JP2014090173A - 接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品 - Google Patents

接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】回路基板上の複数の回路によって生じる凹凸を良好に埋め込むことができる接着フィルム、及び該接着フィルムを用いた半導体装置、多層回路基板及び電子部品の提供。
【解決手段】半導体チップ5又は半導体パッケージを、回路42が形成された回路基板4に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルム1であって、接着フィルム1を回路基板4の回路42が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、該貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]とし、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足し、該貼り付け温度Tは、60〜150℃、該圧力Pは、0.2〜1.0MPa、該貼り付け温度における接着フィルム1の溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sである接着フィルム。
【選択図】図2

Description

本発明は、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品に関する。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される半導体パッケージも、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。これら電子部品の電気的な接続を得るためには、半田接合が用いられている。この半田接合としては、例えば半導体チップ同士の導通接合部、フリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間との導通接合部、回路基板同士の導通接合部等が挙げられる。この半田接合部には、電気的な接続強度および機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる封止樹脂が注入されている(アンダーフィル封止)。
この半田接合部よって生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂(アンダーフィル材)で補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、電子部品の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給してもギャップ間に液状封止樹脂(アンダーフィル材)が行き渡らなく、完全に充填することが困難になるという問題が生じている。
このような問題に対して、フラックス機能を有する接着フィルムを介して、半田接合と接着とを一括で行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の接着フィルムでは、接着フィルムを回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)を十分に埋め込むことができず、接着フィルムと回路基板との間に空隙が生じてしまい、半導体チップ等と回路基板との接着不良が生じるといった問題があった。
特開2007−107006号公報
本発明の目的は、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸を良好に埋め込むことができる接着フィルムを提供すること、および、このような接着フィルムを用いた半導体装置、多層回路基板および電子部品を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(21)に記載の本発明により達成される。
(1) 半導体チップまたは半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、
接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足し、
前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであることを特徴とする接着フィルム。
(2) 接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の雰囲気圧は、100kPa以下である上記(1)に記載の接着フィルム。
(3) (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤と、
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
(C)フラックス活性を有する化合物と、
(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂と、
を含む上記(1)または(2)に記載の接着フィルム。
(4) 前記(A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤を3〜30重量%と、
前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂を10〜80重量%と、
前記(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂10〜50重量%と、
を含む上記(3)に記載の接着フィルム。
(5) (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤がフェノール系ノボラック樹脂を含む上記(3)または(4)に記載の接着フィルム。
(6) 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体から3核体の合計の含有量が、フェノールノボラック系樹脂中に30〜70%である上記(5)に記載の接着フィルム。
(7) 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体含有量が1%以下である上記(5)または(6)に記載の接着フィルム。
(8) 前記フェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量が30〜70%である上記(5)ないし(7)のいずれかに記載の接着フィルム。
(9) 前記フェノール系ノボラック樹脂が、フェノールノボラック樹脂および/またはクレゾールノボラック樹脂である上記(5)ないし(8)のいずれかに記載の接着フィルム。
(10) 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sである上記(2)ないし(9)のいずれかに記載の接着フィルム。
(11) 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス活性を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である上記(2)ないし(10)のいずれかに記載の接着フィルム。
(12) 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス活性を有する化合物である上記(2)ないし(11)のいずれかに記載の接着フィルム。
(13) 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである上記(2)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルム。
(14) 前記(D)成膜性樹脂が、フェノキシ樹脂を含むものである上記(2)ないし(13)のいずれかに記載の接着フィルム。
(15) さらに、硬化促進剤を含むものである上記(2)ないし(14)のいずれかに記載の接着フィルム。
(16) さらに、シランカップリング剤を含むものである上記(2)ないし(15)のいずれかに記載の接着フィルム。
(17) 前記接着フィルムが、さらに無機充填材を含む上記(2)ないし(16)のいずれかに記載の接着フィルム。
(18) 前記無機充填材の含有量が、0.1〜80重量%未満である上記(17)に記載の接着フィルム。
(19) 上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
(20) 上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
(21) 上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
本発明によれば、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸を良好に埋め込むことができる接着フィルムを提供すること、および、このような接着フィルムを用いた半導体装置、多層回路基板および電子部品を提供することができる。
本発明の接着フィルムの一例を示す縦断面図である。 半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。 多層回路基板の製造方法の一例を示す断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
《接着フィルム》
まず、本発明の接着フィルムについて説明する。
図1は、本発明の接着フィルムの一例を示す縦断面図である。
接着フィルム1は、接着性を有するフィルムで、半導体チップまた半導体パッケージを回路基板に実装する際に用いられ、半導体チップまた半導体パッケージ、および回路基板に貼着するものである。また、接着フィルム1は、フラックス機能を有している。なお、本明細書中において、回路基板とは、例えば、配線回路が形成された、半導体ウエハ、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキシブル基板等のことをいう。
接着フィルム1は、未使用時には、図1に示すように、カバーフィルム2と、ベースフィルム3との間に設置されていてもよい。このカバーフィルム2およびベースフィルム3は、接着フィルム1を保護する機能を有しており、接着フィルム1の使用時には剥離されるフィルムである。
ところで、従来の接着フィルムでは、接着フィルムを回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)を十分に埋め込むことができず、接着フィルムと回路基板との間に空隙が生じてしまい、半導体チップ等と回路基板との接着不良が生じるといった問題があった。
これに対して、本発明では、接着フィルムと回路基板とを貼り付ける際の、貼り付け温度Tが60〜150℃、接着フィルムに掛ける圧力Pが、0.2〜1.0MPa、貼り付け温度T[℃]における接着フィルムの溶融粘度ηが、0.1〜10000Paの条件の下において、上記貼り付け温度T[℃]、上記圧力P[Pa]、上記溶融粘度η[Pa・s]が、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足する点に特徴を有している。
このような特徴を有することにより、接着フィルムを回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)を良好に埋め込むことができ、接着フィルムと回路基板との間に空隙が生じるのを効果的に防止することができる。
これに対して、(T×P)/ηの値が前記下限値未満であると、接着フィルムと回路基板との間に空隙が生じてしまう。また、配線回路等の凹凸が接着フィルムの表面の凹凸となって現れ、半導体チップ等との接着性が低下してしまう。一方、(T×P)/ηの値が前記上限値を超えると、接着フィルムが柔らかくなりすぎ、回路基板の縁部から接着フィルムがはみ出してしまう。
このように本発明の接着フィルムは、上記条件の下において、貼り付け温度T[℃]、圧力P[mPa]、溶融粘度η[Pa・s]が、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足するものであるが、1.6×10≦(T×P)/η≦1.3×10の関係を満足するのが好ましく、2.0×10≦(T×P)/η≦1.0×10の関係を満足するのがより好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
また、本発明の接着フィルムの貼り付け温度T[℃]における接着フィルムの溶融粘度ηが0.1〜10000Pa・sであるが、0.1〜7000Pa・sであるのが好ましく、0.1〜5000Pa・sであるのがより好ましい。これにより、接着フィルムを回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより良好に埋め込むことができる。
ここで、接着フィルムの溶融粘度ηは、以下の測定方法により求められる。
厚み100μmの接着フィルムを、粘弾性測定装置(HAAKE社製「RheoStress RS150」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度10℃/分の条件にて測定し、接着フィルムの貼り付け温度における値を測定値とした。
このような接着フィルム1は、例えば、以下に示すような成分で構成することができる。これにより、上述したような関係を満足する接着フィルム1を容易に得ることができ、接着フィルム1を回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより良好に埋め込むことができる。
本発明の接着フィルムは、(A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤(以下、化合物(A)とも記載する。)と、(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と(以下、化合物(B)とも記載する。)、(C)フラックス活性を有する化合物(以下、化合物(C)とも記載する。)と、(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂(以下、化合物(D)とも記載する。)と、を含むことが好ましい。
これにより、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができ、接着フィルム1を回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。
また、接着フィルム1は、化合物(A)を3〜30重量%、化合物(B)を10〜80重量%、化合物(D)を10〜50重量%含むことが好ましい。かかる配合量とすることにより、接着フィルムの貼り付け温度における溶融粘度ηを0.1〜10000Pa・sにすることができる。また、さらに、化合物(A)を5〜25重量%、化合物(B)を15〜75重量%、化合物(D)を15〜40重量%含むことが好ましく、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができる。
接着フィルム1が化合物(A)を含むことにより、接着フィルム1の硬化物のガラス転移温度を高めること、および、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、接着フィルム1に適度な柔軟性を付与することができるため、接着フィルム1の脆性を改善することが可能となる。さらに、接着フィルムに適度なタック性を付与することができるため、作業性に優れた接着フィルムを得ることができる。
前記化合物(A)としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂等が挙げられる。中でも、上述したような関係をより容易に満足させることができるとともに、また、接着フィルム1の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができ、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を低減することができる、フェノールノボラッック樹脂、クレゾールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。
接着フィルム1中における前記化合物(A)の含有量は、特に限定されるわけではないが、3〜30重量%であるのが好ましく、5〜25重量%であるのがより好ましい。化合物(A)の含有量を上記範囲とすることで、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができ、接着フィルム1を回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、接着フィルム1の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めること、さらに、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を効果的に低減することを両立することができる。
前記化合物(A)中の1核体から3核体の合計の含有量が30%より小さい(4核体以上の合計の含有量が70%以上)場合、後述する(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂との反応性が低下し、接着フィルム1の硬化物中に未反応のフェノール系ノボラック樹脂が残留するため、耐マイグレーション性が低下してしまう場合がある。また、接着フィルム1が脆くなってしまい、作業性が低下してしまう場合がある。また、前記化合物(A)中の1核体から3核体の合計の含有量が70%より大きい(4核体以上の合計の含有量が30%以下)場合、接着フィルム1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまったり、耐マイグレーション性が低下してしまったり、さらに、接着フィルム1のタック性が大きくなり、接着フィルム1の作業性が低下してしまうといった問題が生じる場合がある。
前記化合物(A)中の2核体と3核体の合計の含有量は、特に限定されないが、30〜70%であるのが好ましい。これにより、接着フィルム1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また、これにより、接着フィルム1の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
前記化合物(A)中の1核体の含有量は、特に限定されないが、1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることが特に好ましい。前記1核体の含有量を、上記範囲とすることで、接着フィルム1を硬化する際のアウトガス量を低減することができ、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の汚染を抑制することができ、さらに、耐マイグレーション性を向上することができる。
前記化合物(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、300〜1,500であることが好ましく、400〜1400であることが特に好ましい。これにより、接着フィルム1を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の支持体または被着体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。また、これにより、接着フィルム1の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
また、接着フィルム1が(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂(以下、化合物(B)とも記載する。)を含むことにより、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができ、接着フィルムを回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、これにより、接着フィルム1に柔軟性および屈曲性を付与することができるため、ハンドリング性に優れた接着フィルム1を得ることができる。
前記化合物(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができるとともに、接着フィルム1の、半導体チップ、基板等の支持体または被着体に対する密着性、さらに、接着フィルム1の硬化後の機械特性に優れる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、より好ましくは、25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sであるもの、さらに好ましくは、800〜40,000mPa・sであるものが挙げられる。25℃における粘度を上記下限値以上とすることで、接着フィルム1のタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することを防止することができる。また、25℃における粘度を上記上限値以下とすることで、接着フィルム1の柔軟性と屈曲性を確保することができる。また、このような粘度のエポキシ樹脂を用いることにより、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができる。
また、前記化合物(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、10〜80重量%であるのが好ましく、15〜75重量%であるのがより好ましい。これにより、接着フィルム1の柔軟性と屈曲性をより効果的に発現させることができる。また、これにより、接着フィルのタック性が強くなり、ハンドリング性が低下することをより効果的に防止することができる。
また、接着フィルム1が(C)フラックス活性を有する化合物(以下、化合物(C)とも記載する。)を含むことにより、支持体(半導体チップ、基板等)の第一の端子および被着体(半導体チップ、基板等)の第二の端子の少なくとも一方の半田表面の酸化膜を除去すること、また、場合によっては、支持体の第一の端子または被着体の第二の端子表面の酸化膜を除去することができ、前記第一の端子と前記第二の端子を確実に半田接合することができるため、接続信頼性の高い多層回路基板、電子部品、半導体装置等を得ることができる。
前記化合物(C)としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
前記化合物(C)の配合量は、1〜30重量%であるのが好ましく、3〜20重量%であるのがより好ましい。化合物(C)の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス活性を向上させることができるとともに、接着フィルム1を硬化した際に、未反応の化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、(C)フラックス活性を有する化合物が存在する(以下、このような化合物を、フラックス活性を有する硬化剤とも記載する。)。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス作用も有している。本発明では、このような、フラックスとしても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス活性を有する硬化剤を、好適に用いることができる。
なお、カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、フェノール性水酸基を備える(C)フラックス活性を有する化合物とは、分子中にフェノール性水酸基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を備える(C)フラックス活性を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基およびフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
これらのうち、カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、例えば、下記一般式(2)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
HOOC−(CH−COOH (2)
(式(2)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
これらの前記カルボキシル基を備える(C)フラックス活性を有する化合物のうち、(C)フラックス活性を有する化合物が有する活性度、接着フィルム1の硬化時におけるアウトガスの発生量、および硬化後の接着フィルム1の弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(2)で示される化合物が好ましい。そして、前記一般式(1)で示される化合物のうち、式(2)中のnが3〜10である化合物が、硬化後の接着フィルム1における弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、半導体チップ、基板等の支持体と被着体の接着性を向上させることができる点で、特に好ましい。
前記一般式(2)で示される化合物のうち、式(2)中のnが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH−COOH)およびn=10のHOOC−(CH10−COOH−等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を備える(C)フラックス活性を有する化合物としては、フェノール類が挙げられ、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
上述したようなカルボキシル基またはフェノール水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、(C)フラックス活性を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用するフラックス活性を有する硬化剤を用いるのが好ましい。フラックス活性を有する硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる2つ以上のフェノール性水酸基と、フラックス作用(還元作用)を示す芳香族に直接結合した1つ以上のカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。このようなフラックス活性を有する硬化剤としては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;およびジフェノール酸等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、半田表面の酸化膜を除去する効果とエポキシ樹脂との反応性に優れる、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸、フェノールフタリンを用いるのが好ましい。
また、接着フィルム1中、フラックス活性を有する硬化剤の配合量は、1〜30重量%が好ましく、3〜20重量%が特に好ましい。接着フィルム1中のフラックス活性を有する硬化剤の配合量が、上記範囲であることにより、接着フィルム1のフラックス活性を向上させることができるとともに、接着フィルム1中に、エポキシ樹脂と未反応のフラックス活性を有する硬化剤が残存するのが防止される。なお、未反応のフラックス活性を有する硬化剤が残存すると、マイグレーションが発生する。
前記化合物(B)と前記化合物(C)の配合比は、特に限定されないが、((B)/(C))が0.5〜12.0であることが好ましく、2.0〜10.0であることが特に好ましい。((B)/(C))を上記下限値以上とすることで、接着フィルム1を硬化させる際に、未反応の化合物(C)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。また、上記上限値以下とすることで、接着フィルム1を硬化させる際に、未反応の化合物(B)を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。
また、接着フィルム1が接着フィルム1の成膜性を向上する(D)成膜性樹脂を含むことにより、フィルム状態にするのが容易となる。また、接着フィルム1の機械的特性にも優れる。
前記(D)成膜性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、(D)成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
前記(D)成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万以上が好ましく、より好ましくは2万〜100万、更に好ましくは3万〜90万である。重量平均分子量が前記範囲であると、接着フィルム1の成膜性をより向上させることができる。
前記(D)成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、接着フィルム1中の10〜50重量%であるのが好ましく、15〜40重量%であるのがより好ましく、20〜35重量%がさらに好ましい。含有量が前記範囲内であると、接着フィルム1の流動性を抑制することができ、接着フィルム1の取り扱いが容易になる。
また、接着フィルム1は、硬化促進剤を更に含んでもよい。硬化促進剤は硬化性樹脂の種類等に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、接着フィルム1の硬化が完了する前に、半田バンプを構成する半田成分が半導体チップに設けられた内部電極表面に移動することができ、内部電極間の電気的接続を良好なものとすることができる。融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、2-フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着フィルム1中の前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、0.005〜10重量%であるのが好ましく、0.01〜5重量%であるのがより好ましい。これにより、硬化促進剤としての機能を更に効果的に発揮させて、接着フィルム1の硬化性を向上させることができるとともに、半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、接着フィルム1の保存性を更に向上させることができる。
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記接着フィルム1は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、半導体チップ、基板等の支持体または被着体に対する接着フィルム1の密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が使用できる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量は、適宜選択すればよいが、前記樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜5重量%であり、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
前記接着フィルム1は、無機充填材を更に含んでもよい。これにより、接着フィルム1の線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
前記無機充填材としては、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。また、シリカフィラーの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上、20μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上、5μm以下であるのがより好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルム1内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体に対して0.1〜80重量%であるのが好ましく、20〜70重量%であるのがより好ましい。上記範囲とすることで、硬化後の接着フィルム1と被接体との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接体の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の接着フィルム1の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性が上昇する。
上述したような各樹脂成分を、溶媒中に混合して得られたワニスをポリエステルシート等の剥離処理を施した基材(ベースフィルム3)上に塗布し、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより、接着フィルム1を得ることができる。ここで用いられる溶媒は、使用される成分に対し不活性なものであれば特に限定されないが、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK (ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が好適に用いられる。溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分が10〜60重量%となる範囲であることが好ましい。
得られた接着フィルム1の厚さは、特に限定されないが、1〜300μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。厚さが前記範囲内であると、接合部の間隙に樹脂成分を十分に充填することができ、樹脂成分の硬化後の機械的接着強度を確保することができる。
このようにして得られた接着フィルム1は、フラックス活性を有しているものであるとともに、上述したような関係を満足するものとなる。このため、接着フィルム1を回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)を良好に埋め込むことができ、接着フィルム1と回路基板との間に空隙が生じるのをより効果的に防止することができる。したがって、半導体チップと基板、基板と基板、半導体チップと半導体チップ、半導体ウエハと半導体ウエハ等の半田接続を必要とされる部材の接続において好適に用いることができるものである。
《半導体装置の製造方法および半導体装置》
次に、本発明の接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法および半導体装置について説明する。
図2は、半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図2に示すように、基材41、配線回路42、絶縁部43、パッド部44を有する回路基板4を用意する(図2(a))。
回路基板4の配線回路42の平均厚さは、1〜30μmであるのが好ましく、5〜20μmであるのがより好ましい。これにより、接着フィルム1によって、回路基板4上の複数の配線回路42によって生じる凹凸(ギャップ)をより確実に埋め込むことができる。
また、隣接する配線回路42の中心間距離は、1〜500μmであるのが好ましく、5〜300μmであるのがより好ましい。これにより、接着フィルム1によって、回路基板4と半導体チップ5との間に生じる凹凸(ギャップ)を確実に埋め込むことができる。
この回路基板4全面を覆うように、上述したフラックス機能を有する接着フィルム1をラミネート(貼着)する(図2(b))。この際、接着フィルム1は本発明の接着フィルムであるので、回路基板4上の複数の配線回路42によって生じる凹凸(ギャップ)を確実に埋め込むことができる。
なお、接着フィルム1は、打ち抜き加工や切り抜き加工によって、回路基板4と同じ大きさにカットして用いる。
ラミネート条件は、上述したように、貼り付け温度Tが60〜150℃、接着フィルムに掛ける圧力Pが、0.2〜1.0MPaである。
また、ラミネートは、雰囲気圧100kPa以下の減圧下で行うのが好ましく、雰囲気圧80kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。これにより、接着フィルム1によって、回路基板4上の複数のパッド部44によって生じる凹凸(ギャップ)をより確実に埋め込むことができ、回路基板4と半導体チップ5との間に空隙が生じるのをより効果的に防止することができる。
この接着フィルム1を回路基板4にラミネートする方法としては、例えばロールラミネーター、平板プレス、ウェハラミネーター等が挙げられる。中でもウェハラミネーターを用いるのが好ましい。これにより、回路基板4上の複数の配線回路42によって生じる凹凸(ギャップ)を良好に埋め込むことができ、接着フィルム1と回路基板4との間に空隙が生じるのをより効果的に防止することができる。
また、ウェハラミネーターを用いた場合におけるラミネート温度は、60〜150℃であり、70〜140℃であるのがより好ましく、圧力は0.2〜1.0MPaであり、0.3〜0.8MPaがより好ましい。これにより、接着フィルム1によって、回路基板4上の複数の配線回路42によって生じる凹凸(ギャップ)をより確実に埋め込むことができる。
一方、半田バンプ51を備えた半導体チップ5を用意する。
次に、半導体チップ5の半田バンプ51と、回路基板4のパッド部44とを位置合わせしながら、半導体チップ5と回路基板4とを接着フィルム1を介して仮圧着し、回路基板4上に半導体チップ5を固定する(図2(c))。仮圧着する方法としては、特に限定されないが、圧着機、フリップチップボンダー等を用い行うことができる。仮圧着する条件は、特に限定されないが、温度は60〜200℃が好ましく、80〜180℃が特に好ましい。また、時間は0.1〜60秒が好ましく、1〜60秒が特に好ましい。さらに、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、0.3〜1.5MPaが特に好ましい。これにより、半導体チップ5を回路基板4に確実に仮圧着することができる。
次に、半田バンプ51を溶融してパッド部44と半田接合する半田接続部511を形成する(図2(d))。
半田接続する条件は、使用する半田の種類にもよるが、例えばSn3.5Agの場合、温度は220〜260℃が好ましく、230〜250℃が特に好ましい。また、時間は5〜500秒が好ましく、10〜100秒が特に好ましい。さらに、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、0.3〜1.5MPaが特に好ましい。半田接続する条件は、使用する半田により、適宜選択することができる。
この半田接合は、半田バンプ51が溶融した後に、接着フィルム1が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、半田バンプ51を溶融させるが、接着フィルム1の硬化反応があまり進行しないような条件で実施することが好ましい。これにより、半田接続する際の半田接続部の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
次に、接着フィルム1を加熱して硬化させる。硬化させる条件は、特に限定されないが、温度は130〜220℃が好ましく、150〜200℃が特に好ましい。また、時間は30〜500分が好ましく、60〜180分が特に好ましい。さらに、加圧雰囲気下で接着フィルム1を硬化させてもよい。加圧方法としては、特に限定されないが、オーブン中に窒素、アルゴン等の加圧流体を導入することにより行うことができる。前記加圧力は、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜5MPaが特に好ましい。これにより、接着フィルム1中のボイドを低減することができる。
次に、マザーボードに半導体装置を実装するためのバンプ45を形成する(図2(e))。バンプ45は導電性を有する金属材料であれば、特に制限されないが、導電性と応力緩和性に優れる半田が好ましい。また、バンプ45の形成方法は、特に制限されないが、フラックスを利用して半田ボールを接続することにより形成することができる。
このようにして、図2(e)に示すような、回路基板4と半導体チップ5とが接着フィルム1の硬化物1’で接着された半導体装置10を得ることができる。半導体装置10は、上述したような接着フィルム1の硬化物1’で接着されているので電気的接続信頼性に優れている。
《多層回路基板の製造方法および多層回路基板》
次に、本発明の接着フィルムを用いた多層回路基板の製造方法および多層回路基板について説明する。
図3は、多層回路基板の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、基材61、配線回路62、絶縁部63、パッド部64を有する回路基板6を用意する(図3(a))。
一方、基材71、配線回路72、絶縁部73、半田バンプ75、パッド部74を有する回路基板7を用意し、回路基板7全面を覆うように、接着フィルム1を上記と同様の条件でラミネート(貼着)した後(図3(b))、上記回路基板6のパッド部64と、回路基板7の半田バンプ75とを位置合わせしながら、回路基板6と回路基板7とを上記と同様の条件にて仮圧着する(図3(c))。
次に、上述した半田接合の条件と同様の条件で、半田バンプ75を溶融して各パッド部64と半田接合する半田接合部711を形成する(図3(d))。
その後、上述した接着フィルム1の硬化条件と同様の条件で、各接着フィルム1を硬化させ、図3(e)に示すような、回路基板6、回路基板7とが接着フィルム1の硬化物1’で接着された多層回路基板100を得ることができる。多層回路基板100は、上述したような接着フィルム1の硬化物1’で接着されているので電気的接続信頼性に優れている。
本実施形態では、回路基板を2層積層する実施形態について記載したが、積層する基板の数は3層以上でも構わない。
また、上記同様の方法により、半導体チップと半導体チップとを接着フィルム1の硬化物1’で接着されている電子部品を得ることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、半導体装置、多層回路基板、電子部品の製造方法は、上記方法に限定されない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[1]接着フィルムの製造
各実施例および各比較例の接着フィルムを、それぞれ、以下のようにして製造した。
(実施例1)
<接着フィルムの調製>
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部と、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部と、成膜性樹脂としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部とを、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの製造>
得られた樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、東レ株式会社製、商品名ルミラー)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmのフラックス活性を有する接着フィルムを得た。
(実施例2)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を、フェノールノボラック樹脂(三井化学社製、VR−9305)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例3)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を5.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を35.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を44.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例4)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を25.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を10.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を14.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例5)
樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を19.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例6)
樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EXA−830LVP)に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例7)
樹脂ワニスの調製において、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を、セバシン酸(東京化成工業社製)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例8)
樹脂ワニスの調製において、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をビスフェノールF型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−70)に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例9)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を14.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を48.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を14.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を18.4重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)5.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例10)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を9.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を30.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を9.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を11.6重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.3重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)40.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(実施例11)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を4.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を15.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を4.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を6.7重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.2重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)70.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(比較例1)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を19.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を58.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を19.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をブタジエンアクリロニトリル樹脂(ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、CTBN108−SP)3.3重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.6重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
(比較例2)
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を12.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を36.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を12.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をアクリル酸エステル共重合樹脂(ナガセケムテックス社製、SG−600LB)35.6重量部へ、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部を4.0重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
各実施例および比較例の樹脂ワニスの調整で使用したフェノール系ノボラック樹脂の重量平均分子量および組成を表1に示した。また、各実施例および比較例の接着フィルムの組成を表2に示した。なお、表中、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、型番:PR55617)をA−1、フェノールノボラック樹脂(三井化学社製、型番:VR−9305)をA−2、フェノールノボラック樹脂(群栄化学工業社製、型番:LV70S)をA−3、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、型番:EPICLON−840S、25℃粘度:10000mPa・s)をB−1、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、型番:EXA−830LVP、25℃粘度:1500mPa・s)をB−2、フェノールフタリン(東京化成工業社製)をC−1、セバシン酸(東京化成工業社製)をC−2、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、型番:YP−50)をD−1、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂(東都化成社製、型番:YP−70)をD−2、ブタジエンアクリロニトリル樹脂(ピィ・ティ・アイ・ジャパン製、型番:CTBN1008−SP)をD−3、アクリル酸エステル共重合樹脂(ナガセケムテックス製、型番:SG−600LB)をD−4、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、型番:2P4MZ)をE−1、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、型番:KBM−403)をF−1、球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)をG−1と示した。
また、貼り付け温度Tが80℃、100℃の時の、接着フィルムの溶融粘度ηを表2に合わせて示した。
Figure 2014090173
Figure 2014090173
[2]半導体装置の製造
複数の配線回路とパッド部とを有する回路基板(サイズ20mm×20mm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔50μm)を用意した。
次に、配線回路を覆うように、回路基板に得られた接着フィルムを真空式ウェハラミネーターで、80℃でラミネートして、接着フィルム付きの回路基板を得た。なお、ラミネート時の圧力Pは0.3MPa、雰囲気圧は400Paであった。
次に、半田バンプを有する半導体チップ(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm)を用意し、上記回路基板のパッド部と、半田バンプとが当接するように位置あわせを行いながら回路基板に半導体チップを100℃、30秒間で仮圧着した。
次に、235℃、30秒間加熱して、半田バンプを溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、60分間加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置を得た。
また、ラミネート温度Tを100℃、圧力Pは0.8MPaに変更し、上記と同様にして、各実施例および比較例の接着フィルムを用いて半導体装置を製造した。
それぞれの貼り付け温度における(T×P)/ηの値を表3に示した。
[3]評価
[3−1]埋め込み性の評価
各実施例および各比較例の接着フィルムの回路基板上の凹凸に対する埋め込み性は、金属顕微鏡にて、凹凸部の周囲のボイド/空隙の有無によって評価した。
○ :凹凸部の周辺にボイドまたは空隙が観察されなかった。
× :凹凸部の周辺にボイドまたは空隙が観察された。
[3−2]接着フィルムのブリード評価
各実施例および各比較例の接着フィルムのブリード(はみ出し)評価は、金属顕微鏡にて半導体装置における接着フィルム成分の半導体チップの縁部からのはみ出した長さを測定し、ブリード評価を行った。各符号は、以下の通りである。
○ :半導体チップの縁部からのはみ出した長さが700μm未満であった。
× :半導体チップの縁部からのはみ出した長さが700μm以上であった。
[3−3]接続信頼性
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた半導体装置それぞれ20個ずつ(各貼り付け温度毎)について、−55℃の条件下に30分、125℃の条件下に30分ずつ交互に晒すことを1サイクルとする、温度サイクル試験を100サイクル行い、試験後の半導体装置について、半導体チップと回路基板の接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続信頼性を評価した。各符号は、以下の通りである。
○ :20個すべての半導体装置の接続抵抗値が10Ω以下であった。
× :1個以上の半導体装置の接続抵抗値が10Ω以上であった。
これらの結果を、表3に示した。
Figure 2014090173
表3から明らかなように、本発明に係る接着フィルムでは、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸を良好に埋め込むことができ、埋め込み性が高いものであった。また、本発明に係る接着フィルムを用いて製造された半導体装置は接続信頼性が特に高いものであった。これに対して、比較例では、満足行く結果が得られなかった。
1 接着フィルム
1’ 硬化物
2 カバーフィルム
3 ベースフィルム
4 回路基板
41 基材
42 配線回路
43 絶縁部
44 パッド部
45 バンプ
5 半導体チップ
51 半田バンプ
511 半田接続部
6 回路基板
61 基材
62 配線回路
63 絶縁部
64 パッド部
7 基板
71 基材
72 配線回路
73 絶縁部
74 パッド部
75 半田バンプ
711 半田接合部
10 半導体装置
100 多層回路基板
このような目的は、下記(1)〜(15)に記載の本発明により達成される。
(1) 半導体チップまたは半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、
接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足し、
前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであり、
(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂を含むことを特徴とする接着フィルム。
(2) 前記(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂を10〜50重量%含む上記(1)に記載の接着フィルム。
(3) 前記(D)成膜性樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含むものである上記(1)または(2)に記載の接着フィルム。
) 接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の雰囲気圧は、100kPa以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の接着フィルム。
(5) (C)フラックス活性を有する化合物を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の接着フィルム。
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂をさらに含み、
前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス活性を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である上記(5)に記載の接着フィルム。
) 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス活性を有する化合物である上記(または(6)に記載の接着フィルム。
) 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである上記()ないし()のいずれかに記載の接着フィルム。
) さらに、硬化促進剤を含むものである上記()ないし()のいずれかに記載の接着フィルム。
10) さらに、シランカップリング剤を含むものである上記()ないし()のいずれかに記載の接着フィルム。
11) 前記接着フィルムが、さらに無機充填材を含む上記()ないし(10)のいずれかに記載の接着フィルム。
12) 前記無機充填材の含有量が、0.1〜80重量%未満である上記(11)に記載の接着フィルム。
13) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
14) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
15) 上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。

Claims (21)

  1. 半導体チップまたは半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、
    接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×10≦(T×P)/η≦1.5×10の関係を満足し、
    前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであることを特徴とする接着フィルム。
  2. 接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の雰囲気圧は、100kPa以下である請求項1に記載の接着フィルム。
  3. (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤と、
    (B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
    (C)フラックス活性を有する化合物と、
    (D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂と、
    を含む請求項1または2に記載の接着フィルム。
  4. 前記(A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤を3〜30重量%と、
    前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂を10〜80重量%と、
    前記(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂10〜50重量%と、
    を含む請求項3に記載の接着フィルム。
  5. (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤がフェノール系ノボラック樹脂を含む請求項3または4に記載の接着フィルム。
  6. 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体から3核体の合計の含有量が、フェノールノボラック系樹脂中に30〜70%である請求項5に記載の接着フィルム。
  7. 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体含有量が1%以下である請求項5または6に記載の接着フィルム。
  8. 前記フェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量が30〜70%である請求項5ないし7のいずれかに記載の接着フィルム。
  9. 前記フェノール系ノボラック樹脂が、フェノールノボラック樹脂および/またはクレゾールノボラック樹脂である請求項5ないし8のいずれかに記載の接着フィルム。
  10. 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sである請求項2ないし9のいずれかに記載の接着フィルム。
  11. 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス活性を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である請求項2ないし10のいずれかに記載の接着フィルム。
  12. 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス活性を有する化合物である請求項2ないし11のいずれかに記載の接着フィルム。
  13. 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである請求項2ないし12のいずれかに記載の接着フィルム。
  14. 前記(D)成膜性樹脂が、フェノキシ樹脂を含むものである請求項2ないし13のいずれかに記載の接着フィルム。
  15. さらに、硬化促進剤を含むものである請求項2ないし14のいずれかに記載の接着フィルム。
  16. さらに、シランカップリング剤を含むものである請求項2ないし15のいずれかに記載の接着フィルム。
  17. 前記接着フィルムが、さらに無機充填材を含む請求項2ないし16のいずれかに記載の接着フィルム。
  18. 前記無機充填材の含有量が、0.1〜80重量%未満である請求項17に記載の接着フィルム。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
  20. 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
  21. 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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