JP2015137299A - 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置 - Google Patents

樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015137299A
JP2015137299A JP2014009017A JP2014009017A JP2015137299A JP 2015137299 A JP2015137299 A JP 2015137299A JP 2014009017 A JP2014009017 A JP 2014009017A JP 2014009017 A JP2014009017 A JP 2014009017A JP 2015137299 A JP2015137299 A JP 2015137299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
adhesive sheet
resin
film
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014009017A
Other languages
English (en)
Inventor
研三 前島
Kenzo Maejima
研三 前島
美樹 高坂
Miki Kosaka
美樹 高坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2014009017A priority Critical patent/JP2015137299A/ja
Publication of JP2015137299A publication Critical patent/JP2015137299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73201Location after the connecting process on the same surface
    • H01L2224/73203Bump and layer connectors
    • H01L2224/73204Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/80Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected
    • H01L2224/83Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using a layer connector
    • H01L2224/831Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using a layer connector the layer connector being supplied to the parts to be connected in the bonding apparatus
    • H01L2224/83101Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using a layer connector the layer connector being supplied to the parts to be connected in the bonding apparatus as prepeg comprising a layer connector, e.g. provided in an insulating plate member

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

【課題】回路部材と樹脂組成物との間および樹脂組成物内にボイドが発生するのを防止するとともに、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを防止することが可能な樹脂組成物を提供すること、および、このような樹脂組成物を用いた接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、回路部材同士を接着するとともにそれぞれの回路部材が有する回路電極同士を電気的に接続するために用いられ、熱硬化性樹脂と、ゴム系成分で構成されたコア層とアクリル系成分で構成され、前記コア層を覆うように形成されたシェル層とを有するコアシェル粒子と、を含み、100℃における溶融粘度が500Pa・s以上50000Pa・s以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置に関する。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される半導体パッケージも、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。これら電子部品の電気的な接続を得るためには、半田接合が用いられている。この半田接合としては、例えば半導体チップ同士の導通接合部、フリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板との導通接合部、回路基板同士の導通接合部等の回路部材同士の接合部が挙げられる。この半田接合部には、電気的な接続強度および機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる封止樹脂が注入されている(アンダーフィル封止)。
この半田接合部によって生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂(アンダーフィル材)で補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、電子部品の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給してもギャップ間に液状封止樹脂(アンダーフィル材)が行き渡らなく、完全に充填することが困難になるという問題が生じている。
このような問題に対して、フラックス機能を有する樹脂組成物を介して、半田接合と接着とを一括で行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来の樹脂組成物では、充填性は高いが、回路部材と樹脂組成物との間に微小な空洞(ボイド)が発生してしまう問題があった。また、従来の樹脂組成物では、回路部材の縁部から樹脂組成物がはみ出してしまう問題があった。
特開2007−107006号公報
本発明の目的は、回路部材と樹脂組成物との間にボイドが発生するのを防止するとともに、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを防止することが可能な樹脂組成物を提供すること、および、このような樹脂組成物を用いた接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(15)に記載の本発明により達成される。
(1) 回路部材同士を接着するとともにそれぞれの回路部材が有する回路電極同士を電気的に接続するために用いられる樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
ゴム系成分で構成されたコア層と、アクリル系成分で構成され、前記コア層を覆うように形成されたシェル層とを有するコアシェル粒子と、を含み、
100℃における溶融粘度が500Pa・s以上50000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記コアシェル粒子の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記コアシェル粒子の平均粒径は、10nm以上1000nm以下である上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記ゴム系成分と前記アクリル系成分とは、共重合体を構成している上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含むものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 前記エポキシ樹脂は、25℃で液状のエポキシ樹脂を含むものである上記(5)に記載の樹脂組成物。
(7) 平均粒径500nm以下の無機充填材を含む上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8) 前記無機充填材の含有量は、0.1質量%以上80質量%以下である上記(7)に記載の樹脂組成物。
(9) 樹脂組成物は、フィルム状をなすものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(10) 樹脂組成物の厚さは、1μm以上300μm以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物と、ベースフィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
(12) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物と、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着シート。
(13) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物と、バックグラインドテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ一体型接着シート。
(14) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物と、ダイシングテープとバックグラインドテープとを兼ねたバックグラインドテープ兼ダイシングテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート。
(15) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする電子装置。
本発明によれば、回路部材と樹脂組成物との間および樹脂組成物内にボイドが発生するのを防止するとともに、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを防止することが可能な樹脂組成物を提供すること、および、このような樹脂組成物を用いた接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置を提供することができる。
本発明の電子装置の製造の一工程を示す断面図である。 本発明の電子装置の製造の一工程を示す断面図である。 本発明の電子装置の製造の一工程を示す断面図である。 本発明の接着シートの一形態を示した断面図である。 本発明のダイシングテープ一体型接着シートの一形態を示した断面図である。 本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートの一形態を示した断面図である。 本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートの一形態を示した断面図である。 本発明の電子装置について、その製造工程を示す断面図である。 本発明の電子装置について、その製造工程を示す断面図である。 本発明の電子装置について、その製造工程を示す断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
《樹脂組成物》
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、例えば、基板、半導体チップ、半導体パッケージ等の半田接合が考えられる回路部材同士を電気的に接続する際に用いられるものである。なお、本明細書中において、回路部材とは、例えば、配線回路が形成された、半導体チップ、半導体ウエハ、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキシブル基板等のことをいう。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、所定の材料で構成されたコア層およびシェル層を備えたコアシェル粒子とを含んでおり、100℃における溶融粘度が所定の範囲内の値である。
ところで、従来の樹脂組成物では、充填性は高いが、回路部材と樹脂組成物との間に微小な空洞(ボイド)が発生してしまう問題があった。また、従来の樹脂組成物では、回路部材の縁部から樹脂組成物がはみ出してしまう問題があった。
これに対して、本発明のように、熱硬化性樹脂とともに、ゴム系成分で構成されたコア層と、アクリル系成分で構成され、コア層を覆うように形成されたシェル層とを有するコアシェル粒子を含み、さらに、樹脂組成物の100℃における溶融粘度が所定の範囲内の値であることにより、ボイドの発生を防止することができ、かつ、回路部材の縁部から樹脂組成物がはみ出してしまうのを防止することができる。また、上記特徴を有することにより、回路部材同士の半田接合と接着とを容易に一括で行うことが可能となる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[熱硬化性樹脂]
本発明の樹脂組成物には、熱硬化性樹脂が含まれている。これにより、回路部材同士のギャップを埋めつつ、回路部材同士を接合することができる。
熱硬化性樹脂としては、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、熱硬化性樹脂の中でも特に、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂を含むことにより、硬化後の樹脂組成物の耐熱性を特に優れたものとすることができる。
エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基が2個以上であるものを使用することができる。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂等、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ,1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても複数組み合わせて用いても良い。また、信頼性の優れたプリアプライド用封止樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa、Cl等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
エポキシ樹脂は、25℃で液状のものを含んでいることが好ましい。これにより、樹脂組成物の回路部材間への付与性を向上させることができる。また、回路部材同士を接合する際に、回路部材上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、樹脂組成物をフィルム状にした場合、フィルムに柔軟性および屈曲性を付与することができるため、ハンドリング性に優れたフィルムを得ることができる。また、回路部材同士の電気的接続をより良好なものとすることができる。25℃において液状のエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールDジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、エポキシ基を分子内に一つ有するモノエポキシ化合物等が挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。これにより、回路部材同士を接合する際にさらに容易に位置合わせを行うことができるとともに、樹脂組成物の、回路部材に対する密着性、さらに、樹脂組成物の硬化後の機械特性を優れたものとすることができる。
また、25℃で液状であるエポキシ樹脂としては、より好ましくは、25℃における粘度が、500mPa・s以上50,000mPa・s以下であるもの、さらに好ましくは、800mPa・s以上40,000mPa・s以下であるものが挙げられる。25℃における粘度が上記下限値以上とすることで、硬化後の機械特性を優れたものとすることができる。また、25℃における粘度を上記上限値以下とすることで、回路部材上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)を十分に埋め込むことができる。
また、20℃における屈折率が1.6以下であるエポキシ樹脂が含まれていることが好ましく、1.45以上1.55以下であるエポキシ樹脂が含まれていることがより好ましい。これにより、回路部材同士を接合する際により容易に位置合わせを行うことができる。
樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、下限値としては5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。上限値としては65質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。これにより、硬化後の耐熱性、機械特性を特に優れたものとすることができる。
[コアシェル粒子]
本発明の樹脂組成物は、コアシェル粒子を含んでいる。
コアシェル粒子は、ゴム系成分で構成されたコア層と、アクリル系成分で構成され、コア層を覆うように形成されたシェル層とを有する。
このようなコアシェル粒子を含むことにより、回路部材同士を接着する際に回路部材間の樹脂組成物に対する圧力を緩和することができる。その結果、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを効果的に防止することができる。
また、上述したコアシェル粒子を含むことにより、樹脂組成物全体の粘度を適度なものとすることができる。その結果、回路部材と樹脂組成物との間にボイドが発生するのを効果的に防止することができる。また、回路部材表面の凹凸を良好に埋め込むことができる。
また、シェル層が無く、ゴム系成分のコア層のみの粒子であった場合、樹脂組成物への分散性が不十分となり、フィルムにムラが生じる等の問題があるが、コアシェル構造とし、アクリル系成分で構成されたシェル層を備えることで、均質分散が可能となり、はみ出し防止効果、ボイド防止効果、および、半田接合性効果にばらつきのないフィルムを作製することができる。
コア層を構成するゴム系成分としては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等の共役ジエン系ゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムおよび、これらの共重合体または複合体等が挙げられる。
また、シェル層を構成するアクリル系成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル等をモノマー成分とする(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
また、コア層を構成するゴム系成分と、シェル層を構成するアクリル系成分とは、共重合体を構成していてもよい。すなわち、コアシェル粒子が、ゴム系成分とアクリル系成分との共重合体で構成され、共重合体のコム系成分の部位がコア層側(中心側)に、アクリル系成分の部位がシェル層側(外側)に位置するよう構成されていてもよい。これにより、コア層とシェル層とが不本意に分離するのを効果的に防止することができ、コアシェル粒子の耐久性をより高いものとすることができる。
ゴム系成分とアクリル系成分との共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル−ブタジエン共重合体、アクリル−シリコン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。
樹脂組成物中におけるコアシェル粒子の含有量は、下限値としては0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。上限値としては15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。これにより、回路部材同士の半田接合性を良好なものしつつ、ボイドの発生およびはみ出しをより効率よく防止することができる。これに対して、コアシェル粒子の含有量が前記下限値未満であると、無機充填材の含有量等によっては、樹脂組成物の粘度が低下し、樹脂組成物の取り扱い性が低下する場合がある。また、コアシェル粒子の含有量が前記上限値を超えると、コアシェル粒子の粒径等によっては、回路部材同士の半田接合性が低下する場合がある。また、回路部材の接合箇所の視認性が低下する場合がある。
コアシェル粒子の平均粒径の下限は、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることがさらに好ましい。また上限については、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。これにより、回路部材同士を接着する際に回路部材間の樹脂組成物に対する圧力をより効果的に緩和することができる。その結果、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しをさらに効果的に防止することができる。これに対して、コアシェル粒子の平均粒径が前記下限値未満であると、コアシェル粒子の含有量等によっては、回路部材間の樹脂組成物に対する圧力を十分に緩和することができない場合がある。また、コアシェル粒子の平均粒径が前記上限値を超えると、コアシェル粒子の含有量等によっては、回路部材同士の半田接合性が低下する場合がある。
[無機充填材]
本発明の樹脂組成物は、無機充填材を含んでいてもよい。無機充填材を含むことにより、硬化後の樹脂組成物の線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。また、樹脂組成物が、上述したコアシェル粒子とともに無機充填材を含むことにより、樹脂材料の粘度をより適度なものとすることができる。その結果、回路部材と樹脂組成物との間にボイドが発生するのをより効果的に防止することができる。
また、無機充填材は、平均粒径が500nm以下のものが好ましく、300nm以下ものがより好ましい。このようなサイズの無機充填材を含むことにより、回路部材同士の接合時の樹脂組成物の粘度をより適度なものとすることができ、接合を良好に行うことができる。また、樹脂組成物内で無機充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。また、樹脂組成物を光が透過する際に、可視光の透過を無機充填材が阻害するのを低減することができ、その結果、樹脂組成物を回路部材に付与した際の回路部材の接合箇所の視認性がさらに良好なものとなり、位置合わせがさらに容易になるとともに、フラックス機能により、回路部材同士を良好に電気的に接続することができる。
無機充填材としては、上記条件を満足するものであれば、特に限定されず、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができる。また、熱伝導性等の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、等を用いることもできる。これらの中でもシリカを用いることが好ましい。これにより、硬化後の樹脂組成物の熱特性に優れたものとすることができる。また、樹脂組成物を回路部材に付与した際の回路部材の接合箇所の視認性を良好なものとすることができる。その結果、位置合わせをより容易に行うことができる。
また、無機充填材の形状としては、破砕状や球状があるが、球状が好ましい。
無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して0.1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。これにより、樹脂組成物を回路部材に付与した際の回路部材の接合箇所の視認性を良好なものとしつつ、硬化後の樹脂組成物の熱特性に優れたものとすることができる。また、上記範囲とすることで、硬化後の樹脂組成物と回路部材との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、回路部材の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の樹脂組成物の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性が上昇する。
[フラックス機能を有する化合物]
本発明の樹脂組成物は、フラックス機能を有する化合物を含んでいてもよい。
フラックス機能を有する化合物を含むことにより、回路部材の端子の半田表面の酸化膜を除去すること、回路部材同士を確実に半田接合することができるため、本発明の樹脂組成物を用いて製造される多層回路基板、電子部品、半導体装置等の接続信頼性の特に優れたものとすることができる。
フラックス機能を有する化合物としては、半田表面の酸化膜を除去する働きがあれば、特に限定されるものではないが、カルボキシル基またはフェノール性水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物が好ましい。
フラックス機能を有する化合物の配合量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。フラックス機能を有する化合物の配合量が、上記範囲であることにより、フラックス活性を向上させることができるとともに、樹脂組成物を硬化した際に、未反応のエポキシ樹脂やフラックス機能を有する化合物が残存するのを防止することができ、耐マイグレーション性を向上することができる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物の中には、フラックス機能を有する化合物が存在する。例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として作用する、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等は、フラックス機能も有している。本発明では、このような、フラックスとしても作用し、エポキシ樹脂の硬化剤としても作用するようなフラックス機能を有する硬化剤を、好適に用いることができる。
なお、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、フェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にフェノール性水酸基が1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。また、カルボキシル基およびフェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物とは、分子中にカルボキシル基およびフェノール性水酸基がそれぞれ1つ以上存在するものをいい、液状であっても固体であってもよい。
これらのうち、カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る脂肪族カルボン酸としては、例えば、下記一般式(1)で示される化合物や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸等が挙げられる。
HOOC−(CH−COOH (1)
(式(1)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物に係る芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、浸食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。
これらの前記カルボキシル基を備えるフラックス機能を有する化合物のうち、フラックス機能を有する化合物が有するフラックス活性度、樹脂組成物の硬化時におけるアウトガスの発生量、および硬化後の樹脂組成物の弾性率やガラス転移温度等のバランスが良い点で、前記一般式(1)で示される化合物が好ましい。そして、式(1)中のnが3〜10である化合物が、硬化後の樹脂組成物における弾性率が増加するのを抑制することができるとともに、半導体チップ、基板等の回路部材同士の接着性を向上させることができる点で、特に好ましい。
前記一般式(1)で示される化合物のうち、式(1)中のnが3〜10である化合物としては、例えば、n=3のグルタル酸(HOOC−(CH−COOH)、n=4のアジピン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=5のピメリン酸(HOOC−(CH−COOH)、n=8のセバシン酸(HOOC−(CH−COOH)およびn=10のHOOC−(CH10−COOH等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を備えるフラックス機能を有する化合物としては、フェノール類が挙げられ、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メジトール、3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノール、カテコール、p−ターシャリアミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類等が挙げられる。
上述したようなカルボキシル基またはフェノール水酸基のいずれか、あるいは、カルボキシル基およびフェノール水酸基の両方を備える化合物は、エポキシ樹脂との反応で三次元的に取り込まれる。
そのため、硬化後のエポキシ樹脂の三次元的なネットワークの形成を向上させるという観点からは、フラックス機能を有する化合物としては、フラックス作用を有し且つエポキシ樹脂の硬化剤として作用する化合物を用いることが好ましい。フラックス機能を有する硬化剤としては、例えば、1分子中に、エポキシ樹脂に付加することができる2つ以上のフェノール性水酸基と、フラックス作用を示す芳香族に直接結合した1つ以上のカルボキシル基とを備える化合物が挙げられる。このようなフラックス機能を有する硬化剤としては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体;1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体;フェノールフタリン;およびジフェノール酸等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、半田表面の酸化膜を除去する効果とエポキシ樹脂との反応性に優れる、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸、フェノールフタリンを用いることが好ましい。
また、樹脂組成物中、フラックス機能を有する硬化剤の配合量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。樹脂組成物中のフラックス機能を有する硬化剤の配合量が、上記範囲であることにより、樹脂組成物のフラックス機能を向上させることができるとともに、樹脂組成物中に、エポキシ樹脂と未反応のフラックスを有する硬化剤が残存することが防止される。なお、未反応のフラックス機能を有する硬化剤が残存すると、マイグレーションが発生する。
エポキシ樹脂とフラックス機能を有する化合物との配合比は、特に限定されないが、(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)が0.5以上12以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましい。(エポキシ樹脂/フラックス機能を有する化合物)を上記下限値以上とすることで、樹脂組成物を硬化させる際に、未反応のフラックス機能を有する化合物を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。また、上記上限値以下とすることで、樹脂組成物を硬化させる際に、未反応のエポキシ樹脂を低減することができるため、耐マイグレーション性を向上することができる。
[その他の成分]
また、本発明の樹脂組成物は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明の樹脂組成物は、重量平均分子量が300以上2500以下であるフェノール系硬化剤を含んでいてもよい。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を高めることができ、さらに、耐イオンマイグレーション性を向上させることが可能となる。また、樹脂組成物に適度な柔軟性を付与することができる。また、回路部材同士の電気的接続をより良好なものとすることができる。
前記フェノール系硬化剤としては、特に限定されず、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂等が挙げられる。中でも、上述したような関係をより容易に満足させることができるとともに、硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができる、フェノールノボラッック樹脂、クレゾールノボラック樹脂を用いることが好ましい。
樹脂組成物中における前記フェノール系硬化剤の含有量は、特に限定されるわけではないが、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。フェノール系硬化剤の含有量を上記範囲とすることで、樹脂組成物によって、回路部材上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。また、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることきる。
前記フェノール系硬化剤中の1核体から3核体の合計の含有量が、フェノール系硬化剤に対して20質量%より小さい(4核体以上の合計の含有量が80質量%以上)場合、エポキシ樹脂との反応性が低下し、樹脂組成物の硬化物中に未反応のフェノール系ノボラック樹脂が残留するため、耐マイグレーション性が低下してしまう場合がある。また、フェノール系硬化剤中の1核体から3核体の合計の含有量がフェノール系硬化剤に対して70質量%より大きい(4核体以上の合計の含有量が30質量%以下)場合、樹脂組成物を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、基板等の回路部材の表面を汚染してしまったり、耐マイグレーション性が低下してしまったりといった問題が生じる場合がある。
前記フェノール系硬化剤中の2核体と3核体の合計の含有量は、特に限定されないが、10質量%以上70質量%以下であることが好ましい。これにより、樹脂組成物を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の回路部材の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。
前記フェノール系硬化剤中の1核体の含有量は、特に限定されないが、フェノール系硬化剤に対して25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。前記1核体の含有量を、上記範囲とすることで、樹脂組成物を硬化する際のアウトガス量を低減することができ、半導体チップ、回路基板等の回路部材の汚染を抑制することができ、さらに、耐マイグレーション性を向上することができる。
前記フェノール系硬化剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、300以上2500以下であることが好ましく、400以上2300以下であることがより好ましい。これにより、樹脂組成物を硬化させる際のアウトガス量が増大し、半導体チップ、回路基板等の回路部材の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。ここで、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
また、樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤は硬化性樹脂の種類等に応じて適宜選択することができる。硬化促進剤としては、例えば融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、樹脂組成物の硬化が完了する前に、半田バンプを構成する半田成分が半導体チップに設けられた内部電極表面に移動することができ、内部電極間の電気的接続を良好なものとすることができる。融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物中の前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、0.005質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。これにより、硬化促進剤としての機能を更に効果的に発揮させて、樹脂組成物の硬化性を向上させることができるとともに、半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における樹脂の溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、樹脂組成物の保存性を更に向上させることができる。
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の樹脂組成物は、シランカップリング剤を更に含んでもよい。シランカップリング剤を含むことにより、半導体チップ、基板等の回路部材に対する樹脂組成物の密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が使用できる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量は、適宜選択すればよいが、前記樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
また、本発明の樹脂組成物を接着フィルムとして用いる場合、本発明の樹脂組成物は、成膜性樹脂を含んでいてもよい。
成膜性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。中でも、成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
成膜性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1万以上が好ましく、より好ましくは2万以上100万以下、さらに好ましくは3万以上90万以下である。重量平均分子量が前記範囲であると、樹脂組成物の成膜性をより向上させることができる。
樹脂組成物を接着フィルムとして用いる場合、成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、下限値としては樹脂組成物中の0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。上限値としては50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。含有量が前記範囲内であると、樹脂組成物の流動性を抑制することができ、接着フィルムの取り扱いが容易になる。
上述したような樹脂組成物の100℃における溶融粘度は、500Pa・s以上50000Pa・s以下である。これにより、室温環境下、保存時等においては、樹脂組成物の取り扱い性(取り扱いのしやすさ)を十分に優れたものとしつつ、半導体装置の製造時等の加熱時においては、適切な流動性が得られ、回路部材と樹脂組成物との間にボイドが発生するのを確実に防止するとともに、回路部材の縁部からの樹脂組成物のはみ出しを確実に防止することができる。また、回路部材上の複数の配線回路等によって生じるギャップをより効果的に埋め込むことができる。このように本発明では、樹脂組成物が、熱硬化性樹脂と、所定の材料で構成されたコア層およびシェル層を備えたコアシェル粒子とを含むとともに、樹脂組成物の100℃における溶融粘度が所定範囲内の値であることにより、これらの効果が相乗的に作用し合い、前記のような優れた効果が得られる。
これに対し、樹脂組成物の100℃における溶融粘度が500Pa・s未満であると、ボイドの発生を抑制できない、樹脂のブリードを抑制できない等の問題を生じる。
また、樹脂組成物の100℃における溶融粘度が50000Pa・sを超えると、樹脂噛みの発生による電極間の接続不良が発生するという問題を生じる。
前記のように、本発明において、樹脂組成物の100℃における溶融粘度は、500Pa・s以上50000Pa・s以下であればよいが、1000Pa・s以上30000Pa・s以下であることが好ましく、1600Pa・s以上19000Pa・s以下であることがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、本発明において、100℃における溶融粘度は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「MARS」を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度100℃で、5分間測定し、5分経過後の粘度が安定した状態での粘度を100℃における溶融粘度とした。
本発明の樹脂組成物は、いかなる形態のものであってもよいが、フィルム状をなすもの(フィルム樹脂組成物)であることが好ましい。これにより、樹脂組成物の取り扱い性を特に優れたものとすることができる。また、樹脂組成物の回路部材の各部位への付与量の不本意なばらつきを防止・抑制することができる。
樹脂組成物をフィルム樹脂組成物として用いる場合、フィルム樹脂組成物の厚さは、特に限定されないが、1μm以上300μm以下であることが好ましく、3μm以上200μm以下であることがより好ましい。厚さが前記範囲内であると、回路部材同士の間隙に樹脂成分を十分に充填することができ、樹脂成分の硬化後の機械的接着強度を確保することができる。
なお、樹脂組成物がフィルム状である場合、25℃においてフィルム状であることが好ましい。これにより、フィルムの取り扱い性が向上する。
《電子装置の製造方法および電子装置》
次に、本発明の電子装置について説明する。本発明の電子装置は、上述した本発明の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明の電子装置100の製造方法の一例を以下に説明する。
まず、図1に示すように、電極111(金111a/ニッケル111b/銅ピラー111c)を第一基板110の一面に形成し、同様に電極121(半田バンプ121a/銅ピラー121b)を第二基板120の一面に形成する。なお、ここでは一例として、第一基板110を半導体チップ、第二基板120を半導体ウエハと想定して記述するが、第一基板および第二基板共にこれに限定されるものではない。
電極111と電極121との接合(半田バンプ121aと金111aとの接合)に用いられる半田としては、特に制限されず、錫、銀、鉛、亜鉛、ビスマス、インジウム及び銅からなる群から選択される少なくとも2種以上を含む合金等が挙げられる。半田の融点は、100〜350℃である。
次に、第一基板110の電極111と第二基板120の電極121との間に樹脂組成物130を導入し、図2に示すようにして、第一基板110の電極111と、第二基板120の電極121とを溶融接合しつつ、樹脂組成物130を第一基板110と第二基板120との間に充填する。樹脂組成物の導入方法としては、液状の樹脂組成物をメタルマスクやメッシュマスクを用いたスクリーン印刷法、スピンコート法、ディスペンス法等の導入方法や、予めフィルム状にした樹脂組成物を貼り付ける方法等を用いることができる。
すなわち、本実施形態において、第一基板110の電極111と第二基板120の電極121とで樹脂組成物130を挟むようにして積層した後に、第一基板110と第二基板とを樹脂組成物130を介して熱圧着することで、電極111と電極121とが溶融接合し、同時に樹脂組成物130が溶融して広がることによって、半田接合しつつ第一基板110と第二基板120との間を樹脂組成物130によって充填することができる。熱圧着する方法としては、特に限定されないが、熱圧着機、フリップチップボンダー等を用いて行うことができる。
半田接合は、半田の融点以上の温度であればよく、例えば110〜380℃である。
この半田接合は、半田バンプ121aが溶融した後に、樹脂組成物130が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、半田バンプ121aを溶融させるが、樹脂組成物130の硬化反応があまり進行しないような条件で実施することが好ましい。これにより、半田接合する際の半田接合部の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
図3に示したように、第一基板110の電極111と、第二基板120の電極121とが溶融接合された後、樹脂組成物130を熱硬化する。これにより、電子装置100とすることができる。
加熱温度は、樹脂組成物130の硬化温度以上の温度であればよく、適宜選択されるが、通常100〜250℃、好ましくは140〜210℃である。加熱時間は、樹脂組成物130の種類により、適宜選択されるが、通常、0.5〜8時間、好ましくは1〜3時間である。
また、樹脂組成物130を硬化させるとき、加圧してもよい。加圧は、好ましくは0.1MPa以上、10MPa以下が好ましく、0.5MPa以上、5MPa以下がより好ましい。これにより、樹脂組成物の硬化物中における空隙(ボイド)の発生を抑制することができる。加圧は、加圧オーブン等の加圧容器内に流体を導入することにより行われることが好ましく、流体としては特に限定されないが、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、空気等が挙げられる。この中で、安価な点では空気が好ましいが、樹脂組成物の酸化を抑制するという観点では、窒素が好ましい。
加圧流体により加圧しながら樹脂組成物130を硬化させる方法としては、例えば、圧力容器内に、加熱する処理対象物を設置し、次いで、圧力容器内に、加圧流体を導入して加圧しつつ、処理対象物を加熱する方法、更に、具体的には、加圧オーブン中に、処理対象物を設置し、加圧オーブン内に加圧用のガスを導入しつつ、加圧オーブンで処理対象物を加熱する方法が挙げられる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。
なお、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
《接着シート》
次に、本発明の接着シートについて説明する。
本発明の接着シートは、上記本発明のフィルム状樹脂組成物(以下、樹脂組成物ともいう。)と、ベースフィルムとを有することを特徴とするものである。
図4に、本発明の接着シートの一形態を示す。図4において、接着シート200は、ベースフィルム202上にフィルム状樹脂組成物201が形成された構造を有するものである。
本発明の接着シートの形態は図4に示したものに限定されるものではなく、例えば、図4において、ベースフィルム202が接している面と反対側のフィルム状樹脂組成物の表面に、フィルム状樹脂組成物表面を保護するためのカバーフィルムを有するものであってもよい。
ベースフィルム202は、例えば、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ表面に、接着シート200(フィルム状樹脂組成物201)をラミネートする際に、フィルム状樹脂組成物の下地層(支持層)として機能するものである。
ここで、ベースフィルムの材料としては特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の接着シートは、上述したように、フィルム状樹脂組成物用のワニスを、ベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。またフィルム状樹脂組成物上にカバーフィルムを積層した形態とすることもできる。
《ダイシングテープ一体型接着シート》
次に、本発明のダイシングテープ一体型接着シートについて説明する。本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、上記本発明の樹脂組成物と、ダイシングテープとを有することを特徴とする。樹脂組成物は、好ましくは、フィルム状の樹脂組成物であり、上記接着シートなどが挙げられる。
図5に、本発明のダイシングテープ一体型接着シートの一形態を示す。図5において、ダイシングテープ一体型接着シート210は、ダイシングテープ213上に接着シート211が形成された構造を有するものである。図5に示した形態では、ダイシングテープ213は、ダイシングテープの基材層213aと、ダイシングテープの粘着層213bの2層からなるものであり、ダイシングテープの粘着層213bと接着シート211のフィルム状樹脂組成物の表面が接するように積層されている。
本発明のダイシングテープ一体型接着シートの形態は図5に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングテープの粘着層213bと接着シート211との間に、介在層を有した形態とすることもできる。この場合、ダイシングテープの粘着層は、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着シート211に対する介在層の密着力よりも、介在層および基材層に対するダイシングテープの粘着層の密着力が大きくなる。そのため、電子部品の製造工程において、例えば、半導体チップのピックアップ工程のような電子部品の製造工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着シートとの界面)で剥離を生じさせることができる。
《ダイシングテープ》
本発明のダイシングテープ一体型接着シートに用いられるダイシングテープは、一般的に用いられるどのようなダイシングテープでも用いることができる。
ダイシングテープの基材層213aの構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
ダイシングテープの基材層213aの平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μm程度であることがより好ましい。これにより、基材層は、適度な剛性を有するものとなるため、接着シートを確実に支持して、ダイシングテープ一体型接着シートの取扱いを容易にするとともに、ダイシングテープ一体型接着シートが適度に湾曲することで、接着シートと電極を有する被着体との密着性を高めることができる。
ダイシングテープの基材層213aの製法としては特に限定されないが、カレンダー法、押出成形法などの一般的な成形方法を用いることができる。基材層213aの表面には、粘着層213bを構成する材料と反応する官能基、例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基などが露出していることが好ましい。また、基材層213aと粘着層213bとの密着性を向上するために、基材層213aの表面をコロナ処理またはアンカーコート等で表面処理しておくことが好ましい。
前記ダイシングテープの粘着層を形成する粘着剤としては、特に限定されるものではないが、重合性オリゴマーを含有し、これが重合架橋することにより粘着力が低下する粘着剤からなることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、分子内に放射線重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、放射線重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分として含んでなる光硬化型粘着剤等が挙げられる。
前記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマーをあらかじめ合成し、分子内に前記官能基と反応する官能基と放射線重合性の不飽和結合とを有する化合物と反応させることにより得ることができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及びメタクリル系ポリマーを意味するものとする。
前記光硬化型粘着剤は、前記重合性ポリマー及び前記多官能オリゴマー又はモノマー以外に、光重合開始剤を配合することが好ましい。これにより、紫外線等の活性光線を照射することにより、粘着層とフィルム状樹脂組成物との界面の密着力を確実に低下させることができるため、粘着層の残渣がフィルム状樹脂組成物上に残ることなく、ダイシングテープを確実に剥離することができる。
前記ダイシングテープの粘着層213bの平均厚さは、特に限定されないが、1μm〜100μm程度であることが好ましく、特に3〜20μm程度であることがより好ましい。ダイシングテープの粘着層213bの平均厚さが上記範囲内であれば、ダイシングテープの粘着層213bの形状追従性が確保され、半導体ウエハなどの被着体に対する密着性をより高めることができる。
上記ダイシングテープの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングテープの基材層213a上に粘着層213bを塗工することにより製造することができる。また、粘着層213bは別途粘着層213b用基材上に塗工した後に、ダイシングテープの基材層213a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
介在層を設ける場合は、上記粘着層213b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
また、本発明のダイシングテープ一体型接着シートは、例えば、基材層213a、粘着層213b、及び、介在層を有するダイシングテープと、本発明の接着シート(フィルム状樹脂組成物+ベースフィルム)とを、上記介在層と接着シートのフィルム状樹脂組成物の面が接するようにラミネートすることにより製造することもできる。
《バックグラインドテープ一体型接着シート》
次に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートについて説明する。本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、上記本発明の樹脂組成物と、バックグランドテープとを有することを特徴とする。樹脂組成物は、好ましくは、フィルム状の樹脂組成物であり、上記接着シートなどが挙げられる。
上記バックグラインドテープは、特に限定されるものではないが、基材の片面に粘着層が形成されているものを挙げることができる。前記基材としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂より作製された基材、またはこれらの樹脂を組み合せた混合物により作製された基材、またはこれらの樹脂を用いて作製された基材の積層体からなるものが挙げられる。
前記粘着層を形成する粘着剤としては、特に限定されるものではないが、重合性オリゴマーを含有し、これが重合架橋することにより粘着力が低下する粘着剤からなることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、分子内に放射線重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、放射線重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分として含んでなる光硬化型粘着剤等が挙げられる。
前記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマーをあらかじめ合成し、分子内に前記官能基と反応する官能基と放射線重合性の不飽和結合とを有する化合物と反応させることにより得ることができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及びメタクリル系ポリマーを意味するものとする。
前記光硬化型粘着剤は、前記重合性ポリマー及び前記多官能オリゴマー又はモノマー以外に、光重合開始剤を配合することが好ましい。これにより、紫外線等の活性光線を照射することにより、粘着層とフィルム状樹脂組成物との界面の密着力を確実に低下させることができるため、粘着層の残渣がフィルム状樹脂組成物上に残ることなく、バックグラインドテープを確実に剥離することができる。
上記バックグラインドテープの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、バックグラインドテープの基材層上に粘着層を塗工することにより製造することができる。また、粘着層は別途粘着層形成用の基材上に塗工した後に、バックグラインドテープの基材層上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、例えば、上記のようにして作製されたバックグラインドテープと、本発明の接着シート(フィルム状樹脂組成物+ベースフィルム)とを、上記バックグラインドテープの粘着層と接着シートのフィルム状樹脂組成物の面が接するようにラミネートすることにより製造することができる。
《バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート》
次に、本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートについて説明する。
本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートは、上記本発明の樹脂組成物と、ダイシングテープとバックグラインドテープとを兼ねたバックグラインドテープ兼ダイシングテープとを有することを特徴とする。樹脂組成物は、好ましくは、フィルム状の樹脂組成物であり、上記接着シートなどが挙げられる。
例えば、本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300は、図6に示すようにバックグラインドテープ兼ダイシングテープ301と、上記本発明の接着シート302とで構成されている。上記バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301は特に限定されるものではないが、基材の片面に粘着層が形成されているものを挙げることができる。また図示しないが、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301と接着シート302との間には、離型フィルムが設けられていても良い。これにより、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301と接着シート302との間の剥離が容易となり、半導体ウエハをダイシングした後の半導体チップのピックアップ性を向上することができる。
バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン等の樹脂より作製された基材、またはこれらの樹脂を組み合せた混合物により作製された基材、またはこれらの樹脂を用いて作製された基材の積層体からなるものが挙げられる。バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301の厚さは、特に限定されないが、通常30〜500μmであることが好ましい。
前記粘着層を形成する粘着剤としては、特に限定されるものではないが、重合性オリゴマーを含有し、これが重合架橋することにより粘着力が低下する粘着剤からなることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、分子内に放射線重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、放射線重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分として含んでなる光硬化型粘着剤等が挙げられる。
前記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマーをあらかじめ合成し、分子内に前記官能基と反応する官能基と放射線重合性の不飽和結合とを有する化合物と反応させることにより得ることができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及びメタクリル系ポリマーを意味するものとする。
前記光硬化型粘着剤は、前記重合性ポリマー及び前記多官能オリゴマー又はモノマー以外に、光重合開始剤を配合することが好ましい。これにより、紫外線等の活性光線を照射することにより、粘着層とフィルム状樹脂組成物との界面の密着力を確実に低下させることができるため、粘着層の残渣がフィルム状樹脂組成物上に残ることなく、バックグラインドテープ兼ダイシングテープを確実に剥離することができる。
上記バックグラインドテープ兼ダイシングテープの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの基材層上に粘着層を塗工することにより製造することができる。また、粘着層は別途粘着層形成用の基材上に塗工した後に、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの基材層上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートは、例えば、上記のようにして作製されたバックグラインドテープ兼ダイシングテープと、本発明の接着シート(フィルム状樹脂組成物+ベースフィルム)とを、上記バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層と接着シートのフィルム状樹脂組成物の面が接するようにラミネートすることにより得ることができる。
次に、本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300の製造方法について簡単に説明する。
図示しないが、まず接着シート302において、フィルム状樹脂組成物302aの表面からベースフィルム302bの途中までカット(ハーフカット)し、その後不要部分を除去することによって、円形状のフィルム状樹脂組成物を有する接着シート302を作製する。そして、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301と上記の円形状のフィルム状樹脂組成物を有する接着シート302とを、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層と接着シートのフィルム状樹脂組成物の面が接するようにラミネートすることで、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301、接着シート302で構成されるバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300を得ることができる(図7)。
フィルム状樹脂組成物は、特に限定されないが、半導体チップの表面が認識可能な程度の透明性を有することが好ましい。これにより、それぞれの回路部材(半導体チップ)が有する回路電極同士を電気的に接続する時の位置合わせを容易にすることができる。
より具体的には、フィルム状樹脂組成物は、630nmでの透過率が15%以上であることが好ましく、特に25〜100%であることがより好ましい。透過率が前記範囲内であると、特に半導体チップの表面に対する認識性に優れ、接続率を向上することができる。
次に、一体型接着シートを用いた電子装置の製造方法について説明する。
上述の方法で得られたバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300のベースフィルム302bを剥離し、フィルム状樹脂組成物302aと半導体ウエハ303の回路電極面331とが接するようにラミネートする(図8)。
次に、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301の上側の面(図9中の上側)を、研削装置(グラインダ)のウエハチャックテーブル304に固定し、研削装置(グラインダ)を用いて、半導体ウエハ303のフィルム状樹脂組成物が形成されている面とは反対側の面を研削(グラインド)することによって、半導体ウエハ303を薄くする(図9)。研削装置(グラインダ)は特に限定されることは無く、市販されているものを用いることができる。ここで、研削(グラインド)した後の半導体ウエハ303の厚さは特に限定されないが、10μm〜300μm程度とすることが好ましく、より好ましくは10μm以上100μm以下である。
本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300は、フィルム状樹脂組成物302aがフラックス機能を有する化合物を含む樹脂組成物のため、半導体ウエハ303の回路電極面331に直接ラミネートすることが可能である。
次に、バックグラインド後の半導体ウエハ303を、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ301がダイシング装置のテーブル305の上面(図10中305の上側)と接するようにダイシング装置のテーブル305に設置する(図10)。次に、半導体ウエハ303の周囲にウエハリング306を設置して、半導体ウエハ303を固定する。そして、ダイシングブレード307で半導体ウエハ303を切断することによって半導体ウエハ303を個片化し、フィルム状樹脂組成物302aを有する半導体チップを得る。この際、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300は、緩衝作用を有しており、半導体ウエハ303を切断する際の半導体チップの割れ、欠け等を防止している。なお、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300に、半導体ウエハ303およびウエハリング306を予め貼着した後に、ダイシング装置のテーブル305に設置しても良い。
次に、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300をエキスパンド機構を有する装置で伸ばして、個片化したフィルム状樹脂組成物302aを有する半導体チップ同士を一定の間隔に広げ、その後半導体チップをピックアップして、回路電極を有する回路部材に搭載して電子装置を得る。
このように、本発明のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートは、バックグラインドテープ機能と、ダイシングテープ機能とを有し、かつフィルム状樹脂組成物がフラックス機能を有するのでフラックス塗布工程等を省略できる機能等を有している。そのため、フラックス洗浄工程が不要で生産性に優れ、かつ半導体ウエハの作業性を向上させることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[フィルム状樹脂組成物の作製]
(実施例1)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−55617)8.2重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−830LVP)12.6重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)15.1重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)4.4重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基およびアミド基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−80H)4.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、5.0質量%であった。
(実施例2)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−55617)6.3重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)10.0重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 840−S)11.1重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂と(DIC社製、EPICLON HP−4770)5.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)7.0重量部と、3−ヒドロキシ安息香酸(東京化成工業社製)0.6重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX−6954)3.6重量部と、カルボキシル末端ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(ピイ・ティ・アイ・ジャパン社製、CTBN1008SP)0.6重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、3.3質量%であった。
(実施例3)
フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製、ミレックスXLC−4L)9.8重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)7.9重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON840−S)14.1重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂と(DIC社製、EPICLON HP−4770)2.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業社製)6.2重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)4.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、2.6質量%であった。
(実施例4)
クレゾールノボラック樹脂(DIC社製、KA−1160)7.9重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−830LVP)13.0重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子25%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−960)14.5重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)7.8重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)6.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.5重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50.0%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、3.6質量%であった。
(実施例5)
平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)9.2重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 1032H60)9.2重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)6.5重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)18.1重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ社製、ノバキュアHX−3941P)6.5重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.5重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、3.0質量%であった。
(実施例6)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851)4.1重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)10.1重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 1032H60)6.8重量部と、フラックス機能を有する化合物である4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業社製)7.2重量部、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)21.1重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、TPP)0.2重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、3.3質量%であった。
(実施例7)
クレゾールノボラック樹脂(DIC社製、KA−1160)5.5重量部と、酸無水物(三菱化学社製、jERキュアYH307)3.2重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子25%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−960)9.0重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−7200H)4.5重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4770)4.1重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 840−S)10.9重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業社製)6.5重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)5.1重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2MZ−H)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)1.1重量部と、フィラーとしてシリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)50.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、2.3質量%であった。
(実施例8)
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851)10.2重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)17.2重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 1032H60)3.1重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)13.8重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、TPP)0.2重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、5.7質量%であった。
(実施例9)
フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製、ミレックスXLC−4L)9.8重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)1.9重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON840−S)19.1重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−4770)3.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業社製)6.2重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)4.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、0.6質量%であった。
(実施例10)
フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製、ミレックスXLC−4L)9.4重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)3.2重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 840−S)18.5重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂と(DIC社製、EPICLON HP−4770)3.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業社製)5.9重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)4.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、1.1質量%であった。
(実施例11)
フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製、ミレックスXLC−4L)8.8重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)5.9重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON840−S)16.6重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂と(DIC社製、EPICLON HP−4770)3.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業社製)5.7重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)4.2重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)55.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、1.9質量%であった。
(実施例12)
クレゾールノボラック樹脂(DIC社製、KA−1160)6.1重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−830LVP)2.7重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子25%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−960)23.9重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)6.0重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)5.8重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、YA050C−SV2、平均粒径0.05μm)15.0重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)40.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50.0%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、6.0質量%であった。
(実施例13)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−55617)8.2重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)25.6重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 840−S)4.0重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER 1032H60)1.0重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)4.4重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鉄住金化学社製、FX−280S)1.3重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2MZ-H)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、YC100C−SM1、平均粒径0.10μm)35.0重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)20.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、8.4質量%であった。
(実施例14)
フェノールアラルキル樹脂(三井化学社製、ミレックスXLC−4L)7.9重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)29.5重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)4.4重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)2.7重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、YC100C−SM1、平均粒径0.10μm)50.0重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、SC1050、平均粒径0.25μm)5.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、9.7質量%であった。
(比較例1)
クレゾールノボラック樹脂(DIC社製、KA−1160)16.3重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−830LVP)45.2重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)12.0重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX−6954)5.9重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.2重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.4重量部と、フィラーとしてシリカフィラー(アドマテックス社製、SO−E3、平均粒径1.0μm)20.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、0質量%であった。
(比較例2)
クレゾールノボラック樹脂(DIC社製、KA−1160)16.8重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−830LVP)43.4重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)1.3重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)12.0重量部と、成膜性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学社製、YX−6954)5.9重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、TPP)0.2重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.4重量部と、フィラーとしてシリカフィラー(アドマテックス社製、SO−E3、平均粒径1.0μm)20.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、0.4質量%であった。
(比較例3)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−55617)6.1重量部と、平均粒径100nmのコアシェル粒子33%含有エポキシ樹脂(カネカ社製、MX−138)30.6重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業社製)4.4重量部と、成膜性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス社製、SG−P3)3.4重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2MZ-H)0.1重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−503)0.4重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、YA050C−SV2、平均粒径0.05μm)10.0重量部と、シリカフィラー(アドマテックス社製、YC100C−SM1、平均粒径0.10μm)45.0重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様に厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。コアシェル粒子の含有量は、フィルム状樹脂組成物中、10.1質量%であった。
各実施例および比較例の樹脂組成物(フィルム状樹脂組成物)の組成を表1に示した。
[フィルム状樹脂組成物の評価]
[1]100℃における溶融粘度測定
各実施例および比較例で得られたフィルム状樹脂組成物を積層することによって厚み100μmの測定用サンプルを作製し、粘弾性測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「MARS」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数1Hz、一定温度100℃、5分間という条件で溶融粘度を測定し、5分後の安定した溶融粘度を測定値とした。結果は表1に示す。
Figure 2015137299
[2]フラックス活性の評価
[2−1]フラックス活性の評価
上記各実施例および比較例の樹脂組成物(フィルム状樹脂組成物)を、Cu板小片(平井精密工業社製)におよそ50℃で貼り付けた。接着フィルムの上にφ500μm(=φ0.5mm)の半田ボール(Sn−3Ag−0.5Cu、千住金属工業社製)を5つ載せ、圧着装置(筑波メカニクス社製)を用い、50N、80℃で7秒圧着した。その後Cu板小片を230℃のホットプレートの上に10秒のせた。その後、顕微鏡を用い半田ボールの高さX(単位:mm)を計測した。半田濡れ広がり率(単位:%)=((0.5−X)/0.5)×100として値を算出し、以下の判断基準に従い評価した。
◎ :半田濡れ広がり率が60%以上である。
○ :半田濡れ広がり率が20%以上60%未満である。
× :半田濡れ広がり率が20%よりも小さい。
[3]電子装置の製造
以下に本発明の電子装置として、半導体装置の製造について記述する。
本発明の半導体装置として、上記で得られた本発明のフィルム状樹脂組成物を用いて、下記の手順で半導体装置(1)を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を有する半導体チップA(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、上記各実施例および比較例で得られた各フィルム状樹脂組成物(ベースフィルム付きフィルム状樹脂組成物)のフィルム状樹脂組成物側と半導体チップとが接するように、真空ラミネーター(名機製作所株式会社製、MVLP)を用い、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、フィルム状樹脂組成物付き半導体チップを得た。次に、上記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する半導体チップB(電極の高さ10μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)を用意した。次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上記半導体チップBの銅電極と、半導体チップAの半田を有する銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら半導体チップBに半導体チップAを150℃、29.4N、3秒間で仮圧着した後に、235℃、29.4N、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接合を行った。そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、フィルム状樹脂組成物を硬化させて、半導体チップAと、半導体チップBとがフィルム状樹脂組成物の硬化物を介して接着された半導体装置(1)を得た。
[4]評価
[4−1]ボイド評価
上記[3]で製造した半導体装置において、各実施例および比較例の樹脂組成物(フィルム状樹脂組成物)で充填された半導体チップAと半導体チップBとの間のボイドの有無を、超音波映像検査装置にて観察し評価した。
○ :ボイドが観察されなかった。
× :ボイドが観察された。
[4−2]はみ出し評価
上記[3]で製造した半導体装置において、各実施例および比較例の樹脂組成物(フィルム状樹脂組成物)のはみ出しの有無を、顕微鏡にて観察し評価した。
○ :はみ出しが観察されなかった。
× :はみ出しが観察された。
[4−3]接続性
各実施例および各比較例の樹脂組成物(フィルム状樹脂組成物)を用いて得られた半導体装置それぞれ20個ずつについて、接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続性を評価した。各符号は、以下の通りである。
○ :20個すべての半導体装置の接続抵抗値が10Ω未満であった。
× :1個以上の半導体装置の接続抵抗値が10Ω以上であった。
この結果を、表1に示した。
表1から明らかなように、本発明に係る樹脂組成物を用いて製造された半導体装置は、ボイドの発生が抑制されたものであった。また、本発明に係る樹脂組成物を用いて製造された半導体装置は、樹脂組成物のはみ出しも見られなかった。また、本発明に係る樹脂組成物を用いて製造された半導体装置は、接続性が十分に確保されたものであった。
これに対して、比較例では、満足行く結果が得られなかった。
(実施例15)
<接着シートの製造>
実施例1の固形分濃度50質量%の樹脂ワニスを用いて、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム社製、商品名「ピューレックスA53」、後のダイシングテープ一体型接着シートのカバーフィルムに相当する。)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃で5分間乾燥して、厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物が形成された接着シートを得た。
<ダイシングテープ一体型接着シート>
(1)ダイシングテープの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが30μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cmを照射し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
(2)ダイシングテープの粘着層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー76質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン8質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)11質量部とを混合したダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。上記ダイシングテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングテープの粘着層を成膜した。その後、ダイシングテープの基材層として厚さ80μmのポリプロピレンとスチレン・イソプレン共重合体の混合物からなるフィルムを、上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングテープを得た。
(3)ダイシングテープ一体型接着シートの製造
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られた接着シートとを、介在層とフィルム状樹脂組成物とが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さくハーフカットし、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングテープの粘着層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記第2積層体の介在層側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングテープの粘着層とが接するように、これらをラミネートした。これにより、ダイシングテープの基材層、ダイシングテープの粘着層、介在層、フィルム状樹脂組成物、カバーフィルムがこの順でラミネートされたダイシングテープ一体型接着シートを得た。
<電子装置の製造>
本発明の電子装置として、上記で得られた本発明のダイシングテープ一体型接着シートを用いて、下記の手順で電子装置を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田付き銅電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφ、個別回路のサイズ10mm×10mm、厚さ100μm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)を用意した。
ダイシングテープ一体型接着シートからカバーフィルムを剥離し、その剥離面と、半導体ウエハの半田付き銅電極を有する面とが接するように配置し、これをラミネーターで、貼り合わせ温度80℃、ダイシングテープ一体型接着シートにかける圧力0.8MPa、30秒間の条件でラミネートして、ダイシングテープ一体型接着シート付きの半導体ウエハを得た。
次いで、このダイシングテープ一体型接着シート付きの半導体ウエハを、半導体ウエハ側から、ダイシング装置(ディスコ社製、DFD6360)を用いて下記の条件でダイシング(切断)した。これにより、半導体ウエハが個片化され、下記のダイシングサイズの半導体チップを得た。なお、このダイシングにより形成された切り込みは、その先端が介在層内に達していた。
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.130mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ :15μm
次いで、半導体チップの1つをダイシングテープ一体型接着シートの支持フィルム側(ダイシングテープの基材層側)からニードルで突き上げ、突き上げた半導体チップの表面をフリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)のコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、フィルム状樹脂組成物付き半導体チップをピックアップした。
次に、前記のフリップチップボンダーを用いて、先端に金とニッケルがコーティングされた銅からなる突起電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφの半導体ウェハ、個別回路のサイズ12mm×12mm、厚さ200μm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)の突起電極を、フィルム状樹脂組成物付き半導体チップの所定のアライメントマークと半導体ウエハの所定のアライメントマークをフリップチップボンダーで自動認識させることによって位置合わせを行い、半導体ウエハにフィルム状樹脂組成物付き半導体チップを150℃、30N、3秒間で仮圧着した後に、235℃、30N、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接合を行った。そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、フィルム状樹脂組成物を硬化させた。
次に、半導体ウエハの半導体チップを搭載した面と反対側の面に、ダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。このとき、貼り合せ条件は25℃、圧力0.8MPa、2mm/secであった。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシング装置(DFD6360、(株)ディスコ製)のテーブルにセットした。さらに、搭載した半導体チップと半導体チップの間をダイシング装置を用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、半導体チップを搭載した半導体ウエハが個片化され、半導体チップと、半導体ウエハとがフィルム状樹脂組成物の硬化物を介して接着された以下のダイシングサイズの電子装置(半導体装置)を得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ :12mm×12mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.23mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
ダイシングテープ一体型接着シートを用いて、電子装置を作製し、問題なくダイシングができた。また、作製した電子装置も問題なく作動した。また、絶縁信頼性の評価を実施し、「○」となる良好な結果であった。
(実施例16)
<接着シートの製造>
実施例1の固形分比率50質量%の樹脂ワニスを用いて、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム社製、商品名「ピューレックスA53」、後のバックグラインドテープ一体型接着シートのカバーフィルムに相当する。)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃で5分間乾燥して、厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物が形成された接着シートを得た。
<バックグラインドテープ一体型接着シート>
(1)バックグラインドテープ一体型接着シートの製造
ベース樹脂としてアクリル酸アルキルエステル系共重合物ニッセツKP−2254E(日本カーバイド工業製)44質量部、ウレタンアクリレートHC−15(大日精化工業製)45質量部、イソシアネート系架橋剤コロネートL(日本ポリウレタン工業製)8質量部、光重合開始剤イルガキュア651(BASFジャパン製)3質量部を酢酸エチルに溶解させて、バックグラインドテープの粘着層用ワニスを調製した。
上記バックグラインドテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥することによって、ポリエステルフィルム上にバックグラインドテープの粘着層を成膜した。その後、バックグラインドテープの基材層として厚さ120μmのポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材を粘着層の上記ポリエステルフィルムと反対側の面にラミネート(積層)し、粘着層をポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材に転写させることによって、バックグラインドテープを得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記接着シートを半導体ウエハと同等の大きさにハーフカットし、その後不要部分を除去した後に、上記で得られたバックグラインドテープの粘着層とフィルム状樹脂組成物とが接するようにラミネートすることによって、バックグラインドテープの基材、バックグラインドテープの粘着層、フィルム状樹脂組成物、カバーフィルムがこの順でラミネートされたバックグラインドテープ一体型接着シートを得た。
(2)電子装置の作製
本発明の電子装置として、上記で得られたバックグラインドテープ一体型接着シートを用いて、下記の手順で電子装置を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田付き銅電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφ、個別回路のサイズ10mm×10mm、厚さ725μm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)を用意した。バックグラインドテープ一体型接着シートからカバーフィルムを剥離し、その剥離面と、半導体ウエハの半田付き銅電極を有する面とが接するように、バックグランドテープ一体型接着シートと半導体ウエハとをラミネートし、バックグランドテープ一体型接着シート付き半導体ウエハを得た。
次いで、このバックグランドテープ一体型接着シート付き半導体ウエハのバックグラインドテープ一体型接着シートが貼り付けられた面とは反対側の面を研削し、バックグランドテープ一体型接着シート付き半導体ウエハの厚さが200μmとなるように研削した。その後、バックグランドテープ一体型接着シート付き半導体ウエハのバックグラインドテープ一体型接着シートが貼り付けられた面とは反対側の面(研削面)にダイシングテープをラミネートした後に、バックグランドテープ一体型接着シートの粘着層とフィルム状樹脂組成物の界面からバックグラインドテープを剥離した。
その後、半導体ウエハをダイシングして、フィルム状樹脂組成物付き半導体チップを得た。得られたフィルム状樹脂組成物付き半導体チップを用いて、実施例15と同様に電子装置を作製し、同様の評価を実施した。
(評価結果)
バックグラインドテープ一体型接着シートを用いて、電子装置を作製し、問題なく、ウエハ裏面の研削およびダイシングができた。また、作製した電子装置も問題なく作動した。また、絶縁信頼性の評価を実施し、「○」となる良好な結果であった。
(実施例17)
<接着シートの製造>
実施例1の固形分比率50質量%の樹脂ワニスを用いて、ポリエステルフィルム基材(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53、後のバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートのカバーフィルムに相当する。)に厚さ50μmとなるように塗布した後、100℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発除去して、厚さ25μmのフィルム状樹脂組成物を得た。
<バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート>
(1)バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートの製造
クリアテックCT−H717(クラレ社製)を、押出機で厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。次に、アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー76質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン8質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)11質量部とを混合し、バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。上記バックグラインドテープ兼ダイシングテープの粘着層用ワニスを、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し粘着層を得た。
その後、この粘着層を上述した基材フィルムのコロナ処理面にラミネートすることによって粘着層を転写した後に、ポリエステルフィルムを剥離した。次に、ロール状の金型を用いて、上記接着シートを半導体ウエハと同等の大きさに、且つ厚み方向においてベースフィルム(=カバーフィルム)の途中までカット(ハーフカット)した後に、フィルム状樹脂組成物と粘着層とが接するように貼り付けた。これにより、基材フィルム、粘着層、フィルム状樹脂組成物、カバーフィルムが、この順に構成されてなるバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートを得た。
(電子装置の製造)
本発明の電子装置として、上記で得られたバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートを用いて、下記の手順で電子装置を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田付き銅電極を有する半導体ウエハ(サイズ200mmφ、個別回路のサイズ10mm×10mm、厚さ725μm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm)を用意した。
バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートのカバーフィルムを剥離して、フィルム状樹脂組成物を半導体ウエハの半田付き銅電極がついている面に温度90℃、圧力0.3MPaで貼り付けし、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートが付いた半導体ウエハを得た。
そして、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300の上側の面(図9中の上側)を、研削装置のウエハチャックテーブル304に固定し、半導体ウエハ303の厚さが725μmから200μmとなるまで研削(グラインド)を行った。次に、この半導体ウエハを、図10に示すようにバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300とダイシング装置のテーブル305の上面とが接するように設置して、ダイシング装置を用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで10mm×10mm角の半導体チップにダイシング(切断)した。次に、半導体チップの1つをバックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート300の支持フィルム側(基材層側)からニードルで突き上げ、突き上げた半導体チップの表面をフリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)のコレットで吸着しつつ上方に引き上げ、粘着層とフィルム状樹脂組成物の界面で剥離しフィルム状樹脂組成物付き半導体チップを得た。
その後、得られたフィルム状樹脂組成物付き半導体チップを用いて、実施例15と同様に電子装置を作製し、同様の評価を実施した。
(評価結果)
バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シートを用いて、電子装置を作製し、問題なく、ウエハ裏面の研削(グラインド)と、ダイシングができた。また、作製した電子装置も問題なく作動した。また、絶縁信頼性の評価を実施し、「○」となる良好な結果であった。
(比較例4)
実施例15のフィルム状樹脂組成物を比較例1のフィルム状樹脂組成物に変更した以外は、実施例15と同様に電子装置を作製し評価した。その結果、比較例1のようにボイド評価とはみ出し評価が劣る結果「×」となった。
(比較例5)
実施例16のフィルム状樹脂組成物を比較例1のフィルム状樹脂組成物に変更した以外は、実施例16と同様に電子装置を作製し評価した。その結果、比較例1のようにボイド評価とはみ出し評価が劣る結果「×」となった。
(比較例6)
実施例16のフィルム状樹脂組成物を比較例1のフィルム状樹脂組成物に変更した以外は、実施例16と同様に電子装置を作製し評価した。その結果、比較例1のようにボイド評価とはみ出し評価が劣る結果「×」となった。
100 電子装置
110 第一基板
111 第一基板に形成された電極
111a 金
111b ニッケル
111c 銅ピラー
120 第二基板
121 第二基板に形成された電極
121a 半田バンプ
121b 銅ピラー
130 樹脂組成物
200 接着シート
201 フィルム状樹脂組成物
202 ベースフィルム
210 ダイシングテープ一体型接着シート
211 接着シート
213 ダイシングテープ
213a ダイシングテープの基材層
213b ダイシングテープの粘着層
300 バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート
301 バックグラインドテープ兼ダイシングテープ
302 接着シート
302a フィルム状樹脂組成物
302b ベースフィルム
303 半導体ウエハ
304 研削装置のウエハチャックテーブル
305 ダイシング装置のテーブル
306 ウエハリング
307 ダイシングブレード
331 半導体ウエハの回路電極面

Claims (15)

  1. 回路部材同士を接着するとともにそれぞれの回路部材が有する回路電極同士を電気的に接続するために用いられる樹脂組成物であって、
    熱硬化性樹脂と、
    ゴム系成分で構成されたコア層と、アクリル系成分で構成され、前記コア層を覆うように形成されたシェル層とを有するコアシェル粒子と、を含み、
    100℃における溶融粘度が500Pa・s以上50000Pa・s以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記コアシェル粒子の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記コアシェル粒子の平均粒径は、10nm以上1000nm以下である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ゴム系成分と前記アクリル系成分とは、共重合体を構成している請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含むものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂は、25℃で液状のエポキシ樹脂を含むものである請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 平均粒径500nm以下の無機充填材を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記無機充填材の含有量は、0.1質量%以上80質量%以下である請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物は、フィルム状をなすものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物の厚さは、1μm以上300μm以下である請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、ベースフィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着シート。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、バックグラインドテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ一体型接着シート。
  14. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、ダイシングテープとバックグラインドテープとを兼ねたバックグラインドテープ兼ダイシングテープとを有することを特徴とする、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート。
  15. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物を有することを特徴とする電子装置。
JP2014009017A 2014-01-21 2014-01-21 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置 Pending JP2015137299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014009017A JP2015137299A (ja) 2014-01-21 2014-01-21 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014009017A JP2015137299A (ja) 2014-01-21 2014-01-21 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015137299A true JP2015137299A (ja) 2015-07-30

Family

ID=53768537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014009017A Pending JP2015137299A (ja) 2014-01-21 2014-01-21 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015137299A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016056619A1 (ja) * 2014-10-10 2016-04-14 ナミックス株式会社 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法
JP2016141739A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
JP2017066174A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 日東電工株式会社 熱硬化性組成物およびシート・装置の製造方法
JP2017115132A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 信越化学工業株式会社 液状エポキシ樹脂組成物
JP6204640B1 (ja) * 2016-03-30 2017-09-27 三井化学東セロ株式会社 半導体装置の製造方法
CN108424558A (zh) * 2017-02-13 2018-08-21 住友橡胶工业株式会社 轮胎用橡胶组合物和充气轮胎
JP2018145346A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 リンテック株式会社 回路部材接続用シートおよび半導体装置の製造方法
WO2019102719A1 (ja) * 2017-11-27 2019-05-31 ナミックス株式会社 フィルム状半導体封止材
JP2019125691A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 日立化成株式会社 半導体装置の製造方法及び半導体用接着剤
CN111716242A (zh) * 2019-03-22 2020-09-29 日东电工株式会社 背面研磨带
WO2022209875A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 昭和電工マテリアルズ株式会社 半導体用接着剤、半導体用接着剤シート、及び半導体装置の製造方法
CN115404015A (zh) * 2021-05-28 2022-11-29 利诺士尖端材料有限公司 晶圆加工用粘结膜

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006019041A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 Kaneka Corporation 半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂成形材料
JP2006100784A (ja) * 2004-09-02 2006-04-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置
JP2006183020A (ja) * 2004-04-20 2006-07-13 Hitachi Chem Co Ltd 接着シート、半導体装置、及び半導体装置の製造方法
JP2006199756A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Sekisui Chem Co Ltd 接合フィルム、電子部品装置の製造方法及び電子部品装置
JP2009215475A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Aica Kogyo Co Ltd 硬化性樹脂組成物及び接着シート
JP2009239138A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体用フィルム、半導体装置の製造方法および半導体装置
WO2010074024A1 (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 ダイキン工業株式会社 フィルムコンデンサ用フィルムおよびフィルムコンデンサ
JP2011080033A (ja) * 2009-05-29 2011-04-21 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、接着剤シート及び半導体装置の製造方法
WO2011046176A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日立化成工業株式会社 導電性接着剤、太陽電池及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール
JP2011140652A (ja) * 2003-05-27 2011-07-21 Ajinomoto Co Inc 多層プリント配線板の層間絶縁用樹脂組成物、接着フィルム及びプリプレグ
JP2012054518A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Sekisui Chem Co Ltd 半導体接合用接着剤、半導体接合用接着フィルム、半導体チップの実装方法及び半導体装置
JP2013004872A (ja) * 2011-06-20 2013-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体装置の製造方法、フィルム状接着剤及び接着剤シート
WO2013125685A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 日立化成株式会社 半導体装置及びその製造方法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011140652A (ja) * 2003-05-27 2011-07-21 Ajinomoto Co Inc 多層プリント配線板の層間絶縁用樹脂組成物、接着フィルム及びプリプレグ
JP2006183020A (ja) * 2004-04-20 2006-07-13 Hitachi Chem Co Ltd 接着シート、半導体装置、及び半導体装置の製造方法
WO2006019041A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 Kaneka Corporation 半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂成形材料
JP2006100784A (ja) * 2004-09-02 2006-04-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体用接着フィルム及びこれを用いた半導体装置
JP2006199756A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Sekisui Chem Co Ltd 接合フィルム、電子部品装置の製造方法及び電子部品装置
JP2009215475A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Aica Kogyo Co Ltd 硬化性樹脂組成物及び接着シート
JP2009239138A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体用フィルム、半導体装置の製造方法および半導体装置
WO2010074024A1 (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 ダイキン工業株式会社 フィルムコンデンサ用フィルムおよびフィルムコンデンサ
JP2011080033A (ja) * 2009-05-29 2011-04-21 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、接着剤シート及び半導体装置の製造方法
WO2011046176A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日立化成工業株式会社 導電性接着剤、太陽電池及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール
JP2012054518A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Sekisui Chem Co Ltd 半導体接合用接着剤、半導体接合用接着フィルム、半導体チップの実装方法及び半導体装置
JP2013004872A (ja) * 2011-06-20 2013-01-07 Hitachi Chem Co Ltd 半導体装置の製造方法、フィルム状接着剤及び接着剤シート
WO2013125685A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 日立化成株式会社 半導体装置及びその製造方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016056619A1 (ja) * 2014-10-10 2017-07-27 ナミックス株式会社 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法
US10388583B2 (en) 2014-10-10 2019-08-20 Namics Corporation Thermosetting resin composition and method of producing same
WO2016056619A1 (ja) * 2014-10-10 2016-04-14 ナミックス株式会社 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法
US10023775B2 (en) 2015-02-02 2018-07-17 Namics Corporation Film adhesive and semiconductor device including the same
JP2016141739A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
WO2016125537A1 (ja) * 2015-02-02 2016-08-11 ナミックス株式会社 フィルム状接着剤、それを用いた半導体装置
JP2017066174A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 日東電工株式会社 熱硬化性組成物およびシート・装置の製造方法
JP2017115132A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 信越化学工業株式会社 液状エポキシ樹脂組成物
JP6204640B1 (ja) * 2016-03-30 2017-09-27 三井化学東セロ株式会社 半導体装置の製造方法
WO2017170451A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 三井化学東セロ株式会社 半導体装置の製造方法
US11107789B2 (en) 2016-03-30 2021-08-31 Mitsui Chemicals Tohcello, Inc. Method for manufacturing semiconductor device
CN108424558A (zh) * 2017-02-13 2018-08-21 住友橡胶工业株式会社 轮胎用橡胶组合物和充气轮胎
CN108424558B (zh) * 2017-02-13 2021-09-14 住友橡胶工业株式会社 轮胎用橡胶组合物和充气轮胎
JP2018145346A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 リンテック株式会社 回路部材接続用シートおよび半導体装置の製造方法
JPWO2019102719A1 (ja) * 2017-11-27 2020-12-17 ナミックス株式会社 フィルム状半導体封止材
WO2019102719A1 (ja) * 2017-11-27 2019-05-31 ナミックス株式会社 フィルム状半導体封止材
JP7210031B2 (ja) 2017-11-27 2023-01-23 ナミックス株式会社 フィルム状半導体封止材
JP2019125691A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 日立化成株式会社 半導体装置の製造方法及び半導体用接着剤
CN111716242A (zh) * 2019-03-22 2020-09-29 日东电工株式会社 背面研磨带
WO2022209875A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 昭和電工マテリアルズ株式会社 半導体用接着剤、半導体用接着剤シート、及び半導体装置の製造方法
CN115404015A (zh) * 2021-05-28 2022-11-29 利诺士尖端材料有限公司 晶圆加工用粘结膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5991335B2 (ja) 接着フィルム、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、バックグラインドテープ兼ダイシングシート一体型接着フィルム、積層体、積層体の硬化物、および半導体装置、並び半導体装置の製造方法
JP2015137299A (ja) 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、および電子装置
JP5417729B2 (ja) 半導体用フィルム、半導体装置の製造方法および半導体装置
WO2009099191A1 (ja) 半導体用フィルム、半導体装置の製造方法および半導体装置
JP5929934B2 (ja) ダイシングシート機能付き半導体用フィルムおよび半導体装置
WO2013008757A1 (ja) ダイシングテープ一体型接着シート、半導体装置、多層回路基板及び電子部品
WO2014061767A1 (ja) 樹脂組成物、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ兼ダイシングテープ一体型接着シート、及び電子装置
JP2010010368A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2013004872A (ja) 半導体装置の製造方法、フィルム状接着剤及び接着剤シート
JP5866851B2 (ja) 半導体装置の製造方法、フィルム状接着剤及び接着剤シート
JP2014237811A (ja) 接着フィルム、接着シート、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム及び半導体装置
JP6155931B2 (ja) 樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シートおよび電子部品
JP2015030745A (ja) 樹脂組成物、半導体装置、多層回路基板および電子部品
JP5445169B2 (ja) 接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品
JP5573896B2 (ja) 半導体用フィルム、半導体装置の製造方法および半導体装置
JP2012195414A (ja) ダイシングテープ一体型接着シート、多層回路基板、電子部品及び半導体装置
JP2013207177A (ja) ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品
JP2012074636A (ja) 接合方法、半導体装置、多層回路基板および電子部品
JP2015129247A (ja) 樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シート、バックグラインドテープ一体型接着シート、ダイシングテープ兼バックグラインドテープ一体型接着シート、および、電子装置
JP5846232B2 (ja) ウエハ加工用粘着シート一体型接着シート、および電子装置
JP2012146830A (ja) ダイシングテープ一体型接着シート、電子部品及び半導体装置
JP2016028167A (ja) 樹脂組成物
WO2024070134A1 (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体ウエハ加工用接着フィルム
JP2018170368A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2012057109A (ja) 樹脂組成物、接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171010

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180403