JP4650024B2 - ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルム及びそれを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置。 - Google Patents
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Description
これらの半導体装置の製造方法としては、ケイ素、ガリウム、ヒ素などからなる半導体ウエハーに粘着シートを貼付し、ダイシングにより個々の半導体素子に切断分離した後、エキスパンディング、個片チップのピックアップを行い、次いで、半導体チップを金属リードフレームあるいはテープ基板または有機硬質基板にダイボンディングする半導体装置の組立工程へ移送される。
前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤
層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであり、前記光硬化性樹脂を前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、20〜50重量部の割合で含むものであるシリコーンウェハーの再生方法。
[2] 前記基材フィルム(II)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されている[1]記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[3] 前記アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度が-30℃以上60℃以下で
ある[1]または[2]記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[4] 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である[1]乃至[3]のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
[5] 前記光硬化性樹脂がアクリル系樹脂である[1]乃至[4]のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであるシリコーンウェハーの再生方法である。
なお下記は例示であり、本発明は何ら下記に限定されるものではない。以下に本発明に用いられるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの各構成要素、及びそれを用いた再生方法について詳細に説明する。
これらの基材フィルム(I)のうち、ポリプロピレン樹脂を30〜70重量部(好ましくは40〜60重量部)と、ポリスチレンブロックとビニルイソプレンブロックからなる共重合体70〜30重量部(好ましくは60〜40重量部)の混合物を用いることが好ましい。また粘着剤層との密着性を上げるために、これら基材の表面にコロナ処理を行ってもよい。基材フィルム(I)の厚みとしては、好ましくは30〜300μm、特に好ましくは50〜200μmである。
また本発明の粘着剤層には、凝集力を高めるためにロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加しても構わない。
基材フィルム(II)の厚みとしては、5〜100μmが好ましく、特に10〜60μmが好ましい。厚みが薄すぎるとダイシング時にチップが飛散する問題があり、厚すぎるとピックアップ不良が起こる問題がある。
本発明では、基材フィルム(II)の表面離型された面にフィルム状接着剤層を形成し、表面離型されてない面を粘着剤層に貼り付けることにより、ピックアップ工程において、基材フィルム(II)がフィルム状接着剤層間の界面から容易に剥離することを可能にし、優れたピックアップ性を実現させる。
前記官能基を持つ化合物として、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、二トリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が挙げられる。
これらの中でもフェノール系硬化剤が好ましく、具体的にはビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンおよびこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。
まず、シリコンウエハーの裏面に本発明のダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの接着剤層を室温あるいは60℃以下の温和な条件で貼付した後、ウエハーリングを粘着剤層に貼り付けた後ダイアタッチフィルム付きシリコンウエハーを、光透過性基材を介してダイシング装置上に固定し、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記のダイアタッチフィルム付きシリコンウエハーを、個片単位に切断して個片ダイとした半導体チップを得る。
次いで、ダイアタッチフィルムを半導体チップの裏面に固着残存させたままで、光透過性基材と接着剤層界面で剥離する。
この際、シリコンウェハーの裏面との接着界面においても接着力が低下するが、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを構成している基材フィルム(II)の表面に離型処理を施すことによって光透過性基材と接着剤層界面での剥離を優先させることができ、裏面にダイアタッチフィルムを固着残存させた半導体チップを得ることができる。
最終的に硬化したダイアタッチフィルムは、高い耐熱性を有するとともに、アクリルゴム樹脂成分のため硬化物は、脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有する。
[1]基材フィルム(I)及び粘着剤層
基材フィルム(I)としてハイブラ60重量部ポリプロピレン40重量部からなるクリアテックCT−H717(クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理した。次にアクリル酸2−エチルヘキシル50重量部とアクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後粘着剤層を基材フィルム(I)のコロナ処理面にラミネートして基材フィルム(I)及び粘着剤層を得た。
フィルム状接着剤成分A: アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)32重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)48重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)39重量部、光硬化樹脂(TMP、共栄社化学(株)製)50重量部、光開始材(IG651、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)5重量部、
カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とをメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分40%の樹脂ワニスを得た。
コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニスを、基材フィルム(II)であるポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙(株)製、RL−07、厚さ38μm)のシリコーン離型面に塗布し、70℃、10分間乾燥して、基材フィルム(II)つきのフィルム状接着剤層を得た。
上述の基材フィルム(II)つきのフィルム状接着剤層に保護フィルムを貼り付け、基材フィルム(II)及びフィルム状接着剤層をハーフカットし、上述の基材フィルム(I)上の粘着剤層に貼り付け、保護フィルムを剥がすことにより、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを得た。
得られたダイシング機能付きダイアタッチフィルムを6インチ550μmウエハーの裏面に60℃で貼り付けし、ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウエハーを得た。このダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウェハーの基材フィルム(I)の裏面
から紫外線(中心波長=約365nm)を積算照射量として250mJ/cm2照射した後にシリコンウェハーからダイシング機能付きダイアタッチフィルムを剥離させた。そしてダイシング機能付きダイアタッチフィルムが剥離されたシリコンウェハーの裏面に再び新たなダイシング機能付きダイアタッチフィルムを60℃で貼付し、ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウェハーを得た。その後ダイシング機能付きダイアタッチフィルム付きウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子のサイズにダイシング(切断)して、次にダイシングシート機能付きダイシングシートの裏面から突上げし基材フィルム(II)及びフィルム状接着剤層間で剥離した。
フィルム状接着剤成分B: フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)10重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)20重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)15重量部、光硬化樹脂(TMP、共栄社化学(株)製)40重量部、光開始材(IG651、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)4重量部、カップリング剤としてγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.1重量部。
基材フィルム(II)に離型処理がされていないポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
フィルム状接着剤成分C: アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、熱硬化性樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、日本化薬(株)製)32重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、日本化薬(株)製)48重量部、フェノール硬化剤(MEH7500、明和化成(株)製)39重量部、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とを用いた。
フィルム状接着剤成分D: フィルム状接着剤層成分の樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にしてダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムおよびそれを用いた半導体チップを得た。
アクリル酸エステル共重合体(グリシジル基含有アクリル酸エステル共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:15℃、重量平均分子量:350,000)100重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部、とを用いた。
半導体ウェハーのダイシング後に紫外線照射し、ダイアタッチフィルム付き半導体チップを光透過性基材から取り上げること(ピックアップ)ができるかを評価した。
○:ほぼ全てのチップがピックアップ可能なもの
△:ダイシングしたチップの50〜90%がピックアップ可能なもの
×:ピックアップが50%以下のもの
○: きれいに剥離させることができた。
△: 剥離させることができたが、接着剤の残存物がシリコンウェハーの裏面に存在し た。
×: 剥離させることができず、またシリコンウェハーが破損した。
2粘着剤層
3基材フィルム(II)
4フィルム状接着剤層
5シリコンウエハー
6ウエハーリング
Claims (5)
- シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムに紫外線を照射する工程、その後に前記シリコンウェハーが貼り付けられたダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムからシリコーンウェハーを剥離させる工程を含むことを特徴とするシリコーンウェハーの再生方法であって、
前記ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなり、前記フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含むものであり、前記光硬化性樹脂を前記アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、20〜50重量部の割合で含むものであるシリコーンウェハーの再生方法。 - 前記基材フィルム(II)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されている請求項1記載のシリコーンウェハーの再生方法。
- 前記アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度が-30℃以上60℃以下である請
求項1または2記載のシリコーンウェハーの再生方法。 - 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
- 前記光硬化性樹脂がアクリル系樹脂である請求項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンウェハーの再生方法。
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