JP2014208780A - 塗工液の製造方法、積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 - Google Patents

塗工液の製造方法、積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗工液の長期保存性を犠牲とすることなく耐粉落ち性を発現させ、加えて耐熱性に優れ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、優れた特性を有した積層多孔フィルムを得る。
【解決手段】 フィラー(a)と溶媒(b)と樹脂バインダー(c)を含み、動的光散乱法により求められるフィラー(a)の凝集径が200nm以上、1000nm以下であり、pHが5より大きい塗工液の製造方法であって、フィラー(a)と溶媒(b)の混合物を作製する工程と、フィラー(a)とゼータ電位の正負が同一のメディアを使用したメディア分散法により該混合物を攪拌して、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散し、分散液を作製する工程と、該分散液に樹脂バインダー(c)を添加する工程を有することを特徴とする塗工液の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィラーと溶媒と樹脂バインダーを含む塗工液の製造方法に関し、より詳細には、耐熱性を要する積層多孔フィルムの製造、特に非水電解液二次電池用セパレータの製造に好適な塗工液の製造方法に関する。
多数の微細連通孔を有する高分子多孔体は、超純水の製造、薬液の精製、水処理などに使用する分離膜、衣類・衛生材料などに使用する防水透湿性フィルム、あるいは二次電池などに使用する電池セパレータなど各種の分野で利用されている。
二次電池はOA、FA、家庭用電器または通信機器等のポータブル機器用電源として幅広く使用されている。特に機器に装備した場合に容積効率がよく機器の小型化および軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。一方、大型の二次電池はロードレベリング、UPS、電気自動車をはじめ、エネルギー/環境問題に関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容量、高出力、高電圧および長期保存性に優れている点より非水電解液二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池の使用電圧は通常4.1Vから4.2Vを上限として設計されている。このような高電圧では水溶液は電気分解を起こすので電解液として使うことができない。そのため、高電圧でも耐えられる電解液として有機溶媒を使用したいわゆる非水電解液が用いられている。非水電解液用溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステル化合物が主に使用されている。溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶解させて使用している。
リチウムイオン二次電池には内部短絡の防止の点からセパレータが正極と負極の間に介在されている。該セパレータにはその役割から当然絶縁性が要求される。また、リチウムイオンの通路となる透気性と電解液の拡散・保持機能を付与するために微細孔構造である必要がある。これらの要求を満たすためセパレータとしては多孔性フィルムが使用されている。
最近の電池の高容量化に伴い、電池の安全性に対する重要度が増してきている。電池用セパレータの安全に寄与する特性として、シャットダウン特性(以後、「SD特性」と称す)がある。このSD特性は、100〜150℃程度の高温状態になると微細孔が閉塞され、その結果電池内部のイオン伝導が遮断されるため、その後の電池内部の温度上昇を防止できるという機能である。この時、積層多孔性フィルムの微細孔が閉塞される温度のうち最も低い温度をシャットダウン温度(以後、「SD温度」と称す)という。電池用セパレータとして使用する場合は、このSD特性を具備していることが必要である。
しかしながら、近年リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化、高容量化に伴い、通常のシャットダウン機能が十分に機能せず、電池内部の温度が、電池用セパレータに従来使用されているポリエチレンの融点である130℃前後を超え、さらに上昇し、セパレータの熱収縮に伴う破膜によって、両極が短絡し、発火に至る事故が発生するおそれがある。そこで、安全性を確保するため、セパレータには現在のSD特性よりもさらに高い耐熱性が求められている。
前記要望に対し、ポリオレフィン樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、金属酸化物と樹脂バインダーとを含む多孔層を備えた多層多孔フィルム(特許文献1〜3)が提案されている。これらは、多孔フィルム上にαアルミナ等の無機微粒子を高充填させたコート層を設けることで、異常発熱を起こし、SD温度を越え、温度が上昇し続けた際においても、両極の短絡を防ぐことができ、非常に安全性に優れる方法とされている。
特開2004−227972号公報 特開2008−186721号公報 国際公開2008/149986号パンフレット
前記特許文献1〜3に記載の方法では、樹脂バインダーの含有量に対し非常に多量の無機微粒子を用いることにより、製造する多孔フィルムにおいて高い透気性を発現することができるが、これらの方法で得られた多孔フィルムを製造ライン等で搬送する場面において、無機微粒子が脱落(粉落ち)し、製造ラインを汚染するという問題があった。
これに対し、塗工液に分散剤を加えることでコート層の平滑性を上げるなどして、粉落ちの問題を改善する方法が考えられるが、その場合、塗工液の粘度が低下し、圧縮沈降が起こり、長期の塗工液保存において強固な沈殿を形成するという副次的な問題が発生する。
本発明の課題は、前記問題点を解決することにある。すなわち、塗工液の長期保存性を犠牲とすることなく耐粉落ち性を発現させ、加えて耐熱性に優れ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、優れた特性を有した積層多孔フィルムを得ることを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、以下の手段をもって上記課題を解決するに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
[1]フィラー(a)と溶媒(b)と樹脂バインダー(c)を含み、動的光散乱法により求められるフィラー(a)の凝集径が200nm以上、1000nm以下であり、pHが5より大きい塗工液の製造方法であって、フィラー(a)と溶媒(b)の混合物を作製する工程と、フィラー(a)とゼータ電位の正負が同一のメディアを使用したメディア分散法により該混合物を攪拌して、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散し、分散液を作製する工程と、該分散液に樹脂バインダー(c)を添加する工程を有することを特徴とする、塗工液の製造方法。
[2]前記フィラー(a)が金属酸化物であることを特徴とする[1]に記載の製造方法。
[3]前記フィラー(a)の平均一次粒径が200nm以上、1000nm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記溶媒(b)が水を主成分とすることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記樹脂バインダー(c)が水溶性樹脂を主成分とすることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記塗工液のpHを6以上8以下に制御することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法により製造した塗工液を用いて、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に被覆層を形成してなる、積層多孔フィルム。
[8]前記被覆層における粉落ち量が3g/m以下であることを特徴とする[7]に記載の積層多孔フィルム。
[9]前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムがポリプロピレンを含んでなることを特徴とする[7]又は[8]に記載の積層多孔フィルム。
[10][7]〜[9]のいずれかに記載の積層多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ。
[11][10]に記載の非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池。
本発明によれば、塗工液の長期保存性を犠牲とすることなく耐粉落ち性を発現させ、加えて耐熱性に優れ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、優れた特性を有した積層多孔フィルムを得ることが可能となる。
本発明の積層多孔フィルムを収容している電池の概略的断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
<塗工液の製造方法>
第一の本発明は、フィラー(a)と溶媒(b)と樹脂バインダー(c)を含み、動的光散乱法により求められるフィラー(a)の凝集径が200nm以上、1000nm以下であり、pHが5より大きい塗工液の製造方法であって、フィラー(a)と溶媒(b)の混合物を作製する工程と、フィラー(a)とゼータ電位の正負が同一のメディアを使用したメディア分散法により該混合物を攪拌して、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散し、分散液を作製する工程と、該分散液に樹脂バインダー(c)を添加する工程を有する。
(フィラー(a))
本発明に用いることができるフィラー(a)としては無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられるが、特に制約されるものではない。
本発明に用いることができる無機フィラーの例としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどの金属硫酸塩、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、酸化チタンなどの金属酸化物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化銀、塩化カルシウムなどの金属塩化物、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイトなどの粘土鉱物が挙げられる。これらの中でも、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合、電池に組み込んだ際に化学的に不活性であるという観点で、金属酸化物がより好ましく、アルミナが特に好ましい。
本発明に用いることができる有機フィラーの例としては、超高分子量ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、メラミン、ベンゾグアナミンなどの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合における、耐電解液膨潤性の観点より、架橋ポリスチレンなどが好ましい。
本発明に用いるフィラー(a)の平均一次粒径は200nm以上、1000nm以下であることが好ましく、300nm以上、800nm以下が更に好ましい。平均一次粒径が1000nm以下であることで、本発明の積層多孔フィルムの粉落ちを抑制することができるため好ましい。また平均一次粒径が200nm以上であることで、本発明の積層多孔フィルムのカールを防止するという効果があるため好ましい。
なお、本実施の形態において「フィラー(a)の平均一次粒径」とは、例えば画像解析装置を用いて、縦方向・横方向それぞれ2方向から当該フィラーを投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値を、各方向について算出した後にさらに平均した値として算出される。
(溶媒(b))
本発明に用いる溶媒(b)は、フィラー(a)と樹脂バインダー(c)が適度に均一かつ安定に溶解又は分散可能な溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、ジオキサン、アセトニトリル、低級アルコール、グリコール類、グリセリン、乳酸エステルなどが挙げられるが、中でもコスト面、環境負荷の点で水を溶媒(b)の主成分として用いることが好ましい。
(フィラー(a)と溶媒(b)の混合物の作製)
本発明の製造方法において、フィラー(a)と溶媒(b)の混合物を作製する工程における作製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、所望の量のフィラー(a)が充填された容器に溶媒(b)を注ぎ込んで混合する方法や、溶媒(b)を入れた容器にフィラー(a)を飛散しないように注意しながら所望の量注いで混合する方法などを、適宜採用することができる。
なおこの場合、次の工程において溶媒(b)にフィラー(a)を分散させるための容器をそのまま使用することが、生産性や工程の効率化の観点から好ましい。
(分散液の作製)
本発明の製造方法においては、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散させて、分散液を作製する工程を有する。
フィラー(a)を溶媒(b)に分散させる際には、例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライターなどメディア分散法を採用することが重要である。メディア分散法の前処理として、攪拌羽根による攪拌や、超音波分散などを使用することもできるが、これらの処理はメディア分散法には含まれない。
この場合、上記のいずれのメディア分散法においても、フィラー(a)とゼータ電位の正負が同一のメディアを使用して該混合物を攪拌することにより、本発明によって製造される塗工液の中のフィラー(a)の凝集径を200nm以上、1000nm以下の範囲とすることができる。
フィラー(a)とメディアのゼータ電位の正負が同一であることにより、溶媒(b)中でのフィラー(a)の凝集を制御し易くなり、その結果として長期保存性に優れた塗工液を得ることができ、さらにはその塗工液を使用して、耐粉落ち性と耐熱性に優れ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、優れた特性を有した積層多孔フィルムをも得ることができる。
なお、メディアとしては、例えばアルミナ、ステンレス、ガラス、ジルコニアなどを材質としたものが好ましく使用される。また、各材質のゼータ電位は各種文献よりその正負を知ることが可能であるほか、例えば電気泳動法や電気浸透法を用いた各種測定装置によって測定することができる。
また、フィラー(a)を溶媒(b)に分散させる際、製造する塗工液の安定性を向上し、又は、粘性の最適化をするために、分散助剤、安定剤、増粘剤等を、本発明の本質を損なわない範囲で分散の前後に添加してもよい。
(樹脂バインダー(c)の添加)
本発明の製造方法においては、上記の分散液を作製した後に、樹脂バインダー(c)を添加して塗工液を製造することが重要である。フィラー(a)と同時に樹脂バインダー(c)を添加してから攪拌して溶媒(b)に溶解又は分散しようとすると、製造する塗工液中においてフィラー(a)が凝集し易くなり、凝集径を200nm以上、1000nm以下の範囲とすることが困難となる。
(樹脂バインダー(c))
本発明に用いる樹脂バインダー(c)としては、前記フィラー(a)と、後述するポリオレフィン系樹脂多孔フィルムとを良好に接着でき、電気化学的に安定で、かつ本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合に有機電解液に対して安定であれば、特に制限されるものではない。具体的には、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアラミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル由来の構造単位が0〜20モル%のもの)、ポリオキシエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン−トリクロロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルセルロース、ポリビニルアルコール、シアノエチルポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、マレイン酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの樹脂バインダーは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。これらの樹脂バインダーの中でもポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその誘導体、マレイン酸変性ポリオレフィンが水中でも比較的安定であることからより好ましい。
とりわけ本発明においては、樹脂バインダー(c)が水溶性樹脂を主成分とすることが特に好ましく、具体的にはポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。
(揮発性酸)
本発明の製造方法において製造する塗工液には、揮発性酸を含有することが好ましい。揮発性酸の例としては、炭酸、硫化水素、亜硫酸ガス等の酸性ガス;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸等の低級カルボン酸;硝酸、亜硝酸等のニトロ酸;過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲンオキソ酸;塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸が挙げられる。これらの中でも、少量添加でpHを下げられる点、入手の容易性、酸の安定性が高いという観点で、蟻酸、酢酸、塩酸が好ましい。
揮発性酸の沸点あるいは分解温度は、−100〜150℃であることが好ましく、−100〜120℃がより好ましい。前記揮発性酸の沸点あるいは分解温度が−100〜150℃であることによって、乾燥時に前記揮発性酸が十分に揮発され、電池に悪影響を与えないという効果がある。
揮発性酸は、塗工液100質量%に対して1〜1000質量ppm含まれていることが好ましい。より好ましくは1〜500質量ppmであり、更に好ましくは5〜500質量ppmである。揮発性酸が塗工液100質量%に対して1質量ppm以上含まれていることで、塗工液の凝集や塗工後のフィルムの粉落ちを抑えることができ、1000質量ppm以下含まれていることで、揮発性酸がポリオレフィン系樹脂多孔フィルム上に残留しにくく、物性低下を抑えることができる。
なお、揮発性酸は樹脂バインダー(c)を分散液に添加する工程において、同時に添加することが好ましい。
本発明の製造方法においては、上記の他にも分散剤や架橋剤等を、本発明の本質を損なわない範囲で、樹脂バインダー(c)を分散液に添加する工程において、同時に添加してもよい。
(塗工液)
本発明により製造する塗工液において、フィラー(a)と樹脂バインダー(c)との総量に占めるフィラー(a)の含有率は、80質量%以上、99.9質量%以下の範囲であることが好ましい。フィラー(a)の含有率は92質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましい。フィラー(a)の含有率がこの範囲内であることにより、本発明の積層多孔フィルムの被覆層が優れた透気性と結着性を維持することができる。
本発明により製造する塗工液において、固形分濃度は20重量%以上、70重量%以下であることが好ましい。固形分濃度が20質量%以上であることで、塗工プロセス中の液流れを防止する効果があるため好ましい。一方、固形分濃度が70質量%以下であることで、例えば後述するグラビアロールを用いて本発明の積層多孔フィルムの被覆層を形成する場合に彫刻模様の転写を抑える効果がある。
本発明により製造する塗工液においては、そのpHが5より大きくなるように制御することが重要であり、6以上に制御することが好ましく、6以上8以下に制御することが特に好ましい。塗工液のpHが5以下であると、塗工液中においてフィラー(a)の分散性が良好となり過ぎて、凝集径を200nm以上、1000nm以下とすることが困難となる。
pHを5より大きくなるように制御する手段としては特に制限されないが、例えば揮発性酸を添加する場合において、その添加量を調整する方法などが挙げられる。
(凝集径)
本発明により製造する塗工液中において、フィラー(a)の凝集径は、200nm以上、1000nm以下であることが重要であり、250nm以上、950nm以下であることが更に好ましい。凝集径が200nm以上であることで、液のチキソ性が確保され、圧縮沈降の進行を抑え、長期の塗工液保存に有効である。一方、凝集径が1000nm以下であることで、塗工面の粗面化を抑え、粉落ちが抑えられるため好ましい。なお、フィラーの凝集径は、塗工液を延伸沈降後、上澄み液を希釈せず、ガラスセルに封入し、動的光散乱装置を用いた数平均粒径により求められる。
すなわち、フィラー(a)の凝集径を200nm以上、1000nm以下とするためには、本発明の製造方法において特定した工程を必須とするのであるが、加えて、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散させて分散液を作製する工程において、フィラー(a)の形状や、攪拌装置のせん断・攪拌力・吐出量を踏まえて、攪拌装置内での滞留時間を適宜調整することが好ましい。
また本発明の製造方法により製造した塗工液を常温3ヶ月間保存した状態においても、簡易的な振盪攪拌により、動的光散乱法により求められるフィラー(a)の凝集径を200nm以上、1000nm以下に回復可能であることが好ましい。
このような塗工液中のフィラー(a)の凝集径の制御は、本発明の製造方法以外にも、例えば、凝集剤を添加することによっても試みることができるが、均一に凝集させるのは困難である上、凝集剤による副反応の可能性があるため、凝集剤の選別、添加法には細心の注意を要する。それに比べ、本発明の製造方法は操作が簡便であり、生産性に優れている。
<積層多孔フィルム>
第二の本発明は、第一の本発明の製造方法により製造した塗工液を用いて、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に被覆層を形成してなることを特徴とする積層多孔フィルムである。
以下、積層多孔フィルムを構成する各成分について説明する。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム)
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに用いるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンを重合した単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらの単独重合体または共重合体を2種以上混合することもできる。この中でもポリプロピレン系樹脂、または、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、特に、本発明の積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ホモポリプロピレンがより好適に使用される。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が80〜99%であることが好ましい。より好ましくは83〜98%、更に好ましくは85〜97%であるものを使用する。アイソタクチックペンタッド分率が低すぎるとフィルムの機械的強度が低下するおそれがある。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルで更に規則性の高い樹脂が開発された場合についてはこの限りではない。 アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules8,687,(1975))に準拠する。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnが2.0〜10.0であることが好ましい。より好ましくは2.0〜8.0、更に好ましくは2.0〜6.0であるものが使用される。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnが2.0未満であると押出成形性が低下する等の問題が生じるほか、工業的に生産することも困難である。一方、Mw/Mnが10.0を超えた場合は低分子量成分が多くなり、積層多孔フィルムの機械的強度が低下しやすい。
ポリプロピレン系樹脂のMw/MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定される。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、MFRは0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。MFRが0.5g/10分以上とすることで、成形加工時の樹脂の溶融粘度が高く、十分な生産性を確保することができる。一方、15g/10分以下とすることで、得られる積層多孔フィルムの機械的強度を十分に保持することができる。
ポリプロピレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、前記ポリプロピレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、懸濁重合法、溶融重合法、塊状重合法、気相重合法、またラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」(以上、日本ポリプロ(株)製)、「ノティオ」、「タフマーXR」(以上、三井化学(株)製)、「ゼラス」、「サーモラン」(以上、三菱化学(株)製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」(以上、住友化学(株)製)、「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(以上、(株)プライムポリマー製)、「Adflex」、「Adsyl」、「HMS−PP(PF814)」(以上、サンアロマー(株)製)、「バーシファイ」、「インスパイア」(以上、ダウケミカル(株)製)など市販されている商品を使用できる。
(ポリエチレン系樹脂)
本発明に用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレンを主成分とする共重合体、すなわち、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数3〜10のα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる1種または2種以上のコモノマーとの共重合体または多元共重合体あるいはその混合組成物が挙げられる。エチレン系重合体のエチレン単位の含有量は通常50質量%を超えるものである。
これらのポリエチレン系樹脂の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの中から選ばれる少なくとも1種のポリエチレン系樹脂が好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.910〜0.970g/cmであることが好ましく、0.930〜0.970g/cmであることがより好ましく、0.940〜0.970g/cmであることが更に好ましい。密度が0.910g/cm以上であれば適度なSD特性を有することができるため好ましい。一方、0.970g/cm以下であれば適度なSD特性を有することができるほか、延伸性が維持される点で好ましい。
ポリエチレン系樹脂の密度の測定は密度勾配管法を用いてJIS K7112(1999年)に準じて測定される。
また、前記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常MFRは0.03〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRが0.03g/10分以上であれば成形加工時の樹脂の溶融粘度が十分に低いため生産性に優れ好ましい。一方、30g/10分以下であれば、十分な機械的強度を得ることができるために好ましい。
ポリエチレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の重合方法として、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法のポリエチレン系樹脂も使用可能である。
(他の成分)
本発明においては、前述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性およびポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂やシリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤または着色剤などの添加剤が挙げられる。
また開孔を促進するためや、成形加工性を付与するために、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、各種樹脂や、ワックス等の低分子量化合物を添加しても構わない。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの層構成)
本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムは、単層でも積層でもよく、特に制限されるものではない。中でも、前記ポリオレフィン系樹脂を含む層(以降「A層」と称す)の単層、当該A層の機能を妨げない範囲で、当該A層と他の層(以降「B層」と称す)との積層が好ましい。なお、B層がA層とは異なる前記ポリオレフィン系樹脂を含む層であっても構わない。
具体的にはA層/B層を積層した2層構造、A層/B層/A層、若しくは、B層/A層/B層として積層した3層構造などが例示できる。また、他の機能を持つ層と組み合わせて3種3層の様な形態も可能である。この場合、他の機能を持つ層との積層順序は特に問わない。更に層数としては4層、5層、6層、7層と必要に応じて増やしても良い。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法)
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法は、従来公知の多孔性フィルムの製造方法を好適に用いることができ、特に限定されるものではないが、通常、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成するための前駆体である無孔膜状物を作製し、これを多孔化することによってポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成する方法が好ましく採用される。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成するための前駆体である無孔膜状物の作製方法は特に限定されず公知の方法を用いてよいが、例えば押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物を溶融し、Tダイから押出し、キャストロールで冷却固化するという方法が挙げられる。また、チューブラー法により製造した膜状物を切り開いて平面状とする方法も適用できる。
無孔膜状物の多孔化方法としては、特に限定されることなく、湿式による一軸以上の延伸多孔化、乾式による一軸以上の延伸多孔化など、公知の方法を用いてもよい。延伸方法については、ロール延伸法、圧延法、テンター延伸法、同時二軸延伸法などの手法があり、これらを単独あるいは2つ以上組み合わせて一軸延伸あるいは二軸延伸を行う。中でも、多孔構造制御の観点から逐次二軸延伸が好ましい。また必要に応じて、延伸の前後にポリオレフィン系樹脂組成物に含まれている可塑剤を溶剤によって抽出、乾燥させる方法も適用される。さらに、寸法安定性の改良を目的として、延伸の後に熱処理や弛緩処理を施すこともできる。
なお、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムにポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、前記無孔膜状物にいわゆるβ晶を生成させることが好ましい。無孔膜状物中にβ晶を生成していれば、フィラー等の添加剤を使用しない場合においても、延伸を施すことで微細孔が容易に形成されるため、優れた透気特性を有するポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂の無孔膜状物中にβ晶を生成させる方法としては、前記ポリプロピレン系樹脂のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、特許第3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレンを添加する方法、及び組成物にβ晶核剤を添加する方法などが挙げられる。
(β晶核剤)
本発明で用いるβ晶核剤としては以下に示すものが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の生成・成長を増加させるものであれば特に限定される訳ではなく、また2種類以上を混合して用いても良い。
β晶核剤としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。そのほか核剤の具体的な種類については、特開2003−306585号公報、特開平08−144122号公報、特開平09−194650号公報に記載されている。
β晶核剤の市販品としては新日本理化社製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたポリプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、Mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂に添加するβ晶核剤の割合は、β晶核剤の種類またはポリオレフィン系樹脂の組成などにより適宜調整することが必要であるが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対しβ晶核剤は0.0001〜5質量部であることが好ましい。0.001〜3質量部がより好ましく、0.01〜1質量部が更に好ましい。
β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にポリオレフィン系樹脂のβ晶を生成・成長させることができ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いる際にも十分なβ晶活性が確保でき、所望の透気性能が得られる。また、β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して5質量部以下であれば、経済的にも有利になるほか、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム表面へのβ晶核剤のブリードなどがなく好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを積層にする場合、製造方法は、多孔化と積層の順序等によって以下の4つに大別される。
(i)各層を多孔化したのち、多孔化された各層をラミネートしたり接着剤等で接着したりして積層する方法。
(ii)各層を積層して積層無孔膜状物を作製し、ついで当該無孔膜状物を多孔化する方法。
(iii)各層のうちいずれか1層を多孔化したのち、もう1層の無孔膜状物と積層し、多孔化する方法。
(iv)多孔層を作製した後、無機・有機粒子などのコーティング塗布や、金属粒子の蒸着などを行うことにより積層多孔フィルムとする方法。
本発明においては、その工程の簡略さ、生産性の観点から(ii)の方法を用いることが好ましく、なかでも2層の層間接着性を確保するために、共押出で積層無孔膜状物を作製した後、多孔化する方法が特に好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みは5〜100μmが好ましく、より好ましくは8〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みが5μm以上であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合に実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば電極の突起部分に大きな力がかかった場合でも、セパレータを突き破って短絡しにくく安全性に優れる。また、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みが100μm以下であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合に電気抵抗を小さくすることができるので、電池の性能を十分に確保することができる。
(被覆層)
本発明の積層多孔フィルムにおける被覆層は、第一の本発明の製造方法で製造した塗工液を用いて前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に形成される層であり、塗布乾燥法により形成することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、塗工液を塗布する工程としては、特に限定されることはない。すなわち前記被覆層形成用分散液の塗布は、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの作製工程において、押出成形の後、延伸前であってもよいし、縦延伸工程の後であってもよいし、横延伸工程の後であってもよい。
前記塗布工程における塗布方式としては、必要とする層厚や塗布面積を実現できる方式であれば特に限定されない。このような塗布方法としては、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、等が挙げられる。
また、前記塗工液は、その用途に照らし、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面だけに塗布されてもよいし、両面に塗布されてもよい。即ち、本発明の積層多孔フィルムにおいて、被覆層はポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面にのみ形成されていても良く、両面に形成されていても良い。
塗工液の塗布後、前記溶媒(b)を除去する方法としては、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに悪影響を及ぼさない方法であれば、特に限定することなく採用することができる。具体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを固定しながらその融点以下の温度にて乾燥する方法、低温で減圧乾燥する方法、前記樹脂バインダー(c)に対する貧溶媒に浸漬して樹脂バインダー(c)を凝固させると同時に溶媒(b)を抽出する方法などが挙げられる。
(積層多孔フィルムの形状及び物性)
本発明の積層多孔フィルムの厚みは5〜100μmが好ましい。より好ましくは8〜50μm、更に好ましくは10〜30μmである。非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、厚みが5μm以上であれば、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば電極の突起部分に大きな力がかかった場合でも、非水電解液二次電池用セパレータを突き破って短絡しにくく安全性に優れる。また、厚みが100μm以下であれば、積層多孔フィルムの電気抵抗を小さくすることができるので、電池の性能を十分に確保することができる。
また、被覆層の厚みとしては、耐熱性の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。一方で上限としては、連通性の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
本発明の積層多孔フィルムにおいて、空孔率は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましい。空孔率が30%以上であれば、連通性を確保し透気特性に優れた積層多孔フィルムとすることができる。
一方、上限については70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下が更に好ましい。空孔率が70%以下であれば、積層多孔フィルムの強度を十分に保持することができ、ハンドリングの観点からも好ましい。
本発明の積層多孔フィルムの透気度は1000秒/100mL以下が好ましく、10〜800秒/100mLがより好ましく、50〜500秒/100mLが更に好ましい。透気度が1000秒/100mL以下であれば、積層多孔フィルムに連通性があることを示し、優れた透気性能を示すことができるため好ましい。
透気度はフィルム厚み方向の空気の通り抜け難さを表し、具体的には100mLの空気が当該フィルムを通過するのに必要な秒数で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルム厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とはフィルム厚み方向の孔のつながり度合いである。本発明の積層多孔フィルムの透気度が低ければ様々な用途に使用することができる。例えば電池用セパレータとして使用する場合、透気度が低いということはリチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。
積層多孔フィルムの透気度は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層多孔フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして使用される場合において、SD特性を有することが好ましい。具体的には、135℃で5秒間加熱後の透気度は10000秒/100mL以上であることが好ましく、より好ましくは25000秒/100mL以上、さらに好ましくは50000秒/100mL以上である。135℃で5秒間加熱後の透気度が10000秒/100mL以上とすることで、異常発熱時において空孔が速やかに閉塞し、電流が遮断されるため、電池の破裂等のトラブルを回避することができる。
本発明の積層多孔フィルムの150℃における収縮率は、縦方向と横方向のいずれにおいても10%未満が好ましく、7%未満がより好ましく、5%未満であることが更に好ましい。前記150℃における収縮率が10%未満であれば、SD温度を超えて異常発熱した際においても、寸法安定性がよく、耐熱性を有することを示唆しており、破膜を防ぎ、内部短絡温度を向上することができる。下限としては特に限定しないが、0%以上がより好ましい。
積層多孔フィルムの収縮率は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層多孔フィルムの被覆層の粉落ち量は、3g/m以下であることが好ましく、2g/m以下であることが特に好ましい。粉落ち量が3g/m以下であることにより、製造ラインの汚染を抑える効果があるため好ましい。下限については特に制限はないが、0g/m以上が好ましい。なお、被覆層がポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの両面に存在する場合には、両方の被覆層が上記粉落ち量を満たすことが好ましい。
積層多孔フィルムの被覆層の粉落ち量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
(電池)
続いて、本発明の前記積層多孔フィルムを電池用セパレータとして収容している非水電解液二次電池について、図1を参照して説明する。
正極板21、負極板22の両極は電池用セパレータ10を介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体とする。
前記捲回工程について詳しく説明する。電池用セパレータの片端をピンのスリット部の間に通し、ピンを少しだけ回転させて電池用セパレータの一端をピンに巻きつけておく。この時、ピンの表面と電池用セパレータの被覆層とが接触している。その後、電池用セパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置し、捲回機によってピンを回転させて、正負極と電池用セパレータを捲回する。捲回後、ピンは捲回物から引き抜かれる。
前記正極板21、電池用セパレータ10および負極板22を一体的に巻き付けた捲回体を有底円筒状の電池ケース内に収容し、正極および負極のリード体24、25と溶接する。ついで、前記電解質を電池缶内に注入し、電池用セパレータ10などに十分に電解質が浸透した後、電池缶の開口周縁にガスケット26を介して正極蓋27を封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の非水電解液二次電池を作製する。
電解液としては、リチウム塩を電解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランもしくは4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、またはスルホランなどが挙げられ、これらを単独でまたは二種類以上を混合して用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの割合で溶解した電解質が好ましい。
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化させたものが用いられる。前記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズもしくはマグネシウムなどとの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物もしくは硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としてはリチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
正極としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウムもしくはクロム酸化物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、積層多孔フィルムの長手方向を「縦方向」、長手方向に対して垂直方向を「横方向」と称する。
(1)フィラー(a)の平均一次粒径
画像解析装置を用いて、縦方向・横方向それぞれ2方向から当該フィラーを投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値を、各方向について算出した後にさらに平均した値として算出した。
(2)フィラー(a)の凝集径
塗工液を遠心沈降し、その上澄み液を採取し、動的光散乱粒径測定装置(大塚電子株式会社製:ELSZ−0)により散乱強度に基づく粒径分布を求めた。
より具体的には、本測定により得られる、粒径(d)に対する体積換算粒度分布の頻度(f(vol))を3回測定し、dに対する関数f(vol)、f(vol)、f(vol)がそれぞれ得られる。
得られたそれぞれの関数を以下の式により3乗平均した。

(fave(vol))=(f(vol)×f(vol)×f(vol))1/3

そして縦軸にfave(vol)、横軸にdをとり、グラフ化した際にfave(vol)が極大値をとるdを凝集径とした。
(3)固形分率
固形分率は、フィラー(a)と樹脂バインダー(c)の総量の、塗工液100質量%に対する比率とした。
(4)長期保存性
以下の評価基準によって長期保存性を評価した。
○:塗工液100mLをポリエチレン製容器に常温下3ヶ月密閉保存後において、1分間の簡易的な振盪により、沈殿が開膠し、塗工が可能。かつ、振盪後の容器を上下逆さに置き可視観察した際に、容器の底に強固な沈殿組織が存在しない。
×:塗工液100mLをポリエチレン製容器に常温下3ヶ月密閉保存後において、1分間の簡易的な振盪によっても沈殿が開膠せず、強固な凝集体により塗工が困難。或いは、振盪後の容器を上下逆さに置き可視観察した際に、容器の底に強固な沈殿組織が存在する。
(5)総厚み
1/1000mmのダイアルゲージにて、積層多孔フィルムの面内を不特定に5箇所測定し、その平均値を積層多孔フィルムの厚みとした。
(6)被覆層の厚み
塗工後の積層多孔フィルムの総厚みから、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの総厚みを引き算することで、被覆層の厚みを算出した。
(7)透気度(ガーレ値)
JIS P8117(2009年)に準拠して透気度(秒/100mL)を測定した。
(8)粉落ち量・結着性
積層多孔フィルムを50mm×50mm四方に切り出し、被覆層を上にして厚紙に貼りつけ固定した後、被覆層上に、綿布(販売元:田中商事、商品名:綿メリヤス、目付け:188g/m、厚み:550μm)で底面全体を覆った直径40mm、重さ500gの円柱形の分銅を載せ、この分銅を50rpmの回転数で200秒間回転させることにより被覆層表面を摩擦させた。その後、サンプルの試験前後の質量減少量を算出し、接触面積で除することで面積当たりの粉落ち量とした。また、結着性は以下の基準で評価した。
○:粉落ち量が3g/m以下
×:粉落ち量が3g/mより多い
(9)塗工性
塗工性は、以下の評価基準によって評価した。
○:塗工が可能。目視観察において、粒子の凝集がなく良好な塗膜を形成。
×:粒子の凝集が多く、塗工困難。
(10)150℃における収縮率
積層多孔フィルムを150×10mm四方に切り出したサンプルをチャック間100mmとなるように印を入れ、150℃に設定したオーブン(タバイエスペック社製、タバイギヤオーブンGPH200)に該サンプルを入れ、1時間静置した。該サンプルをオーブンから取り出し冷却した後、長さを測定し、以下の式にて収縮率をそれぞれ算出した。
収縮率(%)={(100−加熱後の長さ)/100}×100
以上の測定は、積層多孔フィルムの縦方向、横方向について行った。
(11)耐熱性
耐熱性は、以下の評価基準において評価した。
○:150℃における収縮率が、縦方向、横方向いずれも10%未満
×:150℃における収縮率が、縦方向もしくは横方向で10%以上
(12)塗工液のpH(pH
塗工液のpHは、塗工液をpH試験紙に一滴垂らし、目視の色判定にて0.5刻みで判定した。
(13)被覆層のpH(pH
被覆層のpHは、pH試験紙にイオン交換水を一滴垂らし、被覆層に擦りつけた後、目視の色判定にて0.5刻みで判定した。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、ノバテックPP FY6HA、密度:0.90g/cm、MFR:2.4g/10分)と、β晶核剤として、3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを準備した。このポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、β晶核剤を0.2質量部の割合で各原材料をブレンドし、東芝機械株式会社製の同方向二軸押出機(口径:40mmφ、L/D:32)に投入し、設定温度300℃で溶融混合後、水槽にてストランドを冷却固化し、ペレタイザーにてストランドをカットし、ポリプロピレン系樹脂のペレットを作製した。
前記の原料を用いて、Tダイ押出機の口金より押出し、124℃のキャスティングロールで冷却固化させて膜状物を作製した。
前記膜状物を、縦延伸機を用いて100℃で縦方向に4.6倍延伸し、その後、横延伸機にて150℃で横方向に2.1倍延伸後、153℃で熱固定を行った。
続いてVETAPHONE社製ジェネレータ CP1を使用し、出力0.4kW・速度10m/minでコロナ表面処理を施すことでポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得た。
[実施例1]
アルミナ(日本軽金属(株)製「LS−410」、一次平均粒径:500nm、ゼータ電位:正)10質量部と、イオン交換水8質量部、イソプロピルアルコール0.8質量部を混合し、回転数500rpmのディゾルバー(メディア不使用)で攪拌した。この前処理液を10L/minの給液量で供給し、メディアとして直径0.5mmのアルミナビーズ(ゼータ電位:正)を体積分率85%充填したビーズミル装置にて周速10m/secで処理することにより、分散液であるアルミナスラリー(A)を得た。(A)液を3ヶ月常温にて静置した後、(A)液74質量部に対し、水21質量部、12%ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA−124)水溶液5質量部を混合し、揮発性酸として塩酸を塗工液100質量%に対して35質量ppmとなるように添加した。この時、塗工液のpH(pH)は7.5であった。
得られた塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に目付量#10のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で2分間乾燥させた。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[実施例2]
実施例1と同様にアルミナとイオン交換水、イソプロピルアルコールとを配合し、メディアとして40質量部相当のアルミナビーズ(大明化学(株)製アルミナビーズ「TB−03」、直径:0.3mm、ゼータ電位:正)を加え、30分間振盪を行ない、続いて、目開き#200のメッシュフィルターにてアルミナビーズを除去し、分散液であるアルミナスラリー(B)を得た。(B)液を3ヶ月常温にて静置した後、(B)液74質量部に対し、水21質量部、12%ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA−124)水溶液5質量部を混合し、揮発性酸として塩酸を塗工液100質量%に対して35質量ppmとなるように添加して塗工液を得た。この時、塗工液のpH(pH)は7.5であった。
得られた塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に目付量#10のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で2分間乾燥させた。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例1]
揮発性酸として塩酸を塗工液100質量%に対して3500質量ppmとなるように添加した以外は、実施例1と同様に塗工液を得、同様に塗布を実施し、積層多孔フィルムを得た。なお、塗工液のpH(pH)は5であった。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例2]
アルミナ(日本軽金属(株)製「LS−410」、一次平均粒径:500nm、ゼータ電位:正)10質量部と、イオン交換水8質量部、12%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA−124」)水溶液0.15質量部、イソプロピルアルコール0.8質量部を混合し、回転数500rpmのディゾルバー(メディア不使用)で攪拌した。この前処理液を10L/minの給液量で供給し、メディアとして直径0.5mmのアルミナビーズ(ゼータ電位:正)を体積分率85%充填したビーズミル装置にて周速10m/secで処理することにより分散液であるアルミナスラリー(C)を得た。
(C)液を3ヶ月常温にて静置した後、(C)液79質量部に対し、水21質量部を混合し、揮発性酸として塩酸を塗工液100質量%に対して35質量ppmとなるように添加して塗工液を得た。この時、塗工液のpH(pH)は7.5であった。
得られた塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に目付量#10のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で2分間乾燥させた。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例3]
実施例2と同様にアルミナとイオン交換水、イソプロピルアルコールとを配合し、メディアとして25質量部相当のガラスビーズ(アズワン(株)製「BZ−08」、直径:0.8mm、ゼータ電位:負)を加え、30分間振盪を行ない、続いて、目開き#200のメッシュフィルターにてガラスビーズを除去し、分散液であるアルミナスラリー(D)を得た。(D)液を3ヶ月常温にて静置した後、(D)液74質量部に対し、水21質量部、12%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA−124」)水溶液5質量部を混合し、揮発性酸として塩酸を塗工液100質量%に対して35質量ppmとなるように添加して塗工液を得た。この時、塗工液のpH(pH)は7.5であった。
得られた塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に目付量#10のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で2分間乾燥させた。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例4]
アルミナ(日本軽金属(株)製「LS−410」、一次平均粒径:500nm、ゼータ電位:正)39.4質量部と、イオン交換水50.6質量部、12%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA−124」)水溶液5質量部、イソプロピルアルコール5質量部を混合し、回転数500rpmのディゾルバー(メディア不使用)で攪拌することで、塗工液を得た。
得られた塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に目付量#10のバーコーターを用いて塗布した後、60℃で2分間乾燥させた。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
Figure 2014208780
表1より、実施例1および2で得た積層多孔フィルムは、粉落ち量が少なく、結着性のよいものであり、塗工液の長期保存性にも優れるものであった。
一方、比較例1で得た積層多孔フィルムは、粉落ち量が少なく、結着性がよいものであったが、凝集径が小さいため、緻密な沈殿層を形成したため、塗料は再生不能となり長期保存性に劣るものであった。
比較例2で得た積層多孔フィルムは、粉落ち量が少なく、結着性がよいものであったが、凝集径が大きい為、長期保存後の塗料は沈降しやすく、塗工が困難であった。これは、材料混合の順序が不適切であった為と考えられる。すなわち、ビーズミル装置内で分散処理される際にアルミナ表面の活性な水酸基が、樹脂バインダーであるポリビニルアルコールと相互作用を起こした為と考えられる。
比較例3で得た積層多孔フィルムは、粉落ち量が少なく、結着性がよいものであったが、凝集径が大きい為、長期保存後の塗料は沈降しやすく、塗工が困難であった。これは、メディアの材質が不適切であった為と考えられる。すなわち、使用したガラスビーズの負のゼータ電位の影響により、正のゼータ電位を有するアルミナが凝集したものと考えられる。
比較例4で得た積層多孔フィルムは、粉落ち量が多いものであった。これは、分散処理がディゾルバーでの攪拌のみであるため、分散処理が不十分であるため、凝集径が大きいことが原因と考えられる。
本発明の積層多孔フィルムは、透気特性と耐熱性が要求される種々の用途に応用することができる。具体的には、リチウムイオン二次電池用セパレータ;使い捨て紙オムツ、生理用品等の体液吸収用パットもしくはベッドシーツ等の衛生材料;手術衣もしくは温湿布用基材等の医療用材料;ジャンパー、スポーツウエアもしくは雨着等の衣料用材料;壁紙、屋根防水材、断熱材、吸音材等の建築用材料;乾燥剤;防湿剤;脱酸素剤;使い捨てカイロ;鮮度保持包装もしくは食品包装等の包装材料等の資材として極めて好適に利用できる。
10 非水電解液二次電池用セパレータ
20 二次電池
21 正極板
22 負極板
24 正極リード体
25 負極リード体
26 ガスケット
27 正極蓋

Claims (11)

  1. フィラー(a)と溶媒(b)と樹脂バインダー(c)を含み、動的光散乱法により求められるフィラー(a)の凝集径が200nm以上、1000nm以下であり、pHが5より大きい塗工液の製造方法であって、
    フィラー(a)と溶媒(b)の混合物を作製する工程と、
    フィラー(a)とゼータ電位の正負が同一のメディアを使用したメディア分散法により該混合物を攪拌して、フィラー(a)を溶媒(b)中に分散し、分散液を作製する工程と、
    該分散液に樹脂バインダー(c)を添加する工程を有することを特徴とする塗工液の製造方法。
  2. 前記フィラー(a)が金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フィラー(a)の平均一次粒径が200nm以上、1000nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記溶媒(b)が水を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記樹脂バインダー(c)が水溶性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記塗工液のpHを6以上8以下に制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により製造した塗工液を用いて、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に被覆層を形成してなることを特徴とする積層多孔フィルム。
  8. 前記被覆層における粉落ち量が3g/m以下であることを特徴とする請求項7に記載の積層多孔フィルム。
  9. 前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムがポリプロピレンを含んでなることを特徴とする請求項7又は8に記載の積層多孔フィルム。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の積層多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ。
  11. 請求項10に記載の非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池。
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