JP5728859B2 - 半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法に関するものである。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
これらの半導体装置の製造方法においては、まず、ケイ素、ガリウム、ヒ素などからなる半導体ウエハーに接着シートを貼付し、半導体ウエハーの周囲をウエハーリングで固定しながらダイシング工程で前記半導体ウエハーを個々の半導体素子に切断分離(個片化)する。次いで、個片化した個々の半導体素子同士を引き離すエキスパンディング工程と、個片化した半導体素子をピックアップするピックアップ工程とを行う。その後、ピックアップした半導体素子を金属リードフレームまたは基板(例えばテープ基板、有機硬質基板等)に搭載するためのダイボンディング工程へ移送する。これにより、半導体装置が得られる。
また、ダイボンディング工程では、ピックアップした半導体素子を、他の半導体素子上に積層することにより、1つのパッケージ内に複数の半導体素子を搭載したチップスタック型の半導体装置を得ることもできる。
このような半導体装置の製造方法において用いられる接着シートとしては、基材フィルム上に第1の粘接着剤層と第2の粘接着剤層とをこの順で積層してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この接着シートは、半導体ウエハーに貼り付けられた状態で前述したダイシング工程に供される。ダイシング工程では、ダイシングブレードの先端が基材フィルムに到達するように切り込みを設けることで、半導体ウエハーと2層の粘接着剤層とが複数の部分に個片化される。そして、ピックアップ工程では、基材フィルムと2層の粘接着剤層との界面で剥離が生じ、個片化された半導体素子が、個片化された2層の粘接着剤層とともにピックアップされる。ピックアップされた2層の粘接着剤層は、ダイボンディング工程において、個片化された半導体素子と金属リードフレーム(または基板)との間の接着を担うこととなる。
ところで、ピックアップ工程においては、個片化された半導体素子をピックアップする際に、半導体素子に割れや欠け等の損傷を生じさせることなく、剥離を生じさせるべき界面(特許文献1の接着シートでは、基材フィルムと2層の粘接着剤層との界面)で容易かつ確実に剥離を生じさせる特性(いわゆるピックアップ性)が優れていることが求められる。
しかし、従来では、ピックアップ性が十分ではないと言う問題があった。
また、従来では、仮に、ピックアップ性を向上させるために、剥離を生じさせるべき界面の密着力を弱めると、ダイシング工程において、ダイシングブレードの回転力等によって、個片化された半導体素子が不本意に剥離してしまう現象(いわゆるチップ飛び)が生じてしまうと言う問題があった。
このように、従来では、ピックアップ性の向上とチップ飛びの防止とを両立させることが難しいと言う問題があった。
特開2004−43761号公報
本発明の目的は、ダイシング時におけるチップ飛びを防止するとともに、ピックアップ性を向上させることができる半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) 接着層と粘着層と支持フィルムとがこの順で積層されてなり、前記接着層の前記粘着層と反対側の面に半導体ウエハーを貼着し、この状態で該半導体ウエハーおよび前記接着層を切断してそれぞれ個片化し、得られた個片を前記支持フィルムからピックアップする際に用いる半導体用フィルムであって、
前記粘着層は、前記接着層に接する第1粘着層と、該第1粘着層の前記接着層とは反対側の面に接し、前記第1粘着層よりも粘着性の高い第2粘着層とを有し、
前記第1粘着層の平均厚さをT1、前記第2粘着層の厚さをT2としたときに、
前記T2が、〜5μmであり、かつ、
T2/T1が、0.0〜0.であることを特徴とする半導体用フィルム。
) 前記第1粘着層の平均厚さは、1〜50μmである上記(1)に記載の半導体用フィルム。
) 前記接着層の外周縁および前記第1粘着層の外周縁は、それぞれ、前記第2粘着層の外周縁よりも内側に位置している上記(1)または(2)に記載の半導体用フィルム。
) 前記第2粘着層の硬度は、前記第1粘着層の硬度より小さい上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体用フィルム。
) 前記第2粘着層のショアA硬度は、5〜90である上記()に記載の半導体用フィルム。
) 前記第1粘着層のショアD硬度は、20〜60である上記()または()に記載の半導体用フィルム。
) 前記個片化した後の前記半導体ウエハーにおいて、前記個片の縁部を前記粘着層から剥離させる際に測定される密着力をa(N/10mm)とし、前記個片の前記縁部以外の部分を前記粘着層から剥離させる際に測定される密着力をb(N/10mm)としたとき、a/bが1以上4以下である上記(1)ないし()のいずれかに記載の半導体用フィルム。
) 前記密着力aは、0.1〜0.4(N/10mm)である上記()に記載の半導体用フィルム。
) 前記密着力bは、0.05〜0.3(N/10mm)である上記()または()に記載の半導体用フィルム。
10) 前記半導体ウエハーおよび前記接着層を切断してそれぞれ個片化する際に、前記切断により生じる切り込みの最深部が、前記支持フィルムに達するようにして使用されるものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の半導体用フィルム。
11) 上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の半導体用フィルムの前記接着層側の面を半導体ウエハーに貼着して積層体を得るとともに、該積層体の前記支持フィルム側の面をワークテーブル上に載置する工程と、
前記半導体ウエハー側から前記積層体に切り込みを形成することにより、前記半導体ウエハーを切断して個片化する工程と、
得られた個片を前記支持フィルムからピックアップする工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
12) 前記切り込みは、その最深部が、前記支持フィルム内に位置するように設けられる上記(11)に記載の半導体装置の製造方法。
本発明によれば、接着層に対する第1粘着層の密着力よりも、第1粘着層および支持フィルムに対する第2粘着層の密着力が大きくなるため、ピックアップ工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち第1粘着層と接着層との界面)で剥離を生じさせることができる。
特に、第2粘着層が薄層化されているとともに、第1粘着層が厚層化されているので、ダイシング後において、第2粘着層の切断面付近の部分が接着層側へ伸びてしまうのを抑制するとともに、その伸びた部分が接着層の切断面へ至るのを防止することができる。そのため、第2粘着層の粘着力を強めても、第2粘着層がピックアップ時に悪影響を与える(接着層が第1粘着層との界面で剥離しにくくなる)のを防止することができる。
このようなことから、ダイシング時におけるチップ飛びを防止しつつ、ピックアップ性を向上させることができる。
本発明の半導体用フィルムおよび本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の半導体用フィルムおよび本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の半導体用フィルムおよび本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の半導体用フィルムを製造する方法を説明するための図である。 (a)は、本発明の半導体用フィルムを用いたダイシング工程後の切り込み部を示す断面図、(b)は、第2粘着層の厚さを厚くした半導体用フィルムを用いたダイシング工程後の切り込み部を示す断面図である。 第1粘着層と接着層との密着力を測定する方法を説明するための図(縦断面図)である。
以下、本発明の半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の半導体用フィルムおよび本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1ないし図3は、本発明の半導体用フィルムおよび本発明の半導体装置の製造方法の第1実施形態を説明するための図(縦断面図)、図4は、本発明の半導体用フィルムを製造する方法を説明するための図、図5(a)は、本発明の半導体用フィルムを用いたダイシング工程後の切り込み部を示す断面図、図5(b)は、第2粘着層の厚さを厚くした半導体用フィルムを用いたダイシング工程後の切り込み部を示す断面図、図6は、第1粘着層と接着層との密着力を測定する方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1ないし図4中の上側を「上」、下側を「下」という。
[半導体用フィルム]
図1に示す半導体用フィルム10は、支持フィルム4と、第1粘着層1と、第2粘着層2と、接着層3とを有している。より詳しくは、半導体用フィルム10は、支持フィルム4上に、第2粘着層2と、第1粘着層1と、接着層3とをこの順で積層してなるものである。
この半導体用フィルム10は、後に詳述するが、接着層3の上面に半導体ウエハー7を貼着させ、この状態で半導体ウエハー7および接着層3を切断(ダイシング)してそれぞれ個片化し、得られた個片(後述する半導体素子71と接着層31とを積層してなる個片83)を支持フィルム4からピックアップする際に用いるものである。このような半導体用フィルム10は、半導体ウエハー7をダイシングにより個片化する際に半導体ウエハー7を支持する機能を有する。また、半導体用フィルム10は、個片化された半導体ウエハー7(後述する半導体素子71)および接着層3(後述する接着層31)をピックアップする際に、第1粘着層1と接着層3との間が選択的に剥離するものである。このような半導体用フィルム10は、ピックアップした半導体素子71に、絶縁基板5上に接着するための接着剤(後述する接着層31)を提供する機能を有する。
特に、この半導体用フィルム10は、後に詳述するように、第1粘着層1の平均厚さをT1、第2粘着層2の厚さをT2としたときに、T2が、0.5〜5μmであり、かつ、T2/T1が、0.001〜0.65であることを特徴としている。
これにより、第2粘着層2が薄層化されるとともに、第1粘着層1が厚層化されるので、ダイシングによって第2粘着層2が接着層3側へ這い上がって接着層3の切断面に至るのを防止することができる。そのため、第1粘着層1および第2粘着層2の粘着力を所望時にそれぞれ好適に発揮させることができる。その結果、ダイシング時におけるチップ飛びの防止を図りつつ、ピックアップ性を向上させることができる。
また、支持フィルム4の外周部41および第2粘着層2の外周部21は、それぞれ第1粘着層1の外周縁11を越えて外側に存在している。
このうち、外周部21には、後述する半導体装置100の製造時におけるダイシング時に、ウエハーリング9が貼り付けられる。これにより、半導体ウエハー7が確実に支持されることとなる。
以下、半導体用フィルム10の各部の構成について順次詳述する。
(第1粘着層)
第1粘着層1は、一般的な粘着剤で構成されている。具体的には、第1粘着層1は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む第1樹脂組成物で構成されている。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等)との共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂を2種類以上混合してもよい。
また、これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、第1粘着層1が粘着する相手(被着体)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
また、第1樹脂組成物には、粘着性(接着性)を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、多価イソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)等のイソシアネート化合物等のモノマーおよびオリゴマーを添加してもよい。
さらに、第1樹脂組成物には、第1粘着層1を紫外線等により硬化させる場合、光重合開始剤としてメトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾインイソブチルエーテル系化合物、ベンゾイン安息香酸メチル系化合物、ベンゾイン安息香酸系化合物、ベンゾインメチルエーテル系化合物、ベンジルフィニルサルファイド系化合物、ベンジル系化合物、ジベンジル系化合物、ジアセチル系化合物等を添加してもよい。
また、第1樹脂組成物には、接着強度およびシェア強度を高める目的で、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族系石油樹脂等の粘着付与材等を添加してもよい。
このような第1粘着層1の平均厚さT1は、後に詳述するようなT2/T1の関係を満たすものであれば、特に限定されないが、1〜50μm程度であるのが好ましく、特に3〜30μm程度であるのがより好ましい。厚さT1が前記下限値未満であると十分な粘着力を確保するのが難しくなる場合があり、一方、厚さT1が前記上限値を超えてもあまり特性に影響が無く、利点も得られない。厚さT1が前記範囲内であると、特に、ダイシング時に剥離せず、ピックアップ時には引っ張り荷重に伴って比較的容易に剥離可能になることから、ダイシング性、ピックアップ性に優れた第1粘着層1が得られる。
(第2粘着層)
第2粘着層2は、前述した第1粘着層1よりも粘着性が高いものである。これにより、接着層3に対する第1粘着層1の密着力よりも、第1粘着層1および支持フィルム4に対する第2粘着層2の密着力が大きくなる。そのため、後述する半導体装置100の製造におけるピックアップ工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち第1粘着層1と接着層3との界面)で剥離を生じさせることができる。また、第2粘着層2の粘着性を高めることにより、後述する半導体装置100の製造の第2の工程においては、半導体ウエハー7をダイシングして個片化する際に、第2粘着層2とウエハーリング9との間が確実に固定されることとなる。その結果、半導体ウエハー7の位置ずれが確実に防止され、半導体素子71の寸法精度を高めることができる。
特に、第1粘着層1の平均厚さをT1、第2粘着層2の厚さをT2としたときに、T2が、0.5〜5μmであり、かつ、T2/T1が、0.001〜0.65である。
このように、第2粘着層2が薄層化されるとともに、第1粘着層1が厚層化されるので、図5(a)に示すように、ダイシング後において、第2粘着層2の切り込み81による切断面付近の部分が接着層3側へ伸びてしまうのを抑制するとともに、その伸びた部分が接着層3の切断面へ至るのを防止することができる。そのため、第2粘着層2の粘着力を強めても、第2粘着層2がピックアップ時に悪影響を与える(接着層3が第1粘着層1との界面で剥離しにくくなる)のを防止することができる。
これに対し、図5(b)に示すように、厚さが5μmよりも厚い第2粘着層102を用いた半導体用フィルム110を用いた積層体108の場合、ダイシング後において、第2粘着層102の切り込み181による切断面付近の部分が接着層3側へ伸びて、その伸びた部分が接着層3の切断面へ至ってしまう。そのため、第2粘着層102の粘着力を強めると、ピックアップ時に、接着層3に対して第1粘着層1の粘着力のみならず第2粘着層102の粘着力も作用してしまう。その結果、ピックアップ時において、接着層3と第1粘着層1との界面での剥離が生じにくくなり、個片化された半導体ウエハー7(半導体素子71)に割れや欠け等が生じると言う問題がある。かかる問題は、半導体ウエハー7の厚さが薄くなるほど顕著となる。仮にピックアップ性を向上させるために第2粘着層102の粘着力を弱めると、ダイシング時において、第1粘着層1に対する第2粘着層102の密着力、および、支持フィルム4に対する第2粘着層102の密着力が弱くなりすぎてしまう。その結果、第1粘着層1と第2粘着層102との界面、および、支持フィルム4と第2粘着層102との界面での剥離が生じやすくなり、これらの界面での剥離が不本意に生じ、いわゆるチップ飛びを生じることとなる。
なお、半導体用フィルム110は、第2粘着層102の厚さが異なる以外は、半導体用フィルム10と同様の構成を有している。また、図5(b)において、図5(a)と同様の構成に関しては、同一符号を付している。
この第2粘着層2には、前述した第1粘着層1と同様のものを用いることができる。具体的には、第2粘着層2は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む第2樹脂組成物で構成されている。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリルニトリル等)との共重合体等が用いられる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
また、これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシルおよび(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、第2粘着層2が粘着する相手(被着体)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
また、第2樹脂組成物には、粘着性(接着性)を制御するためにウレタンアクリレート、アクリレートモノマー、多価イソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)等のイソシアネート化合物等のモノマーおよびオリゴマーを添加してもよい。
さらに、第2樹脂組成物には、第1樹脂組成物と同様の光重合開始剤を添加してもよい。
また、接着強度およびシェア強度を高める目的で、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族系石油樹脂等の粘着付与材等を添加してもよい。
このような第2粘着層2の平均厚さT2は、前述したように、0.5〜5μmであればよいが、特に、1〜5μmであるのが好ましく、2〜5μmであるのがより好ましい。厚さT2が前記下限値未満であると、十分な粘着力を確保するのが困難となる場合があり、一方、厚さT2が前記上限値を超えると、ダイシング時に第2粘着層2の切り込み81による切断面付近の部分が接着層3側に伸びて、接着層3の切り込み81による切断面に至ってしまう。また、第2粘着層2は、第1粘着層1によりも柔軟性が高いため、第2粘着層2の平均厚さが前記範囲内であれば、前述したような効果に加えて、第2粘着層2の形状追従性が確保され、半導体用フィルム10の半導体ウエハー7に対する密着性をより高めることができる。
また、前述したT2/T1は、前述したように、0.001〜0.65の範囲内であればよいが、特に、0.01〜0.5であるのが好ましく、0.05〜0.3であるのがより好ましい。かかるT2/T1が前記下限値未満であると、第2粘着層2の厚さT2に対して第1粘着層1の厚さT1が大きくなりすぎて、第1粘着層1の構成材料等によっては、第1粘着層1が部分的に剥がれやすくなり、例えば、ピックアップ時に、半導体素子71に異物として付着するおそれがある。一方、かかるT2/T1が前記上限値を超えると、第2粘着層2の厚さT2に対して第1粘着層1の厚さT1が小さくなり、第2粘着層2の構成材料等によっては、ダイシング時に、第2粘着層2の切り込み81による切断面付近の部分が接着層3側に僅かに伸びても、その伸びた部分が接着層3の切り込み81による切断面に至るおそれがある。
(接着層)
接着層3は、例えば熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを含む第3樹脂組成物で構成されている。このような樹脂組成物は、フィルム形成能、接着性および硬化後の耐熱性に優れる。
このうち、熱可塑性樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のポリイミド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が低いため接着層3の初期密着性をより向上することができる。
なお、アクリル系樹脂とは、アクリル酸およびその誘導体を意味し、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド等の重合体および他の単量体との共重合体等が挙げられる。
また、アクリル系樹脂の中でもエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基等の官能基を持つ化合物(共重合モノマー成分)を有するアクリル系樹脂(特に、アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。これにより、半導体素子71等の被着体への密着性をより向上することができる。前記官能基を持つ化合物としては、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、ニトリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
また、前記官能基を持つ化合物の含有量は、特に限定されないが、アクリル系樹脂全体の0.5〜40質量%程度であるのが好ましく、特に5〜30質量%程度であるのがより好ましい。含有量が前記下限値未満であると密着性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると粘着力が強すぎて作業性を向上する効果が低下する場合がある。
また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは、特に限定されないが、−25〜120℃であることが好ましく、特に−20〜60℃であることがより好ましく、−10〜50℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が前記下限値未満であると接着層3の粘着力が強くなり作業性が低下する場合があり、前記上限値を超えると低温接着性を向上する効果が低下する場合がある。
また、熱可塑性樹脂(特にアクリル系樹脂)の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、特に15万〜100万が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、特に接着層3の成膜性を向上することができる。
一方、熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いるようにしてもよい。また、これらの中でもエポキシ樹脂またはフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂によれば、接着層3の耐熱性および密着性をより向上することができる。
また、熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜400質量部程度であるのが好ましく、特に3〜300質量部程度であるのがより好ましい。含有量が前記上限値を上回ると、チッピングやクラックが起こる場合や、密着性を向上する効果が低下する場合があり、含有量が前記下限値を下回ると、粘着力が強すぎ、ピックアップ不良が起こる場合や、作業性を向上する効果が低下する場合がある。
また、第3樹脂組成物は、さらに硬化剤(熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、特に、フェノール系硬化剤)を含有することが好ましい。
硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が挙げられる。これらの中でもフェノール系硬化剤が好ましく、具体的にはビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、およびこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。
また、硬化剤(特にフェノール系硬化剤)の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜200質量部であるのが好ましく、特に3〜150質量部であるのがより好ましい。含有量が前記下限値を下回ると、接着層3の耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、含有量が前記上限値を上回ると、接着層3の保存性が低下する場合がある。
また、前述した熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合は、エポキシ当量と硬化剤の当量比を計算して決めることができ、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の官能基の当量(例えばフェノール樹脂であれば水酸基当量)の比が0.5〜1.5であることが好ましく、特に0.7〜1.3であることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると保存性が低下する場合があり、前記上限値を超えると耐熱性を向上する効果が低下する場合がある。
また、第3樹脂組成物は、特に限定されないが、さらに硬化触媒(硬化促進剤)を含むことが好ましい。これにより、接着層3の硬化性を向上することができる。
硬化触媒としては、例えばイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等アミン系触媒、トリフェニルホスフィン等リン系触媒等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール類が好ましい。これにより、特に速硬化性と保存性を両立することができる。
イミダゾール類としては、例えば1−ベンジル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。これらの中でも2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールまたは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これにより、保存性を特に向上することができる。
また、硬化触媒の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部程度であるのが好ましく、特に0.5〜10質量部程度であるのがより好ましい。含有量が前記下限値未満であると硬化性が不十分である場合があり、前記上限値を超えると保存性が低下する場合がある。
また、硬化触媒の平均粒子径は、特に限定されないが、10μm以下であることが好ましく、特に1〜5μmであることがより好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、特に硬化触媒の反応性に優れる。
また、第3樹脂組成物は、特に限定されないが、さらにカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、樹脂と被着体および樹脂界面の密着性をより向上させることができる。
前記カップリング剤としてはシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらの中でもシラン系カップリング剤が好ましい。これにより、耐熱性をより向上することができる。
このうち、シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファンなどが挙げられる。
カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部程度であるのが好ましく、特に0.5〜10質量部程度であるのがより好ましい。含有量が前記下限値未満であると密着性の効果が不十分である場合があり、前記上限値を超えるとアウトガスやボイドの原因になる場合がある。
接着層3を成膜するにあたっては、このような第3樹脂組成物を、例えばメチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ジメチルホルムアルデヒド等の溶剤に溶解して、ワニスの状態にした後、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いてキャリアフィルムに塗工し、乾燥することで接着層3を得ることができる。
接着層3の平均厚さは、特に限定されないが、3〜100μm程度であるのが好ましく、特に5〜70μm程度であるのがより好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に厚さ精度の制御を容易にできる。
また、第3樹脂組成物は、必要に応じてフィラーを含有していてもよい。フィラーを含むことにより、接着層3の機械的特性および接着力の向上を図ることができる。
このフィラーとしては、例えば銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等の粒子が挙げられる。
また、フィラーの平均粒径は、0.1〜25μm程度であることが好ましい。平均粒径が前記下限値未満であるとフィラー添加の効果が少なくなり、前記上限値を超えるとフィルムとしての接着力の低下をもたらす可能性がある。
フィラーの含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.1〜100質量部程度であるのが好ましく、特に5〜90質量部程度であるのがより好ましい。これにより、接着層3の機械的特性を高めつつ、接着力をより高めることができる。
(支持フィルム)
支持フィルム4は、以上のような第1粘着層1、第2粘着層2および接着層3を支持する支持体である。
このような支持フィルム4の構成材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。
支持フィルム4の平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μm程度であるのが好ましく、30〜150μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルム4は、適度な剛性を有するものとなるため、第1粘着層1、第2粘着層2および接着層3を確実に支持して、半導体用フィルム10の取扱いを容易にするとともに、半導体用フィルム10が適度に湾曲することで、半導体ウエハー7との密着性を高めることができる。
(半導体用フィルムの特性)
第1粘着層1、第2粘着層2および接着層3は、それぞれ異なる密着力(粘着力)を有しているが、以下では、それらについて詳述する。
前述したように、第1粘着層1および支持フィルム4に対する第2粘着層2の密着力は、接着層3に対する第1粘着層1の密着力よりも大きい。これにより、個片83をピックアップした際に、第1粘着層1と第2粘着層2との界面が不本意にも剥離してしまうのを防止することができる。すなわち、第1粘着層1と接着層3との界面で選択的に剥離を生じさせることができる。
すなわち、第1粘着層1および第2粘着層2の2層で構成された粘着層を用いているため、それぞれの密着力(粘着力)を異ならせることで、上記のように、積層体8の確実な固定と個片83の容易なピックアップとを両立させることが可能になる。換言すれば、ダイシング性とピックアップ性の両立を図ることができる。
また、第1粘着層1の第2粘着層2に対する密着力は、特に限定されないが、100〜1,000cN/25mm程度であるのが好ましく、特に300〜600cN/25mm程度であるのがより好ましい。密着力が前記範囲内であると、特にダイシング性やピックアップ性に優れる。
なお、上記密着力(粘着力)の単位である「cN/25mm」は、支持フィルム4上に、第1粘着層1の表面に第2粘着層2を積層して貼り付けたサンプルを25mm幅の短冊状にし、その後、23℃(室温)において、この積層体において第1粘着層1の部分を剥離角180°でかつ引っ張り速度1000mm/minで引き剥がしたときの荷重(単位cN)を表すものである。すなわち、ここでは、第1粘着層1の第2粘着層2に対する密着力は、180°ピール強度として説明する。
また、第1粘着層1の接着層3に対する密着力は、接着層3の半導体ウエハー7に対する密着力よりも小さいことが好ましい。これにより、個片83をピックアップした際に、半導体ウエハー7と接着層3との界面が不本意にも剥離してしまうのを防止することができる。すなわち、第1粘着層1と接着層3との界面で選択的に剥離を生じさせることができる。
また、接着層3の半導体ウエハー7に対する密着力は、特に限定されないが、50〜500cN/25mm程度であるのが好ましく、特に80〜250cN/25mm程度であるのがより好ましい。密着力が前記範囲内であると、特にダイシング時に振動や衝撃で半導体素子71が飛んで脱落する、いわゆる「チップ飛び」の発生を十分に防止することができる。
なお、上記密着力(粘着力)の単位である「cN/25mm」は、半導体ウエハー7の表面に25mm幅の短冊状の接着層3を貼り付け、その後、23℃(室温)において、この接着層3を剥離角180°でかつ引っ張り速度1000mm/minで引き剥がしたときの荷重(単位cN)を表すものである。すなわち、ここでは、接着層3の半導体ウエハー7に対する密着力は、180°ピール強度として説明する。
また、第1粘着層1の接着層3に対する密着力は、第2粘着層2のウエハーリング9に対する密着力よりも小さいことが好ましい。これにより、後述する第3の工程において、個片83をピックアップした際に、第2粘着層2とウエハーリング9との間は剥離することなく、接着層3と第1粘着層1との間が選択的に剥離する。そして、ダイシングの際には、ウエハーリング9により積層体8を確実に支持し続けることができる。
なお、第1粘着層1の接着層3に対する密着力や第2粘着層2のウエハーリング9に対する密着力は、それぞれ、前述したアクリル系樹脂等の種類(組成)、モノマー等の種類、含有量、硬度等を変化させることで調整することができる。
また、ダイシング前における第1粘着層1の接着層3に対する密着力は、特に限定されないが、密着界面の平均で5〜80cN/25mm程度であるのが好ましく、特に10〜60cN/25mm程度であるのがより好ましい。密着力が前記範囲内であると、後述するように積層体8を引き伸ばしたり(エキスパンド)、積層体8をダイシングした際に、半導体素子71が第1粘着層1から脱落する等の不具合が防止されるとともに、優れたピックアップ性が確保される。
なお、上記密着力(粘着力)の単位である「cN/25mm」は、第1粘着層1の表面に接着層3を貼り付けたサンプルを25mm幅の短冊状にし、その後、23℃(室温)において、この積層フィルムにおいて接着層部分を剥離角180°でかつ引っ張り速度1000mm/minで引き剥がしたときの荷重(単位cN)を表すものである。すなわち、ここでは、第1粘着層1の接着層3に対する密着力は、180°ピール強度として説明する。
上記のような特性を有する第1粘着層1の組成としては、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、アクリレートモノマー1〜50質量部と、イソシアネート化合物0.1〜10質量部とを配合したものが挙げられる。
一方、第2粘着層2のウエハーリング9に対する密着力は、特に限定されないが、密着界面の平均で100〜2,000cN/25mm程度であるのが好ましく、特に400〜1,200cN/25mm程度であるのがより好ましい。密着力が前記範囲内であると、後述するように積層体8を引き伸ばしたり(エキスパンド)、積層体8をダイシングした際に、第1粘着層1と第2粘着層2との界面の剥離が防止され、結果として半導体素子71の脱落等が確実に防止される。また、ウエハーリング9により積層体8を確実に支持することができる。
なお、上記密着力(粘着力)の単位である「cN/25mm」は、ウエハーリング9の上面に第2粘着層2が接するように、25mm幅の短冊状の第2粘着層2を積層した支持フィルム4を23℃(室温)で貼り付け、その後、23℃(室温)において、この第2粘着層2を積層した支持フィルム4を、剥離角180°でかつ引っ張り速度1000mm/minでウエハーリング9から引き剥がしたときの荷重(単位cN)を表すものである。すなわち、ここでは、第2粘着層2のウエハーリング9に対する密着力は、180°ピール強度として説明する。
上記のような特性を有する第2粘着層2の組成としては、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、ウレタンアクリレート1〜50質量部と、イソシアネート化合物0.5〜10質量部とを配合したものが挙げられる。
また、第1粘着層1の接着層3に対する密着力をAとし、第2粘着層2の第1粘着層1に対する密着力をAとしたとき、A/Aは、特に限定されないが、5〜200程度であるのが好ましく、10〜50程度であるのがより好ましい。これにより、第1粘着層1、第2粘着層2および接着層3は、ダイシング性およびピックアップ性において特に優れたものとなる。
(半導体用フィルムの製造方法)
以上説明したような半導体用フィルム10は、例えば以下のような方法で製造される。
まず、図4(a)に示す基材4aを用意し、この基材4aの一方の面上に第1粘着層1を成膜する。これにより、基材4aと第1粘着層1との積層体61を得る。第1粘着層1の成膜は、前述した第1樹脂組成物を含む樹脂ワニスを各種塗布法等により塗布し、その後塗布膜を乾燥させる方法や、第1樹脂組成物からなるフィルムをラミネートする方法等により行うことができる。また、紫外線等の放射線を照射することにより、塗布膜を硬化させるようにしてもよい。
上記塗布法としては、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
また、積層体61と同様にして、図4(a)に示すように、用意した基材4bの一方の面上に接着層3を成膜し、これにより、基材4bと接着層3との積層体62を得る。
さらに、各積層体61、62と同様にして、図4(a)に示すように、用意した支持フィルム4の一方の面上に第2粘着層2を成膜し、これにより、支持フィルム4と第2粘着層2との積層体63を得る。
次いで、図4(b)に示すように、第1粘着層1と接着層3とが接するように積層体61と積層体62とを積層し、積層体64を得る。この積層は、例えばロールラミネート法等により行うことができる。
次いで、図4(c)に示すように、積層体64から基材4aを剥離する。そして、図4(d)に示すように、前記基材4aを剥離した積層体64に対して、基材4bを残して、前記接着層3および前記第1粘着層1の有効領域の外側部分をリング状に除去する。ここで、有効領域とは、その外周が、半導体ウエハー7の外径よりも大きく、かつ、ウエハーリング9の内径よりも小さい領域を指す。
次いで、図4(e)に示すように、第1粘着層1の露出面に第2粘着層2が接するように、基材4aを剥離し有効領域の外側部分をリング状に除去した積層体64と積層体63を積層する。その後、基材4bを剥離することにより、図4(f)に示す半導体用フィルム10が得られる。
[半導体装置の製造方法]
次に、上述したような半導体用フィルム10を用いて半導体装置100を製造する方法について説明する。
図1ないし図3に示す半導体装置の製造方法は、半導体ウエハー7と半導体用フィルム10とを積層(貼着)し、積層体8を得る第1の工程と、半導体用フィルム10の外周部21をウエハーリング9に貼り付けた状態で、半導体ウエハー7側から積層体8に切り込み81を設ける(ダイシングする)ことにより、半導体ウエハー7および接着層3を個片化し、半導体素子71および接着層31からなる複数の個片83を得る第2の工程と、個片83の少なくとも1つをピックアップする第3の工程と、ピックアップされた個片83を絶縁基板5上に載置し、半導体装置100を得る第4の工程とを有する。以下、各工程について順次詳述する。
[1]
[1−1]まず、半導体ウエハー7および半導体用フィルム10を用意する。
半導体ウエハー7は、あらかじめ、その表面に複数個分の回路が形成されたものである。かかる半導体ウエハー7としては、シリコンウエハーの他、ガリウムヒ素、窒化ガリウムのような化合物半導体ウエハー等が挙げられる。
このような半導体ウエハー7の平均厚さは、特に限定されず、好ましくは0.01〜1mm程度、より好ましくは0.03〜0.5mm程度とされる。前述したような半導体用フィルム10を用いた半導体装置の製造方法によれば、このような厚さの半導体ウエハー7に対しても欠けや割れ等の不具合を生じさせることなく、簡単かつ確実に切断して個片化することができる。
[1−2]次に、図1(a)に示すように、上述したような半導体用フィルム10の接着層3と、半導体ウエハー7とを密着させつつ、半導体用フィルム10と半導体ウエハー7とを積層する(第1の工程)。なお、図1に示す半導体用フィルム10では、接着層3の平面視における大きさおよび形状が、半導体ウエハー7とほぼ同じに設定されている。このため、半導体ウエハー7の下面全体が接着層3の上面全体と密着し、これにより半導体ウエハー7が半導体用フィルム10で支持されることとなる。なお、接着層3の平面視における大きさおよび形状が、半導体ウエハー7の外径よりも大きく、かつ、ウエハーリング9の内径よりも小さい形状に、あらかじめ設定されていてもよい。
上記積層の結果、図1(b)に示すように、半導体用フィルム10と半導体ウエハー7とが積層されてなる積層体8が得られる。
[2]
[2−1]次に、ウエハーリング9を用意する。続いて、第2粘着層2の外周部21の上面とウエハーリング9の下面とが密着するように、積層体8とウエハーリング9とを積層する。これにより、積層体8の外周部がウエハーリング9により支持される。
ウエハーリング9は、一般にステンレス鋼、アルミニウム等の各種金属材料等で構成されるため、剛性が高く、積層体8の変形を確実に防止することができる。
半導体用フィルム10が上述したように粘着性の異なる2層の粘着層(第1粘着層1および第2粘着層2)を有していることにより、これらの粘着性の違いを利用して、ダイシング性とピックアップ性の両立を図ることができる。
[2−2]次に、図示しないダイサーテーブルを用意し、ダイサーテーブルと支持フィルム4とが接触するように、ダイサーテーブル上に積層体8を載置する。
続いて、図1(c)に示すように、ダイシングブレード82を用いて積層体8に複数の切り込み81を形成する(ダイシング)。ダイシングブレード82は、円盤状のダイヤモンドブレード等で構成されており、これを回転させつつ積層体8の半導体ウエハー7側の面に押し当てることで切り込み81が形成される。そして、半導体ウエハー7に形成された回路パターン同士の間隙に沿って、ダイシングブレード82を相対的に移動させることにより、半導体ウエハー7が複数の半導体素子71に個片化される(第2の工程)。また、接着層3も同様に、複数の接着層31に個片化される。このようなダイシングの際には、半導体ウエハー7に振動や衝撃が加わるが、半導体ウエハー7の下面が半導体用フィルム10で支持されているため、上記の振動や衝撃が緩和されることとなる。その結果、半導体ウエハー7における割れや欠け等の不具合の発生を確実に防止することができる。
切り込み81の先端(最深部)は、支持フィルム4に達している。これにより、半導体ウエハー7および接着層3の双方を確実に個片化して、半導体素子71および接着層31を得ることができる。特に、前述したように第1粘着層1および第2粘着層2の厚さがそれぞれ最適化されているため、切り込み81の最深部が支持フィルム4に達していても、第2粘着層2が接着層3側へ伸びてしまうのを防止することができる。したがって、切り込み81の深さを高精度に制御する必要がなく、ダイシングが容易かつ確実に行える。なお、切り込み81の深さは、半導体ウエハー7と接着層3とを貫通し得る深さであればよく、例えば、切り込み81の深さを高精度に制御可能である場合には、切り込み81の最深部は、第2粘着層2の途中あるいは第2粘着層2と支持フィルム4との界面に位置していてもよい。
[3]
[3−1]次に、複数の切り込み81が形成された積層体8を、図示しないエキスパンド装置により、放射状に引き伸ばす(エキスパンド)。これにより、図1(d)に示すように、積層体8に形成された切り込み81の幅が広がり、それに伴って個片化された半導体素子71同士の間隔も拡大する。その結果、半導体素子71同士が干渉し合うおそれがなくなり、個々の半導体素子71をピックアップし易くなる。なお、エキスパンド装置は、このようなエキスパンド状態を後述する工程においても維持し得るよう構成されている。
[3−2]次に、図2に示すダイボンダ250により、個片化された半導体素子71のうちの1つを吸着して上方に引き上げる。その結果、図2(e)に示すように、接着層31と第1粘着層1との界面が選択的に剥離し、半導体素子71と接着層31とが積層されてなる個片83がピックアップされる(第3の工程)。
[4]
[4−1]次に、半導体素子71(チップ)を搭載(マウント)するための絶縁基板5を用意する。
この絶縁基板5としては、半導体素子71を搭載し、半導体素子71と外部とを電気的に接続するための配線や端子等を備えた絶縁性を有する基板が挙げられる。
具体的には、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板、アラミド銅張フィルム基板等の可撓性基板や、ガラス布・エポキシ銅張積層板等のガラス基材銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板等のコンポジット銅張積層板、ビスマレイミド−トリアジン(BT)基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板等の耐熱・熱可塑性基板といった硬質性基板の他、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板等のセラミックス基板などが挙げられる。
なお、絶縁基板5に代えて、リードフレーム等を用いるようにしてもよい。
次いで、図2(f)に示すように、ピックアップされた個片83を、ダイボンダ250により絶縁基板5上に載置する。
ここで、ダイボンダ250について説明する。
図2に示すダイボンダ250は、ダイシング工程を経て得られた個片83をピックアップした後、後述する絶縁基板5上に移送するものである。
このダイボンダ250は、個片83を吸着するコレット(チップ吸着部)260と、絶縁基板5を下方から加熱するヒーター270と、コレット260を支持する装置本体280とを有する。コレット260は、個片83を吸着した状態で、積層体8の載置部から絶縁基板5の載置部まで移動し得るようになっている。
本工程では、図2(e)に示すように、コレット260により個片83をピックアップし、この個片83を絶縁基板5上に載置する。そして、ヒーター270で加熱しつつ個片83を絶縁基板5に圧着することにより、個片83を絶縁基板5に接着する(図2(f)参照)。
なお、このようなピックアップの際に、接着層31と第1粘着層1との界面が選択的に剥離する理由は、前述したように、第2粘着層2の粘着性が第1粘着層1の粘着性より高いため、支持フィルム4と第2粘着層2との界面の密着力、および、第2粘着層2の第1粘着層1との界面の密着力は、第1粘着層1と接着層3との密着力より大きいからである。すなわち、半導体素子71を上方にピックアップした場合、これらの3箇所のうち、最も密着力の小さい第1粘着層1と接着層31との界面が選択的に剥離することとなる。
また、個片83をピックアップする際には、半導体用フィルム10の下方から、ピックアップすべき個片83を選択的に突き上げるようにしてもよい。これにより、積層体8から個片83が突き上げられるため、前述した個片83のピックアップをより容易に行うことができるようになる。なお、個片83の突き上げには、半導体用フィルム10を下方から突き上げる図示しない針状体(ニードル)等が用いられる。すなわち、ダイボンダ250は、この針状体を有していてもよい。
[4−2]次に、図3(g)に示すように、絶縁基板5上に載置された個片83を加熱・圧着する。これにより、接着層31を介して半導体素子71と絶縁基板5とが接着(ダイボンディング)される(第4の工程)。
加熱・圧着の条件としては、例えば加熱温度は100〜300℃程度であるのが好ましく、100〜200℃程度であるのがより好ましい。また、圧着時間は1〜10秒程度であるのが好ましく、1〜5秒程度であるのがより好ましい。
また、その後に加熱処理を施してもよい。この場合の加熱条件は、加熱温度が好ましくは100〜300℃程度、より好ましくは120〜250℃程度とされ、加熱時間が好ましくは1〜240分程度、より好ましくは10〜60分程度とされる。
その後、半導体素子71の端子(図示せず)と絶縁基板5上の端子(図示せず)とをワイヤ84により電気的に接続する。なお、この接続には、ワイヤ84に代えて、導電性ペースト、導電性フィルム等を用いるようにしてもよい。
そして、絶縁基板5上に載置された個片83およびワイヤ84を樹脂材料で被覆し、モールド層85を形成する。このモールド層85を構成する樹脂材料としては、エポキシ系樹脂等の各種モールド樹脂が挙げられる。
さらに、絶縁基板5の下面に設けられた端子(図示せず)にボール状電極86を接合することにより、半導体素子71をパッケージ内に収納してなる図3(h)に示すような半導体装置100が得られる。
以上のような方法によれば、第3の工程において、半導体素子71に接着層31が付着した状態、すなわち個片83の状態でピックアップされることから、第4の工程において、この接着層31をそのまま絶縁基板5との接着に利用することができる。このため、別途接着剤等を用意する必要がなく、半導体装置100の製造効率をより高めることができる。
特に、前述したように第1粘着層1および第2粘着層2の厚さがそれぞれ最適化されているため、切り込み81の最深部が支持フィルム4に達していても、第2粘着層2が接着層3側へ伸びて(這い上がって)しまうのを防止することができる。また、第2粘着層2の成分が切り込み81を介して接着層3の周辺や半導体ウエハー7の周辺に染み出すのも防止することができる。したがって、切り込み81の深さを高精度に制御する必要がなく、ダイシングが容易かつ確実に行える。
このような第2粘着層2の伸びや成分の染み出しは、第2粘着層2の粘着性が第1粘着層1の粘着性よりも強いことから、必然的に、第2粘着層2は第1粘着層1よりも柔軟性が高いと考えられ、したがって第2粘着層2に含まれる物質は流動性や流出性が第1粘着層1よりも高いということに起因する現象であると考えられる。
したがって、第2粘着層2の硬度は、第1粘着層1の硬度より小さい。これにより、第2粘着層2は、第1粘着層1に比べて確実に粘着性が高いものとなる一方、第1粘着層1は、ピックアップ性に優れたものとなる。
また、第1粘着層1のショアD硬度は、20〜60程度であるのが好ましく、30〜50程度であるのがより好ましい。このような硬度の第1粘着層1は、粘着性が適度に抑えられる一方、成分の流動性や流出性を比較的抑えられることから、比較的厚い厚さの第1粘着層1に切り込み81が形成されたとしても、ピックアップ性の向上と、第1粘着層1からの物質の染み出しによる不具合の防止とを両立させることができる。
また、第2粘着層2のショアA硬度は、5〜90程度であるのが好ましく、10〜80程度であるのがより好ましい。このような硬度の第2粘着層2は、十分な粘着性を有する一方、成分の流動性や流出性を比較的抑えられることから、ダイシング性(ダイシングにおける積層体8とウエハーリング9との固定性)の向上と、物質の染み出しによる不具合の防止とを両立させることができる。
また、第1粘着層1と接着層3との密着力は、個々の個片83の中央部と縁部(エッジ部)とで異なる場合が多い。これは、縁部では、個片83の端面に第1粘着層1中の成分が這い上がる等して、中央部に比べて密着力が大きくなり易いことに起因するものである。このため、個片83をピックアップする際には、中央部と縁部とで密着力が大きく異なり、それによって半導体素子71の割れや欠け等を招くおそれがある。
ここで、個片83を引き剥がす際に、個片83の縁部にかかる荷重(縁部の密着力)をaとし、個片83の中央部にかかる荷重(中央部の密着力)をbとしたとき、a/bは、1以上4以下であるのが好ましく、1以上3以下程度であるのがより好ましく、1以上2以下程度であるのがさらに好ましい。これにより、半導体素子71の部分ごとの荷重のバラつきが比較的狭い範囲に抑制されることになるため、ピックアップの際に半導体素子71の割れや欠け等の不具合が発生するのを確実に抑制することができる。そして、このような半導体用フィルム10を用いることにより、半導体装置100の製造歩留まりが向上するとともに、最終的に信頼性の高い半導体装置100を得ることができる。
なお、密着力aおよび密着力bは、それぞれ詳しくは次のようにして測定される。
まず、半導体用フィルム10と半導体ウエハー7とを積層して積層体8を得た後、半導体ウエハー7を10mm×10mm角に個片化した後の状態で、第3の工程を行う前の積層体8の上面に、1cm幅の短冊状の粘着フィルム87を23℃(室温)で貼り付ける(図6(a)参照)。
次いで、23℃(室温)において、図6(b)に示すように、積層体8から第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4を剥離角90°でかつ引っ張り速度50mm/minで引き剥がす。この際、第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4を引き剥がしつつ、第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4にかかる引っ張り荷重(単位N)の大きさを測定する。そして、図6(c)に示すように、個片83の縁部Eが第1粘着層1から離れる際に第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4にかかる引っ張り荷重の平均値が「密着力a」に相当し、個片83の中央部(縁部以外の部分)Cが第1粘着層1から離れる際に第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4にかかる引っ張り荷重の平均値が「密着力b」に相当する。
すなわち、半導体用フィルム10によれば、個片83の縁部Eが第1粘着層1から離れようとするとき、および、個片83の中央部Cが第1粘着層1から離れようとするとき、第1粘着層1、第2粘着層2、支持フィルム4にかかる引っ張り荷重の大きさの差が比較的小さく抑えられるため、仮にピックアップの際に半導体素子71に反りが生じた場合でも、その反りの程度が最小限に抑えられることとなる。その結果、半導体素子71の割れや欠け等の不具合が最小限に抑えられることとなる。これは、前述したように、第1粘着層1および第2粘着層2の層厚の最適化が図られていることによるものである。すなわち、ダイシングによって第2粘着層2の切り込み81付近の部分が接着層3側へ這い上がって接着層3の切り込み81による切断面に至るのが防止されるので、密着力aと密着力bとの差を小さくすることができる。
また、個片83の中央部(縁部以外の部分)の密着力bは、前述した第1粘着層1と接着層3との密着力の範囲にあることが好ましいが、その上で、0.05〜0.3N/10mm程度であるのが好ましく、0.10〜0.25N/10mm程度であるのがより好ましい。密着力bが前記範囲内にあることにより、個片83のピックアップ性が特に向上し、ピックアップの際に半導体素子71に割れや欠け、バリ等の不具合が発生するのを防止することができる。その結果、最終的に、信頼性の高い半導体装置100を高い歩留まりで製造することができる。また、密着力aは、0.1〜0.4N/10mmであるのが好ましい。
特に、半導体ウエハー7の厚さが薄い(例えば200μm以下)の場合には、密着力bを前記範囲内とすることで、半導体素子71に生じる上記のような不具合の防止効果が顕著になる。
なお、個片83の縁部Eとは、半導体素子71の外縁から、半導体素子71の幅の10%以下の領域を指すものとする。一方、個片83の中央部Cとは、前記縁部以外の領域を指すものとする。すなわち、半導体素子71の形状が、例えば平面視において10mm角の正方形である場合、外縁から1mm幅の領域が縁部であり、残りの領域が中央部となる。
以上、本発明の半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、パッケージの形態は、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)等のCSP(Chip Size Package)、TCP(Tape Carrier Package)のような表面実装型のパッケージ、DIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)のような挿入型のパッケージ等であってもよく、特に限定されない。
また、前記各実施形態では、絶縁基板5上に個片83をマウントする場合について説明したが、この個片83は、別の半導体素子上にマウントするようにしてもよい。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、複数の半導体素子を積層してなるチップスタック型の半導体装置を製造する場合にも適用することができる。これにより、ピックアップ不良のおそれや半導体素子間に削り屑等が侵入するおそれがなくなり、信頼性の高いチップスタック型の半導体装置を高い製造歩留まりで製造することができる。
また、本発明の半導体装置の製造方法では、必要に応じて、任意の工程を追加することもできる。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
1.半導体装置の製造
(実施例1)
<1>第1粘着層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量300,000の共重合体100質量部と、分子量が700の5官能アクリレートモノマー45質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5質量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3質量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに対して、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cmを照射し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に第1粘着層を成膜した。
なお、得られた第1粘着層のショアD硬度は、40であった。
<2>第2粘着層の形成
アクリル酸ブチル70質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30質量%とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体100質量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3質量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに対して、乾燥後の厚さが5μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に第2粘着層を成膜した。その後、支持フィルムとして厚さ100μmのポリエチレンシートをラミネートした。
なお、得られた第2粘着層のショアA硬度は、80であった。
<3>接着層の形成
アクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体のメチルエチルケトン(MEK)溶解品、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:500,000)の固形成分で100質量部と、フェノキシ樹脂(JER1256、重量平均分子量:50,000、ジャパンエポキシレジン(株)社製)9.8質量部、フィラーとして添加される球状シリカ(SC1050、平均粒径:0.3μm、(株)アドマテックス製)90.8質量部と、カップリング剤として添加されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)社製)1.1質量部と、フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)社製)0.1質量部とを、メチルエチルケトンに溶解して、樹脂固形分20質量%の樹脂ワニスを得た。
次に、得られた樹脂ワニスを、コンマコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)社製、品番ピューレックスA43、厚さ38μm)に塗布した後、温度150℃で3分間乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ10μmの接着層を成膜した。
<4>半導体用フィルムの製造
第1粘着層を成膜したフィルムと、接着層を成膜したフィルムとを、第1粘着層と接着層とが接するようにラミネート(積層)し、第1粘着層側のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して、積層体を得た。
次にロール状の金型を用いて、第1粘着層と接着層を半導体ウエハーの外径よりも大きく、かつウエハーリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに第2粘着層の一方の面側にあるポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離する。そして前記第2積層体の第1粘着層と第2粘着層とが接するように、これらを積層した。これにより、ポリエチレンシート(支持フィルム)、第2粘着層、第1粘着層、接着層およびポリエチレンテレフタレートフィルムの5層がこの順で積層してなる半導体用フィルムを得た。
ここで、T2/T1は、0.5であった。
<5>半導体装置の製造
次に、厚さ35μm、8インチのシリコンウエハーを用意した。
そして、半導体用フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、その剥離面にシリコンウエハーを60℃で積層した。これにより、ポリエチレンシート(支持フィルム)、第2粘着層、第1粘着層、接着層およびシリコンウエハーの5層がこの順で積層してなる積層体を得た。
次いで、この積層体をシリコンウエハー側から、ダイシングソー(DFD6360、(株)ディスコ製)を用いて以下の条件でダイシング(切断)した。これにより、シリコンウエハーが個片化され、以下のダイシングサイズの半導体素子を得た。
<ダイシング条件>
・ダイシングサイズ :10mm×10mm角
・ダイシング速度 :50mm/sec
・スピンドル回転数 :40,000rpm
・Z1軸ブレードハイト :0.140mm
・Z2軸ブレードハイト :0.0085mm
なお、上記Z1軸およびZ2軸ブレードハイトとは、2段階でダイシングする際におけるワークテーブル上面(=支持フィルム下面)を基準点(ゼロ点)としたブレードのZ軸方向の位置であり、Z1軸ブレードハイトはファーストカット時のZ軸方向の位置、Z2軸ブレードハイトはセカンドカット時のZ軸方向の位置である。このダイシングにより形成された切り込みは、その先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達していた。
次いで、半導体素子の1つを半導体用フィルムの裏面からニードルで突き上げ、突き上げた半導体素子の表面をダイボンダのコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、半導体素子と接着層の個片をピックアップした。
次に、ピックアップした個片を、ソルダーレジスト(太陽インキ製造(株)製、商品名:AUS308)をコーティングしたビスマレイミド−トリアジン樹脂基板(回路段差5〜10μm)に、温度130℃、荷重5Nで、1.0秒間圧着して、ダイボンディングした。
次いで、半導体素子と樹脂基板とをワイヤボンディングにより電気的に接続した。
そして、樹脂基板上の半導体素子およびボンディングワイヤを、封止樹脂EME−G760(住友ベークライト(株)製、商品名)で封止し、温度175℃で2時間の熱処理に供した。これにより、封止樹脂を硬化させて半導体装置を得た。なお、本実施例では、かかる半導体装置を10個作製した。
(実施例2)
第2粘着層の厚さT2を3μmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、0.3であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(実施例3)
第1粘着層の厚さを100μm、Z1軸ブレードハイトを0.230mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、0.05であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(実施例4)
第1粘着層の厚さを50μm、Z1軸ブレードハイトを0.180mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、0.1であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(実施例5)
第1粘着層の厚さを20μm、Z1軸ブレードハイトを0.150mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、0.25であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(比較例1)
第2粘着層の厚さを10μm、Z1軸ブレードハイトを0.145mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、1であった。また、また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(比較例2)
第1粘着層の厚さを5μm、Z1軸ブレードハイトを0.135mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、1であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
(比較例3)
第1粘着層の厚さを100μm、第2粘着層の厚さを20μm、Z1軸ブレードハイトを0.245mmとした以外は、前述した実施例1と同様にして半導体装置を製造した。
ここで、T2/T1は、0.2であった。また、ダイシングは、切り込みの先端がポリエチレンシート(支持フィルム)内に達するように調整した。
2.評価
2.1 ダイシング性
まず、各実施例および各比較例におけるダイシング性を評価した。具体的には、各実施例および各比較例において、半導体ウエハーを個片化して100個の半導体素子を製造し、これをピックアップする際に、それぞれの半導体素子における不具合の有無を、以下の評価基準に従って評価した。なお、上記不具合としては、半導体素子の欠けや割れ、剥離(チップ飛び)等が挙げられる。
<ダイシング性の評価基準>
◎:不具合を含む半導体素子の個数が3個未満
○:不具合を含む半導体素子の個数が3個以上6個未満
△:不具合を含む半導体素子の個数が6個以上10個未満
×:不具合を含む半導体素子の個数が10個以上
2.2 ピックアップ性
次いで、個片化した半導体素子のピックアップ性を評価するため、各実施例および各比較例における半導体素子の90°ピール強度を測定した。このピール強度は、半導体素子の上面に1cm幅の短冊状の粘着フィルムを23℃(室温)で貼り付け、その後、23℃(室温)において、この支持フィルムの側より剥離角90°でかつ引っ張り速度50mm/minで引き剥がしたときの端部における荷重とした。
そして、測定した荷重を、ピール強度の基準範囲0.1〜0.4N/10mmを用いた以下の評価基準に従って評価した。
<ピックアップ性の評価基準>
◎:基準範囲から逸脱する半導体素子の個数が1個未満
○:基準範囲から逸脱する半導体素子の個数が1個以上5個未満
△:基準範囲から逸脱する半導体素子の個数が5個以上10個未満
×:基準範囲から逸脱する半導体素子の個数が10個以上
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0005728859
この測定の結果、各実施例では、いずれも、ダイシング性およびピックアップ性の双方について、良好な結果が得られた。特に、実施例1、2、4においては、ダイシング性およびピックアップ性の双方について、極めて良好な結果が得られた。
一方、各比較例においては、ピックアップ性が極端に悪い結果となった。これは、第2粘着層の絶対的な厚さまたは第1粘着層の厚さに対する相対的な厚さが厚いため、ダイシングにより第2粘着層の切り込み付近の部分が接着層付近に這い上がり、第1粘着層よりも粘着性の高い第2粘着層の成分により第1粘着層と接着層との界面での剥離を生じさせにくくさせることによるものと考えられる。
1 第1粘着層
11 外周縁
2、102 第2粘着層
21 外周部
3、31 接着層
4 支持フィルム
41 外周部
4a、4b 基材
5 絶縁基板
61〜64 積層体
7 半導体ウエハー
71 半導体素子
8、108 積層体
81、181 切り込み
82 ダイシングブレード
83 個片
84 ワイヤ
85 モールド層
86 ボール状電極
87 粘着フィルム
9 ウエハーリング
10、110 半導体用フィルム
100 半導体装置
250 ダイボンダ
260 コレット
270 ヒーター
280 装置本体

Claims (12)

  1. 接着層と粘着層と支持フィルムとがこの順で積層されてなり、前記接着層の前記粘着層と反対側の面に半導体ウエハーを貼着し、この状態で該半導体ウエハーおよび前記接着層を切断してそれぞれ個片化し、得られた個片を前記支持フィルムからピックアップする際に用いる半導体用フィルムであって、
    前記粘着層は、前記接着層に接する第1粘着層と、該第1粘着層の前記接着層とは反対側の面に接し、前記第1粘着層よりも粘着性の高い第2粘着層とを有し、
    前記第1粘着層の平均厚さをT1、前記第2粘着層の厚さをT2としたときに、
    前記T2が、〜5μmであり、かつ、
    T2/T1が、0.0〜0.であることを特徴とする半導体用フィルム。
  2. 前記第1粘着層の平均厚さは、1〜50μmである請求項1に記載の半導体用フィルム。
  3. 前記接着層の外周縁および前記第1粘着層の外周縁は、それぞれ、前記第2粘着層の外周縁よりも内側に位置している請求項1または2に記載の半導体用フィルム。
  4. 前記第2粘着層の硬度は、前記第1粘着層の硬度より小さい請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体用フィルム。
  5. 前記第2粘着層のショアA硬度は、5〜90である請求項に記載の半導体用フィルム。
  6. 前記第1粘着層のショアD硬度は、20〜60である請求項またはに記載の半導体用フィルム。
  7. 前記個片化した後の前記半導体ウエハーにおいて、前記個片の縁部を前記粘着層から剥離させる際に測定される密着力をa(N/10mm)とし、前記個片の前記縁部以外の部分を前記粘着層から剥離させる際に測定される密着力をb(N/10mm)としたとき、a/bが1以上4以下である請求項1ないしのいずれかに記載の半導体用フィルム。
  8. 前記密着力aは、0.1〜0.4(N/10mm)である請求項に記載の半導体用フィルム。
  9. 前記密着力bは、0.05〜0.3(N/10mm)である請求項またはに記載の半導体用フィルム。
  10. 前記半導体ウエハーおよび前記接着層を切断してそれぞれ個片化する際に、前記切断により生じる切り込みの最深部が、前記支持フィルムに達するようにして使用されるものである請求項1ないしのいずれかに記載の半導体用フィルム。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の半導体用フィルムの前記接着層側の面を半導体ウエハーに貼着して積層体を得るとともに、該積層体の前記支持フィルム側の面をワークテーブル上に載置する工程と、
    前記半導体ウエハー側から前記積層体に切り込みを形成することにより、前記半導体ウエハーを切断して個片化する工程と、
    得られた個片を前記支持フィルムからピックアップする工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記切り込みは、その最深部が、前記支持フィルム内に位置するように設けられる請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
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