JP2015151445A - 積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 - Google Patents

積層多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 活性水酸基を有しない無機微粒子を用いた場合であっても、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度の増大を防止することが可能であり、製造する積層多孔フィルムについて高い透気性を低下させることなく、生産性を向上すること。
【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子、樹脂バインダー、及びポリリン酸塩を含有する被覆層を有し、該無機微粒子が活性水酸基を有しないことを特徴とする積層多孔フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層多孔フィルムに関し、包装用、衛生用、畜産用、農業用、建築用、医療用、分離膜、光拡散板、電池用セパレータとして利用することができる積層多孔フィルムに関する。本発明はまた、この積層多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池に関する。
多数の微細連通孔を有する高分子多孔体は、超純水の製造、薬液の精製、水処理などに使用する分離膜、衣類・衛生材料などに使用する防水透湿性フィルム、あるいは二次電池などに使用する電池用セパレータなど各種の分野で利用されている。
二次電池はOA、FA、家庭用電器または通信機器等のポータブル機器用電源として幅広く使用されている。特に機器に装備した場合に容積効率がよく機器の小型化および軽量化につながることからリチウムイオン二次電池を使用したポータブル機器が増加している。一方、大型の二次電池はロードレベリング、UPS、電気自動車をはじめ、エネルギー/環境問題に関連する多くの分野において研究開発が進められ、大容量、高出力、高電圧および長期保存性に優れている点より非水電解液二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池の用途が広がっている。
リチウムイオン二次電池の使用電圧は通常4.1Vから4.2Vを上限として設計されている。このような高電圧では水溶液は電気分解を起こすので電解液として使うことができない。そのため、高電圧でも耐えられる電解液として有機溶媒を使用したいわゆる非水電解液が用いられている。非水電解液用溶媒としては、より多くのリチウムイオンを存在させることができる高誘電率有機溶媒が用いられ、該高誘電率有機溶媒としてプロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の有機炭酸エステル化合物が主に使用されている。溶媒中でリチウムイオン源となる支持電解質として、6フッ化リン酸リチウム等の反応性の高い電解質を溶媒中に溶解させて使用している。
リチウムイオン二次電池には内部短絡の防止の点からセパレータが正極と負極の間に介在されている。該セパレータにはその役割から当然絶縁性が要求される。また、リチウムイオンの通路となる透気性と電解液の拡散・保持機能を付与するために微細孔構造である必要がある。これらの要求を満たすためセパレータとしては多孔性フィルムが使用されている。
最近の電池の高容量化に伴い、電池の安全性に対する重要度が増してきている。電池用セパレータの安全に寄与する特性として、シャットダウン特性(以後、「SD特性」と称す)がある。このSD特性は、100〜150℃程度の高温状態になると微細孔が閉塞され、その結果電池内部のイオン伝導が遮断されるため、その後の電池内部の温度上昇を防止できるという機能である。この時、多孔性フィルムの微細孔が閉塞される温度のうち最も低い温度をシャットダウン温度(以後、「SD温度」と称す)という。電池用セパレータとして使用する場合は、このSD特性を具備していることが必要となる。
しかしながら、近年リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化、高容量化に伴い、通常のSD特性が十分に機能せず、電池内部の温度が電池用セパレータの材料として使用されるポリエチレンの融点である130℃前後を超えてさらに上昇し、セパレータの熱収縮に伴う破膜によって、両極が短絡し、発火に至る事故が発生するおそれがある。そこで、安全性を確保するため、セパレータには現在のSD特性よりもさらに高い耐熱性が求められている。
前記要望に対し、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、金属酸化物と樹脂バインダーとを含む多孔層を備えた多層多孔フィルム(特許文献1〜5)が提案されている。これらは、多孔フィルム上にαアルミナや硫酸バリウム等の無機微粒子を高充填させたコート層を設けることで、異常発熱を起こし、SD温度を越えて温度が上昇し続けた際においても、両極の短絡を防ぐことができ、非常に安全性に優れる方法とされている。
特開2004−227972号公報 特開2008−186721号公報 国際公開2008/149986号パンフレット 特開2011−110704号公報 国際公開2013/042661号パンフレット
前記特許文献1〜5に記載の方法では、樹脂バインダーの含有量に対し非常に多量の無機微粒子を用いることにより、製造する多孔フィルムにおいて高い透気性を発現することができるが、無機微粒子を多量に含む組成物を用いてフィルム状に成形する場合、該組成物の粘度が増大するという問題がある。粘度の増大は生産性を悪化させる要因であり、例えば溶融押出法の場合であれば、吐出量やフィルムの膜厚が不安定になるという問題があり、塗布乾燥法の場合であれば、グラビア版目の転写やレベリング不良を起こすという問題がある。
前記問題に対し、特許文献5においては、塗工液にpH調整剤として揮発性酸を添加することにより、金属酸化物粒子の分散性を上げ、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度を下げることで、塗布乾燥法によって積層多孔フィルムの被覆層を形成する際の生産性を向上する製造方法を開示している。しかし、係る方法はアルミナ、ベーマイト、シリカ等の活性水酸基を表面に有する無機酸化物や水酸化物の粒子に有効であるものの、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム等の活性水酸基を有しない無機微粒子については有効ではない。
本発明の課題は、前記問題点を解決することにある。すなわち、活性水酸基を有しない無機微粒子を用いた場合であっても、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度の増大を防止することが可能であり、製造する積層多孔フィルムについて高い透気性を低下させることなく、生産性を向上することを目的とする。
本発明者らは上記の課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、活性水酸基を有しない無機微粒子を用いた場合、特定の化合物を併用することによって、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度の増大を防止することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1] ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子、樹脂バインダー、及びポリリン酸塩を含有する被覆層を有し、該無機微粒子が活性水酸基を有しないことを特徴とする積層多孔フィルム。
[2] 前記無機微粒子が硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、炭素、及び珪素からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする[1]に記載の積層多孔フィルム。
[3]
前記無機微粒子の平均粒径が0.01μm以上、3.0μm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の積層多孔フィルム。
[4] 前記被覆層において、前記無機微粒子及び前記樹脂バインダーの総量に対するポリリン酸塩の含有量が10質量ppm以上、10000質量ppm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
[5] 前記ポリリン酸塩が、ポリリン酸のナトリウム塩であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
[6] 前記被覆層において、前記無機微粒子及び前記樹脂バインダーの総量に占める無機微粒子の含有率が、80質量%以上、99.9質量%以下の範囲であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
[7] 前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムがポリプロピレン系樹脂を含んでなることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
[8] 前記被覆層が、被覆層形成用分散液を塗布し、乾燥することにより前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム上に形成されることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
[9] 前記被覆層形成用分散液の分散媒が、水を主成分とすることを特徴とする[8]に記載の積層多孔フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載の積層多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ。
[11] [10]に記載の非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池。
本発明によれば、活性水酸基を有しない無機微粒子を用いた場合であっても、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度の増大を防止することが可能であり、製造する積層多孔フィルムについて高い透気性を低下させることなく、生産性を向上することができる。
本発明の積層多孔フィルムを収容している電池の概略断面図である。
以下、本発明の積層多孔フィルムの実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含し、特に当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含するものである。
また、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
[積層多孔フィルム]
以下に、本発明の積層多孔フィルムを構成する各成分について説明する。
<ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム>
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに用いるポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンを重合した単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらの単独重合体または共重合体を2種以上混合することもできる。この中でもポリプロピレン系樹脂、または、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、特に、本発明の積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
本発明に用いるポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどのα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、本発明の積層多孔フィルムの機械的強度、耐熱性などを維持する観点から、ホモポリプロピレンがより好適に使用される。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が80〜99%であることが好ましい。より好ましくは83〜98%、更に好ましくは85〜97%であるものを使用する。アイソタクチックペンタッド分率が低すぎるとフィルムの機械的強度が低下するおそれがある。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルで更に規則性の高い樹脂が開発された場合についてはこの限りではない。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules8,687,(1975))に準拠する。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnが2.0〜10.0であることが好ましい。より好ましくは2.0〜8.0、更に好ましくは2.0〜6.0であるものが使用される。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnが2.0未満であると押出成形性が低下する等の問題が生じるほか、工業的に生産することも困難である。一方、Mw/Mnが10.0を超えた場合は低分子量成分が多くなり、積層多孔フィルムの機械的強度が低下しやすい。
ポリプロピレン系樹脂のMw/MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定される。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、MFRは0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。MFRが0.5g/10分以上とすることで、成形加工時の樹脂の溶融粘度が高く、十分な生産性を確保することができる。一方、15g/10分以下とすることで、得られる積層多孔フィルムの機械的強度を十分に保持することができる。
ポリプロピレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、前記ポリプロピレン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、懸濁重合法、溶融重合法、塊状重合法、気相重合法、またラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」(以上、日本ポリプロ(株)製)、「ノティオ」、「タフマーXR」(以上、三井化学(株)製)、「ゼラス」、「サーモラン」(以上、三菱化学(株)製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」(以上、住友化学(株)製)、「プライムポリプロ」、「プライムTPO」(以上、(株)プライムポリマー製)、「Adflex」、「Adsyl」、「HMS−PP(PF814)」(以上、サンアロマー(株)製)、「バーシファイ」、「インスパイア」(以上、ダウケミカル(株)製)など市販されている商品を使用できる。
(ポリエチレン系樹脂)
本発明に用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及びエチレンを主成分とする共重合体、すなわち、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどの炭素数3〜10のα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる1種または2種以上のコモノマーとの共重合体または多元共重合体あるいはその混合組成物が挙げられる。エチレン系重合体のエチレン単位の含有量は通常50質量%を超えるものである。
これらのポリエチレン系樹脂の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの中から選ばれる少なくとも1種のポリエチレン系樹脂が好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂の密度は、0.910〜0.970g/cmであることが好ましく、0.930〜0.970g/cmであることがより好ましく、0.940〜0.970g/cmであることが更に好ましい。密度が0.910g/cm以上であれば適度なSD特性を有することができるため好ましい。一方、0.970g/cm以下であれば適度なSD特性を有することができるほか、延伸性が維持される点で好ましい。
ポリエチレン系樹脂の密度は、密度勾配管法を用いてJIS K7112(1999年)に準じて測定される。
また、前記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常MFRは0.03〜30g/10分であることが好ましく、0.3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRが0.03g/10分以上であれば成形加工時の樹脂の溶融粘度が十分に低いため生産性に優れ好ましい。一方、30g/10分以下であれば、十分な機械的強度を得ることができるために好ましい。
ポリエチレン系樹脂のMFRはJIS K7210(1999年)に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の重合方法として、一段重合、二段重合、もしくはそれ以上の多段重合等があり、いずれの方法のポリエチレン系樹脂も使用可能である。
(他の成分)
本発明においては、前述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性およびポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加されるものであり、具体的には耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤または着色剤などの添加剤が挙げられる。
また開孔を促進するためや、成形加工性を付与するために、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、各種樹脂や、ワックス等の低分子量化合物を添加しても構わない。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの層構成)
本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムは、単層でも積層でもよく、特に制限されるものではない。中でも、前記ポリオレフィン系樹脂を含む層(以下「A層」と称する場合がある)の単層、当該A層の機能を妨げない範囲で、当該A層と他の層(以降「B層」と称する場合がある)との積層が好ましい。なお、B層がA層とは異なる前記ポリオレフィン系樹脂を含む層であっても構わない。
具体的にはA層/B層を積層した2層構造、A層/B層/A層、若しくは、B層/A層/B層として積層した3層構造などが例示できる。また、他の機能を持つ層と組み合わせて3種3層の様な形態も可能である。この場合、他の機能を持つ層との積層順序は特に問わない。更に層数としては4層、5層、6層、7層と必要に応じて増やしても良い。
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法)
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの製造方法は、従来公知の多孔性フィルムの製造方法を好適に用いることができ、特に限定されるものではないが、通常、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成するための前駆体である無孔膜状物を作製し、これを多孔化することによってポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成する方法が好ましく採用される。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを形成するための前駆体である無孔膜状物の作製方法は特に限定されず公知の方法を用いてよいが、例えば押出機を用いて熱可塑性樹脂組成物を溶融し、Tダイから押出し、キャストロールで冷却固化するという方法が挙げられる。またチューブラー法により製造した膜状物を切り開いて平面状とする方法も適用できる。
無孔膜状物の多孔化方法としては、特に限定されることなく、湿式による一軸以上の延伸多孔化、乾式による一軸以上の延伸多孔化など、公知の方法を用いてもよい。延伸方法については、ロール延伸法、圧延法、テンター延伸法、同時二軸延伸法などの手法があり、これらを単独あるいは2つ以上組み合わせて一軸延伸あるいは二軸延伸を行う。中でも、多孔構造制御の観点から逐次二軸延伸が好ましい。また必要に応じて、延伸の前後にポリオレフィン系樹脂組成物に含まれている可塑剤を溶剤によって抽出、乾燥させる方法も適用される。さらに、寸法安定性の改良を目的として、延伸の後に熱処理や弛緩処理を施すこともできる。
なお、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムにポリプロピレン系樹脂を用いる場合には、前記無孔膜状物にいわゆるβ晶を生成させることが好ましい。無孔膜状物中にβ晶を生成していれば、フィラー等の添加剤を使用しない場合においても、延伸を施すことで微細孔が容易に形成されるため、優れた透気特性を有するポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂の無孔膜状物中にβ晶を生成させる方法としては、前記ポリプロピレン系樹脂のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、特許第3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレンを添加する方法、及び組成物にβ晶核剤を添加する方法などが挙げられる。
(β晶核剤)
本発明で用いるβ晶核剤としては以下に示すものが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の生成・成長を増加させるものであれば特に限定される訳ではなく、また2種類以上を混合して用いても良い。
β晶核剤としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。そのほか核剤の具体的な種類については、特開2003−306585号公報、特開平08−144122号公報、特開平09−194650号公報に記載されている。
β晶核剤の市販品としては、新日本理化(株)製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたポリプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、Mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂に添加するβ晶核剤の割合は、β晶核剤の種類またはポリプロピレン系樹脂の組成などにより適宜調整することが必要であるが、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、0.0001〜5質量部であることが好ましい。また、0.001〜3質量部がより好ましく、0.01〜1質量部がさらに好ましい。
β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にポリプロピレン系樹脂のβ晶を生成・成長させることができ、非水電解液二次電池用セパレータとして用いる際にも十分なβ晶活性が確保でき、所望の透気性能が得られる。また、β晶核剤の割合がポリプロピレン系樹脂100質量部に対して5質量部以下であれば、経済的にも有利になるほか、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム表面へのβ晶核剤のブリードなどがなく好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを積層にする場合、製造方法は、多孔化と積層の順序等によって以下の4つに大別される。
(i)各層を多孔化したのち、多孔化された各層をラミネートしたり接着剤等で接着したりして積層する方法。
(ii)各層を積層して積層無孔膜状物を作製し、ついで当該無孔膜状物を多孔化する方法。
(iii)各層のうちいずれか1層を多孔化したのち、もう1層の無孔膜状物と積層し、多孔化する方法。
(iv)多孔層を作製した後、無機・有機粒子などのコーティング塗布や、金属粒子の蒸着などを行うことにより積層多孔フィルムとする方法。
本発明においては、その工程の簡略さ、生産性の観点から(ii)の方法を用いることが好ましく、なかでも2層の層間接着性を確保するために、共押出で積層無孔膜状物を作製した後、多孔化する方法が特に好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みは5〜100μmが好ましく、より好ましくは8〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmである。ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みが5μm以上であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合に実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば電極の突起部分に大きな力がかかった場合でも、セパレータを突き破って短絡しにくく安全性に優れる。また、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みが100μm以下であれば、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合に電気抵抗を小さくすることができるので、電池の性能を十分に確保することができる。
<被覆層>
本発明の積層多孔フィルムは、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子、樹脂バインダー、及びポリリン酸塩を含有する被覆層を有し、該無機微粒子が活性水酸基を有しないことを特徴とする。
(無機微粒子)
本発明に用いる無機微粒子は、活性水酸基を有しないものであれば特に限定されないが、中でも一般的に入手が容易であるものとしては、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物;チタン酸バリウム、炭素、珪素などが挙げられる。中でも非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合、電池に組み込んだ際に化学的に不活性であるという観点で、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、炭素、及び珪素からなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、入手の容易性やコスト等の観点から硫酸バリウム又は炭酸カルシウムが特に好ましい。
前記無機微粒子の平均粒径の下限としては、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上である。一方、上限として好ましくは3.0μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。前記平均粒径を0.01μm以上とすることで、本発明の積層多孔フィルムが十分な耐熱性を発現することができるため好ましい。また、前記平均粒径を3.0μm以下とすることで、前記被覆層における無機微粒子の分散性が向上するという観点から好ましい。
なお、本実施の形態において「無機微粒子の平均粒径」とは、例えば画像解析装置を用いて、縦方向・横方向それぞれ2方向から当該無機微粒子を投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値を、各方向について算出した後にさらに平均した値として算出される。また、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いた粒度分布測定によっても算出される。
(樹脂バインダー)
本発明に用いる樹脂バインダーとしては、前記無機微粒子と、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムとを良好に接着でき、電気化学的に安定で、かつ積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合に有機電解液に対して安定であれば、特に制限されるものではない。具体的には、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミドポリアミドイミド、ポリアラミド、ポリオキシエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル由来の構造単位が0〜20モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン−トリクロロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリメタクリル酸及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルセルロース、ポリビニルアルコール、シアノエチルポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、マレイン酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの樹脂バインダーは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。これらの樹脂バインダーの中でもポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその誘導体、マレイン酸変性ポリオレフィンが水中でも比較的安定であることから好ましく、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、及びポリアクリル酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがさらに好ましい。
前記被覆層において、前記無機微粒子と前記樹脂バインダーとの総量に占める無機微粒子の含有率は、80質量%以上、99.9質量%以下の範囲であることが好ましい。無機微粒子の含有率は92質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が特に好ましい。無機微粒子の含有率がこの範囲内であることにより、前記被覆層が優れた透気性と結着性を維持することができる。
(ポリリン酸塩)
本発明における被覆層には、ポリリン酸塩を含有することが重要である。ポリリン酸塩を含有することにより、活性水酸基を有しない無機微粒子を大量に用いた場合であっても、該無機微粒子と前記樹脂バインダーの混合物の粘度の増大を防止することが可能となる。すなわち、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に被覆層を形成して本発明の積層多孔フィルムを製造する際の生産性の向上に資する上、高い透気特性を低下させることもない。
ポリリン酸塩と前記無機微粒子がどのように作用するかの技術的な詳細は明らかではないが、ポリリン酸塩が前記無機微粒子の凝集等を妨げる何らかの効果を有しているものと考えられる。
本発明に用いるポリリン酸塩を構成するポリリン酸はリン酸の縮合体であり、下記一般式(1)の構造を有する。
Figure 2015151445
上記一般式(1)において、nは2以上の整数である。
本発明に用いるポリリン酸塩を構成するポリリン酸としては特に限定されないが、具体的にはピロリン酸(n=2)又はメタリン酸(n≧3)が挙げられる。また、メタリン酸としては、通常n=3〜9のものが入手容易性などの観点から好ましく用いられる。加えて、上記一般式(1)における酸素原子や水酸基をフッ素原子に置換したフッ素置換ポリリン酸も好適に使用することができ、中でも下記一般式(2)で表されるフッ素置換ポリリン酸が好ましい。
Figure 2015151445
上記一般式(2)において、nは2以上の整数である。
本発明に用いるポリリン酸塩は、ポリリン酸分子と金属原子により構成される塩であることが好ましい。係る金属原子としては、ポリリン酸分子と結合して安定的にポリリン酸塩として存在し得るものであれば特に制限はないが、具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが好ましく、中でもナトリウムがさらに好ましい。
すなわち、本発明に用いるポリリン酸塩としては、ポリリン酸のナトリウム塩が好ましく、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、フッ素置換ポリリン酸ナトリウムなどがより好ましく、これらの中でも入手の容易性・少量の添加でより高い効果が得られるという点でメタリン酸ナトリウムが特に好ましい。
前記被覆層において、前記無機微粒子及び前記樹脂バインダーの総量に対するポリリン酸塩の含有率は、10質量ppm以上、10000質量ppm以下の範囲であることが好ましい。ポリリン酸塩の含有率は50質量ppm以上、8000質量ppm以下であることがより好ましく、100質量ppm以上、5000質量ppmが更に好ましい。ポリリン酸塩の含有率が10質量ppm以上であることにより、粒子と樹脂バインダーの混合物の粘度を下げるという効果がある。一方、10000質量ppm以下であることにより、非水電解液二次電池用セパレータとして用いた場合、電池に組み込んだ際に副反応を起こしにくいという効果がある。
(被覆層の形成方法)
本発明の積層多孔フィルムにおける被覆層の形成方法としては、共押出法、ラミネート法、塗布乾燥法等の塗布法が挙げられるが、連続生産性の面で塗布法により形成することが好ましい。すなわち、前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、被覆層形成用分散液を塗布して被覆層を形成することが好ましい。
塗布法で被覆層を形成する場合において、被覆層形成用分散液の分散媒は無機微粒子、樹脂バインダー、及び前記ポリリン酸塩が適度に均一かつ安定に溶解または分散可能な溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、水、ジオキサン、アセトニトリル、低級アルコール、グリコール類、グリセリン、乳酸エステルなどが挙げられるが、中でもコスト面、環境負荷の点で水を主成分とすることが好ましく、とりわけ水を分散媒として用いることが好ましい。
前記無機微粒子、前記樹脂バインダー、及び前記ポリリン酸塩を分散媒に溶解または分散させる方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌法等が挙げられる。
前記無機微粒子、前記樹脂バインダー、及び前記ポリリン酸塩を分散媒に分散させて、被覆層形成用分散液を作製する際、その分散液の安定性を向上、粘性の最適化をするために分散助剤、安定剤、増粘剤等をその前後で添加してもよい。
本発明において前記被覆層形成用分散液の粘度は、B型粘度計(東機産業社製「TVB10H」)にて温度25℃、ローター周速度100rpmの条件で測定され、1mPa・s以上、180mPa・s以下の範囲であることが好ましく、5mPa・s以上、170mPa・s以下の範囲であることがさらに好ましく、10mPa・s以上、160mPa・s以下の範囲であることが特に好ましい。
分散液の粘度が1mPa・s以上であれば、該分散液を用いて塗布により被覆層を形成する際に、分散液が流動しすぎることがなく、本発明の積層多孔フィルムの生産性に優れる。また、分散液の粘度が180mPa・s以下であれば、分散液の粘度が高すぎることがなく、塗工性に優れ、塗布後の被覆層表面にグラビア版目模様が転写するなどの不具合が生じるおそれが小さいため、同様に本発明の積層多孔フィルムの生産性に優れる。
ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの表面に、被覆層形成用分散液を塗布する工程としては、特に限定されることはない。すなわち前記被覆層形成用分散液の塗布は、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの作製工程において、押出成形の後、延伸前であってもよいし、縦延伸工程の後であってもよいし、横延伸工程の後であってもよい。
前記塗布工程における塗布方式としては、必要とする層厚や塗布面積を実現できる方式であれば特に限定されない。このような塗布方法としては、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、等が挙げられる。
また、前記被覆層形成用分散液は、その用途に照らし、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面だけに塗布されてもよいし、両面に塗布されてもよい。即ち、本発明の積層多孔フィルムにおいて、被覆層は、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面にのみ形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。
被覆層形成用分散液の塗布後、前記分散媒を除去する方法としては、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムに悪影響を及ぼさない方法であれば、特に限定することなく採用することができる。前記分散媒を除去する方法としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを固定しながらその融点以下の温度にて乾燥する方法、低温で減圧乾燥する方法、前記樹脂バインダーに対する貧溶媒に浸漬して樹脂バインダーを凝固させると同時に溶媒を抽出する方法などが挙げられる。
<積層多孔フィルムの形状及び物性>
本発明の積層多孔フィルムの厚みは5〜100μmが好ましい。より好ましくは8〜50μm、更に好ましくは10〜30μmである。非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、厚みが5μm以上であれば、実質的に必要な電気絶縁性を得ることができ、例えば電極の突起部分に大きな力がかかった場合でも、非水電解液二次電池用セパレータを突き破って短絡しにくく安全性に優れる。また、厚みが100μm以下であれば、積層多孔フィルムの電気抵抗を小さくすることができるので、電池の性能を十分に確保することができる。
また、被覆層の厚みとしては、耐熱性の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。一方で上限としては、連通性の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは10μm以下である。
本発明の積層多孔フィルムにおいて、空孔率は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上が更に好ましい。空孔率が30%以上であれば、連通性を確保し透気特性に優れた積層多孔フィルムとすることができる。
一方、上限については70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下が更に好ましい。空孔率が70%以下であれば、積層多孔フィルムの強度を十分に保持することができ、ハンドリングの観点からも好ましい。
本発明の積層多孔フィルムの透気度は1000秒/100mL以下が好ましく、10〜800秒/100mLがより好ましく、50〜500秒/100mLが更に好ましい。透気度が1000秒/100ml以下であれば、積層多孔フィルムに連通性があることを示し、優れた透気性能を示すことができるため好ましい。
透気度はフィルム厚み方向の空気の通り抜け難さを表し、具体的には100mLの空気が当該フィルムを通過するのに必要な数で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方がフィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方がフィルム厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とはフィルム厚み方向の孔のつながり度合いである。本発明の積層多孔フィルムの透気度が低ければ様々な用途に使用することができる。例えば非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、透気度が低いということはリチウムイオンの移動が容易であることを意味し、電池性能に優れるため好ましい。
積層多孔フィルムの透気度は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
本発明の積層多孔フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合において、SD特性を有することが好ましい。具体的には、135℃で5秒間加熱後の透気度は10000秒/100mL以上であることが好ましく、より好ましくは25000秒/100mL以上、さらに好ましくは50000秒/100mL以上である。135℃で5秒間加熱後の透気度が10000秒/100mL以上であることで、異常発熱時において空孔が速やかに閉塞し、電流が遮断されるため、電池の破裂等のトラブルを回避することができる。
本発明の積層多孔フィルムの150℃における収縮率は、縦方向と横方向のいずれにおいても10%未満が好ましく、9%未満がより好ましく、8%未満であることが更に好ましい。前記150℃における収縮率が10%未満であれば、SD温度を超えて異常発熱した際においても、寸法安定性がよく、耐熱性を有することを示唆しており、破膜を防ぎ、内部短絡温度を向上することができる。該収縮率の下限としては特に限定しないが、0%以上がより好ましい。
積層多孔フィルムの収縮率は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
[非水電解液二次電池]
続いて、本発明の積層多孔フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして収容している非水電解液二次電池について、図1を参照して説明する。
正極板21、負極板22の両極は電池用セパレータ10を介して互いに重なるようにして渦巻き状に捲回し、巻き止めテープで外側を止めて捲回体とする。
前記捲回工程について詳しく説明する。電池用セパレータの片端をピンのスリット部の間に通し、ピンを少しだけ回転させて電池用セパレータの一端をピンに巻きつけておく。この時、ピンの表面と電池用セパレータの被覆層とが接触している。その後、電池用セパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置し、捲回機によってピンを回転させて、正負極と電池用セパレータを捲回する。捲回後、ピンは捲回物から引き抜かれる。
前記正極板21、電池用セパレータ10および負極板22を一体的に巻き付けた捲回体を有底円筒状の電池ケース内に収容し、正極および負極のリード体24、25と溶接する。ついで、前記電解液を電池缶内に注入し、電池用セパレータ10などに十分に電解液が浸透した後、電池缶の開口周縁にガスケット26を介して正極蓋27を封口し、予備充電、エージングを行い、筒型の非水電解液二次電池を作製する。
電解液としては、リチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルカーボネート、プロピオン酸メチルもしくは酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジメトキシメタン、ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランもしくは4−メチル−1,3−ジオキソランなどのエーテル類、またはスルホランなどが挙げられ、これらを単独でまたは二種類以上を混合して用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート1質量部に対してメチルエチルカーボネートを2質量部混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの割合で溶解した電解液が好ましい。
負極としてはアルカリ金属またはアルカリ金属を含む化合物をステンレス鋼製網などの集電材料と一体化させたものが用いられる。前記アルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属を含む化合物としては、例えばアルカリ金属とアルミニウム、鉛、インジウム、カリウム、カドミウム、スズもしくはマグネシウムなどとの合金、さらにはアルカリ金属と炭素材料との化合物、低電位のアルカリ金属と金属酸化物もしくは硫化物との化合物などが挙げられる。負極に炭素材料を用いる場合、炭素材料としてはリチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、例えば黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用いることができる。
正極としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウムもしくはクロム酸化物などの金属酸化物、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが活物質として用いられ、これらの正極活物質に導電助剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加した合剤を、ステンレス鋼製網などの集電材料を芯材として成形体に仕上げたものが用いられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の積層多孔フィルムについて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、積層多孔フィルムの長手方向を「縦方向」、長手方向に対して垂直方向を「横方向」と称する。
<評価方法>
(1)無機微粒子の含有率
無機微粒子の含有率は、分散液中の無機微粒子と樹脂バインダーとの総量に占める無機微粒子の割合とした。
(2)分散液中の固形分率
固形分率は、分散液100質量%に対する無機微粒子と樹脂バインダーとの総量の比率とした。
(3)無機微粒子の平均粒径
無機粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により積算した。
(4)被覆層形成用分散液の粘度
実施例・比較例で作製した分散液について、B型粘度計(東機産業社製「TVB10H」)にて温度25℃、ローター周速度100rpmの条件で粘度を測定した。
(5)総厚み
総厚みは、1/1000mmのダイアルゲージにて、積層多孔フィルムの面内を不特定に5箇所測定し、その平均値として算出した。
(6)被覆層の厚み
被覆層の厚みは、被覆層形成後の積層多孔フィルムの総厚みと、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの厚みとの差として算出した。
(7)透気度(ガーレー値)
透気度は、JIS P8117(2009年)に準拠して測定した。
(8)塗工性
塗工性は、以下の評価基準によって評価した。
○:塗布後の被覆層表面にグラビア版目模様の転写が目視で認められない。
×:塗布後の被覆層表面にグラビア版目模様の転写が凹凸として目視で確認できる。
(9)150℃における収縮率
実施例・比較例で作製した積層多孔フィルムを長さ150mm×幅10mmに切り出し、長さ方向に100mmの間隔で2点印を入れてサンプルを作製し、150℃に設定したオーブン(タバイエスペック社製「タバイギヤオーブンGPH200」)に当該サンプルを入れ、1時間静置した。当該サンプルをオーブンから取り出して冷却した後、印を入れた2点間の長さを測定し、以下の式にて収縮率を算出した。
収縮率(%)=100−加熱後の長さ
以上の測定は、積層多孔フィルムの縦方向、横方向についてそれぞれ行った。
(10)耐熱性
耐熱性は、以下の評価基準において評価した。
○:150℃、1時間における収縮率が、縦方向と横方向のいずれも10%未満
×:150℃、1時間における収縮率が、縦方向と横方向のいずれかが10%以上
<実施例・比較例>
(ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ(株)製「ノバテックPP FY6HA」、密度:0.90g/cm、MFR:2.4g/10分)と、β晶核剤として、3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを準備した。このポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、β晶核剤を0.2質量部の割合で各原材料をブレンドし、東芝機械株式会社製の同方向二軸押出機(口径:40mmφ、L/D:32)に投入し、設定温度300℃で溶融混合後、水槽にてストランドを冷却固化し、ペレタイザーにてストランドをカットし、ポリプロピレン系樹脂組成物のペレットを作製した。
前記の原料を用いて、口金より押出し、124℃のキャスティングロールで冷却固化させて膜状物を作製した。
前記膜状物を、縦延伸機を用いて100℃で縦方向に4.6倍延伸し、その後、横延伸機にて150℃で横方向に2.1倍延伸後、153℃で熱固定を行った。続いて弛緩処理を行い、さらにVETAPHONE社製ジェネレータCP1を使用し、出力0.4kW・速度10m/minでコロナ表面処理を施すことでポリオレフィン系樹脂多孔フィルムを得た。
[実施例1]
沈降性硫酸バリウム(堺化学工業(株)製「B−55」、平均粒径:0.6μm)39.4質量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA124」、鹸化度:98.0〜99.0、平均重合度:2400)0.6質量部、水60.0質量部を混合し、5000rpmのホモジナイザーにて5分間分散させ、固形分率が40%のスラリーを得た。
得られたスラリーを水で固形分率が32%となるよう希釈し、メタリン酸ナトリウム(ナカライテスク(株)製)を300質量ppmとなるように加え、よく攪拌することで被覆層形成用分散液を得た。
得られた分散液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面にリバースキスグラビアロール(格子型、線数:25L/インチ、深度290μm、セル容量145mL/m)を用いて塗布した後、45℃の乾燥炉にて乾燥させ、積層多孔フィルムを得た。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[実施例2]
メタリン酸ナトリウムの代わりにピロリン酸ナトリウム(ナカライテスク(株)製)を300質量ppmとなるように加えた点以外は、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを得た。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例1]
メタリン酸ナトリウムの代わりにリン酸三ナトリウム(ナカライテスク(株)製)を300質量ppmとなるように加えた点以外は、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを得た。
[比較例2]
メタリン酸ナトリウムの代わりに塩酸を70質量ppmとなるように加えた点以外は、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを得た。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例3]
メタリン酸ナトリウムを添加しなかった点以外は、実施例1と同様にして積層多孔フィルムを得た。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[比較例4]
前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムのみの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
[参考例]
低ソーダアルミナ(日本軽金属(株)製「LS−410」、平均粒径:0.5μm)39.4質量部、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「PVA124」、鹸化度:98.0〜99.0、平均重合度:2400)0.6質量部、水60.0質量部を混合し、5000rpmのホモジナイザーにて5分間分散させ、固形分率が40%のスラリーを得た。
得られたスラリーを水で固形分率が32%となるように希釈し、塩酸を70質量ppmとなるように加え、よく攪拌することで被覆層形成用分散液を得た。
得られた分散液を前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの片面にリバースキスグラビアロール(格子型、線数:25L/インチ、深度290μm、セル容量145mL/m)を用いて塗布した後、45℃の乾燥炉にて乾燥させ、積層多孔フィルムを得た。
得られた積層多孔フィルムの物性評価を行い、その結果を表1にまとめた。
Figure 2015151445
表1より明らかである通り、実施例で作製した分散液はポリリン酸塩を含有しており低粘度であるため、グラビア塗工による版目写りが低減され、生産性や外観が良好な積層多孔フィルムが得られると共に、優れた耐熱性、透気性を有することも確認できた。
一方、比較例1〜3で作製した分散液はポリリン酸塩を含有しておらず高粘度であるため、グラビア塗工時に生産性が低下した上、版目模様が被覆層に転写し、外観が良好でない積層多孔フィルムとなった。
また、比較例4のポリオレフィン系樹脂多孔フィルムは、被覆層が積層されていなかったため、耐熱性が不十分であった。
本発明の積層多孔フィルムは、透気特性が要求される種々の用途に応用することができる。具体的には非水電解液二次電池用セパレータ;使い捨て紙オムツ、生理用品等の体液吸収用パットもしくはベッドシーツ等の衛生材料;手術衣もしくは温湿布用基材等の医療用材料;ジャンパー、スポーツウエアもしくは雨着等の衣料用材料;壁紙、屋根防水材、断熱材、吸音材等の建築用材料;乾燥剤;防湿剤;脱酸素剤;使い捨てカイロ;鮮度保持包装もしくは食品包装等の包装材料等の資材として極めて好適に利用できる。
10 非水電解液二次電池用セパレータ
20 非水電解液二次電池
21 正極板
22 負極板
24 正極リード体
25 負極リード体
26 ガスケット
27 正極蓋

Claims (11)

  1. ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面に、無機微粒子、樹脂バインダー、及びポリリン酸塩を含有する被覆層を有し、該無機微粒子が活性水酸基を有しないことを特徴とする積層多孔フィルム。
  2. 前記無機微粒子が硫酸バリウム、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、炭素、及び珪素からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層多孔フィルム。
  3. 前記無機微粒子の平均粒径が0.01μm以上、3.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層多孔フィルム。
  4. 前記被覆層において、前記無機微粒子及び前記樹脂バインダーの総量に対するポリリン酸塩の含有量が10質量ppm以上、10000質量ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層多孔フィルム。
  5. 前記ポリリン酸塩が、ポリリン酸のナトリウム塩であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層多孔フィルム。
  6. 前記被覆層において、前記無機微粒子及び前記樹脂バインダーの総量に占める無機微粒子の含有率が、80質量%以上、99.9質量%以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層多孔フィルム。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムがポリプロピレン系樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層多孔フィルム。
  8. 前記被覆層が、被覆層形成用分散液を塗布し、乾燥することにより前記ポリオレフィン系樹脂多孔フィルム上に形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層多孔フィルム。
  9. 前記被覆層形成用分散液の分散媒が、水を主成分とすることを特徴とする請求項8に記載の積層多孔フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層多孔フィルムを用いた非水電解液二次電池用セパレータ。
  11. 請求項10に記載の非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池。
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