JP2014237811A - 接着フィルム、接着シート、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、半田接合部の導電性、信頼性を両立し、半田接合部における接合性と半導体装置の製造の歩留まりを向上させる接着フィルムを供給することである。【解決手段】本発明は、相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する接着フィルムであって、接着フィルムは、平均粒径が0.01μm以上1μm以下である充填材を含み、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、第一電子部品と、第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が接着フィルムを介して積層され、電気的に接続された構造を有する電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における第一電子部品と第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における絶縁抵抗値をYとして1<X/Y<1000であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、接着フィルム、接着シート、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム及び半導体装置に関するものである。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される半導体装置も、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。これら半導体装置における電子部品同士、および電子部品と回路部品間等における電気的な接続を得るため、半田接合が広く用いられている。この半田接合としては、例えば半導体チップ同士の導通接合部、フリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間との導通接合部、半導体チップと電子回路が作り込まれた半導体ウエハの導通接合部、回路基板同士の導通接合部等が挙げられる。この半田接合部には、電気的な接続強度および機械的な接続強度を確保するために、一般的に樹脂材料を用いて封止されている。例えば、半導体チップと回路基板間では、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる封止樹脂が注入されている(アンダーフィル封止)。
半田接合部によって生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂(アンダーフィル材)で補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、半導体装置の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂(アンダーフィル材)を供給してもギャップ間に液状封止樹脂(アンダーフィル材)が行き渡らなく、完全に充填することが困難になるという問題が生じている。このような問題に対し、NCF(Non−Conductive−Film)と呼ばれる接着フィルムにより半田接合部を封止するという方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のNCFと呼ばれる接着フィルムでは、半田接合部の導電性、および信頼性を両立することが難しく、より狭ピッチ化/狭ギャップ化する半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりの向上が困難であるという問題があった。
本発明の目的は、半田接合部の導電性、および信頼性を両立し、より狭ピッチ化/狭ギャップ化した半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりを向上させる接着フィルムを供給すること、および半田接合部の信頼性の向上した半導体装置を供給することである。
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1)相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する接着フィルムであ
って、前記接着フィルムは、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記接着フィルムを介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された構造を有する電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をYとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする接着フィルム。
(2)前記電子装置を、−55℃〜125℃において、250サイクルの温度サイクル処理をしたとき、導通抵抗値の変動率が0%以上、500%以下である(1)に記載の接着フィルム。
(3)前記電子装置における前記第一電子部品が、バンプの高さが30μm以下、バンプ間の距離が15μm以上、バンプの数が80個以上、半導体素子の面積が16mm2以上
、厚さが200μm以下、の構成を1以上備える第一半導体素子である(1)または(2)に記載の接着フィルム。
(4)前記電子装置における前記第二電子部品の面積が、前記第一電子部品の面積より大きく、前記第二電子部品は積層方向から見た平面視の前記第一電子部品の外郭の外側にワイヤーボンディングパッドを有する第二半導体素子であって、前記ワイヤーボンディングパッドと金属ワイヤーを介して配線基板と電気的に接続され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、前記金属ワイヤーと、前記配線基板と、が封止樹脂により封止されている(1)〜(3)のいずれかに記載の接着フィルム。
(5)前記電子装置における前記配線基板が、リードフレームである(4)に記載の接着フィルム。
(6)前記接着フィルムの波長700nmにおける光透過率が、15%以上100%以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の接着フィルム。
(7)前記充填材を10重量%以上、70重量%以下含む(1)〜(6)のいずれかに記載の接着フィルム。
(8)前記充填材が、無機充填材である(1)〜(7)のいずれかに記載の接着フィルム。
(9)さらに、エポキシ樹脂、硬化剤、およびフィルム形成性樹脂を含む(1)〜(8)のいずれかに記載の接着フィルム。
(10)さらに、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物を含む(1)〜(9)のいずれかに記載の接着フィルム。
(11)前記化合物が3%以上20%以下含まれる(10)に記載の接着フィルム。
(12)前記化合物が、1分子中に2つ以上のフェノール性水酸基と、1つ以上のカルボキシル基とを備える(10)または(11)に記載の接着フィルム。
(13)ベースフィルムと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、接着シート。
(14)ダイシングシートと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート一体型接着フィルム。
(15)バックグラインドテープと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
(16)ダイシングシートとバックグラインドテープとを兼ねたダイシングシート兼バックグラインドテープと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
(17)(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムを含む、半導体装置。
(1)相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する接着フィルムであ
って、前記接着フィルムは、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記接着フィルムを介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された構造を有する電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をYとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする接着フィルム。
(2)前記電子装置を、−55℃〜125℃において、250サイクルの温度サイクル処理をしたとき、導通抵抗値の変動率が0%以上、500%以下である(1)に記載の接着フィルム。
(3)前記電子装置における前記第一電子部品が、バンプの高さが30μm以下、バンプ間の距離が15μm以上、バンプの数が80個以上、半導体素子の面積が16mm2以上
、厚さが200μm以下、の構成を1以上備える第一半導体素子である(1)または(2)に記載の接着フィルム。
(4)前記電子装置における前記第二電子部品の面積が、前記第一電子部品の面積より大きく、前記第二電子部品は積層方向から見た平面視の前記第一電子部品の外郭の外側にワイヤーボンディングパッドを有する第二半導体素子であって、前記ワイヤーボンディングパッドと金属ワイヤーを介して配線基板と電気的に接続され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、前記金属ワイヤーと、前記配線基板と、が封止樹脂により封止されている(1)〜(3)のいずれかに記載の接着フィルム。
(5)前記電子装置における前記配線基板が、リードフレームである(4)に記載の接着フィルム。
(6)前記接着フィルムの波長700nmにおける光透過率が、15%以上100%以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の接着フィルム。
(7)前記充填材を10重量%以上、70重量%以下含む(1)〜(6)のいずれかに記載の接着フィルム。
(8)前記充填材が、無機充填材である(1)〜(7)のいずれかに記載の接着フィルム。
(9)さらに、エポキシ樹脂、硬化剤、およびフィルム形成性樹脂を含む(1)〜(8)のいずれかに記載の接着フィルム。
(10)さらに、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物を含む(1)〜(9)のいずれかに記載の接着フィルム。
(11)前記化合物が3%以上20%以下含まれる(10)に記載の接着フィルム。
(12)前記化合物が、1分子中に2つ以上のフェノール性水酸基と、1つ以上のカルボキシル基とを備える(10)または(11)に記載の接着フィルム。
(13)ベースフィルムと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、接着シート。
(14)ダイシングシートと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート一体型接着フィルム。
(15)バックグラインドテープと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
(16)ダイシングシートとバックグラインドテープとを兼ねたダイシングシート兼バックグラインドテープと、(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
(17)(1)〜(12)のいずれかに記載の接着フィルムを含む、半導体装置。
本発明によれば、半田接合部の導電性、および信頼性を両立し、より狭ピッチ化/狭ギ
ャップ化した半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりを向上させる接着フィルムを供給すること、および半田接合部の信頼性の向上した半導体装置を供給することができる。
ャップ化した半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりを向上させる接着フィルムを供給すること、および半田接合部の信頼性の向上した半導体装置を供給することができる。
本発明の接着フィルムは、相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する接着フィルムであって、前記接着フィルムは、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記樹脂組成物を介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値Yとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする。
また、本発明の接着フィルムは、ベースフィルムと、前記接着フィルムと、を積層したものである。
また、本発明のダイシングシート一体型接着フィルムはダイシングシートと、前記接着フィルムと、を積層したものである。
また、本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムは、バックグラインドテープと、前記接着フィルムと、を積層したものである。
また、本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムは、ダイシングシート兼バックグラインドテープと、前記接着フィルムと、を積層したものである。
また、本発明の半導体装置は、前記接着フィルムを含む。
以下、本発明の接着フィルム、接着シート、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム及び半導体装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<半導体装置>
図1は、本発明の接着フィルムを用いて製造された半導体装置の一例を示す模式図(図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)中のX−X線断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1は、本発明の接着フィルムを用いて製造された半導体装置の一例を示す模式図(図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)中のX−X線断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す半導体装置100は、半導体チップ20と、半導体チップ20を支持するインターポーザー30と、複数の導電性を有するバンプ70とを有している。
半導体チップ20の平面視形状は、図1(a)に示すように、正方形状である。また、半導体チップ20は、その下面に、インターポーザー30と電気的に接合するための複数の電極21を有している。この電極21は、半導体チップ20の下面に形成されており、特に限定されないが、例えば、銅等の導電性金属材料で構成されている。
また、インターポーザー30は、絶縁基板であり、例えばポリイミド・エポキシ・シアネート・ビスマレイミドトリアジン(BTレジン)等の各種樹脂材料で構成されている。このインターポーザー30の平面視形状は、図1(a)に示すように、正方形状である。さらに、インターポーザー30は、その上面(一方の面)に、例えば、銅等の導電性金属材料で構成されている複数の電極31を有している。
電極31は、半導体装置100において、半導体チップ20に設けられている電極21に対応するように、インターポーザー30上面に設けられている。そして、それぞれ対応する電極21と電極31とは、半田接合部81を介して電気的に接続されている。半田接合部81は、導電性金属で構成されている。半田接合部81を構成する導電性金属は、例えば半導体チップ20に設けられている電極21表面に予め設けられている電極21表面の少なくとも一部を覆う低融点の金属組成物からなる半田が変形して構成されたものである。電極21の形状は、特に限定されないが、ピラー形状を持つ金属ポストを用いることができる。金属ポストは、導電性の金属で形成されていれば特に限定されないが、銅、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、金等を用いることができる。
また、前記電極21と前記予め設けられている半田との間に、金属による薄膜を設けることができる。例えば、金等で構成される薄膜を有することで、前記半田の濡れ性を促進させる効果を有し、ニッケル等のバリアメタル層を有することで、半田が、端子21内に拡散することを防止するという効果を有する。このような薄膜は、単層であってもよく、複数の層を有してもよい。また、複数の層を有する場合、同じ金属より構成される層を複数有してもよく、また、異なる金属より構成される層を複数有してもよい。また、このような薄膜は、0.01μm以上、2μm以下が好ましく、0.05μm以上、1μm以下がより好ましい。前記下限値以上であることにより、前記金属組成物との密着性において、十分な効果を有することができ、また前記下限値以下であることにより、コストの観点から有利になる。さらに、電極31にも予め低融点の金属組成物からなる半田を設けることや、電極31自体を接続部81を構成する低融点の金属組成物からなる半田で構成することもでき、これらを組み合わせることもできる。
このような半田を構成する低融点の金属組成物とは、導電性を有し、低融点のものであれば特に限定されないが、例えば、錫、銀、鉛、亜鉛、ビスマス、インジウム及び銅からなる群から選択される少なくとも2種以上を含む合金等が挙げられる。また、金属の融点は280℃以下が好ましく、より好ましくは260℃以下である。前記好ましい範囲であることにより、接続部の形成における加熱をより低い温度で行うことができ、これにより後述する封止層の発泡を抑制することができる。これにより本発明の半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、図1に示すように、電極31は、インターポーザー30に形成されている凹部内に設置されている。また、電極21は、半導体チップ20から突出するピラー形状をなしている。ここで、電極21は、金属ポストであって、円柱形状をなしているが、円柱形状に限られず、直方体形状や、円錐形状等をなすこともできる。
また、インターポーザー30には、その厚さ方向に貫通して、図示しない複数のビア(スルーホール:貫通孔)が形成されている。
各バンプ70は、それぞれ、各ビアを介して、一端(上端)が電極31の一部に電気的に接続され、他端(下端)は、インターポーザー30の下面(他方の面)から突出している。
バンプ70のインターポーザー30から突出する部分は、ほぼ球形状(Ball状)をなしている。
このバンプ70は、例えば、半田、銀ろう、銅ろう、燐銅ろうのようなろう材を主材料として構成されている。
また、半導体チップ20と、インターポーザー30との間の間隙には、各種樹脂材料で構成される封止材が充填され、この封止材の硬化物により、封止層80が形成されている。この封止層80は、半導体チップ20と、インターポーザー30との接合強度を向上させる機能や、前記間隙への異物や水分等の浸入を防止する機能を有している。
かかる構成の電子部品100において、封止層80の形成に、本発明の接着フィルムが適用される。
かかる構成の電子部品100において、封止層80の形成に、本発明の接着フィルムが適用される。
上記のように、本発明における半導体装置について、図1に記載の実施形態を中心に説明したが、当該実施形態に限定されない。例えば、前記半導体チップの部分には、半導体チップの他に、電子回路が作り込まれた半導体ウエハ及びシリコン基板、または、インターポーザー、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキシブル基板等のプリント配線板を用いることもでき、前記インターポーザ−の部分には、インターポーザーの他に、半導体チップ、電子回路が作り込まれた半導体ウエハ及びシリコン基板、または、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキシブル基板等のプリント配線板を用いることができる。また、図1に記載の実施形態は、正方形状の態様について説明したが、長方形状のものも用いることができる。また、本発明の半導体装置は、インターポーザー上に複数の半導体チップを、その厚み方向に複数個積層し、複数の半導体チップ間、および半導体チップとインターポーザー間を電気的に接合する接合部を有し、該接合部を封止する複数の封止層を有し、これらの封止層に本発明のフィルム状の電極接続用樹脂組成物が適用された半導体装置も含まれる。このような半導体装置には、半導体チップにおいて、TSVチップ(Through Silicon Vear Chip)を好適に用いることができる。
<接着フィルム>
本発明の接着フィルムは、相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の電極接続用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記樹脂組成物の最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記樹脂組成物を介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との
間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値Yとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする。
本発明の接着フィルムは、相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の電極接続用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記樹脂組成物の最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記樹脂組成物を介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との
間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値Yとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする。
前記接着フィルムは、上記のような特徴を有することで、半田接合部の導電性、および信頼性を両立し、より狭ピッチ化/狭ギャップ化した半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりを向上させることができる。つまり、前記接着フィルムが平均粒径が0.01μm以上、1μm以下である充填材を含むことで半田接合部における信頼性と、半田接合部の導電性のバランスを保つことができる。つまり、平均粒径が前記下限値以上であることにより、半田接合部における十分な信頼性を確保し、前記上限値以下であることにより、半田接合部に充填材が噛み込むことにより、半田接合部の導電性を低下させることを防ぐことができる。また、電極間を接続する際に、前記接着フィルムにおける最低溶融粘度を示す温度付近で半導体チップ等の電子部品を接着する。これにより、狭ピッチ化/狭ギャップ化した半田接合部においてボイド無く接着すること、並びに半田接合部における接着フィルムの噛み込みを防止することが必要となるが、このとき、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であることにより、半田接合部周囲からボイドが抜ける前に前記接着フィルムが硬化することを防止し、またバンプと端子が接合する前に前記接着フィルムの溶融粘度が上昇し接着フィルムが半田接合部に噛み込むことを防止し、さらには半導体装置の製造における歩留まりを向上させることができる。また、前記充填材の平均粒径が0.01μm以上、1μm以下であることと、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であることを組合せることにより、半田接合部に充填材が噛み込むことをより効果的に防ぐことができ、半田接合部における導電性、および信頼性をより向上させることができる。
また、前記接着フィルムは、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記接着フィルムを介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値Yとして、1<X/Y<1000であるとの特徴を有する。このような特徴を有することで、あらゆる半導体装置の半田接合部における導電性および信頼性を向上させることができる。
前記接着フィルムは、充填材を含有する。この接着フィルムは、特に限定されないが、充填材を含有する樹脂組成物から構成されていることが好ましい。また、前記樹脂組成物は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物が好ましい。硬化性樹脂組成物を用いることで、半田接合部における信頼性を向上し、さらに本発明の半導体装置の信頼性を向上させることができる。硬化性樹脂組成物としては、加熱により硬化する熱硬化性樹脂組成物や、化学線を照射することにより硬化する硬化性樹脂組成物等が挙げられ、これらの中でも、加熱により硬化する熱硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。加熱により硬化する熱硬化性樹脂組成物は、硬化後の機械特性に優れることや、保存安定性に優れる。
加熱により硬化する熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分を含有し、熱硬化性樹脂成分の他に、必要に応じてフラックス機能を有する化合物、フィルム形成性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、シランカップリング剤等を含んでもよい。
(i)熱硬化性樹脂
熱硬化性樹脂成分は、加熱することにより溶融し硬化するものであれば特に限定されないが、通常、半導体装置製造用の接着剤成分として使用できるものが用いることができる。
熱硬化性樹脂成分は、加熱することにより溶融し硬化するものであれば特に限定されないが、通常、半導体装置製造用の接着剤成分として使用できるものが用いることができる。
このような熱硬化性樹脂成分としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)、ジアリルフタレート樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。特に、これらの中でも、硬化性と保存性、硬化物の耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れるという観点からエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂を用いることで、前記接着フィルムと被着体である半導体チップ等の電子部品との密着をより強くすることができ、これにより、半田接合部の信頼性、および本発明の半導体装置における信頼性を向上することができる。また、硬化による体積収縮が小さいため、接着する電子部品間における厚み均一性がより良好となる。なお、これらの硬化性樹脂成分は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されず、室温で液状および室温で固形状のいずれのエポキシ樹脂をも使用することができる。また、室温で液状のエポキシ樹脂と室温で固形状のエポキシ樹脂とを併用することも可能である。液状のエポキシ樹脂を用いる場合、特に、液状のエポキシ樹脂を単独で用いる場合は、さらに、フィルム形成性樹脂成分を硬化性樹脂組成物が含有する構成とするのが好ましい。
室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種を組み合わせて用いることができる。
室温で液状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜300g/eqであることが好ましく、160〜250g/eqであることがより好ましく、170〜220g/eqであることが特に好ましい。前記エポキシ当量が前記下限未満になると、用いるエポキシ樹脂の種類によっては、硬化物の収縮率が大きくなる傾向があり、前記電極接続用樹脂組成物を含む半導体装置やこの半導体装置を備える電子機器に反りが生じるおそれがある。また、前記上限を超えると、硬化性樹脂組成物にフィルム形成性樹脂成分を併用する構成とした場合に、フィルム形成性樹脂成分、特にポリイミド樹脂との反応性が低下する傾向をしめすことがある。
さらに、室温(25℃)で固形状のエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、3官能エポキシ樹脂、4官能エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂を用いると、樹脂組成物に熱時の密着性や耐熱性を付与することができるため、より好ましい。
これらの中でも、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂を用いると、樹脂組成物に熱時の密着性や耐熱性を付与することができるため、より好ましい。
なお、室温で固形状のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、150〜3000g/eqが好ましく、160〜2500g/eqがより好ましく、170〜2000g/eqが特に好ましい。
室温で固形状のエポキシ樹脂の軟化点は、40〜120℃程度であることが好ましく、50〜110℃程度であることがより好ましく、60〜100℃程度であることが特に好ましい。前記軟化点が前記下限値以上であることにより、前記樹脂組成物のタック性を抑えることができ、前記接着フィルムを容易に取り扱うことが可能となり、前記軟化点が前記上限値以下であることにより、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度を低く設計することが容易となり、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差を30℃以上とすることが容易となる。
また、前記接着フィルムにおいて、前述した硬化性樹脂成分の配合量は、使用する硬化性樹脂成分の組成に応じて適宜設定することができる。
例えば、硬化性樹脂成分の配合量は、前記樹脂組成物中において、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることがさらに好ましく、20重量%以上であることが特に好ましい。また、90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましく、80重量%以下であることがさらに好ましく、75重量%以下であることがさらにより好ましく、65重量%以下であることがなお好ましく、60重量%以下であることが特に好ましい。
前記接着フィルムにおける硬化性樹脂成分の配合量が前記範囲内にあると、前記半導体装置における半田接合部の接着強度を十分に確保することが可能となる。
(ii)フィルム形成性樹脂成分
前述したように、前記接着フィルムは、前記硬化性樹脂成分の他に、さらにフィルム形成性樹脂成分を含有するのが好ましい。フィルム形成性樹脂成分を含むことで、前記接着フィルムの成膜性が向上し、生産性が向上する。併せて、前記接着フィルムの厚み均一性が向上し、本発明の半導体装置における厚み均一性も向上させることができる。
前述したように、前記接着フィルムは、前記硬化性樹脂成分の他に、さらにフィルム形成性樹脂成分を含有するのが好ましい。フィルム形成性樹脂成分を含むことで、前記接着フィルムの成膜性が向上し、生産性が向上する。併せて、前記接着フィルムの厚み均一性が向上し、本発明の半導体装置における厚み均一性も向上させることができる。
このようなフィルム形成性樹脂成分としては、単独で成膜性を有するものであれば特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれのものも使用することができ、また、これらを組み合わせて用いることもできる。
具体的には、フィルム形成性樹脂成分としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら中でも、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
なお、本明細書中において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸およびその誘導体の重合体、または(メタ)アクリル酸およびその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリル酸」等と表記するときは、「アクリル酸またはメタクリル酸」等を意味する。
(メタ)アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポ
リアクリル酸−2−エチルヘキシル等のポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体が好ましい。
リアクリル酸−2−エチルヘキシル等のポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリルアミド、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、アクリル酸ブチル−アクリル酸エチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリロニトリル−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体が好ましい。
また、フェノキシ樹脂の骨格は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、ビフェノールタイプおよびビフェニルタイプ等が挙げられる。また、フェノキシ樹脂は吸水率の低いものが好ましく、吸水率が2%以下のものが好ましく、1%以下であるものが更に好ましい。また、フェノキシ樹脂のエポキシ当量について、特に限定されないが、エポキシ当量が大きいほど熱硬化性樹脂成分として機能することがなく樹脂組成物の硬化性を制御する上で弊害にならないため好ましく、具体的にはエポキシ当量が3000g/eq以上が好ましく、5000g/eq以上であることが更に好ましい。
また、ポリイミド樹脂としては、繰り返し単位中にイミド結合を持つ樹脂であれば特に限定されず、例えば、ジアミンと酸二無水物を反応させ、得られたポリアミド酸を加熱、脱水閉環することにより得られるものが挙げられる。
ジアミンとしては、特に限定されず、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン等のシロキサンジアミンが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリイミド樹脂としては、溶剤に可溶なものでも、不溶なものでもよいが、他の成分(硬化性樹脂成分)と混合する際のワニス化が容易であり、取扱性に優れている点で溶剤可溶性のものが好ましい。特に、様々な有機溶媒に溶解できる点でシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
フィルム形成性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、8,000〜1,000,000程度であるのが好ましく、8,500〜950,000程度であるのがより好ましく、9,000〜900,000程度であるのがさらに好ましい。フィルム形成性樹脂の重量平均分子量が前記の範囲であると、成膜性を向上させることが可能で、かつ、硬化前の樹脂組成物の流動性を抑制することができる。
なお、フィルム形成性樹脂の重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定することができる。
また、フィルム形成性樹脂成分としては、このものの市販品を使用することができ、さらに、本発明の効果を損ねない範囲で、可塑剤、安定剤、無機フィラー、帯電防止剤、低応力剤、酸化防止剤、レベリング剤や顔料等の各種添加剤を配合したものを使用することもできる。
また、前記接着フィルムにおいて、前述したフィルム形成性樹脂成分の配合量は、使用する樹脂組成物の成分に応じて適宜設定することができる。
例えば、フィルム形成性樹脂成分の配合量は、前記樹脂組成物中において、0.1重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、5重量%以上であることがさらに好ましい。また、50重量%以下であることが好ましく、35重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましい。フィルム形成性樹脂成分の配合量が前記範囲内にあると溶融前の接着フィルムの流動性を抑制することができ、前記接着フィルムを容易に取り扱うことが可能となる。
(iii)フラックス機能を有する化合物
前記接着フィルムは、前記硬化性樹脂成分の他に、さらにフラックス機能を有する化合物を含有する構成とするのが好ましい。フラックス機能を有する化合物は、端子等の電極表面に形成された金属酸化膜を除去する作用を有するものである。そのため、樹脂組成物中に、かかる化合物が含まれていると、後述する、半導体装置の製造方法で詳述するように、たとえ電極表面に酸化膜が形成されたとしても、この化合物の作用により酸化膜を確実に除去することができる。その結果、電子部品間を電気的に接続させる接合工程において、半田成分の濡れ性が向上することで、電極間において広い範囲に濡れ拡がり、広い範囲で接合されることにより、電極間を確実に電気的に接続させることができる。これにより、半田接合部における信頼性が向上し、半導体装置の製造における歩留まりを向上させることができる。
前記接着フィルムは、前記硬化性樹脂成分の他に、さらにフラックス機能を有する化合物を含有する構成とするのが好ましい。フラックス機能を有する化合物は、端子等の電極表面に形成された金属酸化膜を除去する作用を有するものである。そのため、樹脂組成物中に、かかる化合物が含まれていると、後述する、半導体装置の製造方法で詳述するように、たとえ電極表面に酸化膜が形成されたとしても、この化合物の作用により酸化膜を確実に除去することができる。その結果、電子部品間を電気的に接続させる接合工程において、半田成分の濡れ性が向上することで、電極間において広い範囲に濡れ拡がり、広い範囲で接合されることにより、電極間を確実に電気的に接続させることができる。これにより、半田接合部における信頼性が向上し、半導体装置の製造における歩留まりを向上させることができる。
このようなフラックス機能を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく用いられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メシトール、3,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、カテコール、p−tert−アミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のフェノール製水酸基を含有する樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。前記脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。前記脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。前記芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。前記芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ピメリン酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、下記式(1):
HOOC−(CH2)n−COOH (1)
(式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく用いられ、これらのうち、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましく用いられる。
HOOC−(CH2)n−COOH (1)
(式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく用いられ、これらのうち、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましく用いられる。
芳香族カルボン酸の構造は、特に限定されないが、下記式(2)または下記式(3)で表される化合物が好ましい。
このような芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸、3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸、3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)安息香酸、4−(3−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、3−フェノキシ安息香酸、4−フェノキシ安息香酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなフラックス機能を有する化合物は、フラックス作用を示すとともに、硬化性樹脂成分を硬化する硬化剤としての機能、すなわち、硬化性樹脂成分と反応可能な官能基を有するものであるのが好ましい。
このような官能基は、硬化性樹脂成分の種類に応じて適宜選択され、例えば、硬化性樹脂成分がエポキシ樹脂の場合、カルボキシル基、水酸基、アミノ基のようなエポキシ基と反応可能な官能基が挙げられる。このようなフラックス機能を有する化合物は、硬化性樹脂組成物の溶融時に、低融点の金属組成物表面に形成された酸化膜を除去してこれらの表面の濡れ性を高め、接続部81を容易に形成し、前記第一の端子と前記第二の端子とを電気的に接続することが可能となる。さらに、接続部により端子間に電気的な接続が完了した後においては、この化合物は、硬化剤として作用し、硬化性樹脂成分に付加して樹脂の弾性率またはTgを高める機能を発揮する。したがって、このようなフラックス機能を有する化合物をフラックスとして用いるとフラックス洗浄が不要であり、また、フラックスの残存に起因するイオンマイグレーションの発生等を的確に抑制または防止することが可
能となる。
能となる。
このような作用を備えるフラックス機能を有する化合物としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。例えば、硬化性樹脂成分がエポキシ樹脂の場合、脂肪族ジカルボン酸およびカルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物等が挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2個結合した化合物が挙げられる。前記脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の非環式であってもよいし、飽和または不飽和の環式であってもよい。また、脂肪族炭化水素基が非環式の場合には直鎖状でも分岐状でもよい。
このような脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、前記式(1)においてnが1〜20の整数である化合物が挙げられる。前記式(1)中のnが前記範囲内にあると、フラックス活性、接着時のアウトガスおよび硬化性樹脂組成物の硬化後の弾性率およびガラス転移温度のバランスが良好となる。特に、硬化性樹脂組成物の硬化後の弾性率の増加を抑制し、インターポーザー30等の被接着物との接着性を向上させることができるという観点から、nは3以上であることが好ましく、弾性率の低下を抑制し、接続信頼性をさらに向上させることができるという観点から、nは10以下であることが好ましい。
また、前記式(1)で示される脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。中でも、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデンカン二酸が好ましく、セバシン酸がより好ましい。
さらに、カルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物としては、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。中でも、フェノールフタリン、ゲンチジン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−(3−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸が好ましく、フェノールフタリン、ゲンチジン酸がより好ましい。
前述のようなフラックス機能を有する化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用して用いるようにしてもよい。
なお、いずれの化合物も吸湿しやすく、ボイド発生の原因となるため、本発明においては、使用前に予め乾燥させることが好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量は、使用する樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができる。
このようなフラックス機能を有する化合物の含有量は、前記樹脂組成物の全重量に対して、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上が特に好ましい。また、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましく、25重量%以下が特に好ましい。
フラックス機能を有する化合物の含有量が前記範囲内であると、電極等の表面等に形成された酸化膜を確実に除去することができ、これにより電極間を確実に電気的に接合させることができる。さらに、フラックス機能を有する化合物が硬化性樹脂成分と反応可能な化合物の場合、硬化時に、硬化性樹脂成分に効率よく付加して硬化性樹脂組成物の弾性率またはTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。これにより、半田接合部における信頼性が向上し、本発明の半導体装置でも高い信頼性を実現し、半導体装置の製造における歩留まりを向上させることができる。
(iv)硬化剤
硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール類、アミン類、チオール類等が挙げられる。このような硬化剤は、硬化性樹脂成分の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化および硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性等)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、硬化性樹脂成分の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましく用いられる。なお、このような硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール類、アミン類、チオール類等が挙げられる。このような硬化剤は、硬化性樹脂成分の種類等に応じて適宜選択することができる。例えば、硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用する場合には、エポキシ樹脂との良好な反応性、硬化時の低寸法変化および硬化後の適切な物性(例えば、耐熱性、耐湿性等)が得られる点で硬化剤としてフェノール類を用いることが好ましく、硬化性樹脂成分の硬化後の物性が優れている点で2官能以上のフェノール類がより好ましく用いられる。なお、このような硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、ビフェノール、ビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、トリスフェノール、テトラキスフェノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、溶融粘度、エポキシ樹脂との反応性が良好であり、硬化後の物性が優れている点でフェノールノボラック樹脂およびクレゾールノボラック樹脂が好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前述した硬化剤の配合量は、使用する硬化性樹脂成分や硬化剤の種類、およびフラックス機能を有する化合物が硬化剤として機能する官能基を有する場合、その官能基の種類や使用量によって適宜設定される。
例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合、硬化剤の含有量は前記樹脂組成物の全重量に対して、0.1重量%以上であることが好ましく、4重量%以上であることがより好ましく、8重量%以上であることがさらに好ましい。また、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。硬化剤の含有量が前記範囲内にあると電極間に形成された接続部の電気的接続強度および機械的接着強度を十分に確保することができ、半田接合部の信頼性、および本発明の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
(v)硬化促進剤
また、前述したように、前記接着フィルムには、さらに、硬化促進剤を添加することができる。これにより、前記接着フィルムを、確実かつ容易に硬化させることができ、前記封止層を確実に形成することができる。これにより、半田接合部の信頼性、および本発明の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、前述したように、前記接着フィルムには、さらに、硬化促進剤を添加することができる。これにより、前記接着フィルムを、確実かつ容易に硬化させることができ、前記封止層を確実に形成することができる。これにより、半田接合部の信頼性、および本発明の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−
ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂組成物において、前述した硬化促進剤の配合量は、使用する硬化促進剤の種類、樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができる。
例えば、イミダゾール化合物を使用する場合には、イミダゾール化合物の配合量は、前記樹脂組成物中において0.001重量%以上であることが好ましく、0.003重量%以上であることがより好ましく、0.005重量%以上であることがさらに好ましい。また、1.0重量%以下であることが好ましく、0.7重量%以下であることがより好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。イミダゾール化合物の配合量が前記下限未満になると、用いる硬化促進剤の種類によっては、硬化促進剤としての作用が十分に発揮されず、硬化性樹脂組成物を十分に硬化できない傾向を示すことがある。また、イミダゾール化合物の配合量が前記上限を超えると、硬化性樹脂成分の硬化が完了する前に溶融状態の半田が十分な濡れ性を発揮できず、電気的な接続が不十分となるおそれがある。
(vi)シランカップリング剤
また、前述したように、前記接着フィルムには、さらに、シランカップリング剤を添加することができる。
また、前述したように、前記接着フィルムには、さらに、シランカップリング剤を添加することができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシランカップリング剤、芳香族含有アミノシランカップリング剤等が挙げられる。このようなシランカップリング剤を添加することにより、前記接着フィルムと被着体との密着性、特にインターポーザー等の有機材料を含む電子部品との密着性を高めることができる。
なお、このようなシランカップリング剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いることもできる。
また、前記樹脂組成物において、前述したシランカップリング剤の配合量は、前記被着体や硬化性樹脂成分等の種類に応じて適宜設定される。例えば、前記樹脂組成物中において0.01重量%以上であることが好ましく、0.05重量%以上であることがより好ましく、0.1重量%以上であることがさらに好ましい。また、2重量%以下であることが好ましく、1.5重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。
(vii)充填材
また、前記樹脂組成物は、充填材を含む。これにより、樹脂組成物に様々な物性を付加することや、信頼性の向上を図ることができる。充填材としては、樹脂成分を含む樹脂粒
子、ゴム成分を含むゴム粒子等の有機材料による有機充填材や、シリカ等の無機充填材を挙げることができるが、信頼性の向上という観点から、無機充填材が好ましい。無機充填材を含むことで、前記封止層の線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
また、耐衝撃性の向上という観点から、有機充填材と無機充填材を併用することが好ましく、中でも、有機充填材としては、アクリルゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム等のゴム成分を含むゴム粒子がより好ましい。前記有機充填材を含むことで、無機充填材を用いる上記効果に加えて、前記封止層の靱性を高めることができ、それによって耐衝撃性を向上することができる。
また、前記樹脂組成物は、充填材を含む。これにより、樹脂組成物に様々な物性を付加することや、信頼性の向上を図ることができる。充填材としては、樹脂成分を含む樹脂粒
子、ゴム成分を含むゴム粒子等の有機材料による有機充填材や、シリカ等の無機充填材を挙げることができるが、信頼性の向上という観点から、無機充填材が好ましい。無機充填材を含むことで、前記封止層の線膨張係数を低下することができ、それによって信頼性を向上することができる。
また、耐衝撃性の向上という観点から、有機充填材と無機充填材を併用することが好ましく、中でも、有機充填材としては、アクリルゴム、シリコンゴム、ブタジエンゴム等のゴム成分を含むゴム粒子がより好ましい。前記有機充填材を含むことで、無機充填材を用いる上記効果に加えて、前記封止層の靱性を高めることができ、それによって耐衝撃性を向上することができる。
無機充填材は、特に限定されないが、例えば、銀、酸化チタン、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、これらを複数種含めることもできる。このように無機充填材は複数種から選択することができるが、コスト等の観点からシリカを好ましく用いることができる。また、熱伝導性等の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、等を用いることもできる。シリカの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
前記無機充填材の平均粒径は、0.01μm以上、1μm以下であるが、0.05μm以上、0.5μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上、0.3μm以下であるのがより好ましい。前記好ましい範囲とすることで、前記接着フィルムの透明性を向上させることができ、電子部品の端子上に接着フィルムを構成したときに、前記接着フィルムを通して前記端子形状を確認することができるため、接続時の位置ずれを防止し、さらに生産性を向上させることができる。また、樹脂組成物における充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
前記充填材の含有量は、前記樹脂組成物に対して10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましく、30重量%以上であることがさらに好ましい。また、70重量%以下であることが好ましく、65重量%以下であることがより好ましく、60重量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、半田接合部における信頼性を向上させつつ、前記接着フィルムの透明性をより向上させることができる。また、前記接着フィルムにおける充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。また、上記範囲とすることで、硬化後の封止層と被接体との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接体との密着をさらに向上させることができる。さらに、硬化後の封止層の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができ、併せて半田接合部に充填材が巻き込まれることを防止するため、半導体装置の信頼性をより向上させることができる。
なお、前記接着フィルムには、前述した各成分の他に、さらに、可塑剤、安定剤、粘着付与剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、低応力剤、レベリング剤および顔料等が配合されていてもよい。また、熱硬化成分に併せて、潜在性硬化剤を配合されていてもよい。潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド型潜在性硬化剤、アミンアダクト型潜在性硬化剤、有機酸ヒドラジド型潜在性硬化剤、芳香族スルホニウム塩型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、光硬化型潜在性硬化剤が挙げられ、中でもアミンアダクト型潜在性硬化剤等を含むことで、接着フィルムの保存安定性と、速硬化性のバランスを取ることができる。
前記接着フィルムは、例えば、以下のような製造方法により、製造することができる。
前記接着フィルムを構成する樹脂組成物を、有機溶剤に溶解・分散させて得られたワニスを、基材等に塗布した後、所定の温度で乾燥させることにより、基材層と接着フィルム
の積層体を得ることができる。前記基材は、接着フィルムを支持し、接着フィルムの使用時において剥離することができるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルシートや、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリイミドシート、ポリスチレンシート、ポリカーボネートシート等を用いることができる。また、接着フィルムを基材から好適に剥がすために、表面を剥離処理してもよい。剥離処理には、表面にシリコン離型剤を形成する方法や、アルキッド樹脂離型剤を形成する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
の積層体を得ることができる。前記基材は、接着フィルムを支持し、接着フィルムの使用時において剥離することができるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルシートや、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリイミドシート、ポリスチレンシート、ポリカーボネートシート等を用いることができる。また、接着フィルムを基材から好適に剥がすために、表面を剥離処理してもよい。剥離処理には、表面にシリコン離型剤を形成する方法や、アルキッド樹脂離型剤を形成する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
ここで、前記基材の破断強度は、特に限定されないが、160MPa以上、300MPa以下が好ましく、180MPa以上、280MPa以下がより好ましい。前記下限値以上であることにより、接着フィルムの製造中や、使用時に、意図せず破断してしまうことを防ぐことができ、前記下限値以下であることで、製造中や、使用時に好適にフィードすることができ、取扱い易く、生産性が向上する。
前記接着フィルムは、複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、が前記樹脂組成物を介して積層され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値Yとして、1<X/Y<1000であるとの特徴を有する。ここで、好ましくは1<X/Y<800、より好ましくは1<X/Y<600である。前記好ましい範囲内であることにより、より高温高湿環境下での絶縁性に優れるとの効果を得ることができる。
上記のような電子装置は広い範囲の半導体装置のモデルに該当し、このような電子装置において、110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理した処理前後における絶縁抵抗値の変化率を上記の値に制御することができる接着フィルムを半導体装置における電極間の接続に用いることで、多くの種類の半導体装置における電極間の接続信頼性を向上することができる。ここで、前記第一電子部品は、特に限定されないが、バンプの高さが30μm以下の半導体素子が好ましく、バンプの高さが20μm以下の半導体素子がより好ましい。また、前記第一電子部品は、特に限定されないが、バンプ間の距離が15μm以上の半導体素子であることが好ましい。同様に、バンプ間の距離が50μm以下の半導体素子が好ましく、30μm以下の半導体素子が好ましい。また、前記第一電子部品は、特に限定されないが、バンプの数が80個以上の半導体素子が好ましく、100個以上の半導体素子がより好ましい。さらに、前記第一電子部品は、特に限定されないが、素子の面積が16mm2以上の半導体素子が好ましく、25mm2以上がより好ましく、半導体素子の厚さが200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。前記第一電子部品が、前記好ましい範囲を満たす半導体素子であることにより、前記樹脂組成物は、より多くの種類の半導体装置における電極間の接続部における信頼性の向上をもたらすことができる。
また、前記電子装置は、特に限定されないが、前記第二電子部品の面積が、前記第一電子部品の面積より大きく、前記第二電子部品は積層方向から見た平面視の前記第一電子部品の外郭の外側にワイヤーボンディングパッドを有する第二半導体素子であって、前記ワイヤーボンディングパッドと金属ワイヤーを介して配線基板と電気的に接続され、前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、前記金属ワイヤーと、前記配線基板と、が封止樹脂により封止されている構造を有するものが好ましい。また、前記配線基板は、リードフレームであることが好ましい。前記好ましい構造を有することで、絶縁抵抗率の測定値が安定し、前記樹脂組成物を、前記好ましい絶縁抵抗率の変化率に設計することが容易になる。
ここで、絶縁抵抗値とは、接合された複数の電極間に電圧を印加した際の抵抗値であって、詳細には、電極を有する2つの電子部品について、該電極同士を相対向して接合し、接合された複数の電極を樹脂により封止した電子部品において、封止された電極間に電圧を印加した際の抵抗値である。絶縁抵抗値は、特に限定されないが、例えば以下のような測定方法により測定することができる。
表面に半田が形成された銅電極を有する第一電子部品に相当する半導体チップ(以下第一半導体チップとも言う)と、前記第一半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する第二電子部品に相当する半導体チップ(以下第二半導体チップとも言う)を対向して配置する際に前記半導体チップ間に接着フィルムを配置し、前記第一半導体チップの半田が形成された銅電極と、相対向する第二半導体チップの銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら半導体チップ同士を加熱圧着し、半田接合と前記接着フィルムによる半導体チップ間の封止によって積層チップを作製した。なお前記積層チップは、前記第一半導体チップと前記第二半導体チップが互いに電気的に接続し所定の外部電極に電圧を印加することによって、半田接続された電極間の絶縁抵抗値の測定、並びに半田接続された電極を含む導通抵抗値の測定が可能な回路設計になっている。
得られた積層チップを配線基板に搭載した後に、積層チップの外部電極と配線基板とを電気的に接続し、さらに封止樹脂によりパッケージ化することによって電子装置を作製する。このようにして得られた電子装置を半導体パッケージ評価用ソケットにセットし、該半導体パッケージ評価用ソケットの外部電極を定電圧抵抗測定装置に電気的に接続し、積層チップの電極間に電圧を印加することによって対向する電極間の絶縁抵抗値を測定することができる。このとき、積層チップにおける外部電極と、配線基板とを電気的に接続する方法は、特に限定されないが、第一半導体チップに対して、第二半導体チップの面積を大きく設計し(例えば第一半導体チップサイズを5mm×5mm、厚さを0.15mmとし、第二半導体チップサイズを7mm×7mm、厚さを0.15mmとする。)、該第二半導体チップが積層方向から見た平面視の第一半導体チップの外郭の外側にワイヤーボンディングパッド等の外部電極を有するような設計とすることにより、簡便に絶縁測定値を測定することができる。さらに配線基板をリードフレームとして、第二半導体チップに設けられたワイヤーボンディングパッドとワイヤーボンディングでリードフレームと電気的に接続することで、より低コストに、簡便に測定することができる。
また、前記接着フィルムは、前記電子装置を用いて、−55℃〜125℃において、250サイクルの温度サイクル処理をしたとき、導通抵抗値の変動率が0%以上、500%以下であることが好ましく、0%以上400%以下であることが好ましく、0%以上300%以下であることが更に好ましい。前記好ましい範囲内であることにより、前記接着フィルムは、より多くの種類の電子装置の端子間の接続部における信頼性の向上をもたらすことができる。
なお、ここで導通抵抗値の変動率は、下記の式により算出したものである。
導通抵抗値の変動率(%)=(W/U)×100
U:電子装置(評価用サンプル)の初期の導通抵抗値
W:電子装置(評価用サンプル)を温度サイクル試験器の中に設置し、−55℃の条件下に30分間、125℃の条件下に30分間ずつ交互に晒すことを1サイクルとする温度サイクル処理を250サイクル行った後の導通抵抗値
なお、ここで導通抵抗値の変動率は、下記の式により算出したものである。
導通抵抗値の変動率(%)=(W/U)×100
U:電子装置(評価用サンプル)の初期の導通抵抗値
W:電子装置(評価用サンプル)を温度サイクル試験器の中に設置し、−55℃の条件下に30分間、125℃の条件下に30分間ずつ交互に晒すことを1サイクルとする温度サイクル処理を250サイクル行った後の導通抵抗値
ここで、導通抵抗値とは、電子装置における接合された複数の電極と、電子装置に含まれる半導体チップに形成された配線(導体)とを含めた電気抵抗の値であって、詳細には、電極を有する2つの電子部品について、該電極同士を相対向して接合し、接合された複数の電極を樹脂により封止した電子部品において、接合された電極によって形成された電
子部品の配線パターンの両端に電圧を印加した際の電気抵抗の値である。導通抵抗値は、特に限定されないが、例えば前述の絶縁抵抗値測定に用いるものと同様の電子装置を電気特性評価用基板に実装した後に、半導体チップと半導体チップの導通抵抗値をデジタルマルチメーターを用いることで測定することができる。導通抵抗値の変動率は、熱処理や、温度サイクル処理前後における導通抵抗値を測定することで、導通抵抗値の変動率を求めることができる。本発明においては、前述のようにして電子装置の初期の導通抵抗値を測定した後に、温度サイクル試験器の中に前記電気特性評価用基板を設置し、−55℃の条件下に30分、125℃の条件下に30分ずつ交互に晒すことを1サイクルとする温度サイクル処理を行い、温度サイクル処理後の電子装置の導通抵抗値を再度デジタルマルチメーターで測定し、初期の導通抵抗値と温度サイクル処理後の導通抵抗値の比率を算出することによって、導通抵抗値の変動率を確認することができる。
子部品の配線パターンの両端に電圧を印加した際の電気抵抗の値である。導通抵抗値は、特に限定されないが、例えば前述の絶縁抵抗値測定に用いるものと同様の電子装置を電気特性評価用基板に実装した後に、半導体チップと半導体チップの導通抵抗値をデジタルマルチメーターを用いることで測定することができる。導通抵抗値の変動率は、熱処理や、温度サイクル処理前後における導通抵抗値を測定することで、導通抵抗値の変動率を求めることができる。本発明においては、前述のようにして電子装置の初期の導通抵抗値を測定した後に、温度サイクル試験器の中に前記電気特性評価用基板を設置し、−55℃の条件下に30分、125℃の条件下に30分ずつ交互に晒すことを1サイクルとする温度サイクル処理を行い、温度サイクル処理後の電子装置の導通抵抗値を再度デジタルマルチメーターで測定し、初期の導通抵抗値と温度サイクル処理後の導通抵抗値の比率を算出することによって、導通抵抗値の変動率を確認することができる。
前記接着フィルムは、波長700nmにおける光透過率が、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、25%以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上であることにより、前記接着フィルムは十分な透明性を有し、前記上限値以下であることで、前記接着フィルム表面の乱反射を防ぐことで、半導体装置の作製時における視認性が向上し、前記接着フィルムを通して前記端子形状を確認することができるため、接続時の位置ずれを防止し、さらに半導体装置の生産性、歩留まりを向上させることができる。
このような接着フィルムの光透過率は、特に限定されないが、例えばJISK7375等に記載の透過率測定に準じて、市販の分光透過率測定機を用いて測定することができる。市販の分光透過率測定機としては、例えば島津製作所製、分光光度計UV−160等を用いることができる。ここでは、波長400nm〜900nmで測定する接着フィルムに入射光を入射させ、透過した平行光線の割合から透過率を測定し、そのうちの波長700nmでの測定値を光透過率とした。
前記接着フィルムは、最低溶融粘度が50,000Pa・s以下が好ましく、20,000Pa・s以下がより好ましく、10,000Pa・s以下であればさらに好ましい。また、0.01Pa・s以上が好ましく、0.05Pa・s以上がより好ましく、0.1Pa・s以上であればさらに好ましい。前記上限値以下であることで、前記接着フィルムの濡れ性が向上し、封止層の内部にボイドが残ることを防止することができる。また、前記下限値以上であることにより、前記接着フィルムがフローしすぎることで、接着フィルムが半導体チップ等の電子部品等の被着体からはみ出すことにより、ツールを汚す等の不具合を防ぐことができる。
また、前記接着フィルムは、上述のような最低溶融粘度を示す温度Aが、50℃以上220℃以下が好ましく、70℃以上200℃以下がより好ましい。前記下限値以上であることにより、常温(25℃)における接着フィルムのタックが小さくなり、取扱性が低下することを防止することができ、前記上限値以下であることで、接着フィルムの熱硬化性を十分に発揮することができる。
このような最低溶融粘度は、特に限定されないが、市販の粘弾性測定装置、レオメーター等を用いて測定することができる。中でも、接着フィルムを平行に設置された円形プレート間に挟み、一定条件でトルクをかけることにより測定する回転式レオメーターを用いて測定することが好ましい。このような測定方法を用いることで、実際に半導体チップや回路基板等の電子部品等の被着体と接着する工程に準じた条件における溶融粘度を測定することができる。本発明においては粘弾性測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「MARS」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度は、10℃/分の条件で測定した溶融粘度が最小となる
値を測定値とした。
値を測定値とした。
また、前記接着フィルムは、発熱ピーク温度Bが、165℃以上250℃以下が好ましく、180℃以上235℃以下がより好ましい。前記下限値以上であることにより、接着フィルムの硬化性が遅いことに伴い流動性を確保する効果を有し、前記上限値以下であることで、接着フィルムの熱硬化性を十分に発揮することができる。
ここで、前記接着フィルムの発熱ピーク温度Bは、市販の示差走査熱量計(DSC)を用いて接着フィルムを昇温(昇温速度10℃/分)していくと、接着フィルムが反応し熱量が発生するが、その発熱量をチャートに出力しベースラインを基準として単位質量当たりの発熱量が最大となる時の温度である。このようにして得られる発熱ピーク温度は最も接着フィルムの反応/硬化が進行する温度であるが、この発熱ピーク温度が最低溶融粘度を示す温度よりも高いことによって接着フィルムの流動性を確保し、凹凸に対する埋め込み性が高く巻き込みボイドの発生を抑制することができ、また接着フィルムが半田接合部に噛み込むことを防止することができる。また、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましい。前記30℃以上であることにより、半田接合部周囲からボイドが接着フィルムの流動と共に排出される前に前記接着フィルムが硬化することを防止し、半田接合部における接合性を向上することができる。
前記接着フィルムのTgは80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。前記好ましい範囲内であることで、本発明の半導体装置における信頼性がより向上する。また、前記接着フィルムの平均線膨張率としては、α1は100ppm以下が好ましく、75ppm以下がより好ましく、50ppm以下であればさらに好ましい。前記好ましい範囲内であることで、本発明の半導体装置の信頼性がより向上する。
このようなTg、α1は、前記接着フィルムを、想定される硬化条件、例えば180℃で2時間等の硬化条件で処理し、一般的に用いられるTMA等で測定することができる。
前記接着フィルムの厚みは、使用する半導体装置の設計により、適宜設定することができる。例えば、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましい。また、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。
<接着シート>
次に、本発明の接着シートについて説明する。
本発明の接着シートは、ベースフィルムと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
次に、本発明の接着シートについて説明する。
本発明の接着シートは、ベースフィルムと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(1)に、本発明の接着シートの一形態を示す。図1(1)に示した接着シート211は、相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する際に用いられ、電極部材が備える電極同士の間に形成された空隙内に充填される本発明の接着フィルム201と、この接着フィルム201に接合され、接着フィルムを担持して接着シートの取り扱い性を高めることができるベースフィルム202とから構成されているものである。
ここで、電極が形成された電極部材としては特に限定されないが、例えば、半導体チップ、半導体ウエハのほか、有機リジッド回路基板、フレキシブル回路基板などの有機回路基板、セラミック回路基板などの無機回路基板を挙げることができる。
本発明における接着シートの形態は、図6(1)に示したものに限定されるものではなく、例えば、図6(1)において、ベースフィルムが積層されているのと反対側の接着フ
ィルム201側表面に、樹脂組成物表面を保護するためのカバーフィルムを有するものであってもよい。
ベースフィルム202は、例えば、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ表面などに、接着シート211をラミネートする際に、接着フィルム1の下地層(支持層)として機能するものである。
ィルム201側表面に、樹脂組成物表面を保護するためのカバーフィルムを有するものであってもよい。
ベースフィルム202は、例えば、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ表面などに、接着シート211をラミネートする際に、接着フィルム1の下地層(支持層)として機能するものである。
ここで、ベースフィルムの材料としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンテレフタレート、等の樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の接着シート211は、上述したように、樹脂組成物ワニスをベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。そして、必要に応じて、さらに、接着フィルム上にカバーテープを積層した形態とすることもできる。
本発明の接着シート211は、上述したように、樹脂組成物ワニスをベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。そして、必要に応じて、さらに、接着フィルム上にカバーテープを積層した形態とすることもできる。
<ダイシングシート一体型接着フィルム>
次に、本発明のダイシングシート一体型接着フィルムについて説明する。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムは、ダイシングシートと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(2)に、本発明のダイシングシート一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(2)において、ダイシングシート一体型接着フィルム212は、ダイシングシート203上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(2)に示した形態では、ダイシングシート203は、ダイシングシートの基材層203aと、ダイシングシートの粘着剤層203bの2層からなるものであり、ダイシングシートの粘着剤層203bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
次に、本発明のダイシングシート一体型接着フィルムについて説明する。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムは、ダイシングシートと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(2)に、本発明のダイシングシート一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(2)において、ダイシングシート一体型接着フィルム212は、ダイシングシート203上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(2)に示した形態では、ダイシングシート203は、ダイシングシートの基材層203aと、ダイシングシートの粘着剤層203bの2層からなるものであり、ダイシングシートの粘着剤層203bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムの形態は図6(2)に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングシートの基材層203aに直接本発明の接着フィルム201が積層された形態(すなわちダイシングシートの粘着剤層203bが存在しない形態)、あるいは、ダイシングシートの粘着層203bと接着フィルム201との間に、介在層を有した形態とすることなどもできる。
介在層を有した形態である場合、ダイシングシートの粘着剤層203bは、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着フィルム201に対する介在層の密着力よりも、介在層および基材層に対するダイシングテープの粘着剤層の密着力が大きくなる。そのため、半導体装置の製造工程において、例えば、半導体チップのピックアップ工程のような半導体装置の製造工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着シートとの界面)で好適に剥離を生じさせることができる。
介在層を有した形態である場合、ダイシングシートの粘着剤層203bは、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着フィルム201に対する介在層の密着力よりも、介在層および基材層に対するダイシングテープの粘着剤層の密着力が大きくなる。そのため、半導体装置の製造工程において、例えば、半導体チップのピックアップ工程のような半導体装置の製造工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着シートとの界面)で好適に剥離を生じさせることができる。
<ダイシングシート>
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムに用いられるダイシングシートは、一般的に用いられるどのようなダイシングシートでも用いることができる。
ダイシングシートの基材層203aの構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレ
ン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムに用いられるダイシングシートは、一般的に用いられるどのようなダイシングシートでも用いることができる。
ダイシングシートの基材層203aの構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレ
ン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
ダイシングシートの基材層203aの平均厚さは、特に限定されないが、5μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。また、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。ダイシングシートの基材層203aの平均厚さを上記範囲内とすることにより、ダイシングシートが適度な剛性を有するものとなるため、接着フィルムを確実に支持して、ダイシングシート一体型接着フィルムの取扱いを容易にするとともに、ダイシングシート一体型接着フィルムが適度に湾曲することで、接着フィルムと電極を有する被接体との密着性を高めることができる。
ダイシングシートの基材層203aの製造方法としては特に限定されないが、カレンダー法、押出成形法などの一般的な成形方法を用いることができる。また、ダイシングシートに粘着剤層203bを設ける場合には、基材層203aの表面に、粘着剤層203bを構成する材料と反応する官能基、例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基などが露出していることが好ましい。また、基材層203aと粘着剤層203bとの密着性を向上させるために、基材層203aの表面をコロナ処理またはアンカーコート等で表面処理しておくことが好ましい。
また、ダイシングシートの粘着剤層203bの構成材料としては特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む樹脂組成物で構成されているものを用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等を用いることができる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等を用いることができる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、及び、(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、及び、酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、ダイシングシートの粘着剤層203bが粘着する相手(例えば、上述した介在層、基材層203a等)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
上記ダイシングシートの粘着剤層203bの平均厚さは、特に限定されないが、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。また、100μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。ダイシングシートの粘着剤層203bの平均厚さを上記範囲内とすることにより、ダイシングシートの粘着剤層203bの形状追従性が確保され、半導体ウエハなどの接着フィルムの被接物に対する密着性をより高めることができる。
上記ダイシングシートの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングシートの基材層203a上に粘着剤層203bを塗工することにより製造することができる。また、粘着剤層203bは別途粘着剤層203b用基材上に塗工した後に、ダイシングシートの基材層203a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、ダイシングシートにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層203b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムは、例えば、基材層203aと粘着剤層203b、あるいは、基材層203aと粘着剤層203b、及び、介在層を有するダイシングシートと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層203bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム201とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<バックグラインドテープ一体型接着フィルム>
次に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムについて説明する。本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、バックグラインドテープと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(3)に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(3)において、バックグラインドテープ一体型接着シート213は、バックグラインドテープ204上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(3)に示した形態では、バックグラインドテープ204は、バックグラインドテープの基材層204aと、バックグラインドテープの粘着剤層204bの2層からなるものであり、バックグラインドテープの粘着剤層204bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
次に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムについて説明する。本発明のバックグラインドテープ一体型接着シートは、バックグラインドテープと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(3)に、本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(3)において、バックグラインドテープ一体型接着シート213は、バックグラインドテープ204上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(3)に示した形態では、バックグラインドテープ204は、バックグラインドテープの基材層204aと、バックグラインドテープの粘着剤層204bの2層からなるものであり、バックグラインドテープの粘着剤層204bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムの形態は図6(3)に示したものに限定されるものではなく、例えば、バックグラインドテープの基材層204aに直接本発明の接着フィルム201が積層された形態(すなわちバックグラインドテープの粘着剤層204bが存在しない形態)、あるいは、バックグラインドテープの粘着層204bと接着フィルム201との間に、介在層を有した形態とすることなどもできる。
上記バックグラインドテープの基材層204aの材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂からなるものが挙げられる。
上記バックグラインドテープの粘着剤層204bを形成する粘着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、重合性オリゴマーを含有し、これが重合架橋することにより粘着力が低下する粘着剤から構成されるものであることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、分子内に放射線重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、放射線重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分として含んでなる光硬化型粘着剤等が挙げられる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーをあらかじめ合成し、分子内に上記官能基と反応する官能基と放射線重合性の不飽和結合とを有する化合物と反応させることにより得ることができる。なお、本明細書において(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー及びメタクリル系ポリマーを意味するものとする。
また、上記光硬化型粘着剤は、上記重合性ポリマー及び上記多官能オリゴマー又はモノマー以外に、光重合開始剤を配合することが好ましい。これにより、紫外線等の活性光線を照射することにより、粘着剤層204bと接着フィルム201との界面の密着力を確実に低下させることができるため、粘着剤層204bの残渣が接着フィルム201表面に残ることなく、バックグラインドテープ204を接着フィルム201から確実に剥離することができる。
上記バックグラインドテープの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、バックグラインドテープの基材層204a上にバックグラインドテープの粘着剤層204bを塗工することにより製造することができる。
また、バックグラインドテープの粘着剤層204bは別途粘着剤層204b形成用の基材上に塗工した後に、バックグラインドテープの基材層204a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、バックグラインドテープの粘着剤層204bは別途粘着剤層204b形成用の基材上に塗工した後に、バックグラインドテープの基材層204a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、バックグラインドテープにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層204b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のバックグラインドテープ一体型接着フィルムは、例えば、基材層204aと粘着剤層204b、あるいは、基材層204aと粘着剤層204b、及び、介在層を有するバックグラインドテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層204bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム201とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム>
次に、本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムについて説明する。本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムは、ダイシングシート兼バックグラインドテープと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(4)に、本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(4)において、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム214は、ダイシングシート兼バックグラインドテープ205上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(4)に示した形態では、ダイシングシート兼バックグラインドテープ204は、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205aと、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bの2層からなるものであり、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層2005bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
次に、本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムについて説明する。本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムは、ダイシングシート兼バックグラインドテープと、上記本発明の接着フィルムとを積層したものである。
図6(4)に、本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムの一形態を示す。図6(4)において、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム214は、ダイシングシート兼バックグラインドテープ205上に接着フィルム201が形成された構造を有するものである。図6(4)に示した形態では、ダイシングシート兼バックグラインドテープ204は、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205aと、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bの2層からなるものであり、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層2005bと接着フィルム201とが接するように積層されている。
本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムの形態は図6(4)に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205aに直接本発明の接着フィルム201が積層された形態(すなわちダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bが存在しない形態)、あるいは、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着層205bと接着フィルム201との間に、離型性を有する介在層を有した形態とすることなどもできる。
また、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205aの材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン等により作製された、耐熱性や耐薬品性の優れたフィルムであれば使用することができる。
本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムにおいて、基材層205aの厚さは、特に限定されるものではないが、通常30〜500μmであることが好ましい。
また、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bとしては、例えば、上述したような、ダイシングシートの粘着剤層204bと同じものを適用することができる。
上記ダイシングシート兼バックグラインドテープの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205a上にダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bを塗工することにより製造することができる。
また、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bは別途粘着剤層205b形成用の基材上に塗工した後に、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層205bは別途粘着剤層205b形成用の基材上に塗工した後に、ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層205a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
また、ダイシングシート兼バックグラインドテープにさらに介在層を設ける場合は、上記粘着剤層205b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
本発明のダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムは、例えば、基材層205aと粘着剤層205b、あるいは、基材層205aと粘着剤層205b、及び、介在層を有するダイシングシート兼バックグラインドテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記粘着剤層205bまたは介在層と、接着シートの接着フィルム201とが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<半導体装置の製造方法>
次に本発明の接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
次に本発明の接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法について説明する。
[1]積層工程
[1−1]貼り付け工程
図3(a)に示すように、接着フィルム10と、半導体ウエハ40とを密着させつつ、接着フィルム10と半導体ウエハ40(電子部品の集合体)とを積層する。ここで、接着フィルム10は、予め半導体ウエハ40とほぼ同じサイズに作製されている。また、半導体ウエハ40において、接着フィルム10と接着する面は、凸状である複数の電極(図示せず)を有するものである。この半導体ウエハ40の電極を接着フィルム10で覆うように半導体ウエハ40に貼り付ける(図3(a))。
[1−1]貼り付け工程
図3(a)に示すように、接着フィルム10と、半導体ウエハ40とを密着させつつ、接着フィルム10と半導体ウエハ40(電子部品の集合体)とを積層する。ここで、接着フィルム10は、予め半導体ウエハ40とほぼ同じサイズに作製されている。また、半導体ウエハ40において、接着フィルム10と接着する面は、凸状である複数の電極(図示せず)を有するものである。この半導体ウエハ40の電極を接着フィルム10で覆うように半導体ウエハ40に貼り付ける(図3(a))。
接着フィルム10を半導体ウエハ40に貼り付ける方法としては、例えばロールラミネーター、平板プレス、ウエハラミネーター、弾性体プレス等により接着フィルム10を半導体ウエハ40にラミネートする方法が挙げられる。これらの中でもラミネート時に空気を巻き込まないようにするため、真空下でラミネートする方法(真空ラミネーター)が好ましい。
また、ラミネートする条件としては、特に限定されず、ボイドなくラミネートできればよいが、具体的には50〜150℃で1秒間〜120秒間加熱する条件が好ましく、特に60℃〜120℃で5秒間〜60秒間加熱する条件が好ましい。ラミネート条件が前記範囲内であると、貼着性と、樹脂のはみ出しの抑制効果と、樹脂の硬化度とのバランスに優れる。また、加圧条件も特に限定されないが、0.2MPa〜2.0MPaが好ましく、特に0.5MPa〜1.5MPaが好ましい。
上記積層の結果、図3(b)に示すように、接着フィルム10と半導体ウエハ40とが積層されてなる積層体が得られる。
次に、図3(c)に示すように、半導体ウエハ40における接着フィルムが接着した面と反対側の面に、ダイシングシート50を貼り付ける。ダイシングシート50は、特に限定されず、支持フィルムと粘着剤層を含む一般的に用いられているものを用いることができる。ここで、前記粘着剤層としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の樹脂組成物で構成されているものを用いることができ、これらの中でもアクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着性を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー等の光反応性モノマーおよびオリゴマーと、光重合開始剤を添加してもよい。また、前記支持フィルムは、特に限定されないが、粘着剤層に光反応性モノマー等を含む場合は、放射線透過性を有していることが好ましい。支持フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等を用いることができる。ダイシングシート50の貼り付けは、ウエハラミネーター等を用いることができる。この時、同時にウエハリング51を貼り付け、半導体ウエハを固定することが好ましい。ウエハリング51は、一般にステンレス鋼、アルミニウム等の各種金属材料等で構成されるため、剛性が高く、積層体の変形を確実に防止することができる。
[2]ダイシング工程
次に、図示しないダイサーテーブルを用意し、ダイサーテーブルとダイシングシート50とが接触するように、ダイサーテーブル上に積層体を載置する。
続いて、図4(d)に示すように、ダイシングブレード52を用いて積層体に複数の切り込み53を形成する(ダイシング)。ダイシングブレード52は、円盤状のダイヤモンドブレード等で構成されており、これを回転させつつ積層体の半導体ウエハ40側の面に押し当てることで切り込み53が形成される。そして、半導体ウエハ40に形成された回路パターン同士の間隙に沿って、ダイシングブレード52を相対的に移動させることにより、半導体ウエハ40が複数の個片化された半導体チップ20に個片化される。このとき、個片化された半導体チップ20は、それぞれ外部に電気的に接続するための電極21を有している。また、接着フィルム10も同様に、複数の接着フィルムに個片化される。このようなダイシングの際には、半導体ウエハ40に振動や衝撃が加わるが、半導体ウエハ40の下面がダイシングテープ50で支持されているため、上記の振動や衝撃が緩和されることとなる。その結果、半導体ウエハ40および半導体チップ20における割れや欠け等の不具合の発生を確実に防止することができる。
次に、図示しないダイサーテーブルを用意し、ダイサーテーブルとダイシングシート50とが接触するように、ダイサーテーブル上に積層体を載置する。
続いて、図4(d)に示すように、ダイシングブレード52を用いて積層体に複数の切り込み53を形成する(ダイシング)。ダイシングブレード52は、円盤状のダイヤモンドブレード等で構成されており、これを回転させつつ積層体の半導体ウエハ40側の面に押し当てることで切り込み53が形成される。そして、半導体ウエハ40に形成された回路パターン同士の間隙に沿って、ダイシングブレード52を相対的に移動させることにより、半導体ウエハ40が複数の個片化された半導体チップ20に個片化される。このとき、個片化された半導体チップ20は、それぞれ外部に電気的に接続するための電極21を有している。また、接着フィルム10も同様に、複数の接着フィルムに個片化される。このようなダイシングの際には、半導体ウエハ40に振動や衝撃が加わるが、半導体ウエハ40の下面がダイシングテープ50で支持されているため、上記の振動や衝撃が緩和されることとなる。その結果、半導体ウエハ40および半導体チップ20における割れや欠け等の不具合の発生を確実に防止することができる。
[3]ピックアップ工程
[3−1]エキスパンド工程
次に、複数の切り込み53が形成された積層体8を、図示しないエキスパンド装置により、放射状に引き延ばす(エキスパンド)。これにより、図4(e)に示すように、積層体に形成された切り込み53の幅が広がり、それに伴って個片化された半導体チップ20同士の間隔も拡大する。その結果、個片化された半導体チップ20同士が干渉し合うおそれがなくなり、個々の個片化された半導体チップ20をピックアップし易くなる。なお、エキスパンド装置は、このようなエキスパンド状態を後述する工程においても維持し得るよう構成されている。
[3−1]エキスパンド工程
次に、複数の切り込み53が形成された積層体8を、図示しないエキスパンド装置により、放射状に引き延ばす(エキスパンド)。これにより、図4(e)に示すように、積層体に形成された切り込み53の幅が広がり、それに伴って個片化された半導体チップ20同士の間隔も拡大する。その結果、個片化された半導体チップ20同士が干渉し合うおそれがなくなり、個々の個片化された半導体チップ20をピックアップし易くなる。なお、エキスパンド装置は、このようなエキスパンド状態を後述する工程においても維持し得るよう構成されている。
[3−2]ピックアップ工程
次に、図示しないダイボンダー、又はダイソーターにより、半導体チップ20のうちの1つを、コレット(チップ吸着部)で吸着するとともに上方に引き上げ、接着フィルム10付きの半導体チップ20を得ることができる(ピックアップ)。このとき、ダイシングテープ50を下方から突き上げる針状体(ニードル)等が用いることができる(図示せず)。また、ダイシングテープ50が紫外線の照射や、加熱によりその粘着性を低下させることで、ピックアップ性を向上させるものである場合、ピックアップ前に、紫外線の照射や、加熱処理を行うこともできる。
次に、図示しないダイボンダー、又はダイソーターにより、半導体チップ20のうちの1つを、コレット(チップ吸着部)で吸着するとともに上方に引き上げ、接着フィルム10付きの半導体チップ20を得ることができる(ピックアップ)。このとき、ダイシングテープ50を下方から突き上げる針状体(ニードル)等が用いることができる(図示せず)。また、ダイシングテープ50が紫外線の照射や、加熱によりその粘着性を低下させることで、ピックアップ性を向上させるものである場合、ピックアップ前に、紫外線の照射や、加熱処理を行うこともできる。
[4]接合工程
[4−1]接着工程
次に、個片化された半導体チップ20を搭載(マウント)するためのインターポーザー30を用意する。
このインターポーザー30は、前記接着フィルム10と接着する面に電極を有するものである。
[4−1]接着工程
次に、個片化された半導体チップ20を搭載(マウント)するためのインターポーザー30を用意する。
このインターポーザー30は、前記接着フィルム10と接着する面に電極を有するものである。
次いで、図4(f)に示すように、ピックアップされた半導体チップ20を、接着フィルム10を介してインターポーザー30上に載置する。この際、個片化された半導体チップ20の電極21と、インターポーザー30の電極31とを位置合わせしながら、接着フィルム10を介して仮圧着する。このとき、半導体チップにおける後述するアライメントマーク等を、前記接着フィルム10を通して認識して位置合せを行う。
インターポーザー30は、図5(a)に示すように、基材32上に配線回路33が設けられており、電極として、電極パッド34を有する。配線回路33は、電極パッド34を除き、絶縁部35が設けられている。また、絶縁部35には位置合わせに用いるパターンとして複数のアライメントマーク36が設けられている。
なお、インターポーザー30では、そのアライメントマーク36に換えて、例えば、図5(a)に示す電極パッド34(凹部)等のインターポーザー30の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。
なお、インターポーザー30では、そのアライメントマーク36に換えて、例えば、図5(a)に示す電極パッド34(凹部)等のインターポーザー30の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。
図5(b)に個片化された半導体チップ20と接着フィルム10とが積層された積層体の詳細を例示する。個片化された半導体チップ20の電極21は表面に低融点の導電性金属による半田を有する金属バンプである。また、個片化された半導体チップ20には位置合わせに用いるパターンとして複数のアライメントマーク22が設けられている。
なお、個片化された半導体チップ20では、アライメントマーク22に換えて、例えば、図5(b)に示す電極21(突起)等の個片化された半導体チップ20の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。
すなわち、インターポーザー30と個片化された半導体チップ20との位置合わせに用いられるパターンとしては、その位置合わせ専用のアライメントマーク36、22に限らず、この他、例えば、電極、配線パターン(配線)、パッド部(例えば、ボンディングパッド、電極パッド)、ダイシングライン等が挙げられる。
なお、個片化された半導体チップ20では、アライメントマーク22に換えて、例えば、図5(b)に示す電極21(突起)等の個片化された半導体チップ20の所定部位をアライメントマークとして用いることができる。
すなわち、インターポーザー30と個片化された半導体チップ20との位置合わせに用いられるパターンとしては、その位置合わせ専用のアライメントマーク36、22に限らず、この他、例えば、電極、配線パターン(配線)、パッド部(例えば、ボンディングパッド、電極パッド)、ダイシングライン等が挙げられる。
インターポーザー30のアライメントマーク36と、個片化された半導体チップ20のアライメントマーク22とを、インターポーザー30や個片化された半導体チップ20の厚さ方向から見て一致させることにより、インターポーザー30に対して、個片化された半導体チップ20の位置合わせを行う。そして、インターポーザー30と個片化された半導体チップ20と接着フィルム10を介して仮圧着し、インターポーザー30上に個片化された半導体チップ20を固定する(図5(c))。仮圧着する方法としては、特に制限されないが、圧着機、フリップチップボンダー等を用いて行うことができる。仮圧着する条件は、特に限定されないが、温度は40℃〜200℃が好ましく、60℃〜180℃が特に好ましい。また、時間は0.1秒間〜60秒間が好ましく、1秒間〜60秒間が特に好ましい。さらに圧力は0.1MPa〜2.0MPaが好ましく、0.3MPa〜1.5MPaが特に好ましい。仮圧着する条件が前記範囲内であると、個片化された半導体チップ20をインターポーザー30上に確実に仮圧着することができる。
[4−2]接合工程
次に、インターポーザー30と半導体チップ20を電気的に接合する。
インターポーザー30と半導体チップ20の電気的な接合は、電極21表面の低融点の
金属組成物からなる半田を溶融して電極パッド34と半田接合することにより電気的に接続する接続部81を形成することで行うことができる(図5(d))。
半田接合する条件は、使用する低融点の金属組成物の種類にもよるが、例えばSn−Agの場合、220℃〜260℃で5秒間〜500秒間加熱して半田接合することが好ましく、特に230℃〜240℃で10秒間〜100秒間加熱することが好ましい。
この半田接合は、低融点の金属組成物が融解した後に、接着フィルム10が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、低融点の金属組成物を融解させるが、接着フィルム10の硬化反応があまり進行させないような条件で実施することが好ましい。これにより、接続する際の接続部81の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
次に、インターポーザー30と半導体チップ20を電気的に接合する。
インターポーザー30と半導体チップ20の電気的な接合は、電極21表面の低融点の
金属組成物からなる半田を溶融して電極パッド34と半田接合することにより電気的に接続する接続部81を形成することで行うことができる(図5(d))。
半田接合する条件は、使用する低融点の金属組成物の種類にもよるが、例えばSn−Agの場合、220℃〜260℃で5秒間〜500秒間加熱して半田接合することが好ましく、特に230℃〜240℃で10秒間〜100秒間加熱することが好ましい。
この半田接合は、低融点の金属組成物が融解した後に、接着フィルム10が硬化するような条件で行うことが好ましい。すなわち、半田接合は、低融点の金属組成物を融解させるが、接着フィルム10の硬化反応があまり進行させないような条件で実施することが好ましい。これにより、接続する際の接続部81の形状を接続信頼性に優れるような安定した形状とすることができる。
[4−3]硬化工程
次に、樹脂組成物10を加熱して硬化させ、封止層80を形成する。硬化させる条件は、特に制限されないが、温度は130℃〜220℃が好ましく、150℃〜200℃が特に好ましい。また、時間は30分間〜500分間が好ましく、60分間〜180分間が特に好ましい。さらに、加圧雰囲気下で接着フィルム10を硬化させてもよい。加圧方法としては、特に制限されないが、オーブン中に窒素、アルゴン等の加圧流体を導入することにより行うことができる。前記圧力は0.1MPa〜10MPaが好ましく、0.5MPa〜5MPaが特に好ましい。硬化させる条件が前記範囲内であると、接着フィルム10中のボイドを低減することができる。
次に、樹脂組成物10を加熱して硬化させ、封止層80を形成する。硬化させる条件は、特に制限されないが、温度は130℃〜220℃が好ましく、150℃〜200℃が特に好ましい。また、時間は30分間〜500分間が好ましく、60分間〜180分間が特に好ましい。さらに、加圧雰囲気下で接着フィルム10を硬化させてもよい。加圧方法としては、特に制限されないが、オーブン中に窒素、アルゴン等の加圧流体を導入することにより行うことができる。前記圧力は0.1MPa〜10MPaが好ましく、0.5MPa〜5MPaが特に好ましい。硬化させる条件が前記範囲内であると、接着フィルム10中のボイドを低減することができる。
[5]バンプ形成工程
次に、マザーボードに半導体装置100を実装するためのバンプ70を形成する(図5(e))。バンプ70は導電性を有する金属材料であれば、特に制限されないが、導電性と応力緩和性に優れる半田が好ましい。また、バンプ70の形成方法は、特に制限されないが、フラックスを利用して半田ボールを接続することにより形成することができる。
このようにして、図4(e)に示すような、インターポーザー30と個片化された半導体チップ20とが樹脂組成物10の硬化物による封止層80で接着された半導体装置100を得ることができる。
以上のような方法によれば、別途アンダーフィルやフラックス剤等を用意する必要がなく、半導体チップ20とインターポーザー30とを電気的に接続した半導体装置100の製造効率をより高めることができる。
次に、マザーボードに半導体装置100を実装するためのバンプ70を形成する(図5(e))。バンプ70は導電性を有する金属材料であれば、特に制限されないが、導電性と応力緩和性に優れる半田が好ましい。また、バンプ70の形成方法は、特に制限されないが、フラックスを利用して半田ボールを接続することにより形成することができる。
このようにして、図4(e)に示すような、インターポーザー30と個片化された半導体チップ20とが樹脂組成物10の硬化物による封止層80で接着された半導体装置100を得ることができる。
以上のような方法によれば、別途アンダーフィルやフラックス剤等を用意する必要がなく、半導体チップ20とインターポーザー30とを電気的に接続した半導体装置100の製造効率をより高めることができる。
なお、本実施形態では、半導体ウエハ40に半導体装置10を貼り付け、さらにダイシングシート50を貼り付けるとの順番で説明したが、予めダイシングシート50と樹脂組成物10が一体化されたダイシングシート一体型接着フィルムを用いて、ここに半導体ウエハ40を貼り付けるような実施形態で行ってもよい。
また、本実施形態では、接着フィルム10を半導体ウエハ40に貼り付けたが、このような製造方法に限られず、接着フィルム10を個片化し、予め個片化された半導体チップに貼り付け、さらに接着フィルム10の半導体チップを貼り付けた面と反対側の面をインターポーザー30に仮圧着し、その後電気的に接続させるという製造方法を用いることができる。
また、本実施形態では、個片化された半導体チップ20をインターポーザー30に接合したが、このような製造方法に限られず、個片化された複数の半導体チップを別の半導体ウエハに複数個接合して、半導体ウエハ上に複数の半導体チップと複数の接着フィルムを有する積層体を作製して、この半導体ウエハをダイシングして個片化して、個片化された積層体をさらにインターポーザー等に接続して半導体装置を製造するという製造方法を用いることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[接着フィルム、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムの作製](実施例1)
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)14.26重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)39.73重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)10.50重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)5.07重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.09重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.35重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)30.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)14.26重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)39.73重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)10.50重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)5.07重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.09重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.35重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)30.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムAとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムAとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
<ダイシングシート一体型接着フィルムの製造>
(1)ダイシングシートの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100重量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3重量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cm2を照射
し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
(1)ダイシングシートの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100重量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3重量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cm2を照射
し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
(2)ダイシングシートの粘着剤層の形成
アクリル酸ブチル70重量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約500,000の共重合体100重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3重量部とを混合したダイシングシートの粘着剤層用ワニスを調製した。上記ダイシングシートの粘着剤層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングシートの粘着剤層を成膜した。その後、ダイシングシートの基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートを上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングシートを得た。
アクリル酸ブチル70重量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約500,000の共重合体100重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3重量部とを混合したダイシングシートの粘着剤層用ワニスを調製した。上記ダイシングシートの粘着剤層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングシートの粘着剤層を成膜した。その後、ダイシングシートの基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートを上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングシートを得た。
(3)ダイシングシート一体型接着フィルムの製造
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られたベースフィルム付き接着フィルムとを、介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングシートの粘着剤層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記第2積層体の一方の面側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングシートの粘着剤層とが接するように、これらをラミネートした。これにより、ダイシングシートの基材層、ダイシングテープの粘着剤層、介在層、接着フィルムおよびベースフィルムの5層がこの順でラミネートされたダイシングシート一体型接着フィルムを得た。
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られたベースフィルム付き接着フィルムとを、介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングシートの粘着剤層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記第2積層体の一方の面側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングシートの粘着剤層とが接するように、これらをラミネートした。これにより、ダイシングシートの基材層、ダイシングテープの粘着剤層、介在層、接着フィルムおよびベースフィルムの5層がこの順でラミネートされたダイシングシート一体型接着フィルムを得た。
<バックグラインドテープ一体型接着フィルムの製造>
アクリル酸アルキルエステル系共重合物(日本カーバイド工業株式会社製、商品名「ニッセツKP−2254E」)44重量部、ウレタンアクリレート(大日精化工業株式会社製、商品名「HC−15」)45重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートL」)8重量部、光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「イルガキュア651」)3重量部を酢酸エチルに溶解させて、バックグラインドテープの粘着剤層用ワニスを調製した。
アクリル酸アルキルエステル系共重合物(日本カーバイド工業株式会社製、商品名「ニッセツKP−2254E」)44重量部、ウレタンアクリレート(大日精化工業株式会社製、商品名「HC−15」)45重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートL」)8重量部、光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「イルガキュア651」)3重量部を酢酸エチルに溶解させて、バックグラインドテープの粘着剤層用ワニスを調製した。
上記バックグラインドテープの粘着剤層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、80℃で5分間乾燥することにより、ポリエステルフィルム上にバックグラインドテープの粘着剤層を成膜した。その後、バックグラインドテープの基材層として厚さ120μmのポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材を上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着剤層側にラミネート(積層)し、粘着剤層をポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる基材に転写させることによって、バックグラインドテープを得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記接着シートを半導体ウエハと同等の大きさにハーフカットし、その後不要部分を除去した後に、上記で得られたバックグラインドテープの粘着剤層とベースフィルム付き接着フィルムの接着フィルムとが接するようにラミネートすることによって、バックグラインドテープの基材、バックグラインドテープの粘着剤層、接着フィルム、ベースフィルムがこの順でラミネートされたバックグラインドテープ一体型接着シートを得た。
<バックグラインドテープ兼ダイシングシート一体型接着フィルムの製造>
クリアテックCT−H717(株式会社クラレ製)を用い、押出機により厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。
次に、アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100重量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー76重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン8重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)11重量部とを混合し、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層用ワニスを調製した。
クリアテックCT−H717(株式会社クラレ製)を用い、押出機により厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理して、基材フィルムを得た。
次に、アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100重量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー76重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン8重量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートT−100」)11重量部とを混合し、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層用ワニスを調製した。
次に、上記バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層用ワニスを、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層を得た。
その後、この粘着剤層を上述した基材フィルムのコロナ処理面にラミネートすることに
よって粘着剤層を転写した後に、ポリエステルフィルムを剥離した。次に、ロール状の金型を用いて、上記ベースフィルム付き接着フィルムを半導体ウエハと同等の大きさに、且つ厚み方向においてベースフィルムの途中までカット(ハーフカット)した後に、接着フィルムと粘着剤層とが接するように貼り付けた。これにより、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの基材、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層、接着フィルム、ベースフィルムが、この順に構成されてなるバックグラインドテープ兼ダイシングシート一体型接着フィルムを得た。
よって粘着剤層を転写した後に、ポリエステルフィルムを剥離した。次に、ロール状の金型を用いて、上記ベースフィルム付き接着フィルムを半導体ウエハと同等の大きさに、且つ厚み方向においてベースフィルムの途中までカット(ハーフカット)した後に、接着フィルムと粘着剤層とが接するように貼り付けた。これにより、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの基材、バックグラインドテープ兼ダイシングシートの粘着剤層、接着フィルム、ベースフィルムが、この順に構成されてなるバックグラインドテープ兼ダイシングシート一体型接着フィルムを得た。
(実施例2)
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)8.15重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)22.70重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)6.00重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)2.90重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.05重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.20重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)60.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)8.15重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)22.70重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)6.00重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)2.90重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.05重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.20重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)60.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムBとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムBとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムBを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例3)
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)10.20重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)22.00重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)8.20重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)9.30重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)0.05重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.25重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)10.20重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)22.00重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)8.20重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)9.30重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)0.05重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.25重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムCとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムCとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムCを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例4)
<接着フィルムの作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)6.90重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、FX−280S)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)6.90重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、FX−280S)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムDとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムDとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムDを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例5)
<接着フィルムの作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)6.90重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)6.90重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムEとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムEとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムEを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例6)
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)12.40重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)8.60重量部と、フラックス機能を有する化合物である4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業株式会社製)7.20重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)21.10重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.20重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)12.40重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)8.60重量部と、フラックス機能を有する化合物である4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業株式会社製)7.20重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)21.10重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.20重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムFとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムFとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムFを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例7)
<接着フィルムの作製>
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−55617)6.90重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC4050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−55617)6.90重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)10.15重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)10.15重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)18.80重量部と、硬化促進剤としてマイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ株式会社製、ノバキュアHX−3941HP)3.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC4050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムGとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムGとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムGを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例8)
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)9.40重量部と、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−55617)9.00重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)9.80重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)21.10重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.20重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)9.40重量部と、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−55617)9.00重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER1032H60)9.80重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)21.10重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.20重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.50重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムHとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムHとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムHを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例9)
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)7.55重量部と、酸無水物(三菱化学株式会社製、jERキュアYH307)3.75重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON HP−7200H)13.30重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON HP−4770)9.95重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−80H)9.95重量部と、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2PZ)0.10重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)1.00重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部と、アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、メタブレンW−450A)4.40重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)7.55重量部と、酸無水物(三菱化学株式会社製、jERキュアYH307)3.75重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON HP−7200H)13.30重量部と、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON HP−4770)9.95重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−80H)9.95重量部と、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2PZ)0.10重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)1.00重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部と、アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、メタブレンW−450A)4.40重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムIとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムIとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムIを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(実施例10)
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL 200)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL 200)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムJとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムJとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムJを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(比較例1)
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)7.95重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)22.18重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)5.78重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)2.79重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)1.10重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.20重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)60.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、KA−1160)7.95重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)22.18重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)5.78重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)2.79重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)1.10重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.20重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)60.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムKとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムKとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムKを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(比較例2)
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)9.95重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)21.23重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)8.00重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)9.07重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)1.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.25重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、ミレックスXLC−4L)9.95重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EPICLON 840−S)21.23重量部と、フラックス機能を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)8.00重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)9.07重量部と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2MZ−H)1.50重量部と、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−503)0.25重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)50.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムLとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムLとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムLを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(比較例3)
<接着フィルムの作製>
1,8−オクタンジオール(東京化成工業株式会社製)14.26重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)39.73重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)10.50重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)5.07重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.09重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.35重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)30.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
1,8−オクタンジオール(東京化成工業株式会社製)14.26重量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、EXA−830LVP)39.73重量部と、フラックス機能を有する化合物であるトリメリット酸(東京化成工業株式会社製)10.50重量部と、フィルム形成性樹脂としてフェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、YX−6954)5.07重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、2P4MZ)0.09重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.35重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC1050)30.00重量部を、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムMとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムMとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムMを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグライン
ドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
ドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(比較例4)
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL 300)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(日本アエロジル株式会社製、AEROSIL 300)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムNとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムNとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムNを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグラインドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
(比較例5)
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC5050)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着フィルムの作製>
ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851)17.36重量部と、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、jER 1032H60)12.04重量部と、フラックス機能を有する化合物であるジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)10.08重量部と、フィルム形成性樹脂としてエポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、SG−P3)29.54重量部と、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、TPP)0.28重量部と、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBM−403)0.70重量部と、シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、SC5050)30.00重量部とを、メチルエチルケトンに溶解、分散し、固形分濃度50重量%の樹脂ワニスを調製した。
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムOとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
得られた接着フィルム用ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA53)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルム(以下、フィルムOとする。)が形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
実施例1で得られたフィルムAのかわりに、上記で得られたフィルムOを用いた以外は、実施例1と同様の手順により、ダイシングシート一体型接着フィルム、バックグライン
ドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
ドテープ一体型接着フィルム、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルムを得た。
[接着フィルムの評価]
<光透過率>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、株式会社島津製作所製、分光光度計UV−160を用いて波長700nmにおける光透過率を測定した。結果を表2に示す。
<光透過率>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、株式会社島津製作所製、分光光度計UV−160を用いて波長700nmにおける光透過率を測定した。結果を表2に示す。
<溶融粘度測定>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムを積層することによって厚み100μmの測定用サンプルを作製し、粘弾性測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度は、10℃/分の条件で溶融粘度を測定し、最低となる溶融粘度、および、最低となる溶融粘度を示した際の温度を測定値とした。結果を表2に示す。
各実施例および比較例で得られた接着フィルムを積層することによって厚み100μmの測定用サンプルを作製し、粘弾性測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「MARS」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度は、10℃/分の条件で溶融粘度を測定し、最低となる溶融粘度、および、最低となる溶融粘度を示した際の温度を測定値とした。結果を表2に示す。
<発熱ピーク測定>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムの発熱ピーク温度Bを、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製、DSC−6200)を用い、昇温速度10℃/分で硬化発熱量を測定し、ピーク温度を測定値とした。各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、結果を表2に示す。
各実施例および比較例で得られた接着フィルムの発熱ピーク温度Bを、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製、DSC−6200)を用い、昇温速度10℃/分で硬化発熱量を測定し、ピーク温度を測定値とした。各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、結果を表2に示す。
<絶縁抵抗値及び導通抵抗値測定用電子装置及び評価用サンプルの作製>
各実施例および比較例で得られた各接着フィルムについて、以下の方法で電子装置の製造を行った。まず、表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を片面に複数有するシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ150μm、半導体チップサイズ5mm×5mm、電極の高さ10μm、電極の幅25μm、低融点の金属組成物から構成される半田の組成Sn3.5Ag、電極間の距離25μm、電極の1半導体チップあたりの数352個)を用意した。予めシリコンウエハと同じサイズにカットした接着フィルムを、それぞれのシリコンウエハの電極を有する面に接するように、接着フィルムとシリコンウエハを積層した。これをラミネーターで、貼り合わせ温度95℃、圧力0.8MPa、雰囲気圧400Paでラミネートして、接着フィルムとシリコンウエハの積層体を得た。
各実施例および比較例で得られた各接着フィルムについて、以下の方法で電子装置の製造を行った。まず、表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を片面に複数有するシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ150μm、半導体チップサイズ5mm×5mm、電極の高さ10μm、電極の幅25μm、低融点の金属組成物から構成される半田の組成Sn3.5Ag、電極間の距離25μm、電極の1半導体チップあたりの数352個)を用意した。予めシリコンウエハと同じサイズにカットした接着フィルムを、それぞれのシリコンウエハの電極を有する面に接するように、接着フィルムとシリコンウエハを積層した。これをラミネーターで、貼り合わせ温度95℃、圧力0.8MPa、雰囲気圧400Paでラミネートして、接着フィルムとシリコンウエハの積層体を得た。
次に、各シリコンウエハの、接着フィルムと貼り合せた面と逆の面に、ダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。このとき、貼り合せ温度は25℃、圧力0.8MPa、2mm/s接着フィルムとシリコンウエハの積層体と、ダイシングテープを貼り合せた。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシングソー(DFD6360、株式会社ディスコ製)のダイシングテーブルに積層し、シリコンウエハを固定した。さらに、シリコンウエハ側から、ダイシングソーを用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、シリコンウエハが個片化され、以下のダイシングサイズの半導体チップ(本発明の第一電子部品に該当する。)を得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ:5mm×5mm角
ダイシング速度:50mm/sec
スピンドル回転数:40,000rpm
ダイシング最大深さ:0.180mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
ダイシングサイズ:5mm×5mm角
ダイシング速度:50mm/sec
スピンドル回転数:40,000rpm
ダイシング最大深さ:0.180mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
次いで、半導体チップの1つをダイシングテープの支持フィルム側(裏面)からニードルで突き上げ、突き上げた半導体チップの表面をダイボンダーのコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、接着フィルム付き半導体チップをピックアップした。
次に、ピックアップした半導体チップを反転させて、半田を有する銅電極および接着フィルムを下側にした。さらに、前記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有するシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ150μm、半導体チップサイズ7mm×7mm、電極の高さ10μm、電極の幅25μm、電極間の距離25μm、電極の1半導体チップあたりの数352個、各半導体チップ毎に外部電極を有する。本シリコンウエハにおける半導体チップが第二電子部品に該当する。)を用意し、シリコンウエハの電極と、各半導体チップの電極とが当接するように位置合わせを行いながらシリコンウエハに半導体チップを150℃、1秒間、1kgfの条件で搭載した。なお前記半導体チップとシリコンウエハは、互いに電気的に接続することによって半田接続された電極間の絶縁抵抗値の測定、並びに半田接続された電極を含む導通抵抗値の測定が可能な回路設計になっている。
次いで、フリップチップボンダーのヘッドで、半導体チップを235℃、5秒間、3kgfの条件で加熱及び加圧して、バンプ表面の合金を溶融させて半導体チップとシリコンウエハの半田接続を行った。そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱することによって接着フィルムを硬化させて、半導体チップを搭載したシリコンウエハを得た。
次に、前記シリコンウエハの、半導体チップを搭載した面と逆の面に、前述と同様の条件でダイシングテープをラミネーターで貼り合せた。
次いで、ダイシングテープをウエハリングに固定して、ダイシングソー(DFD6360、株式会社ディスコ製)のダイシングテーブルに積層し、シリコンウエハを固定した。さらに、シリコンウエハ側からダイシングソーを用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これによりシリコンウエハが個片化され、7mm×7mmの半導体チップ上に5mm×5mmの半導体チップが搭載され、半導体チップ間が接着フィルムの硬化物で封止された積層チップを得た。
≪ダイシング条件≫
ダイシングサイズ:7mm×7mm角
ダイシング速度:50mm/sec
スピンドル回転数:40,000rpm
ダイシング最大深さ:0.180mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
ダイシングサイズ:7mm×7mm角
ダイシング速度:50mm/sec
スピンドル回転数:40,000rpm
ダイシング最大深さ:0.180mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
得られた積層チップをリードフレームに搭載した後に、積層チップの外部電極とリードフレームを金ワイヤーで電気的に接続し、封止樹脂によりパッケージ化することによって電子装置を作製した。次いで前記電子装置のリードフレームのリードと電気的に接続可能であり、かつ外部電極を有する半導体パッケージ評価用ソケットを準備し、得られた電子装置のリードが電気的に接続するように前記半導体パッケージ評価用ソケットに電子装置をセットすることによって評価用サンプルを作製した。
<絶縁抵抗値の測定、評価>
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子装置それぞれ20個について前述のとおり評価用サンプルを作製した。次いで、評価用サンプルの外部電極を定電圧
抵抗測定装置に電気的に接続し、評価用サンプルの電子装置の隣接する電極間に電圧を印加することによって、電極間の初期の絶縁抵抗値Xを測定した。
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子装置それぞれ20個について前述のとおり評価用サンプルを作製した。次いで、評価用サンプルの外部電極を定電圧
抵抗測定装置に電気的に接続し、評価用サンプルの電子装置の隣接する電極間に電圧を印加することによって、電極間の初期の絶縁抵抗値Xを測定した。
その後、前記評価用サンプルを110℃、RH(相対湿度)85%RHの環境下の恒温恒湿槽の中に設置し96時間処理した後に、恒温恒湿槽から評価用サンプルを取り出した。次いで評価用サンプルの外部電極を定電圧抵抗測定装置に電気的に接続し、積層チップのバンプ間に電圧を印加することによって隣接バンプ間の絶縁抵抗値Yを測定した。得られた絶縁抵抗値XとYについて、その比率:X/Yを算出することによって処理前と処理後の絶縁抵抗値の比率を確認した。結果を表2に示す。
<導通抵抗値の変動率>
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子装置それぞれ20個ずつについて前述のとおり評価用サンプルを作製し、評価用サンプルの外部電極をデジタルマルチメーターに電気的に接続し、評価用サンプルにセットされた電子装置の初期の導通抵抗値Uを測定した。
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子装置それぞれ20個ずつについて前述のとおり評価用サンプルを作製し、評価用サンプルの外部電極をデジタルマルチメーターに電気的に接続し、評価用サンプルにセットされた電子装置の初期の導通抵抗値Uを測定した。
次に評価用サンプルを温度サイクル試験器の中に設置し、−55℃の条件下に30分間、125℃の条件下に30分間ずつ交互に晒すことを1サイクルとする、温度サイクル処理を250サイクル行い、試験後の電子装置について、導通抵抗値Wをデジタルマルチメーターで測定した。
得られた導通抵抗値について、計算式(W/U)×100によって処理前後の導通抵抗値の変動率を算出した。
得られた導通抵抗値について、計算式(W/U)×100によって処理前後の導通抵抗値の変動率を算出した。
導通抵抗値の変動率を表2に示す。各符号は、以下の通りである。
◎:20個全ての電子装置の導通抵抗値の変動率が0%以上300%以下であった。
○:20個全ての電子装置の導通抵抗値の変動率が0%以上500%以下であった。
×:1個以上の電子装置の導通抵抗値の変動率が500%を超える値であった。
◎:20個全ての電子装置の導通抵抗値の変動率が0%以上300%以下であった。
○:20個全ての電子装置の導通抵抗値の変動率が0%以上500%以下であった。
×:1個以上の電子装置の導通抵抗値の変動率が500%を超える値であった。
<半導体装置の作製>
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を有する半導体チップ(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、上記各実施例および比較例で得られた各接着フィルムを、真空ラミネーター(名機製作所株式会社製、MVLP)を用い、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、接着フィルム付き半導体チップを得た。
次に、前記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する回路基板(電極の高さ10μm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔30μm)を用意した。
次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上記回路基板の銅電極と、半導体チップの半田を有する銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら回路基板に半導体チップを150℃、3kgf、3秒間で仮圧着した後に、235℃、3kgf、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物を介して接着された半導体装置を得た。
なお前記半導体チップと回路基板は、互いに電気的に接続することによって半田接続された電極間の絶縁抵抗値の測定、並びに半田接続された電極を含む導通抵抗値の測定が可能な回路設計になっている。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を有する半導体チップ(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、上記各実施例および比較例で得られた各接着フィルムを、真空ラミネーター(名機製作所株式会社製、MVLP)を用い、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、接着フィルム付き半導体チップを得た。
次に、前記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する回路基板(電極の高さ10μm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔30μm)を用意した。
次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上記回路基板の銅電極と、半導体チップの半田を有する銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら回路基板に半導体チップを150℃、3kgf、3秒間で仮圧着した後に、235℃、3kgf、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物を介して接着された半導体装置を得た。
なお前記半導体チップと回路基板は、互いに電気的に接続することによって半田接続された電極間の絶縁抵抗値の測定、並びに半田接続された電極を含む導通抵抗値の測定が可能な回路設計になっている。
<接続部の接着フィルムの噛み込み>
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた半導体装置について、切断し、SEMによりバンプ接続部を20箇所確認し、接続部に噛み込んだ接着フィルムを観察して評価した。結果を表2に示す。各符号は以下の通りである。
◎:20個すべての接続部に接着フィルムの噛み込みが無かった。
○:1〜3個接続部に接着フィルムの噛み込みがあった。
×:4個以上の接続部に接着フィルムの噛み込みがあった。
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた半導体装置について、切断し、SEMによりバンプ接続部を20箇所確認し、接続部に噛み込んだ接着フィルムを観察して評価した。結果を表2に示す。各符号は以下の通りである。
◎:20個すべての接続部に接着フィルムの噛み込みが無かった。
○:1〜3個接続部に接着フィルムの噛み込みがあった。
×:4個以上の接続部に接着フィルムの噛み込みがあった。
<絶縁信頼性評価>
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置10個それぞれについて、110℃、RH(相対湿度)85%の環境下で96時間処理し、隣接バンプ間の絶縁抵抗値を連続測定することによって評価した。結果を表2に示す。
評価結果を下記の基準で判定した。
◎:96時間の処理で、10個すべての半導体装置の絶縁抵抗値が常に2.0×109
Ω以上であったもの。
○:96時間の処理で、1個以上の半導体装置の絶縁抵抗値が2.0×107Ω以上、
2.0×109Ω未満であったもの。
×:96時間の処理で、1個以上の半導体装置の絶縁抵抗値が2.0×107未満であ
ったΩを下回ったもの。
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置10個それぞれについて、110℃、RH(相対湿度)85%の環境下で96時間処理し、隣接バンプ間の絶縁抵抗値を連続測定することによって評価した。結果を表2に示す。
評価結果を下記の基準で判定した。
◎:96時間の処理で、10個すべての半導体装置の絶縁抵抗値が常に2.0×109
Ω以上であったもの。
○:96時間の処理で、1個以上の半導体装置の絶縁抵抗値が2.0×107Ω以上、
2.0×109Ω未満であったもの。
×:96時間の処理で、1個以上の半導体装置の絶縁抵抗値が2.0×107未満であ
ったΩを下回ったもの。
<耐衝撃性評価>
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置10個それぞれについて、導通抵抗値の初期値を測定した。次いで、半導体装置の回路基板側を上面にし、治具に装着して1500mmの高さから硬質の床面上に自由落下させ、この自由落下を繰り返し10回行なった。その後、半導体装置の導通抵抗値を測定し、導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数を数えることによって評価した。
結果を表2に示す。評価結果を下記の基準で判定した。
◎:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が0個であったもの。
○:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が1個以上、3個以下であったもの。
×:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が4個以上であったもの。
上記各実施例および比較例で得られた半導体装置10個それぞれについて、導通抵抗値の初期値を測定した。次いで、半導体装置の回路基板側を上面にし、治具に装着して1500mmの高さから硬質の床面上に自由落下させ、この自由落下を繰り返し10回行なった。その後、半導体装置の導通抵抗値を測定し、導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数を数えることによって評価した。
結果を表2に示す。評価結果を下記の基準で判定した。
◎:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が0個であったもの。
○:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が1個以上、3個以下であったもの。
×:導通抵抗値が初期値の2倍以上になった半導体装置の個数が4個以上であったもの。
実施例1〜10は、本発明の接着フィルムおよび半導体装置であり、半田接合部の導電性、および信頼性を両立し、狭ピッチ化/狭ギャップ化した半田接合部における接合性と、半導体装置の製造における歩留まりを向上させる接着フィルムを供給すること、および半田接合部の信頼性の向上した半導体装置を供給することができる。
比較例1、比較例2は、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃より小さかったため、バンプ接続の際に接着フィルムが排除される前に接着フィルムの硬化が進行してしまうため、接着フィルムを噛み込み易く、接続部を十分な面積で形成できないため、接続部の接着フィルムの噛み込みの評価結果、導通抵抗値の変動率の評価結果がいずれも低下した。
比較例3は、絶縁抵抗値の比[X/Y]が1000以上となったため、絶縁信頼性の評価結果が低下した。
比較例4は、接着フィルムに用いた充填材の平均粒径が0.01μmよりも小さかったため、接着フィルムの溶融粘度が高くなるため接着フィルムを噛み込み易く、接続部を十分な面積で形成できないため、接続部の接着フィルムの噛み込みの評価結果、導通抵抗値の変動率の評価結果がいずれも低下した。
比較例5は、接着フィルムに用いた充填材の平均粒径が1μmを超えたため、接着フィルムの波長700nmにおける透過率が小さくなり、半導体装置を作製する際にアライメントマークを読み取ることができず、評価用のサンプルを作製することができなかった。
比較例1、比較例2は、接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃より小さかったため、バンプ接続の際に接着フィルムが排除される前に接着フィルムの硬化が進行してしまうため、接着フィルムを噛み込み易く、接続部を十分な面積で形成できないため、接続部の接着フィルムの噛み込みの評価結果、導通抵抗値の変動率の評価結果がいずれも低下した。
比較例3は、絶縁抵抗値の比[X/Y]が1000以上となったため、絶縁信頼性の評価結果が低下した。
比較例4は、接着フィルムに用いた充填材の平均粒径が0.01μmよりも小さかったため、接着フィルムの溶融粘度が高くなるため接着フィルムを噛み込み易く、接続部を十分な面積で形成できないため、接続部の接着フィルムの噛み込みの評価結果、導通抵抗値の変動率の評価結果がいずれも低下した。
比較例5は、接着フィルムに用いた充填材の平均粒径が1μmを超えたため、接着フィルムの波長700nmにおける透過率が小さくなり、半導体装置を作製する際にアライメントマークを読み取ることができず、評価用のサンプルを作製することができなかった。
10 接着フィルム
20 半導体チップ
21 電極
22 アライメントマーク
30 インターポーザー
31 電極
32 基板
33 配線回路
34 電極パッド
35 絶縁部
36 アライメントマーク
40 半導体ウエハ
50 ダイシングシート
51 ウエハリング
52 ダイシングブレード
53 切り込み部
70 バンプ
80 封止層
81 接続部
100 半導体装置
201 接着フィルム
202 ベースフィルム
203 ダイシングシート
203a ダイシングシートの基材層
203b ダイシングシートの粘着剤層
204 バックグラインドテープ
204a バックグラインドテープの基材層
204b バックグラインドテープの粘着剤層
205 ダイシングシート兼バックグラインドテープ
205a ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層
205b ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層
211 接着シート
212 ダイシングシート一体型接着フィルム
213 バックグラインドテープ一体型接着フィルム
214 ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム
20 半導体チップ
21 電極
22 アライメントマーク
30 インターポーザー
31 電極
32 基板
33 配線回路
34 電極パッド
35 絶縁部
36 アライメントマーク
40 半導体ウエハ
50 ダイシングシート
51 ウエハリング
52 ダイシングブレード
53 切り込み部
70 バンプ
80 封止層
81 接続部
100 半導体装置
201 接着フィルム
202 ベースフィルム
203 ダイシングシート
203a ダイシングシートの基材層
203b ダイシングシートの粘着剤層
204 バックグラインドテープ
204a バックグラインドテープの基材層
204b バックグラインドテープの粘着剤層
205 ダイシングシート兼バックグラインドテープ
205a ダイシングシート兼バックグラインドテープの基材層
205b ダイシングシート兼バックグラインドテープの粘着剤層
211 接着シート
212 ダイシングシート一体型接着フィルム
213 バックグラインドテープ一体型接着フィルム
214 ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム
Claims (17)
- 相対向する電極間に介在し、相対向する電極を電気的に接続する接着フィルムであって、
前記接着フィルムは、平均粒径が、0.01μm以上、1μm以下である充填材を含み、前記接着フィルムの最低溶融粘度を示す温度Aと、発熱ピーク温度Bとの差が30℃以上であって、
複数のバンプと、電子回路とを有する第一電子部品と、
前記第一電子部品の複数のバンプに対応する複数の端子を有する第二電子部品と、
が前記接着フィルムを介して積層され、
前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、が電気的に接続された構造を有する電子装置を110℃、RH(相対湿度)85%の条件において96時間処理したとき、処理前における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をXとして、処理後における前記第一電子部品と前記第二電子部品との間の絶縁抵抗値をYとして、1<X/Y<1000であることを特徴とする接着フィルム。 - 前記電子装置を、−55℃〜125℃において、250サイクルの温度サイクル処理をしたとき、導通抵抗値の変動率が0%以上、500%以下である請求項1に記載の接着フィルム。
- 前記電子装置における前記第一電子部品が、バンプの高さが30μm以下、バンプ間の距離が15μm以上、バンプの数が80個以上、半導体素子の面積が16mm2以上、厚
さが200μm以下、の構成を1以上備える第一半導体素子である請求項1または2に記載の接着フィルム。 - 前記電子装置における前記第二電子部品の面積が、前記第一電子部品の面積より大きく、前記第二電子部品は積層方向から見た平面視の前記第一電子部品の外郭の外側にワイヤーボンディングパッドを有する第二半導体素子であって、前記ワイヤーボンディングパッドと金属ワイヤーを介して配線基板と電気的に接続され、
前記第一電子部品と、前記第二電子部品と、前記金属ワイヤーと、前記配線基板と、が封止樹脂により封止されている請求項1〜3のいずれかに記載の接着フィルム。 - 前記電子装置における前記配線基板が、リードフレームである請求項4に記載の接着フィルム。
- 前記接着フィルムは、波長700nmにおける光透過率が、15%以上100%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記充填材を10重量%以上、70重量%以下含む請求項1〜6のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記充填材が、無機充填材である請求項1〜7のいずれかに記載の接着フィルム。
- さらに、熱硬化性樹脂、硬化剤、およびフィルム形成性樹脂を含む請求項1〜8のいずれかに記載の接着フィルム。
- さらに、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物を含む請求項1〜9のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記化合物が3重量%以上20重量%以下含まれる請求項10に記載の接着フィルム。
- 前記化合物が、1分子中に2つ以上のフェノール性水酸基と、1つ以上のカルボキシル基とを備える請求項10または11に記載の接着フィルム。
- ベースフィルムと、請求項1〜12のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、接着シート。
- ダイシングシートと、請求項1〜12のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート一体型接着フィルム。
- バックグラインドテープと、請求項1〜12のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
- ダイシングシートとバックグラインドテープとを兼ねたダイシングシート兼バックグラインドテープと、請求項1〜12のいずれかに記載の接着フィルムとを積層した、ダイシングシート兼バックグラインドテープ一体型接着フィルム。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の接着フィルムを含む、半導体装置。
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- 2014-04-24 JP JP2014089971A patent/JP2014237811A/ja active Pending
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