JP2015001383A - X線検査用車両搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型車両から大型車両まで検査することができ、X線の垂直照射と水平照射によるX線の影になる範囲が狭く、実質的に車両全体をX線検査することができるX線検査用車両搬送装置を提供する。【解決手段】被検車両の走行床2の下方に地下搬送路3が設けられ、走行床2の幅方向中央に走行方向に延びかつ地下搬送路3と連通する垂直貫通溝4が設けられている。X線検査用車両搬送装置10は、地下搬送路3に設置され搬送方向に水平に延びる走行レール12と、走行レール12に沿って移動可能な移動台車14と、走行床2より上方において垂直貫通溝4を跨いで幅方向に水平に延び、移動台車14の後端14cよりも後方に位置するリフトバー16と、上端がリフトバー16に固定された後端部18aと、移動台車14に連結された前端部18bとを有する昇降支持部材18と、後端部18aを上下動させる昇降駆動機構20と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、X線検査装置によるX線検査のため被検車両を搬送するX線検査用車両搬送装置に関する。
コンテナ等を運搬する車両をX線検査するX線検査装置が非特許文献1に開示され、その車両を運搬する装置が、特許文献1,2に開示されている。
非特許文献1の「コンテナ貨物大型X線検査装置」は、コンテナをトラックの荷台に搭載したままコンテナの内部をX線検査する装置である。
このX線検査装置において、車両運転手は、建屋の進入ヤードに入り、所定の場所でコンテナを載せた車両(コンテナ車両)を停止させ下車する。次いで、第1搬送装置が、車両の前輪部分を持ち上げ、入口遮蔽扉が開いた後、X線検査トンネル内を自動走行し、X線検査トンネル内でコンテナ車両を開放して、第1搬送装置は進入ヤードに戻る。次に、第2搬送装置が、X線検査トンネル内で車両の前輪部分を持ち上げ、退出ヤードに向かって自動走行し、その走行中にX線発生装置からX線が照射され、コンテナ車両をX線検査するようになっている。
特許文献1の「X線検査方法」は、X線を照射する遮蔽室の下方に台車用通路を形成し、その通路を自走する搬送台車で車両の前輪を持ち上げて搬送台車を搬送するものである。
特許文献2の「搬送装置」は、X線を照射する遮蔽室の下方には台車用通路を形成せず、車両の前方から車両の前輪を持ち上げて自走する地上牽引式搬送台車である。
「コンテナ貨物大型X線検査装置」、石川島播磨技報 Vol.43 No.3 (2003−5)
特開2003−287507号公報 特開2007−331852号公報
上述した従来のX線検査用車両搬送装置(以下、「搬送装置」)では、X線検査をする被検車両(以下、「車両」)の前輪を持ち上げて搬送し、搬送中にX線検査装置によるX線の垂直照射と水平照射により車両全体をX線検査していた。
X線検査装置は、X線の垂直照射と水平照射により車両全体を検査する必要がある。従来の搬送装置では、水平方向のX線検査画像は正確に作成できているが、車両を搬送するために車両の前輪を持ち上げる機構部分と搬送台車本体が下方に位置するために、その機構部分と台車本体で垂直方向のX線が遮蔽される。そのため、特に小型車両、たとえば軽自動車では垂直照射のX線が遮蔽される範囲が広く、例えば検査車両の80%以上の範囲の垂直検査画像が作成できない。X線検査の精度が上がらず、垂直方向の検査の信頼性が低下する問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、小型車両(例えば軽自動車)から大型車両(例えばコンテナ車両)まで検査することができ、垂直照射と水平照射によるX線が遮蔽される範囲が狭く、実質的に車両全体をX線検査することができるX線検査用車両搬送装置を提供することにある。
本発明によれば、X線検査する被検車両の前輪を持ち上げて搬送するX線検査用車両搬送装置であって、
被検車両の走行床の下方に地下搬送路が設けられ、前記走行床の幅方向中央に走行方向に延びかつ前記地下搬送路と連通する垂直貫通溝が設けられており、
前記地下搬送路に設置され前記被検車両の搬送方向に水平に延びる1対の走行レールと、
前記走行レールに沿って移動可能な移動台車と、
前記走行床より上方において前記垂直貫通溝を跨いで幅方向に水平に延び、前記移動台車の後端よりも後方に位置するリフトバーと、
上端がリフトバーに固定された後端部と、前記移動台車に連結された前端部とを有する昇降支持部材と、
前記移動台車に搭載され、前記昇降支持部材を駆動して前記後端部を上下動させる昇降駆動機構と、を備える、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置が提供される。
前記リフトバーと前記昇降支持部材の少なくとも一部が、X線が透過しやすい繊維強化プラスチックからなる。
前記昇降支持部材は、前記後端部が前記垂直貫通溝を通してリフトバーを水平に維持しながら上下動可能であり、前記地下搬送路内で前方下方に延びる平行リンク機構であり、
該平行リンク機構は、互いに平行かつ上下に位置する同一の2本のリンクからなり、各リンクの前端部及び後端部が水平かつ幅方向に延びる回転軸を中心に搖動可能であり、
前記昇降駆動機構は、前記移動台車に設置され前記リンクの移動台車の後端より前方部分を、昇降駆動する直動アクチュエータ、又は搖動駆動する回動アクチュエータを有する、ことが好ましい。
また、前記昇降支持部材は、前記後端部が前記垂直貫通溝を通してリフトバーを水平に維持しながら上下動可能であり、前記地下搬送路内で前記後端部から前端部まで水平に延びる単一の水平部材であり、
前記昇降駆動機構は、前記移動台車に設置され前記水平部材の移動台車の後端より前方部分を昇降させる昇降装置である、ことが好ましい。
前記昇降装置は、前記水平部材の移動台車の後端より前方部分を昇降させる、1対の直動アクチュエータ、又は、昇降ガイドと直動アクチュエータである。
前記後端部が上昇してリフトバーが走行床から離れて上方に位置するときに、前記移動台車の浮上りを防止する浮上り防止装置を備える。
前記浮上り防止装置は、
前記移動台車に固定され、被検車両よりも幅方向外側に位置し、前記移動台車の後端よりも後方まで延びる外側支持フレームと、
外側支持フレームの後端部に設けられ外側支持フレームに作用する下向き荷重を地下搬送路の路面に伝達する補助車輪と、を有する、ことが好ましい。
また前記浮上り防止装置は、
前記移動台車の前端部に設けられ前記移動台車に作用する上向き荷重を前記走行床の下面に伝達する補助車輪を有する、ことが好ましい。
上記本発明の構成によれば、リフトバーが、走行床より上方において垂直貫通溝を跨いで幅方向に水平に延び、前記移動台車の後端よりも後方に位置するので、車両の下方に位置し前輪を持ち上げる機構部分は、リフトバーと昇降支持部材の一部のみ(移動台車の後端よりも後方部分のみ)である。従って、垂直X線照射位置において、垂直照射によるX線が遮蔽される範囲(影になる範囲)を、従来より大幅に狭くでき透視画像の品質が改善される。
さらに、リフトバーと昇降支持部材を繊維強化プラスチック(例えばCFRP)で構成することで、垂直方向X線の遮蔽は金属材料に比べ大幅に少なくなり、完全に透視できた画像を得ることができるので検査品質が大幅に向上する。
また、X線検査用車両搬送装置のほとんど全部が被検車両の下方に位置するので、従来からの効果である、水平X線照射位置において、水平照射によるX線が遮蔽される範囲(影になる範囲)は、実質的に皆無であることと合わせて、本発明の装置により、小型車両(例えば軽自動車)から大型車両(例えばコンテナ車両)まで検査することができ、かつ垂直照射と水平照射によるX線が遮蔽される範囲が極少化され、実質的に車両全体を高精度でX線検査することができる。
本発明のX線検査用車両搬送装置を備えた地下搬送路の全体斜視図である。 本発明によるX線検査用車両搬送装置の全体斜視図である。 図2の搬送装置の側面図である。 図2の搬送装置の平面図である。 昇降駆動機構の別の実施形態を示す図である。 昇降駆動機構のさらに別の実施形態を示す図である。 移動台車の別の実施形態を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明のX線検査用車両搬送装置10を備えた地下搬送路3の全体斜視図である。この図において、本発明のX線検査用車両搬送装置10は、X線検査する被検車両1の前輪1aを持ち上げて搬送する装置である。被検車両1は、コンテナ車両のような大型車両、車高の低い車(例えばスポーツカー)、低床トラック、小型車両等である。
以下、本発明のX線検査用車両搬送装置10を単に「搬送装置10」と略称する。
図1において、地下搬送路3は被検車両1の走行床2の下方に設けられている。本発明の搬送装置10は、この地下搬送路3を被検車両1の前輪1aを持ち上げた状態で前進及び後進するようになっている。
また、被検車両1の走行床2の幅方向中央に、被検車両1の走行方向に延び、かつ地下搬送路3と連通する垂直貫通溝4が設けられている。
垂直貫通溝4の溝幅は、好ましくは小型車両の車輪幅より狭く、例えば50〜100mmであるのがよい。また、垂直貫通溝4は、搬送装置10が被検車両1の前輪1aを持ち上げて搬送する範囲に連続して直線状に設けられている。
図1において、遮蔽扉5は、地下搬送路3の途中に設けられている。この遮蔽扉5は、X線の透過を防止する扉であり、被検車両1の走行路の途中に適宜設けられる。
遮蔽扉5の設置位置において、走行床2に遮蔽扉5を通す隙間(走行方向隙間)が設けられている。走行方向隙間は、被検車両1の車輪が落下せずに通過できる隙間間隔、例えば50〜100mmであるのがよい。
なお、遮蔽扉5の設置位置において、走行レール12(後述する)にも遮蔽扉5を通す隙間(走行方向隙間)を設けてもよい。
遮蔽扉5の設置位置は、例えば、被検車両1の搬入位置、X線照射の開始位置、X線照射の終了位置、被検車両1の搬出位置である。なお、遮蔽扉5の設置位置は、これらに限定されず、それ以外の箇所に設けてもよい。
また、X線照射の開始位置と終了位置の間に、垂直方向にX線(垂直X線2)が照射される垂直X線照射位置(図示せず)と、水平方向にX線(水平X線3)が照射される水平X線照射位置(図示せず)とが設けられ、X線の垂直照射と水平照射により、被検車両1の全体をX線検査するようになっている。
垂直X線照射位置には、例えば線状X線を下方に向けて照射し、被検車両1を幅方向に横断して照射する垂直照射装置(図示せず)が走行床2の上方に設置され、X線検出器(図示せず)が地下搬送路3の路面3a又はその下方に幅方向に横断して設置される。この照射位置において、走行床2及び走行レール12には、垂直X線を通す隙間(X線隙間)が設けられている。X線隙間は、X線を遮蔽しない間隔、例えば10〜50mmであるのがよい。
水平X線照射位置には、例えば線状X線を水平方向に向けて照射し、被検車両1を高さ方向に縦断して線状に照射する水平照射装置(図示せず)が走行床2の片側に設置され、X線検出器(図示せず)が走行床2の反対側に設置される。この照射位置において、線状X線は、走行床2の上面から大型車両の最大高さまで照射される。
図2は、本発明によるX線検査用車両搬送装置10の全体斜視図である。
この図に示すように、本発明の搬送装置10(X線検査用車両搬送装置10)は、1対の走行レール12、移動台車14、リフトバー16、昇降支持部材18、及び昇降駆動機構20を備える。
1対の走行レール12は、地下搬送路3の路面3aに互いに平行に設置され、被検車両1の搬送方向に水平に延びる。
移動台車14は、走行レール12に沿って移動可能に構成されている。
この例で、移動台車14は、走行レール12を走行するための前輪13a及び後輪13b(図3参照)、前輪13a又は後輪13bを駆動する駆動装置14a、及び移動台車14を制御する制御装置14bを備える。
リフトバー16は、走行床2より上方において垂直貫通溝4を跨いで幅方向に水平に延び、被検車両1の前輪1aを支持可能に構成されている。例えば、リフトバー16の下降位置において、リフトバー16の下面が走行床2の上面に載り、リフトバー16の上降位置において、リフトバー16の下面が走行床2の上面から離れるように設定するのがよい。
この例でリフトバー16は、被検車両1の前輪1aの前後に位置する1対の水平バー16aと、1対の水平バー16aの中央部を連結する連結金具16bとを有する。
水平バー16aの断面高さは、リフトバー16の下降位置において、被検車両1が自走して容易に乗り越え可能な高さ(例えば30〜70mm)に設定されている。また、水平バー16aの断面形状は、リフトバー16の下降位置において、被検車両1の前輪1aを支持しながら水平に移動させることができ、かつ被検車両1が自走して容易に乗り越え可能な形状、例えば、矩形、三角形、台形に形成されている。
連結金具16bは、被検車両1の前輪1aを1対の水平バー16aで支持した状態で、1対の水平バー16aを連結したまま水平に保持する。また連結金具16bの幅寸法は、好ましくは垂直貫通溝4の溝幅より狭く構成されている。
なお、連結金具16bの上端部を垂直貫通溝4の溝幅より広く構成し、リフトバー16が下降する位置(例えば被検車両1の搬入位置)の走行床2の上面に、連結金具16bの上端部と干渉しないように凹みを設けてもよい。
リフトバー16は、移動台車14の後端14cよりも後方に位置している。この位置は、移動台車14の後端部がX線の垂直照射の際にX線の影にならないように設定されている。
また、リフトバー16の少なくとも一部(好ましくは、全体)が、X線が透過しやすい繊維強化プラスチック(FRP)からなる。FRPは、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維を用いた一方向強化プラスチック(AFRP、GFRP、CFRP)であるのが好ましい。
昇降支持部材18は、上端がリフトバー16に固定された後端部18aと、移動台車14に連結された前端部18bとを有する。
昇降支持部材18の少なくとも一部(好ましくは、全体)が、X線が透過しやすい繊維強化プラスチック(FRP)からなる。このFRPは、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維を用いた一方向強化プラスチック(AFRP、GFRP、CFRP)であるのが好ましい。
昇降駆動機構20は、移動台車14に搭載され、昇降支持部材18を駆動してリフトバー16の後端部18aを上下動させるようになっている。
図3は、図2の搬送装置10の側面図である。
この図において、昇降支持部材18は、後端部18aが垂直貫通溝4を通してリフトバー16を水平に維持しながら上下動可能に構成されている。また、昇降支持部材18は、後端部18aから地下搬送路3内で前方下方に延び、前端部18bが移動台車14に連結されている。
昇降支持部材18は、この例で平行リンク機構18である。この平行リンク機構18は、互いに平行かつ上下に位置する同一の2本のリンク19aからなり、各リンク19aの前端部25a及び後端部25bが水平かつ幅方向に延びる回転軸26を中心に搖動可能に構成されている。
また、昇降駆動機構20は、この図において、移動台車14に設置されリンク19aの移動台車14の後端14cより前方部分を昇降駆動する直動アクチュエータ21a(この例では油圧シリンダ21a)と、油圧シリンダ21aに油圧を供給する油圧ユニット21bとを有する。
以下、移動台車14の後端14cより前方部分を単に、「前方部分」と呼ぶ。
図4は、図2の搬送装置10の平面図である。
この図に示すように、上述した本発明の構成によれば、リフトバー16が、移動台車14の後端14cよりも後方に位置しているので、車両1の下方に位置し前輪1aを持ち上げる機構部分は、リフトバー16と昇降支持部材18の一部(移動台車14の後端14cよりも後方部分のみ)である。従って、垂直照射によるX線が遮蔽される範囲(影になる範囲)を、小型車両であっても従来より大幅に狭くできる。
図5は、昇降駆動機構20の別の実施形態を示す図である。
この図において、昇降支持部材18は、平行リンク機構18であり、図3の構成と同様である。また、この図において、15はカウンタウエイトである。カウンタウエイト15は、昇降支持部材18の後端部18aが上昇してリフトバー16が走行床2から離れて上方に位置するときに、移動台車14の前部の浮上りを防止するための錘(おもり)である。
図5(A)において、昇降支持部材18の前端部18bがカウンタウエイト15に連結されている。その他の構成は、図3と同様である。
図5(B)において、下方のリンク19aの中間部が、前方部分(移動台車14の後端14cよりも前方部分)で水平軸を中心に揺動可能に支持され、昇降支持部材18の前端部18bが直動アクチュエータ21aにより昇降駆動されるようになっている。その他の構成は、図3と同様である。
図5(C)において、昇降支持部材18の前端部18bは、カウンタウエイト15と別個に設けられた前端部支持部材17に連結されている。また、リンク19aの前方部分(移動台車14の後端14cより前方部分)を搖動駆動する回動アクチュエータ21cと、回動アクチュエータ21cに油圧を供給する油圧ユニット21bとを有する。
上述した図5(A)〜図5(C)の構成によっても、昇降支持部材18を駆動して昇降支持部材18の後端部18aを上下動させることができる。
図6は、昇降駆動機構20のさらに別の実施形態を示す図である。
この図において、昇降支持部材18は、後端部18aから前端部18bまで水平に延びる単一の水平部材19bである。
また昇降駆動機構20は、移動台車14に設置され水平部材19bの前方部分(移動台車14の後端14cより前方部分)を昇降させる昇降装置である。
図6(A)において、昇降装置20は、水平部材19bの前方部分(移動台車14の後端14cより前方部分)を昇降させる1対の直動アクチュエータ21aである。
また、図6(B)において、昇降装置20は、昇降ガイド21dと直動アクチュエータ21aである。
上述した図6(A)、図6(B)の構成によっても、昇降支持部材18を駆動して昇降支持部材18の後端部18aを上下動させることができる。
図7は、移動台車14の別の実施形態を示す図である。
この図において、本発明の搬送装置10は、昇降支持部材18の後端部18aが上昇してリフトバー16が走行床2から離れて上方に位置するときに、移動台車14の前部の浮上りを防止する浮上り防止装置22を備える。
図7(A)において、浮上り防止装置22は、外側支持フレーム23aと補助車輪23bを有する。
外側支持フレーム23aは、移動台車14に固定され、被検車両1よりも幅方向外側に位置し、移動台車14の後端14cよりも後方まで延びる。
補助車輪23bは、外側支持フレーム23aの後端部に設けられ地下搬送路3の路面3aに接触して外側支持フレーム23aに作用する下向き荷重を地下搬送路3の路面3aに伝達する。
図7(B)において、浮上り防止装置22は補助車輪24bを有する
この図において内側支持フレーム24aが、移動台車14の前端部に設けられている。
補助車輪24bは、移動台車14(内側支持フレーム24a)の前端部に設けられ走行床2の下面に接触して内側支持フレーム24aに作用する上向き荷重を走行床2の下面に伝達する。
上述した浮上り防止装置22を備えることにより、カウンタウエイト15の必要性を低減又は無くすことができ、かつ昇降支持部材18の後端部18aが上昇してリフトバー16が走行床2から離れて上方に位置するときに、移動台車14の前部の浮上りを防止することができる。
上述した本発明の構成によれば、リフトバー16が、走行床2より上方において垂直貫通溝4を跨いで幅方向に水平に延び、移動台車14の後端14cよりも後方に位置するので、車両1の下方に位置し前輪1aを持ち上げる機構部分は、リフトバー16と昇降支持部材18の一部のみ(移動台車14の後端14cよりも後方部分のみ)である。従って、垂直X線照射位置において、垂直照射によるX線が遮蔽される範囲(影になる範囲)を、図4に示したように、従来より大幅に狭くでき透視画像の品質が改善される。
さらに、リフトバー16と昇降支持部材18を繊維強化プラスチック(例えばCFRP)で構成することで、垂直方向X線の遮蔽は金属材料に比べ大幅に少なくなり、完全に透視できた画像を得ることができるので検査品質が大幅に向上する。
また、X線検査用車両搬送装置10のほとんど全部が被検車両1の下方に位置するので、従来からの効果である、水平X線照射位置において、水平照射によるX線が遮蔽される範囲(影になる範囲)は、実質的に皆無であることと合わせて、本発明の装置により、小型車両(例えば軽自動車)から大型車両(例えばコンテナ車両)まで検査することができ、かつ垂直照射と水平照射によるX線が遮蔽される範囲が極少化され、実質的に車両全体を高精度でX線検査することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
1 被検車両、
1a 前輪、
2 走行床、
3 地下搬送路、
3a 路面、
4 垂直貫通溝、
5 遮蔽扉、
10 X線検査用車両搬送装置(搬送装置)、
12 走行レール、
13a 前輪、
13b 後輪、
14 移動台車、
14a 駆動装置、
14b 制御装置、
14c 後端、
15 カウンタウエイト、
16 リフトバー、
16a 水平バー、
16b 連結金具、
17 前端部支持部材、
18 昇降支持部材(平行リンク機構)、
18a 後端部、
18b 前端部、
19a リンク、
19b 水平部材、
20 昇降駆動機構(昇降装置)、
21a 直動アクチュエータ(油圧シリンダ)、
21b 油圧ユニット、
21c 回動アクチュエータ、
21d 昇降ガイド、
22 浮上り防止装置、
23a 外側支持フレーム、
23b 補助車輪、
24a 内側支持フレーム、
24b 補助車輪、
25a 前端部、
25b 後端部、
26 回転軸

Claims (8)

  1. X線検査する被検車両の前輪を持ち上げて搬送するX線検査用車両搬送装置であって、
    被検車両の走行床の下方に地下搬送路が設けられ、前記走行床の幅方向中央に走行方向に延びかつ前記地下搬送路と連通する垂直貫通溝が設けられており、
    前記地下搬送路に設置され前記被検車両の搬送方向に水平に延びる1対の走行レールと、
    前記走行レールに沿って移動可能な移動台車と、
    前記走行床より上方において前記垂直貫通溝を跨いで幅方向に水平に延び、前記移動台車の後端よりも後方に位置するリフトバーと、
    上端がリフトバーに固定された後端部と、前記移動台車に連結された前端部とを有する昇降支持部材と、
    前記移動台車に搭載され、前記昇降支持部材を駆動して前記後端部を上下動させる昇降駆動機構と、を備える、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置。
  2. 前記リフトバーと前記昇降支持部材の少なくとも一部が、X線が透過しやすい繊維強化プラスチックからなる、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
  3. 前記昇降支持部材は、前記後端部が前記垂直貫通溝を通してリフトバーを水平に維持しながら上下動可能であり、前記地下搬送路内で前方下方に延びる平行リンク機構であり、
    該平行リンク機構は、互いに平行かつ上下に位置する同一の2本のリンクからなり、各リンクの前端部及び後端部が水平かつ幅方向に延びる回転軸を中心に搖動可能であり、
    前記昇降駆動機構は、前記移動台車に設置され前記リンクの移動台車の後端より前方部分を、昇降駆動する直動アクチュエータ、又は搖動駆動する回動アクチュエータを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
  4. 前記昇降支持部材は、前記後端部が前記垂直貫通溝を通してリフトバーを水平に維持しながら上下動可能であり、前記地下搬送路内で前記後端部から前端部まで水平に延びる単一の水平部材であり、
    前記昇降駆動機構は、前記移動台車に設置され前記水平部材の移動台車の後端より前方部分を昇降させる昇降装置である、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
  5. 前記昇降装置は、前記水平部材の移動台車の後端より前方部分を昇降させる、1対の直動アクチュエータ、又は、昇降ガイドと直動アクチュエータである、ことを特徴とする請求項4に記載のX線検査用車両搬送装置。
  6. 前記後端部が上昇してリフトバーが走行床から離れて上方に位置するときに、前記移動台車の浮上りを防止する浮上り防止装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
  7. 前記浮上り防止装置は、
    前記移動台車に固定され、被検車両よりも幅方向外側に位置し、前記移動台車の後端よりも後方まで延びる外側支持フレームと、
    外側支持フレームの後端部に設けられ外側支持フレームに作用する下向き荷重を地下搬送路の路面に伝達する補助車輪と、を有する、ことを特徴とする請求項6に記載のX線検査用車両搬送装置。
  8. 前記浮上り防止装置は、
    前記移動台車の前端部に設けられ前記移動台車に作用する上向き荷重を前記走行床の下面に伝達する補助車輪を有する、ことを特徴とする請求項6に記載のX線検査用車両搬送装置。

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