JP2015010225A - 樹脂組成物およびシール部材 - Google Patents

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政徳 藤井
大志郎 佐々木
Daishiro Sasaki
大志郎 佐々木
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毅 池田
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Abstract

【課題】剛性が高すぎず、耐摩耗性に優れたシール部材を提供すること。【解決手段】ポリフェニレンサルファイド100重量部、炭素繊維2〜15重量部、およびポリテトラフルオロエチレン粉末5〜25重量部を含有する樹脂組成物から、剛性が高すぎず、且つ耐摩耗性に優れたシール部材を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびそれから得られるシール部材に関する。
樹脂組成物から得られるシール部材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を切削加工により成形したUシールやシールリング(特許文献1)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とアモルファス状カーボン粉を主要構成成分として、射出成形により成形されてなるシールリング(特許文献2)、液晶ポリマー、フッ素樹脂、および10000kgf/mm以下の引張り弾性率を有する炭素繊維よりなる摺動性組成物が成形されてなるチップシール(特許文献3)等が提案されている。さらに、スクロール圧縮機において、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドまたは液晶ポリマーを基材とする合成樹脂が成形されてなるチップシールが使用されることが知られている(特許文献4)。
特開2010−209925号公報 特開平11−343480号公報 特開平6−25645号公報 特開2000−213477号公報
炭素繊維等を添加することによって、シール部材の剛性を高めて、耐摩耗性を向上させることがある。しかし、剛性が高すぎるシール部材では漏れ量が多くなるという問題が生ずる。この問題は、剛性が高すぎるシール部材では、密封装置の稼働時に受けた圧力に対する変形が生じ難く、密封装置への密着性が低くなることが原因であると考えられる。この漏れに対処するために剛性を低める(即ち、柔軟性を高める)と、シール部材の耐摩耗性が低下する。
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、剛性が高すぎず、且つ耐摩耗性に優れたシール部材を提供することにある。
本発明者らが上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylenesulfide、以下「PPS」と略称することがある)に、炭素繊維およびポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」と略称することがある)粉末を特定量で添加して得られる樹脂組成物から、柔軟性および耐摩耗性のバランスに優れたシール部材が得られることを見出した。この知見に基づく本発明は以下の通りである。
[1] ポリフェニレンサルファイド100重量部、
炭素繊維2〜15重量部、および
ポリテトラフルオロエチレン粉末5〜25重量部
を含有する樹脂組成物。
[2] さらにグラファイト粉末を含有する前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] さらにエラストマーを含有する前記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の樹脂組成物を成形して得られるシール部材。
[5] 曲げ弾性率が、4,000MPa未満である前記[4]に記載のシール部材。
[6] シールリングである前記[4]または[5]に記載のシール部材。
[7] シールリングが、角リングまたはUシールである前記[6]に記載のシール部材。
[8] シールリングが、エアコンディショナー用スクロールコンプレッサーに用いられるものである前記[6]または[7]に記載のシール部材。
[9] ダストシールである前記[4]または[5]に記載のシール部材。
本発明の樹脂組成物から、剛性が高すぎず、且つ耐摩耗性に優れたシール部材を製造することができる。また、本発明の樹脂組成物は射出成形等の溶融加工が可能であり、量産性および製造コストの面で優れている。
本発明の樹脂組成物はポリフェニレンサルファイド(PPS)を含有する。PPSは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
PPSのメルトフローレート(以下「MFR」と略称することがある)は、好ましくは15〜500g/10min、より好ましくは30〜300g/10minである。このMFRが15g/10min以上であると、射出成形時の金型内においてスムーズな樹脂の流れを確保することができ、500g/10min以下であると金型内での過剰なバリの生成を抑制することができる。このMFRは、JIS K 7210:1999に従って測定される。
PPSとしては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、DIC株式会社のFZ−2100、東レ株式会社のトレリナA−900、ポリプラスチックス株式会社の0220A9等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、PPS100重量部に対して、2〜15重量部の炭素繊維を含有する。なお本発明において、各成分(炭素繊維等)の重量部数は、それぞれ、PPS100重量部に対する値である。炭素繊維の含有量は、好ましくは3〜13重量部、より好ましくは5〜12重量部である。炭素繊維は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維は、シール部材の剛性を高めて、その耐摩耗性を高めるために使用される。シール部材の分野において、高い耐摩耗性が求められるシール部材を製造するためには、多量の炭素繊維が用いられる。しかし、本発明者らが検討を重ねた結果、ポリフェニレンサルファイドに炭素繊維を多量に添加すると、得られるシール部材の剛性は向上するが、驚くべきことに、かえって耐摩耗性が劣ることを見出した。そこで、本発明では、炭素繊維量を上述の範囲に制限すると共に、炭素繊維に加えてPTFE粉末も使用することによって、シール部材にある程度の柔軟性を付与しながら、耐摩耗性を向上させることを特徴とする。
炭素繊維は、例えば、ピッチ系炭素繊維、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維など、従来公知の種々の炭素繊維を使用することができる。これらの中でも、ピッチ系炭素繊維が好ましく、黒鉛化したピッチ系炭素繊維がより好ましい。ピッチ系炭素繊維は、例えば、不活性気体中で2,000〜3,000℃の熱処理を行うことで黒鉛化される。
炭素繊維の平均繊維長は、好ましくは0.1〜2.0mmである。この平均繊維長が0.1mm以上であると、シール部材に良好な耐摩耗性を付与することができ、2.0mm以下であると、混練する際の樹脂組成物のフィード性が良好になる。
炭素繊維のアスペクト比(=繊維長/繊維径)は、好ましくは10〜200、より好ましくは25〜130である。
炭素繊維の平均繊維長およびアスペクト比は、炭素繊維の分野で通常行われる画像解析法によって測定することができる。
炭素繊維としては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、大阪ガスケミカル株式会社のS−242、S−247、三菱樹脂株式会社のK223QM、K6371M等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、PPS100重量部に対して、5〜25重量部のPTFE粉末を含有する。PTFE粉末の含有量は、好ましくは8〜20重量部、より好ましくは8〜18重量部である。PTFE粉末は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
PTFE粉末を使用することにより、樹脂組成物から得られるシール部材の摩耗係数を低減させて、その耐摩耗性を向上させることができる。また摩耗係数の低減により、シール部材の摺動時における摩擦熱を抑制することができる。この摩擦熱の抑制も耐摩耗性向上に寄与すると考えられる。
PTFE粉末の平均粒子径は、樹脂組成物中における分散性の観点から、好ましくは0.01〜650μm、より好ましくは0.05〜200μm、さらに好ましくは1〜100μm、特に好ましくは3〜30μmである。この平均粒子径は、JIS Z 8825−1:2001に従うレーザー回折法により測定される。
PTFE粉末としては、良好な分散性を得る観点から、直接重合法、熱分解法、放射線分解法等によって固体潤滑油用に製造されたものが好ましい。また、PTFE粉末のBET比表面積は、好ましくは1.3〜8.2m/gである。PTFE粉末は、未変性品または変性品のいずれでもよいが、未変性のPTFE粉末が好ましい。未変性のPTFE粉末の表面エネルギーは、好ましくは170〜195μN/cmである。この表面エネルギーは、液滴接触角測定に基づく静滴法によって測定される。
PTFE粉末としては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、旭硝子株式会社のフルオンL169E、フルオンL169J、フルオンL173J等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、さらにグラファイト粉末を含有していてもよい。グラファイト粉末は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。グラファイト粉末を使用することによって、樹脂組成物から得られるシール部材の摩擦係数を低下させ、且つその耐摩耗性を向上させることができる。
グラファイトは、炭素からなる元素鉱物であり、六方晶系、六角板状結晶構造を有し、一方向に完全なへき開性を示す。グラファイト粉末として、天然または合成の鱗状グラファイト、鱗片状グラファイト、土状グラファイト等を用いることができる。品質の安定性の観点から、合成グラファイトが好ましく、シール部材の潤滑性の観点から、合成の鱗状または鱗片状グラファイトがより好ましく、合成の鱗片状グラファイトがさらに好ましい。
グラファイト粉末の平均粒子径は、好ましくは1〜250μm、より好ましくは3〜100μm、さらに好ましくは5〜50μmである。この平均粒子径は、JIS Z 8825−1:2001に従うレーザー回折法により測定される。
グラファイト粉末のモース硬度は、1〜2であることが好ましい。モース硬度が1未満であると、グラファイト添加による耐摩耗性の改善効果が得られにくく、2を超えると圧力を受けた時に被シール部材(特にアルミニウム等の軟質材)を損傷するおそれがある。
グラファイト粉末を使用する場合、樹脂組成物中のその含有量は、PPS100重量部に対して、好ましくは2〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部である。この含有量が2重量部以上であると、シール部材に良好な耐摩耗性を付与することができ、10重量部以下であると、混練する際の樹脂組成物のフィード性が良好になる。
グラファイト粉末としては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、日本黒鉛工業株式会社の特CP、CB−150、UP−35N等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、さらにエラストマーを含有していてもよい。エラストマーは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。エラストマーを使用することによって、樹脂組成物から得られるシール部材の柔軟性を高めることができる。
樹脂組成物の成形性を損なわないようにするため、エラストマーは熱可塑性エラストマー(以下「TPE」と略称することがある)であることが好ましい。TPEとしては、例えば、ポリスチレン系TPE、スチレン−ブタジエン(SB)系TPE、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)系TPE、ポリ塩化ビニル系TPE、ポリオレフィン系TPE、ポリウレタン系TPE、ポリエステル系TPE、ポリアミド系TPE、低結晶性1,2−ポリブタジエン系TPE、塩素化ポリマー系TPE、フッ素系TPE、イオン架橋TPE等が例示される。これらの中で、特にポリオレフィン系TPEが好ましい。
エラストマーを使用する場合、樹脂組成物中のその含有量は、PPS100重量部に対して、好ましくは10〜40重量部、より好ましくは20〜30重量部である。この含有量が10重量部以上であると、樹脂組成物から得られるシール部材に柔軟性を付与することができ、40重量部以下であると、耐熱性、機械特性といったシール部材の長所を損なうことなく柔軟性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、PTFE粉末以外のフッ素樹脂粉末、架橋ゴム粉末、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、顔料、充填剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、PPS、炭素繊維およびPTFE粉末、並びに必要に応じてグラファイト粉末、エラストマーおよび他の添加剤を混合および混練することによって製造することができる。混合および混練に特に制限は無く、該分野で公知の方法を使用することができる。混合および混練には、例えばロール、ニーダー、バンバリーミキサー、タンブルミキサー、二軸押出機等を使用することができる。本発明の樹脂組成物は、以下の実施例で示すように、タンブルミキサーを用いて各成分をドライブレンドし、次いで二軸押出機等を用いて加熱溶融混練することによって製造することが好ましい。加熱溶融混練の温度は、通常290〜340℃程度、好ましくは300〜320℃であり、その時間は、通常1分〜10分程度である。
本発明の樹脂組成物は、溶融加工が可能であり、射出成形、注入成形等の溶融加工によって成形することができる。量産性の観点から射出成形が好ましい。射出成形では、シール部材の形状に対応する金型を用い、加熱溶融した樹脂組成物を金型に充填して固化または硬化させる。射出成形の温度は、通常290〜340℃程度、好ましくは300〜320℃であり、金型の温度は、通常100〜160℃程度、好ましくは120〜150℃であり、固化または硬化の時間は、通常10秒〜1分程度である。また、形状に対応する金型が無いシール部材は、例えば、本発明の樹脂組成物のロッドを作成し、該ロッドを切削することによって得ることができる。
本発明は、上述の樹脂組成物を成形して得られるシール部材も提供する。本発明のシール部材は、ある程度の柔軟性を有し、密封装置からの漏れを防止することができる。本発明の曲げ弾性率は、好ましくは4,000MPa未満、より好ましくは3,900MPa未満、さらに好ましくは3,800MPa未満である。この曲げ弾性率は、ASTM D790:2002に従って測定される。
本発明のシール部材としては、例えば、ダストシール、シールリング等が挙げられる。ダストシールとしては、例えば、外部からの塵埃の侵入を保護してパッキンや軸受を保護するスクレーパ等が挙げられる。
シールリングとしては、例えば、角リング、Uシール等が挙げられる。
角リングは、断面形状が矩形の環状シールであって、一般的に合口と呼ばれる切断部を有する。
Uシールは、断面形状がU字形の環状シールである。Uシールがバネを溝に収容した状態で使用される場合には、そのバネがはずれないようにするため、U字状の溝の二つの上端部のうち少なくとも一つの上端部に、前記溝の内側に向かって且つシールリングの円周方向に沿って張出部を有する。Uシールの使用中、バネをより外れにくくするためには、前記張出部は二つの上端部において、Uシールの全周にわたって設けることが好ましい。また、シール機能を向上させるためには、U字状の溝の二つの上端部に、前記溝の外側に向かって、且つUシールの円周方向に沿ってリップ部を設けることが好ましい。
本発明のシーリングは、好ましくは、エアコンディショナー用スクロールコンプレッサーに用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.原料
実施例および比較例で使用した原料は、次の通りである。
(1)ポリフェニレンサルファイド(PPS)
「トレリナA−900」(東レ株式会社製)、MFR:35g/10min
(2)炭素繊維
「S−242」(大阪ガスケミカル株式会社製)、ピッチ系炭素繊維、平均繊維長:0.37mm、アスペクト比:28
「S−247」(大阪ガスケミカル株式会社製)、ピッチ系炭素繊維、平均繊維長:1.7mm、アスペクト比:130
(3)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末
「フルオンL169E」(旭硝子株式会社製)、平均粒子径:17μm、BET比表面積:2m/g
(4)グラファイト粉末
「特CP」(日本黒鉛工業株式会社製):合成の鱗状グラファイト、平均粒子径:15μm
(5)エラストマー
グリシジルメタアクリル酸2.5重量%、アクリル酸メチル60重量%、エチレン37.5重量%からなるグリシジル基含有オレフィン系共重合体
2.樹脂組成物の調製
実施例および比較例の各樹脂組成物の組成を、下記表1および表2に示す。表中の各成分を秤り取り、タンブルミキサーを用いてドライブレンドし、その後二軸押出機を用いて300〜320℃で押出して造粒し、各樹脂組成物を調製した。
なお、上記各樹脂組成物(造粒物)は、それぞれ射出成形機に投入して加熱溶融後、所定の各種金型に射出し、次いで冷却して、所望の形状に成形できる。
3.評価
得られた樹脂組成物を用いて、シリンダー280〜310℃、ヘッド320℃、金型温度150℃の条件で射出成形して、以下の各試験(ASTM D638:1995、ASTM D790:2002、ピンオンディスク摩耗試験)で用いる試験片を作製した。以下に記載の方法によって該試験片の引張特性、曲げ特性および耐摩耗性を評価した。結果を下記表1および2に示す。
(1)引張特性
ASTM D638:1995に従って引張試験を実施し、引張特性(引張強さおよび引張破壊ひずみ)を測定した。引張破壊ひずみが5%以上であるものを引張特性に優れると判定した。
(2)曲げ特性
ASTM D790:2002に従って曲げ試験を実施し、柔軟性の指標として曲げ特性(曲げ弾性率および曲げ強さ)を測定した。曲げ弾性率が4,000MPa未満であるものを柔軟性に優れると判定した。
(3)耐摩耗性
ディスク(S45C鋼板、JIS B 0601で測定される表面粗さ:Ra=0.8)を用いて、空気雰囲気、雰囲気温度:120℃、ディスクの回転速度:3m/秒の条件下で試験片(直径5mm×長さ12mmの円柱)を研磨するピンオンディスク摩耗試験を行い、耐摩耗性の指標として耐久時間を測定した。
詳しくは、まず2MPaの研磨圧力で3時間、次いで3MPaの研磨圧力で3時間、最後に4MPaの研磨圧力で3時間、ディスクで試験片(円柱)の円形である面を研磨し、試験片の摩耗量が0.7mmとなった時点で試験を終了し、その時間を耐久時間として測定した。9時間のディスク摩耗試験終了後にも試験片の摩耗量が0.7mmとならないもの(即ち、耐久時間が9時間であるもの)を耐摩耗性に優れると判定した。
また、この試験片は、少し大きめに射出成形した試験片を切削加工することによって調製した。
Figure 2015010225
Figure 2015010225
本願発明の要件を満たす組成物を用いた実施例1〜8では、曲げ弾性率が4,000MPa未満であり、且つ耐久時間が9時間である、柔軟性および耐摩耗性のバランスに優れた試験片(成形品)が得られた。
一方、炭素繊維およびPTFE粉末を使用しない比較例1、並びに炭素繊維を使用しない比較例3および5では、曲げ弾性率が4,000MPa未満であり、ある程度の柔軟性を確保した試験片が得られたが、これらは耐摩耗性に劣っていた。
また、炭素繊維を過剰に使用する比較例2および4、並びにグラファイトを過剰に使用する比較例6では、剛性(曲げ弾性率)が高い試験片が得られた。これらの試験片は剛性が高いにもかかわらず、耐摩耗性に劣っていた。
本発明の樹脂組成物から、剛性が高すぎず、且つ耐摩耗性に優れたシール部材を製造することができる。本発明のシール部材は、シールリング(特に、エアコンディショナー用スクロールコンプレッサーに用いられるシーリング)、ダストシール等に有用である。

Claims (9)

  1. ポリフェニレンサルファイド100重量部、
    炭素繊維2〜15重量部、および
    ポリテトラフルオロエチレン粉末5〜25重量部
    を含有する樹脂組成物。
  2. さらにグラファイト粉末を含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. さらにエラストマーを含有する請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形して得られるシール部材。
  5. 曲げ弾性率が、4,000MPa未満である請求項4に記載のシール部材。
  6. シールリングである請求項4または5に記載のシール部材。
  7. シールリングが、角リングまたはUシールである請求項6に記載のシール部材。
  8. シールリングが、エアコンディショナー用スクロールコンプレッサーに用いられるものである請求項6または7に記載のシール部材。
  9. ダストシールである請求項4または5に記載のシール部材。
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