JP2017088758A - 接着シート - Google Patents
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Description
本発明の接着シートが半導体封止用接着シートである場合について、以下に説明する。本実施形態の半導体封止用接着シートでは、樹脂層は封止樹脂層となる。
図1には、本実施形態の半導体封止用接着シート1の断面概略図が示されている。
本実施形態の半導体封止用接着シート1は、基材2、粘着剤層3、封止樹脂層4、および剥離材5がこの順で積層されたシートである。
本実施形態において、基材2としては、特に制限はなく、通常の粘着シートの基材として用いられている基材は全て使用できる。例えば、繊維(例えば、レーヨン、アクリル、およびポリエステル等)を用いた織布または不織布、紙類(例えば、上質紙、グラシン紙、含浸紙、およびコート紙等)、金属箔(例えば、アルミ、および銅等)、発泡体(例えば、ウレタン発泡体、およびポリエチレン発泡体等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレート等)、セルロースフィルム(例えば、トリアセチルセルロース等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、およびシクロオレフィン樹脂フィルム等)、並びにこれらの2種以上の積層体等を挙げることができる。
基材2としては、剛性および柔軟性のバランスの観点から、ポリエチレン系フィルムが好ましい。
粘着剤層3を形成する組成物としては、特に限定されず、従来公知の粘着剤組成物を用いることができる。このような粘着剤組成物としては、例えば、アクリル重合体を含む粘着剤組成物等が挙げられる。
アクリル重合体のMwおよびTgを上記範囲とすることで、後述する封止樹脂層4に対する粘着剤層3の粘着力を調整することが容易になる。なお、アクリル重合体のMwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値であり、アクリル重合体のTgは、FOXの式から求めた値である。
具体例としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、および2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等)、環状骨格を有する(メタ)アクリレート(例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、およびイミド(メタ)アクリレート等)、水酸基含有(メタ)アクリレート(ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等)、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルアクリレート、並びにグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
また、アクリル重合体には、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、およびスチレン等が共重合されていてもよい。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
使用温度(主に常温)における適度な粘着性付与の観点から、架橋剤の使用量は、アクリル重合体100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、0.01質量部以上10質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がさらに好ましい。
粘着剤組成物を塗布して粘着剤層3を形成する場合、有機溶媒で粘着剤組成物を希釈してコーティング液を調製して用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル、およびメチルエチルケトン等が挙げられる。コーティング液を塗布する方法は、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法等が挙げられる。粘着剤組成物は、基材2にスジ状に塗布されていても、基材2にベタ塗りされていてもよい。
粘着剤組成物に架橋剤が配合されている場合には、架橋反応を進行させて粘着性を発現させるためにも、塗膜を加熱することが好ましい。
本実施形態において、封止樹脂層4を形成する封止樹脂組成物は、熱硬化性の樹脂組成物である。このような封止樹脂組成物としては、例えば、バインダー成分(A)と熱硬化性成分(B)とを含む封止樹脂組成物が挙げられる。
バインダー成分(A)としては、封止樹脂組成物のバインダー成分として公知のポリマーを特に制限なく使用できる。例えば、シリコーン樹脂(例えば、アルキル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、およびジメチルシリコーン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、並びにウレタン樹脂等が挙げられる。
熱硬化性成分(B)は、加熱を受けると三次元網状化し、被着体を強固に接着する性質を有する。
熱硬化性成分は種々知られており、本実施形態における熱硬化性成分(B)としては、特に制限されることなく、従来公知の様々な熱硬化性成分を用いることができる。一般的には、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ、フェノール、レゾルシノール、ユリア、メラミン、フラン、不飽和ポリエステル、およびシリコーン等)と、適当な硬化促進剤とから形成されており、例えば、(B−1)エポキシ樹脂と(B−2)熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤とからなる熱硬化性成分等を挙げることができる。
熱硬化後の適度な接着性の観点から、重量平均分子量300以上2000程度以下のエポキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量300以上500以下のエポキシ樹脂がより好ましい。重量平均分子量330以上400以下の常態液状のエポキシ樹脂と、重量平均分子量400以上2000以下(好ましくは500以上1500以下)の常態固体のエポキシ樹脂とをブレンドしたエポキシ樹脂がさらに好ましい。
本実施形態において好ましく使用されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常50〜5000g/eqである。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、およびクレゾールノボラック等)のグリシジルエーテル、アルコール類(例えば、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール等)のグリシジルエーテル、カルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)のグリシジルエーテル、グリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂(例えば、アニリンイソシアヌレートなどの窒素原子に結合した活性水素を、グリシジル基で置換したエポキシ樹脂等)、並びにいわゆる脂環型エポキシド(分子内の炭素−炭素二重結合を例えば酸化することにより、エポキシが導入された樹脂(例えば、ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、例えば、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等))等を挙げることができる。また分子内にジシクロペンタジエン骨格と、反応性のエポキシ基とを有するジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂を用いてもよい。
これらエポキシ樹脂は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態において、封止樹脂層4を形成する封止樹脂組成物は、前記バインダー成分(A)および熱硬化性成分(B)の他に、その他の成分(C)を含んでいてもよい。その他の成分(C)としては、例えば、カップリング剤(C1)等が挙げられる。カップリング剤(C1)は、前記バインダー成分(A)または熱硬化性成分(B)、好ましくは成分(B)が有する官能基と反応する基を有することが望ましい。
本明細書において、「剥離材」とは、剥離性を有する部材のことであり、例えば、そのものに剥離性がある部材の他、剥離処理が施された部材、または剥離剤層が積層された部材等が挙げられる。具体的には、例えば、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂、並びに剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
剥離基材としては、例えば、紙基材、この紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、並びにプラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、およびキャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレート等)、並びにポリオレフィンフィルム(例えば、ポリプロピレン、およびポリエチレン等)等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂で構成されたシリコーン系剥離剤;ポリビニルカーバメート、およびアルキル尿素誘導体等の長鎖アルキル基を含有する化合物で構成された長鎖アルキル基含有化合物系剥離剤;アルキド樹脂(例えば、不転化性アルキド樹脂、および転化性アルキド樹脂等)で構成されたアルキド樹脂系剥離剤;オレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および直鎖状低密度ポリエチレン等)、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造を有するプロピレン単独重合体、およびプロピレン−α−オレフィン共重合体等の結晶性ポリプロピレン樹脂等)で構成されたオレフィン樹脂系剥離剤;天然ゴム、および合成ゴム(例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム等)等のゴムで構成されたゴム系剥離剤;並びに(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等のアクリル樹脂で構成されたアクリル樹脂系剥離剤等の各種剥離剤が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm以上3μm以下であることが好ましく、0.03μm以上1μm以下であることがより好ましい。
半導体封止用接着シート1の製造方法は、特に限定されない。
例えば、半導体封止用接着シート1は、次のような工程を経て製造される。
まず、剥離材5の上に、封止用樹脂組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を乾燥させて、封止樹脂層4を形成する。
次に、別途、基材2の一方の面上に粘着剤組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、この塗膜を乾燥させて、粘着剤層3を形成する。
その後、封止樹脂層4と、粘着剤層3とを貼り合わせることで、半導体封止用接着シート1が得られる。
本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良等は、本発明に含まれる。なお、以下の説明では、前記実施形態で説明した部材等と同一であれば、同一符号を付してその説明を省略または簡略する。
また例えば、基材2の第一面2aには、粘着剤が塗布されて粘着処理が施されていてもよい。基材2の粘着処理に用いられる粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系、およびウレタン系等の粘着剤が挙げられる。
表1に記載の原材料を混合した後、高速回転ミキサーで均一に溶解および分散させて、樹脂ワニスを作製した。次に、表面が剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(以下、「剥離材a」。厚さ38μm。)上に、乾燥後の樹脂組成物(封止樹脂層)の厚みが50μmとなるようにダイコーターにて樹脂ワニスを塗布し、100℃で7分間乾燥し、封止樹脂層上に剥離材が積層された構成体を作製した。
MA:メチルアクリレート、
GMA:グリシジルメタクリレート、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート。
表2に記載の原材料を混合し、高速回転ミキサーで均一に溶解および分散させて樹脂ワニスを作製した。次に、表面が剥離処理されたPETフィルム(以下、「剥離フィルム」。厚さ38μm。)上に、乾燥後の粘着剤組成物(粘着剤層)の厚みが10μmとなるようにダイコーターにて塗布し、100℃で7分間乾燥し、そののち、表面がコロナ処理されたポリオレフィン基材(以下、「基材」)を貼り合せて巻き取ることにより、粘着シートを作製した。
表3に記載の原材料を用いた以外は、製造例−2と同様にして、粘着シートを作製した。
製造例−2で得られた粘着シートの剥離フィルムを剥がしながら、当該粘着シートの粘着剤層と製造例−1で得られた構成体の封止樹脂層とを貼り合わせることで、基材、粘着剤層、封止樹脂層、および剥離材aがこの順で積層された半導体封止用接着シートを作製した。
製造例−3で得られた粘着シートの剥離フィルムを剥がしながら、当該粘着シートの粘着剤層と製造例−1で得られた構成体の封止樹脂層とを貼り合わせることで、基材、粘着剤層、封止樹脂層、および剥離材aがこの順で積層された半導体封止用接着シートを作製した。
製造例−1で得られた構成体の封止樹脂層に、直接、表面が剥離処理された剥離材aとは別のポリエチレンテレフタレート(以下、「剥離材b」。厚さ38μm。)を貼り合せることにより、剥離材b、封止樹脂層、および剥離材aがこの順で積層された半導体封止用接着シートを作製した。
実施例1〜2および比較例1の半導体封止用接着シートの評価は、以下に示す方法に従って行った。
使用時を想定し、シートをカッターでカットした際の、封止樹脂層からの封止樹脂組成物の破片の飛び散りおよびこぼれの有無を目視にて確認した。破片の飛び散り等がない場合を「A」と評価し、破片の飛び散り等がある場合を「B」と評価した。評価結果を表4に示す。
Claims (2)
- 接着シートであって、
基材、粘着剤層、樹脂層、および剥離材を備え、
前記粘着剤層と前記樹脂層とが隣接し、
前記樹脂層は、熱硬化性の樹脂組成物を含む接着シート。 - 半導体封止用である、請求項1に記載の接着シート。
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