JP6409362B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
プリント配線板の製造技術としては、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、絶縁層は、一般に、樹脂組成物を硬化させることにより形成される。例えば、特許文献1には、アルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を含む樹脂組成物を硬化させて絶縁層を形成する技術が開示されている。
特開2014−12763号公報
近年の含鉛半田から鉛フリー半田への代替に伴い、部品の実装工程における半田リフロー温度は上昇している。また近年、電子機器の小型化を達成すべく、プリント配線板の更なる薄型化が進められている。
プリント配線板の薄型化が進むにつれて、部品の実装工程においてプリント配線板に反りが生じ、回路歪みや部品の接触不良等の問題が生じることを本発明者らは見出した。
本発明の課題は、部品の実装工程における反りを抑制し得る絶縁層をもたらす樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比が特定の範囲となるようにシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を所定量使用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
(C)成分が、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理されており、
シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比(シランカップリング剤:アルコキシシラン化合物)が1:9〜9:1であり、
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(C)成分の含有量が40質量%以上である、樹脂組成物。
[2] (C)成分の単位表面積当たりのカーボン量が0.05〜1mg/mである、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量が0.03〜0.8mg/mである、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (C)成分が、(C1)シランカップリング剤で表面処理された無機充填材と、(C2)アルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材とを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] (C)成分が、(C3)シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の両方で表面処理された無機充填材を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] (C3)成分が、無機充填材をシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で同時に表面処理して得られる、[5]に記載の樹脂組成物。
[7] 無機充填材の平均粒径が0.01〜5μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(C)成分の含有量が60〜90質量%である、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] 無機充填材が、シリカである、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] シランカップリング剤が、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基及びイミダゾリル基からなる群から選択される1種以上の官能基を有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] アルコキシシラン化合物が、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、モノアルキルモノアリールジアルコキシシラン、ジアリールモノアルキルモノアルコキシシラン及びジアルキルモノアリールモノアルコキシシランからなる群から選択される1種以上である、[1]〜[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12] (A)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上である、[1]〜[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13] (B)成分が、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上である、[1]〜[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14] 多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物である、[1]〜[13]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15] [1]〜[14]のいずれかに記載の樹脂組成物の層を含む、シート状積層材料。
[16] [1]〜[14]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、プリント配線板。
[17] [16]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明によれば、部品の実装工程における反りを抑制し得る絶縁層をもたらす樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材を含有し、(C)成分が、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理されており、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比(シランカップリング剤:アルコキシシラン化合物)が1:9〜9:1であり、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(C)成分の含有量が40質量%以上であることを特徴とする。
<(A)エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、適度な溶融粘度を示す樹脂組成物が得られる観点、耐熱性及び導体層との剥離強度(ピール強度)に優れる絶縁層が得られる観点から、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上が好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、1分子中に3個以上のエポキシ基を有し、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)とを含むことが好ましい。エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用することで、優れた可撓性を有する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物の硬化物の破断強度も向上する。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032H」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)、ナガセケムテックス(株)製の「EX−721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、(株)ダイセル製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂)、「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂がより好ましい。固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N−690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N−695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP−7200」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA7311−G4」、「EXA7311−G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂)、大阪ガスケミカル(株)製の「PG−100」、「CG−500」、三菱化学(株)製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:6の範囲が好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、i)シート状積層材料の形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、ii)シート状積層材料の形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びにiii)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができるなどの効果が得られる。上記i)〜iii)の効果の観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂の量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.3〜1:5の範囲がより好ましく、1:0.6〜1:4の範囲がさらに好ましい。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは3質量%〜40質量%、より好ましくは5質量%〜35質量%、さらに好ましくは7質量%〜30質量%である。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜5000、より好ましくは50〜3000、さらに好ましくは80〜2000、さらにより好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり表面粗さの小さい絶縁層をもたらすことができる。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
<(B)硬化剤>
硬化剤としては、(A)エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されず、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及び酸無水物系が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、耐熱性に優れる絶縁層が得られる観点から、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上が好ましく、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層とのピール強度の観点から、含窒素フェノール系硬化剤又は含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤又はトリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び導体層とのピール強度を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成(株)製の「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」、日本化薬(株)製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学(株)製の「SN−170」、「SN−180」、「SN−190」、「SN−475」、「SN−485」、「SN−495」、「SN−375」、「SN−395」、DIC(株)製の「LA−7052」、「LA−7054」、「LA−3018」、「LA−1356」、「TD2090」等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、特に制限はないが、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもナフタレン構造を含む活性エステル化合物、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物がより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン−ジシクロペンタレン−フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC−8000−65T」(DIC(株)製)、ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「EXB9416−70BK」(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物として「DC808」(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物として「YLH1026」(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子(株)製の「HFB2006M」、四国化成工業(株)製の「P−d」、「F−a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。具体例としては、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3−メチレン−1,5−フェニレンシアネート))、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェニルシアネート)、4,4’−エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2−ビス(4−シアネート)フェニルプロパン、1,1−ビス(4−シアネートフェニルメタン)、ビス(4−シアネート−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアネートフェニル−1−(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4−シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4−シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の市販品としては、ロンザジャパン(株)製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸が共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物等が挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、得られる絶縁層の機械強度や耐水性を向上させる観点から、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.2〜1:2の範囲が好ましく、1:0.3〜1:1.5の範囲がより好ましく、1:0.4〜1:1の範囲がさらに好ましい。ここで、硬化剤の反応基とは、活性水酸基、活性エステル基等であり、硬化剤の種類によって異なる。また、エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値であり、硬化剤の反応基の合計数とは、各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。
<(C)無機充填材>
無機充填材の材料は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられ、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。またシリカとしては球状シリカが好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。球状シリカの市販品としては、例えば、(株)アドマテックス製の「SO−C1」、「SO−C2」、「SC1500SQ」、「SC2050SQ」等が挙げられる。
無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、その上に微細な配線を形成し得る絶縁層を得る観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下、1μm以下、0.7μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、又は0.3μm以下がさらに好ましい。一方、樹脂組成物を使用して樹脂ワニスを形成する際に適度な粘度を有し取り扱い性の良好な樹脂ワニスを得る観点から、無機充填材の平均粒径は、0.01μm以上が好ましく、0.03μm以上がより好ましく、0.05μm以上、0.07μm以上、又は0.1μm以上がさらに好ましい。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」、「LA−750」、「LA−950」等を使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、無機充填材は、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理されており、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比(シランカップリング剤:アルコキシシラン化合物)は1:9〜9:1であることを特徴とする。
プリント配線板の製造に際して、アルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を含有する樹脂組成物は、粗化処理後の表面粗度が低く、導体層との密着強度(ピール強度)に優れる絶縁層をもたらすことが知られている(特開2014−12763号公報)。しかし、部品の実装工程における反りとの関連において検討はなされていない。本発明者らは、薄型のプリント配線板においては、斯かる樹脂組成物を使用しても、部品の実装工程における反りを抑制することは困難な場合があることを見出した。また、無機充填材の表面処理剤としてはシランカップリング剤も知られているが、シランカップリング剤で表面処理された無機充填材を含有する樹脂組成物もまた、薄型のプリント配線板においては、部品の実装工程における反りを抑制することは困難な場合があることを本発明者らは確認している。さらには、シランカップリング剤で表面処理された無機充填材を一定量以上含有する樹脂組成物に関しては、高い溶融粘度に帰着し易く、プリント配線板の製造に際して積層不良を招来する場合がある。
本発明者らは、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比が特定の範囲となるようにシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を使用することにより、薄型のプリント配線板にあっても、部品の実装工程における反りを抑制し得ることを見出したものである。斯かるシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材はまた、樹脂組成物中の含有量を高めた場合であっても、溶融粘度が適切な範囲にあり良好な積層性を示す樹脂組成物をもたらすことができる。
−シランカップリング剤−
本発明において、シランカップリング剤とは、無機充填材との結合に寄与する官能基と、エポキシ樹脂等の有機成分との結合に寄与する官能基とを有するシラン化合物をいう。
無機充填材との結合に寄与する官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。これらは1種単独で含まれてもよく、2種以上を組み合わせて含まれてもよい。中でも、無機充填材を効率よく表面処理し得る観点から、アルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1又は2である。シランカップリング剤は、1分子中に、無機充填材との結合に寄与する官能基を、好ましくは1〜3個、より好ましくは2又は3個有する。
有機成分との結合に寄与する官能基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基、イミダゾリル基、ウレイド基、スルフィド基、及びイソシアヌレート基が挙げられる。これらは1種単独で含まれてもよく、2種以上を組み合わせて含まれてもよい。中でも、後述するアルコキシシラン化合物との組み合わせにおいて部品の実装工程における反りをより一層抑制し得る観点から、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基及びイミダゾリル基からなる群から選択される1種以上が好ましい。シランカップリング剤は、1分子中に、有機成分との結合に寄与する官能基を、好ましくは1〜3個、より好ましくは1又は2個有する。
シランカップリング剤の分子量は、表面処理時や乾燥時の揮発を抑制する観点から、好ましくは100以上、より好ましくは120以上、さらに好ましくは140以上、160以上、180以上、又は200以上である。該分子量の上限は、適切な反応性の観点から、好ましくは800以下、より好ましくは750以下、さらに好ましくは700以下、650以下、600以下、550以下、500以下、450以下、又は400以下である。
一実施形態において、シランカップリング剤は、下式(1)で表されるシラン化合物である。
Si(X)m1(Rm2(R4−m1−m2 (1)
[式中、
Xは、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基、イミダゾリル基、ウレイド基、スルフィド基、及びイソシアヌレート基からなる群から選択される官能基を含む1価の基を表し、
は、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を表し、
は、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、
m1及びm2は、m1とm2の和が4以下であるとの条件付きで、それぞれ1〜3の整数を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。]
Xで表される1価の基の炭素原子数は、好ましくは20以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは12以下、10以下、9以下、8以下、7以下、又は6以下である。該炭素原子数の下限は、Xで表される1価の基が含む官能基によっても異なるが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上又は3以上である。後述するアルコキシシラン化合物との組み合わせにおいて部品の実装工程における反りをより一層抑制し得る観点から、Xで表される1価の基としては、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基及びイミダゾリル基からなる群から選択される1種以上の官能基を含む1価の基が好ましい。
Xで表される1価の基の具体例としては、N−(アミノC1−10アルキル)−アミノC1−10アルキル基、N−(フェニル)−アミノC1−10アルキル基、N−(C1−10アルキリデン)−アミノC1−10アルキル基、(エポキシC3−10シクロアルキル)C1−10アルキル基、グリシドキシC1−10アルキル基、グリシジルC1−10アルキル基、メルカプトC1−10アルキル基、アクリルオキシC1−10アルキル基、メタクリルオキシC1−10アルキル基、ビニル基、スチリル基、イソシアネートC1−10アルキル基、イミダゾリルC1−10アルキル基、ウレイドC1−10アルキル基、トリ(C1−10アルコキシ)シリルC1−10アルキルテトラスルフィドC1−10アルキル基、及びジ[トリ(C1−10アルコキシ)シリルC1−10アルキル]イソシアヌレートC1−10アルキル基が挙げられる。中でも、N−(アミノC1−10アルキル)−アミノC1−10アルキル基、N−(フェニル)−アミノC1−10アルキル基、N−(C1−10アルキリデン)−アミノC1−10アルキル基、(エポキシC3−10シクロアルキル)C1−10アルキル基、グリシドキシC1−10アルキル基、グリシジルC1−10アルキル基、メルカプトC1−10アルキル基、アクリルオキシC1−10アルキル基、メタクリルオキシC1−10アルキル基、ビニル基、スチリル基、及びイソシアネートC1−10アルキル基、イミダゾリルC1−10アルキル基が好ましく、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(フェニル)−3−アミノプロピル基、N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)アミノプロピル基、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、グリシドキシプロピル基、グリシジルプロピル基、メルカプトプロピル基、アクリルオキシプロピル基、メタクリルオキシプロピル基、ビニル基、スチリル基、及びイソシアネートプロピル基が特に好ましい。
で表されるアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1又は2である。
としては、無機充填材を効率よく表面処理し得る観点から、アルコキシ基が好ましい。
で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4である。
で表されるアリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは6〜10である。
としては、アルキル基が好ましい。
式(1)中、m1及びm2は、m1とm2の和が4以下であるとの条件付きで、それぞれ1〜3の整数を表す。m1は好ましくは1又は2であり、m2は好ましくは2又は3である。
好適なシランカップリング剤の例としては、N−(フェニル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、[3−(1−イミダゾリル)プロピル]トリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、及びトリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
シランカップリング剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製の「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
シランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−アルコキシシラン化合物−
本発明において、アルコキシシラン化合物とは、アルコキシ基を有するシラン化合物をいい、少なくとも、エポキシ樹脂等の有機成分との結合に寄与する官能基を有していない点において、シランカップリング剤とは異なる。
アルコキシシラン化合物が有するアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1又は2である。アルコキシシラン化合物は、1分子中に、アルコキシ基を、好ましくは1〜3個、より好ましくは2又は3個有する。
アルコキシシラン化合物はまた、アルキル基又はアリール基を有することが好ましい。該アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、1〜6、1〜4、又は1〜3である。また、該アリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは6〜10である。アルコキシシラン化合物は、1分子中に、アルキル基又はアリール基を、好ましくは1〜3個、より好ましくは1又は2個有する。
アルコキシシラン化合物の分子量は、表面処理時や乾燥時の揮発を抑制する観点から、好ましくは100以上、より好ましくは110以上、さらに好ましくは120以上である。該分子量の上限は、適切な反応性の観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下、さらに好ましくは400以下、さらにより好ましくは300以下、280以下、260以下、240以下、220以下又は200以下である。
一実施形態において、アルコキシシラン化合物は、下式(2)で表されるシラン化合物である。
Si(R(R4−n (2)
[式中、
は、アルコキシ基を表し、
は、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、
nは1〜3の整数を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよく、Rが複数存在する場合、それらは同一でも相異なっていてもよい。]
で表されるアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、さらにより好ましくは1又は2である。
で表されるアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、その炭素原子数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、1〜6、1〜4、又は1〜3である。
で表されるアリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは6〜10である。
は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
nは1〜3の整数を表し、好ましくは1又は2である。
アルコキシシラン化合物としては、例えば、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、モノアルキルモノアリールジアルコキシシラン、ジアリールモノアルキルモノアルコキシシラン及びジアルキルモノアリールモノアルコキシシランが挙げられる。アルキル部分、アリール部分、及びアルコキシ部分の炭素原子数は先述のとおりである。
好適なアルコキシシラン化合物としては、例えば、フェニルトリアルコキシシラン、ジメチルアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ジエチルジアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシシラン、メチルフェニルジアルコキシシラン、及びジフェニルメチルモノアルコキシシランが挙げられる。アルコキシ部分の炭素原子数は先述のとおりである。
アルコキシシラン化合物の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製の「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、「KBE103」(フェニルトリエトキシシラン)、「KBM22」(ジメチルジメトキシシラン)、「KBM3103」(デシルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
表面処理に使用するシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比(シランカップリング剤:アルコキシシラン化合物)は、部品の実装工程における反りを抑制する観点から、1:9〜9:1であり、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは3:7〜7:3である。
一実施形態において、本発明の樹脂組成物は、(C)成分として、(C1)シランカップリング剤で表面処理された無機充填材と、(C2)アルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材とを含む(以下、「第1実施形態」ともいう。)。
(C1)成分において、無機充填材の表面処理に使用するシランカップリング剤の量は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量が後述する所望の範囲となる限りにおいて特に限定されないが、無機充填材100質量部に対して、好ましくは0.001質量部、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.05質量部以上、さらにより好ましくは0.1質量部以上である。該シランカップリング剤の量の上限は、無機充填材100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
(C1)成分において、表面処理の方法は特に限定されず、例えば、乾式法、湿式法が挙げられる。乾式法による表面処理は、以下の手順で実施してよい。まず、回転ミキサーに無機充填材を仕込んで、攪拌しながらシランカップリング剤を滴下又は噴霧する。次いで、さらに攪拌しながら加熱して、シランカップリング剤と無機充填材とを脱水縮合させる。湿式法による表面処理は、以下の手順で実施してよい。まず、無機充填材と溶媒/分散媒とを含むスラリーを攪拌しながらシランカップリング剤を添加し、攪拌する。次いで、得られた混合物を濾過し、乾燥する。その後、加熱によりシランカップリング剤と無機充填材とを脱水縮合させる。
(C2)成分において、無機充填材の表面処理に使用するアルコキシシラン化合物の量は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量が後述する所望の範囲となる限りにおいて特に限定されないが、無機充填材100質量部に対して、好ましくは0.001質量部、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.05質量部以上、さらにより好ましくは0.1質量部以上である。該アルコキシシラン化合物の量の上限は、無機充填材100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
(C2)成分において、表面処理の方法は、特に限定されず、アルコキシシラン化合物を使用する点を除いて、(C1)成分について説明した方法と同様としてよい。
第1実施形態において、(C1)成分と(C2)成分の質量比は、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比が上記所望の範囲となるように適宜決定してよい。シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比が上記所望の範囲となる限りにおいて、2種以上の(C1)成分を使用してもよく、2種以上の(C2)成分を使用してもよい。また、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比が上記所望の範囲となる限りにおいて、本発明の第1実施形態の樹脂組成物は、(C1)成分及び(C2)成分に加えて、後述する(C3)成分を含有してもよい。
他の実施形態において、本発明の樹脂組成物は、(C)成分として、(C3)シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の両方で表面処理された無機充填材を含む(以下、「第2実施形態」ともいう。)。
(C3)成分において、無機充填材の表面処理に使用するシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の合計量は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量が後述する所望の範囲となる限りにおいて特に限定されないが、無機充填材100質量部に対して、好ましくは0.001質量部、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.05質量部以上、さらにより好ましくは0.1質量部以上である。該合計量の上限は、無機充填材100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
(C3)成分において、表面処理の方法は、特に限定されず、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の両方を使用する点を除いて、(C1)成分について説明した方法と同様としてよい。シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の両方で表面処理された無機充填材が得られる限り、表面処理の順番は特に限定されず、例えば、i)シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で同時に表面処理してもよく、ii)シランカップリング剤で表面処理した後にアルコキシシラン化合物で表面処理してもよく、iii)アルコキシシラン化合物で表面処理した後にシランカップリング剤で表面処理してもよい。
部品の実装工程における反りを一層抑制し得る観点から、第2実施形態が好ましく、中でも、部品の実装工程における反りを著しく減じることができるため、(C3)成分は、無機充填材をシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で同時に表面処理して得られることが特に好ましい。
第2実施形態においては、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比が上記所望の範囲となる限りにおいて、2種以上の(C3)成分を使用してもよい。
第1実施形態及び第2実施形態の別を問わず、部品の実装工程における反りを十分に抑制する観点から、(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量は、0.05mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、(株)堀場製作所製「EMIA−320V」等を使用することができる。
(C)成分が複数の種類の無機充填材を含む場合、(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量は、(C)成分に使用する各無機充填材について単位表面積当たりのカーボン量を測定し、該測定値を、各無機充填材の質量により加重平均して求めればよい。例えば、(C)成分に第1の無機充填材と第2の無機充填材を使用する場合、(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量は、第1の無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量と、第2の無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量とを、第1の無機充填材の表面積及び第2の無機充填材の表面積により加重平均して求めればよい。ここで、無機充填材の表面積は、該無機充填材の質量と比表面積とを乗じて求めればよい。第1実施形態において、上記「第1の無機充填材」は(C1)成分であってよく、上記「第2の無機充填材」は(C2)成分であってよい。第2実施形態において、2種の(C3)成分、すなわち、第1の(C3)成分と第2の(C3)成分を含む場合、上記「第1の無機充填材」は第1の(C3)成分であってよく、上記「第2の無機充填材」は第2の(C3)成分であってよい。3種以上の無機充填材を使用する場合も、同様に加重平均によりカーボン量を求めることができる。
部品の実装工程における反りを一層抑制し得る観点から、(C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量は、0.03mg/m以上が好ましく、0.07mg/m以上がより好ましく、0.15mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、0.8mg/m以下が好ましく、0.6mg/m以下がより好ましく、0.4mg/m以下又は0.3mg/m以下がさらに好ましい。ここで、第1実施形態において、(C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量は、(C1)成分の単位表面積当たりのカーボン量に基づいて求めればよい。詳細には、(C1)成分の単位表面積当たりのカーボン量をc1[mg/m]、(C1)成分の比表面積をa1[m]、(C1)成分の質量をm1[g]、(C2)成分のカーボン量をc2[mg/m]、(C2)成分の比表面積をa2[m]、(C2)成分の質量をm2[g]としたとき、(C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量Ac1は、式:Ac1=(c1×a1×m1)/[(a1×m1)+(a2×m2)]により算出することができる。また、第2実施形態においては、(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量をA[mg/m]、使用したシランカップリング剤の質量をm3[g]、該シランカップリング剤の単位質量当たりのカーボン含有量をc3[g/g]、アルコキシシラン化合物の質量をm4[g]、該アルコキシシラン化合物の単位質量当たりのカーボン含有量をc4[g/g]としたとき、(C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量Ac1は、式:Ac1=A×[(m3×c3)/{(m3×c3)+(m4×c4)}]により算出することができる。なお、カーボン含有量c3は、シランカップリング剤1モル当たりのカーボン量を該シランカップリング剤の分子量で除して求めることができる。同様に、カーボン含有量c4は、アルコキシシラン化合物1モル当たりのカーボン量を該アルコキシシラン化合物の分子量で除して求めることができる。なお、シランカップリング剤、アルコキシシラン化合物の別を問わず、「1モル当たりのカーボン量」は、1分子当たりのカーボン原子の個数にカーボン原子量を乗じて求めることができる。なお、1分子当たりのカーボン原子の個数に、Si原子に直に結合するアルコキシ基由来のカーボン原子の個数は含まれない。該アルコキシ基は表面処理の過程を経て、アルコールとして系外へと散逸するためである。
第1実施形態、第2実施形態の別を問わず、本発明の樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、部品の実装工程における反りを抑制する観点、得られる絶縁層の熱膨張率を低下させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、40質量%以上であり、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上又は60質量%以上である。シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比が特定の範囲となるようにシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を使用する本発明においては、溶融粘度の過度の上昇なしに、(C)成分の含有量を更に高めることができる。例えば、樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、62質量%以上、64質量%以上、66質量%以上、68質量%以上、70質量%以上、72質量%以上、又は74質量%以上にまで高めてよい。
樹脂組成物中の(C)成分の含有量の上限は、得られる絶縁層の機械強度の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性樹脂、硬化促進剤、難燃剤及び有機充填材からなる群から選択される1種以上の添加剤をさらに含有していてもよい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は8,000〜70,000の範囲が好ましく、10,000〜60,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、新日鉄住金化学(株)製の「FX280」及び「FX293」、三菱化学(株)製の「YL7553」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製の電化ブチラール4000−2、5000−A、6000−C、6000−EP、積水化学工業(株)製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化(株)製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006−37083号公報記載のもの)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002−12667号公報及び特開2000−319386号公報等に記載のもの)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡績(株)製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業(株)製のポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド「KS9100」、「KS9300」等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学(株)製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.1質量%〜20質量%、より好ましくは0.5質量%〜10質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%である。
−硬化促進剤−
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられ、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂と硬化剤の不揮発成分の合計を100質量%としたとき、0.05質量%〜3質量%の範囲で使用することが好ましい。
−難燃剤−
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは0.8質量%〜9質量%である。
−有機充填材−
有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。
ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体である限り特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER−91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、アイカ工業(株)製)パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)などが挙げられる。
有機充填材の平均粒子径は、好ましくは0.005μm〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2μm〜0.6μmの範囲である。有機充填材の平均粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子(株)製「FPAR−1000」)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。樹脂組成物中の有機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは1質量%〜10質量%、より好ましくは2質量%〜5質量%である。
−他の成分−
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。斯かる他の成分としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、着色剤及び硬化性樹脂等の樹脂添加剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、部品の実装工程における反りを抑制し得る絶縁層をもたらす。本発明の樹脂組成物はまた、適度な溶融粘度を呈する樹脂組成物層をもたらすことができる。したがって本発明の樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物)として好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の層間絶縁層用樹脂組成物)としてより好適に使用することができ、その上にメッキにより導体層が形成される層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(メッキにより導体層を形成するプリント配線板の層間絶縁層用樹脂組成物)としてさらに好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物はまた、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が必要とされる用途の広範囲に使用できる。
[シート状積層材料]
本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で塗布して使用することもできるが、工業的には一般に、該樹脂組成物で形成された樹脂組成物層を含むシート状積層材料の形態で用いることが好適である。
シート状積層材料としては、以下に示す接着フィルム、プリプレグが好ましい。
一実施形態において、接着フィルムは、支持体と、該支持体と接合している樹脂組成物層(接着層)とを含んでなり、樹脂組成物層(接着層)が本発明の樹脂組成物から形成される。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは50μm以下又は40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上、10μm以上などとし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する側の表面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型剤の市販品としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤である、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5〜75μmの範囲が好ましく、10〜60μmの範囲がより好ましい。なお、支持体が離型層付き支持体である場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
接着フィルムは、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)及びシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ及びブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド(DMAc)及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、50〜150℃で3〜10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
接着フィルムにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。接着フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
一実施形態において、プリプレグは、シート状繊維基材に本発明の樹脂組成物を含浸させて形成される。
プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。プリント配線板の薄型化の観点から、シート状繊維基材の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、さらにより好ましくは20μm以下である。シート状繊維基材の厚さの下限は特に限定されないが、通常、10μm以上である。
プリプレグは、ホットメルト法、ソルベント法等の公知の方法により製造することができる。
プリプレグの厚さは、上述の接着フィルムにおける樹脂組成物層と同様の範囲とし得る。
シート状積層材料において、樹脂組成物層の最低溶融粘度は、プリント配線板の製造に際して樹脂の染みだしを抑制する観点から、好ましくは300ポイズ以上、より好ましくは500ポイズ以上、さらに好ましくは700ポイズ以上、900ポイズ以上、又は1000ポイズ以上である。樹脂組成物層の最低溶融粘度の上限は、プリント配線板の製造に際して良好な積層性(回路埋め込み性)を達成する観点から、好ましくは12000ポイズ以下、より好ましくは10000ポイズ以下、さらに好ましくは8000ポイズ以下、7000ポイズ以下、6000ポイズ以下、5000ポイズ以下又は4000ポイズ以下である。ここで、樹脂組成物層の「最低溶融粘度」とは、樹脂組成物層の樹脂が溶融した際に樹脂組成物層が呈する最低の粘度をいう。詳細には、一定の昇温速度で樹脂組成物層を加熱して樹脂を溶融させると、初期の段階は溶融粘度が温度上昇とともに低下し、その後、ある温度を超えると温度上昇とともに溶融粘度が上昇する。「最低溶融粘度」とは、斯かる極小点の溶融粘度をいう。樹脂組成物層の最低溶融粘度は、動的粘弾性法により測定することができ、例えば、後述する<最低溶融粘度の測定>に記載の方法に従って測定することができる。
シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物との質量比が特定の範囲となるようにシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理された無機充填材を使用する本発明においては、上記好適な範囲の最低溶融粘度を示す樹脂組成物層を有利に形成することができ、プリント配線板の製造に際して良好な積層性を示すシート状積層材料をもたらすことができる。
本発明のシート状積層材料は、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するため(プリント配線板の層間絶縁層用)により好適に使用することができ、その上にメッキにより導体層が形成される層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(メッキにより導体層を形成するプリント配線板の層間絶縁層用)にさらに好適に使用することができる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む。
一実施形態において、本発明のプリント配線板は、上述の接着フィルムを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、接着フィルムを、該接着フィルムの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板をいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。
内層基板の厚さは、プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。本発明によれば、さらに薄い内層基板を使用する場合であっても、実装工程におけるプリント配線板の反りを抑えることができる。例えば、190μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下、150μm以下、140μm以下、130μm以下、120μm以下、110μm以下又は100μm以下の厚さの内層基板を使用する場合であっても、実装工程における反りを抑制することができる。内層基板の厚さの下限は特に限定されないが、プリント配線板製造時の取り扱い性向上の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。
内層基板と接着フィルムの積層は、例えば、支持体側から接着フィルムを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。接着フィルムを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を接着フィルムに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に接着フィルムが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と接着フィルムの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間〜400秒間、より好ましくは30秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された接着フィルムの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を熱硬化して絶縁層を形成する。
樹脂組成物層の熱硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
例えば、樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、硬化温度は120〜240℃の範囲(好ましくは150〜220℃の範囲、より好ましくは170〜200℃の範囲)、硬化時間は5〜120分間の範囲(好ましくは10〜100分間、より好ましくは15〜90分間)とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上(好ましくは5〜150分間、より好ましくは15〜120分間)予備加熱してもよい。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)絶縁層表面に導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。
他の実施形態において、本発明のプリント配線板は、上述のプリプレグを用いて製造することができる。製造方法は基本的に接着フィルムを用いる場合と同様である。
[半導体装置]
本発明のプリント配線板を用いて、半導体装置を製造することができる。本発明のプリント配線板は薄型であるにもかかわらず、高い半田リフロー温度を採用する部品の実装工程においても反りを抑制することができ、回路歪みや部品の接触不良等の問題を有利に軽減し得る。
一実施形態において、本発明のプリント配線板は、ピーク温度が260℃と高い半田リフロー温度を採用する実装工程において、プリント配線板の反りを、40μm未満(好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、さらにより好ましくは25μm以下)に抑えることができる。本発明において、プリント配線板の反りは、プリント配線板中央の10mm角部分の反り挙動をシャドウモアレ装置にて観察した際の、変位データの最大高さと最小高さの差の値である。測定に際しては、IPC/JEDEC J−STD−020C(「Moisture/Reflow Sensitivity Classification For Nonhermetic Solid State Surface Mount Devices」、2004年7月)に記載されるリフロー温度プロファイル(鉛フリーアセンブリ用プロファイル;ピーク温度260℃)を再現するリフロー装置にプリント配線板を1回通した後、上記IPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠したリフロー温度プロファイルにてプリント配線板の片面を加熱処理して、プリント配線板の他方の面に設けた格子線につき変位データを求めた。なお、リフロー装置としては、例えば、日本アントム(株)製「HAS−6116」が挙げられ、シャドウモアレ装置としては、例えば、Akrometrix製「TherMoire AXP」が挙げられる。本発明の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含むプリント配線板は、薄型であっても、実装工程における反りを有利に抑えることができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載中の「部」は「質量部」を意味する。
まず、本明細書での物性評価における測定方法・評価方法について説明する。
<カーボン量の測定>
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、以下の手順に従って測定した。調製例で調製した無機充填材に、溶剤として十分な量のMEKを加えて、25℃で5分間超音波洗浄した。次いで、上澄液を除去し、固形分を乾燥させた。得られた固体について、カーボン分析計((株)堀場製作所製「EMIA−320V」)を用いてカーボン量を測定した。カーボン量の測定値と、使用した無機充填材の質量及び比表面積とに基づいて、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を算出した。
<最低溶融粘度の測定>
実施例及び比較例で作製した接着フィルムの樹脂組成物層について、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製「Rheosol−G3000」)を使用して溶融粘度を測定した。試料樹脂組成物1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz、歪み1degの測定条件にて動的粘弾性率を測定し、最低溶融粘度(ポイズ)を測定した。
<評価用基板の調製>
(1−1)内層基板の準備
内層基板として、ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板の両面銅箔を全て除去したアンクラッド板(厚さ100μm、三菱ガス化学(株)製「HL832NSF−LCA」)を使用した。
(1−2)接着フィルムの積層
実施例及び比較例で作製した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニチゴー・モートン(株)製 2ステージビルドアップラミネーター CVP700)を用いて、樹脂組成物層が内層基板と接するように、内層基板の両面に積層した。積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、110℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着させることにより実施した。次いで、110℃、圧力0.5MPaにて60秒間熱プレスを行った。
(1−3)樹脂組成物層の熱硬化
積層の後、基板の両面から支持体を剥離した。次いで、190℃で90分間の硬化条件で樹脂組成物層を熱硬化させて絶縁層を形成した。得られた基板を「基板1」と称する。
<反りの評価>
基板1を45mm角の個片に切り出した後(n=5)、ピーク温度260℃の半田リフロー温度を再現するリフロー装置(日本アントム(株)製「HAS−6116」)に一回通した(リフロー温度プロファイルはIPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠)。次いで、シャドウモアレ装置(Akrometrix製「TherMoire AXP」)を用いて、IPC/JEDEC J−STD−020C(ピーク温度260℃)に準拠したリフロー温度プロファイルにて基板下面を加熱し、基板上面に配した格子線に基づき基板中央の10mm角部分の変位を測定した。反りは、以下の評価基準に従って評価した。
評価基準:
○:全5サンプルについて、全温度範囲における変位データの最大高さと最少高さの差異が40μm未満
×:少なくとも1サンプルについて、全温度範囲における変位データの最大高さと最小高さの差異が40μm以上
実施例及び比較例で使用した無機充填材は、下記調製例に従って調製した。
<調製例1:無機充填材1の調製>
球状シリカ((株)アドマテックス製「SC1500SQ」、平均粒径0.3μm、比表面積11m/g)100部をヘンシェル型混粉機に投入し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)2部を噴霧しながら球状シリカを10分間攪拌し、さらに75℃で10分間攪拌後、揮発成分を留去して、無機充填材1を調製した。無機充填材1の単位表面積当たりのカーボン量は0.36mg/mであった。なお、無機充填材1は(C1)成分に該当する。
<調製例2:無機充填材2の調製>
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)2部に代えて、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−403」、分子量236.3)1.8部を使用した以外は調製例1と同様にして、無機充填材2を調製した。無機充填材2の単位表面積当たりのカーボン量は0.26mg/mであった。なお、無機充填材2は(C1)成分に該当する。
<調製例3:無機充填材3の調製>
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)2部に代えて、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−103」、分子量198.3)1.5部を使用した以外は調製例1と同様にして、無機充填材3を調製した。無機充填材3の単位表面積当たりのカーボン量0.35mg/mであった。なお、無機充填材3は(C2)成分に該当する。
<調製例4:無機充填材4の調製>
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)2部に代えて、ジメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−22」、分子量120.2)1部を使用した以外は調製例1と同様にして、無機充填材4を調製した。無機充填材4の単位表面積当たりのカーボン量は0.20mg/mであった。なお、無機充填材4は(C2)成分に該当する。
<調製例5:無機充填材5の調製>
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)2部に代えて、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−103」、分子量198.3)1部とN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製「KBM−573」、分子量255.4)1部との混合物を使用した以外は調製例1と同様にして、無機充填材5を調製した。無機充填材5の単位表面積当たりのカーボン量は0.38mg/mであった。なお、無機充填材5は(C3)成分に該当する。
<実施例1>
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型とビスフェノールF型の1:1混合品、エポキシ当量約169)8部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)12部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約288)15部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、固形分30質量%のMEK/シクロヘキサノン=1/1溶溶液)15部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、水酸基当量125、固形分60%のMEK溶液)5部、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)26部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、固形分5質量%のMEK溶液)2部、難燃剤(三光(株)製「HCA−HQ」、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10−ヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド、平均粒径2μm)2部、無機充填材1を100部、無機充填材3を50部、を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散し、カートリッジフィルター(ROKITECNO製「SHP050」)で濾過して、樹脂ワニスを調製した。
次いで、得られた樹脂ワニスをアルキド樹脂系離型層付きPETフィルム(リンテック(株)製「AL5」、厚さ38μm)の離型面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で5分間乾燥し、接着フィルムを作製した。
実施例1において、(C)成分は100部の無機充填材1と50部の無機充填材3からなり、(C)成分の単位表面積当たりのカーボン量(以下、「カーボン量1」という。)は0.357mg/m、(C)成分の単位表面積当たりのシランカップリング剤由来のカーボン量(以下、「カーボン量2」という。)は0.24mg/mであった。
<実施例2>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、25部の無機充填材1及び125部の無機充填材4を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
実施例2において、(C)成分は25部の無機充填材1と125部の無機充填材4からなり、カーボン量1は0.239mg/m、カーボン量2は0.072mg/mであった。
<実施例3>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、30部の無機充填材1、30部の無機充填材2及び90部の無機充填材3を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
実施例3において、(C)成分は30部の無機充填材1と30部の無機充填材2と90部の無機充填材3からなり、カーボン量1は0.334mg/m、カーボン量2は0.124mg/mであった。
<実施例4>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、150部の無機充填材5を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
実施例4において、(C)成分は150部の無機充填材5からなり、カーボン量1は0.38mg/m、カーボン量2は0.18mg/mであった。
<比較例1>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、150部の無機充填材1を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
比較例1において、(C)成分は150部の無機充填材1からなり、カーボン量1は0.36mg/m、カーボン量2は0.36mg/mであった。
<比較例2>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、150部の無機充填材2を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
比較例2において、(C)成分は150部の無機充填材2からなり、カーボン量1は0.26mg/m、カーボン量2は0.26mg/mであった。
<比較例3>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、150部の無機充填材3を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
比較例3において、(C)成分は150部の無機充填材3からなり、カーボン量1は0.35mg/m、カーボン量2は0mg/mであった。
<比較例4>
100部の無機充填材1及び50部の無機充填材3に代えて、150部の無機充填材4を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニス、接着フィルムを得た。
比較例4において、(C)成分は150部の無機充填材4からなり、カーボン量1は0.20mg/m、カーボン量2は0mg/mであった。
結果を表1に示す。
Figure 0006409362

Claims (17)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材を含有する樹脂組成物であって、
    (C)成分が、シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で表面処理されており、(C1)シランカップリング剤で表面処理されておりアルコキシシラン化合物で表面処理されていない無機充填材と、(C2)アルコキシシラン化合物で表面処理されておりシランカップリング剤で表面処理されていない無機充填材とを含み、
    シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の質量比(シランカップリング剤:アルコキシシラン化合物)が1:9〜9:1であり、
    樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(C)成分の含有量が40質量%以上である、樹脂組成物。
  2. (C)成分の単位表面積当たりのカーボン量が0.05〜1mg/mである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (C)成分の単位表面積当たりの、シランカップリング剤由来のカーボン量が0.03〜0.8mg/mである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. (C1)成分において、無機充填材の表面処理に使用するシランカップリング剤の量が、無機充填材100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下であり、且つ(C2)成分において、無機充填材の表面処理に使用するアルコキシシラン化合物の量が、無機充填材100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. (C)成分が、(C3)シランカップリング剤とアルコキシシラン化合物の両方で表面処理された無機充填材を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (C3)成分が、無機充填材をシランカップリング剤とアルコキシシラン化合物で同時に表面処理して得られる、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 無機充填材の平均粒径が0.01〜5μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(C)成分の含有量が60〜90質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 無機充填材が、シリカである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. シランカップリング剤が、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、ビニル基、イソシアネート基及びイミダゾリル基からなる群から選択される1種以上の官能基を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. アルコキシシラン化合物が、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、モノアルキルモノアリールジアルコキシシラン、ジアリールモノアルキルモノアルコキシシラン及びジアルキルモノアリールモノアルコキシシランからなる群から選択される1種以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. (A)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. (B)成分が、フェノール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 多層プリント配線板の絶縁層用樹脂組成物である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物の層を含む、シート状積層材料。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により形成された絶縁層を含む、プリント配線板。
  17. 請求項16に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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