JP2012146830A - ダイシングテープ一体型接着シート、電子部品及び半導体装置 - Google Patents

ダイシングテープ一体型接着シート、電子部品及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電気的接続信頼性及び接着後の耐イオンマイグレーション性に優れ、脆性改善、良好なタック性、高い作業性を有するダイシングフィルム一体型接着シート電子部品および半導体装置を提供すること。
【解決手段】支持体7の第一の端子と、被着体の第二の端子を、半田を用いて電気的に接続し、該支持体と該被着体とを接着する接着フィルム3と、ダイシングテープ2とから構成される積層構造を有するダイシングテープ一体型接着シート10であって、前記接着フィルム3が、(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂と、(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、(C)フラックス機能を有する化合物と、(D)成膜性樹脂と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイシングテープ一体型接着シート、電子部品及び半導体装置に関するものである。
近年の電子機器の高機能化及び軽薄短小化の要求に伴い、半導体パッケージ等の電子部品の高密度集積化、高密度実装化が進んでおり、これら電子部品の小型化、多ピン化が進んでいる。これら電子部品の電気的な接続を得るためには、半田接合が用いられている。この半田接合としては、例えば半導体チップ同士の導通接合部、フリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間との導通接合部、回路基板同士の導通接合部等が挙げられる。この半田接合部には、電気的な接続強度及び機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる封止樹脂が注入されている(アンダーフィル封止)。
この半田接合部に生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂(アンダーフィル材)で補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、電子部品の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給してもギャップ間に液状封止樹脂(アンダーフィル材)が行き渡らなく、完全に充填することが困難になるという問題が生じている。
このような問題に対して、異方導電フィルムを介して端子間の電気的接続と接着とを一括で行う方法が知られている。例えば半田粒子を含む接着フィルムを、部材間に介在させて熱圧着させることにより、両部材の電気接続部間に半田粒子を介在させ、他部に樹脂成分を充填させる方法や、金属粒子を接触させることによって電気的接続をとる方法が記載されている(例えば、特許文献1、2)。
しかしこの方法では、電気的接続信頼性や接着後の樹脂の耐イオンマイグレーション性を確保することは困難であった。
特開昭61−276873号公報 特開平9−31419号公報
本発明の目的は、電気的接続信頼性及び接着後の耐イオンマイグレーション性に優れ、接着フィルムの脆性改善と良好なタック性を両立させ、さらに、作業性に優れたダイシングテープ一体型シート、電子部品および半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)により達成される。
(1) 支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子を、半田を用いて電気的に接続し、該支持体と該被着体とを接着する接着フィルムと、ダイシングテープとから構成される積層構造を有するダイシングテープ一体型接着シートであって、
前記接着フィルムが、
(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂と、
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
(C)フラックス機能を有する化合物と、
(D)成膜性樹脂と、
を含むことを特徴とするダイシングテープ一体型接着シート。
(2) 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の含有量が、3〜30重量%である、前記(1)に記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(3) 前記(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の重量平均分子量が300〜1500である、前記(1)または(2)に記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(4) 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の1核体含有量が1%以下である、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(5) 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量が30〜70%である、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(6) 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂が、フェノールノボラック樹脂および/又はクレゾールノボラック樹脂である、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(7) 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sである、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(8) 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の含有量が、10〜80重量%である、前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(9) 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス機能を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である、前記(1)ないし(8)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(10) 前記(C)フラックス機能を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス機能を有する化合物である、前記(1)ないし(9)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(11) 前記(C)フラックス機能を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである、前記(1)ないし(10)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(12) 前記(D)成膜性樹脂が、フェノキシ樹脂を含むものである、前記(1)ないし(11)のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
(13) 前記(1)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
(14) 前記(1)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、電気的接続信頼性及び接着後の耐イオンマイグレーション性に優れ、脆性改善と良好なタック性を両立し、さらに、作業性の高いダイシングテープ一体型接着シート、電子部品および半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明のダイシングテープ一体型接着シートを用いた半導体装置の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明のダイシングテープ一体型接着シートを用いた半導体装置の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明のダイシングテープ一体型接着シートの製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子を、半田を用いて電気的に接続し、該支持体と該被着体とを接着する接着フィルムと、ダイシングテープとから構成される積層構造を有するダイシングテープ一体型接着シートであって、
前記接着フィルムが、
(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂と、
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
(C)フラックス機能を有する化合物と、
(D)成膜性樹脂と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の電子部品及び半導体装置は、第一の端子を有する支持体と、第二の端子を有する被着体とを上記接着フィルムを用いて、電気的に接続し、該支持体と該被着体とを接着したものである。
以下、本発明のダイシングテープ一体型接着シート、電子部品及び半導体装置とその製造方法に関して説明する。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、半田接合面に用いる接着フィルムと、ダイシングテープとを必須の構成要素とするものである。また、この他に、後述する介在層や外層を設けてもよい。ダイシングテープ一体型接着シートの各部の構成について、順次詳述する。
(ダイシングテープ)
ダイシングテープは、一般的に用いられるどのようなダイシングテープでも用いることが出来る。
具体的には、ダイシングテープとして、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む第一樹脂組成物で構成されているものを用いることが出来る。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等が用いられる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
また、これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、ダイシングテープ2が粘着する相手(被着体)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
また、第一樹脂組成物には、粘着性(接着性)を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、多価イソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)等のイソシアネート化合物等のモノマーおよびオリゴマーを添加してもよい。
さらに、第一樹脂組成物には、後述する第二樹脂組成物と同様の光重合開始剤を添加してもよい。
また、接着強度およびシェア強度を高める目的で、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
このようなダイシングテープの平均厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、特に3〜20μm程度であるのがより好ましい。ダイシングテープの平均厚さが前記範囲内であれば、ダイシングテープの形状追従性が確保され、接着フィルムの半導体ウエハーに対する密着性をより高めることができる。
介在層について後述するが、ダイシングテープ一体型接着シートにおいて、ダイシングテープと接着フィルムの間に介在層を有する場合、ダイシングテープは、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着フィルムに対する介在層の密着力よりも、介在層および支持フィルムに対するダイシングテープの密着力が大きくなる。そのため、後述する半導体装置の製造におけるピックアップ工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着フィルムとの界面)で剥離を生じさせることができる。
また、ダイシングテープの粘着性を高めることにより、後述する半導体装置の製造の第2の工程においては、半導体ウエハーをダイシングして個片化する際に、ダイシングテープとウエハーリングとの間が確実に固定されることとなる。その結果、半導体ウエハーの位置ずれが確実に防止され、半導体素子の寸法精度を高めることができる。
(接着フィルム)
本発明の接着フィルムは、(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂(以下、化合物(A)とも記載する。)を含む。これにより、接着フィルムの硬化物のガラス転移温度を高めること、および、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、接着フィルムに適度な柔軟性を付与することができるため、接着フィルムの脆性を改善することが可能となる。さらに、接着フィルムに適度なタック性を付与することができるため、作業性に優れた接着フィルムを得ることができる。
前記化合物(A)としては、特に限定されるわけではないが、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂等が挙げられるが、接着フィルムの硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができ、また、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができる、フェノールノボラッック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
前記化合物(A)の含有量は、特に限定されるわけではないが、接着フィルム中に3〜30重量%含まれることが好ましく、5〜25重量%含まれることが特に好ましい。化合物(A)の含有量を上記範囲とすることで、接着フィルムの硬化物のガラス転移温度を効果的に高めること、さらに、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を効果的に低減することを両立することができる。
前記1核体から3核体の合計の含有量が30%より小さい(4核体以上の合計の含有量が70%以上)場合、(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂との反応性が低下し、接着フィルムの硬化物中に未反応のフェノール系ノボラック樹脂が残留するため、耐マイグレーション性が低下、また、接着フィルムが脆くなり作業性が低下してしまうといった問題が生じる。また、前記1核体から3核体の合計の含有量が70%より大きい(4核体以上の合計の含有量が30%以下)場合、接着フィルムを硬化させる際のあるとガス量が増大し、支持体または被着体の表面を汚染してしまったり、耐マイグレーション性が低下してしまったり、さらに、接着フィルムのタック性が大きくなり、ダイシングテープ一体型接着シートの作業性が低下してしまうといった問題が生じる。
前記化合物(A)中の2核体と3核体の合計の含有量は、特に限定されるわけではないが、30〜70%であることが好ましい。上記下限値以上とすることで、接着フィルムを硬化させる際のアウトガス量が増大し、支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また。上記上限値以下とすることで、接着フィルムの柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
前記化合物(A)中の1核体の含有量は、特に限定されるわけではないが、接着フィルム中に1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることが特に好ましい。前記1核体の含有量を、上記範囲とすることで、接着フィルムを硬化する際のアウトガス量を低減することができ、支持体または被着体の汚染を抑制することができ、さらに、耐マイグレーション性を向上することができる。
前記化合物(A)の重量平均分子量は、特に限定されるわけではないが、300〜1,500であることが好ましく、400〜1400であることが特に好ましい。上記下限値以上とすることで、接着フィルムを硬化させる際のアウトガス量が増大し、支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また。上記上限値以下とすることで、接着フィルムの柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
本発明の接着フィルムは、(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂(以下、化合物(B)とも記載する。)を含む。これにより、接着フィルムに柔軟性および屈曲性を付与することができるため、ハンドリング性に優れた接着フィルムを得ることができる。
前記化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着フィルムの支持体および被着体に対する密着性、さらに、接着フィルム硬化後の機械特性に優れる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、より好ましくは、25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sであるもの、さらに好ましくは、800〜40,000mPa・sであるものが挙げられる。25℃における粘度を上記下限値以上とすることで、接着フィルムの柔軟性と屈曲性を確保することができる。また、25℃における粘度を上記上限値以下とすることで接着フィルムのタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することを防止することができる。
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、10〜80重量%が好ましく、15〜75重量%が特に好ましい。上記下限値以上とすることで、接着フィルムの柔軟性と屈曲性をより効果的に発現させることができる。また、上記上限値以下とすることで、接着フィルムのタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することをより効果的に防止することができる。
本発明の接着フィルムは、(C)フラックス機能を有する化合物(以下、化合物(C)とも記載する。)を含む。これにより、支持体の第一の端子および被着体の第二の端子の少なくとも一方の半田表面の酸化膜を除去すること、また、場合によっては、支持体の第一の端子または被着体の第二の端子表面の酸化膜を除去することができ、確実に前記第一の端子と前記第二の端子を確実に半田接合することができるため、接続信頼性の高い電子部品、半導体装置等を得ることができる。
前記化合物(C)としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基又はフェノール性水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基及びフェノール水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
前記化合物(C)の配合量は、1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%が特に好ましい。化合物(C)の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス活性を向上させることができるとともに、接着フィルムを硬化した際に、未反応の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、(C)フラックス機能を有する化合物が存在する(以下、このような化合物を、フラックス活性硬化剤とも記載する)。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス作用も有している。本発明では、このような、フラックスとしても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス活性硬化剤を、好適に用いることができる。
なお、カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、フェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にフェノール性水酸基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基及びフェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基及びフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
これらのうち、カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、下記一般式(1)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
HOOC−(CH−COOH (1)
(式(1)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、トリイル酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
これらの前記カルボキシル基を備える(C)フラックス機能を有する化合物のうち、(C)フラックス機能を有する化合物が有する活性度、接着フィルムの硬化時におけるアウトガスの発生量、及び硬化後の接着フィルムの弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(1)で示される化合物が好ましい。そして、前記一般式(1)で示される化合物のうち、式(1)中のnが3〜10である化合物が、硬化後の接着フィルムにおける弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、支持体と被着体の接着性を向上させることができる点で、特に好ましい。
前記一般式(1)で示される化合物のうち、式(1)中のnが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH−COOH)及びn=10のHOOC−(CH10−COOH−等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を備える(C)フラックス機能を有する化合物としては、フェノール類が挙げられ、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
上述したようなカルボキシル基又はフェノール水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基及びフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、(C)フラックス機能を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用するフラックス活性硬化剤が好ましい。フラックス活性硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる2つ以上のフェノール性水酸基と、フラックス作用(還元作用)を示す芳香族に直接結合した1つ以上のカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。このようなフラックス活性硬化剤としては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;及びジフェノール酸等が挙げられ、これらは1種単独又は2種以上を組み合わせでもよい。
これらの中でも、半田表面の酸化膜を除去する効果とエポキシ樹脂との反応性に優れる、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸、フェノールフタリンが好ましい。
また、接着フィルム中、フラックス活性硬化剤の配合量は、1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%が特に好ましい。接着フィルム中のフラックス活性硬化剤の配合量が、上記範囲であることにより、接着フィルムのフラックス活性を向上させることができるとともに、接着フィルム中に、エポキシ樹脂と未反応のフラックス活性硬化剤が残存するのが防止され、マイグレーションの発生を抑制することが出来る。
前記化合物(B)と前記化合物(C)の配合比は、特に限定されるわけではないが、((B)/(C))が0.5〜12.0であることが好ましく、2.0〜10.0であることが特に好ましい。((B)/(C))を上記下限値以上とすることで、接着フィルムを硬化させる際に、未反応の化合物(C)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。また、上記上限値以下とすることで、接着フィルムを硬化させる際に、未反応の化合物(B)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。
本発明の接着フィルムは、接着フィルムの成膜性を向上する(D)成膜性樹脂を含む。これにより、フィルム状態にするのが容易となる。また、接着フィルムの機械的特性にも優れる。
前記(D)成膜性樹脂としては、特に限定されるわけではないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記(D)成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるわけではないが、1万以上が好ましく、より好ましくは2万〜100万、更に好ましくは3万〜90万である。重量平均分子量が前記範囲であると、接着フィルムの成膜性をより向上させることができる。
前記(D)成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記接着フィルム中の0.1〜50重量%が好ましく、1〜40重量%がより好ましく、特に3〜35重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、接着フィルムの流動性を抑制することができ、接着フィルムの取り扱いが容易になる。
また、前記接着フィルムは、硬化促進剤を更に含んでもよい。硬化促進剤は硬化性樹脂の種類等に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、接着フィルムの硬化が完了する前に、半田バンプを構成する半田成分が半導体素子に設けられた内部電極表面に移動することができ、内部電極間の電気的接続を良好なものとすることができる。融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられる。
前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されるわけではないが、接着フィルム中0.005〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量%である。イミダゾール化合物の配合量を0.005重量%以上とすることにより、硬化促進剤としての機能を更に効果的に発揮させて、接着フィルムの硬化性を向上させることができる。また、イミダゾールの配合量を10重量%以下とすることにより、半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、接着フィルムの保存性を更に向上させることができる。
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記接着フィルムは、シランカップリング剤を更に含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、半導体素子、半導体ウエハー、基板およびチップ等の支持体または被着体に対する接着フィルムの密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が使用できる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量は、適宜選択すればよいが、前記樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜5重量%であり、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
前記接着フィルムは、無機充填材を更に含んでも良い。これにより、接着フィルムの線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
前記無機充填材としては、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。また、シリカフィラーの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上、20μm以下が好ましく、0.02μm以上、5μm以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルム内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体に対して5〜80重量%が好ましく、特に10〜70重量%が好ましい。上記範囲とすることで、硬化後の接着フィルムと被接着物との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接着物の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の接着フィルムの弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性が上昇する。
上述したような各樹脂成分を、溶媒中に混合して得られたワニスをポリエステルシート等の剥離処理を施した基材上に塗布し、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより、接着フィルムを得ることができる。ここで用いられる溶媒は、使用される成分に対し不活性なものであれば特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が好適に用いられる。溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分が10〜60重量%となる範囲であることが好ましい。
得られた接着フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜300μmであることが好ましく、特に5〜200μmであることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、接合部の間隙に樹脂成分を十分に充填することができ、樹脂成分の硬化後の機械的接着強度を確保することができる。
このようにして得られた接着フィルムは、フラックス活性を有しているものである。したがって、半導体素子と基板、半導体素子と半導体素子、半導体ウエハと半導体ウエハ等の半田接続を必要とされる部材の接続において好適に用いることができるものである。
また、ダイシングテープ一体型接着シートは、上述した接着フィルム、ダイシングテープの他に、1つ以上の介在層を設けていてもよい。また、ダイシングテープ一体型接着シートの一方の面又は両面に1つ以上の外層を設けてもよい。介在層や外層としては、以下のような粘着層や支持フィルム等の基材が挙げられる。
(支持フィルム)
支持フィルムとは、以上のようなダイシングテープおよび接着フィルムを支持する機能を有する支持体である。また、ダイシングテープ一体型接着シートの外層として設ける場合、汚染や衝撃から保護する保護フィルムとしての機能も有する。
このような支持フィルムの構成材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
支持フィルムの平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、30〜150μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルムは、適度な剛性を有するものとなるため、ダイシングテープおよび接着フィルムを確実に支持して、ダイシングテープ一体型接着シートの取扱いを容易にするとともに、ダイシングテープ一体型接着シートが適度に湾曲することで、第一の端子を有する支持体との密着性を高めることができる。
(粘着層)
粘着層は、一般的な粘着剤で構成されており、具体的には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む第二樹脂組成物で構成されている。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してもよい。
また、これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、粘着層が粘着する相手(被着体)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
また、第二樹脂組成物には、粘着性(接着性)を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、多価イソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)等のイソシアネート化合物等のモノマーおよびオリゴマーを添加してもよい。
さらに、第二樹脂組成物には、粘着層を紫外線等により硬化させる場合、光重合開始剤としてメトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾインイソブチルエーテル系化合物、ベンゾイン安息香酸メチル系化合物、ベンゾイン安息香酸系化合物、ベンゾインメチルエーテル系化合物、ベンジルフィニルサルファイド系化合物、ベンジル系化合物、ジベンジル系化合物、ジアセチル系化合物等を添加してもよい。
また、第二樹脂組成物には、接着強度およびシェア強度を高める目的で、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
このような粘着層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、特に3〜50μm程度であるのがより好ましい。かかる厚さが前記範囲内であると、特に、ダイシング時に剥離せず、ピックアップ時には引っ張り荷重に伴って比較的容易に剥離可能であり、さらに、ダイシング時やピックアップ時に変形を生じにくいため、ダイシング性、ピックアップ性に優れた層が得られる。
(ダイシングテープ一体型接着シートの製造方法)
以上説明したようなダイシングテープ一体型接着シート10は、例えば以下のような方法で製造される。
まず、図2(a)に示す基材4aを用意し、この基材4aの一方の面上に介在層1を成膜する。これにより、基材4aと介在層1との積層体61を得る。介在層1の成膜は、前述した第二樹脂組成物を含む樹脂ワニスを各種塗布法等により塗布し、その後塗布膜を乾燥させる方法や、第二樹脂組成物からなるフィルムをラミネートする方法等により行うことができる。また、紫外線等の放射線を照射することにより、塗布膜を硬化させるようにしてもよい。
上記塗布法としては、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
また、積層体61と同様にして、図2(a)に示すように、用意した基材4bの一方の面上に接着フィルム3を成膜し、これにより、基材4bと接着フィルム3との積層体62を得る。
さらに、各積層体61、62と同様にして、図2(a)に示すように、用意した支持フィルム4の一方の面上にダイシングテープ2を成膜し、これにより、支持フィルム4とダイシングテープ2との積層体63を得る。
次いで、図2(b)に示すように、介在層1と接着フィルム3とが接するように積層体61と積層体62とを積層し、積層体64を得る。この積層は、例えばロールラミネート法等により行うことができる。
次いで、図2(c)に示すように、積層体64から基材4aを剥離する。そして、図2(d)に示すように、前記基材4aを剥離した積層体64に対して、基材4bを残して、前記接着フィルム3および前記介在層1の有効領域の外側部分を除去する。ここで、有効領域とは、その外周が、半導体ウエハー7の外径よりも大きく、かつ、ウエハーリング9の内径よりも小さい領域を指す。
次いで、図2(e)に示すように、介在層1の露出面にダイシングテープ2が接するように、基材4aを剥離し有効領域の外側部分をリング状に除去した積層体64と積層体63を積層する。その後、基材4bを剥離することにより、図2(f)に示すダイシングテープ一体型接着シート10が得られる。
支持フィルムに直接ダイシングテープ2を成膜する方法について上述したが、ダイシングテープを、介在層1、接着フィルム3と同様に、基材上に成膜して、それを接着フィルム3、介在層1と積層してダイシングテープ一体型接着シートを作製してもよい。
(半導体用フィルムの特性)
介在層1、ダイシングテープ2および接着フィルム3は、それぞれ異なる密着力を有しているが、それらは以下のような特性を有していることが好ましい。
まず、介在層1の接着フィルム3に対する密着力は、ダイシングテープ2の支持フィルム4に対する密着力よりも小さいことが好ましい。これにより、後述する第3の工程において、個片83をピックアップした際に、ダイシングテープ2との支持フィルム4との間は剥離することなく、接着フィルム3と介在層1との間が選択的に剥離する。そして、ダイシングの際には、ウエハーリング9により積層体8を確実に支持し続けることができる。
次に、上述したダイシングテープ一体型接着シートを用いた電子部品および半導体装置について説明する。
[1−2]図1(a)に示すように、上述したようなダイシングテープ一体型接着シート10の接着フィルム3と、半導体ウエハー7とを密着させつつ、ダイシングテープ一体型接着シート10と半導体ウエハー(支持体)7とを積層する(第1の工程)。ここで、半導体ウエハー(支持体)7において、接着フィルム3と接着する面は、第一の端子(図示せず)を有するものである。
なお、図1に示すダイシングテープ一体型接着シート10では、接着フィルム3の平面視における大きさおよび形状が、半導体ウエハー7の外径よりも大きく、かつ、ウエハーリング9の内径よりも小さい形状に、あらかじめ設定されている。このため、半導体ウエハー7の下面全体が接着フィルム3の上面全体と密着し、これにより半導体ウエハー7がダイシングテープ一体型接着シート10で支持されることとなる。この半導体素子1の第1の端子を接着フィルム3で覆うように、ダイシングテープ一体型接着シート10をラミネートする(図1(b))。
ダイシングテープ一体型接着シート10を半導体ウエハー7に積層する方法としては、例えばロールラミネーター、平板プレス、ウエハーラミネーター等が挙げられる。
これらの中でもラミネート時に空気を巻き込まないようにするため、真空下でラミネートする方法(真空ラミネーター)が好ましい。
また、ラミネートする条件としては、特に限定されず、ボイドなくラミネートできればよいが、具体的には60〜150℃×1秒〜120秒間が好ましく、特に80〜120℃×5〜60秒間が好ましい。ラミネート条件が前記範囲内であると、貼着性と、樹脂のはみ出しの抑制効果と、樹脂の硬化度とのバランスに優れる。
また、加圧条件も特に限定されないが、0.2〜2.0MPaが好ましく、特に0.5〜1.5MPaが好ましい。
上記積層の結果、図1(b)に示すように、ダイシングテープ一体型接着シート10と半導体ウエハー7とが積層されてなる積層体8が得られる。
[2]
[2−1]次に、ウエハーリング9を用意する。続いて、ダイシングテープ2の外周部21の上面とウエハーリング9の下面とが密着するように、積層体8とウエハーリング9とを積層する。これにより、積層体8の外周部がウエハーリング9により支持される。
ウエハーリング9は、一般にステンレス鋼、アルミニウム等の各種金属材料等で構成されるため、剛性が高く、積層体8の変形を確実に防止することができる。
[2−2]次に、図示しないダイサーテーブルを用意し、ダイサーテーブルと支持フィルム4とが接触するように、ダイサーテーブル上に積層体8を載置する。
続いて、図1(c)に示すように、ダイシングブレード82を用いて積層体8に複数の切り込み81を形成する(ダイシング)。ダイシングブレード82は、円盤状のダイヤモンドブレード等で構成されており、これを回転させつつ積層体8の半導体ウエハー7側の面に押し当てることで切り込み81が形成される。そして、半導体ウエハー7に形成された回路パターン同士の間隙に沿って、ダイシングブレード82を相対的に移動させることにより、半導体ウエハー7が複数の半導体素子71に個片化される(第2の工程)。また、接着フィルム3も同様に、複数の接着フィルム31に個片化される。このようなダイシングの際には、半導体ウエハー7に振動や衝撃が加わるが、半導体ウエハー7の下面がダイシングテープ一体型接着シート10で支持されているため、上記の振動や衝撃が緩和されることとなる。その結果、半導体ウエハー7における割れや欠け等の不具合の発生を確実に防止することができる。
第2の工程において、ダイシングブレード82の先端が粘着層内に留まるように、削り深さを設定してもよい。換言すれば、切り込み81の先端が支持フィルム4に到達することなく、介在層1内またはダイシングテープ2内のいずれかに留まるようにダイシングを行う。このようにすれば、支持フィルム4の削り屑は発生し得ないため、削り屑の発生に伴う問題が確実に解消されることとなる。すなわち、半導体素子71をピックアップする際には、引っ掛かり等の発生が防止され、ピックアップした半導体素子71を被着体5にマウントする際には、異物の侵入および半田接合の不良が防止される。その結果、半導体装置100の製造歩留まりが向上するとともに、信頼性の高い半導体装置100を得ることができる。
[3]
[3−1]次に、複数の切り込み81が形成された積層体8を、図示しないエキスパンド装置により、放射状に引き延ばす(エキスパンド)。これにより、図1(d)に示すように、積層体8に形成された切り込み81の幅が広がり、それに伴って個片化された半導体素子71同士の間隔も拡大する。その結果、半導体素子71同士が干渉し合うおそれがなくなり、個々の半導体素子71をピックアップし易くなる。なお、エキスパンド装置は、このようなエキスパンド状態を後述する工程においても維持し得るよう構成されている。
[3−2]次に、図示しないダイボンダにより、個片化された半導体素子71のうちの1つを、ダイボンダのコレット(チップ吸着部)で吸着するとともに上方に引き上げる。その結果、図2(e)に示すように、接着フィルム31と介在層1との界面が選択的に剥離し、半導体素子71と接着フィルム31とが積層されてなる個片83がピックアップされる(第3の工程)。
なお、接着フィルム31と介在層1との界面が選択的に剥離する理由は、前述したように、ダイシングテープ2の粘着性が介在層1の粘着性より高いため、支持フィルム4とダイシングテープ2との界面の密着力、および、ダイシングテープ2の介在層1との界面の粘着力は、介在層1と接着フィルム3との密着力より大きいからである。すなわち、半導体素子71を上方にピックアップした場合、これらの3箇所のうち、最も粘着力の小さい介在層1と接着フィルム3との界面が選択的に剥離することとなる。
また、個片83をピックアップする際には、ダイシングテープ一体型接着シート10の下方から、ピックアップすべき個片83を選択的に突き上げるようにしてもよい。これにより、積層体8から個片83が突き上げられるため、前述した個片83のピックアップをより容易に行うことができるようになる。なお、個片83の突き上げには、ダイシングテープ一体型接着シート10を下方から突き上げる針状体(ニードル)等が用いられる。
[4]
[4−1]次に、半導体素子71(チップ)を搭載(マウント)するための被着体5を用意する。
この被着体5は、前記接着フィルム3と接着する面に第2の端子(図示せず)を有するものである。この被着体5としては、半導体素子71を搭載し、半導体素子71と外部とを電気的に接続するための配線を有する基板や半導体素子等が挙げられる。
なお、第一の端子と第二の端子としては、例えばパッド部、半田バンプ等が挙げられる。また、第一の端子、第二の端子の少なくとも一方に半田が存在することが好ましい。
次いで、図2(f)に示すように、ピックアップされた個片83を、被着体5上に載置する。この際、半導体ウエハー(支持体)7の第一の端子と、被着体5の第二の端子とを位置合わせしながら、接着フィルム3を介して仮圧着する。
[4−2]次に、図2(g)に示すように、被着体5と半導体素子71を半田接合する。(第4の工程)。 半田接続する条件は、使用する半田の種類にもよるが、例えばSn−Agの場合、220〜260℃×5〜500秒間加熱して半田接続することが好ましく、特に230〜240℃×10〜100秒間加熱することが好ましい。
この半田接合は、半田が融解した後に、接着フィルム3が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、半田を融解させるが、接着フィルム3の硬化反応があまり進行させないような条件で実施することが好ましい。これにより、半田接続する際の半田接続部の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
次に、接着フィルム3を加熱して硬化させる(第5の工程)。硬化させる条件は、特に限定されないが、130〜220℃×30〜500分間が好ましく、特に150〜200℃×60〜180分間が好ましい。
以上のような方法によれば、第3の工程において、半導体素子71に接着フィルム31が付着した状態、すなわち個片83の状態でピックアップされることから、第4の工程において、この接着フィルム31をそのまま被着体5との接着に利用することができる。このため、別途アンダーフィル等を用意する必要がなく、半導体装置100の製造効率をより高めることができる。
このようにして、支持体(半導体ウエハー)7の個片83と被着体5とが接着フィルム3の硬化物で接着された半導体装置を得ることができる。半導体装置は、上述したような接着フィルム3の硬化物で接着されているので電気的接続信頼性に優れている。
また、同様の方法により、半導体素子と半導体素子とを接着フィルム3の硬化物で接着されている電子部品を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(粘着層の形成)
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量300,000の共重合体100重量部と、分子量が700の5官能アクリレートモノマー45重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3重量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに対して、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cmを照射し、ポリエステルフィルム上に粘着層を成膜した。
(ダイシングテープの形成)
アクリル酸ブチル70重量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量%とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体100重量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3重量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに対して、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングテープを成膜した。その後、支持フィルムとして厚さ100μmのポリエチレンシートをラミネートした。
(接着フィルムの調製)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部と、成膜性樹脂としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部と、硬化促進剤として2―フェニルー4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−303)0.5重量部とを、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを、ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルムを得た。
(ダイシングテープ一体型接着シートの製造)
粘着側のポリエステルフィルムを剥離して、粘着層を成膜したフィルムと、接着フィルムを成膜したフィルムとを、粘着層と接着フィルムとが接するようにラミネート(積層)し、積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、粘着層と接着フィルムを半導体ウエハーの外径よりも大きく、かつウエハーリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングテープの一方の面側にあるポリエステルフィルムを剥離した。そして、前記第2積層体の粘着層とダイシングテープとが接するように、これらを積層した。これにより、ポリエチレンシート(支持フィルム)、ダイシングテープ、粘着層(介在層)、接着フィルムおよびポリエステルフィルムの5層がこの順で積層してなるダイシングテープ一体型接着シートを得た。
(半導体装置の製造)
半田バンプを有するシリコンウエハー(直径8インチ、厚さ100μm)を用意した。ダイシングテープ一体型接着シートからポリエステルフィルムを剥離し、その剥離面と、シリコンウエハーの半田バンプを有する面が接するように、ダイシングテープ一体型接着シートとシリコンウエハーを積層した。これを真空ロールラミネーターで、100℃でラミネートして、ダイシングテープ一体型接着シート付きのシリコンウエハーを得た。
次いで、このダイシングテープ一体型接着シート付きのシリコンウエハーをシリコンウエハー側から、ダイシングソー(DFD6360、(株)ディスコ製)を用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、シリコンウエハーが個片化され、以下のダイシングサイズの半導体素子を得た。
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.130mm(シリコンウエハーの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
切り込みの横断面積 :7.5×10−5mm(接着フィルムと介在層との界面より先端側の部分の横断面積)
なお、このダイシングにより形成された切り込みは、その先端が介在層内に達していた。
次いで、半導体素子の1つを半導体用フィルムの裏面からニードルで突き上げ、突き上げた半導体素子の表面をダイボンダのコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、接着フィルム付き半導体素子をピックアップした。
次に、パッドを有する回路基板のパッドと、半田バンプとが当接するように位置あわせを行いながら回路基板に半導体素子を100℃、30秒間で仮圧着した。
次に、235℃、30秒間加熱して、半田バンプを溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、60分間加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体素子と、回路基板とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置を得た。
(実施例2)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を、フェノールノボラック樹脂(三井化学社製、VR−9305)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例3)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を5.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPPICLON−840S)45.0重量部を35.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を44.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例4)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を25.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を10.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を14.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例5)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を19.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例6)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−830LVP)に変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例7)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を、セバシン酸(東京化成工業社製)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(実施例8)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をビスフェノールF型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−70)に変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
(比較例1)
接着フィルムの樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を、フェノールノボラック樹脂(群栄化学工業社製、LV70S)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様にダイシングテープ一体型接着シートおよび半導体装置の製造を行った。
各実施例および比較例の接着フィルムの樹脂ワニスの調整で使用したフェノール系ノボラック樹脂の物性を表1に示す。
Figure 2012146830
また、各実施例および比較例で得られたダイシングテープ一体型接着シート、半導体装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表2に示す。
1.接着フィルム作業性
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、25℃雰囲気下、4mm径の円柱に巻きつけ接着フィルムの接着フィルムの割れ、欠けを確認した。
○:接着フィルムの接着フィルムに割れ、欠けが全く発生しない。
×:接着フィルムの接着フィルムの一部に割れ、欠けが発生している。
2.接着フィルムタック性
各実施例および比較例で得られたダイシングテープ一体型接着シートについて、各ダイシングテープ一体型接着シートの接着フィルム面同士を25℃で重ね合わせ、0.1MPaで圧着し、2つの接着フィルムが融合するかどうかを測定した。各符号は以下の通りである。
○:お互いの接着フィルムを剥がしたとき、接着フィルムの接着フィルム表面がなめらかでつやがある場合
×:お互いの接着フィルムを剥がしたとき、表面にこまかい凹凸が生じたりつやが無くなった場合、また、接着フィルム同士が融着して剥がすことができなかった場合
3.イオンマイグレーション性
各実施例および比較例で得られた半導体装置について、130℃、85%RHの環境下で5Vの電圧を印加しながら、隣接バンプ間の絶縁抵抗値を連続測定し、イオンマイグレーションを評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:500時間後の絶縁抵抗値が1.0E+06以上であった。
○:100〜250時間で絶縁抵抗値が1.0E+06以下に低下した。
△:24時間〜100時間未満で絶縁抵抗値が1.0E+06以下に低下した。
×:0〜24時間未満で絶縁抵抗値が1.0E+06以下に低下した。
4.接続信頼性
各実施例および比較例で得られた半導体装置それぞれ20個ずつについて、−55℃の条件下に30分、125℃の条件下に30分ずつ交互に晒すことを1サイクルとする、温度サイクル試験を100サイクル行い、試験後の半導体装置について、半導体素子と回路基板の接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続信頼性を評価した。各符号は、以下の通りである。
○:20個すべての半導体装置の接続抵抗値が10Ω以下であった。
×:1個以上の半導体装置の接続抵抗値が10Ω以上であった。
Figure 2012146830
1 介在層
11 外周縁
2 ダイシングテープ
21 外周部
3、31 接着フィルム
4 支持フィルム
41 外周部
4a、4b 基材
5 被着体
61〜64 積層体
7 半導体ウエハー(支持体)
71 半導体素子
8 積層体
81 切り込み
82 ダイシングブレード
83 個片
9 ウエハーリング
10、10’ ダイシングテープ一体型接着シート
250 ダイボンダー
260 コレット
270 台
280 装置本体
400 突き上げ装置

Claims (14)

  1. 支持体の第一の端子と、被着体の第二の端子を、半田を用いて電気的に接続し、該支持体と該被着体とを接着する接着フィルムと、ダイシングテープとから構成される積層構造を有するダイシングテープ一体型接着シートであって、
    前記接着フィルムが、
    (A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂と、
    (B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
    (C)フラックス機能を有する化合物と、
    (D)成膜性樹脂と、
    を含むことを特徴とするダイシングテープ一体型接着シート。
  2. 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の含有量が、3〜30重量%である、請求項1に記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  3. 前記(A)1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の重量平均分子量が300〜1500である、請求項1または2に記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  4. 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂の1核体含有量が1%以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  5. 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量が30〜70%である、請求項1ないし4のいずれかに記載の
    ダイシングテープ一体型接着シート。
  6. 前記(A)1核体から3核体の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂が、フェノールノボラック樹脂および/又はクレゾールノボラック樹脂である、請求項1ないし5のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  7. 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sである、請求項1ないし6のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  8. 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の含有量が、10〜80重量%である、請求項1ないし7のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  9. 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス機能を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である、請求項1ないし8のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  10. 前記(C)フラックス機能を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス機能を有する化合物である、請求項1ないし9のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  11. 前記(C)フラックス機能を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである、請求項1ないし10のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。
  12. 前記(D)成膜性樹脂が、フェノキシ樹脂を含むものである、請求項1ないし11のいずれかに記載のダイシングテープ一体型接着シート。





  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
  14. 請求項1ないし12のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
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