JP5975572B2 - X線検査装置及び方法 - Google Patents
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Description
しかし、車両全体についてX線検査を行った場合、前輪を持ち上げているための機構部分(例えばフォーク部材)でX線を遮断されてしまい、特に小型車両では検査できない範囲が広くなり、X線検査の信頼性が低下するという問題点があった。
一方で、パレットを用いたX線搬送装置では、被検車両はパレットに搭載されているため、X線検査によって取得したX線画像からパレットについての信号を差し引く画像処理を行う必要がある。
しかし、X線検査に時間を要する場合には、X線強度や温度変化等の検査環境が変化する。そのため、被検車両についてのみのX線信号を正確に取得できないという問題点があった。
前記被検車両が自走により乗込可能であり、搬送方向及び幅方向の長さが前記被検車両よりも長く、X線を透過可能であり、かつ搬送方向における前記被検車両を載せる範囲の形状が幅方向の一端から他端にかけて水平方向に延びる平板形状のみにより構成されるパレットと、
前記パレットの搬送経路の鉛直上方向に設けられ、かつ鉛直上方向から前記被検車両に対してX線を照射するX線発生装置と、
前記X線発生装置を中心とした円弧形状を有しており、前記パレットを挟んで前記X線発生装置と対向した位置に配置され、前記パレット又は前記被検車両を透過したX線を検出するX線検出装置と、を備え、
前記パレットは、前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得る位置に設けられた中央部と、前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得ない位置に設けられた端部とからなり、
前記中央部と前記端部によるX線の減衰量は同一であり、
さらに、前記X線検出装置によって前記中央部について検出した第1のX線信号の強度から、前記端部について前記第1のX線信号と同時に検出した第2のX線信号の強度を差し引くことによって、前記被検車両のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得し、これに基づいてX線画像を作成する画像処理装置を備える、ことを特徴とするX線検査装置が提供される。
前記被検車両が自走により乗込可能であり、搬送方向及び幅方向の長さが前記被検車両よりも長く、かつX線を透過可能であって搬送方向における前記被検車両を載せる範囲の形状が幅方向の一端から他端にかけて水平方向に延びる平板形状のみにより構成されるパレットを準備し、
(A)前記被検車両を搭載した状態の前記パレットに対して鉛直上方向からX線を照射し、
(B)前記パレットと前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得る部分を透過した第1のX線信号、及び前記パレットと前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得ない部分を透過した第2のX線信号の強度を同時に検出し、
(C)前記第1のX線信号の強度から前記第2のX線信号の強度を差し引くことによって、前記被検車両のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得し、
(D)前記第3のX線信号の強度に基づいて処理を行い、前記被検車両のみを透過した場合のX線画像を作成し、
(E)前記(A)及び前記(B)によって前記X線の照射及び検出を行った搬送方向についての長さだけ前記パレットを前進させ、
(F)前記(A)から前記(E)について、前記被検車両のX線検査が全て終了するまで繰り返す、ことを特徴とするX線検査方法が提供される。
この構成によって、取得した第1のX線信号からその第1のX線信号を取得した時の第2のX線信号をその都度差し引くことが可能になる。よって、検査環境の変化に伴ってパレットのみについて取得したX線信号の結果が変化しても、被検車両のみについてのX線画像を正確に取得することができる。
この被検車両1は、コンテナ車両のような大型車両、四輪駆動車、車高の低い車(例えばスポーツカー)、低床トラック、小型車両等である。この例では、被検車両1の最大長さ19m、最大幅2.7m、最大高さ4.1mを想定している。
なお、この例においては、被検車両1は、乗込位置(図示しない)において自走によってパレット2に乗り込み、X線検査終了後に退出位置(図示しない)において自走によって退出することを想定している。
この構成を有することによって、X線検査装置10では、前輪を持ち上げるための機構部分を用いる必要がないために、この機構部分によってX線は遮断されてしまうことがない。また、パレット2の搬送方向及び幅方向の長さが被検車両1よりも長く、かつ平板形状に延びているため、後述するように、X線検出装置7によって取得した第1のX線信号からその第1のX線信号を取得した時の第2のX線信号を差し引くことが可能になる。よって、X線出力の変化に関わらず被検車両についてのX線画像を正確に取得することができる。
なお、駆動台車3は、後述する軌道5に案内されて前進又は後退するものであってもよい。
また、この例においては、被検車両1の車輪部分の鉛直下方向に少なくともその一部が位置するために、少なくとも2本設けられている。
この構成によって、パレット2におけるローラコンベア4によって支えられていない部分に被検車両1の全重量が集中することが防止することにより、パレット2の破損を避けることが可能になる。
ローラは、この例においては、土台(図示しない)に取り付けられたシャフト(図示しない)によって回転可能に軸支されたローラであり、被検車両1の搬送方向に向けて複数取り付けられている。
この構成によって、平板上のパレット2をローラコンベア4の上に設置することが可能になり、被検車両1はそのパレット2に乗りこんだ状態で搬送することが可能になる。
この構成によって、軌道5とガイド装置2aとは嵌合することが可能になるため、パレット2は軌道5と平行姿勢を保ちながら被検車両1を搬送することが可能になる。
また、X線検出装置7は、パレット2を挟んでX線発生装置と対向した位置に配置され、パレット2又は被検車両1を透過したX線6aを検出するためのものである。
この構成によって、パレット2を幅方向について横断しながらX線検査を行うことが可能になるため、後述する中央部2b及び端部2cを同時に検査することが可能になる。
なお、この例において、X線6aはスリット8a、8bを通過しているが、スリットが1つのみからなる構成であってもよい。
この構成によって、X線検出装置7が検出するX線6aがローラコンベア4や軌道5によって遮蔽されることを防止することが可能になる。
この構成によって、X線発生装置6から発生したX線6aに対してX線検出装置7が正対することになり、X線発生装置6からX線検出装置7までのX線6aの各通過径路の距離が等しくなるため、X線6aのX線信号の強度を正確に検出することが可能になる。
そのため、中央部2bを透過したX線6aについては被検車両1とパレット2の両方について透過したものであり、端部2cを透過したX線6aについてはパレット2のみを透過したものであることになる。
よって、X線検出装置7によって中央部2bについて検出した第1のX線信号の強度から、端部2cについて第1のX線信号と同時に検出した第2のX線信号の強度を差し引くことによって、被検車両1のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得することが可能になる。
なお、ここで中央部2bと端部2cによるX線の減衰量は同一である必要がある。
しかし、本発明においては、上記構成を有することによって、取得した第1のX線信号に対しては、同時に取得した第2のX線信号の強度を差し引いて第3のX線信号を取得するため、正確なX線画像を取得することが可能になる。
(1)X線発生装置6によって、被検車両1を搭載した状態のパレット2に対して鉛直上方向からX線6aを照射し、
(2)パレット2とX線発生装置6との間に被検車両1の一部が存在し得る部分を透過した第1のX線信号、及びパレット2とX線発生装置6との間に被検車両1の一部が存在し得ない部分を透過した第2のX線信号の強度を同時に検出し、
(3)第1のX線信号の強度から第2のX線信号の強度を差し引くことによって、前記被検車両のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得し、
(4)第3のX線信号の強度に基づいて処理を行い、被検車両1のみを透過した場合のX線画像を作成し、
(5)上記(1)から(4)までによってX線6aの照射及び検出を行った搬送方向についての長さだけパレット2を前進させ、
(6)上記(1)から(5)までの手順について、被検車両1のX線検査が全て終了するまで繰り返す。
2a ガイド装置、2b 中央部、2c 端部、
3 駆動台車、4 ローラコンベア、4a 隙間、
5 軌道、5a 隙間、
6 X線発生装置、6a X線、7 X線検出装置、
8 検査室、8a、8b スリット、9 画像処理装置、
10 X線検査装置
Claims (2)
- 被検車両のX線検査をするX線検査装置であって、
前記被検車両が自走により乗込可能であり、搬送方向及び幅方向の長さが前記被検車両よりも長く、X線を透過可能であり、かつ搬送方向における前記被検車両を載せる範囲の形状が幅方向の一端から他端にかけて水平方向に延びる平板形状のみにより構成されるパレットと、
前記パレットの搬送経路の鉛直上方向に設けられ、かつ鉛直上方向から前記被検車両に対してX線を照射するX線発生装置と、
前記X線発生装置を中心とした円弧形状を有しており、前記パレットを挟んで前記X線発生装置と対向した位置に配置され、前記パレット又は前記被検車両を透過したX線を検出するX線検出装置と、を備え、
前記パレットは、前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得る位置に設けられた中央部と、前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得ない位置に設けられた端部とからなり、
前記中央部と前記端部によるX線の減衰量は同一であり、
さらに、前記X線検出装置によって前記中央部について検出した第1のX線信号の強度から、前記端部について前記第1のX線信号と同時に検出した第2のX線信号の強度を差し引くことによって、前記被検車両のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得し、これに基づいてX線画像を作成する画像処理装置を備える、ことを特徴とするX線検査装置。 - 被検車両のX線検査をするX線検査装置を用いたX線検査方法であって、
前記被検車両が自走により乗込可能であり、搬送方向及び幅方向の長さが前記被検車両よりも長く、かつX線を透過可能であって搬送方向における前記被検車両を載せる範囲の形状が幅方向の一端から他端にかけて水平方向に延びる平板形状のみにより構成されるパレットを準備し、
(A)前記被検車両を搭載した状態の前記パレットに対して鉛直上方向からX線を照射し、
(B)前記パレットと前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得る部分を透過した第1のX線信号、及び前記パレットと前記X線発生装置との間に前記被検車両が存在し得ない部分を透過した第2のX線信号の強度を同時に検出し、
(C)前記第1のX線信号の強度から前記第2のX線信号の強度を差し引くことによって、前記被検車両のみを透過した場合のX線信号に該当する第3のX線信号の強度を取得し、
(D)前記第3のX線信号の強度に基づいて処理を行い、前記被検車両のみを透過した場合のX線画像を作成し、
(E)前記(A)及び前記(B)によって前記X線の照射及び検出を行った搬送方向についての長さだけ前記パレットを前進させ、
(F)前記(A)から前記(E)について、前記被検車両のX線検査が全て終了するまで繰り返す、ことを特徴とするX線検査方法。
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