JP6413676B2 - 積層多孔フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、包装用、衛生用、畜産用、農業用、建築用、医療用、分離膜、光拡散板、電池用セパレータとして利用でき、特に、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に利用できる積層多孔フィルムに関する。
多数の微細連通孔を有する高分子多孔体は、超純水の製造、薬液の精製、水処理などに使用する分離膜、衣類・衛生材料などに使用する防水透湿性フィルム、あるいは二次電池などに使用する電池用セパレータなど各種の分野で利用されている。
二次電池はOA、FA、家庭用電器または通信機器等のポータブル機器用電源として幅広く使用されている。特に機器に装備した場合に容積効率がよく機器の小型化および軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。
一方、大型の二次電池はロードレベリング、UPS、電気自動車をはじめ、エネルギー/環境問題に関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容量、高出力、高電圧および長期保存性に優れている点より非水電解液二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池の使用電圧は通常4.1Vから4.2Vを上限として設計されている。このような高電圧では水溶液は電気分解を起こすので電解液として使うことができない。そのため、高電圧でも耐えられる電解液として有機溶媒を使用したいわゆる非水電解液が用いられている。非水電解液用溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステル化合物が主に使用されている。溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶解させて使用している。
リチウムイオン二次電池には内部短絡の防止の点から、正極と負極の間にセパレータが介在されている。該セパレータにその役割から当然絶縁性が要求される。また、リチウムイオンの通路となる透気性と電解液の拡散、保持機能を付与するために微細孔構造である必要がある。これらの要求を満たすため、セパレータとしては多孔性フィルムが使用されている。
最近の電池の高容量化に伴い、電池の安全性に対する重要度が増してきている。電池用セパレータの安全に寄与する特性として、シャットダウン特性(以下、「SD特性」とも称する)がある。このSD特性は、100〜150℃程度の高温状態になると微細孔が閉塞され、その結果、電池内部のイオン伝導が遮断されるため、その後の電池内部の温度上昇を防止できるという機能である。この時、多孔性フィルムの微細孔が閉塞される温度のうち最も低い温度をシャットダウン温度(以下、「SD温度」とも称する)という。電池用セパレータとして使用する場合は、このSD特性を具備していることが必要となる。
しかしながら、近年リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化、高容量化に伴い、通常のシャットダウン機能が十分に機能せず、電池内部の温度が従来のセパレータの材料として用いられるポリエチレンの融点である130℃前後を超え、さらに上昇し、セパレータの熱収縮に伴う破膜によって、両極が短絡するおそれがある。そこで、安全性を確保するため、セパレータには現在のSD特性よりもさらに高い耐熱性が求められている。
前記要求に対し、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、金属酸化物と樹脂バインダーとを含む多孔層を備えた多層多孔フィルム(特許文献1〜5)が提案されている。これらの発明は、多孔フィルム上にαアルミナ等の無機微粒子を高充填させたコート層を設けているため、異常発熱を起こし、SD温度を越えて温度が上昇し続けた際においても、両極の短絡を防ぐことができ、非常に安全性に優れる方法とされている。
特開2004−227972号公報 特開2008−186721号公報 国際公開第2008/149986号 特開2008−305783号公報 国際公開第2012/023199号
しかしながら、多孔フィルム上にαアルミナ等の無機微粒子を高充填させた被覆層を設けた積層多孔フィルムをセパレータとして用いる際に、無機微粒子中に粗大無機粒子が存在すると、被覆層表面が粗くなり、その結果、セパレータとしての厚みにバラツキが生じ、突刺強度が低下したり、被覆層表面から粉落ちが発生し、イオン伝導性が低下するという問題があった。
本発明の課題は、前記問題点を解決することにある。すなわち、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機粒子及び樹脂バインダーを含有する被覆層を有する積層多孔フィルムを電池用セパレータとして使用した場合に、イオン伝導性に優れ、突刺強度の低下や、被覆層表面から粉落ちの発生が抑制された積層多孔フィルムを得ることを目的とするものである。
本発明者らは、前記の課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機粒子及び樹脂バインダーを含有する被覆層を有する積層多孔フィルムの該被覆層表面の粗さを、特定の条件とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[]に関する。
[1]ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機粒子及び樹脂バインダーを含有する被覆層を有し、該被覆層表面の面平均粗さ(Sa)が1μm以下であり、かつ以下の条件(1)を満たす積層多孔フィルムの製造方法であって、
該被覆層を形成するための塗工液が、ビーズミルを使用して無機粒子を含むスラリー液を得た後、該スラリー液に樹脂バインダーを添加し、さらに、25℃希薄水溶液下における第一酸解離定数(pK a1 )が5以下、かつ第二酸解離定数(pK a2 )が存在しないか又は7以上である酸成分を、塗工液中の含有量が10質量ppm以上10000質量ppm以下となるように該スラリー液に添加する工程を経て得られる、積層多孔フィルムの製造方法
(1)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積をV2とした際に、V1とV2との関係が、1>(V2)/(V1)≧0.5である。
[2]以下の条件(2)を満たす、上記[1]に記載の積層多孔フィルムの製造方法
(2)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1.5μmの範囲内の体積をV3とした際に、V1とV3との関係が、1>(V3)/(V1)≧0.7である。
[3]前記被覆層中の無機粒子含有率が80〜99質量%である、上記[1]又は[2]に記載の積層多孔フィルムの製造方法
[4]前記無機粒子がアルミナである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法
[5]前記樹脂バインダーが水溶性樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法
本発明の積層多孔フィルムは、被覆層表面の表面粗さが小さいため、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、電極と均一に接触するため、イオン伝導性に優れ、また、突刺強度の低下や、被覆層表面から粉落ちの発生が抑制された積層多孔フィルムを得ることができるので、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた際に、優れた特性を有する。
本発明で規定する被覆層表面の面平均粗さ(Sa)の測定領域において、定められる表面形状曲面についての平均面に垂直な任意の断面で切断した際に、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積V1が占める領域の断面を表した概略図である。 本発明で規定する被覆層表面の面平均粗さ(Sa)の測定領域において、定められる表面形状曲面についての平均面に垂直な任意の断面で切断した際に、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積V2が占める領域の断面を表した概略図である。 本発明の積層多孔フィルムを収容している電池の概略的断面図である。
以下、本発明の積層多孔フィルムの実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいと言える。
[積層多孔フィルム]
以下に、本発明の積層多孔フィルムを構成する各成分について説明する。
<ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム>
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに用いるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンを重合した単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらの単独重合体または共重合体を2種以上混合することもできる。この中でもポリプロピレン系樹脂、または、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、特に、本発明の積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、本発明の積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ホモポリプロピレンがより好適に使用される。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が、好ましくは80〜99%、より好ましくは83〜98%、更に好ましくは85〜97%であるものを使用することができる。アイソタクチックペンタッド分率が前記下限値以上であるとフィルムの機械的強度が向上する。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルで更に規則性の高い樹脂が開発された場合についてはこの限りではない。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)は13C−NMRの測定結果に基づき算出され、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules8,687,(1975))に準拠する。
前記ポリプロピレン系樹脂の分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnは、2.0〜10.0であることが好ましく、2.0〜8.0がより好ましく、2.0〜6.0がさらに好ましい。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnがこの範囲内であると押出成形性が向上すると共に、積層多孔フィルムの機械的強度も向上する。ポリプロピレン系樹脂のMw/MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定される。
前記ポリプロピレン系樹脂の密度は、0.890〜0.970g/cmが好ましく、
0.895〜0.970g/cmがより好ましく、0.900〜0.970g/cmが更に好ましい。密度が0.890g/cm以上であれば適度なSD特性を有することができる。一方、0.970g/cm以下であれば適度なSD特性を有することができる他、延伸性を維持することができる。
ポリプロピレン系樹脂の密度は、密度勾配管法を用いてJIS K7112(1999年)に準じて測定される。
前記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、0.5〜15g/10分が好ましく、1.0〜10g/10分がより好ましく、1.5〜8.0g/10分が更に好ましく、2.0〜6.0g/10分が特に好ましい。MFRを0.5g/10分以上とすることで、成形加工時の樹脂の溶融粘度が高く、十分な生産性を確保することができる。一方、15g/10分以下とすることで、得られる積層多孔フィルムの機械的強度を十分に保持することができる。
ポリプロピレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、前記ポリプロピレン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、懸濁重合法、溶融重合法、塊状重合法、気相重合法、またラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」(以上、日本ポリプロ株式会社製)、「ノティオ」、「タフマーXR」(以上、三井化学株式会社製)、「ゼラス」、「サーモラン」(以上、三菱化学株式会社製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」(以上、住友化学株式会社製)、「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(以上、株式会社プライムポリマー製)、「Adflex」、「Adsyl」、「HMS−PP(PF814)」(以上、サンアロマー株式会社製)、「バーシファイ」、「インスパイア」(以上、ダウケミカル株式会社製)など市販されている商品を使用できる。
(ポリエチレン系樹脂)
本発明に用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレンを主成分とする共重合体等が挙げられる。
エチレンを主成分とする共重合体としては、すなわち、エチレンと、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどの炭素数3〜10のα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;共役ジエンや非共役ジエンなどの不飽和化合物の中から選ばれる1種以上のコモノマーとの共重合体又は多元共重合体あるいはその混合組成物が挙げられる。エチレン系重合体のエチレン単位の含有量は通常50質量%を超えるものである。
これらのポリエチレン系樹脂の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの中から選ばれる1種以上のポリエチレン系樹脂が好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.910〜0.970g/cmが好ましく、0.930〜0.970g/cmがより好ましく、0.940〜0.970g/cmが更に好ましい。密度が0.910g/cm以上であれば適度なSD特性を有することができる。一方、0.970g/cm以下であれば適度なSD特性を有することができるほか、延伸性が維持される。
ポリエチレン系樹脂の密度は、密度勾配管法を用いてJIS K7112(1999年)に準じて測定される。
前記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、0.03〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRが0.03g/10分以上であれば成形加工時の樹脂の溶融粘度が十分に低いため生産性に優れる。一方、30g/10分以下であれば、十分な機械的強度を得ることができる。
ポリエチレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の重合方法としては、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法で重合したポリエチレン系樹脂も使用可能である。
(他の成分)
本発明においては、前述した樹脂の他、本発明の効果を阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性及びポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの諸物性を改良、調整する目的で添加される、耳等のトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂;シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子;カーボンブラック等の顔料;難燃剤;耐候性安定剤;耐熱安定剤;帯電防止剤;溶融粘度改良剤;架橋剤;滑剤;核剤;可塑剤;老化防止剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;中和剤;防曇剤;アンチブロッキング剤;スリップ剤;着色剤等の添加剤が挙げられる。
また開孔を促進するためや、成形加工性を付与するために、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種樹脂や、ワックス等の低分子量化合物を添加してもよい。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの層構成)
本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムは、単層でも積層でもよく、特に制限されるものではない。例えば、前記ポリオレフィン系樹脂を含む層(以下「P層」とも称する)の単層、当該P層の機能を妨げない範囲で、当該P層と他の層(以下「Q層」とも称する)との積層とすることができる。例えば非水電解液二次電池用セパレータとして用いる際には、特開平04−181651号に記載されているような高温雰囲気下で孔閉塞し、電池の安全性を確保する低融点樹脂層を積層させることができる。
具体的にはP層、Q層を積層した2層構造、P層、Q層、P層、もしくは、Q層、P層、Q層として積層した3層構造等が例示できる。また、他の機能を有する層と組み合わせて3種3層の様な形態も可能である。この場合、他の機能を有する層との積層順序は特に問わない。更に層数としては4層、5層、6層、7層と必要に応じて増やしてもよい。
なお、本発明に用いるポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの物性は、層構成や積層比、
各層の組成、製造方法によって自由に調整できる。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法)
次に本発明に用いるポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法について説明するが、本発明はかかる製造方法により製造されるポリオレフィン系樹脂多孔フィルムのみに限定されるものではない。
具体的には、前記ポリオレフィン系樹脂を用いて、溶融押出によりポリオレフィン系樹脂無孔膜状物(以下、「無孔膜状物」とも称する)を作製し、当該無孔膜状物を延伸することにより厚さ方向に連通性を有する微細孔を多数形成した多孔フィルムを得ることができる。
無孔膜状物の製造方法は特に限定されず公知の方法を用いてよいが、例えば押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物を溶融し、Tダイから押出し、キャストロールで冷却固化するという方法が挙げられる。またチューブラー法により製造した無孔膜状物を切り開いて平面状とする方法も適用できる。
無孔膜状物の多孔化方法としては、特に限定されることなく、湿式による一軸以上の延伸多孔化、乾式による一軸以上の延伸多孔化等、公知の方法を用いてもよい。延伸方法については、ロール延伸法、圧延法、テンター延伸法、同時二軸延伸法等の手法があり、これらを単独あるいは2つ以上組み合わせて一軸以上の延伸を行う。中でも、多孔構造制御の観点から逐次二軸延伸が好ましい。
また必要に応じて、延伸の前後にポリオレフィン系樹脂組成物に含まれている可塑剤を溶剤によって抽出、乾燥させる方法も適用される。
なお、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムにポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、前記無孔膜状物にいわゆるβ晶を生成させることが好ましい。無孔膜状物中にβ晶を生成していれば、フィラー等の添加剤を使用しない場合においても、延伸を施すことで微細孔が容易に形成されるため、優れた透気特性を有するポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂の無孔膜状物中にβ晶を生成させる方法としては、前記ポリプロピレン系樹脂のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、特許第3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレンを添加する方法、及び組成物にβ晶核剤を添加する方法等が挙げられる。
(β晶核剤)
β晶核剤としては以下に示すものが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の生成、成長を増加させるものであれば特に限定される訳ではなく、また2種類以上を混合して用いても良い。
β晶核剤としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。そのほか核剤の具体的な種類については、特開2003−306585号公報、特開平08−144122号公報、特開平09−194650号公報に記載されている。
β晶核剤の市販品としては、新日本理化株式会社製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたポリプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、Mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
前記ポリプロピレン系樹脂に添加するβ晶核剤の割合は、β晶核剤の種類またはポリオレフィン系樹脂の組成などにより適宜調整することが必要であるが、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、0.0001〜5質量部であることが好ましく、0.001〜3質量部がより好ましく、0.01〜1質量部が更に好ましく、0.1〜0.8質量部が特に好ましい。
β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にポリオレフィン系樹脂のβ晶を生成・成長させることができ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いる際にも十分なβ晶活性が確保でき、所望の透気性能が得られる。また、β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して5質量部以下であれば、製造コストと得られる効果のバランスに優れるほか、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム表面へのβ晶核剤のブリードなどがなく好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを、前述のとおりP層、Q層を積層した2層構造、P層、Q層、P層等として積層した3層構造、又は4層以上の構造とする場合、その製造方法は、多孔化と積層の順序等によって以下の3つに大別される。
(i)各層を多孔化したのち、多孔化された各層をラミネートしたり接着剤等で接着したりして積層する方法。
(ii)各層を積層して積層無孔膜状物を作製し、ついで当該無孔膜状物を多孔化する方法。
(iii)各層のうちいずれか1層を多孔化したのち、もう1層の無孔膜状物と積層し、多孔化する方法。
本発明においては、その工程の簡略さ、生産性の観点から(ii)の方法を用いることが好ましく、なかでも2層の層間接着性を確保するために、共押出で積層無孔膜状物を作製した後、多孔化する方法が特に好ましい。
以下に、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの好適な製造方法を説明する。
まずポリオレフィン系樹脂と、必要に応じて使用されるその他の熱可塑性樹脂、添加剤を含む樹脂組成物を製造する。例えば、ポリプロピレン系樹脂、β晶核剤、および所望によりその他添加物等の原材料を、好ましくはヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて、または袋の中に全成分を入れてハンドブレンドにて混合した後、一軸押出機あるいは二軸押出機、ニーダー等、好ましくは二軸押出機で溶融混練後、溶融状態で押出されたストランドを水冷、空冷等により冷却し、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得る。このようにしてペレット状の樹脂組成物を製造することができる。
次いで、前記のペレットをフィルム成形用の押出機に投入し、Tダイ押出用口金から押出成形して無孔膜状のフィルムを成形する。Tダイの種類としては特に限定されない。例えば本発明のポリオレフィン系樹脂多孔フィルムが2種3層の積層構造をとる場合、Tダイは2種3層用マルチマニホールドタイプでもよく、2種3層用フィードブロックタイプでもよい。
使用するTダイのギャップは、最終的に必要なフィルムの厚み、延伸条件、ドラフト率、各種条件等から決定されるが、一般的には0.1〜3.0mm程度であり、0.5〜1.0mmが好ましい。Tダイのギャップを0.1mm以上とすることで生産速度を向上させることができる。また、3.0mm以下とすることでドラフト率が大きくなり過ぎないため生産安定性を向上させることができる。
前記押出成形において、押出加工温度は樹脂組成物の流動特性や成形性等によって適宜調整されるが、概ね180〜350℃が好ましく、200〜330℃がより好ましく、220〜300℃が更に好ましい。180℃以上の場合、溶融樹脂の粘度が十分に低く成形性に優れ生産性が向上することから好ましい。一方、350℃以下にすることにより、樹脂組成物の劣化、ひいては得られる積層多孔フィルムの機械的強度の低下を抑制できる。
キャストロールによる冷却固化温度によっても、無孔膜状のフィルム中のポリプロピレン系樹脂のβ晶の比率を調整することができる。冷却固化温度は、80〜150℃が好ましく、90〜140℃がより好ましく、100〜130℃が更に好ましい。冷却固化温度を80℃以上とすることで、無孔膜状のフィルム中のβ晶の比率を十分に増加させることができる。また、150℃以下とすることで押出された溶融樹脂がキャストロールへ粘着し巻き付いてしまうなどのトラブルが起こりにくく、効率よく無孔膜状のフィルムとすることが可能となる。
次いで、得られた無孔膜状のフィルムを延伸することにより、多孔化することができる。延伸工程としては、少なくとも二軸延伸することがより好ましい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよいが、各延伸工程で延伸条件(延伸倍率、延伸温度)を簡便に選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましい。なお、本発明では、無孔膜状のフィルムの長手方向を「縦方向」、長手方向に対して垂直方向を「横方向」と称する。また、長手方向への延伸を「縦延伸」、長手方向に対して垂直方向への延伸を「横延伸」と称する。
逐次二軸延伸を行う場合、延伸温度は、用いる樹脂組成物の組成、結晶融解ピーク温度、結晶化度等によって適宜変更すればよいが、縦延伸での延伸温度は0〜130℃が好ましく、10〜120℃がより好ましく、20〜110℃が更に好ましい。また、縦延伸倍率は、2〜10倍が好ましく、3〜8倍がより好ましく、4〜7倍が更に好ましい。
前記範囲内で縦延伸を行うことで、延伸時の破断を抑制しつつ、適度な空孔起点を発現させ、無孔膜状のフィルムを多孔化することができる。
一方、横延伸での延伸温度は100〜170℃が好ましく、110〜160℃がより好ましく、120〜155℃が更に好ましい。また、横延伸倍率は1.2〜10倍が好ましく、1.5〜8倍がより好ましく、2〜7倍が更に好ましい。
前記範囲内で横延伸することで、縦延伸により形成された空孔起点を適度に拡大させ、微細な多孔構造を発現させることができる。
前記延伸工程の延伸速度としては、500〜12000%/分が好ましく、1500〜10000%/分がより好ましく、2500〜8000%/分が更に好ましい。
このようにして得られたポリオレフィン系樹脂多孔フィルムは、寸法安定性の改良を目的として熱処理を施すことが好ましい。この際、熱処理温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。熱処理温度が100℃いじょうであれば、寸法安定性を向上させることができる。一方、熱処理温度は好ましくは170℃以下、より好ましくは165℃以下、更に好ましくは160℃以下である。熱処理温度が170℃以下であれば、熱処理によってポリオレフィン系樹脂の融解が起こりにくく、多孔構造を良好に維持することができる。
なお、本発明においては、寸法安定性の改良を目的とする熱処理を「熱固定」と称する場合がある。
また、熱処理工程中には、必要に応じて1〜20%の弛緩処理を施しても良い。熱処理後、均一に冷却して巻き取ることにより、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムが得られる。
また、層間接着性を向上させる目的で、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、化学的酸化処理等の表面処理を施すことが好ましい。表面処理を行なう工程は、前記のポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造工程において、押出成形工程の後であってもよいし、縦延伸工程の後であってもよいし、横延伸工程の後であってもよい。中でも、生産ラインの短縮や生産性の向上の観点から、横延伸工程の後であることが好ましい。
<被覆層>
本発明の積層多孔フィルムは、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機粒子と樹脂バインダーを含有する被覆層を有する。
(無機粒子)
本発明に用いることができる無機粒子の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩;フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどの金属フッ化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;アルミナ、カルシア、マグネシア、チタニア、酸化亜鉛、シリカなどの金属酸化物;タルク、クレー、マイカなどの粘土鉱物、更にはチタン酸バリウム等が挙げられる。これらの中でも、電池に組み込んだ際に化学的に不活性であるという観点で、硫酸バリウム、アルミナを含むことが好ましい。
前記無機粒子の平均粒径の下限としては、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。一方、上限として好ましくは3.0μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。前記平均粒径を0.01μm以上とすることで、本発明の積層多孔フィルムが十分な耐熱性を発現することができる。また、前記平均粒径を3.0μm以下とすることで、前記被覆層や被覆層を形成する際に使用する塗工液中における無機粒子の分散性が向上する。
なお、本実施の形態において「無機粒子の平均粒径」とは、例えば画像解析装置を用いて、任意の方向(方向Zとする)から当該無機粒子を投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値と、前記方向Zと直交する任意の方向(方向Xとする)から当該無機粒子を投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値とを、平均した値として算出される。算出に用いる無機粒子の個数は50個以上であればよい。
前記無機粒子の比表面積は、5m/g以上、15m/g未満であることが好ましい。比表面積が5m/g以上であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池にセパレータとして組み込む際に電解液の浸透が速くなり、生産性が良好となる。また、比表面積が15m/g未満であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池にセパレータとして組み込む際に電解液成分の吸着を抑えられる。
なお、本実施の形態において「無機粒子の比表面積」は定容量式ガス吸着法により測定される値である。
前記被覆層において、前記無機粒子と前記樹脂バインダーとの合計量に対する無機粒子の含有率は、80〜99質量%であることが好ましい。無機粒子の含有率は92質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましい。無機粒子の含有率がこの範囲内であることにより、前記被覆層が優れた透気性を維持することができ、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムと被覆層との密着性を維持しつつ、積層多孔フィルムとした場合の耐熱性を向上させることができる。
(樹脂バインダー)
本発明に用いる樹脂バインダーの種類としては、前記無機粒子と、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムとを良好に接着でき、電気化学的に安定で、かつ積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合に有機電解液に対して不溶であれば、特に制限されるものではない。
このような樹脂バインダーの具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエステル等の融点及び/又はガラス転移温度が180℃以上の樹脂等が挙げられる。
前記各種樹脂バインダーの中でも、水溶性樹脂からなるものを樹脂バインダーとして用いることが好ましい。ここで、水溶性樹脂とは、20℃の水100gに対する溶解度が0.1g以上である樹脂をいう。水溶性樹脂からなる樹脂バインダーとしては、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ポリメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ポリアクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸誘導体;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルコール誘導体;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミドなどのポリビニルアミド誘導体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどのポリエーテル誘導体;及びこれらの共重合体が挙げられる。これらの中でも特に有機電解液に対する安定性が高いことからカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールがより好ましい。
(樹脂バインダーの重量平均分子量)
本発明において樹脂バインダーとして用いられる水溶性樹脂の重量平均分子量は、11万以上、50万以下であることが好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量は、13万以上、40万以下であることがより好ましく、15万以上、30万以下であることが更に好ましい。重量平均分子量が11万以上であることで良好な密着性を有する積層多孔フィルムが得られ、重量平均分子量が50万以下であることで、被覆層を形成する際の粘度を低下させ、製膜安定性に優れるという効果がある。
水溶性樹脂の重量平均分子量は、例えばGPC法による測定や、事前に測定した平均重合度からの算出により求めることができる。
<被覆層の形成方法>
本発明の積層多孔フィルムにおける被覆層の形成方法としては、共押出法、ラミネート法、塗布乾燥法等が挙げられるが、連続生産性の面で、塗工液を用いた塗布乾燥法により形成することが好ましい。
<塗工液>
本発明の積層多孔フィルムの被覆層を形成させるために、前記無機粒子、前記樹脂バインダー及び分散媒を含有する塗工液が好ましく使用される。
(分散媒)
塗工液に用いられる分散媒は無機粒子を適度に均一かつ安定に分散させ、また、樹脂バインダーが適度に均一かつ安定に溶解または分散可能な分散媒を用いることが好ましい。
このような分散媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、ジオキサン、アセトニトリル、炭素数1〜4のアルコール、グリコール類、グリセリン、乳酸エステル等が挙げられる。炭素数1〜4のアルコールとしては、炭素数1〜4の1価のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールから選ばれる1種以上がより好ましい。なお、本発明において分散媒として水を用いる場合、分散媒中の水の含有量は、塗工液の粘度安定性を向上させる観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上がより更に好ましい。
これらの分散媒の中でもコスト面、環境負荷の点で水、又は水と炭素数1〜4のアルコールとの混合分散媒が好ましく、水と炭素数1〜4の1価のアルコールとの混合分散媒がより好ましく、水とイソプロピルアルコールとの混合分散媒が更に好ましい。
(酸成分)
本発明における被覆層の形成に用いられる塗工液には、酸成分を含有していることが望ましい。当該酸成分は、本発明の積層多孔フィルムにおいては、酸そのものとして被覆層に残存していても良いし、被覆層中のアルカリ性不純物と反応して形成された塩として残存していても良い。
前記酸成分は、25℃希薄水溶液下における第一酸解離定数(pKa1)が5以下であり、かつ第二酸解離定数(pKa2)が存在しないか又は7以上であることが好ましい。このような特性を有する酸成分の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸等の低級1級カルボン酸;硝酸、亜硝酸等のニトロ酸;過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲンオキソ酸;塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化イオン;燐酸、サリチル酸、グリコール酸、乳酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸等、が挙げられる。これらの中でも、少量添加でpHを下げられる点、入手の容易性、酸の安定性が高いという観点で、蟻酸、酢酸、硝酸、塩酸、燐酸が好ましい。
本発明における被覆層の形成に用いられる塗工液には、前記酸成分を10質量ppm以上、10000質量ppm以下含有していることが好ましい。前記酸成分の含有量は100質量ppm以上、9000質量ppm以下であることがより好ましく、150質量ppm以上、8000質量ppm以下であることが更に好ましい。
含有量が10質量ppm以上であれば、無機粒子の凝集を抑え、被覆層の形成に用いられる塗工液のポットライフを向上することができ、均一性に優れた塗膜が得られる。また、含有量が10000質量ppm以下であれば、非水電解液二次電池の性能に悪影響を与えない。
塗工液を用いた被覆層の形成方法では、前述した塗工液が用いられる。塗工液を製造するに当っては、無機粒子を分散媒に均一に分散させる必要があり、無機粒子を分散媒に分散させる方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌法等を用いることにより、無機粒子を分散媒に均一に分散させることができる。なお、前記無機粒子を分散させる際に前記樹脂バインダーを同時に溶解又は分散させてもよい。
前記無機粒子及び前記樹脂バインダーを分散媒に分散させて塗工液を製造する際、その塗工液の懸濁安定性を向上させ、塗工液の粘性を最適化するために、分散助剤、安定剤、増粘剤等をその前後で添加してもよい。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、塗工液を塗布する工程としては、押出成形の後、延伸前であってもよいし、縦延伸工程の後であってもよいし、横延伸工程の後であってもよいが、より均一な被覆層を形成する観点から横延伸工程の後に塗布することが特に好ましい。
(塗工液を用いた被覆層の形成方法)
被覆層は、無機粒子、樹脂バインダー、分散媒、及び必要に応じて用いられる酸成分を含有する塗工液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム上に塗布し、次いで、分散媒を除去することにより形成されてなるものである。
前記塗布工程における塗布方式としては、必要とする層厚や塗布面積を実現できる方式であれば特に限定されない。このような塗布方法としては、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、等が挙げられる。また、また、前記塗工液は、その用途に照らし、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面だけに塗布されてもよいし、両面に塗布されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、塗工液を塗布した後は、塗布された塗工液中の分散媒を除去することにより、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に被覆層を形成することができる。塗工液中の分散媒を除去する方法としては、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに悪影響を及ぼさない方法であれば、特に限定することなく採用することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを固定しながらその融点以下の温度にて乾燥する方法、低温で減圧乾燥する方法、前記樹脂バインダーに対する貧溶媒に浸漬して樹脂バインダーを凝固させると同時に分散媒を抽出する方法などが挙げられる。
<積層多孔フィルムの形状及び物性>
(積層多孔フィルム被覆層の表面粗さについて)
本発明の積層多孔フィルムにおいては、被覆層の表面粗さのうち、面平均粗さ(Sa)が1μm以下であることを要す。
ここでSaとは、JIS B0601(2013年)に規定される算術平均高さ(Ra)を二次元から三次元に拡張したものであり、表面形状曲面[電子ビームをx−y面で走査し、信号強度差から各点の高さ(z)を求める事ができる。その各点の高さデータZをx−y平面にマッピングした時の面をいう。]と平均面(全ての点zから平面へ垂線を下ろし、その距離の二乗和が最小になるように求めた平面をいう)で囲まれた空間の体積を測定領域の面積で割ったものをいう。
数学的には、平均面をx−y面,縦方向をz軸とし、測定された表面形状曲面を表す関数式をz=f(x,y)とする時、次式で定義される。
上記式において、Lxは、測定領域におけるx方向の長さを示し、Lyは、測定領域におけるy方向の長さを示す。
Saが1μmを超えると、被覆層の表面から無機粒子等による粉落ちが発生し易くなり、セパレータとして使用した際に、突刺強度が低下したり、イオン伝導性が低下する等の問題が発生し易くなり、好ましくない。Saは、好ましくは、0.95μm以下、より好ましくは、0.9μm以下である。
一方、Saの下限は特に限定されないが、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合に、電極活物質との間のすべりを抑制し、電池組み立て工程における積層多孔フィルムのハンドリング性を向上させる観点から、Saは、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.4μm以上である。
また、本発明の積層多孔フィルムにおいては、以下の条件(1)を満たすことを要す。
(1)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積をV2とした際に、V1とV2との関係が、1>(V2)/(V1)≧0.5である。
すなわち、被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積V1は、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間において、さらに平均面からの垂直距離が5μm高い高さにおける平面に囲まれた空間の体積と、さらに平均面からの垂直距離が5μm低い高さにおける平面に囲まれた空間の体積との合計として示される。図1に、表面形状曲面についての平均面に垂直な任意の断面で切断した際に、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲に含まれる体積V1が占める領域の断面を表した概略図を示す。この図1の斜線部分の合計面積を、測定領域全体について積分した値が体積V1を示す。
同様に、被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積V2は、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間において、さらに平均面からの垂直距離が1μm高い高さにおける平面に囲まれた空間の体積と、さらに平均面からの垂直距離が1μm低い高さにおける平面に囲まれた空間の体積との合計として示される。図2に、表面形状曲面についての平均面に垂直な任意の断面で切断した際に、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲に含まれる体積V2が占める領域の断面を表した概略図を示す。この図2の黒色部分の合計面積を、測定領域全体について積分した値が体積V2を示す。
V1に対するV2の比[(V2)/(V1)]が0.5未満であると、部分的に被覆層表面に大きな粗大粒子が存在する可能性が高くなり、被覆層の表面から無機粒子等による粉落ちが発生し易くなり、セパレータとして使用した際に、突刺強度が低下したり、イオン伝導性が低下する等の問題が発生し易くなり、好ましくない。
(V2)/(V1)の下限値は、より好ましくは0.55以上、更に好ましくは0.6以上である。一方(V2)/(V1)の上限値は、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合に、電極活物質との間のすべりを抑制し、電池組み立て工程における積層多孔フィルムのハンドリング性を向上させる観点から、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.90以下である。
本発明の積層多孔フィルムにおいては、更に、以下の条件(2)を満たすことが好ましい。
(2)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1.5μmの範囲内の体積をV3とした際に、V1とV3との関係が、1>(V3)/(V1)≧0.7である。
V1に対するV3の比[(V3)/(V1)]が0.7以上であると、部分的に被覆層表面に大きな粗大粒子が存在する可能性がより低くなり、被覆層の表面から無機粒子等による粉落ちが発生しにくくなり、セパレータとして使用した際に、突刺強度が低下したり、イオン伝導性が低下する等の問題が少なくなるので、より好ましいものとなる。
(V3)/(V1)の下限値は、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上である。一方(V3)/(V1)の上限値は、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合に、電極活物質との間のすべりを抑制し、電池組み立て工程における積層多孔フィルムのハンドリング性を向上させる観点から、より好ましくは0.98以下、さらに好ましくは0.96以下である。
また、本発明の積層多孔フィルムにおいては、JIS B0601(2013年)で規定される算術平均高さ(Ra)が1μm以下であることが好ましい。Raが1μm以下であれば、被覆層の表面から無機粒子等による粉落ちが発生し難く、またセパレータとして使用した際に、突刺強度が低下したり、イオン伝導性が低下するおそれが小さい。Raは、より好ましくは、0.8μm以下、さらに好ましくは、0.6μm以下である。
一方、Raの下限は特に限定されないが、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合に、電極活物質との間のすべりを抑制し、電池組み立て工程における積層多孔フィルムのハンドリング性を向上させる観点から、Raは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上である。
積層多孔フィルムの被覆層の表面粗さを、上記の範囲にする方法として、被覆層に用いる無機粒子に、できる限り粗大な無機粒子が含まれないようにすることが重要である。被覆層に用いる無機粒子に、できる限り粗大な無機粒子が含まれないようにする方法としては、前述したボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌法等を用いることにより、粗大な無機粒子をできるだけ微細化して、分散媒に均一分散させることが好ましい。特に、ビーズミルを使用して無機粒子を含むスラリー液を得る方法が好ましい。また、得られ無機粒子を含むスラリー液を得て、樹脂バインダーを添加することにより、被覆層を得るための塗工液が得られるが、この塗工液に酸成分を添加することにより、酸性成分が粒子凝集の抑制効果を有するので、粗大な無機粒子が含まれないようにするのに効果を発揮する。
(厚み)
本発明の積層多孔フィルムの厚みは5〜100μmが好ましい。より好ましくは8〜50μm、更に好ましくは10〜30μmである。厚みが5μm以上であれば、非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば電極の突起部分に大きな力がかかった場合でも、非水電解液二次電池用セパレータを突き破って短絡しにくく安全性に優れる。また、厚みが100μm以下であれば、積層多孔フィルムの電気抵抗を小さくすることができるので、電池の性能を十分に確保することができる。
また、被覆層の厚みは、耐熱性の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。一方で上限としては、連通性の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
(空孔率)
本発明の積層多孔フィルムにおいて、空孔率は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましい。空孔率が30%以上であれば、連通性を確保し透気特性に優れた積層多孔フィルムとすることができる。
一方、上限については70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下が更に好ましい。空孔率が70%以下であれば、積層多孔フィルムの強度を十分に保持することができ、ハンドリングの観点からも好ましい。
(透気度)
本発明の積層多孔フィルムの透気度は1000秒/100mL以下が好ましく、10〜800秒/100mLがより好ましく、50〜500秒/100mLが更に好ましい。透気度が1000秒/100mL以下であれば、積層多孔フィルムに連通性があることを示し、優れた透気性能を示すことができるため好ましい。
透気度はフィルム厚み方向の空気の通り抜け易さを表し、具体的には100mLの空気が当該フィルムを通過するのに必要な時間で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルム厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とはフィルム厚み方向の孔のつながり度合いである。本発明の積層多孔フィルムの透気度が低ければ様々な用途に使用することができる。例えば非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、透気度が低いということはリチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。
本発明の積層多孔フィルムは、電池用セパレータとして使用時において、SD特性を有することが好ましい。具体的には、135℃で5秒間加熱後の透気度は10000秒/100mL以上であることが好ましく、より好ましくは25000秒/100mL以上、さらに好ましくは50000秒/100mL以上である。135℃で5秒間加熱後の透気度が10000秒/100mL以上とすることで、異常発熱時において空孔が速やかに閉塞し、電流が遮断されるため、電池の破裂等のトラブルを回避することができる。
(収縮率)
本発明の積層多孔フィルムの150℃における収縮率は、縦方向と横方向のいずれにおいても10%未満が好ましく、9%未満がより好ましく、8%未満であることが更に好ましい。前記150℃における収縮率が10%未満であれば、SD温度を超えて異常発熱した際においても、寸法安定性がよく、耐熱性を有することを示唆しており、破膜を防ぎ、内部短絡温度を向上することができる。下限としては特に限定しないが、0%以上がより好ましい。
積層多孔フィルムの収縮率は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
(密着性)
本発明の積層多孔フィルムは、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムと被覆層の密着性に優れる。被覆層の密着性は、引き剥がし強度で評価することができ、引き剥がし強度が大きいほど平滑性に優れたフィルムとなる。
引き剥がし強度は3.5N/18mm以上であることがフィルムの搬送トラブルや外観不良を軽減できるという点で好ましく、3.7N/18mm以上であることがさらに好ましい。上限については、特に制限は無く20N/18mm以下であることが理想であるが、現実的には10N/18mm以下であることが好ましい。
[非水電解液二次電池]
続いて、本発明の前記積層多孔フィルムを電池用セパレータとして収容している非水電解液二次電池について、図3を参照して説明する。
正極板21、負極板22の両極は電池用セパレータ10を介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体とする。
前記捲回工程について詳しく説明する。電池用セパレータの片端をピンのスリット部の間に通し、ピンを少しだけ回転させて電池用セパレータの一端をピンに巻きつけておく。この時、ピンの表面と電池用セパレータの被覆層とが接触している。その後、電池用セパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置し、捲回機によってピンを回転させて、正負極と電池用セパレータを捲回する。捲回後、ピンは捲回物から引き抜かれる。
前記正極板21、電池用セパレータ10および負極板22を一体的に巻き付けた捲回体を有底円筒状の電池ケース内に収容し、正極および負極のリード体24、25と溶接する。ついで、前記電解質を電池缶内に注入し、電池用セパレータ10などに十分に電解質が浸透した後、電池缶の開口周縁にガスケット26を介して正極蓋27を封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の非水電解液二次電池を作製する。
電解液としては、リチウム塩を電解液とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランもしくは4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、またはスルホランなどが挙げられ、これらを単独でまたは二種類以上を混合して用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの割合で溶解した電解質が好ましい。
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化させたものが用いられる。前記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズもしくはマグネシウムなどとの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物もしくは硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としてはリチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
正極としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウムもしくはクロム酸化物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の積層多孔フィルムについて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、積層多孔フィルムの長手方向を「縦方向」、長手方向に対して垂直方向を「横方向」と称する。
<評価方法>
・ 積層多孔フィルムの厚み
積層多孔フィルムの総厚みは、1/1000mmのダイアルゲージにて、積層多孔フィルムの面内を不特定に5ヶ所測定し、その平均値として算出した。
(2)被覆層の目付量
塗工前のポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの1m当たりの実質量W、塗工後に分散媒を除去して得られた積層多孔フィルムの1m当たりの実質量Wを測定し、その質量差(W−W)を被覆層の目付量とした。
(3)透気度
JIS P8117(2009年)に準じて測定した。測定にはデジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
(4)突刺強度
ホルダーで固定した積層多孔フィルム(測定部:直径10mmの円形)に、直径1mm、先端曲率半径0.5mmの金属(SUS440C)製針を厚み方向に300mm/minの速さで突き刺して、穴が開口する最大荷重を測定した。
(5)150℃収縮率
まず、実施例及び比較例で作製した積層多孔フィルムを長さ150mm×幅10mmのサイズに切り出し、長さ方向に100mmの間隔で2点印を入れてサンプルを作製した。次いで、150℃に設定したオーブン(タバイエスペック株式会社製「タバイギヤオーブンGPH200」)に当該サンプルを入れ、1時間静置した。当該サンプルをオーブンから取り出して冷却した後、長さを測定し、以下の式にて収縮率を算出した。
収縮率(%)={(100−加熱後の長さ)/100}×100
以上の測定は、積層多孔フィルムの縦方向、横方向についてそれぞれ行った。
(6)引張強度
JIS K7127(1999年)に準じて測定した。具体的には、積層多孔フィルムの縦方向、横方向共に、幅15mm、長さ80mm、チャック間距離40mm、クロスヘッドスピード200mm/分で測定し、破断点における引張強度を測定した。
(7)引張伸度
上記(6)の引張強度の破断点における長さを測定し、縦方向、横方向の伸び率を測定した。
(8)粉落ち
JIS L0849(2013年)に準じて測定した。但し、往復回数は50回とし、先端荷重を50gfとした。
(9)算術平均高さ:Ra(μm)
JIS B0601(2013年)に準じて、エリオニクス社製の三次元粗さ解析走査電子顕微鏡 ESA−2000を用い、加速電圧:10KV、CLコード:1800、測定倍率:×100、蒸着条件:Pt−Pd蒸着 10mA×100秒にて塗工面のうち1200μm×900μmの領域において測定した。
(10)面平均粗さ:Sa(μm)
エリオニクス社製の三次元粗さ解析走査電子顕微鏡 ESA−2000を用い、加速電圧:10KV、CLコード:1800、測定倍率:×100、蒸着条件:Pt−Pd蒸着 10mA×100秒にて塗工面のうち1200μm×900μmの領域において測定した。なお、Saの算出方法は前述した通りである。
(11)平均面から垂直距離で±5μmの範囲内の体積V1に対する平均面から垂直距離で±1μmの範囲内の体積V2の比
(10)において、Saを測定する際に定められる表面形状曲面についての平均面を基準とし、その表面形状曲面と平均面で囲まれた空間に含まれている、平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積V1と、平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積V2を(10)の測定・解析データからそれぞれ算出し、V1に対するV2の比を求めた。
(12)平均面から垂直距離で±5μmの範囲内の体積V1に対する平均面から垂直距離で±1.5μmの範囲内の体積V3の比
上記(11)の測定方法と同様にして求めた。
<実施例・比較例>
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP FY6HA」、密度:0.90g/cm、MFR:2.4g/10分)と、β晶核剤として、3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを準備した。このポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、β晶核剤を0.2質量部の割合で添加してブレンドし、東芝機械株式会社製の同方向二軸押出機(口径:40mmφ、L/D:32)に投入し、設定温度300℃で溶融混合後、水槽にてストランドを冷却固化し、ペレタイザーにてストランドをカットし、原料ペレットを製造した。
前記の原料ペレットを再度押出機に投入して溶融し、Tダイより押出し、124℃のキャスティングロールで冷却固化させて膜状物を製造した。この膜状物を、縦延伸機を用いて100℃で縦方向に4.6倍延伸し、その後、横延伸機にて150℃で横方向に2.1倍延伸後、153℃で熱固定を行った。続いてVETAPHONE社製ジェネレータCP1を使用し、出力0.4KW、速度10mm/minでコロナ表面処理を施して、厚さ20μmのポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得た。
[実施例1]
アルミナ(日本軽金属社製「LS−410」、比表面積:7.4m/g、平均粒径:0.5μm)52.6質量部、イソプロピルアルコール5.3質量部、イオン交換水42.1質量部を混合し、ビーズミル処理を行ない、アルミナスラリーを得た。使用したビーズミルの条件は下記のとおりであった。
装置 :アイメックス株式会社製「NVM−1.5」
ビーズ:直径0.5mmジルコニア製 充填率85%
周速 :10m/sec
吐出量:350mL/min
得られたアルミナスラリーを1週間静置したのち、アルミナスラリー61.8質量部、5質量%ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製「クラレポバール PVA124」、重量平均分子量:10万5600)水溶液9.9質量部、イオン交換水28.3質量部を混合し、全量に対し、450質量ppmとなるよう塩酸を加えることで、固形分濃度33質量%の塗工液を得た。上記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面に、小径グラビアロール(ロール径62mm、グラビア彫刻:格子(深度290μm、セル容積145cm/m))を用いて、上記塗工液をコーティングして被覆層を形成した。次いで、60℃の乾燥炉にて2分間乾燥させ、積層多孔フィルムを製造した。得られた積層多孔フィルムの物性評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において塗工液の作製時に、全量に対し、150質量ppmとなるように塩酸を加えた以外は、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを製造した。得られた積層多孔フィルムの物性評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
アルミナ(日本軽金属社製、LS−410)52.6質量部、イソプロピルアルコール5.3質量部、イオン交換水42.1質量部を混合し、大明化学社製0.5mm高純度アルミナビーズ 「TB-05」100質量部に対し、上記混合物を140質量部加え(ビーズ充填率約40%)約50Hzの周期、振幅20cmで水平方向に30分間往復運動をさせた。その後、アルミナビーズを#200のPEメッシュにより取り除くことでアルミナスラリーを得た。得られたアルミナスラリーを1週間静置したのち、アルミナスラリー61.8質量部、5質量%ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製「クラレポバール PVA124」、重量平均分子量:10万5600)水溶液9.9質量部、イオン交換水28.3質量部を混合し、固形分濃度33質量%の塗工液を得た。
この塗工液を使用して、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを製造した。得られた積層多孔フィルムの物性評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において塗工液の作製時に、全量に対し、150質量ppmとなるように塩酸を加えた以外は、比較例1と同様にして積層多孔フィルムを製造した。得られた積層多孔フィルムの物性評価を行った。その結果を表1に示す。
表1より明らかである通り、実施例で得た積層多孔フィルムは、本発明で規定する被覆層の表面粗さが小さく、その結果、粉落ち量が小さいので、突刺強度が高く、熱収縮率も小さいことから、非水電解液二次電池用セパレータとして、好適に使用できることが示されている。一方、比較例で得た積層多孔フィルムは、本発明で規定する被覆層の表面粗さが大きいので、その結果、粉落ち量が大きく、突刺強度が低下し、熱収縮率も大きいことから、非水電解液二次電池用セパレータとして、好適に使用できないことが示されている。
本発明の積層多孔フィルムは、透気特性が要求される種々の用途に応用することができる。具体的には、リチウムイオン二次電池用セパレータ;使い捨て紙オムツ、生理用品等の体液吸収用パットもしくはベッドシーツ等の衛生材料;手術衣もしくは温湿布用基材等の医療用材料;ジャンパー、スポーツウエアもしくは雨着等の衣料用材料;壁紙、屋根防水材、断熱材、吸音材等の建築用材料;乾燥剤;防湿剤;脱酸素剤;使い捨てカイロ;鮮度保持包装もしくは食品包装等の包装材料等の資材として極めて好適に利用できる。
10 非水電解液二次電池用セパレータ
20 二次電池
21 正極板
22 負極板
24 正極リード体
25 負極リード体
26 ガスケット
27 正極蓋

Claims (5)

  1. ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機粒子及び樹脂バインダーを含有する被覆層を有し、該被覆層表面の面平均粗さ(Sa)が1μm以下であり、かつ以下の条件(1)を満たす積層多孔フィルムの製造方法であって、
    該被覆層を形成するための塗工液が、ビーズミルを使用して無機粒子を含むスラリー液を得た後、該スラリー液に樹脂バインダーを添加し、さらに、25℃希薄水溶液下における第一酸解離定数(pK a1 )が5以下、かつ第二酸解離定数(pK a2 )が存在しないか又は7以上である酸成分を、塗工液中の含有量が10質量ppm以上10000質量ppm以下となるように該スラリー液に添加する工程を経て得られる、積層多孔フィルムの製造方法
    (1)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1μmの範囲内の体積をV2とした際に、V1とV2との関係が、1>(V2)/(V1)≧0.5である。
  2. 以下の条件(2)を満たす、請求項1に記載の積層多孔フィルムの製造方法
    (2)該被覆層表面の表面形状曲面についての平均面を基準とし、該表面形状曲面と該平均面で囲まれた空間に含まれている、該平均面からの垂直距離が±5μmの範囲内の体積をV1、該平均面からの垂直距離が±1.5μmの範囲内の体積をV3とした際に、V1とV3との関係が、1>(V3)/(V1)≧0.7である。
  3. 前記被覆層中の無機粒子の含有率が80〜99質量%である、請求項1又は2に記載の積層多孔フィルムの製造方法
  4. 前記無機粒子がアルミナである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法
  5. 前記樹脂バインダーが水溶性樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法
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