7を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例8)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−8の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−8(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPI
CLON 850」)22.3質量部
(A)成分−2:トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER1032H60」)9質量部
(B)成分:実施例6で得られたポリイミド樹脂「PI−1」、14.6質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE1050」、平均粒子径250nm)42質量部
(C)成分−2:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C」、平均粒子径50nm)5質量部
(C)成分−3:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)3質量部
(E)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)4質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)30.05質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−8を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例9)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−9の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−9(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「HP−7200HH」)11質量部
(B)成分:エポキシ基含有、アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−80H」、重量平均分子量=350,000)13質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YC100C」、平均粒子径100nm)55質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)5質量部
(D)成分:酸無水物(三菱化学株式会社製、商品名「jERキュア YH307」)11質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)2質量部
その他−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.5質量部
その他−2:有機微粒子(コアシェルゴム粒子、三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンSRK200E」、平均粒径0.4μm)3質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−9を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例10)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−10の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−10(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)31.3質量部
(B)成分:実施例6で得られたポリイミド樹脂「PI−1」、14.6質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE1050」、平均粒子径250nm)42質量部
(C)成分−2:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C」、平均粒子径50nm)5質量部
(C)成分−3:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)3質量部
(E)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)4質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.05質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製、商品名「KBM403」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−10を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例11)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−11の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−11(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−303S」)16質量部
(B)成分:フェノキシ樹脂2(新日鐵住金化学株式会社製、商品名「YP−50」)1質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒子径500nm)35質量部
(C)成分−2:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE1050」、平均粒子径250nm)35質量部
(D)成分:フェノールノボラック樹脂(三井化学株式会社製、商品名「VR−9305」)11質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MZ」)2質量部
その他:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−11を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(実施例12)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−12の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−12(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)18質量部
(A)成分−2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−303S」)17質量部
(B)成分:実施例6で得られたポリイミド樹脂「PI−1」、42.0質量部
(C)成分:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE1050」、平均粒子径250nm)10質量部
(D)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851H」)10質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2P4MZ」)3質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.8質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−12を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(比較例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−21の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−21(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−303S」)39質量部
(B)成分:アクリル樹脂1(東亞合成株式会社製、商品名「UP−1080」、Mw=6,000)28質量部
(D)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「XLC−4L」)25質量部
(E)成分:4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業株式会社製)6質量部
(F)成分:2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン(四国化成株式会社製、商品名「C11Z−A」)2質量部
その他:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)0.1質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−21を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(比較例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−22の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−22(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−303S」)7質量部
(B)成分:アクリル樹脂2(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−600LB」、Mw=1,200,200)15質量部
(C)成分−1:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C」、平均粒子径50nm)59質量部
(C)成分−2:球状シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL 200」、平均粒子径12nm)6質量部
(D)成分:フェノールノボラック樹脂(三井化学株式会社製、商品名「VR−9305」)4質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)2質量部
その他−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)1質量部
その他−2:有機微粒子(コアシェルゴム粒子、三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンSRK200E」、平均粒径0.4μm)7質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−22を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(比較例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−23の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−23(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 850」)15質量部
(C)成分:球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒子径500nm)75質量部
(D)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「XLC−4L」)6質量部
(E)成分:ジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)1質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)3質量部
その他:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM403」)0.1質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−23を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
(比較例4)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−24の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−24(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「RE−3
03S」)36質量部
(B)成分:実施例6で得られたポリイミド樹脂「PI−1」、52.0質量部
(D)成分:フェノールノボラック樹脂(三井化学株式会社製、商品名「VR−9305」)9質量部
(F)成分:トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、商品名「TPP」)3質量部
その他:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE503」)1質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−24を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、電子装置(半導体装置)を得た。
<物性評価>
上記実施例、比較例にて製造した接着フィルム形成用樹脂組成物、ならびに、これらの接着フィルム形成用樹脂組成物を用いて製造した接着シートの特性評価結果について、表1に示した。特性評価は以下に記載した手法により実施した。
Figure 2015199814
<100℃における溶融粘度V1>
各実施例及び各比較例で得られたフィルム状の樹脂組成物を、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度100℃で測定し、90秒経過後の粘度を100℃における溶融粘度V1とした。
<150℃における溶融粘度V2>
各実施例及び各比較例で得られたフィルム状の樹脂組成物を、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度150℃で測定し、90秒経過後の粘度を150℃における溶融粘度V2とした。
<弾塑比>
各実施例及び各比較例で得られた樹脂組成物を、180℃で120分間加熱し硬化させて、厚さ19μmのフィルム状硬化物としたものを測定試料として用いた。また、測定装置としては、ナノインデンターとして株式会社エリオニクス製、超微小硬度計ENT−1100を用い、図4の位置(I)から荷重を0mNから5mNまで0.2秒毎に、0.01mNの速度で押し込み
ヘッドでフィルム状硬化物の表面を押し込むことによって位置(II)まで荷重を加えた後に、位
置(III)まで荷重5mNで30秒間保持し、その後、荷重を5mNから0mNまで0.2秒毎に
0.01mNの速度で押し戻し、位置(IV)まで押し込みヘッドを戻す(荷重を減らす)ことに
より、図4に示したような荷重/押し込み方向の変位曲線を得ることによって、弾性変形の仕事量と塑性変形の仕事量を得た。
弾塑比は、これらを基に弾性変形の仕事量と塑性変形の仕事量との合計に対する、弾性変形の仕事量の割合を面積比率から算出した。(図4において面積Aが弾性変形の仕事量、面積Bが塑性変形の仕事量であり、弾塑比(%)は((A/(A+B))×100)で表わされるものである。)
<ガラス転移温度>
接着フィルムの硬化物のガラス転移温度Tgについて、測定方法を以下のように示す。
各実施例および比較例で得られた厚み25μmの接着フィルムを4枚積層することによって厚み100μmのサンプルを作製し、180℃、0.8MPa、120分間、窒素雰囲気下で加熱することによって接着フィルムの硬化物サンプルを得た。この硬化物サンプルを25mm×3mmに切って試験片とし、試験片の測定面の平行度を高めるために、♯1500またはそれより粗さが細かいサンドペーパーで研磨した。その後、セイコーインスツル株式会社製、Thermal Mechanial Analysis、TMA/SS6000を用いてTMA(引張法)にて測定した。測定条件は昇温5℃/分で30℃から330℃まで昇温し、荷重30mNで測定した。ガラス転移温度は、最終昇温時のデータを用いて、50℃から200℃の温度範囲に現れる変曲点を最小二乗法より求めた接線の交点より算出した。
<半田接続性>
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置(1)それぞれ10個について、半導体チップとシリコン製回路基板の接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続抵抗値を基に評価結果を下記の基準で判定した。なお[◎]、[○]は、良好で問題ないものであった。
[◎]:10個全ての半導体装置の接続抵抗値が10Ω以下であったもの。
[○]:10個全ての半導体装置の接続抵抗値が10Ωより高く、30Ω以下であった
もの。
[×]:1個以上の半導体装置の接続抵抗値が30Ωより高かったもの。
<半導体チップの縁部からの樹脂組成物のはみ出し評価>
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置(1)それぞれ10個について、半導体装置(1)の4辺を測長顕微鏡にて観察し、半導体チップの縁部からの樹脂組成物の最大はみ出し距離を測定し、下記の基準で判定した。なお[◎]、[○]は、良好で問題ないものであった。
[◎]:最大はみ出し距離が100μm以下であった半導体装置(1)の個数が、10個
であったもの。
[○]:最大はみ出し距離が100μm以下であった半導体装置(1)の個数が、6個以
上9個以下であったもの。
[×]:最大はみ出し距離が100μm以下であった半導体装置(1)の個数が、5個以
下であったもの。
<インターポーザー基板へ搭載後の半導体装置(2)の半田接合接続部のクラック評価>
上記各実施例および比較例で得られた半導体パッケージそれぞれ10個について、半導体装置(2)内の半田接続部の断面を電子顕微鏡にて観察し、半田接続部にクラック(亀裂)が発生している半導体装置の個数を記録した。評価結果を下記の基準で判定した。[◎]、[○]は、良好なものであった。
[◎]:半田接続部にクラック(亀裂)が発生している半導体装置の個数が0個であった。
[○]:半田接続部にクラック(亀裂)が発生している半導体装置の個数が1個以上3個以下
であった。
[×]:半田接続部にクラック(亀裂)が発生している半導体装置の個数が4個以上であった。
<半導体装置(2)のコーナー部の剥離評価>
上記各実施例および比較例で得られた半導体パッケージそれぞれ10個について、超音波映像検査装置(株式会社日立パワーソリューションズ製、FineSAT FS300)にて
半導体装置(2)の半導体チップと回路基板間における半導体チップのコーナー部の剥離の状態を観察し、下記の基準で判定した。[◎]、[○]は、良好で問題ないものであった。
[◎]:半導体チップのコーナー部に剥離がある半導体装置が0個であった。
[○]:半導体チップのコーナー部に剥離がある半導体装置が1個以上3個以下であった。[×]:半導体チップのコーナー部に剥離がある半導体装置が4個以上であった。
<RC時定数>
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置(1)において、触針式膜厚計を用いて半導体装置全体の厚さを測定した後に、上下の半導体チップの厚さを差し引くことによって半導体チップ間の距離:d(単位:m)を算出した。また、半導体チップの面積:Sは10mm×10mmサイズであることから1.0×10-4(単位:m2)とし、真空の
誘電率:ε0を8.854×10-12、事前に測定した硬化後の接着フィルムの比誘電率:ε(表1の各実施例および比較例に記載の値)を用い、各実施例および比較例の半導体装置(1)における硬化後の接着フィルム部の静電容量C(単位:F)を算出した。なお静電容量Cは以下の式を用いて算出した。
C=(ε0×ε×S)/d
また、上下各チップ内の回路配線の電気信号の遅延は、次式で表されるRC時定数:τ(単位:sec)によって算出することができ、半導体チップの回路配線の配線抵抗:R(単位:Ω)と静電容量:Cとを用いて算出した。
τ=R×C
なお、半導体チップの回路配線の配線抵抗:Rは、各実施例および比較例の半導体装置において同一のデザインの半導体チップを使用していることから配線抵抗:Rも同一であるため、数値として表示せずに一律に「R」として計算した。
上記物性評価の結果、実施例1〜12はいずれも、(A)エポキシ樹脂と、(B)成膜性樹脂と、(C)充填材と、を含有し、100℃における溶融粘度V1が200Pa・s以上、30000Pa・s以下であり、硬化後の樹脂組成物の弾塑比が10%以上、50%以下であることを特徴とする本発明の樹脂組成物ならびにそれを用いた電子装置等であり、半田接続性、半導体チップの縁部からの樹脂組成物のはみ出し評価、半導体装置の半田接続部のクラック評価、半導体装置のコーナー部の剥離評価のいずれにおいても、良好な結果が得られた。特に、実施例1、実施例3、実施例4、実施例7、実施例8、実施例9は、(A)エポキシ樹脂として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び/又はトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂を使用しているので、耐熱性にも優れたものとなった。
一方、比較例1は(C)充填材を配合しておらず、100℃における溶融粘度V1が低く、半導体チップの縁部からの樹脂組成物のはみ出し評価において特性が低下した。比較例2はV1が高く、半田接続性において特性が低下した。また、比較例3は(B)成膜性樹脂を配合しておらず、硬化後の樹脂組成物の弾塑比が低く、半導体装置の半田接続部のクラック評価において特性が低下した。そして、比較例4は(C)充填材を配合しておらず、弾塑比が高く、半導体チップの縁部からの樹脂組成物のはみ出し評価、ならびに、半導体装置のコーナー部の剥離評価において特性が低下したものとなった。
1 接着フィルム
2 ベースフィルム
3 ダイシングテープ
3a ダイシングテープ基材層
3b ダイシングテープ粘着層
10 接着シート
11 ダイシングテープ一体型接着フィルム
51 挟圧部材
52 挟圧部材
200 回路基板(半導体ウエハ)
201 電極
202 半田バンプ
203 間隙
210 個別回路
300 半導体チップ
400 回路基板
410 個別回路
500 フリップチップボンダー
600 ダイシングソー

Claims (15)

  1. 相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続する樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、
    (A)エポキシ樹脂と、
    (B)成膜性樹脂と、
    (C)充填材と、を含有し、
    100℃における溶融粘度V1が200Pa・s以上、30000Pa・s以下であり、
    硬化後の樹脂組成物の弾塑比が10%以上、50%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記請求項1に記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物は、150℃における溶融粘度V2が100Pa・s以上、25000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 前記請求項2に記載の樹脂組成物において、
    前記溶融粘度V1と前記溶融粘度V2との比(V1/V2)が、0.5以上、3.0以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    前記(A)エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン構造を分子内に有するエポキシ樹脂、および、ビフェニル構造を分子内に有するエポキシ樹脂、から選ばれる1種以上を含有するものであることを特徴とする樹脂組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    前記(B)成膜性樹脂は、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000以上、1,100,000以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    前記(C)充填材は、平均粒子径が5nm以上、500nm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(D)硬化剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(E)フラックス機能を有する化合物、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  9. 前記請求項1ないし8のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(F)硬化促進剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  10. 前記請求項1ないし9のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする、接着フィルム。
  11. 前記請求項10に記載の接着フィルムと、ベースフィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
  12. 前記請求項10に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着シート。
  13. 前記請求項10に記載の接着フィルムと、バックグラインドテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ一体型接着シート。
  14. 前記請求項10に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとバックグラインドテープとを兼ねたダイシングテープ兼バックグラインドテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート。
  15. 前記請求項10ないし14のいずれか一項に記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子装置。
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