JP2019186157A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータの耐熱層の厚さが小さいのにもかかわらず熱安定性に優れる非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータとを含む電極体、および非水電解液を備える。前記非水電解液は、オキサラート錯体化合物を添加剤として含有する。前記セパレータは、無機粒子とバインダとを含む耐熱層、および基材層を備える。前記バインダは、ポリ−N−ビニルアセトアミドとポリビニルピロリドンとを含有する。前記耐熱層の厚さは、2.7μm以上5.1μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液二次電池は一般的に、正極と負極とセパレータとを含む電極体、および非水電解液を備える構成を有する。熱安定性を高めるために、セパレータに無機粒子およびバインダを含む耐熱層(HRL)を設ける技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、耐熱層のバインダに関し、軟化温度が175℃よりも低いバインダとしてポリ−N−ビニルアセトアミドと、軟化温度が175℃以上のバインダとを併用することが記載されている。特許文献1には、軟化温度が175℃以上のバインダとして、ポリビニルピロリドンを使用した実験例がある。また、特許文献1には、非水電解液にオキサラート錯体化合物であるリチウムビス(オキサラート)ボレートを添加剤として含有させることが記載されている。
特開2014−209414号公報
非水電解液二次電池の普及に伴い、非水電解液二次電池にはさらなる特性の向上(例えば、高容量化)が求められている。高容量化の方策の一つは、セパレータの耐熱層の薄層化である。しかしながら、一般に、耐熱層の厚さが小さくなるほど、耐熱層が熱収縮し易くなって過充電時に温度が上昇し易くなり、熱安定性が低くなる傾向にある。非水電解液にオキサラート錯体化合物を添加することで過充電時の熱安定性は向上するものの、セパレータの耐熱層の厚さが小さい場合には、熱安定性向上効果が十分に得られない場合がある。したがって、従来技術においては、熱安定性を確保しながら、セパレータの耐熱層を薄層化することは困難である。
かかる事情に鑑み、本発明は、セパレータの耐熱層の厚さが小さいのにもかかわらず熱安定性に優れる非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータとを含む電極体、および非水電解液を備える。前記非水電解液は、オキサラート錯体化合物を添加剤として含有する。前記セパレータは、無機粒子とバインダとを含む耐熱層、および基材層を備える。前記バインダは、ポリ−N−ビニルアセトアミドとポリビニルピロリドンとを含有する。前記耐熱層の厚さは、2.7μm以上5.1μm以下である。
このような構成によれば、セパレータの耐熱層の厚さが小さいのにもかかわらず熱安定性に優れる非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の積層構造の一部を示す模式図である。 実施例1〜3、比較例1および参考例2〜4について、耐熱層の厚さに対する過充電時最高温度比をプロットしたグラフである。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70は、図3に示すように、耐熱層(HRL)72と基材層74とを備える。耐熱層72は、基材層74の主面上に形成される。耐熱層72は、基材層74の片面のみに設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
図示例では、耐熱層72が正極50に対向している。すなわち、耐熱層72が、基材層74の正極50に対向する面上に設けられている。しかしながら、耐熱層72は、負極60に対向していてもよい。耐熱層72が正極50に対向している方が、熱安定性がより高くなるため好ましい。
耐熱層72は、無機粒子と、バインダとを含む。
無機粒子の材質としては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)等の無機酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、マイカ、タルク、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン等の粘土鉱物、ガラス繊維などが挙げられる。なかでも、アルミナ、ベーマイト、およびマグネシアが好ましく用いられる。これらは融点が高く、耐熱性に優れる。またモース硬度が比較的高く、機械的強度および耐久性にも優れる。さらに比較的安価なため原料コストを抑えることができる。
耐熱層72は、バインダとして、ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA)とポリビニルピロリドン(PVP)とを含有する。バインダとしてこれら二種類のポリマーを用いることにより、耐熱層72の結着力および熱安定性を高めることができる。PVPが主に結着力向上に寄与し、PNVAのアセトアミド基が熱安定性向上に主に寄与しているものと考えられる。
耐熱層72に含まれるバインダの総量には特に制限はないが、無機粒子100質量部に対して、好ましくは1質量部以上7質量部以下、より好ましくは1.8質量部以上4.5質量部以下、さらに好ましくは2.4質量部以上3.6質量部以下である。
耐熱層72に含まれるPNVAの量には特に制限はないが、無機粒子100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上2質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上1.5質量部以下、さらに好ましくは0.27質量部以上1質量部以下である。
耐熱層72は、無機粒子およびバインダ以外の成分を含んでいてもよい。その例としては、増粘剤が挙げられる。耐熱層72の増粘剤の例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)等が挙げられる。
耐熱層72の厚さは、2.7μm以上5.1μm以下である。耐熱層72の厚さがこの範囲外である場合には、熱安定性が低下する。
基材層74は、典型的には多孔質樹脂シート層である。多孔質樹脂シート層を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミドが挙げられる。基材層74は、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
基材層74の厚みは、通常10μm以上であり、典型的には15μm以上、例えば17μm以上である。一方で、基材層74の厚みは、通常40μm以下であり、典型的には30μm以下、例えば25μm以下である。
非水電解液80は、添加剤として、オキサラート錯体化合物を含有する。オキサラート化合物は、被膜形成剤として作用する。オキサラート錯体化合物は、オキサラート錯体のリチウム塩であることが好ましく、その例としては、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラート)ボレート(LiFOB)、リチウムジフルオロビス(オキサラート)ホスフェート(LPFO)、リチウムビス(オキサラート)シラン等が挙げられる。
オキサラート錯体化合物の非水電解液80中の濃度は、特に制限はないが、好ましくは0.005mol/L以上0.15mol/L以下であり、より好ましくは、0.01mol/L以上0.10mol/L以下である。
非水電解液80は、上記添加剤以外に、典型的には非水溶媒および支持塩を含有する。
非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、非水電解液80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;分散剤;増粘剤等を含んでいてもよい。
後述の実施例の結果が示すように、非水電解液80がオキサラート錯体化合物を添加剤として含有し、セパレータ70の耐熱層72のバインダがポリ−N−ビニルアセトアミドとポリビニルピロリドンとを含有し、耐熱層72の厚さが2.7μm以上5.1μm以下であることにより、セパレータ70の耐熱層72の厚さが小さいのにもかかわらずリチウムイオン二次電池100は、熱安定性に優れる。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される技術は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも適用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=90:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極シートを作製した。
負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより負極シートを作製した。
セパレータ基材として、ポリエチレン層の両面にポリプロピレン層が形成された三層構造(PP/PE/PP)の厚さ20μmの多孔質フィルムを準備した。そして、無機粒子としてのアルミナ粉末(平均粒径(D50)0.1μm)とバインダと増粘材としてのCMCとを、水中で分散し、耐熱層形成層組成物を調製した。なお、バインダは、表に示す種類のものを表に記載の量で使用した。この耐熱層層形成用組成物を、上記セパレータ基材の片面にグラビアロールにより塗布し乾燥することによって、セパレータ基材の上に表に示す厚さを有する耐熱層を形成し、セパレータシートを作製した。
上記で作製した正極シートと負極シートと2枚のセパレータシートとを積層し、捲回した後、側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体を作製した。積層の際には、セパレータシートの耐熱層が表に示す電極に対向するようにした。次に、捲回電極体に正極端子および負極端子を接続し、電解液注入口を有する角型の電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの電解液注入口から非水電解液を注入し、当該注入口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させ、使用する場合には表に示す添加剤を0.01mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
このようにして、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<−10℃入力試験>
−10℃の環境下において、電池をSOC60%の状態に調整し、異なる電力レートで定電力充電することにより、それぞれ電池電圧が4.1Vに到達するまでの時間(秒)を測定した。そして、このときの充電所要時間(秒)−電力(W)のプロットの一次近似直線の傾きから、10秒入力を算出した。実施例2の10秒入力を100とした場合の各試験例の10秒入力の比を求めた。評価結果を表に示す。
<過充電時最大温度>
各評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下でCC−CV充電(4.1V、レート1C、0.01Cカット)した。その後、上限電圧を25Vとして過充電試験を実施し、その際の各評価用リチウムイオン二次電池の内部温度をモニタリングして、過充電時の最大温度を計測した。実施例2の最高温度の値を100とした場合の各試験例の最高温度の値の比を求めた。評価結果を表に示す。
Figure 2019186157
非水電解液がオキサラート錯体化合物を添加剤として含有し、セパレータの耐熱層のバインダがPNVAとPVPとを含有し、耐熱層の厚さが2.7μm以上5.1μm以下の範囲内にある実施例1〜11では、−10℃入力および熱安定性の両方について良好な結果が得られた。
一方、耐熱層の厚さが6.6μmと大きい比較例1では、過充電時最高温度が高くなり熱安定性が低かった。
バインダAとしてPVPを用いなかった比較例2では、熱安定性が低かった。
バインダAとしてアクリル系バインダを用いた参考例では、耐熱層の厚さが小さくにつれて熱安定性が低下する傾向が見られた。そこで、実施例1〜3、比較例1、および参考例2〜4について、耐熱層の厚さに対する過充電時最高温度比をプロットしたグラフを図4に示す。図4より、耐熱層のバインダにアクリル系バインダのみを用いた場合、耐熱層の厚さが小さくなるにつれて過充電時最高温度比が大きくなり、負の傾きを有する直線で近似することができる。耐熱層の厚さが小さくなるにつれて熱安定性が悪化するのは、一般的な挙動である。しかしながら、耐熱層バインダにPNVAとPVPとを併用した場合には、耐熱層の厚さの小さい領域(2.7μm以上5.1μm以下の範囲)において、過充電時最高温度比が小さいという特異的な現象が確認できた。これは、下に凸の曲線で近似することができる。
また、電解液が添加剤を含有していない比較例3〜9では、熱安定性が低かった。
このような結果が得られた理由は、次のように推測される。
過充電時、負極表面においてLiBOB被膜分解物とPNVAが反応し、発熱する。耐熱層の厚みが大きいと反応量が増えて発熱が大きくなるため過充電時の温度が上昇し易くなり、熱安定性が低下する。一方、耐熱層の厚さが小さいと反応量が減るために良化するが、過充電時の発熱で高温になった際の熱収縮が大きくなるため、熱安定性が悪化する。そのために、下に凸の曲線で近似できる、耐熱層の厚さと過充電時最高温度比の関係が見られる。PNVAは負極表面で発熱反応を起こすマイナスの影響がある一方で、分解されない分については熱安定性が高いために高温でもバインダとして機能し、耐熱層を保持可能であるというプラスの影響がある。耐熱層の厚さの小さい領域(2.7μm以上5.1μm以下の範囲)では、このプラスの影響の方が大きいものと考えられる。ただし、PNVA単独では、耐熱層の結着力が小さいために、熱収縮率が大きく、熱安定性が低下する。耐熱層の結着性を高めるためにPNVAの増やすことも考えられるが、PNVAの含有量が増えると、発熱反応が増えて過充電時の熱安定性は低下すると考えられる。また、PVPは、耐熱層の結着力に優れているため、バインダがPVPを含有することにより、加熱時の熱収縮を低減することができ、熱安定性が向上する。ただし、バインダがPNVAを含有しない場合には、高温での熱安定性が低下する。
非水電解液の添加剤の種類を変えた実施例4および5、比較例10でも上記と同じ傾向が得られた。LPFOは、LiBOBと同様に、負極上にオキサラートの分解被膜を生成することができる。よって、過充電時に負極表面においてオキサラートの分解物とPNVAとが発熱反応でき、上記と同じメカニズムで熱安定性の効果を得ることができる。したがって、非水電解液の添加剤としては、オキサラート錯体化合物であれば、本発明の効果が得られることがわかる。
セパレータ耐熱層を正極に対向させた実施例6では、熱安定性がより高くなった。これは、上述のように負極上で発熱反応が起こるため、耐熱層を正極側に向けることで、負極上で発生したLiBOB被膜分解物との反応を低減できるためであると考えられる。
なお、実施例7〜11では、バインダ量について検討したが、バインダ量を増やした場合も減らした場合も熱安定性向上効果が小さくなる傾向が見られた。これは、バインダ量が多いと発熱反応が増え、バインダ量が少ないと耐熱層の結着力が低下して熱収縮抑制効果が低下するためと考えられる。
以上の結果より、本実施形態に係る非水電解液二次電池は、セパレータの耐熱層の厚さが小さいのにもかかわらず熱安定性に優れることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
72 耐熱層
74 基材層
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極と負極とセパレータとを含む電極体、および非水電解液を備える非水電解液二次電池であって、
    前記非水電解液は、オキサラート錯体化合物を添加剤として含有し、
    前記セパレータは、無機粒子とバインダとを含む耐熱層、および基材層を備え、
    前記バインダは、ポリ−N−ビニルアセトアミドとポリビニルピロリドンとを含有し、
    前記耐熱層の厚さは、2.7μm以上5.1μm以下である、
    非水電解液二次電池。
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