JP2011151110A - 半導体用接着フィルム、半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体用接着フィルム、半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個片化工程時における半導体素子の個片の保持性と、ピックアップ工程時における半導体素子の個片の剥離性とを、粘接着フィルムの輸送及び保管条件等の影響を受け難く、長期間保持することができる半導体用フィルムを提供すること。
【解決手段】接着層1と剥離層2とを有し、前記接着層1と前記剥離層2とが接合されてなり、前記接着層1の前記剥離層2と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び前記接着層1とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を前記剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムであって、前記剥離層2が放射線硬化樹脂を含むものであり、25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における前記接着層1と前記剥離層2とのピール強度が、処理前の値に対し、0.8〜1.5倍の範囲内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体用接着フィルム、半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法に関する。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。これらの半導体装置を製造する従来の方法としては、ケイ素、ガリウム、ヒ素などからなる半導体ウエハーに粘着シートを貼付し、個片化工程で半導体ウエハーの周囲をウエハーリングで固定しながら半導体ウエハーを個々の半導体素子に切断分離(ダイシング)して個片化した後、ピックアップ工程でエキスパンディングしながら個片化した半導体素子のピックアップを行い、次いで、この半導体素子を金属リードフレームあるいは基板(例えばテープ基板、有機硬質基板等)に搭載するためのダイボンディング工程へ移送する。ピックアップされた半導体素子は、ダイボンディング工程で樹脂ペースト等の液状ダイボンディング材を介してリードフレームあるいは基板に接着され、半導体装置が製造される。
しかし、多段に半導体素子を重ねる必要から半導体ウエハーの薄型化が進んでいるでおり、この様な半導体装置の製造においては、従来の液状ダイボンディング材である樹脂ペーストを用いて適量の接着剤を塗布することは困難であった。すなわち、半導体素子から樹脂ペーストがはみ出したり、樹脂ペーストが硬化した後に半導体素子が反ったりして、パッケージへの組込み時の信頼性が低下する場合があった。また、樹脂ペーストの塗布工程は繁雑でもあり、プロセスを簡略化するためにも、改善・改良が要求されている。
この問題の解決のため、液状ダイボンディング材の代わりに、フィルム状接着剤をダイボンディング材として使用することが提案され、一部では、既に使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。さらに、工程の短縮の理由から粘着シートとフィルム状のダイボンディング材とが一体となっている粘接着フィルムも一部では使用されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−353252号公報 特開2002−294177号公報 特開2004−123963号公報
上述したような粘着シートとフィルム状のダイボンディング材とが一体となっている粘接着フィルムでは、半導体ウエハーに貼着が予定される部分と、ウエハーリングに貼着が予定される部分とでは要求される機能が異なっていた。すなわち、半導体ウエハーに貼着が予定される部分では、個片化工程時においては半導体素子の個片を確実に保持しつつ、ピックアップ工程時においては半導体素子の個片を容易に剥離させる機能が要求されるのに対し、ウエハーリングに貼着が予定される部分では、両工程を通じてウエハーリングを確実に保持する機能が要求される。従来の粘接着フィルムでは、放射線等により反応をおこす反応性粘着シート等を用いて上述の異なる要求を満足させていた。しかし半導体ウエハーの薄型化、径の大型化が進むにつれ、上述の異なる要求を長時間保持するために反応
を厳密に制御する必要があり、輸送及び保管条件等を制限する必要があった。本発明の目的は、上述の異なる要求を満足することが可能な機能を、粘接着フィルムである半導体用フィルムの輸送及び保管条件等の影響を受けずに長期間保持することにより、個片化工程時における半導体素子の個片の保持性と、ピックアップ工程時における半導体素子の個片の剥離性とを、長期間保持することができる半導体用フィルムを提供することにある。
本発明の半導体用接着フィルムは、接着層と剥離層とを有し、前記接着層と前記剥離層とが接合されてなり、前記接着層の前記剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を前記剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムであって、前記剥離層が放射線硬化樹脂を含むものであり、25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における前記接着層と前記剥離層とのピール強度が、処理前の値に対し、0.8〜1.5倍の範囲内であることを特徴とする。
本発明の半導体用接着フィルムは、波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量が5mJ/mg以下であるものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記剥離層に予め放射線を照射することにより、前記剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下としたものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記接着層が(メタ)アクリル系樹脂を含むものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記接着層がさらに無機充填材を含むものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記無機充填材が球状の無機充填材を含むものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記剥離層が熱可塑性樹脂を含むものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムは、前記剥離層の前記接着層と反対側の面に粘着層付き基材層を有するものとすることができる。
本発明の半導体用接着フィルムの製造方法は、接着層と剥離層とを有し、前記接着層と前記剥離層とが接合されてなり、前記接着層の前記剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を前記剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムの製造方法であって、波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される放射線による硬化発熱量が5mJ/mg以下である前記剥離層と、前記接着層と、を接合する接合工程を有することを特徴とする。
本発明の半導体用接着フィルムの製造方法は、前記接合工程の前に、前記剥離層に予め放射線を照射することにより、波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とする放射線照射工程を有するものとすることができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、上述の半導体用接着フィルムの前記接着層の前記剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼着する貼着工程と、前記半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれを個片化する個片化工程と、前記剥離層と前記接着層との間で剥離して接着層付き半導体素子の個片をピックアップするピックアップ工程と、前記接着層付き半導体素子の接着層と支持体とを接合する接合工程と、を有することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法は、前記ピックアップ工程及び/又はその前段において、前記剥離層と前記接着層との間の密着力を低減させるための加熱処理工程及び/又は放射線照射工程を実質的に有しないものとすることができる。
本発明に従うと、個片化工程時における半導体素子の個片の保持性と、ピックアップ工程時における剥離層と接着層との間での剥離性とを、輸送及び保管条件等の影響を受け難く、長期間保持すること可能な、半導体用接着フィルムを得ることができる。
図1は、本発明の半導体用接着フィルムの一例を示す模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の半導体装置を製造する方法の一例を示すフロー図である。
以下、本発明の半導体用接着フィルム、半導体用接着フィルムの製造方法及び半導体装置の製造方法について説明する。本発明の半導体用接着フィルムは、接着層と剥離層とを有し、接着層と剥離層とが接合されてなり、接着層の剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び接着層とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムであって、剥離層が放射線硬化樹脂を含むものであり、25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における接着層と剥離層とのピール強度が、処理前の値に対し、0.8〜1.5倍の範囲内であることを特徴とする半導体用接着フィルムである。以下本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明における接着層を構成する樹脂組成物の各成分について説明する。なお、各成分は、一種類の化合物としてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る接着層を構成する樹脂組成物は、特に限定はされないが、(メタ)アクリル系樹脂を含むことが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体であって、(メタ)アクリル酸およびその誘導体を主なモノマーとする(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。また、他の単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が低いため、樹脂組成物中に配合することにより、初期密着性を向上することができる。ここで、初期密着性とは、半導体用接着フィルムの接着層を半導体ウエハーに接着した際の半導体素子の裏面と接着層の密着性であり、特に半導体ウエハー裏面への密着性を意味する。
また、(メタ)アクリル系樹脂は、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基等を持つ(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。これにより、半導体素子の裏面及び支持部材等の被着体への密着性をより向上することができる。こうした官能基を有する化合物として、具体的には、グリシジルエーテル基を有するグリシジル(メタ)クリレート、水酸基を有するヒドロキシ(メタ)クリレート、カルボキシル基を有するカルボキシ(メタ)クリレート、ニトリル基を有する(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、たとえば10万以上、130万以下が好ましく、15万以上、100万以下とすることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることにより、接着フィルムの成膜性をさらに向上させることができ、上記上限値以下とすることにより接着時の流動性を確保することが可能となる。
(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができ、測定条件例としては東ソー(株)製、高速GPC SC−8020装置でカラムはTSK−GEL GMHXL−L、温度40℃、溶媒テトラヒドロフラン等が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、接着フィルムの粘着が強くなりすぎることを抑制して作業性をさらに向上させる観点では、たとえば−10℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましい。また、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、低温での接着性をさらに向上させる観点では、たとえば30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、例えば、熱機械特性分析装置(セイコーインスツル(株)製、TMA/SS6100)を用いて、一定荷重(10mN)で−65℃から昇温速度5℃/分で温度を上昇させながら引っ張った際の変極点より測定することができる。
本発明に係る接着層を構成する樹脂組成物は、特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、エポキシ樹脂を含むことが特に好ましい。エポキシ樹脂は、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれかをいう。エポキシ樹脂の具体例として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ならびに、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。アラルキル型エポキシ樹脂を用いることにより、半導体用接着フィルムの接着層を介して半導体素子を支持部材に熱圧着する工程における100℃〜150℃付近で、接着フィルムの接着層の複素粘性率の変化を一定に抑えることができるため、一般的な熱圧着温度である100℃〜150℃の温度範囲で接着フィルムの接着層のフロー量の変動を抑制することができる。またノボラック型エポキシ樹脂を用いることにより、接着フィルムの接着層の硬化後のガラス転移温度を高めることができ、また、接着フィルムの接
着層と被着体(半導体素子及び支持部材)との密着性を向上させることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.1質量部以上、200質量部以下が好ましく、1質量部以上、100質量部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着層硬化後の高い接着性と支持部材等への濡れ広がり性を両立することができる。
エポキシ樹脂の軟化点は、(メタ)アクリル系樹脂との相溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、40℃以上、100℃以下が好ましく、50℃以上、90℃以下が特に好ましい。上記下限値以上とすることで、接着層のタック性を低減することができるため、ダイシングによる半導体ウエハーの個片化後に、半導体素子の個片を剥離層からピックアップする際の接着層付き半導体素子の剥がれ性が向上し、ピックアップ性を向上させることができる。また、上記上限値以下とすることで、半導体ウエハーとの初期密着性を向上させることができる。
また、エポキシ樹脂として、軟化点の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい。これにより、接着フィルムのタック性を低減する効果と初期密着性を向上する効果をより両立させやすくするという利点がある。たとえば、軟化点の異なる複数のエポキシ樹脂の組み合わせとしては、軟化点が40℃以上、70℃未満のエポキシ樹脂と軟化点が70℃以上、100℃以下のエポキシ樹脂の組み合わせ等が挙げられる。
本発明に係る接着層を構成する樹脂組成物の熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、特に限定されるものではないが、硬化剤を含めることが好ましい。硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば適宜選択して用いることができる。具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレリレンジアミン、などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、などの芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤;ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、などの脂肪族酸無水物、無水トリトメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、などの芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン、ビフェニレン骨格を含む)樹脂、ナフトールアラルキル(フェニレン、ビフェニレン骨格を含む)樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビス(モノまたはジt−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プ
ロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン
、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(2−プロペニル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチルー6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,
4'−(1−メチルテトラデシリデン)ビスフェノールなどのフェノール系硬化剤等が挙
げられる。
本発明で用いられる接着層を構成する樹脂組成物における硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と硬化剤の当量比を計算して求めることができる。硬化剤がフェノール樹脂の場合、エポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)に対する硬化剤のフェノール性水酸基数(OH)の当量比(OH/EP)は、0.5以上、1.5以下が好ましく、0.7以上、1.3以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの接着層の耐熱性と保存性を両立することができる。
本発明に係る接着層を構成する樹脂組成物には硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるものであれば適宜選択して用いることができる。具体的には、イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のアミン系触媒;トリフェニルホスフィンやテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物等のリン化合物が挙げられる。これらの中でも、接着フィルムの接着層の速硬化性と半導体素子上のアルミパッドへの低腐食性を両立するリン化合物が好ましい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの速硬化性および保存性、硬化後の物性のバランスを保つことが可能となる。
リン化合物の中でも、接着フィルムの接着層の速硬化性、半導体素子上のアルミパッドへの低腐食性、さらには接着層の保存性により優れる、テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物が特に好ましい。
テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物は、単なる混合物ではなく、塩構造、超分子構造等の構造を有する化合物である。
テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物のテトラ置換ホスホニウムは、接着フィルムの硬化性と保存性のバランスから、アルキル基や芳香族化合物がリン原子に4つ配位している化合物が好ましい。
テトラ置換ホスホニウムの置換基は、特に限定されるものではなく、互いに同一であっても異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基として有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的にテトラ置換ホスホニウムとしては、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等が例示でき、これらの中でもテトラフェニルホスホニウムが接着層の速硬化性と保存性のバランスから好ましい。
テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物の多官能フェノール化合物とは、フェノール性の水酸基を有するもので少なくともその1つの水酸基の水素が外れてフェノキシド型の化合物となっているものであり、具体的には、ヒドロキシベンゼン化合物、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、ヒドロキシナフタレン化合物、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。
多官能フェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール及び、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類;1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類;1,2
,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類;1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体;2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられるが、速硬化性と保存性のバランスに優れる1,2−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−スルホニルジフェノールが好ましい。
本発明に係る接着層を構成する樹脂組成物は、カップリング剤を含んでいてもよい。これにより、接着層と被着体(半導体素子及び支持部材)との密着性および接着層中の樹脂成分と充填材との界面の密着性をより一層向上させることができる。
カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、これらの中でも接着層の保存性と接着層と被着体との密着性に優れる、シラン系カップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン;β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン;N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシラン等が挙げられる。
カップリング剤の配合量は、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの接着層と被着体(半導体素子及び支持部材)との密着性を向上する効果と、アウトガスやボイドの発生を抑制する効果とを両立させることができる。
また、接着層を構成する樹脂組成物は、無機充填材を含んでいてもよい。これにより、ダイシングによる半導体ウエハーの個片化後に、半導体素子の個片を剥離層からピックアップする際の接着層付き半導体素子の剥がれ性が向上し、ピックアップ性を向上させることができる。また、硬化後の線膨張係数を低減する機能を付与することができる。
無機充填材としては、例えば銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。シリカフィラーを用いることにより、ダイシングによる、ウエハーの個片化後に、ダイシングテープからの接着フィルム付き半導体素子の剥がれ性の向上によるピックアップ性をさらに向上させることができる。また、シリカフィラーの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上、20μm以下が好ましく、0.1μm以上、5μm以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの接着層内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができ、さらに熱圧着時にチップを破壊することを抑制できる。
無機充填材の含有量は、特に限定されないが、無機充填材を除いた樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上、200質量部以下が好ましく、5質量部以上、100質量部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、硬化後の接着フィルムの接着層と被接着物(半導体素子及び支持部材)との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、接着層と被接着物(半導体素子及び支持部材)との剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の接着フィルムの接着層の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
なお、本発明に係る接着フィルムの接着層を構成する樹脂組成物は、上記成分以外の成分を含んでいてもよい。
以上のような接着層を構成する樹脂組成物を、例えば適当な有機溶剤によりワニス化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーター等で、離型シートに塗工し、乾燥することにより溶剤を揮散させた後、離型シートを除去することにより接着層を得ることができる。
本発明に係る接着層の厚さは、特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、3〜70μmが特に好ましい。厚さが上記範囲内であることにより、厚さ精度の制御が容易に実施できる。
次に、本発明における剥離層を構成する樹脂組成物について説明する。本発明における半導体用接着フィルムの剥離層は、放射線硬化樹脂を含む樹脂組成物で構成されている。以下、樹脂組成物の各成分について説明する。なお、各成分は、一種類の化合物としてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、具体的には、複数種の(メタ)アクリルモノマーの共重合体が好ましい。(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばメタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物は、放射線硬化樹脂を含むものである。これにより、放射線照射後の接着層と剥離層の密着力を調節することができる。なお、接着層と剥離層の接着後、剥離層に含まれる放射線線硬化樹脂と接着層との経時的な反応を防ぎ、接着層と剥離層の密着力を長時間一定に保持し、半導体素子の安定したピックアップ性を得るために、剥離層の放射線硬化樹脂が予め十分に放射線硬化されていることが好ましい。
放射線硬化性樹脂としては、例えば紫外線、電子線等の放射線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物が広く用いられる。
放射線硬化性樹脂としては、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート等、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。これらの中でも、ダイシングによる半導体ウエハーの個片化後に、半導体素子の個片を剥離層からピックアップする際の接着層付き半導体素子の剥がれ性が向上し、ピックアップ性を向上させることができるものとしては、ウレタンアクリレートが好ましい。
放射線硬化樹脂の重量平均分子量は、400以上、30,000以下が好ましく、500以上、12,000以下が特に好ましい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることにより半導体素子ピックアップ時に剥離層の割れを抑えることができ、また、上記上限以下とすることにより取り扱いが容易なものとなる。
放射線硬化樹脂の量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して30重量部以上200重量部以下が好ましく、更に50重量部以上150重量部以下が好ましい。上記下限値以上であるとピックアップ性に特に優れ、上記上限値以下であるとダイシング時のチップ飛びの抑制効果に優れる。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物は、更に放射線硬化開始剤を含むことが好ましく、放射線硬化開始剤としては例えば2−2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン等が挙げられる。
放射線硬化開始剤の含有量は、剥離層の放射線硬化樹脂100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下が好ましく、更に好ましくは1重量部以上7重量部以下である。上記範囲内とすることにより接着層付き半導体素子のピックアップ性が安定する。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物は、イソシアネート化合物を含むことが好ましい。イソシアネート化合物としては、具体的には多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物および上記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物、または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
多価イソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−4´−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート;2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4´−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4´−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートが挙げられる。中でも、芳香族多価イソシアネートが好ましく、剥離層の作製工程で可塑性樹脂と反応し、ピックアップ性を向上させる効果が得られる。芳香族多価イソシアネートの中でも2,4−トルエンジイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは2,4−トルエンジイソシアネートとポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物である。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物中のイソシアネート化合物の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.5〜40重量部が好ましく、特に1〜10重量部が好ましい。上記下限値以上であるとピックアップ性に特に優れ、上記上限値以下であるとダイシング時のチップ飛びの抑制効果に優れる。
本発明における剥離層を構成する樹脂組成物は、上述した熱可塑性樹脂、放射線硬化性樹脂、放射線硬化開始剤、イソシアネート化合物以外に、凝集力を高めるためにロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等の粘着付与剤等を含んでいても良い。
さらに本発明における剥離層を構成する樹脂組成物には、帯電防止剤を添加することもできる。帯電防止剤を添加することにより、エキスパンド時あるいはピックアップ時に発生する静電気を抑制できるため、半導体素子の信頼性が向上する。帯電防止剤としては、具体的にはアニオン性、カチオン性、非イオン性、ないし両イオン性の一般に公知の界面活性剤、カーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物などの粉体が用いられる。
以上のような剥離層を構成する樹脂組成物を、例えば適当な有機溶剤によりワニス化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーター等で、離型シートに塗工し、乾燥することにより溶剤を揮散させた後、離型シートを除去することにより、本発明における剥離層を得ることができる。
本発明における剥離層の厚みは、特に限定されないが、1〜50μmであることが好ましく、特に5〜30μmであることが好ましい。厚みを上記下限値以上とすると工業的に精度良く剥離層の作製が可能となり、上記上限値以下とするとピックアップ時の不良を抑制効果が向上する。
このようにして得られた剥離層と、接着層とを接合して半導体用接着フィルムを得るが、この接合の際に、剥離層に予め放射線を照射することにより、剥離層中の放射線硬化樹脂を反応させておくことが好ましく、その放射線硬化樹脂の未反応の放射線硬化樹脂に起因する、剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とした後に剥離層と接着層とを接合することがより好ましい。これにより、保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を有する半導体用接着フィルムを得ることができる。
この剥離層中の未反応の放射線硬化樹脂に起因する、剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とした後で接着層と接合することにより、長期間安定したピックアップ性が発現する。その理由は、以下のように考えられる。放射線硬化樹脂は低分子であって反応性が高く、様々な化合物と反応する。そのために剥離層中の放射線硬化樹脂が多いと、接着層を構成する樹脂組成物の成分と反応する。その結果、剥離層と接着剤層間の界面の密着力が上昇し、ピックアップ性が低下すると考えられる。この剥離層の放射線による硬化発熱量を3mJ/mg以下とすることがさらに好ましく、特に1mJ/mg以下とすることが好ましい。これにより、ピックアップ性の長期間安定性をより向上できる。
この放射線による剥離層の硬化発熱量は、例えば示差走査熱量計(DSC)に放射線照射装置を組み合わせることで測定することができる。より具体的には、例えば放射線として波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより、未反応の放射線硬化樹脂に起因する、剥離層の放射線による硬化発熱量を測定することができる。
本発明における剥離層の未反応の放射線硬化樹脂に起因する、剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とするために行う放射線照射に用いられる放射線としては、紫外線(UV)や電子線(EB)などが挙げられる。
反応に用いられるエネルギー量は放射線硬化樹脂が硬化する量であれば、特に限定はない
が、紫外線の場合、積算光量であらわすと50mJ/cm以上、2000mJ/cm以下であることが好ましい。上記範囲とすることにより硬化反応が安定する。
本発明における半導体用接着フィルムは、以上のように剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下としてから接着層と接合されてなる構造を含む。剥離層と接着層の接合方法としては、プレス加工や、ラミネートロールによる加工方法を用いることができる。これらの中でもラミネートロールを用いる方法が好ましく、更にラミネートロールを60℃以上、130℃以下として加工することが好ましい。これにより、接合外観を向上することができる。
本発明における半導体用接着フィルムは、図1に示すように剥離層2の接着層1と反対側の面に、粘着層付き基材層3を貼り付けることができる。粘着層付き基材層3はダイシングフィルムとして使用されるものでよい。このとき、図2(a)に示すように、半導体ウエハー6の外径、剥離層2の外径及び接着層1の外径、ダイシング時固定用ウエハーリング7の内径、粘着層付き基材層3の外径、ウエハーリング7の外径の順に大きくなるような構成で作製するのが好ましい。これにより、ピックアップ工程時においては半導体素子の個片を容易に剥離させ、ダイシングとピックアップの両工程を通じてウエハーリングを確実に保持することができる。
粘着層付き基材層の基材層には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエチレンテレフタレート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ビニルイソプレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物を用いることができる。これらの中でもエキスパンド性改善というの観点からはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンから選ばれる1種以上が好ましく、特にオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。
粘着層付き基材層の基材層の厚さは、特に限定されないが、50μm以上150μm以下であることが好ましく、特に80μm以上120μm以下であることが好ましい。基材の厚さが50μm以上150μm以下の範囲内であると、特に作業性に優れる。
粘着層付き基材層の基材層には、粘着層との密着性を向上させるために、基材の表面をコロナ処理、アンカーコート等で表面処理することが好ましい。
粘着層付き基材層の粘着層には、従来より粘着フィルム用途に用いられてきた(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の粘着剤をベース樹脂として用いることができるが、耐水性や耐候性改善の観点からは(メタ)アクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
粘着層付き基材層の粘着層には、剥離層に剥離層と同様のイソシアネート化合物を含むことが好ましい。これにより、粘着層と基材の密着が向上する。
粘着層付き基材層の粘着層の厚さは、特に限定されないが、1μm以上30μm以下であることが好ましく、特に3μm以上10μm以下であることが好ましい。上記範囲内であると、剥離層及びウエハーリングへの固定性に優れる。
本発明における半導体用接着フィルムは、25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における接着層と剥離層とのピール強度が、処理前の値に対し、0.8〜1.5倍
の範囲内である。これにより、長時間安定したピックアップ性を実現させることができる。
本発明における接着層と剥離層とのピール強度は、JISZ0237に基づく180°剥離試験を剥離試験機(例えばオリエンテック製R1A−1T)により行うことで測定することができる。具体的な測定例としては、まず接着層と剥離層とを例えば80℃で貼り付け、その後粘着層付き基材層を剥離層の接着層と反対側の面に例えば23℃で貼り付け評価用サンプルを作製する。次に粘着層付き基材層の粘着層と反対側の面を両面テープでSUS製等の板に固定し、剥離試験機の一方チャックにはさみ接着層と剥離層とを剥離する。剥離した接着層は、他方チャックにはさみ固定する。チャック間に固定された半導体用接着フィルムを引っ張ることにより接着層と剥離層とのピール強度を測定する。さらに同時に作製した評価用サンプルを25℃、相対湿度60%の条件で固定されたデシケーターの中で30日間処理し、同様にピール強度を測定する。尚、本発明における接着層と剥離層とのピール強度は、上記方法に限定されるものではなく、接着層と剥離層との貼り付け、ならびに、粘着層付き基材層と剥離層との貼り付けは任意の温度で行われたものを用いてもよい。また、粘着層付き基材層を用いずに、接着層と剥離層とを貼り付け後、接着層又は剥離層の貼り付けをしていないいずれか一方の面を直接両面テープでSUS製等の板に固定したものを用いて測定してもよい。
次に、上述の半導体用接着フィルムを用いて半導体装置を製造する方法について説明する。本発明における半導体装置を製造する方法は、まず図2(a)に示すように、接着層1、剥離層2、粘着層4、基材層5の順番に積層されるように、剥離層2の接着層1と反対側の面に、粘着層付き基材層3を貼り付けた半導体用接着フィルムを用意し、接着層1の剥離層2と反対側の面を半導体ウエハー6の裏面にロールラミネーター等で貼付け、同時に粘着層付き基材層3の粘着層4をウエハーリング7に貼付けて固定する。次に図2(b)に示すように、図示しないダイサーテーブルの上に、粘着層付き基材層3、半導体ウエハー6及びウエハーリング7を貼り付けた半導体用接着フィルムを設置し、ブレードで半導体用ウエハー6及び接着層1を切断してそれぞれを個片化する。
次に、粘着層付き基材層3を貼り付けた半導体用接着フィルムを図示しないエキスパンド装置で伸ばして、個片化した半導体素子と接着層とを一定の間隔に開き(図2(c))、その後に剥離層2と接着層1との間で剥離して接着層付き半導体素子8の個片をピックアップして(図7(d))、接着層付き半導体素子8の接着層と有機基板等の支持体を接合したのち、ワイヤーボンディング法等により半導体素子上の電極パッドと支持部材上の電極とを電気的に接続する。本発明において、剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とした後に剥離層と接着層とを接合した場合には、ピックアップ工程及び/又はその前段において、剥離層2と接着層1との間の密着力を低減させるための加熱処理工程及び/又は放射線照射工程を省略することができる。
次に、接着層付き半導体素子8と支持部材とからなる半導体部品の半導体素子が搭載された側の片面を、半導体封止用樹脂組成物をトランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で成形、硬化させることにより、半導体素子とその電気的接合部を半導体封止用樹脂組成物の硬化物である封止材により封止して、保護することができる。さらに、半導体封止用樹脂組成物の硬化物により半導体素子等が封止された半導体装置は、そのまま、あるいは、ポストキュアとして80℃から200℃程度の温度で、10分から10時間程度の時間をかけて半導体封止用樹脂組成物を完全硬化させた後、電子機器等に搭載することができる。尚、接着層付き半導体素子8と支持部材とからなる半導体部品が、複数の半導体素子を大型基板上にマトリクス状に配置したMAP方式の場合には、半導体封止用樹脂組成物により半導体素子が搭載された側の片面を一括で封止成形した後に、個々のパッケージにダイシングすることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<1> 剥離層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30重量%と酢酸ビニル70重量%とを共重合して得られた重量平均分子量300,000の共重合体100重量部と、分子量が10000の2官能ウレタンアクリレートモノマー100重量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5重量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3重量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに対して、乾燥後の厚さが30μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して波長365nmの紫外線(UV)を5mW/cmにて500mJ/cmを照射し、ポリエステルフィルム上に剥離層を成膜した。
なお、得られた剥離層の波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することによる硬化発熱量は、2mJ/mgであった。
<2> 粘着層付き基材層の形成
アクリル酸ブチル70重量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30重量%とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体100重量部と、トリレンジイソシアネート(コロネートT−100、日本ポリウレタン工業(株)製)3重量部と、を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに対して、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上に粘着層を成膜した。その後、基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートをラミネートした。
<3> 接着層の形成
アクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体のメチルエチルケトン(MEK)溶解品、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:500,000)の固形成分で100重量部と、フェノキシ樹脂(JER1256、重量平均分子量:50,000、ジャパンエポキシレジン(株)製)9.8重量部と、フィラーとして添加される球状シリカ(SC1050、平均粒径:0.3μm、(株)アドマテックス製)90.8重量部と、カップリング剤として添加されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)製)1.1重量部と、フェノール樹脂(PR−53647、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)0.1重量部とを、メチルエチルケトンに溶解して、樹脂固形分20重量%の樹脂ワニスを得た。
次に、得られた樹脂ワニスを、コンマコーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、品番ピューレックスA43、厚さ38μm)に塗布した後、温度150℃で3分間乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ25μmの接着層を成膜した。
<4> 半導体用接着フィルムの製造
剥離層を成膜したフィルムと、接着層を成膜したフィルムとを、剥離層と接着層とが接するようにラミネート(積層)し、剥離層側のポリエステルフィルムを剥離して、積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、剥離層と接着層を半導体ウエハーの外径よりも大きく、かつウエハーリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後不要部分を除去した。
さらに、剥離層の接着層とラミネートした面と反対側の面に、粘着層付き基材層の、粘
着層をラミネート(積層)した。これにより、基材層、粘着層、剥離層、接着層およびポリエステルフィルムの5層がこの順で積層してなる半導体用接着フィルムを得た。
<5> 接着フィルム付き半導体素子の製造
半導体用接着フィルムのポリエステルフィルムを剥がした後、半導体素子が形成された8インチ200μmウエハーに、接着層の剥離層と反対側の面を60℃で貼り付け、半導体用接着フィルム付きウエハーを得た。
その後、このウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで10.5mm×10.5mm角の各半導体素子のサイズにダイシング(切断)した。次に、ダイボンダー(ASM社製、AD898)を用いて半導体用接着フィルムの基材層側から突上げし、剥離層および接着層間で剥離させ、半導体素子の表面をピックアップコレットによりピックアップして、接着フィルム付き半導体素子を得た。
<6> 半導体装置の製造
以下の手順で、半導体装置を製造した。
半導体装置の基板としてソルダーレジスト(太陽インキ(株)製、AUS308)で被覆されたビスマレイミド・トリアジンを主剤とする模擬有機基板(回路段差5〜10μm)を用意した。なお模擬有機基板の片面のソルダーレジストが無塗布の部分に銅箔、ニッケルメッキおよび金メッキを順にパターン処理してワイヤーボンディング用の端子とし、模擬有機基板の反対面に設けたハンダボール搭載用エリアとビアホールで導通させた。
接着フィルム付き半導体素子を、模擬有機基板上にダイボンダー(ASM社製、AD898)を用いて、130℃、10N、2secの条件にて熱圧着した。次にワイヤーボンディング装置(ASM社製、Eagle60)により半導体素子のダイパッド部と基板のワイヤーボンディング用の端子とのワイヤーボンディングを行った。さらに封止樹脂EME−G790(住友ベークライト(株)製)で封止成形した後、ポストキュア175℃で2時間熱処理を行い、封止樹脂および接着フィルムの硬化を行い、合計10個の半導体装置を得た。
(実施例2)
剥離層に波長365nmの紫外線(UV)の照射を5mW/cmにて100mJ/c
行ったほかは、実施例1と同様に半導体用接着フィルム及び半導体装置を得た。なお、得られた剥離層の波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することによる硬化発熱量は、4.2mJ/mgであった。
(比較例1)
剥離層に波長365nmの紫外線(UV)の照射を行わなかったほかは、実施例と同様に半導体用接着フィルム及び半導体装置を得た。なお、得られた剥離層の波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することによる硬化発熱量は、78mJ/mgであった。
各実施例及び比較例で得られた半導体用接着フィルム及び半導体装置に関して次の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
1.接着層と剥離層間のピール強度測定
半導体用接着フィルムについて、接着層と剥離層との間の180°ピール強度を、作製直後及び25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後において測定した。
180°ピール強度は、テンシロン(ORIENTEC(株)製RTC−1250A)
を用い、剥離速度:1000mm/min、剥離幅25mmにて180°方向に剥離させることにより測定した。
◎:ピール強度が、1N/m以上、20N/m未満であった。
○:ピール強度が、20N/m以上、30N/m未満であった。
△:ピール強度が、30N/m以上、50N/m未満であった。
×:ピール強度が、50N/m以上であった。
2.接着層と剥離層間のピール強度変化
本発明における半導体用接着フィルムの25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における接着層と剥離層とのピール強度が、処理前の値に対する変化を求めた。
◎:ピール強度の変化が、処理前の値を1とした場合、0.8以上、1.5以下であった。
×:ピール強度の変化が、処理前の値を1とした場合、1.5を越えるものであった。
3.エキスパンド時にウエハーリングからの脱落の有無
上述のダイシングしたサンプルを、ダイボンダー(ASM社製AD898)に搭載し、9mm引き伸ばしを行い、ウエハーリングから半導体用接着フィルムの脱落の有無を確認した。なお、評価は、n=10で行った。
◎:半導体用接着フィルムがウエハーリングから脱落しなかった。
×:半導体用接着フィルムがウエハーリングから脱落した。
4.ピックアップ性
上述のダイシングしたサンプルを、ダイボンダー(ASM社製AD898)に搭載し、4mm引き伸ばしを行った。その後、ニードルによる突き上げ方式で、接着層と剥離層の間で剥離させて、接着フィルム付き半導体素子をピックアップした。n=50でピックアップが可能な半導体素子の割合で評価した。
◎:ピックアップ可能な接着フィルム付き半導体素子が、75%以上100%以下であった。
○:ピックアップ可能な接着フィルム付き半導体素子が、50%以上75%未満であった。
△:ピックアップ可能な接着フィルム付き半導体素子が、25%以上50%未満であった。
×:ピックアップ可能な接着フィルム付き半導体素子が、0%以上25%未満であった。
5.ピックアップ性の保存性
上述のダイシングしたサンプルを、25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後において再度上述のピックアップを行い、ピックアップ性の保存性を評価した。
6.耐クラック性
耐クラック性は、得られた半導体装置を85℃/85%RH/168時間加湿処理をした後、260℃のIRリフローを3回行い、生じたクラックを走査型超音波探傷機(SAT)で評価した。
◎:クラックが観察された半導体装置が、10個中0個だった。
△:クラックが観察された半導体装置が、10個中1個以上、3個未満だった。
×:クラックが観察された半導体装置が、10個中3個以上だった。
Figure 2011151110
1 接着層
2 剥離層
3 粘着層付き基材層
4 粘着層
5 基材層
6 半導体ウエハー
7 ウエハーリング
8 個片化された接着層付き半導体素子

Claims (12)

  1. 接着層と剥離層とを有し、前記接着層と前記剥離層とが接合されてなり、前記接着層の前記剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を前記剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムであって、
    前記剥離層が放射線硬化樹脂を含むものであり、
    25℃、相対湿度60%の条件で30日処理した後における前記接着層と前記剥離層とのピール強度が、処理前の値に対し、0.8〜1.5倍の範囲内であることを特徴とする半導体用接着フィルム。
  2. 波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量が5mJ/mg以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体用接着フィルム。
  3. 前記剥離層に予め放射線を照射することにより、波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体用接着フィルム。
  4. 前記接着層が(メタ)アクリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体用接着フィルム。
  5. 前記接着層がさらに無機充填材を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体用接着フィルム。
  6. 前記無機充填材が球状の無機充填材を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体用接着フィルム
  7. 前記剥離層が熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体用接着フィルム。
  8. 前記剥離層の前記接着層と反対側の面に粘着層付き基材層を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の半導体用接着フィルム。
  9. 接着層と剥離層とを有し、前記接着層と前記剥離層とが接合されてなり、前記接着層の前記剥離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼付させ、この状態で該半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれ個片化し、得られた接着層付き半導体素子の個片を前記剥離層からピックアップする際に用いる半導体用接着フィルムの製造方法であって、
    波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量が5mJ/mg以下である前記剥離層と、前記接着層と、を接合する接合工程を有することを特徴とする半導体用接着フィルムの製造方法。
  10. 前記接合工程の前に、前記剥離層に予め放射線を照射することにより、波長365nmの紫外線(UV)を50mW/cmにて4分間照射することにより測定される前記剥離層の放射線による硬化発熱量を5mJ/mg以下とする放射線照射工程を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  11. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の半導体用接着フィルムの前記接着層の前記剥
    離層と反対側の面を半導体ウエハーに貼着する貼着工程と、
    前記半導体ウエハー及び前記接着層とを切断してそれぞれを個片化する個片化工程と、
    前記剥離層と前記接着層との間で剥離して接着層付き半導体素子の個片をピックアップするピックアップ工程と、
    前記接着層付き半導体素子の接着層と支持体とを接合する接合工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記ピックアップ工程及び/又はその前段において、前記剥離層と前記接着層との間の密着力を低減させるための加熱処理工程及び/又は放射線照射工程を実質的に有しないことを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
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