JP5023681B2 - 半導体用接着フィルムの製造方法、半導体用接着フルムおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体用接着フィルムの製造方法、半導体用接着フルムおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体用接着フィルムの製造方法、半導体用接着フルムおよび半導体装置の製造方法に関する。
近年の電子機器の高機能化とモバイル用途への拡大に対応して半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、ICパッケージの大容量高密度化が進んでいる。
これらの半導体装置の製造方法は、ケイ素、ガリウム、ヒ素などからなる半導体ウエハーにダイシングシートと呼ばれる粘着シートを貼付し、ダイシングにより個々の半導体素子に切断分離した後、個片半導体素子をダイシングシートの裏側から突き上げて取り上げるピックアップ工程、次いで、半導体素子を金属リードフレームあるいはテープ基板または有機硬質基板に圧着させるダイボンディング工程へ移送される。
ダイボンディング工程では、ピックアップされた半導体素子をフィルム状接着剤等のダイアタッチ材を介してリードフレームあるいは基板に接着し、半導体装置を製造する(特許文献1)。
最近では、ダイシングシートの粘着層にフィルム状ダイアタッチ材が積層された半導体用接着フィルムを用いることにより、半導体ウエハーの裏面研削から、ダイアタッチ材とダイシングシートの貼り付け、ダイシング、ピックアップおよびダイボンディングまでの工程をライン化、簡略化させ、より薄型の半導体素子の形成、それによるICパッケージの大容量高密度化が実現している。(特許文献2)
しかし、ダイシングシートにフィルム状ダイアタッチ材が積層された半導体用接着フィルムは、接着剤層とダイシングシートの粘着材層が直接接しているため、保管環境により、接着剤層と粘着材層との間の密着が上昇し、薄型の半導体素子のピックアップ性が低下するという欠点があった。
特開2002−353252号公報 特開2006−24783号公報
本発明の目的は、保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を有する半導体用接着フィルムを提供することにある。
また、本発明の目的は、製造安定性に優れる半導体装置の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)に記載の本発明により達成される。
(1)水酸基を有する熱可塑性樹脂およびイソシアネート化合物を含む第1樹脂組成物で構成される粘着層と、アクリル系樹脂を含む第2樹脂組成物で構成される接着層と、を有する半導体用接着フィルムの製造方法であって、前記粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とした後に、該粘着層と前記接着層とを接合する接合工程を有することを特徴とする半導体用接着フィルムの製造方法。
(2)前記第2樹脂組成物は、さらにエポキシ樹脂を含むものである上記(1)に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
(3)前記第2樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである上記(1)または(2)に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
(4)前記無機充填材が、球状の無機充填材を含むものである上記(3)に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
(5)前記接合工程の前に、前記イソシアネート残基を低減するために前記粘着層を予め熱処理する工程を有するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
(6)前記熱処理工程は、前記粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とするまで熱処理するものである上記(5)に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の半導体用接着フィルムの製造方法で得られることを特徴とする半導体用接着フィルム。
(8)上記(7)に記載の半導体用接着フィルムの接着層をシリコンウエハーに貼着する貼着工程と、前記シリコンウエハーを個片化して半導体素子を得る個片化工程と、前記粘着層と、接着層との間で半導体素子を剥離する剥離工程と、前記接着層を有する半導体素子の接着層と支持体とを接合する接合工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(9)前記剥離工程において、前記粘着層と接着層との間の密着力を低減させるための加熱処理工程または紫外線照射工程を実質的に有しないものである上記(8)に記載の半導体装置の製造方法。
本発明によれば、ダイシングシートとしての機能を有し、かつ保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を有する半導体用接着フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、製造安定性に優れる半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の半導体用フィルムの製造方法、半導体用フィルムおよび半導体装置の製造方法について説明する。
本発明の半導体用接着フィルムの製造方法は、基材シートと、水酸基を有する熱可塑性樹脂およびイソシアネート化合物を含む第1樹脂組成物で構成される粘着層と、アクリル系樹脂を含む第2樹脂組成物で構成される接着層と、を有する半導体用接着フィルムの製造方法であって、前記粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とした後に、該粘着層と前記接着層とを接合する接合工程を有することを特徴とするものである。
また、本発明の半導体用接着フィルムは、上記に記載の半導体用接着フィルムの製造方法で得られることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、上記に記載の半導体用接着フィルムの接着層をシリコンウエハーに貼着する貼着工程と、前記シリコンウエハーを個片化して半導体素子を得る個片化工程と、前記粘着層と、接着層との間で半導体素子を剥離する剥離工程と、前記接着層を有する半導体素子の接着層と支持体とを接合する接合工程と、を有することを特徴とする。
まず、半導体用接着フィルムの製造方法および半導体用接着フィルムについて説明する。
半導体用接着フィルムは、粘着層の形成工程、接着層の形成工程および粘着層と接着層との接合工程を経て製造される。なお、粘着層の形成と接着層の形成との順番については、後述するイソシアネート残基に影響が無ければどちらが先でも構わない。
(粘着層)
前記粘着層は、水酸基を有する熱可塑性樹脂およびイソシアネート化合物を含む第1樹脂組成物で構成されている。これにより、半導体用ウエハーに対する粘着性を付与することができる。
前記水酸基を含む可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン系樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂が好ましく、具体的には、複数種のアクリルモノマーの共重合体が好ましい。前記アクリルモノマーとしては、例えばメタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、ここにメタアクリル酸2−ヒドロキシエチル等を添加することで、水酸基を含む可塑性樹脂を得ることができる。
前記水酸基を持つアクリルモノマーの含有量は、特に限定されないが、前記共重合体全体の0.5〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは4〜30重量%であることが好ましい。含有量が前記下限値以上であることでピックアップ性に特に優れ、前記上限値以下でダイシング時のチップ飛びの抑制効果に優れる。
前記イソシアネート化合物としては、具体的には多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物および上記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物、または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、オキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
前記多価イソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−4´−ジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4´−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4´−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネートがあげられる。中でも、芳香族多価イソシアネートが好ましく、前記可塑性樹脂との反応が速く、熱処理時間を短縮させることができる。芳香族多価イソシアネートの中でも2,4−トルエンジイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは2,4−トルエンジイソシアネートとポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物である。
前記第1樹脂組成物中の前記イソシアネート化合物の含有量は、特に限定されないが、前記水酸基を有する熱可塑性樹脂100重量部に対し0.5〜40重量部が好ましく、特に1〜10重量部が好ましい。前記下限値以上であるとピックアップ性に特に優れ、前記上限値以下であるとダイシング時のチップ飛びの抑制効果に優れる。
前記第1樹脂組成物は、上述した水酸基を有する熱可塑性樹脂、イソシアネート化合物以外に、凝集力を高めるためにロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等の粘着付与剤等を含んでいても良い。
さらに第1樹脂組成物には、帯電防止剤を添加することもできる。帯電防止剤を添加することにより、エキスパンド時あるいはピックアップ時に発生する静電気を抑制できるため、半導体素子の信頼性が向上する。帯電防止剤としては、具体的にはアニオン性、カチオン性、非イオン性、ないし両イオン性の一般に公知の界面活性剤、カーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物などの粉体が用いられる。
このような前記第1樹脂組成物を、例えば適当な有機溶剤によりワニス化し、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーター等で、基材シートに塗布または散布することにより粘着層付きの基材シートが得られる。具体的な製造方法としては、特に限定されないが、前記ワニスを適当な厚みに基材シート上に塗布または散布し、溶剤を揮発させ粘着層付きの基材シートを製造する方法、または耐熱性の保護シート上に前記ワニスを塗布または散布し、溶剤を揮発させ粘着層を形成し、さらに前記粘着層上に基材シートを積層し、粘着層付きの基材シートを製造する方法等が挙げられる。
本発明における粘着層の厚みは、特に限定されないが、3〜100μmであることが好ましく、特に5〜20μmであることが好ましい。厚みを前記下限値以上とすると工業的に精度良く粘着剤層の作製が可能となり、前記上限値以下とするとピックアップ時の不良を抑制効果が向上する。
前記基材シートとは、特に制限されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート等の一般的な熱可塑性樹脂で構成されるフィルムの他、さらにこれらの混合物で構成されるフィルム、さらにこれらを積層したフィルム等を用いることができる。
これらの中でもポリプロピレン樹脂を30〜70重量部と、ポリスチレンブロックとビニルイソプレンとからなるブロック共重合体30〜70重量部との混合物で構成される基材シートを用いることが好ましい。さらに好ましくは、ポリプロピレン樹脂が40〜60重量部と、ポリスチレンブロックとビニルイソプレンとからなるブロック共重合体40〜60重量部との混合物を用いることである。また粘着層との密着性を上げるために、これら基材シートの表面にコロナ処理を行ってもよい。基材シートの厚さは、特に限定されないが、30〜300μmが好ましく、特に50〜200μmが好ましい。前記下限値以上であるとダイシング作業の安定性をより向上することができ、前記上限値以下であることでピックアップ性をより向上することできる。
なお、基材シートは必須ではなく、用いない場合があっても良い。
(接着層)
前記接着層は、アクリル系樹脂(アクリル酸エステル共重合体)を含む第2樹脂組成物で構成されている。これにより、接着性を付与することができる。
前記アクリル系樹脂は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル、その他の誘導体をモノマーとして含む重合体のことを意味し、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。また、アクリロニトリルのようなアクリル系モノマー以外の他のモノマーと、アクリル系モノマーとの共重合体もアクリル系樹脂に含まれる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等の官能基を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、半導体素子等の被着体への密着性をより向上することができる。前記アクリル酸共重合体を構成する官能基を持つアクリルモノマーとして、具体的にはエポキシ基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つメタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、カルボキシル基を持つメタクリル酸、二トリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
本発明で用いるアクリル系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、特に15万〜100万が好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、特に接着層の製膜性を向上することができる。
前記第2樹脂組成物は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。前記熱硬化性樹脂としては、例えばビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。さらにフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を含んでも良い。ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等も挙げられる。これらは単独でも二種以上混合して用いても良い。
前記熱硬化性樹脂の中でもエポキシ樹脂が好ましく、特に結晶性エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エポキシ樹脂としては、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直な構造を主鎖に有するエポキシ樹脂が挙げられる。このような結晶性エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、800〜5,000が好ましく、特に1,000〜2,000が好ましい。結晶性エポキシ樹脂が好ましい理由は、常温で結晶化している固体であるが、融点以上の温度域では急速に融解して低粘度の液状に変化するからである。それによって、本発明の半導体用接着フィルムの接着層部分にシリコンウエハー裏面とを貼り合わせる工程における、初期密着性をより向上することができる。
前記第2樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル系樹脂100重量部に対し、1〜400重量部が好ましく、特に5〜100重量部が好ましい。含有量が前記下限値以上とすることで、耐湿、耐熱性などの物性及び密着力に優れた硬化物を得ることができるため、半導体装置の接続信頼性を確保することができる。また上記上限値以下とすることで、硬化時の温度における溶融粘度が低くなり過ぎず、気泡まきこみ等による不良を抑制することができ、硬化後の半導体装置の接続信頼性を確保することができる。
前記熱硬化性樹脂を用いる場合、硬化剤を用いることが好ましい。特に、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、フェノール系硬化剤を用いることが好ましく、具体的にはフェノール類とアルデヒド類またはケトン類の共縮反応物であるフェノール樹脂、ビスフェノール類、フェノール類とジメトキシパラキシレン等の共縮反応物であるフェニレンまたはジフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂が挙げられ、単核のレゾルシン、カテコール等も硬化反応を生じるならば使用できるが、「フェノール」の定義が一般に芳香環に結合する水素原子が水酸基で置換された化合物であることから、ナフトール等の縮合多環芳香族由来の水酸基含有化合物とカルボニル化合物の共縮反応物なども含まれる。これらのフェノール樹脂の中では、分子内の水酸基が少ないために硬化物の吸水率が小さく、分子が適度の屈曲性を有するために硬化反応における反応性も良く、かつ低粘度化も可能であることから、特にフェノールアラルキル樹脂が好ましい。
前記硬化剤の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル系樹脂100重量部に対し、1〜400重量部が好ましく、特に5〜100重量部が好ましい。含有量が前記下限値以上とすることで、耐湿、耐熱性などの物性及び密着力に優れた硬化物を得ることができるため、半導体装置の接続信頼性を確保することができる。また上記上限値以下とすることで、硬化時の温度における溶融粘度が低くなり過ぎず、気泡まきこみ等による不良を抑制することができ、硬化後の半導体装置の接続信頼性を確保することができる。
また、前記第2樹脂組成物は熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、硬化促進剤としてイミダゾール類を含んでもよい。特に制限はされないが、具体的には、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどの化合物が挙げられる。
前記硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル系樹脂100重量部に対して0.01〜30重量部が好ましく、特に0.5〜10重量部が好ましい。配合量が低すぎると硬化性が不十分である場合があり、高すぎると保存性が低下する場合がある。
前記第2樹脂組成物には、必要に応じて無機充填材を配合することにより、より薄い半導体素子に対する優れたピックアップ性を確保することができる。
前記無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01〜25μmが好ましく、特に0.1〜5μmが好ましい。平均粒径が前記下限値以上であることでピックアップ性がより向上し、前記上限値以下であることで、接着層の強い密着力を確保することができる。
前記無機充填材としては、例えば銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等があげられる。その中でも安価で汎用性があるためシリカが好ましい。
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、第2樹脂組成物全体の1%〜50重量%が好ましく、特に10〜40重量%が好ましい。含有量が前記下限値以上であることでピックアップ性がより向上し、前記上限値以下であることで、接着剤層の強い密着力を確保することができる。
前記第2樹脂組成物は、必要に応じてカップリング剤を含んでも良い。これにより接着層と半導体素子等の被着体との密着性を向上させることができる。前記カップリング剤としてはシラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられる。これらの中でも密着力と保存性の観点からシラン系カップリング剤が好ましい。
前記シラン系カップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記カップリング剤の含有量は、特に限定されないが、前記アクリル系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。含有量が前記下限値以上であることで密着力がより上昇し、前記下限値以下であることで保存性をより向上できる。
前記第2樹脂組成物は、上述のアクリル系樹脂、熱硬化性樹脂等以外に必要に応じて、他の成分としてシアネート基を有する有機化合物を含んでも良い。これにより、被着体への密着性と耐熱性とをより向上することができる。
前記シアネート基を有する有機化合物としては、例えばビスフェノールAジシアネート、ビスフェノールFジシアネート、ビス(4−シアネートフェニル)エーテル、ビスフェノールEジシアネート、シアネートノボラック樹脂等が挙げられる。
このような前記第2樹脂組成物を、例えば適当な有機溶剤によりワニス化し、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の周知の方法に従って、耐熱性の保護シート上に塗布または散布等により塗工し、乾燥させて接着層を形成する。ここで得られた保護シート上の接着剤層をウエハーの貼り付け予定部分の外径より大きく、かつウエハーリング貼り付け予定部分の内径より小さくカットする。そうすることで、ウエハーリングの汚染による工程の不具合を抑制することができる。
前記接着層の厚さは、特に限定されないが、3〜100μmが好ましく、特に5〜40μmが好ましい。厚さを前記下限値以上とすることで、工業的に精度良く接着剤層の作製が可能となり、前記上限値以下とすることで、ピックアップ時の不良を抑制できる。
このようにして得られた粘着層と、接着層とを接合して半導体用接着フィルムを得るが、この接合の際に前記粘着層中のイソシアネート化合物が前記熱可塑性樹脂の水酸基等と反応するが、そのイソシアネート残基を10%以下とした後に粘着層と接着層とを接合するものである。これにより、保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を有する半導体用接着フィルムを得ることができる。
この粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とした後で接着層と接合することにより、長期間安定したピックアップ性が発現する理由は、以下のように考えられる。
イソシアネート基は反応性が高く、様々な化合物と反応する。そのために粘着層中のイソシアネート残基が多いと、接着層を構成する樹脂組成物の成分とイソシアネート基が反応する。その結果、粘着層と接着剤層間の界面の密着力が上昇し、ピックアップ性が低下すると考えられる。
この粘着層のイソシアネート残基は、より具体的には8%以下とすることが好ましく、特に5%以下とすることが好ましい。これにより、ピックアップ性をより向上できる。
このイソシアネート残基の量は、例えば粘着層の塗工乾燥直後に基材シートに貼り付けてから10分後および熱処理後の粘着層のIRスペクトルにおけるイソシアネート基由来の2250cm−1におけるピーク面積で評価した。粘着層を貼り付けてから10分後のピーク面積をAとし、熱処理後のピーク面積をBとして、下記式よりイソシアネート残基を求めた。粘着剤層のIRスペクトルの測定方法は、パーキンエルマー社製フーリエ変換赤外分光分析Spectrum Oneにて、ATR法で積算回数4回で測定を行った。
イソシアネート残基(%)=B/A×100 (式)
粘着層中のイソシアネート残基を10%以下にする方法としては、特に限定はされないが、室温(23℃)で長時間放置する方法や、熱処理する方法等が挙げられる。これらの中でも熱処理をする方法が好ましい。これにより、短時間でイソシアネート基の反応を進めることができ、生産性を向上することができる。
前記熱処理の雰囲気温度は、特に限定はされないが、40℃〜100℃が好ましく、特に40〜60℃が好ましい。温度が前記下限値以上であると可塑性樹脂と、イソシアネート化合物の反応を促進し、ピックアップ性の経時変化を抑制することができる。また、前記上限値以下であると、基材シートと粘着剤層の剥離を抑制し、半導体装置の接続信頼性を向上させることができる。
前記熱処理の処理時間は、特に限定はされないが、0.1〜340時間が好ましく、特に1〜72時間が好ましい。前記下限値以上であると、可塑性樹脂とイソシアネート化合物の反応を促進し、ピックアップ性の経時変化を抑制することができる。また、前記上限値以下であると、基材シートと粘着剤層の剥離を抑制し、半導体装置の接続信頼性を向上させることができる。
このように粘着層中のイソシアネート残基を10%以下としてから接着層と接合する。接合方法としては、例えば打ち抜きプレス加工や、ラミネートロールによる加工方法を用いることができる。これらの中でもラミネートロールを用いる方法が好ましい。これにより、接合外観を向上することができる。
こうして粘着層と接着層とを有する半導体用接着フィルムを得ることができる。このような半導体用フィルムは、例えばダイシングフィルムの機能を有し、かつ半導体素子と基板との接着剤としてのダイアタッチフィルムの機能とを有することができる。
次に、半導体装置の製造方法について説明する。
まず、シリコンウエハーの裏面に、上述の半導体用接着フィルムの粘着層が接合されるように貼着する。次に、シリコンウエハーの半導体用フィルム側の面がダイシング装置に接するように、シリコンウエハーをダイシング装置上に固定する。そして、ダイシングソー等の切断手段を用いて、上記シリコンウエハーを個片化単位(半導体素子の単位)に切断する。こうして、半導体用接着フィルムを有する半導体素子を得る。
次に、得られた半導体用接着フィルム付き半導体素子を、粘着層と接着層との間で剥離させてピックアップし、半導体素子の接着層を介してリードフレームまたは有機基板等の半導体素子搭載用支持部材と接合させる。このときの接合条件は、特に制限されるものではないが、例えば接合温度は80〜200℃、接合時間は0.1〜30秒、接合圧力は0.1〜10MPaで行うことができる。その後必要に応じてワイヤボンディング、封止材により封入を経て半導体装置を得ることができる。このようにして、得られた半導体装置は上述の半導体用接着フィルムを用いているので、半導体用接着フィルムの保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を示している。したがって、安定して半導体装置を製造することができるようになる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
1)基材シートおよび粘着剤層の作製
基材シートとして、CT−H617(クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのシートを形成し、表面をコロナ処理し、基材シートを得た。
次に、アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部と酢酸ビニル25重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体(水酸基を有する熱可塑性樹脂)100重量部に対し、ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン(株)製)6重量部を配合した粘着層となる樹脂溶液を剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙社製、品番RL−07、厚さ38μm)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着層を得た。その粘着層を基材シートのコロナ処理面にラミネートして厚さ10μmの粘着層を有する粘着層付き基材シート得た。そして、粘着剤付き基材シートを60℃で168時間熱処理を施し、粘着層中のイソシアネート残基を2%とした。なお、イソシアネート残基の量は、粘着層の塗工乾燥直後に基材シートに貼り付けてから10分後および熱処理後の粘着層のIRスペクトルにおけるイソシアネート基由来の2250cm−1におけるピーク面積を測定し、粘着層を貼り付けてから10分後のピーク面積をAとし、熱処理後のピーク面積をBとして、下記式より求めた。粘着剤層のIRスペクトルの測定方法は、パーキンエルマー社製フーリエ変換赤外分光分析Spectrum Oneにて、ATR法で積算回数4回で測定を行った。
イソシアネート残基(%)=B/A×100
2)接着層の作製
アクリル酸エステル共重合体として重量平均分子量350,000のアクリル酸エステル共重合体(SG−80H、ナガセケムテックス(株)製、Tg:15℃)100重量部と、熱硬化樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)3重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)4.5重量部と、硬化剤としてフェノール硬化剤(PR53647、住友ベークライト(株)製)3.8重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部と、無機充填材として球形のシリカフィラー(SE−2050、粒径5μm、アドマファイン(株)製)70重量部と、をメチルエチルケトン(MEK)に溶解・分散させて樹脂固形分20%の樹脂ワニスを得た。この樹脂ワニスをコンマコーターで、剥離処理した厚さ38μmポリエチレンテレフタレートフィルム(王子製紙社製、品番RL−07、厚さ38μm)に塗布した後、70℃で10分間乾燥して、厚さ25μmの接着層を有するキャリアフィルム付き接着層を得た。
3)半導体用接着フィルムの作製
上述の粘着層付き基材シートからポリエチレンテレフタラートフィルムを剥がした。次に、前述のキャリアフィルム付き接着層を、半導体ウエハーよりも大きく、かつウエハーリング貼付予定の内径よりも小さいサイズにハーフカットした。そして前述の粘着層上に接着層を貼付け、キャリアフィルムを剥がすことにより、基材シート、粘着層、接着層がこの順に構成されてなる半導体用接着フィルムを得た。
4)半導体装置の作製
得られた半導体用接着フィルムを6インチ、200μmウエハーの裏面に60℃で貼り付けし、半導体用接着フィルム付きウエハーを得た。その半導体用接着フィルム付きウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子にダイシング(個片化)し、粘着層と接着層との間で剥離して接着層付き半導体素子をピックアップした(剥離工程)。次に、ピックアップした接着層付き半導体素子をビスマレイミド−トリアジン樹脂基板に、130℃、1MPa、1.0秒間圧着して、接合した(接合工程)。そして180℃、1時間で加熱した後、周囲を封止樹脂で封止して半導体装置を得た。このようにして、10個の半導体装置を作製した。
(実験例2)
得られた接着フィルムの熱処理条件を下記の様にした以外は、実施例1と同様にした。
得られた接着フィルムを50℃で168時間熱処理を施し、粘着層中のイソシアネート残基を6%とした。
(実験例3)
得られた接着フィルムの熱処理条件を下記の様にした以外は、実施例1と同様にした。
得られた接着フィルムを40℃で168時間熱処理を施し、粘着層中のイソシアネート残基を10%とした。
(実験例4)
熱処理に代えて、室温で1ヶ月放置することによりイソシアネート残基を8%とした以外は、実施例1と同様にした。
(実験例5)
接着層の配合において、無機充填材を用いずに配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸エステル共重合体として重量平均分子量350,000のアクリル酸エステル共重合体(SG−80H、ナガセケムテックス(株)製、Tg:15℃)100重量部と、熱硬化樹脂として結晶性のクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)3重量部と、エポキシ樹脂(NC6000、エポキシ当量197g/eq、日本化薬(株)製)4.5重量部と、硬化剤としてフェノール硬化剤(PR53647、住友ベークライト(株)製)3.8重量部と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403、信越化学(株)製)0.2重量部と、をメチルエチルケトン(MEK)に溶解・分散させて樹脂固形分20%の樹脂ワニスを得た。
(実験例6)
接着層の配合において、無機充填材として以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
無機充填材として結晶状無機充填材(東海ミネラル(株)製、EF−10N)を用いた。
(実験例7)
粘着層の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部とアクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合して得られた重量平均分子量300,000の共重合体(水酸基を有する熱可塑性樹脂)100重量部に対し、ポリイソシアネート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン(株)製)6重量部を配合した。
(比較例1)
粘着層の作製において、熱処理を施さずに粘着層と接着層とを接合した以外は、実施例1と同様にした。粘着層中のイソシアネート残基100%であった。
(比較例2
着層の配合において、水酸基を有する熱可塑性樹脂を、アクリル酸2−エチルヘキシル70重量部と酢酸ビニル30重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体(水酸基を有していない熱可塑性樹脂)に代えた以外は、実施例1と同様にした。粘着層中のイソシアネート残基3%であった。
各実施例および比較例で得られた半導体用接着フィルムおよび半導体装置に関して次の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
(1)初期ピックアップ性
半導体ウエハーをダイシングした後に接着層付き半導体素子が、粘着層と接着層間で剥離し、ピックアップできるかを評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:90%以上のチップがピックアップ可能であった。
○:ダイシングしたチップの70%以上、90%未満がピックアップ可能であった。
△:ダイシングしたチップの50%以上、70%未満がピックアップ可能であった。
×:ピックアップできたチップが50%以下であった。
(2)保存後のピックアップ性
半導体ウエハーのダイシング後、一定条件下で保存し、保存後も接着剤層付き半導体素子が、粘着剤層と接着剤層間で剥離し、ピックアップができるかを評価した。保存条件は、温度を21〜23℃で、湿度を40〜42%の条件で30日間とした。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのチップがピックアップ可能であった。
○:ダイシングしたチップの70%以上、90%未満がピックアップ可能であった
△:ダイシングしたチップの50以上、70%未満がピックアップ可能であった。
×:ピックアップできたチップが50%以下であった。
(3)ダイシング後のチップの飛散
半導体ウエハーをダイシングした際に、半導体用接着フィルムから剥離する半導体素子の個数を計測することにより評価した。
(4)ウエハーリング汚染
半導体用接着フィルムの粘着剤層に、ウエハーリングを貼り付け、一定条件下で保存後にウエハーリングを粘着剤層から取り外した時の、ウエハーリングへ粘着剤が転写しているか目視で評価した。保存条件は、温度を21から23℃で、湿度を40から42%の条件で一週間とした。ウエハーリングが汚染されていなければ○、汚染されていれば×の評価を行った。
(5)耐クラック性
耐クラック性は、得られた半導体装置を85℃/85%RH/168時間吸湿処理をした後、260℃のIRリフローを3回行い走査型超音波探傷機(SAT)で評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:クラックが全く無し
○:クラックが、7/10個以上無し
△:クラックが、9/10個以上、かつ7/10個未満有り
×:クラックが、10/10個有り
−:サンプル作製できず
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られた半導体用フィルムを用いた半導体装置は、初期ピックアップ性および保存後のピックアップ性の両方に優れていた。これにより、保管環境によらず長期間安定したピックアップ性を有する半導体用接着フィルムを得られたことが示された。また、半導体装置の製造安定性に優れていることが示された。
また、実施例1〜7で得られた半導体用フィルムを用いた半導体装置の製造では、ダイシング後のチップ飛散も改善されていた。
また、実施例1〜7の半導体用接着フィルムは、ウエハリングの汚染も無かった。

Claims (9)

  1. 水酸基を有するアクリル系樹脂およびイソシアネート化合物を含む第1樹脂組成物で構成される粘着層と、アクリル酸エステル共重合体を含む第2樹脂組成物で構成される接着層と、を有する半導体用接着フィルムの製造方法であって、前記粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とした後に、該粘着層と前記接着層とを接合する接合工程を有することを特徴とする半導体用接着フィルムの製造方法。
  2. 前記第2樹脂組成物は、さらにエポキシ樹脂を含むものである請求項1に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  3. 前記第2樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである請求項1または2に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  4. 前記無機充填材が、球状の無機充填材を含むものである請求項3に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  5. 前記接合工程の前に、前記イソシアネート残基を低減するために前記粘着層を予め熱処理する工程を有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  6. 前記熱処理工程は、前記粘着層中のイソシアネート残基を10%以下とするまで熱処理するものである請求項5に記載の半導体用接着フィルムの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体用接着フィルムの製造方法で得られることを特徴とする半導体用接着フィルム。
  8. 請求項7に記載の半導体用接着フィルムの接着層をシリコンウエハーに貼着する貼着工程と、
    前記シリコンウエハーを個片化して半導体素子を得る個片化工程と、
    前記粘着層と、接着層との間で半導体素子を剥離する剥離工程と、
    前記接着層を有する半導体素子の接着層と支持体とを接合する接合工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記剥離工程において、前記粘着層と接着層との間の密着力を低減させるための加熱処理工程または紫外線照射工程を実質的に有しないものである請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
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