JP2024047019A - 半導体装置の製造方法及び半導体ウエハ加工用接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】研削時の半導体ウエハの欠け及び割れの発生を抑制できる半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】主面の一方に複数の電極を有する半導体ウエハの電極が設けられている側に、基材及び該基材上に形成された粘着剤層を含むバックグラインドテープと、粘着剤層上に形成された接着剤層と、を含む積層体を接着剤層側から貼り付ける工程と、半導体ウエハを研削して薄化する工程と、薄化した半導体ウエハ及び接着剤層をダイシングして接着剤層付き半導体チップに個片化する工程と、接着剤層付き半導体チップの電極を、他の半導体チップ又は配線回路基板の電極と電気的に接続する工程と、を有し、半導体ウエハ及び積層体は平面視で円形の形状を有し、平面視において、半導体ウエハの直径Aと積層体の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす、半導体装置の製造方法。A<X≦A+5mm …(1)【選択図】なし

Description

本開示は、半導体装置の製造方法及び半導体ウエハ加工用接着フィルムに関する。
これまで、半導体チップと基板を接続するには、金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきた。しかしながら、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板とを直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
FC接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、半導体チップと基板間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式である。
FC接続方式は半導体チップ上にバンプ又は配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-294382号公報
さらなる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されるパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through-Silicon Via)等も広く普及し始めている。
平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、上記の技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
生産性向上の観点から、ウエハ上に半導体チップを圧着(接続)して後に個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)、ウエハ同士を圧着(接続)して後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている。
上述したフリップチップパッケージの組立では、まず、ウエハの電極が設けられている側に半導体ウエハ加工用接着フィルムを貼り付ける。次に、ウエハの電極が設けられている側と反対側を研削して、半導体ウエハ加工用接着フィルム付ウエハを薄化する。次に、上記薄化した半導体ウエハ加工用接着フィルム付ウエハをダイシングし、半導体チップに個片化する。
その後、上記半導体チップをコレットでピックアップし、コレットを介して圧着ツールに供給する。次に、チップ-チップ、又は、チップ-基板の位置合わせを行い、圧着する。金属結合が形成されるように、上下、又は、上下どちらかの一方以上の接続部の金属が融点以上に達するように圧着ツールの温度を上昇させる。積層・多段化するチップスタックPKGでは、チップピックアップ、位置合わせ、圧着を繰り返す。
フリップチップパッケージは、パッケージが小型化、薄型化する傾向にあり、半導体ウエハ及び半導体チップの更なる薄化が求められている。しかしながら、半導体ウエハ及び半導体チップに求められる厚さが薄くなるほど、半導体ウエハ加工用接着フィルム付ウエハを薄化する際、研削時に半導体ウエハの欠け又は割れが発生しやすくなる。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、研削時の半導体ウエハの欠け及び割れの発生を抑制できる半導体装置の製造方法、及び、半導体ウエハ加工用接着フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は、以下の半導体装置の製造方法、及び、半導体ウエハ加工用接着フィルムを提供する。
[1]主面の一方に複数の電極を有する半導体ウエハを準備し、該半導体ウエハの上記電極が設けられている側に、基材及び該基材上に形成された粘着剤層を含むバックグラインドテープと、上記粘着剤層上に形成された接着剤層と、を含む積層体を上記接着剤層側から貼り付ける工程と、上記半導体ウエハの上記電極が設けられている側とは反対側を研削して上記半導体ウエハを薄化する工程と、上記薄化した半導体ウエハ及び上記接着剤層をダイシングして接着剤層付き半導体チップに個片化する工程と、上記接着剤層付き半導体チップの電極を、他の半導体チップ又は配線回路基板の電極と電気的に接続する工程と、を有し、上記半導体ウエハ及び上記積層体は平面視で円形の形状を有し、平面視において、上記半導体ウエハの直径Aと上記積層体の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす、半導体装置の製造方法。
A<X≦A+5mm …(1)
[2]上記粘着剤層と上記接着剤層との間の接着力が、上記接着剤層と上記半導体ウエハとの間の接着力よりも低い、上記[1]に記載の半導体装置の製造方法。
[3]基材及び該基材上に形成された粘着剤層を含むバックグラインドテープと、上記粘着剤層上に形成された接着剤層と、を含む積層体を備える、半導体ウエハ加工用接着フィルムであって、上記半導体ウエハ及び上記積層体は平面視で円形の形状を有し、平面視において、上記半導体ウエハの直径Aと上記積層体の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす、半導体ウエハ加工用接着フィルム。
A<X≦A+5mm …(1)
本開示によれば、研削時の半導体ウエハの欠け及び割れの発生を抑制できる半導体装置の製造方法、及び、半導体ウエハ加工用接着フィルムを提供することができる。
本開示に係る半導体ウエハ加工用接着フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 本開示に係る半導体ウエハ加工用接着フィルムの一実施形態を示す平面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<半導体ウエハ加工用接着フィルム>
図1は、本開示の半導体ウエハ加工用接着フィルム(以下、単に「接着フィルム」とも言う)の一実施形態を示す模式断面図である。図2は、本開示の半導体ウエハ加工用接着フィルムの一実施形態を示す平面図である。図1及び図2に示される半導体ウエハ加工用接着フィルム10は、基材フィルム1、及び、積層体6から構成されている。積層体6は、接着剤層2、及び、バックグラインドテープ5から構成されている。バックグラインドテープ5は、粘着剤層3及び基材4から構成されている。
本実施形態の接着フィルム10において、積層体6は、図2に示されるように、貼り付ける半導体ウエハの形状に合わせて、平面視で円形の形状となるようにプリカットされている。半導体装置の製造方法においては、積層体6が基材フィルム1から剥離され、平面視で円形の形状を有する半導体ウエハの電極が設けられている側の主面に貼り付けられる。ここで、円形とは、略円形であればよく、真円形のほか、真円形に近い円形、位置決め用の切り欠き部(オリエンテーションフラット)を有する円形も含む。
また、本実施形態の接着フィルム10は、平面視において、貼り付ける半導体ウエハの直径A(単位:mm)と積層体6の直径(プリカット径)X(単位:mm)とが下記式(1)の関係を満たす。
A<X≦A+5mm …(1)
積層体6の直径Xが上記式(1)を満たすことにより、研削時の半導体ウエハの欠け及び割れの発生を抑制することができる。ここで、XがA未満であった場合、ウエハの積層体6を貼り付けた主面(貼付面)の端部の一部が、積層体6に覆われずに露出することとなる。また、XがAと同じであった場合、ウエハへの積層体6の貼り付け位置が僅かにずれるだけでも、ウエハの貼付面の端部の一部が、積層体6に覆われずに露出することとなる。そして、ウエハを研削して薄化する際に、上記露出した貼付面の端部に欠け又は割れが発生することとなる。これに対し、XをAよりも大きくすることで、上記貼付面の端部の露出を抑制することができ、ウエハに欠け又は割れが発生することを抑制することができる。かかる効果をより十分に得る観点から、Xは、A+1mm以上であってもよく、A+3mm以上であってもよい。一方、XがA+5mmを超えても、ウエハに欠け又は割れが発生することを抑制する効果が更に向上することはないため、XはA+5mm以下とする。また、XをA+5mm以下とすることで、ウエハの貼付面からはみ出した積層体6が、積層体6のラミネート時及びウエハの研削時に、装置のステージ上に貼り付いて作業性が低下することを抑制することができる。
以下、本実施形態の接着フィルム10を構成する各層について詳細に説明する。
(接着剤層2)
接着剤層は、接着剤組成物を用いて構成することができる。特に限定するものではないが、以下、接着剤層を構成する接着剤組成物について説明する。
接着剤組成物は、例えば、(a)重量平均分子量が10000未満の樹脂(以下、場合により「(a)成分」という)、及び、(b)硬化剤(以下、場合により「(b)成分」という)を含有する。
接着剤組成物は、必要に応じて、(c)重量平均分子量が10000以上の高分子成分(以下、場合により「(c)成分」という)を含有していてもよい。接着剤組成物は、必要に応じて、(d)フラックス剤(以下、場合により「(d)成分」という)を含有していてもよい。接着剤組成物は、必要に応じて、(e)フィラー(以下、場合により「(e)成分」という)を含有していてもよい。
(a)成分:重量平均分子量が10000未満の樹脂
(a)成分としては、特に制限はないが、硬化剤と反応するものが好ましい。分子量が小さい成分は加熱時に分解等してボイドの原因となる場合があるため、硬化剤と反応する方が耐熱性の観点から好ましい。
(a)成分としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、及び、各種多官能のエポキシ樹脂等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
エポキシ樹脂の含有量は、接着剤組成物の固形分全体を基準として、例えば10~50質量%である。含有量が10質量%以上の場合、硬化成分の量が十分となり、硬化後も樹脂の流動を十分に制御することができ、50質量%以下の場合、硬化物が硬くなりすぎず、パッケージの反りを低減できる傾向がある。
なお、本明細書において「固形分」とは、接着剤組成物に含まれる揮発する物質(水、溶剤等)を除いた不揮発分を指し、室温(25℃付近)で液状、水飴状、又はワックス状の成分も含む。
エポキシ樹脂は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生しにくく、また、硬化前(Bステージ)の接着剤組成物の粘性(タック)が小さく取り扱いに優れる。
アクリル樹脂は、分子内に1個以上のアクリル基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型、ジシクロペンタジエン型、フルオレン型、アダマンタン型、及び、各種多官能のアクリル樹脂等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
アクリルの含有量は、接着剤組成物の固形分全体を基準として、10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましい。含有量が10質量%以上の場合、硬化成分の量が十分となり、硬化後も樹脂の流動を十分に制御することができ、50質量%以下の場合、硬化物が硬くなりすぎず、パッケージの反りを低減できる傾向がある。
アクリル樹脂は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生しにくく、また、硬化前(Bステージ)の接着剤組成物の粘性(タック)が小さく取り扱いに優れる。
アクリル樹脂において、アクリル基の官能基数は3官能以下が好ましい。3官能以下であると、官能基数が多くなり過ぎず、短時間での硬化が進行しやすく、硬化反応率を向上させやすい傾向がある。これは、官能基数が多くなり過ぎて硬化のネットワークが急速に進み、未反応基が残存することを抑制できるためであると考えられる。
(b)成分:硬化剤
(b)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基又はアクリル基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートを使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基又はアクリル基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
上記(a)成分に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基又はアクリル基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から0.3~1.5が好ましく、0.4~1.0がより好ましく、0.5~1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2、4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2、4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2、4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2、4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4、5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2、4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2、4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2、4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4、5-ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤としてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤層が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4-メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4-フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、10質量部以下であると金属接合が形成される前に接着剤層が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
(vi)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。保存安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステルが好ましい。さらに、耐熱性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイドが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機過酸化物の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.5~10質量部が好ましく、1~5質量部がより好ましい。有機過酸化物の含有量が0.5質量部以上の場合、十分に硬化が進行し易く、10質量部以下の場合、硬化が急激に進行して反応点が多くなるために分子鎖が短くなったり、未反応基が残存したりして信頼性が低下することを抑制できる傾向がある。
(a)成分と硬化剤(i)~(vi)との組み合わせは、硬化が進行すれば特に制限はないが、エポキシ樹脂には、取り扱い性、保存安定性、硬化性の観点から、フェノールとイミダゾール、酸無水物とイミダゾール、アミンとイミダゾール、イミダゾール単独であってよい。短時間で接続すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール単独であってよい。短時間で硬化すると低分子成分等の揮発分が抑制できることから、ボイド発生抑制も可能である。アクリル樹脂には、取り扱い性、保存安定性の観点から、有機過酸化物であってよい。
硬化反応率は80%以上、又は90%以上であってもよい。200℃(はんだ溶融温度以下)/5sの硬化反応率が80%以上であると、接続時(はんだ溶融温度以上)ではんだが流動・飛散が起こり難く、接続不良及び絶縁信頼性不良が発生し難い傾向がある。
硬化系はラジカル重合系であってよい。例えば、重量平均分子量10000以下の樹脂としては、アニオン重合のエポキシ樹脂(エポキシ-硬化剤の硬化系)と比較してラジカル重合のアクリル樹脂(アクリル-過酸化物の硬化系)が好ましい。アクリル硬化系の方が硬化反応率が高いため、ボイドをより抑制し易く、接続部金属の流動・飛散がより抑制し易い。アニオン重合のエポキシ樹脂等を含有すると、硬化反応率が80%以上になる事が難しい場合がある。エポキシ樹脂を併用する場合には、アクリル樹脂80質量部に対してエポキシ樹脂は20質量部以下であってもよい。アクリル硬化系を単独で用いてもよい。
(c)成分:重量平均分子量が10000以上の高分子成分
(c)成分としては、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。(c)成分は、耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等であってもよく、さらに耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴムであってもよい。これらの高分子成分は単独又は2種以上の混合体もしくは共重合体として使用することもできる。
(c)成分と(a)成分であるエポキシ樹脂との質量比は、特に制限されないが、フィルム状を保持する観点から、(c)成分1質量部に対して、エポキシ樹脂が0.01~5質量部、0.05~4質量部、又は、0.1~3質量部であってよい。(c)成分1質量部に対するエポキシ樹脂の量が0.01質量部以上であると、硬化性が向上し、接着力が向上する傾向があり、5質量部以下であると、フィルム形成性が向上する傾向がある。
(c)成分と(a)成分であるアクリル樹脂との質量比は、特に制限されないが、(c)成分1質量部に対して、アクリル樹脂が0.01~10質量部、0.05~5質量部、又は、0.1~5質量部であってよい。(c)成分1質量部に対するアクリル樹脂の量が0.01質量部以上であると、硬化性が向上し、接着力が向上する傾向があり、10質量部以下であると、フィルム形成性が向上する傾向がある。
(c)成分のガラス転移温度(Tg)は、基板及び半導体チップへの接着剤層の貼付性に優れる観点から、120℃以下、100℃以下、又は、85℃以下であってよい。Tgが120℃以下であると、半導体チップに形成されたバンプ、基板に形成された電極及び配線パターン等の凹凸を接着剤層により埋め込みやすく、気泡が残存してボイドが発生することを抑制しやすい傾向がある。なお、上記Tgとは、DSC(例えば、パーキンエルマー社製、商品名「DSC-7型」)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。
(c)成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上、40000以上、又は、50000以上であってよい。重量平均分子量が10000以上である場合には、フィルム形成性が向上する傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(例えば、島津製作所製社製、商品名「C-R4A」)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
(d)成分:フラックス剤
接着剤組成物は、フラックス剤、すなわち、フラックス活性(酸化物及び不純物を除去する活性)を示す化合物であるフラックス活性剤を含有することができる。(d)成分としては、イミダゾール類及びアミン類のように非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。なお、アルコール類に比べてカルボン酸類等の有機酸の方が、フラックス活性を強く発現し、接続性が向上する。
(e)成分:フィラー
接着剤組成物は、粘度及び硬化物の物性を制御するため、並びに、半導体チップ同士又は半導体チップと基板とを接続した際のボイドの発生の抑制、及び、吸湿率の抑制のために、フィラーを含有してもよい。
(e)成分としては、無機フィラー、ウィスカー、樹脂フィラー等が挙げられる。無機フィラーは、絶縁性無機フィラーであってよい。(e)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合体として使用してもよい。(e)成分の形状、粒径、及び配合量については、特に制限されない。
絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素等からなるフィラーが挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン、窒化ホウ素等が好ましく、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素がより好ましい。
ウィスカーとしてはホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素等からなるウィスカーが挙げられる。
樹脂フィラーとしては、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(MBS)等からなるフィラーが挙げられる。
(e)成分は、分散性及び接着力向上の観点から、表面処理フィラーであってもよい。表面処理としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、アクリル系、メタクリル系、ビニル系、シラン系等の表面処理が挙げられる。(e)成分は、上記表面処理によって物性を適宜調整してもよい。
表面処理のし易さから、(e)成分は、シラン系の表面処理が施されたフィラーであってもよい。シラン系の表面処理としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等の表面処理が挙げられる。
分散性、流動性、接着力の観点から、(e)成分は、グリシジル系、フェニルアミノ系、アクリル系、メタクリル系の表面処理が施されたフィラーであってもよい。また、保存安定性の観点から、(e)成分は、フェニル系、アクリル系、メタクリル系の表面処理が施されたフィラーであってもよい。
(e)成分の粒径に関しては、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、平均粒径が1.5μm以下であることが好ましく、視認性(透明性)の観点から、平均粒径が1.0μm以下であることがより好ましい。なお、(e)成分の平均粒径は、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径であり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
樹脂フィラーは無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロー性向上に適している。また、樹脂フィラーは柔軟性を付与できるため、フィルム形成性向上にも効果がある。
絶縁信頼性の観点から、(e)成分は絶縁性であることが好ましい。接着剤組成物は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラーを含有していなくてよい。
(e)成分の含有量は、接着剤組成物の固形分全体を基準として、30~90質量%が好ましく、40~80質量%が更に好ましい。(e)成分の含有量が30質量%以上であると、放熱性が高く、また、ボイド発生及び吸湿率を抑制できる傾向がある。(e)成分の含有量が90質量%以下であると、粘度が高くなって接着剤組成物の流動性の低下及び接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)が生じることを抑制でき、接続信頼性の低下を抑制できる傾向がある。
接着剤組成物は、上述した(a)~(e)成分のほか、イオントラッパー、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。添加剤の含有量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
接着剤層2は、上述した各成分を含有する接着剤組成物を溶剤に溶解若しくは分散してワニスとし、このワニスを基材フィルム1上に塗布し、加熱により溶剤を除去することによって形成することができる。
上記ワニスを基材フィルム1上に塗布する方法としては、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等、一般に周知の方法が挙げられる。
加熱により溶剤を除去するときの温度条件は70~150℃程度が好ましい。
用いる溶剤は、特に限定されないが、接着剤層形成時の揮発性等を沸点から考慮して決めることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の比較的低沸点の溶媒は接着剤層形成時に接着剤層の硬化が進みにくい点で好ましい。また、塗工性を向上させる目的で、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、シクロヘキサノン等の比較的高沸点の溶媒を使用してもよい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着剤層2の厚さは、2~50μmであってもよく、5~20μmであってもよく、実装後の樹脂のはみ出しを抑制する観点から、5~16μmであってもよい。
(基材フィルム1)
基材フィルムは、有機溶剤を乾燥させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限されない。基材フィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが挙げられる。基材フィルムは、1種単独の単層フィルムであっても、2種以上を組み合わせた多層フィルムであってもよい。
(バックグラインドテープ5)
基材4及び該基材4上に形成された粘着剤層3を含むバックグラインドテープ5は、半導体ウエハの研削時に使用される公知のバックグラインドテープを用いて構成することができる。特に限定するものではないが、以下、バックグラインドテープについて説明する。
基材4としては、特に制限はなく、公知のものを使用できる。基材4としては、例えば、樹脂フィルムが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリアリレートフィルム等を使用することができる。基材4としては、ポリエステル系フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
基材4の厚さは、作業性を損なわない範囲で適宜選択することができる。基材4の厚さは、200μm以下、10~150μm、又は、20~100μmであってよい。
粘着剤層3としては、特に制限はなく、公知のものを使用できる。粘着剤層3としては、ジオール基を有する化合物、イソシアネート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ジアミン化合物、尿素メタクリレート化合物、及び側鎖にエチレン性不飽和基を有する高エネルギー線重合性共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。粘着剤層3は、温度、湿度、保管期間、酸素の有無等の保管環境によって粘着性が変化し難い成分から構成されることが好ましく、保管環境によって粘着性が変化しない成分から構成されることがより好ましい。
また、粘着剤層3は、紫外線、放射線等の高エネルギー線、又は、熱によって硬化する成分を含んでもよい。そのような成分の中でも、高エネルギー線によって硬化する成分が好ましく、紫外線によって硬化する成分がより好ましい。粘着剤層3が、紫外線、放射線等の高エネルギー線、又は、熱によって硬化する成分を含む場合、硬化処理によって粘着剤層3の粘着力を低下させることができる。
接着フィルム10は、上述した基材フィルム1及び接着剤層2と、バックグラインドテープ5とを貼り合わせた後、接着剤層2及びバックグラインドテープ5をプリカットして積層体6を形成することで得ることができる。貼り合わせ及びプリカットは、公知の方法で行うことができる。
接着フィルム10において、粘着剤層3と接着剤層2との間の接着力が、接着剤層2と貼り付ける半導体ウエハとの間の接着力よりも低いことが好ましい。これにより、半導体ウエハを研削した後、バックグラインドテープ5を接着剤層2から剥離することが容易となる。
(半導体装置の製造方法)
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、主面の一方に複数の電極を有する半導体ウエハを準備し、該半導体ウエハの上記電極が設けられている側に、上述した半導体ウエハ加工用接着フィルム10における積層体6を上記接着剤層2側から貼り付ける工程と、上記半導体ウエハの上記電極が設けられている側とは反対側を研削して上記半導体ウエハを薄化する工程と、上記薄化した半導体ウエハ及び上記接着剤層2をダイシングして接着剤層付き半導体チップに個片化する工程と、上記接着剤層付き半導体チップの電極を、他の半導体チップ又は配線回路基板の電極と電気的に接続する工程と、を有する。ここで、上記半導体ウエハ及び上記積層体6は平面視で円形の形状を有し、平面視において、上記半導体ウエハの直径Aと上記積層体6の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす。XとAとの関係は、半導体ウエハ加工用接着フィルム10の説明において述べた通りであってよい。
A<X≦A+5mm …(1)
半導体ウエハへの積層体6の貼付は、例えば、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。積層体6における接着剤層2の厚さは、半導体チップ又は配線回路基板のサイズ、及び、バンプ(電極)高さ等に応じて適宜設定してよい。
半導体ウエハへの積層体6の貼付は、半導体ウエハ加工用接着フィルム10における基材フィルム1から積層体6を剥離し、剥離した積層体6を半導体ウエハに貼り付けることで行ってもよいが、基材フィルム1を有さない積層体6を用意し、当該積層体6をそのまま半導体ウエハに貼り付けることで行ってもよい。
次に、積層体付き半導体ウエハの電極が設けられている側とは反対側を研削して半導体ウエハを薄化する。薄化後の半導体ウエハの厚さは、30~300μmであってよい。
その後、薄化した接着剤層付き半導体ウエハからバックグラインドテープ5を剥離する。次いで、接着剤層付き半導体ウエハのダイシングを行い、半導体ウエハを半導体チップに個片化することによって、接着剤層が貼付された半導体チップ(接着剤層付き半導体チップ)を作製する。
ダイシング後、接着剤層付き半導体チップをピックアップし、配線回路基板上に圧着する。圧着は、フリップチップボンダー等の圧着装置を用いて、はんだバンプの融点以上の温度で圧着を行い、金属結合を接続部に形成する。加熱処理は、熱圧着機、リフロー炉、加圧オーブン等によって行うこともできる。以上の工程を経て、半導体装置を製造することができる。
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本開示をより具体的に説明するが、本開示は実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した化合物は以下の通りである。
(a)重量平均分子量が10000未満の樹脂
(a-1)トリフェノールメタン骨格含有多官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「EP1032H60」、重量平均分子量:800~2000)
(a-2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「YL983U」、重量平均分子量:約340)
(b)硬化剤
2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成工業株式会社製、商品名「2MAOK-PW」)
(c)重量平均分子量が10000以上の高分子成分
フェノキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「ZX1356」、Tg:約71℃、重量平均分子量:約63000)
(d)フラックス剤(カルボン酸)
グルタル酸(融点:約95℃)
(e)フィラー
(e-1)シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径:0.5μm)
(e-2)メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C-SM」、平均粒径:約50nm)
(e-3)樹脂フィラー(ロームアンドハースジャパン(株)社製、商品名「EXL-2655」、コアシェルタイプ有機微粒子)
(実施例1~3及び比較例1~2)
<接着剤層の作製>
表1に示す質量割合の(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、及び(e)成分に対し、NV値([乾燥後のワニス質量]/[乾燥前のワニス質量]×100)が60質量%になるように有機溶媒(シクロヘキサノン)を添加した。その後、上記(a)~(e)成分及び有機溶媒の全配合量と同質量のφ1.0mmのジルコニアビーズを加え、ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P-7)で30分撹拌した。撹拌後、ジルコニアビーズをろ過によって除去し、塗工ワニスを作製した。
Figure 2024047019000001
得られた塗工ワニスを、基材フィルム(東洋紡フイルムソリューション株式会社製、商品名「ピューレックスA55」)上に、小型精密塗工装置(株式会社康井精機)で塗工し、100℃で5分間乾燥することで、厚さ20μmの接着剤層を形成した。
<バックグラインドテープの作製>
主モノマーとして2-エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートを用い、官能基モノマーとしてヒドロキシエチルアクリレートとアクリル酸を用いたアクリル共重合体を溶液重合法にて得た。この合成したアクリル共重合体の重量平均分子量は40万、ガラス転移点は-38℃であった。このアクリル共重合体100質量部に、多官能イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートHL」)を10質量部の割合で配合して、粘着剤用ワニスを調製した。
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材(ユニチカ株式会社製、商品名「エンブレッドS25」)上に、上記粘着剤用ワニスを、アプリケータを用いて乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmとなるよう、ギャップを調整しながら塗工し、80℃で5分間乾燥した。これにより、基材上に感圧型の粘着剤層が形成されたバックグラインドテープを得た。
<半導体ウエハ加工用接着フィルムの作製>
次に、接着剤層の基材フィルムとは反対側の面上にバックグラインドテープを、50℃、線圧3kgf、速度5m/分の条件で貼り付け、基材フィルム/接着剤層/粘着剤層/基材の積層構造を有する半導体ウエハ加工用接着フィルムを得た。
得られた多層フィルムにおいて、バックグラインドテープ及び接着剤層(基材フィルム以外の層)を、図2に示すように、平面視で表2に示す直径(プリカット径)を有する円形状となるようにプリカットを行い、プリカットされた積層体を備える実施例1~3及び比較例1~2の半導体ウエハ加工用接着フィルムを得た。
[半導体ウエハの欠け及び割れの評価]
実施例及び比較例で得られた接着フィルムから積層体を剥離し、積層体の接着剤層側を、シリコンウエハ(直径300mm、厚さ775μm)の表面に、真空ラミネータ(ニッコーマテリアルズ社製、商品名「V130」)を用いて、ダイアフラム温度:80℃、ステージ温度:40℃、圧力:0.5MPa、加圧時間:60秒の条件で貼り付けた。
積層体を貼り付けたシリコンウエハを、積層体を貼り付けた側とは反対側の面から、バックグラインダー(ディスコ社製、商品名「DGP8761」)を用いて研削を行った。研削は、表2に示す仕上げ厚Z1まで粒度#340の砥石を用いて行った後、表2に示す仕上げ厚Z2まで粒度#6000の砥石を用いて行った。研削後、バックグラインダーのステージへの積層体の付着の有無を目視で確認したところ、実施例及び比較例のいずれも付着は無かった。
研削後、ウエハ表面を光学顕微鏡にて観察し、ウエハ端部に欠け及び割れが発生していないかを確認した。欠け及び割れのいずれも発生していない場合を「A」評価とし、欠け及び割れの少なくとも一方が発生している場合を「B」評価とした。結果を表2に示す。
Figure 2024047019000002
1…基材フィルム、2…接着剤層、3…粘着剤層、4…基材、5…バックグラインドテープ、6…積層体、10…半導体ウエハ加工用接着フィルム。

Claims (3)

  1. 主面の一方に複数の電極を有する半導体ウエハを準備し、該半導体ウエハの前記電極が設けられている側に、基材及び該基材上に形成された粘着剤層を含むバックグラインドテープと、前記粘着剤層上に形成された接着剤層と、を含む積層体を前記接着剤層側から貼り付ける工程と、
    前記半導体ウエハの前記電極が設けられている側とは反対側を研削して前記半導体ウエハを薄化する工程と、
    前記薄化した半導体ウエハ及び前記接着剤層をダイシングして接着剤層付き半導体チップに個片化する工程と、
    前記接着剤層付き半導体チップの電極を、他の半導体チップ又は配線回路基板の電極と電気的に接続する工程と、
    を有し、
    前記半導体ウエハ及び前記積層体は平面視で円形の形状を有し、
    平面視において、前記半導体ウエハの直径Aと前記積層体の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす、半導体装置の製造方法。
    A<X≦A+5mm …(1)
  2. 前記粘着剤層と前記接着剤層との間の接着力が、前記接着剤層と前記半導体ウエハとの間の接着力よりも低い、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 基材及び該基材上に形成された粘着剤層を含むバックグラインドテープと、前記粘着剤層上に形成された接着剤層と、を含む積層体を備える、半導体ウエハ加工用接着フィルムであって、
    前記半導体ウエハ及び前記積層体は平面視で円形の形状を有し、
    平面視において、前記半導体ウエハの直径Aと前記積層体の直径Xとが下記式(1)の関係を満たす、半導体ウエハ加工用接着フィルム。
    A<X≦A+5mm …(1)
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