JP5996451B2 - X線検査用車両搬送装置 - Google Patents
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Description
(1)X線検査装置は、コンテナ車両のような大型車両だけでなく、四輪駆動車、車高の低い車(例えばスポーツカー)、低床トラック、小型車両等も併用して検査する必要がある。しかし、四輪駆動車は、前輪のみを持ち上げても後輪が空転しないため搬送できない問題点がある。
(2)また車高の低い車(例えばスポーツカー)は、前輪を持ち上げる機構部分を薄く構成する必要があるため、大型車両と併用できない。
(3)低床トラックは、車幅が広くなるため、搬送装置の全幅がその分大きくなる。
(4)また、いずれの車両でも、前輪を持ち上げる機構部分でX線が遮蔽されるため、特に小型車両では検査できない範囲が広くなり、X線検査の信頼性が低下する。
前記被検車両が自走によりその上に乗込可能であり、X線が透過可能であり、水平に延びる平板状のパレットと、
X線検査装置によるX線の照射位置を通過するように前記パレットを水平移動させ、かつ前記被検車両が自走して通過可能なパレット移動装置と、を備え、
前記パレット移動装置は、
前記被検車両の搬入位置から搬出位置まで互いに平行かつ水平に設置された1対の軌道と、
前記被検車両の車輪位置に相当する前記パレットの下面を水平に支持して自由回転する複数のローラを有し、前記軌道に平行に前記搬入位置から前記搬出位置まで設置されたローラコンベアと、
前記被検車両が自走して通過可能であり、前記軌道に沿って前記パレットを前記被検車両の前記搬入位置と前記搬出位置の間で前進及び後進させる駆動台車と、を有する、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置が提供される。
互いに幅方向に間隔を隔てて位置し各軌道上を走行する1対の台車本体と、
1対の台車本体を一体的に連結する門型フレーム及び車両通過板と、
パレットを前進及び後進可能に台車本体に連結し、かつ台車本体に対するパレットの幅方向及び前後上下方向の相対移動を許容する連結装置と、を備え、
門型フレームは、被検車両の幅方向及び上方を隙間を隔てて囲み、
車両通過板は、その上面を被検車両が自走して通過可能であり、その下面がローラコンベアのローラに接しない高さに位置する。
前記駆動台車は、その幅方向両端に軌道隙間より大きい間隔で設置されたそれぞれ3以上の車輪を有する。
また、パレットはX線が透過可能であるので、パレット移動装置により、パレットをX線検査装置によるX線の照射位置を通過するように水平移動させることにより、パレットと共に被検車両にX線を照射して、被検車両をX線検査することができる。
パレットは水平に延びる平板状であり、X線に対する影響(減衰量)が一定とみなせるので、X線の垂直照射と水平照射によりX線の影になる範囲を実質的に無くすことができ、実質的に被検車両の全体をX線検査することができる。
本発明のX線検査用車両搬送装置10は、X線検査装置50(図2参照)によるX線検査のため被検車両1を搬送する装置である。
以下、本発明のX線検査用車両搬送装置10を単に「搬送装置10」と略称する。
この例では、被検車両1の最大長さ18〜20m、最大幅2.5〜3.0m、最大高さ3.5〜4.2mを想定している。
また、この図でX1は上方から下方にX線(垂直X線2)が照射される垂直X線照射位置、X2は水平方向にX線(水平X線3)が照射される水平X線照射位置である。以下、垂直X線照射位置X1と水平X線照射位置X2を区別が必要な場合を除き「X線照射位置X」と呼ぶ。
また、入口側遮蔽扉54から出口側遮蔽扉55の間は、その間を通過する被検車両1を囲むトンネル遮蔽壁56が設けられ、X線(垂直X線2、水平X線3、又はこれらの反射X線)がその間で外部に漏洩しないようになっている。
パレット12は、上方から下方に照射されるX線2(「垂直X線2」と呼ぶ)が透過可能であり、かつ被検車両1が載る範囲において垂直X線2に対する影響(減衰量)が一定とみなせるように、一定厚さの金属板(例えば鋼板)で構成されている。パレット12の厚さは、ローラ間隔が狭くなれば薄くなりローラ間隔が広がれば厚くなるが、例えば6〜30mm程度である。
パレット12の大きさは、被検車両1の最大長さ及び最大幅より大きいことが好ましい。
被検車両1のトレッド(車輪中心間距離)は、例えば日本では大型車両の場合、約1800から1900mmである。従って、ローラコンベア24は、このトレッド間隔で少なくとも2本、好ましくはそれぞれ2本以上(合計4本以上)設けるのがよい。
また、各ローラコンベア24のローラ25は、幅方向に水平に延びる回転軸を中心に自由回転するローラであり、搬入位置Aと搬出位置Dの間で前進及び後進方向に適当な間隔を隔てて設けるのがよい。
また、幅方向及び前進及び後進方向に隣接するローラ25の間は、ローラ25の上端よりパレット12の最大撓み以上に低く、パレット12には接触しないが、その上を被検車両1の車輪が支障なく走行できる高さに設定されている。
1対のガイド装置13は、この例において、パレット12の幅方向一端の前端部と後端部に設けられている。また各ガイド装置13は幅方向に間隔を隔て鉛直軸を中心に自由回転する1対又は複数対のローラ(図示せず)を有し、その間に軌道22を挟持して、軌道22に沿ってパレット12を案内するようになっている。
なお、ガイド装置13は1対に限定されず、3以上であってもよい。また、パレット12の幅方向一端に限定されず、両側に設けてもよい。
図3、図4において、駆動台車30は、1対の台車本体32、門型フレーム34、車両通過板36及び連結装置38を備える。
駆動電動機は両側になるので、門型フレーム34は片側から集電した電源を反対側の電動機にも供給するケーブルを通す通路としてと、また信号線を通すためにあり、かつ、被検車両1の幅方向及び上方を隙間を隔てて囲み、1対の台車本体32を一体的に連結する。
車両通過板36は、その上面を被検車両1が自走して通過可能であり、その下面がローラコンベア24のローラ25に接しない高さに位置しており、1対の台車本体32を一体的に連結する。
この構成により、門型フレーム34と車両通過板36により1対の台車本体32を一体的に連結して、1対の台車本体32が同期して作動し、かつ各軌道22に対する各台車本体32の姿勢を保持するようになっている。
この構成により、パレット12をローラコンベア24で支持し、台車本体32を軌道22で案内しながら、両者間の相対移動を連結装置38で吸収し、台車本体32の移動に追従させてパレット12を前進及び後進させることができる。
駆動台車30は、その幅方向両端に軌道隙間L1より大きい間隔で設置されたそれぞれ3以上の車輪33を有する。車輪33の少なくとも1つは駆動用の電動機を備え、それぞれ独立かつ同期して回転駆動される。
この構成により、いずれか1つの車輪33が軌道隙間L1上に位置するときに、その他の車輪33は軌道22上に位置しており、台車本体32が支障なく軌道隙間L1を通過できるようになっている。
運転手が搬入位置Aから退避すると、搬送装置10の自動運転を開始する。この開始は、オペレータの開始指示(例えばスタートボタンのON)であっても、その他の開始信号であってもよい。
次いで、入口側遮蔽扉54が全閉する。なおこの際、駆動台車30は停止しても移動を継続してもよい。
駆動台車30は、被検車両1を載せたパレット12を終了位置Cまで水平移動させると一旦停止する。次いで、出口側遮蔽扉55が全開する。
また、これと並行して、X線検査装置50は、垂直X線用検出器53と水平X線用検出器で取得したX線画像から、被検車両1(例えばコンテナの内部)をX線検査する。
この状態で、自動運転は一旦停止され、被検車両1の運転手に乗車を促す指示(例えばオペレータによる乗車指示)が出される。
駆動台車30は、空のパレット12を搬入位置Aまで後進させると停止する。次いで、入口側遮蔽扉54と出口側遮蔽扉55が全閉し、自動運転が終了する。この状態は、自動運転前の初期状態である。
また、パレット12はX線(垂直X線2)が透過可能であるので、パレット移動装置20により、パレット12をX線検査装置50によるX線の照射位置X1、X2を通過するように水平移動させることにより、パレット12と共に被検車両1にX線(垂直X線2、水平X線3)を照射して、被検車両1をX線検査することができる。
パレット12は水平に延びる平板状であり、X線(垂直X線2、水平X線3)に対する影響(減衰量)が一定とみなせるので、X線(垂直X線2、水平X線3)の垂直照射と水平照射によりX線の影になる範囲を実質的に無くすことができ、実質的に被検車両1の全体をX線検査することができる。
10 X線検査用車両搬送装置(搬送装置)、
12 パレット、13 ガイド装置、
20 パレット移動装置、22 軌道、
24 ローラコンベア、25 ローラ、
30 駆動台車、32 台車本体、33 車輪、
34 門型フレーム、36 車両通過板、38 連結装置、
50 X線検査装置、52 垂直X線発生装置、
53 垂直X線用検出器、
54 入口側遮蔽扉、55 出口側遮蔽扉、
56 トンネル遮蔽壁
Claims (4)
- X線検査装置によるX線検査のため被検車両を搬送するX線検査用車両搬送装置であって、
前記被検車両が自走によりその上に乗込可能であり、X線が透過可能であり、水平に延びる平板状のパレットと、
X線検査装置によるX線の照射位置を通過するように前記パレットを水平移動させ、かつ前記被検車両が自走して通過可能なパレット移動装置と、を備え、
前記パレット移動装置は、
前記被検車両の搬入位置から搬出位置まで互いに平行かつ水平に設置された1対の軌道と、
前記被検車両の車輪位置に相当する前記パレットの下面を水平に支持して自由回転する複数のローラを有し、前記軌道に平行に前記搬入位置から前記搬出位置まで設置されたローラコンベアと、
前記被検車両が自走して通過可能であり、前記軌道に沿って前記パレットを前記被検車両の前記搬入位置と前記搬出位置の間で前進及び後進させる駆動台車と、を有する、ことを特徴とするX線検査用車両搬送装置。 - 前記駆動台車は、
互いに幅方向に間隔を隔てて位置し各軌道上を走行する1対の台車本体と、
1対の台車本体を一体的に連結する門型フレーム及び車両通過板と、
前記パレットを前進及び後進可能に台車本体に連結し、かつ台車本体に対する前記パレットの幅方向及び前後上下方向の相対移動を許容する連結装置と、を備え、
門型フレームは、前記被検車両の幅方向及び上方を隙間を隔てて囲み、
車両通過板は、その上面を前記被検車両が自走して通過可能であり、その下面がローラコンベアのローラに接しない高さに位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。 - 前記パレットは、前記軌道に沿って前記パレットを案内するガイド装置を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
- 前記軌道は、前記被検車両の前記搬入位置から前記搬出位置まで直列に配置され、その間に軌道隙間を有する複数の分割軌道からなり、
前記駆動台車は、その幅方向両端に前記軌道隙間より大きい間隔で設置されたそれぞれ3以上の車輪を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のX線検査用車両搬送装置。
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