JP5996452B2 - X線検査用車両搬送装置 - Google Patents
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Description
(1)X線検査装置は、コンテナ車両のような大型車両だけでなく、四輪駆動車、車高の低い車(例えばスポーツカー)、低床トラック、小型車両等も併用して検査する必要がある。しかし、四輪駆動車は、前輪のみを持ち上げても後輪が空転しないため搬送できない問題点がある。
(2)また車高の低い車(例えばスポーツカー)は、前輪を持ち上げる機構部分を薄く構成する必要があるため、大型車両と併用できない。
(3)低床トラックは、車幅が広くなるため、搬送装置の全幅がその分大きくなる。
(4)また、いずれの車両でも、前輪を持ち上げる機構部分でX線が遮蔽されるため、特に小型車両では検査できない範囲が広くなり、X線検査の信頼性が低下する。
前記被検車両が自走によりその上に乗込可能であり、X線が透過可能であり、水平に延びる平板状のパレットと、
前記パレットを下方向から搬送可能に支持し、前記被検車両の進入位置から退出位置まで前記被検車両の搬送方向に水平に延びるローラコンベアと、
前記ローラコンベアと平行に配置されており、前記パレットを前記搬送方向に案内するパレット案内装置と、
一端が前記パレットの前記搬送方向先端部に取り付けられ、前記搬送方向前方に水平に延びる第1ケーブルと、
一端が前記パレットの前記搬送方向後端部に取り付けられ、前記搬送方向後方に水平に延びる第2ケーブルと、
前記パレットよりも前記搬送方向前方に位置し、前記第1ケーブルを水平に巻入れ又は巻出す第1ウィンチと、
前記パレットよりも前記搬送方向後方に位置し、前記第2ケーブルを水平に巻入れ又は巻出す第2ウィンチと、を備え、
前記パレットの前記搬送方向先端部、前記搬送方向後端部、及び幅方向両端部は、該パレットに乗込んだ前記被検車両が載る範囲の外側に位置し、
前記被検車両が載る範囲の前記パレットの厚さは、一定である、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置が提供される。
前記第1ケーブルの前記一端は、前記第1ケーブル結合部に取り付けられており、前記第2ケーブルの前記一端は、前記第2ケーブル結合部に取り付けられている。
また、パレットはX線が透過可能であるので、第1ウィンチ及び第2ウィンチによって、パレットをX線検査装置によるX線の照射位置を通過するように水平移動させることにより、パレットと共に被検車両にX線を照射して、被検車両をX線検査することができる。
パレットは水平に延びる平板状であり、X線に対する影響(減衰量)が一定とみなせるので、X線の垂直照射と水平照射によりX線の影になる範囲を実質的に無くすことができ、実質的に被検車両の全体をX線検査することができる。
本発明のX線検査用車両搬送装置10は、X線検査をする被検車両1を搬送して後述するX線発生装置14により被検車両1をX線検査する搬送装置である。
以下、本発明のX線検査用車両搬送装置を単に「搬送装置」と略称する。
この例では、被検車両1の最大長さ19m、最大幅2.7m、最大高さ4.1mを想定している。
この構成によって、パレット2に搭載した被検車両1の幅方向を横断してX線検査を行うことが可能になるため、パレット2を搬送方向に前進させながらX線検査を複数回実施することによって、被検車両1全体のX線検査を行うことが可能になる。具体的には、X線検査を実施した後、次のX線検査を行うまでの間に、1回のX線検査で検査可能な長さだけパレット2を前進させておくことによって、被検車両1全体のX線検査を行うことが可能になる。
なお、この例においては、スリットを3つ用いてX線検査を行う例について説明したが、検査に支障がなければスリットの数を増減させた構成であってもよい。
また、この図において、進入位置Aと開始位置Bの間には進入側遮蔽扉17aが設置され、終了位置Cと退出位置Dの間には退出側遮蔽扉17bがされている。進入側遮蔽扉17aと退出側遮蔽扉17bは、X線を遮蔽可能であり、かつ後述する開閉装置18により、全開及び全閉が可能に構成されている。
また、進入側遮蔽扉17aから退出側遮蔽扉17bの間は、その間を通過する被検車両1を囲むトンネル遮蔽壁(図示しない)が設けられ、X線がその間で外部に漏洩しないようになっている。
パレット2は、上方から下方に照射されるX線が透過可能であり、かつ被検車両1が載る範囲においてX線に対する影響(減衰量)が一定とみなせるように、一定厚さの金属板(鋼板)で構成されている。パレット2の厚さは、ローラ間隔が狭くなれば薄くなりローラ間隔が広がれば厚くなるが、例えば6〜30mm程度である。
この例においては、ローラコンベア4は2列設けられているが、パレット2を安定的に搬送可能であれば1列であってもよく、2列以上からなるものであってもよい。
また、ローラコンベア4の配置位置について、パレット2を基準として幅方向に非対称であってもよいが、被検車両1の車輪部分の鉛直下方向に少なくともその一部が位置していることが望ましい。この構成によって、パレット2におけるローラコンベア4によって支えられていない部分に被検車両1の全重量の集中することが防止することにより、パレット2の破損を避けることが可能になるからである。
ローラは、この例においては、土台(図示しない)に取り付けられたシャフト(図示しない)によって回転可能に軸支されたローラであり、被検車両1の搬送方向に向けて複数取り付けられている。
この構成によって、平板上のパレット2をローラコンベア4の上に設置することが可能になり、被検車両1はそのパレット2に乗りこんだ状態で搬送することが可能になる。
この構成によって、パレット案内装置5とガイド装置6とは嵌合することが可能になるため、パレット2は、蛇行することなくパレット案内装置5と平行姿勢を保ちながら被検車両1を搬送することが可能になる。
この構成によって、パレット2の幅方向の長さが後述する遮蔽扉17の開閉装置18の幅方向の長さよりも短い場合であっても、図1のように第1ケーブル11a及び第2ケーブル11bを開閉装置18及び遮蔽扉17の設置位置よりも外方、又は外方でかつ下方に位置することが可能になり、第1ケーブル11a及び第2ケーブル11bと開閉装置18との接触を回避することが可能になる。
この構成によって、被検車両1に対するX線検査時において、X線がローラコンベア4によって遮断されることがないため、被検車両1のX線信号のみをより精度よく抽出することが可能になる。
この構成によって、進入側遮蔽扉17a及び退出側遮蔽扉17bは開閉可能になるため、被検車両1のX線検査時には進入側遮蔽扉17a及び退出側遮蔽扉17bを閉めることによってX線を遮蔽することができ、また、進入側遮蔽扉17a及び退出側遮蔽扉17bを開けることによって被検車両1を通過させることが可能になる。なお、進入側遮蔽扉17a及び退出側遮蔽扉17bは、この例においては、ローラコンベア4と垂直に設けられている開閉ガイド18に従って開閉を行う。
なお、必要がある場合には、パレット案内装置5についても、ローラコンベア4と同様に隙間を設ける構成であってよい。
また、第1ウィンチ12aによって第1ケーブル11aを巻出し、かつ、第2ウィンチ12bによって第2ケーブル11bを巻入れることによって、パレット2を搬送方向後方に向けて前進させることが可能になる。
よって、上記構成を有することにより、搬送方向について被検車両1を搭載したパレット2を移動することが可能になる。
また、単一のケーブルではなく、第1ケーブル11a及び第2ケーブル11bを用いることによって、X線検査時においてケーブルがX線を遮断してしまうことを防ぐことができる。
この構成によって、常に第1ウィンチ12aと第2ウィンチ12bの両方を稼働させることによって安定的にパレット2の搬送を行うことが可能になり、また、第1ケーブル11a又は第2ケーブル11bが床を接触して摩耗することを防止することが可能になる。
また、このリング状からなる単一のケーブルを用いた場合は、図5に示すように単一のウィンチのみを配置し、さらにこのウィンチとパレット2を介した反対側に回転補助部材12cを設ける構成であってよい。この構成によっても、単一のウィンチがケーブルを牽引する方向を変えるだけで、図4の場合と同じようにパレット2を搬送方向に前進させることも、搬送方向後方に向けて後退させることも可能になる。
運転手が進入位置Aから退避すると、搬送装置10の自動運転を開始する。この開始は、オペレータの開始指示(例えばスタートボタンのON)であっても、その他の開始信号であってもよい。
次いで、進入側遮蔽扉17aが全閉する。なおこの際、第1ウィンチ12a及び第2ウィンチ12bは停止しても移動を継続してもよい。
第1ウィンチ12a及び第2ウィンチ12bは、被検車両1を載せたパレット2を終了位置Cまで水平移動させると一旦停止する。次いで、退出側遮蔽扉17bが全開する。
また、これと並行して、X線検出装置15は、取得したX線画像から被検車両1(例えばコンテナの内部)をX線検査する。
この状態で、自動運転は一旦停止され、被検車両1の運転手に乗車を促す指示(例えばオペレータによる乗車指示)が出される。
第1ウィンチ12a及び第2ウィンチ12bは、空のパレット2を進入位置Aまで後進させると停止する。次いで、進入側遮蔽扉17aと退出側遮蔽扉17bが全閉し、自動運転が終了する。この状態は、自動運転前の初期状態である。
また、パレット2はX線が透過可能であるので、第1ウィンチ12a及び第2ウィンチ12bによって、パレット2をX線検査装置によるX線の照射位置を通過するように水平移動させることにより、パレット2と共に被検車両1にX線を照射して、被検車両1をX線検査することができる。
パレット2は水平に延びる平板状であり、X線に対する影響(減衰量)が一定とみなせるので、X線の垂直照射と水平照射によりX線の影になる範囲を実質的に無くすことができ、実質的に被検車両1の全体をX線検査することができる。
2a 第1ケーブル結合部、2b 第2ケーブル結合部、
4 ローラコンベア、5 パレット案内装置、6 ガイド装置、
10 X線検査用車両搬送装置(搬送装置)、
11a 第1ケーブル、11b 第2ケーブル、
12a 第1ウィンチ、12b 第2ウィンチ、12c 回転補助部材、
13a、13b 駆動装置、
14 X線発生装置(垂直X線発生装置)、14a、14b スリット、
15 X線検出装置(垂直X線検出装置)、15a スリット、
16 X線照射位置、17a 進入側遮蔽扉、17b 退出側遮蔽扉、
18 開閉装置、20 パレット移動装置
Claims (3)
- X線検査をする被検車両を搬送してX線検査装置により被検車両をX線検査するX線検査用車両搬送装置であって、
前記被検車両が自走によりその上に乗込可能であり、X線が透過可能であり、水平に延びる平板状のパレットと、
前記パレットを下方向から搬送可能に支持し、前記被検車両の進入位置から退出位置まで前記被検車両の搬送方向に水平に延びるローラコンベアと、
前記ローラコンベアと平行に配置されており、前記パレットを前記搬送方向に案内するパレット案内装置と、
一端が前記パレットの前記搬送方向先端部に取り付けられ、前記搬送方向前方に水平に延びる第1ケーブルと、
一端が前記パレットの前記搬送方向後端部に取り付けられ、前記搬送方向後方に水平に延びる第2ケーブルと、
前記パレットよりも前記搬送方向前方に位置し、前記第1ケーブルを水平に巻入れ又は巻出す第1ウィンチと、
前記パレットよりも前記搬送方向後方に位置し、前記第2ケーブルを水平に巻入れ又は巻出す第2ウィンチと、を備え、
前記パレットの前記搬送方向先端部、前記搬送方向後端部、及び幅方向両端部は、該パレットに乗込んだ前記被検車両が載る範囲の外側に位置し、
前記被検車両が載る範囲の前記パレットの厚さは、一定である、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置。 - 前記パレットは、前記搬送方向先端部の幅方向端部に設けられた第1ケーブル結合部と、前記搬送方向後端部の幅方向端部に設けられた第2ケーブル結合部と、を有しており、
前記第1ケーブルの前記一端は、前記第1ケーブル結合部に取り付けられており、前記第2ケーブルの前記一端は、前記第2ケーブル結合部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。 - 前記第1ウィンチ及び第2ウィンチは、互いに同期して一方がケーブルを巻入れ、かつ他方がケーブルを巻出すことによって、前記パレットを搬送方向に対して前進又は後退させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査用車両搬送装置。
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