JP5929934B2 - ダイシングシート機能付き半導体用フィルムおよび半導体装置 - Google Patents
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Description
また、本発明の目的は、上記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の硬化物を有する半導体装置を提供することにある。
ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、前記最低溶融粘度での温度は、120〜180℃である、ダイシングシート機能付き半導体用フィルムが提供される。
また本発明によれば、
ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、光重合開始剤を含まない、ダイシングシート機能付き半導体用フィルムが提供される。
また本発明によれば、
ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、カップリング剤を含む、ダイシングシート機能付き半導体用フィルムが提供される。
また本発明によれば、
上記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の硬化物を有することを特徴とする半導体装置が提供される。
また、本発明によれば、上記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の硬化物を有する半導体装置を得ることができる。
また、本発明の半導体装置は、上記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着
剤層の硬化物を有することを特徴とする。
ダイシングシート機能付き半導体用フィルム10は、図1に示すようにダイシングシート1と、接着剤層2とで構成されている。図示しないが、ダイシングシート1と接着剤層2との間には、離型フィルムが設けられていても良い。これにより、ダイシングシート1と接着剤層2との間の剥離が容易となり、半導体用ウエハをダイシング後の半導体素子のピックアップ性を向上することができる。
前記架橋反応可能な樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂等のいわゆる熱硬化性樹脂に分類されるものに加え、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基を有する熱可塑性樹脂等も本発明の架橋反応可能な樹脂として挙げることができる。これらの中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂が好適に用いられる。
樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに具体的には、前記室温で固形のエポキシ樹脂は、室温で固形の3官能エポキシ樹脂とクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを含むことが好ましい。これにより、耐湿信頼性を向上することができる。
このフラックス活性を有する化合物として、より具体的には分子中にカルボキシル基および/またはフェノール性水酸基を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられ、これは液状であっても固体であっても構わない。
(CH2)8−COOH)およびn=10のHOOC−(CH2)10−COOH− 等が挙げられる。
他の脂肪族カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;ジフェノール酸等が挙げられる。
このフラックス活性を有する硬化剤としては、例えば1分子中にエポキシ樹脂等の架橋反応可能な樹脂に付加することができる少なくとも2個のフェノール性水酸基と、金属酸化膜に対してフラックス作用を示す、芳香族に直接結合したカルボキシル基を一分子中に少なくとも1個有する化合物が挙げられる。具体的には、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸) 等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3, 5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸
等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン; およびジフェノール酸等が挙げられる。
これらのフラックス活性を有する化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硬化剤としては、例えばフェノール類、アミン類、チオール類が挙げられる。架橋反応可能な樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる場合、このエポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化および硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性等)が得られるという点で、フェノール類が好適に用いられる。
ビスフェノールF、トリスフェノール、テトラキスフェノール、フェノールノボラック類、クレゾールノボラック類等が挙げられるが、溶融粘度、エポキシ樹脂との反応性および硬化後の物性を考えた場合、フェノールノボラック類およびクレゾールノボラック類を好適に用いることができる。
反応のフェノールノボラック類が残留していると、マイグレーションの原因となる。したがって、残渣として残らないようにするためには、前記含有量は前記樹脂組成物全体の30重量%以下が好ましく、特に25重量%以下が好ましい。
前記イミダゾール化合物としては、特に限定されないが、融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することが好ましい。これにより、接着剤層2の硬化と、フラックス機能との両立を図ることが容易となる。すなわち、イミダゾール化合物の融点が低すぎると、半田バンプの酸化膜が除去され、半田バンプと電極が金属接合する前に接着テープが硬化してしまい、接続が不安定になったり、接着テープの保存性が低下したりする場合を抑制することができる。
融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、例えば2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。なお、イミダゾール化合物の融点の上限に特に制限はなく、例えば接着剤層2の接着温度に応じて適宜設定することができる。
とトリアルコキシシラン化合物との分子性化合物等が挙げられる。これらの中でも、接着剤層2の速硬化性、半導体素子のアルミパッドへの腐食性、さらには接着剤層2の保存性により優れる、テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子性化合物、およびテトラ置換ホスホニウムとプロトン供与体とトリアルコキシシラン化合物との分子性化合物が特に好ましい。
前記フィルム形成性樹脂としては、例えばフェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、アクリルゴム等を用いることができる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フィルム形成性樹脂として、アクリルゴムが用いられる場合、フィルム状の接着テープを作製する際の成膜安定性を向上させることができる。また、接着テープの弾性率を低下させ、被接着物と接着テープ間の残留応力を低減することができるため、被接着物に対する密着性を向上させることができる。
ある。
ことにより、接着フィルムの成膜性をさらに向上させることができるとともに接着時の流動性を確保することが可能となる。
粒子径が小さくなりすぎると無機充填剤が凝集しやすくなった結果、強度が低下する場合があり、一方で大きくなりすぎると接着剤層2の透明度が低下し、半導体素子表面の位置合わせマークの認識が難しくなり、半導体素子と基板の位置合わせが困難となる場合がある。
また、半導体用フィルム10をダイシングシート1と接着剤層2との間に、図示しない離型フィルムが設けられた構成とする場合には、接着剤層2は、架橋反応可能な樹脂およびフラックス活性を有する化合物等を混合し、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の離型フィルム上に塗布し、所定の温度で乾燥することにより得られる。さらにポリエステルシート等の剥離基材21を接着剤層2側にラミネートしたのち、離型フィルムおよび接着剤層2のみをハーフカットすることにより、離型フィルムおよび接着剤層2を半導体用ウエハとほぼ同じ形状、例えば、円形状とすることができる。この場合、離型フィルム、接着剤層2および剥離基材21で構成される剥離基材付き接着フィルムが得られる。
そして、剥離基材付き接着フィルムの接着剤層2または離型フィルムの上に、基材フィルムと粘着剤層からなるダイシングシート1の粘着剤層が接するようにダイシングシート1を積層することで、ダイシングシート1、(離型フィルム、)接着剤層2および剥離基材21で構成されるダイシングシート機能付き半導体用フィルム10を得ることができる(図2)。
ダイシングシート1は、特に限定されるものではなく、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、塩化ビニル、エチレン−メタクリル酸共重合体などの樹脂フィルムおよびこれら樹脂の架橋フィルム、さらにこれら樹脂表面にシリコーン樹脂等を塗布して剥離処理したフィルムを挙げることができる。
a・s以上、3,000Pa・s以下が好ましく、最も300Pa・s以上、1,500Pa・s以下が好ましい。溶融粘度を前記下限値以上とすることにより、加熱時に接着剤層2が被接着物からはみ出すことによる接着信頼性の低下を抑制でき、かつはみ出しによる周辺部材の汚染も抑制することができる。さらに、気泡の発生、上下回路基板の未充填等の不良も防止することができる。さらに、半田が濡れ拡がりすぎてしまい、隣接電極間でショートするといった問題も防止することが可能となる。また、前記上限値以下とすることで、半田バンプと回路基板電極が金属接合する際に、半田バンプと回路基板電極間の樹脂が排除されるため接合不良を抑制することが可能となる。
また、前記最低溶融粘度での温度は、特に限定されないが、120〜180℃であることが好ましく、特に140〜170℃ が好ましい。前記温度範囲で接着剤層2が最低溶
融粘度を示すと、半導体素子等を搭載するのが容易となるからである。
接着剤層2の溶融粘度は、例えば以下の測定方法により求められる。
厚み100μmの接着剤層を、粘弾性測定装置(Rheo Stress RS−10
HAAKE(株)社製)で昇温速度10℃/min、周波数0.1Hzで、歪み一定−応力検知で測定できる。
より具体的に、接着剤層2は、630nmでの透過率が50%以上であることが好ましく、特に70〜100%であることが好ましい。透過率が前記範囲内であると、特に半導体素子の認識性に優れ、接続率を向上することができる。
剥離基材21、(離型フィルム、)半導体用ウエハとほぼ同じサイズに円状に配置された接着剤層2およびダイシングシート1の順で構成されるダイシングシート機能付き半導体用フィルム10を用いて得られる半導体装置について説明する。
まず、剥離基材21を接着剤層2から剥離して、半導体用ウエハ3の機能面と、離型フィルムまたは接着剤層2とが接するように、半導体用ウエハ3とダイシングシート機能付き半導体用フィルム10とを積層する。接着剤層2はフラックス活性を有する化合物を含む樹脂組成物のため、半導体素子の機能面に直接ラミネートすることが可能である。
なお、ダイシングシート機能付き半導体用フィルム10に、半導体用ウエハ3およびウエハリング5を予め貼着した後に、ダイサーテーブル4に設置しても良い。
1.接着剤層の調製
架橋反応可能な樹脂としてエポキシ樹脂(NC6000(エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)47.00重量%、フィルム形成性樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−アクリル酸−アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6、重量平均分子量:500,000)19.51重量%とアクリル樹脂(アクリル酸−スチレン共重合体、重量平均分子量:5,500、UC−3900、東亜合成(株)製)9.75重量%、硬化剤として固形フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)10.26重量%、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2P4MHZ、四国化成工業(株)製)0.08重量%、フラックス化合物としてフェノールフタリン12.88重量%、カップリング剤としてプロピルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業(株)製)0.52重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂ワニスを得た。
(1)接着フィルムの製造
コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニスを、離型フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ15μm)に塗布した後、90℃、5分間乾燥して、厚さ40μmの接着剤層を離型フィルム上に形成した。その後、さらに厚さ38μmのポリエステルフィルム(接着剤層のカバーフィルムに相当)を接着剤層側にラミネートして、離型フィルム、接着剤層、カバーフィルムで構成されるカバーフィルム付き接着フィルムを得た。
クリアテックCT−H717(クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。
次に、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部を共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(粘着剤層のカバーフィルムに相当)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後、この粘着剤層を上述した基材フィルムのコロナ処理面にラミネートして、基材フィルムと粘着剤層とからなるダイシングシートと、粘着剤層のカバーフィルムと、で構成されるカバーフィルム付きダイシングシートを得た。
上述のカバーフィルム付き接着フィルムの離型フィルムおよび接着剤層(接着フィルム)のみ(ウエハと接合される部分のみ残す)をハーフカットした後、上述のカバーフィルム付きダイシングシートの粘着剤層からカバーフィルムを剥離して、ダイシングシートの粘着剤層とカバーフィルム付き接着フィルムの離型フィルムとが接合するように貼り付た。これにより、基材フィルム、粘着剤層、離型フィルム、接着フィルムおよびカバーフィルムがこの順に構成されてなるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを得た。
このダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムのカバーフィルムを剥離して、接着フィルム面を8インチ、200μmウエハの裏面に温度110℃、圧力0.3MPaで貼り付けし、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが付いたウエハを得た。
その後、このウエハを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子(60μmφ、Sn3Ag0.5Cuバンプ、ピッチ200μm、バンプ数225、PI保護膜付き:日立超LS
I社製)のサイズにダイシング(切断)した。次に、ダイシング機能付きダイアタッチフィルムの裏面から突上げし、離型フィルムおよび接着剤間で剥離し接着剤層(接着フィルム)が接着した半導体素子を得た。この半導体素子を、ソルダーレジスト(太陽インキ製造社製:PSR4000 AUS308)をコーティングしたBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂基板(0.8mmt)に、フリップチップボンダーを用いて位置合わせを行った後に250℃10sec圧着させてフリップチップパッケージを得た。それを180℃、1時間で後硬化させた。
なお、接着剤層の透過率は、97%であった。
フィルム形成性樹脂を、アクリル樹脂(アクリル酸−スチレン共重合体、重量平均分子量:5,500、UC−3900、東亜合成(株)製)を用いずに、アクリル酸エステル共重合体(アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−アクリル酸−アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6、重量平均分子量:500,000)29.26重量%とした以外は、実施例1と同様にした。
なお、接着剤層の透過率は、97%であった。
架橋反応可能な樹脂を、エポキシ樹脂(NC6000(エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)37.60重量%、フィルム形成性樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−アクリル酸−アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6、重量平均分子量:500,000)15.60重量%とアクリル樹脂(アクリル酸−スチレン共重合体、重量平均分子量:5,500、UC−3900、東亜合成(株)製)7.80重量%、硬化剤として固形フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)8.21重量%、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2P4MHZ、四国化成工業(株)製)0.07重量%、フラックス化合物としてフェノールフタリン10.30重量%、カップリング剤としてプロピルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学工業(株)製)0.42重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、さらにシリカ(クオートロンSP−03B、扶桑化学工業(株)製、平均粒径0.02μmシリカ)を加え分散し、固形分40%の樹脂ワニスを得た。それ以外は実施例1と同様にした。
なお、接着剤層の透過率は、52%であった。
架橋反応可能な樹脂を、エポキシ樹脂(エポキシ当量180g/eq、エピクロン840S、大日本インキ化学工業(株)製)50.00重量% 、フィルム形成性樹脂として
フェノキシ樹脂(YL−6954、ジャパンエポキシレジン(株)製)20.00重量%、硬化剤として固形フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)25.00重量%、硬化促進剤としてリン系化合物(テトラフェニルフォスフィン/フェニルトリメトキシシラン/2,3−ジヒドロキシナフタレンの分子化合物)0.50重量%、フラックス化合物としてセバシン酸4.50重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、固形分40%の樹脂ワニスを得た。それ以外は実施例1と同様にした。
なお、接着剤層の透過率は、98%であった。
ダイシング機能付き半導体用フィルムの製造において、離型フィルムを用いずに下記のようにダイシング機能付き半導体用フィルムを得た以外は、実施例1と同様にした。
コンマコーターを用いて、実施例1と同様にして得た樹脂ワニスを、厚さ38μmのポリエステルフィルム(接着剤層のカバーフィルムに相当)上に塗布した後、90℃、5分間乾燥して、厚さ40μmの接着剤層をカバーフィルム上に形成して、接着剤層とカバーフィルムからなるカバーフィルム付き接着フィルムを得た。
上述のカバーフィルム付き接着フィルムの接着剤層のみ(ウエハと接合される部分のみ残す)をハーフカットした後、実施例1と同様にして得たカバーフィルム付きダイシングシートの粘着剤層からカバーフィルムを剥離して、ダイシングシートの粘着剤層とカバーフィルム付き接着フィルムの接着剤層(接着フィルム)とが接合するように貼り付た。これにより、基材フィルム、粘着剤層、接着フィルムおよびカバーフィルムがこの順に構成されてなるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを得た。
なお、接着剤層の透過率は、97%であった。
フィルム形成性樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−PZ、重量平均分子量:850,000)62.12重量%、フラックス化合物としてフェノールフタリン12.88重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、さらにシリカ(クオートロンSP−03B、扶桑化学工業(株)製、平均粒径0.02μmシリカ)25.00重量%を加え分散し、固形分40%の樹脂ワニスを得た。それ以外は実施例1と同様にした。
なお、接着剤層の透過率は、98%であった。
実施例1でフラックス活性物質であるフェノールフタリンを使用せず、固形フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)23.14重量%にした以外は実施例1と同様に行なった。
なお、接着剤層の透過率は、96%であった。
ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子(60μmφ、Sn3Ag0.5Cuバンプ、ピッチ200μm、バンプ数225、PI保護膜付き:日立超LSI社製) のサイズにダ
イシング(切断)した。
次に、この半導体素子機能面にフラックスを塗布し、ソルダーレジスト(太陽インキ製造社製:PSR4000 AUS308)をコーティングしたBT(ビスマレイミド−トリアジン)樹脂基板(0.8mmt)に、フリップチップボンダーを用いて位置合わせを行った後に、250℃10sec圧着させてフリップチップパッケージを得た。次に余分なフラックスを、フラックス洗浄液を用いて洗浄した。その後、半導体素子と基板の間に液状封止樹脂を流し込み、150℃、2時間で硬化を行い、半導体装置を得た。
比較例3の生産工数を基準(100)として、他の実施例および比較例の生産性を比較した。各符号は、以下の通りである。なお、表中の− は、評価できなかったことを示す
。
◎ : 比較例3の生産工数を基準(100)として、生産工数が40以上、60未満であった。
○ : 比較例3の生産工数を基準(100)として、生産工数が60以上、80未
満であった。
△ : 比較例3の生産工数を基準(100)として、生産工数が80以上、100未満であった。
× : 比較例3の生産工数を基準(100)として、生産工数が100以上であった。
接着剤層の染み出しは、目視で評価した。各符号は、以下の通りである。
◎ : 接着剤層の染み出しが、ほとんど観察されなかった。
○ : 接着剤層の染み出しは観察されるが、1mm未満であった。
△ : 接着剤層の染み出しが観察され、1mm以上、5mm未満であった。
× : 接着剤層の染み出しが観察され5mm以上であった。
接続信頼性は、得られた半導体装置をヒートサイクル試験後に導通がとれるかどうかで評価した。
具体的には、半導体素子、基板間の接続抵抗を、デジタルマルチメータにより測定した。測定は半導体装置を作製後と、−65℃で1時間および150℃で1時間の温度サイクル1,000サイクル後の両方を測定した。各符号は、以下の通りである。
◎ : 20/20個の半導体装置で導通が取れた。
○ : 18〜19/20個の半導体装置で導通が取れた。
△ : 16〜17/20個の半導体装置で導通が取れた。
× : 16以下/20個の半導体装置で導通が取れた。
また、実施例1、4および5は、接続信頼性にも特に優れていた。
以下、参考形態の例を付記する。
(1)ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とするダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(2)フリップチップ型の半導体素子の機能面と、前記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの前記接着剤層とを接着させて用いるものである上記(1)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(3)前記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下である上記(2)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(4)前記ダイシングシートと、前記接着剤層との間に、離型フィルムを有するものである上記(1)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(5)前記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの前記接着剤層は、半導体素子の表面が認識可能な程度の透明性を有するものである上記(1)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(6)前記樹脂組成物が、さらにフィルム形成性樹脂を含むものである上記(1)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(7)前記樹脂組成物が、さらに硬化剤を含むものである上記(6)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(8)前記樹脂組成物が、さらに無機充填剤を含むものである上記(7)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(9)前記無機充填剤の平均粒子径が、0.5μm以下である上記(8)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(10)前記フラックス活性を有する化合物は、カルボキシル基およびフェノール性水酸基の少なくとも一方を有する化合物である上記(1)に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
2 接着剤層
21 剥離基材
3 半導体用ウエハ
4 ダイサーテーブル
5 ウエハリング
6 ブレード
10 ダイシングシート機能付き半導体用フィルム
Claims (15)
- ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、前記最低溶融粘度での温度は、120〜180℃である、ダイシングシート機能付き半導体用フィルム。 - ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、光重合開始剤を含まない、ダイシングシート機能付き半導体用フィルム。 - ダイシングシートと、接着剤層とが積層されてなるダイシングシート機能付き半導体用フィルムであって、
前記接着剤層は、フリップチップ型の半導体素子と回路基板との間に配置され、これらを接合するものであり、
前記接着剤層が、架橋反応可能な樹脂と、フラックス活性を有する化合物とを含む樹脂組成物で構成されており、前記接着剤層を常温から10℃/分の昇温速度で溶融状態まで昇温したときに初期は溶融粘度が減少し、最低溶融粘度に到達した後、さらに上昇するような特性を有し、かつ前記最低溶融粘度が10Pa・s以上、10,000Pa・s以下であり、シランカップリング剤を含む、ダイシングシート機能付き半導体用フィルム。 - 前記シランカップリング剤の含有量が、前記樹脂組成物全体の0.01重量%以上5重量%以下である、請求項3に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記フラックス活性を有する化合物の含有量が、前記樹脂組成物全体の1重量%以上30重量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記樹脂組成物が、さらに無機充填剤を含む、請求項1から5のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記無機充填剤の平均粒子径が、0.5μm以下である、請求項6に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記無機充填剤の含有量が、前記樹脂組成物全体の10重量%以上である、請求項6または7に記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記フラックス活性を有する化合物は、カルボキシル基およびフェノール性水酸基の少なくとも一方を有する化合物である、請求項1から8のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記樹脂組成物が、さらにフィルム形成性樹脂を含むものである請求項1から9のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記樹脂組成物が、さらに硬化剤を含むものである請求項1から10のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記ダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の630nmでの透過率が、50%以上である、請求項1から11のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記ダイシングシートと、前記接着剤層との間に、離型フィルムを有するものである、請求項1から12のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 前記接着剤層は、半田バンプと電極とが金属接合するフリップチップパッケージにおいて、前記半導体素子と前記回路基板とを接合するアンダーフィル材に用いられる、請求項1から13のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルム。
- 請求項1ないし14のいずれかに記載のダイシングシート機能付き半導体用フィルムの接着剤層の硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
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