JP6167612B2 - 接着シートおよび電子部品 - Google Patents
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Description
接着フィルム101を均一に充填させることができなかったり、半田バンプ202に接着フィルム101が残存したりしてしまうという問題があった。
しかしながら、この場合では、接着シート100をウエハ200に対してラミネートする際に、下地フィルム102のコシが弱いことに起因して、下地フィルム102にシワが生じ、接着フィルム101をウエハ200に対して均一に接着させることができないという問題がある。
(1)電極が形成された電極部材同士を電気的に接続する際に用いられる接着シートであって、
前記接着シートは、接着フィルムと、該接着フィルムに接合された下地フィルムとを有し、
前記下地フィルムは、少なくとも前記接着フィルム側から積層された第1の最外層と、前記第1の最外層と反対側から積層された第2の最外層とを備える積層体であり、
前記第1の最外層の弾性率は、前記第2の最外層の弾性率よりも高いことを特徴とする接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、25℃での弾性率が500MPa以上、5000MPa以下である、接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、25℃での弾性率が10MPa以上、1000MPa以下である、接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、25℃の引張試験における伸び率が20%以上、350%以下である、接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、25℃の引張試験における伸び率が5
0%以上、900%以下である、接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、その平均厚さが2.5μm以上、50μm以下である、接着シート。
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、その平均厚さが10μm以上、150μm以下である、接着シート。
前記接着フィルムは、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)フラックス機能を有する化合物と、
(D)成膜性樹脂と、
を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。
前記接着フィルムは、さらに、(E)硬化促進剤を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。
前記接着フィルムは、さらに、(F)シランカップリング剤を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。
前記接着フィルムは、さらに、(G)無機充填材を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。
前記接着フィルムは、フラックス機能を有するものである、接着シート。
前記接着フィルムは、80℃における溶融粘度が1Pa・s以上、80,000Pa・s以下である、接着シート。
前記接着シートは、前記下地フィルムの前記第一の最外層面と前記接着フィルム面との25℃における剥離強度が0.3N/m以上、250N/m以下である、接着シート。
図1は、本発明の接着シートの実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」という。
図1(a)に示した接着シート10aの形態では、下地フィルム2aは接着フィルム1側から積層された第一の最外層21と、第1の最外層21の反対側から積層された第2の最外層22の2層から構成されている。
図1(b)に示した接着シート10bの形態では、下地フィルム2bは接着フィルム1側から積層された第1の最外層21と、第1の最外層21の反対側から積層された第2の最外層22、及び、これら2つの層の間に位置する層23の3層から構成されている。
図1(c)に示した接着シート10cの形態では、下地フィルム2cは接着フィルム1側から積層された第1の最外層21と、第1の最外層21の反対側から積層された第2の最外層22、及び、これら2つの層の間に位置する層24、層25、層26の5層から構成されている。
接着フィルム1は、半導体チップと回路基板との間に形成される空隙に充填される封止樹脂として機能する。特に、接着フィルム1がフラックス機能を有するものである場合は、接着フィルム1の加熱時には、回路基板が備える端子、及び、半導体チップが備える端子の少なくとも一方に対応するように設けられた半田バンプが溶融した際に、半田バンプの表面に形成された酸化膜を除去して、溶融状態の半田バンプの濡れ性を向上させる機能を有するものである。
(A)エポキシ樹脂(以下、化合物(A)と呼称することがある)と、
(B)硬化剤(以下、化合物(B)と呼称することがある)と、
(C)フラックス機能を有する化合物(以下、化合物(C)と呼称することがある)と、(D)成膜性樹脂(以下、化合物(D)と呼称することがある)と、
を含有する樹脂組成物から形成されるものであることが好ましい。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
これにより、上述したような接着フィルム1をより容易に製造することができ、さらに、下地フィルム2との剥離性をより好適な水準とすることができる。
これにより、接着フィルム1の柔軟性と屈曲性をより効果的に発現させることができる。また、これにより、接着フィルム1のタック力が強くなり、ハンドリング性が低下することをより効果的に防止することができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、上述した(A)エポキシ樹脂とともに、(B)硬化剤を含有することが好ましい。
族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビス(モノまたはジtert−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルテトラデシリデン)ビスフェノールなどのフェノール系硬化剤等が挙げられる。
(B)硬化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、機械的接着強度を十分に確保することができ、半田接合部の信頼性、および本発明の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、(C)フラックス機能を有する化合物を含有することが好ましい。
これにより、接着シートに用いられる接着フィルム1がフラックス機能を有することができ、回路基板が備える端子および半導体チップが備える端子の少なくとも一方に対応するように設けられた半田バンプの表面に形成された酸化膜を除去、あるいは、回路基板および半導体チップが備える端子の表面に形成された酸化膜を除去することができる。その結果、端子同士を確実に半田接合することができるため、半導体チップと回路基板とを優れた接続信頼性をもって電気的に接続させることができる。
例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス作用も有している。本発明では、このような、フラックス機能を有する化合物としても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス機能を有する硬化剤も好適に用いることができる。
HOOC−(CH2)n−COOH ・・・ (1)
(式(1)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
このようなフラックス機能を有する硬化剤としては、例えば、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(ゲンチジン酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(没食子酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;およびジフェノール酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)フラックス機能を有する化合物の配合量を上記範囲とすることにより、フラックス機能を向上させることができるとともに、接着フィルム1を硬化させた際に、未反応の(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び、(C)フラックス機能を有する化合物の残存率を低下させることができるため、耐マイグレーション性を向上させることができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、(D)成膜性樹脂を含有することが好ましい。これにより、樹脂組成物をフィルム状に形成するのが容易になるとともに、接着フィルム1の機械的特性を向上させることができる。
これらの中でも、(D)成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、及び、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
上記化合物(D)の重量平均分子量が上記範囲内であると、接着フィルム1の成膜性をより向上させることができる。
ここで重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
化合物(D)の含有量が前記範囲内であると、接着フィルム1の流動性を抑制することができ、接着フィルム1の取り扱いが容易になる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、以上に説明した、
(A)エポキシ樹脂、
(B)硬化剤、
(C)フラックス機能を有する化合物、
(D)成膜性樹脂、
のほか、さらに、(E)硬化促進剤、(F)シランカップリング剤、(G)無機充填材を含有することができる。
(E)硬化促進剤としては、例えば、融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。
使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、接着フィルム1の硬化が完了する前に、半田バンプを構成する半田成分が、回路基板および半導体チップが備える端子の表面より確実に移動することができ、端子(電極)同士間の電気的接続をより良好なものとすることができる。
これにより、硬化促進剤としての機能をさらに効果的に発現させて、接着フィルム1の硬化性を向上させることができる。また、半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における接着フィルム1の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、接着フィルム1の保存性をさらに向上させることができる。
なお、(E)硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有することにより、半導体チップおよび回路基板に対する接着フィルム1の密着性を高めることができる。
シランカップリング剤の配合量を上記範囲内とすることにより、上記作用をより効果的に発現させることができる。
イカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。また、シリカを用いる場合、その形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
無機充填材の平均粒径を上記範囲内とすることで、接着フィルム1内での(G)無機充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
(G)無機充填材の含有量を上記範囲内とすることにより、硬化後の接着フィルム1と半導体チップおよび回路基板との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、半導体チップおよび回路基板の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の接着フィルム1の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体チップと回路基板との接合体の信頼性が向上する。
接着フィルム1の厚さが上記範囲内であると、半導体チップと回路基板との間に形成される間隙に樹脂組成物成分を充分に充填することができ、樹脂成分の硬化後の機械的接着強度を充分に確保することができる。
(a)熱硬化性樹脂
(b)成膜性樹脂
(c)硬化促進剤
(d)充填材
を含む、熱硬化性樹脂組成物で構成されるものを有するものであってもよい。
(a)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂組成物の主成分として含まれるものである。
特に、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂が好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物は、上記(a)熱硬化性樹脂とともに、(b)成膜性樹脂を併用することが好ましい。これにより、25℃において、接着フィルム10を、確実にフィルム形態のものとすることができる。
、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましい。
成膜性樹脂の含有量が上記範囲内にあると、溶融前の熱硬化性樹脂組成物の流動性を抑制することができ、熱硬化性樹脂組成物を容易に取り扱うことができる。
さらに、熱硬化性樹脂組成物は、(c)硬化促進剤を含むものであることが好ましい。
(c)硬化促進剤を添加することによって、ウエハ200に接着シート100をラミネートした後に、接着シート10に含まれる熱硬化性樹脂組成物を容易に硬化させることができる。
ゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、イミダゾール化合物を使用する場合には、イミダゾール化合物の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全質量に対して、0.001質量%以上であることが好ましく、0.003質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることが特に好ましい。また同様に、1.0質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
イミダゾール化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を充分に硬化させることができるとともに、熱硬化性樹脂組成物の保存安定性を確保することができる。
さらに、熱硬化性樹脂組成物は、(d)充填材を含んでも良い。
これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を小さくすることができるとともに、熱硬化性樹脂組成物の最低溶融粘度を調整することが容易となる。
(d)充填材の平均粒径を上記範囲とすることで、熱硬化性樹脂組成物内における充填材の凝集を抑制し、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の外観を向上させることができる。
(d)充填材の含有量を上記下限値以上とするで、硬化後の熱硬化性樹脂組成物と被接着物との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接着物の剥離をさらに確実に抑制することができる。また、(d)充填材の含有量を上記上限値以下とすることで、硬化後の樹脂組成物の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができる。
また、熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤(フラックスとして作用するものを除く)、シランカップリング剤、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤や顔料等の添加剤がさらに含まれていてもよい。
例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化および硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性等)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、熱硬化性樹脂成分の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましい。
これらの中でも、溶融粘度、エポキシ樹脂との反応性が良好であり、硬化後の物性が優れている点でフェノールノボラック樹脂およびクレゾールノボラック樹脂が好ましい。
例えば、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂を使用する場合、その配合量は、熱硬化性樹脂組成物の全質量に対して、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。また同様に、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
フェノールノボラック樹脂の配合量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂を充分に硬化させることができる。また、上記上限値以下とすることにより、未反応のフェノールノボラック樹脂が残存してイオンマイグレーションが発生するのを抑制することができる。
例えば、エポキシ樹脂が有するエポキシ基(Ep)とフェノールノボラック樹脂が有するフェノール性水酸基(OH)との当量比(Ep/OH)は、0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。また同様に、1.2以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましく、0.98以下であることが特に好ましい。
上記当量比を上記下限値以上とすることにより、未反応のフェノールノボラック樹脂が残存してイオンマイグレーションが発生するのを抑制することができる。また、上記上限値以下とすることにより、エポキシ樹脂の硬化後の耐熱性、耐湿性を向上させることができる。
接着フィルムの80℃における溶融粘度を上記範囲内とすることにより、本発明の接着シートを用いて電極部材にラミネートする際に、電極部の凹凸に追従するようにラミネートすることができる。
これにより、本発明の接着シートを用いて電極部材にラミネートした後、下地フィルムを除去する際に、接着フィルムから容易に剥離することができる。
なお、この剥離強度は、シリコンウェハに長さ200mm、幅18mmに切り出した本発明の接着シートをラミネートした後、20℃〜28℃の雰囲気下でテンシロンにて下地フィルムを180°方向に引き剥がすピール試験により測定したものである。
下地フィルム2は、図2に示すように、半導体チップを回路基板上に搭載する場合、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ200に、接着シート10(接着フィルム1)をラミネートする際に、接着フィルム1の下地層(支持層)として機能するものである。
こでも、第1の最外層21の弾性率は、第2の最外層22の弾性率よりも高くなっている。なお、層23で用いるものとしては特に限定されるものではないが、例えば、接着層を用いることができる。
図3に示したように、下地フィルム2をかかる構成とすることにより、ウエハ200に、接着シート10(接着フィルム1)をラミネートする際に、ウエハ200が備える端子201同士の間に形成された間隙203内に均一な厚さで充填することができるとともに、端子201が備える半田バンプ202の先端を突出させて、接着フィルム1を充填することができる。かかる理由については後に詳述する。
図3には、3層構造の下地フィルム2bと接着フィルム1とが一体化した本発明の接着シートの一例である接着シート10bと回路基板200とを、挟圧部材を用いて加熱・加圧ラミネートし、回路基板表面に形成された回路に接着フィルム1を充填させる過程を模式図で表わしたものである。
おり、複数の端子間には間隙203が存在する。
この回路基板200の端子201側から、接着シート10(図3(a)においては接着シート10b)を、接着フィルム1が回路基板200の個別回路201が形成された側に向くようにして重ねる。
図3(b)は、図3(a)で示した構成のものを、挟圧部材51、52により加熱・加圧して回路基板200と接着シート10bとをラミネートし、回路基板200が有する端子201同士の間に形成された間隙203内に、接着フィルム1を均一に充填させた状態を示したものである。
図3(c)は、図3(b)で示した挟圧部材51、52による加熱・加圧を開放した状態を示したものである。
そして、図3(d)は、ウエハ200と接着シート10bとをラミネートしたものから、下地フィルム2b(第1の最外層21、第2の最外層22、及び、接着層23から構成されているもの)を除去したものであり、回路基板200が有する端子201間の間隙203に、接着フィルム1が埋め込まれ、換言すれば、間隙203が接着フィルム1によって充填され、かつ、端子201が有する半田バンプ202が突出した状態とすることができている状態を示したものである。
この結果、回路基板200が有する端子201同士の間に形成された間隙203内に、接着フィルム101を均一に充填させることができなかったり、半田バンプ202上に接着フィルム101が残存したりしてしまうという問題があった。
上記第1の最外層の25℃での弾性率を上記下限値以上とすることにより、接着シートの取扱性を良好なものとすることができる。また、弾性率を上記上限値以下とすることにより、接着フィルムをラミネートする際の被着体の表面形状に対する追従性を確保することができる。
上記第2の最外層の25℃での弾性率を上記下限値以上とすることにより、接着フィルムをラミネートする際の皺の発生を抑制することができる。また、弾性率を上記上限値以下とすることにより、クッション性を有し、接着フィルムをラミネートする際の圧力を均等に加えることができる。
下地フィルムを構成する第1の最外層と第2の最外層が、このような関係の弾性特性を有したものであることにより、バンプの凹凸に対する接着フィルムの埋め込み性を向上させることができるという効果を発現させることができる。
上記第1の最外層の25℃の引張試験における伸び率を上記下限値以上とすることにより、接着フィルムをラミネートする際の被着体の表面形状に対する追従性を確保することができる。また、伸び率を上記上限値以下とすることにより、接着フィルムの切断や亀裂の発生を抑制することができる。
上記第2の最外層の25℃の引張試験における伸び率を上記下限値以上とすることにより、屈曲性が得られ接着シートの取扱い性を確保ことができる。また、伸び率を上記上限値以下とすることにより、接着フィルムを転写する時などの下地フィルムにテンションが掛かる際に、下地フィルムの過度な伸びを抑制することができる。
上記第1の最外層の平均厚さを上記下限値以上とすることにより、第1の最外層に剛性を付与することができ、被着体へのラミネート後の接着フィルムの平滑性を確保することができる。また、平均厚さを上記上限値以下とすることにより、下地フィルム全体の剛性を抑制することができ、接着フィルムの埋め込み性を確保とすることができる。
上記第2の最外層の平均厚さを上記下限値以上とすることにより、第2の最外層にクッション性を付与することができ、接着フィルムの埋め込み性を向上させることができる。また、平均厚さを上記上限値以下とすることにより、下地フィルム全体の剛性を維持する
ことができ、接着シートの取扱い性を確保することができる。
このような樹脂フィルム層としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体を例示することができる。
また、このような接着層としては例えば、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンを例示することができる。
図2は、本発明の接着シートを用いて、回路基板上に半導体チップを搭載する方法を説明するための斜視図、図3は、本発明の接着シート(図1(b)の形態のもの)を用いて、回路基板上に接着シートをラミネートした状態を説明するための縦断面図である。
なお、図3(a)においては、接着シート10bを回路基板200にラミネートする直前の状態を、図3(b)においては、接着シート10bを回路基板200にラミネートした後の状態を各々示している。図3(a)、図3(b)においては、挟圧部材51、52により上記ラミネートを行っている場合を例示している。
これにより、空隙に充填された封止樹脂を確実に硬化させることができる。
このようにして、回路基板400上に半導体チップ300を搭載することができ、本発明の電子部品を得ることができる。
本願発明の形態の接着シートが適用できる電極部材の具体的な組合せとしては、例えば、半導体ウエハと半導体ウエハとの組合せ、半導体ウエハと半導体チップとの組合せ、半導体チップと半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体ウエハとの組合せ、リジッド回路基板と半導体ウエハとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体チップとの組合せ、リジッド回路基板と半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板とフレキシブル回路基板との組合せ、フレキシブル回路基板とリジッド回路基板との組合せ、および、リジッド回路基板とリジッド回路基板との組合せ、などが挙げられる。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(1)として、図1(a)に示した形態のものを作製した。
まず、第1の最外層21を構成する樹脂としてナイロン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名「UBEナイロン 1022B」)を、第2の最外層22を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ノバテックLL UF240」)を準備した。
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「XLC−4L」)10.20質量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)22.0質量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)8.20重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「FX−280S」)9.30重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.05重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.25重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」)50重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
上記で得られた接着フィルム用樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、第1の最外層21と接着フィルムとが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(2)として、図1(c)に示した形態のものを作製した。
まず、第1の最外層21を構成する樹脂としてナイロン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名「UBEナイロン 1022B」)を、第2の最外層22を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ノバテックLD LF441MD」)を準備した。
次に、層24を構成する樹脂として接着性樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「モディック M545」)を、層25を構成する樹脂としてナイロン樹脂(宇部興産株式会社製、商品名「UBEナイロン 1022B」)を、層26を構成する樹脂として接着性樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「モディック M545」)を準備した。
実施例1と同様にして、固形分濃度50質量%の接着フィルム用樹脂ワニスを調製した。
実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、第1の最外層21と接着フィルムが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(3)として、図1(b)に示した形態のものを作製した。
まず、第1の最外層21を構成する樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアプラスチックス株式会社製、商品名「ノバデュラン 5010GT15X」)を、第2の最外層22を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、商品名「ウルトゼックス 1020L」)を、層23を構成する樹脂として接着性樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「モディック M545」)を準備した。
実施例1と同様にして、固形分濃度50質量%の接着フィルム用樹脂ワニスを調製した。
実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、第1の最外層21と接着フィルムが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(4)として、図1(b)に示した形態のものを作製した。
まず、第1の最外層21を構成する樹脂として高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ノバテックHD HF313」)を、第2の最外層22を構成する樹脂として、高密度ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、商品名「ハイゼックス 3300F」)を、層23を構成する樹脂として接着性樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「モディック M545」)を準備した。
実施例1と同様にして、固形分濃度50質量%の接着フィルム用樹脂ワニスを調製した。
実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、第1の最外層21と接着フィルムが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(5)として、ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名「ユーピレックス−S75(厚み75μm)」を用いた。
実施例1と同様にして、固形分濃度50質量%の接着フィルム用樹脂ワニスを調製した。
実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、下地フィルムと接着フィルムとが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
<下地フィルムの製造>
下地フィルム(6)として、低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ノバテックLD LF441MD」)を用いて厚み120μmの接着フィルムを成形し、接着フィルムを転写する側の表面をコロナ処理することによって下地フィルム(6)を作製した。
実施例1と同様にして、固形分濃度50質量%の接着フィルム用樹脂ワニスを調製した。
実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着フィルムが形成された基材付き接着フィルムを得た。
上記で得られた下地フィルムと、基材付き接着フィルムとを、下地フィルムと接着フィルムとが接するように、70℃のロール式ラミネーターで貼り合わせることにより接着フィルムを下地フィルムに転写し、基材付き接着シートを得た。
上記実施例、比較例で得られた下地フィルムならびに接着シートについて、以下の手法により各項目の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例における下地フィルムの第1の最外層と第2の最外層、比較例における下地フィルムについて、30mm×5mmの短冊状に切り出して試料を作製し、25℃での弾性率を、引っ張り試験機(TAインスツルメント株式会社製、動的粘弾性測定装置RS3A)を用いて、ASTM D638に準拠して測定した。
実施例における下地フィルムの第1の最外層と第2の最外層、比較例における下地フィルムについて、ASTM D638に準じて得られたダンベル試験片を、引張試験機(株式会社オリエンテック製、RTA−100)を用いて、ASTM D638に準拠して測定した。
実施例における下地フィルムの第1の最外層と第2の最外層、比較例における下地フィルムについて、110mm×110mmに切り出すことによって試料を作製し、触針式膜厚計(株式会社ミツトヨ製、ミューチェッカM−413)を用いて10mm間隔で厚みを100箇所測定し、平均厚みを算出した。
実施例ならびに比較例で得られた接着フィルムを積層することによって厚み100μmの測定用サンプルを作製し、粘弾性測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「MARS」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度10℃/分の条件にて測定し、80℃における接着フィルムの溶融粘度を測定値とした。
実施例における下地フィルムの第1の最外層と接着フィルムとの剥離強度、比較例における下地フィルムと接着フィルムとの剥離強度について、ステンレス(SUS304製)板に長さ200mm、幅25mmの両面テープを貼り、実施例または比較例の接着シートを両面テープのステンレス板と反対側の面と接着フィルム面とが接するように貼ることによって試料を作製した。得られた試料の下地フィルムを、引張試験機(株式会社オリエンテック製 RTC−1250A)を用いて、25℃において180度の角度で剥離させ、下地フィルムと接着フィルムとの界面での25℃における剥離強度を測定した。
実施例及び比較例において得られた接着シートをラミネートした後の半導体チップ上のバンプ間の接着フィルムの充填性について、以下の手順で評価した。
半導体チップとして、サイズ5mm×5mm、厚さ0.15mmのものを用い、これに、接着シートの接着フィルム側を積層し、真空加圧式ラミネーターを用いて、温度80℃でラミネートし、接着フィルムをラミネートした半導体チップを得て、これを測定試料とした。
半導体チップ上のバンプ間の接着フィルムの充填性は、半導体チップ上の凹凸部(バンプの周囲)のボイドまたは空隙の有無を金属顕微鏡で観察することによって評価した。
評価結果を示す記号の意味は、下記の通りである。
○:凹凸部の周辺にボイドまたは空隙が観察されなかった。
×:凹凸部の周辺にボイドまたは空隙が観察された。
実施例及び比較例において得られた接着シートをラミネートした後の、半導体チップ上のバンプの先端部分の接着フィルム層からの突出性について、以下の手順で評価した。
上記<半導体チップ上のバンプ間の接着フィルムの充填性>の評価で用いた接着フィル
ムをラミネートした半導体チップを試料とし、各実施例および各比較例において、半導体チップ上のバンプの先端部分の接着フィルム層からの突出性を、3D測定レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製、LXT OLS4000)を用い、バンプの先端部がバンプの先端部の周囲の接着フィルムの埋め込み部より1μm以上突出しているか否かによって評価した。
評価結果を示す記号の意味は、下記の通りである。
◎:全てのバンプの先端部が周囲の接着フィルムの埋め込み部よりも1μm以上突出している。
○:一部のバンプの先端部が周囲の接着フィルムの埋め込み部よりも1μm以上突出していない。
×:全てのバンプの先端部が周囲の接着フィルムの埋め込み部よりも1μm以上突出していない。
半田バンプ(Sn―3.5Ag、融点221℃)を有する半導体チップ1(サイズ5mm×5mm、厚さ0.15mm)に、実施例または比較例で得られた接着シートの接着フィルムを真空ロールラミネーターで、100℃でラミネートして、接着フィルム付きの半導体チップを得た。
次に、最表面が金層、その下層にニッケル層が形成された銅電極を有する半導体チップ2(サイズ7mm×7mm、厚さ0.15mm)の電極部と、上記半導体チップ1の半田バンプとが当接するように位置合わせを行いながら半導体チップ1と半導体チップ2とをフリップチップボンダー(澁谷工業株式会社製)を用いて100℃、30秒間で仮圧着した。次いで、フリップチップボンダー(澁谷工業株式会社製)を用いて235℃、30秒間加熱して、半田バンプを溶融させて半田接続を行った。さらに、180℃、60分間加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップ1と、半導体チップ2とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置を得た。
この半導体装置を断面研磨することによって、半田接続部を20カ所を電子顕微鏡で観察し、半田接続部における接着フィルムの構成成分である樹脂成分の噛み込みの有無を評価した。
評価結果を示す記号の意味は、下記の通りである。
◎:半田接続部の断面において、バンプの幅に対して10%以下の長さの樹脂の噛み込みのある半田接続部が5カ所以下である。
○:半田接続部の断面において、バンプの幅に対して10%以下の長さの樹脂の噛み込みのある半田接続部が6カ所以上10カ所以下である。
×:半田接続部の断面において、バンプの幅に対して10%以下の長さの樹脂の噛み込みのある半田接続部が11カ所以上である。
一方、比較例1は弾性率の高い下地フィルムを単層で用いたものであるが、半導体チップ上のバンプ間の接着フィルムの充填性、半導体チップ上のバンプの突出性に劣り、樹脂噛みの有無においても樹脂噛みのある半田接続部が11カ所以上存在し接続性に劣るという結果となった。
また、比較例2は弾性率の低い下地フィルムを単層で用いたものであるが、○半導体チップ上のバンプ間の接着フィルムの充填性、半導体チップ上のバンプの突出性に劣り、樹脂噛みの有無においても樹脂噛みのある半田接続部が11カ所以上存在し接続性に劣るという結果となった。
10a 接着シート
10b 接着シート
10c 接着シート
100 接着シート
1 接着フィルム
101 接着フィルム
2 下地フィルム
2a 下地フィルム
2b 下地フィルム
2c 下地フィルム
102 下地フィルム
21 第1の最外層
22 第2の最外層
23 層
24 層
25 層
51 挟圧部材
52 挟圧部材
200 回路基板
201 端子
202 半田バンプ
203 間隙
210 個別回路
400 回路基板
410 個別回路
300 半導体チップ
500 フリップチップボンダー
600 ダイシングソー
Claims (14)
- 電極が形成された電極部材同士を電気的に接続する際に用いられる接着シートであって、
前記接着シートは、接着フィルムと、該接着フィルムに接合された下地フィルムとを有し、
前記下地フィルムは、少なくとも前記接着フィルム側から積層された第1の最外層と、前記第1の最外層と反対側から積層された第2の最外層とを備える積層体であり、
前記第1の最外層の弾性率は、前記第2の最外層の弾性率よりも高いことを特徴とする接着シート。 - 請求項1に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、25℃での弾性率が500MPa以上、5000MPa以下である、接着シート。 - 請求項1又は2のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、25℃での弾性率が10MPa以上、1000MPa以下である、接着シート。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、25℃の引張試験における伸び率が20%以上、350%以下である、接着シート。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、25℃の引張試験における伸び率が50%以上、900%以下である、接着シート。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第1の最外層は、その平均厚さが2.5μm以上、50μm以下である、接着シート。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記下地フィルムが備える前記第2の最外層は、その平均厚さが10μm以上、150μm以下である、接着シート。 - 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着フィルムは、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)フラックス機能を有する化合物と、
(D)成膜性樹脂と、
を含有する樹脂組成物から形成されるものであって、
(C)フラックス機能を有する化合物が、カルボキシル基またはフェノール性水酸基の少なくとも一方を有する化合物である、接着シート。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着フィルムは、さらに、(E)硬化促進剤を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着フィルムは、さらに、(F)シランカップリング剤を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。 - 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着フィルムは、さらに、(G)無機充填材を含有する樹脂組成物から形成されるものである、接着シート。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着フィルムは、80℃における溶融粘度が1Pa・s以上、80,000Pa・s以下である、接着シート。 - 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の接着シートにおいて、
前記接着シートは、前記下地フィルムが備える前記第一の最外層と、前記接着フィルムとの界面での25℃における剥離強度が0.3N/m以上、250N/m以下である、接着シート。 - 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の接着シートが備える前記接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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